JP2003239006A - ナノ粒子およびナノ粒子の製造方法、並びに、磁気記録媒体 - Google Patents
ナノ粒子およびナノ粒子の製造方法、並びに、磁気記録媒体Info
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Abstract
のサイズおよび組成が制御可能なナノ粒子と該ナノ粒子
を製造する方法を提供する。 【解決手段】 界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒
と還元剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(I)に、界
面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と金属塩水溶液と
を混合した逆ミセル溶液(II)を添加して還元反応を
行う還元工程と、還元反応終了後に昇温して熟成する熟
成工程と、を有する製造方法であって、逆ミセル溶液
(I)および逆ミセル溶液(II)のそれぞれの溶液中
の水と界面活性剤との質量比(水/界面活性剤)が20
以下で、還元反応の温度が−5〜30℃の範囲で一定
で、熟成の温度が前記還元反応の温度より高く、30〜
90℃の範囲で一定で、前記熟成の時間が5〜180
分、であることを特徴とするナノ粒子の製造方法であ
る。上記ナノ粒子の製造方法により製造されたことを特
徴とするナノ粒子である。
Description
ノ粒子の製造方法、並びに、磁気記録媒体に関する。
を小さくすることは、磁気記録密度を高くする上で必要
である。たとえば、ビデオテープ、コンピュータテー
プ、ディスクなどとして広く用いられている磁気記録媒
体では、強磁性体の質量が同じ場合、粒子サイズを小さ
くしていった方がノイズは下がる。CuAu型あるいは
Cu3Au型硬磁性規則合金は、規則化時に発生する歪
みのために、結晶磁気異方性が大きく、粒子サイズを小
さくし、いわゆるナノ粒子といわれる状態としても硬磁
性を示すことから、磁気記録密度向上に有望な素材であ
る。
成しうるナノ粒子の合成法としては、沈殿法で分類する
と、1級アルコールを用いるアルコール還元法、2
級、3級、2価または3価のアルコールを用いるポリオ
ール還元法、熱分解法、超音波分解法、強力還元
剤還元法、などがある。また、反応系で分類すると、
高分子存在法、高沸点溶媒法、正常ミセル法、逆
ミセル法、などがある。
弱く、貴な金属と卑な金属とを同時に還元する場合、均
一合金が生成しにくく、コア/シェル構造になることが
多い。のポリオール還元法、およびの熱分解法の場
合は、高温反応が必要であるため製造適性が劣る。の
超音波分解法、およびの強力還元剤還元法は、比較的
簡便な方法であるが、凝集や沈殿が発生しやすく、反応
系を工夫しないと単分散で小さいナノ粒子を得ることが
困難である。
ポリビニルピロリドン中のエタノール還元法があるが、
この場合、合成後のポリマー量が非常に多く、必要量ま
で減少させることが困難である。、およびを組み
合わせた系として、特開2000−54012号、US
6,254,662号が知られている。この方法は、毒
性の高い物質を用いるため危険性が高く、さらに、不活
性ガス中で、かつ300℃近い高温で反応させる必要が
あるため、装置構成が複雑で製造適性が劣る欠点を有し
ている。とを組み合わせた系、とを組み合わせ
た系は一般的な方法ではあるが、目的とする組成および
粒子サイズを有する金属ナノ粒子を得る方法についての
詳しい条件等は未だ見出されていない。
面心立方晶となる。面心立方晶は通常、軟磁性あるいは
常磁性を示す。軟磁性あるいは常磁性では記録媒体用に
は適していない。磁気記録媒体に必要な95.5kA/
m(1200Oe)以上の保磁力を有する硬磁性規則合
金を得るには、不規則相から規則相へ変態する変態温度
以上でアニール処理を施す必要がある。しかし、上記方
法で製造されたナノ粒子を支持体上に塗布し、アニール
処理を施して磁気記録媒体を作製する場合、ナノ粒子が
互いに凝集しやすいため塗布適性が低下し、磁気特性が
低下したり、得られるナノ粒子の粒径が不均一なため熱
処理を施しても完全に規則相とすることが困難で、所望
の硬磁性が得られなかったりすることがあった。
互いに凝集しにくく、塗布適性に優れ、粒子のサイズお
よび組成が制御可能なナノ粒子と該ナノ粒子を製造する
方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前
記ナノ粒子を磁性層として含有し、硬磁性を示す磁気記
録媒体を提供することを目的とする。
鋭意検討の結果、本発明者は、下記本発明により上記課
題を解決することができることを見出した。すなわち、
本発明は、 <1> 界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と還元
剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(I)に、界面活性
剤を含有する非水溶性有機溶媒と金属塩水溶液とを混合
した逆ミセル溶液(II)を添加して還元反応を行う還
元工程と、還元反応終了後に昇温して熟成する熟成工程
と、を有するナノ粒子の製造方法であって、前記逆ミセ
ル溶液(I)および逆ミセル溶液(II)のそれぞれの
溶液中の水と界面活性剤との質量比(水/界面活性剤)
が20以下であり、前記還元反応の温度が−5〜30℃
の範囲で一定であり、前記熟成の温度が前記還元反応の
温度より高く、30〜90℃の範囲で一定であり、さら
に、前記熟成の時間が5〜180分、であることを特徴
とするナノ粒子の製造方法である。
コールとの混合溶液で熟成後の溶液を洗浄し、その後、
1級アルコールで沈殿化処理を施して沈殿物を生成さ
せ、該沈殿物を有機溶媒で分散させる洗浄・分散工程を
設けることが好ましい。さらに、前記逆ミセル溶液
(I)および(II)の少なくともいずれかに、アミノ
基またはカルボキシ基を1〜3個有する少なくとも1種
の分散剤を、作製しようとする金属ナノ粒子1モル当た
り、0.001〜10モル添加することが好ましい。
により製造されたことを特徴とするナノ粒子である。 <3> 少なくとも、支持体上に磁性層が形成された磁
気記録媒体であって前記磁性層が、<2>に記載のナノ
粒子を分散した分散液を支持体上に塗布し、アニール処
理が施されて形成されていることを特徴とする磁気記録
媒体である。
粒子>本発明のナノ粒子の製造方法は、少なくとも、2
種の逆ミセル溶液を混合して還元反応を行う還元工程
と、還元反応後に所定温度で熟成する熟成工程と、を有
する。以下、各工程について説明する。
非水溶性有機溶媒と還元剤水溶液とを混合した逆ミセル
溶液(I)を調製する。
剤が用いられる。具体的には、スルホン酸塩型(例え
ば、エーロゾルOT(和光純薬製))、4級アンモニウ
ム塩型(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロマ
イド)、エーテル型(例えば、ペンタエチレングリコー
ルドデシルエーテル)などが挙げられる。
媒として好ましいものは、アルカンおよびエーテルであ
る。アルカンは、炭素数7〜12のアルカン類であるこ
とが好ましい。具体的には、ヘプタン、オクタン、ノナ
ン、デカン、ウンデカン、ドデカンが好ましい。エーテ
ルは、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチ
ルエーテルが好ましい。非水溶性有機溶媒中の界面活性
剤量は、20〜200g/リットルであることが好まし
い。
ール類;ポリアルコール類;H2;HCHO、S
2O6 2-、H2PO2 -、BH4 -、N2H5 +、H2PO3 -など
を含む化合物;を単独で使用、または2種以上を併用す
ることが好ましい。水溶液中の還元剤量は、金属塩1モ
ルに対して、3〜50モルであることが好ましい。
活性剤との質量比(水/界面活性剤)は、20以下とな
るようにする。質量比が20を超えると、沈殿が起きや
すく、粒子も不揃いとなりやすいといった問題が生じ
る。質量比は、15以下とすることが好ましく、0.5
〜10とすることがより好ましい。
溶性有機溶媒と金属塩水溶液とを混合した逆ミセル溶液
(II)を調製する。界面活性剤および非水溶性有機溶
媒の条件(使用する物質、濃度等)については、逆ミセ
ル溶液(I)の場合と同様である。なお、逆ミセル溶液
(I)と同種のものまたは異種のものを使用することが
できる。また、逆ミセル溶液(II)中の水と界面活性
剤との質量比も逆ミセル溶液(I)の場合と同様であ
り、逆ミセル溶液(I)の質量比と同一としてもよく、
異なっていてもよい。
は、作製しようとするナノ粒子がCuAu型あるいはC
u3Au型強磁性規則合金を形成し得るように、適宜選
択することが好ましい。具体的には、H2PtCl6、K
2PtCl4、Pt(CH3COCHCOCH3) 2、Na2
PdCl4、Pd(OCOCH3)2、PdCl2、Pd
(CH3COCHCOCH3)2、HAuCl4、Fe
2(SO4)3、Fe(NO3)3、(NH4)3Fe(C2O
4)3、Fe(CH3COCHCOCH3)3、NiSO4、
CoCl2、Co(OCOCH3)2などが挙げられる。
て)は、0.1〜1000μmol/mlであることが
好ましく、1〜100μmol/mlであることがより
好ましい。
属と貴な金属とが合金を形成したCuAu型もしくはC
u3Au型強磁性規則合金を形成し得るナノ粒子が作製
される。当該作製されるCuAu型強磁性規則合金とし
ては、FeNi、FePd、FePt、CoPt、Co
Auなどが挙げられ、なかでもFePd、FePt、C
oPtであることが好ましい。また、Cu3Au型強磁
性規則合金としては、Ni3Fe、FePd3、Fe3P
t、FePt3、CoPt3、Ni3Pt、CrPt3、N
i3Mnが挙げられ、なかでもFePd3、FePt3、
CoPt3、Fe3Pd、Fe3Pt、Co3Ptが好まし
い。
則相から規則相へ変態させる必要があるが、当該変態温
度を下げるために、前記2元系合金に、Sb、Pb、B
i、Cu、Ag、Zn、Inなどの第三元素を加えるこ
とが好ましい。これらの第三元素は、それぞれの第三元
素の前駆体を、前記金属塩溶液に予め添加しておくこと
が好ましい。添加量としては、2元系合金に対し、1〜
30at%がであることが好ましく、5〜20at%で
あることがより好ましい。
(I)と(II)とを混合する。混合方法としては、特
に限定されるものではないが、還元の均一性を考慮し
て、逆ミセル溶液(I)を撹拌しながら、逆ミセル溶液
(II)を添加していって混合することが好ましい。混
合終了後、還元反応を進行させることになるが、その際
の温度は、−5〜30℃の範囲で、一定の温度とする。
還元温度が−5℃未満では、水相が凝結して還元反応が
不均一になるといった問題が生じ、30℃を超えると、
凝集または沈殿が起こりやすく系が不安定となる。好ま
しい還元温度は0〜25℃であり、より好ましくは5〜
25℃である。ここで、前記「一定温度」とは、設定温
度をT(℃)とした場合、当該TがT±3℃の範囲にあ
ることをいう。なお、このようにした場合であっても、
当該Tの上限および下限は、上記還元温度(−5〜30
℃)の範囲にあるものとする。
より適宜設定する必要があるが、1〜30分とすること
が好ましく、5〜20分とすることがより好ましい。
影響を与えるため、できるだけ高速攪拌しながら行うこ
とが好ましい。好ましい攪拌装置は高剪断力を有する攪
拌装置であり、詳しくは、攪拌羽根が基本的にタービン
型あるいはパドル型の構造を有し、さらに、その羽根の
端もしくは、羽根と接する位置に鋭い刃を付けた構造で
あり、羽根をモーターで回転させる攪拌装置である。具
体的には、ディゾルバー(特殊機化工業製)、オムニミ
キサー(ヤマト科学製)、ホモジナイザー(SMT製)
などの装置が有用である。これらの装置を用いることに
より、単分散なナノ粒子を安定な分散液として合成する
ことができる。
少なくともいずれかに、アミノ基またはカルボキシ基を
1〜3個有する少なくとも1種の分散剤を、作製しよう
とする金属ナノ粒子1モル当たり、0.001〜10モ
ル添加することが好ましい。
散で、凝集の無いナノ粒子を得ることが可能となる。添
加量が、0.001未満では、ナノ粒子の単分散性をよ
り向上させることできない場合があり、10モルを超え
ると凝集が起こる場合がある。
吸着する基を有する有機化合物が好ましい。具体的に
は、アミノ基、カルボキシ基、スルホン酸基またはスル
フィン酸基を1〜3個有するものであり、これらを単独
または併用して用いることができる。構造式としては、
R−NH2、NH2−R−NH2、NH2−R(NH2)−
NH2、R−COOH、COOH−R−COOH、CO
OH−R(COOH)−COOH、R−SO3H、SO3
H−R−SO3H、SO3H−R(SO3H)−SO3H、
R−SO2H、SO2H−R−SO2H、SO2H−R(S
O2H)−SO2Hで表される化合物であり、式中のRは
直鎖、分岐または環状の飽和、不飽和の炭化水素であ
る。
ン酸である。オレイン酸はコロイドの安定化において周
知の界面活性剤であり、鉄ナノ粒子を保護するのに用い
られてきた。オレイン酸の比較的長い(たとえば、オレ
イン酸は18炭素鎖を有し長さは〜20オングストロー
ム(〜2nm)である。オレイン酸は脂肪族ではなく二
重結合が1つある)鎖は粒子間の強い磁気相互作用を打
ち消す重要な立体障害を与える。エルカ酸やリノール酸
など類似の長鎖カルボン酸もオレイン酸同様に(たとえ
ば、8〜22の間の炭素原子を有する長鎖有機酸を単独
でまたは組み合わせて用いることができる)用いられ
る。オレイン酸は(オリーブ油など)容易に入手できる
安価な天然資源であるので好ましい。また、オレイン酸
から誘導されるオレイルアミンもオレイン酸同様有用な
分散剤である。
るいはCu3Au型硬磁性規則合金相中のCo、Fe、
Ni、Cr等の酸化還元電位が卑な金属(−0.2V
(vs.N.H.E)程度以下の金属)が還元され、極
小サイズで単分散な状態で析出するものと考えられる。
その後、昇温段階および後述する熟成工程において、析
出した卑な金属を核とし、その表面で、Pt、Pd、R
h等の酸化還元電位が貴な金属(−0.2V(vs.
N.H.E)程度以上の金属)が卑な金属で還元されて
置換、析出する。イオン化した卑な金属は還元剤で再度
還元されて析出すると考えられる。このような繰返しに
よって、CuAu型あるいはCu3Au型硬磁性規則合
金を形成し得るナノ粒子が得られる。
液を熟成温度まで昇温する。前記熟成温度は、30〜9
0℃で一定の温度とするが、その温度は、前記還元反応
の温度より高くする。また、熟成時間は、5〜180分
とする。熟成温度および時間が上記範囲より高温長時間
側にずれると、凝集または沈殿が起きやすく、逆に低温
短時間側にずれると、反応が完結しなくなり組成が変化
する。好ましい熟成温度および時間は40〜80℃およ
び10〜150分であり、より好ましい熟成温度および
時間は40〜70℃および20〜120分である。
の温度の場合と同義(但し、この場合、「還元温度」は
「熟成温度」となる)であるが、特に、上記熟成温度の
範囲(30〜90℃)内で、前記還元反応の温度より5
℃以上高いことが好ましく、10℃以上高いことがより
好ましい。5℃未満では、処方通りの組成が得られない
ことがある。
元析出した卑な金属上に貴な金属が析出する。すなわ
ち、卑な金属上でのみ貴な金属の還元が起こり、卑な金
属と貴な金属とが別々に析出することが無いため、効率
良くCuAu型あるいはCu3Au型硬磁性規則合金を
形成し得るナノ粒子を、高収率で処方組成比どおりに作
製することが可能で、所望の組成に制御することができ
る。また、熟成の際の温度で撹拌速度を適宜調整するこ
とで、得られるナノ粒子の粒径を所望なものとすること
ができる。
ルとの混合溶液で前記熟成後の溶液を洗浄し、その後、
1級アルコールで沈殿化処理を施して沈殿物を生成さ
せ、該沈殿物を有機溶媒で分散させる洗浄・分散工程を
設けることが好ましい。かかる洗浄工程を設けること
で、不純物が除去され、磁気記録媒体の磁性層を塗布に
より形成する際の塗布性をより向上させることができ
る。上記洗浄および分散は、少なくともそれぞれ1回、
好ましくは、それぞれ2回以上行う。
は、特に限定されるものではないが、メタノール、エタ
ノール等が好ましい。体積混合比(水/1級アルコー
ル)は、10/1〜2/1の範囲にあることが好まし
く、5/1〜3/1の範囲にあることがより好ましい。
水の比率が高いと、界面活性剤が除去されにくくなるこ
とがあり、逆に1級アルコールの比率が高いと、凝集を
起こしてしまうことがある。
粒子が得られる。当該ナノ粒子は、単分散であるため、
支持体に塗布しても、これらが凝集することなく均一に
分散した状態を保つことができる。従って、アニール処
理を施しても、それぞのナノ粒子が凝集することがない
ため、効率良く硬磁性化することが可能で、塗布適性に
優れる。
mであることが好ましく、3〜10nmであることがよ
り好ましい。磁気記録媒体として用いるにはナノ粒子を
最密充填することが記録容量を高くする上で好ましい。
そのためには、本発明の金属ナノ粒子の変動係数は10
%未満が好ましく、より好ましくは5%以下である。粒
子サイズが小さすぎると、熱ゆらぎのため超常磁性とな
り好ましくない。構成元素によって最小安定粒径が異な
るが、必要な粒径を得るために、H2O/界面活性剤質
量比を変化させて合成することが有効である。
子顕微鏡(TEM)を用いることができる。加熱により
硬磁性化したナノ粒子の結晶系を決めるにはTEMによ
る電子線回折でもよいが、精度高く行うにはX線回折を
用いた方が良い。硬磁性化したナノ粒子の内部の組成分
析には電子線を細く絞ることができるFE−TEMにE
DAXを付け評価することが好ましい。硬磁性化したナ
ノ粒子の磁気的性質の評価はVSMを用いて行うことが
できる。
95.5〜636.8kA/m(1200〜8000O
e)であることが好ましく、磁気記録媒体に適用した場
合、記録ヘッドが対応できるという観点から、95.5
〜398kA/m(1200〜5000Oe)であるこ
とがより好ましい。
任意でよいが、ナノ粒子の融合を避けるために、支持体
に塗布した後加熱する方が好ましい。耐熱温度の低い有
機支持体に塗布した後で加熱する場合は、パルスレーザ
を用いることが好ましい。
コンピュータテープ、フロッピー(R)ディスク、ハー
ドディスクに好ましく用いることができる。また、MR
AMへの適用も好ましい。
は、少なくとも、支持体上に磁性層が形成されており、
前記磁性層が、本発明の製造方法によって得られたナノ
粒子を含有している。当該磁性層は、上記ナノ粒子を分
散した塗布液を支持体上に塗布し、アニール処理を施し
て形成される。また、必要に応じて他の層を有してな
る。即ち、本発明の磁気記録媒体は、支持体表面にナノ
粒子を含有する磁性層を有し、必要に応じて磁性層と支
持体の間に非磁性層が設けられたり、ディスクの場合で
は支持体の反対側の面にも同様に磁性層、必要に応じ磁
性層と非磁性層を設けられたりする。テープの場合で
は、磁性層の反対側の支持体上にはバックコート層が設
けられたりする。以下、本発明の製造方法により得られ
たナノ粒子を好ましく用いることができる磁気記録媒体
の作製方法を詳細に説明し、該作製方法を通じて本発明
の磁気記録媒体について詳述する。
のナノ粒子の製造方法によって得られたナノ粒子を含ん
だ状態の溶液を使用することができる。実際には、この
ナノ粒子を含有する塗布液に公知の添加剤を加えたり、
種々の溶媒などを加えてナノ粒子の含有量を所望の濃度
(0.01〜0.1mg/ml)とすることが好まし
い。
布層あるいは磁性層を形成する。本発明の磁気記録媒体
の製造は、例えば、支持体の表面に前記塗布液を、好ま
しくは磁性層の乾燥後の層厚が5nm〜200nmの範
囲内、より好ましくは5nm〜100nmの範囲内にな
るように塗布する。ここで、複数の塗布液を逐次あるい
は同時に重層塗布してもよい。塗布液を塗布する方法と
しては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッ
ドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズ
コート、含浸コート、リバースロールコート、トランス
ファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キ
ャストコート、スプレイコート、スピンコートなどが利
用できる。
ずれをも使用することができる。無機物の支持体として
は、Al、Al−Mg合金、Mg−Al−ZnなどのM
g合金、ガラス、石英、カーボン、シリコン、セラミッ
クスが用いられる。これらの支持体は耐衝撃性に優れ、
また薄型化や高速回転に適した剛性を有する。また、有
機物支持体に対し熱に強い特徴を有している。
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエス
テル類、ポリオレフィン類、セルロ−ストリアセテー
ト、ポリカ−ボネート、ポリアミド(脂肪族ポリアミド
やアラミド等の芳香族ポリアミドを含む)、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオ
キサゾール等を用いる事ができる。
る。規則相を得るためには、アニール処理を施す必要が
ある。アニール処理としては、粒子の融着防止のため塗
布後に基板を加熱することが好ましい。加熱温度は示差
熱分析(DTA)を用い、ナノ粒子を構成する合金の規
則不規則変態温度を求め、その温度より上の温度で行う
ことが必要である。なお、変態温度は元素組成によっ
て、また、第三元素の導入によって変化する。
耐熱温度以下の変態温度を有するナノ粒子を用いるか、
パルスレーザによる磁性層のみの加熱が有効である。パ
ルスレーザーによる場合のレーザーの波長は、紫外から
赤外まで用いる事ができるが、有機物の支持体は紫外域
に吸収を持つ事から、可視から赤外域のレーザー光を用
いる事が好ましい。レーザー出力は、塗布膜を短時間で
加熱するため、0.1W以上が好ましく、0.3W以上
がより好ましい。出力が高すぎると有機物支持体も熱の
影響を受けることがあるため、3W以下が好ましい。レ
ーザーの波長及び出力の観点から、好ましく用いられる
レーザとしては、Arイオンレーザー、Cu蒸気レーザ
ー、HF化学レーザー、色素レーザー、ルビーレーザ
ー、YAGレーザー、ガラスレーザー、チタンサファイ
アレーザー、アレキサンドライトレーザー、GaAlA
sアレイ半導体レーザー等が挙げられる。
ールが十分に起こり、かつ、アブレーションを起こさな
いといった効果を得るため、1〜10m/sとすること
が好ましく、2〜5m/sとすることがより好ましい。
磨耗性を改善し、さらにその上に潤滑剤を塗布して滑り
性を高めることによって、十分な信頼性を確保すること
が有効である。
ニア、ジルコニア、酸化コバルト、酸化ニッケルなどの
酸化物;窒化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素などの窒
化物;炭化ケイ素、炭化クロム、炭化ホウ素等の炭化
物;グラファイト、無定型カーボンなどの炭素;からな
る保護膜があげられるが、好ましくは、炭素からなるカ
ーボン保護膜である。また、カーボン保護膜でも、一般
にダイヤモンドライクカーボンと呼ばれる硬質の非晶質
カーボンが特に好ましい。カーボン保護膜の製造方法と
して、ハードディスクにおいては、スパッタ法が一般的
であるが、ビデオテープ等の連続成膜を行う必要のある
製品ではより成膜速度の高いプラズマCVDを用いる方
法が多数提案されている。中でもプラズマインジェクシ
ョンCVD(PI−CVD)法は成膜速度が非常に高
く、得られるカーボン保護膜も硬質かつピンホールが少
ない良質な保護膜が得られると報告されている(例え
ば、特開昭61−130487、特開昭63−2794
26、特開平3−113824等)。
0Kg/mm2以上、好ましくは2000Kg/mm2以
上の硬質の炭素膜である。また、その結晶構造はアモル
ファス構造であり、かつ非導電性である。そして、カー
ボン保護膜として、ダイヤモンド状炭素膜を使用した場
合、その構造をラマン光分光分析によって測定した場合
には、1520〜1560cm-1にピークが検出される
ことによって確認することができる。膜の構造がダイヤ
モンド状構造からずれてくるとラマン光分光分析により
検出されるピークが上記範囲からずれるとともに、膜の
硬度も低下する。
ては、メタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカ
ン;エチレン、プロピレン等のアルケン;アセチレン等
のアルキン;をはじめとした炭素含有化合物を用いるこ
とができる。また、必要に応じてアルゴンなどのキャリ
アガスや膜質改善のための水素や窒素などの添加ガスを
加えることができる。
性の悪化や磁性層に対する密着性の低下が生じ、膜厚が
薄いと耐磨耗性が不足するために、膜厚2.5〜20n
mが好ましく、5〜10nmが特に好ましい。また、こ
の硬質炭素保護膜と支持体となる強磁性金属薄膜の密着
性を改善するために、あらかじめ強磁性金属薄膜表面を
不活性ガスでエッチングしたり、酸素などの反応性ガス
プラズマにさらして表面改質する事もできる。
構成としたり、非磁性下地層や中間層を有していても良
い。
性および耐食性を改善するため、上記磁性層もしくは保
護膜上に潤滑剤や防錆剤を付与することが好ましい。添
加する潤滑剤としては公知の炭化水素系潤滑剤、フッ素
系潤滑剤、極圧添加剤などが使用できる。
酸、オレイン酸等のカルボン酸類;ステアリン酸ブチル
等のエステル類;オクタデシルスルホン酸等のスルホン
酸類;リン酸モノオクタデシル等のリン酸エステル類;
ステアリルアルコール、オレイルアルコール等のアルコ
ール類;ステアリン酸アミド等のカルボン酸アミド類;
ステアリルアミン等のアミン類;などが挙げられる。
潤滑剤のアルキル基の一部または全部をフルオロアルキ
ル基もしくはパーフルオロポリエーテル基で置換した潤
滑剤が挙げられる。パーフルオロポリエーテル基として
は、パーフルオロメチレンオキシド重合体、パーフルオ
ロエチレンオキシド重合体、パーフルオロ−n−プロピ
レンオキシド重合体(CF2CF2CF2O)n、パーフ
ルオロイソプロピレンオキシド重合体(CF(CF3)
CF2O)nまたはこれらの共重合体等が挙げられる。
また、末端や分子内に水酸基、エステル基、カルボキシ
ル基などの極性官能基を有する化合物が摩擦力を低減す
る効果が高く好適である。この分子量は500〜500
0であることが好ましく、1000〜3000であるこ
とがより好ましい。上記範囲未満では揮発性が高くな
り、潤滑性が低くなることがある。また、上記範囲を超
えると粘度が高くなるため、スライダーとディスクが吸
着しやすく、走行停止やヘッドクラッシュなどを発生し
やすくなる。このパーフルオロポリエーテルで置換した
潤滑剤の具体例としては、アウジモンド社からFOMB
LIN、デュポン社からKRYTOXなどの商品名で市
販されている。
等のリン酸エステル類、亜リン酸トリラウリル等の亜リ
ン酸エステル類、トリチオ亜リン酸トリラウリル等のチ
オ亜リン酸エステルやチオリン酸エステル類、二硫化ジ
ベンジル等の硫黄系極圧剤などが挙げられる。
使用される。これらの潤滑剤を磁性層もしくは保護膜上
に付与する方法としては、潤滑剤を有機溶剤に溶解し、
ワイヤーバー法、グラビア法、スピンコート法、ディッ
プコート法等で塗布するか、真空蒸着法によって付着さ
せればよい。
ンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素含有複
素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導入した
誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトンベンゾチ
アゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシル化
合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこの誘導体
等が挙げられる。
ていない面にバックコート層(バッキング層)が設ける
場合の当該バックコート層は、支持体の磁性層が形成さ
れていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と
結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料
を塗布して設けることができる。粒状成分としては、各
種の無機顔料やカーボンブラックを使用することがで
き、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ
樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独
またはこれらを混合して使用することができる。なお、
支持体のナノ粒子の分散液およびバックコート層形成塗
料の塗布面に接着剤層が設けられていてもよい。
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
5nm、好ましくは1〜4nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが高密度記録用の磁気
記録媒体として好ましい。かかる表面とするには、磁性
層を塗布した後にカレンダー処理を施せばよい。また、
バーニッシュ処理を施してもよい。
ち抜くあるいは裁断機などを使用して所望の大きさに裁
断して使用することができる。
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
作を行った。NaBH4(和光純薬製)0.76gを水
(脱酸素:0.1mg/リットル以下)16mlに溶解
した還元剤水溶液に、エーロゾルOT(和光純薬製)1
0.8gとデカン(和光純薬製)80mlとオレイルア
ミン(東京化成製)2mlとを混合したアルカン溶液を
添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
4)3(C2O4)3)(和光純薬製)0.46gと塩化白
金酸カリウム(K2PtCl4)(和光純薬製)0.38
gとを水(脱酸素)8mlに溶解した金属塩水溶液に、
エーロゾルOT5.4gとデカン40mlとを混合した
アルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(II)を
調製した。
サー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、逆ミセル溶
液(II)を瞬時に添加した。10分後、マグネチック
スターラーで攪拌しながら、50℃に昇温して60分間
熟成した。オレイン酸(和光純薬製)2mlを添加し
て、室温まで冷却した。冷却後大気中に取出した。逆ミ
セルを破壊するために、水100mlとメタノール10
0mlとの混合溶液を添加して水相と油相とに分離し
た。油相側にナノ粒子が分散した状態が得られた。油相
側をH2O600mlとメタノール200mlとの混合
溶液で5回洗浄した。
てナノ粒子にフロキュレーションを起こさせて沈降させ
た。上澄み液を除去して、ヘプタン(和光純薬製)20
mlを添加して再分散した。さらに、メタノール100
ml添加による沈降とヘプタン20ml分散との沈降分
散を3回繰り返して、最後にヘプタン5mlを添加し
て、水と界面活性剤との質量比(水/界面活性剤)が2
のFePtナノ粒子分散液を調製した。
体積平均粒径および分布(変動係数)、保磁力の測定を
行ったところ、下記のような結果が得られた。なお、組
成および収率は、ICP分光分析(誘導結合高周波プラ
ズマ分光分析)で測定した。体積平均粒径および分布
は、TEM撮影した粒子を計測して統計処理して求め
た。保磁力の測定は、東英工業製の高感度磁化ベクトル
測定機と同社製DATA処理装置を使用し、印加磁場7
90kA/m(10kOe)の条件で行った。測定用ナ
ノ粒子は、調製したナノ粒子分散液からナノ粒子を捕集
し、十分乾燥させ、電気炉で加熱した後のものを使用し
た。
金、収率:85%、平均粒径:4.2nm、変動係数:
5%、保磁力(電気炉550℃、30分加熱後):57
6.7kA/m(7300Oe)
40mlとし、逆ミセル溶液(II)中の水を20ml
とした以外は実施例1と同様にして、水と界面活性剤と
の質量比が5のFePtナノ粒子分散液を調製した。得
られたナノ粒子について、実施例1と同様にして、収
率、組成、体積平均粒径および分布(変動係数)、保磁
力の測定を行った。結果を以下に示す。
金、収率:88%、体積平均粒径:5.8nm、変動係
数:4%、保磁力(電気炉550℃、30分加熱後):
521.4kA/m(6600Oe)
64mlとし、逆ミセル溶液(II)中の水を32ml
とした以外は実施例1と同様にして水と界面活性剤との
質量比が8のFePtナノ粒子分散液を調製した。得ら
れたナノ粒子について、実施例1と同様にして、収率、
組成、体積平均粒径および分布(変動係数)、保磁力の
測定を行った。結果を以下に示す。
金、収率:82%、体積平均粒径:7.6nm、変動係
数:4%、保磁力(電気炉550℃、30分加熱後):
417.8kA/m(5300Oe)
作を行った。NaBH4(和光純薬製)0.57gを水
(脱酸素:0.1mg/リットル以下)16mlに溶解
した還元剤水溶液に、エーロゾルOT(和光純薬製)1
0.8gとジブチルエーテル(和光純薬製)80mlと
オレイルアミン(東京化成製)2mlとを混合したエー
テル溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製し
た。
4)3(C2O4)3)(和光純薬製)0.46gと塩化パ
ラジウム酸ナトリウム(Na2PdCl4・3H2O)
(和光純薬製)0.32gとを水(脱酸素)8mlに溶
解した金属塩水溶液に、エーロゾルOT5.4gとジブ
チルエーテル40mlとを混合したエーテル溶液を添
加、混合して逆ミセル溶液(II)を調製した。
サー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、逆ミセル溶
液(II)を瞬時に添加した。10分後、マグネチック
スターラーで攪拌しながら、50℃に昇温して60分間
熟成した。オレイン酸(和光純薬製)2mlを添加し
て、室温まで冷却した。冷却後大気中に取出した。逆ミ
セルを破壊するために、水100mlとメタノール10
0mlとの混合溶液を添加して水相と油相とに分離し
た。油相側にナノ粒子が分散した状態が得られた。油相
側を水600mlとメタノール200mlとの混合溶液
で5回洗浄した。
てナノ粒子にフロキュレーションを起こさせて沈降させ
た。上澄み液を除去して、ヘプタン(和光純薬製)20
mlを添加して再分散した。さらに、メタノール100
ml添加による沈降とヘプタン20ml分散との沈降分
散を3回繰り返して、最後にヘプタン5mlを添加し
て、FePdナノ粒子分散液を調製した。得られたナノ
粒子について、実施例1と同様にして、収率、組成、体
積平均粒径および分布(変動係数)、保磁力の測定を行
った。結果を以下に示す。
金、収率:83%、体積平均粒径:5.6nm、変動係
数:4%、保磁力(電気炉550℃、30分加熱後):
331.8kA/m(4200Oe)
(Fe(NH4)3(C2O4)3)(和光純薬製)0.3
9gと塩化白金酸カリウム(K2PtCl4)(和光純薬
製)0.32gと塩化二アンモニウム銅(Cu(N
H4)2Cl4・2H2O)(和光純薬製)0.08gとを
水(脱酸素)8mlに溶解した金属塩水溶液に、エーロ
ゾルOT5.4gとデカン40mlとを混合したアルカ
ン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(II)を調製し
た以外は、実施例1と同様にして、FePtCuナノ粒
子分散液を調製した。得られたナノ粒子について、実施
例1と同様にして、収率、組成、体積平均粒径および分
布(変動係数)、保磁力の測定を行った。結果を以下に
示す。
at%のFePtCu合金、収率:88%、体積平均粒
径:4.4nm、変動係数:5%、 保磁力(電気炉250℃、30分加熱後):371.3
kA/m(4700Oe) 保磁力(電気炉550℃、30分加熱後):497.7
kA/m(6300Oe)
ル溶液(II)との混合を室温(約25℃)で行い、マ
グネチックスターラー攪拌により還元反応を行い、その
ままの温度(25℃)で120分間熟成した以外は、実
施例1と同様にして、FePtナノ粒子分散液を調製し
た。得られたナノ粒子について、実施例1と同様にし
て、収率、組成、体積平均粒径および分布(変動係
数)、保磁力の測定を行った。結果を以下に示す。
金、収率:25%、体積平均粒径:3.9nm、変動係
数:33%、保磁力(電気炉550℃、30分加熱
後):49.77kA/m(630Oe)
ル溶液(II)とを60℃で、マグネチックスターラー
攪拌により還元反応させ、そのままの温度で20分間熟
成した以外は、実施例1と同様にして、FePtナノ粒
子分散液を調製した。得られたナノ粒子について、実施
例1と同様にして、収率、組成、体積平均粒径および分
布(変動係数)、保磁力の測定を行った。結果を以下に
示す。
金、収率:19%、平均粒径:4.8nm、変動係数:
41%、保磁力(電気炉550℃、30分加熱後):1
20.08kA/m(1520Oe)
ル溶液(II)において、水と界面活性剤と質量比が3
0となるようにし、室温(約25℃)で、マグネチック
スターラー攪拌により還元反応させ、10分後に50℃
で60分間熟成した以外は、実施例1と同様にしてFe
Ptナノ粒子分散液を調製した。得られたナノ粒子につ
いて、実施例1と同様にして、収率、組成、体積平均粒
径および分布(変動係数)、保磁力の測定を行った。結
果を以下に示す。
金、収率:45%、体積平均粒径:4.1nm、変動係
数:30%、保磁力(電気炉550℃、30分加熱
後):153.26kA/m(1940Oe)
1〜3と比較して、高い収率で処方値に近い組成が得ら
れた。また、粒径分布の変動係数が小さく単分散であ
り、加熱後の保磁力が高いなどの優位性を持っているこ
とが明らかとなった。
たナノ粒子分散液を、厚さ200nmのカーボンからな
る層をスパッタリングにより形成したガラス基板(支持
体)のスパッタ面上に、スピンコート法により塗布し
た。塗布量は、それぞれ0.4g/m2とした。
電気炉(500℃、30分間)にてアニール処理を施し
て磁気記録媒体(磁性層の厚さ:40nm)を作製し
た。なお、別に、実施例5で調製されたナノ粒子分散液
を塗布したガラス基板については、250℃、30分間
のアニール処理を施して磁気記録媒体も作製した。作製
したそれぞれの磁気記録媒体について、東英工業製の高
感度磁化ベクトル測定機と同社製DATA処理装置を使
用し、印加磁場790kA/m(10kOe)の条件
で、保磁力(Hc)の測定を行った。結果を下記表1に
示す。
ノ粒子(実施例1〜5)は、塗布状態での加熱処理でも
高い保磁力を示すことが確認された。
くく、塗布適性に優れ、粒子のサイズおよび組成が制御
可能なナノ粒子と該ナノ粒子を製造する方法を提供する
ことができる。また、本発明によれは、ナノ粒子を磁性
層として含有させることで、硬磁性を示す磁気記録媒体
を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 界面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒
と還元剤水溶液とを混合した逆ミセル溶液(I)に、界
面活性剤を含有する非水溶性有機溶媒と金属塩水溶液と
を混合した逆ミセル溶液(II)を添加して還元反応を
行う還元工程と、還元反応終了後に昇温して熟成する熟
成工程と、を有するナノ粒子の製造方法であって、 前記逆ミセル溶液(I)および逆ミセル溶液(II)の
それぞれの溶液中の水と界面活性剤との質量比(水/界
面活性剤)が20以下であり、 前記還元反応の温度が−5〜30℃の範囲で一定であ
り、 前記熟成の温度が前記還元反応の温度より高く、30〜
90℃の範囲で一定であり、さらに、前記熟成の時間が
5〜180分、であることを特徴とするナノ粒子の製造
方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のナノ粒子の製造方法に
より製造されたことを特徴とするナノ粒子。 - 【請求項3】 少なくとも、支持体上に磁性層が形成さ
れた磁気記録媒体であって、 前記磁性層が、請求項2に記載のナノ粒子を分散した分
散液が支持体上に塗布され、アニール処理が施されて形
成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
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