JP2003238509A - ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及びヒドロキシルアミン誘導体の保存方法 - Google Patents

ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及びヒドロキシルアミン誘導体の保存方法

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JP2003238509A JP2002040539A JP2002040539A JP2003238509A JP 2003238509 A JP2003238509 A JP 2003238509A JP 2002040539 A JP2002040539 A JP 2002040539A JP 2002040539 A JP2002040539 A JP 2002040539A JP 2003238509 A JP2003238509 A JP 2003238509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒドロキシルアミン誘導体の安定性を向上さ
せ、経時変化による着色を防止する。 【解決手段】 (a)下記一般式〔I〕で表されるポリ
エチレンイミン、(b)下記一般式〔II〕で表される
化合物及び(c)下記一般式〔III〕で表される化合
物からなる化合物群〔A〕のうち少なくとも1種類をヒ
ドロキシルアミン誘導体と共存させる。 【化1】 上記〔I〕中、AはH又は下記式で表される。 【化2】 上記式〔II〕中、R1及びR2はヒドロキシル基で置
換されたアルキル基等を示す。上記〔III〕中、R1
〜5はカルボキシメチル基等を示し、L1及びL2はエ
チレン基等を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシルアミ
ン誘導体の安定化剤及び保存方法、詳しくは、未精製の
ヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤及び保存方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシルアミン誘導体は還元作用を
有すること、種々の有機化合物と反応することから、そ
の用途は多岐にわたり、例えば各種有機化合物の安定
化、金属類の腐食防止、脱酸素剤、メッキ光沢剤あるい
はレジスト剥離等の様々な工業分野で用いられている。
【0003】一般的なヒドロキシルアミン誘導体は、例
えば2級アミン化合物の酸化反応、置換又は無置換ヒド
ロキシルアミンのオレフィンへの付加反応等の方法で得
ることができる。本来、上述したような効果を得るため
には精製したヒドロキシルアミン誘導体を用いることが
望ましい。広く用いられる精製方法としては、蒸留、再
結晶、抽出、クロマトグラフィーによる分取若しくは精
製容易な誘導体への誘導等があげられる。しかし、上述
の方法により得られたヒドロキシルアミン誘導体は、
(1)通常物性の良く似た副生成物(不純物)も多く含
まれてしまい、その中でもヒドロキシル基やカルボキシ
ル基等の置換基を有するものは沸点が無く、蒸留による
精製は不可能であり、その他の誘導体でも、不純物の沸
点と目的物の沸点とが近い場合が多く、温度差による精
製が困難、(2)多くのヒドロキシルアミン誘導体はそ
の物性として結晶化が難しく、結晶化する場合であって
も不純物との溶解度差の大きい良好な再結晶溶媒がほと
んど無いため不純物の除去は困難、(3)カラムクロマ
トグラフィーを用いた化学吸着も目的物と不純物とで近
似しており、精製が困難、(4)精製しやすい結晶性の
誘導体の合成は困難、であることから精製が困難なもの
が多い。
【0004】しかし、一方、未精製であっても、還元能
においては精製物同様の効果を得ることができ、逆に精
製工程を省略できるのでコストも抑えることができると
いう利点があり、そのため未精製品であっても使用の希
望が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら未精製の
ヒドロキシルアミン誘導体を使用した場合、時間が経過
するにつれて変色し、やがて暗褐色に着色してしまうと
いう問題がある。精製、未精製に関わらずヒドロキシル
アミン及びその誘導体は酸化されやすいため、保存及び
流通時には空気の出入りを遮断した密閉容器で貯蔵する
ようになっている。こうすることで空気酸化による変質
を防ぐことができる。しかし、酸素を遮断した密閉状態
でも着色は起こり、特に未精製のヒドロキシルアミン誘
導体の場合には、この経時変化としての着色が著しい。
このような場合、酸化と異なり品質自体には何の問題も
生じないが、外見上酸化による着色と混同されることが
多く商品価値が下がってしまうという問題もある。
【0006】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であり、ヒドロキシルアミン誘導体の経時変化による着
色、特に未精製ヒドロキシルアミン誘導体の酸素非存在
下における経時変化による着色を抑えることができるヒ
ドロキシルアミン誘導体の安定化剤及びヒドロキシルア
ミン誘導体の安定化方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の手段に
より上記目的を達成した。
【0008】すなわち本発明は、下記化合物群〔A〕の
少なくとも1種類の化合物からなるヒドロキシルアミン
誘導体の安定化剤に関する。
【0009】化合物群〔A〕 (a)下記一般式〔I〕で表される数平均分子量300
〜600000のポリエチレンイミン (b)下記一般式〔II〕で表される化合物 (c)下記一般式〔III〕で表される化合物
【化3】
【0010】上記〔I〕中、AはH又は下記式で表さ
れ、
【化4】
【0011】A´はHまたはAを表す。また、mは1以
上の整数を示す。
【0012】上記〔II〕中、R1〜R3は各々独立し
て(i)水素原子、(ii)アルキル基で置換されても
良いアミノ基、及び(iii)アルキル基からなる群か
ら選択され、アルキル基の場合、カルボキシ基、スルホ
基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基若しくはアル
コキシ基で置換されていてもよい。ただし、R1、R2
及びR3が同時に水素原子となることはない。また、R
1〜R3のうちの任意の二つは共同で環を形成しても良
い。
【0013】上記〔III〕中、R1〜R5は各々独立
して水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基の場
合、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基若しくは
ホスホノ基で置換されていても良い。また、L1及びL
2は各々独立してアルキレン基を示す。nは0〜5の整
数を示す。
【0014】また、前記(b)の化合物において、R1
とR2がともにヒドロキシル基で置換されているアルキ
ル基であって、該アルキル基の炭素数は3以上であるこ
とが好ましい。
【0015】また、前記(c)の化合物において、L
1、L2は各々独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐ア
ルキレン基を表し、n=0〜5であることが好ましい。
【0016】また、前記(c)の化合物において、n=
0であることが好ましい。
【0017】また、前記(c)の化合物において、n=
1以上且つR1〜5が水素原子であることが好ましい。
【0018】また、前記ヒドロキシルアミン誘導体が未
精製であることを特徴とする。
【0019】本発明のヒドロキシルアミン誘導体の保存
方法は、前記化合物群[A]をヒドロキシルアミン誘導
体と共存させることを特徴とする。
【0020】また、本発明のヒドロキシルアミン誘導体
の保存方法は、密閉容器中で前記化合物群[A]をヒド
ロキシルアミン誘導体と共存させることを特徴とする。
【0021】本発明のヒドロキシルアミン誘導体の安定
化剤は、前記化合物群[A]のうち、少なくとも1種類
の化合物からなるヒドロキシルアミン誘導体の着色防止
剤であることを特徴としている。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0022】まず、本発明の安定化剤について説明す
る。
【0023】本発明の安定化剤は、上記合物群〔A〕の
うち少なくとも一つを含む。 <(a)一般式〔I〕で表されるポリエチレンイミン>本
発明に用いられるポリエチレンイミンの構造は、以下に
示す高分子化合物である。
【0024】
【化5】
【0025】上記〔I〕中、AはH又は下記式で表さ
れ、
【化6】
【0026】A´はHまたはAを表す。mは1以上の整
数を示す。
【0027】本発明のポリエチレンイミンの具体例とし
ては、(1)線状構造及び(2)網目状構造のポリエチ
レンイミンを使用できる。(1)、(2)共通の数平均
分子量範囲は300〜600000である。(1)は下
記式で表される構造をしており、n=6〜15,000
である。
【0028】
【化7】
【0029】また、(2)は下記構成単位A,B,Cか
らなり、1級、2級及び3級アミンを含む分岐構造をと
る。
【0030】
【化8】
【0031】上記式中、A:B:C=1〜4:3〜7:
1〜4であり、好ましくは1:1.5〜3:0.5〜2
である。
【0032】また、(2)のポリエチレンイミンは1
級、2級及び3級アミンのおおよその比率は、25%/
50%/25%(H−NMRより)であることがより
好ましい。
【0033】本発明にかかるポリエチレンイミンの例と
しては、数平均分子量300(a−1)、1800(a
−2)、10000(a−3)、70000(a−4)
及び600000(a−5)のもの等があげられるが、
なかでも数平均分子量300〜10000のものが好ま
しい。
【0034】<(b)一般式〔II〕に表される化合物>
本発明で用いられる化合物(b)の構造は以下の一般式
〔II〕に示す通りである。
【0035】
【化9】
【0036】上記〔II〕中、R1〜R3は各々独立し
て(i)水素原子、(ii)アルキル基で置換されても
良いアミノ基、及び(iii)アルキル基からなる群か
ら選択され、アルキル基の場合はカルボキシ基、スルホ
基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基若しくはアル
コキシ基で置換されていても良い。また、R1、R2及
びR3が同時に水素原子となることはない。また、R1
〜R3のうちの任意の二つは共同で環を形成しても良
い。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、好まし
くは1〜4である。
【0037】これらのうち、好ましい例として、R1〜
R3のうち少なくとも一つが水素原子のものがあげられ
る。より好ましくはR1とR2がともにヒドロキシル基
で置換されているアルキル基であって、該アルキル基の
炭素数は3以上であるものがあげられる。
【0038】このような例としては以下の化合物があげ
られる。
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】このうち特に好ましい化合物として、b−
6、b−8、b−9、b−10があげられる。
【0042】また、他の好ましい例として、R1〜R3
がいずれも(iii)アルキル基であるものがあげられ
る。このような化合物としては、以下のものが例示でき
る。
【0043】
【化12】
【0044】<(c)一般式〔III〕で表される化合
物>本発明で用いられる化合物(c)は一般式〔II
I〕で表される化合物である。
【0045】
【化13】
【0046】R1〜R5は各々独立して水素原子、カル
ボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアミノア
ルキル基を表す。L1及びL2は各々独立してアルキレ
ン基、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。
nは0〜5の整数を示す。
【0047】このような例としては以下の化合物があげ
られる。
【0048】
【化14】
【0049】
【化15】
【0050】
【化16】
【0051】これらのうち、好ましいものとしてはn=
0のものをあげることができる。その場合、更にL2が
エチレン基であり、R1〜5中のカルボキシアルキル
基、ヒドロキシアルキル基及びアミノアルキル基におけ
るアルキル基の炭素数が1又は2であることが好まし
い。
【0052】また、このような化合物のうち、R1〜R
4全てカルボキシメチル基であるものが好ましい。
【0053】このような例としてはc−3が上げられる
また、上記の例において更に好ましいものとしてはR1
〜R4が水素原子:アミノエチル基=1:1であること
があげられる。
【0054】このような例としてはc−12があげられ
る。
【0055】また、より好ましいものとしては、R1〜
R4が、カルボキシメチル基:ヒドロキシエチル基=
3:1であることが良い。
【0056】このような例としては上述したもののう
ち、c−4があげられる。
【0057】上記化合物はヒドロキシエチルエチレンジ
アミン三酢酸であり、市販品として入手することが可能
である。
【0058】また、化合物(c)の他の好ましい例とし
て、n=1以上且つR1〜5が水素原子である物があげ
られる。L1及びL2がエチレン基であることが更に好
ましい。
【0059】このような例としてはc−8,c−9、c
−10、c−11があげられる。
【0060】本発明の上記安定剤は、ヒドロキシルアミ
ン誘導体と共存させることにより該誘導体を安定化さ
せ、着色を防止することができる。
【0061】特に、未精製のヒドロキシルアミン誘導体
を用いる場合、経時変化によりヒドロキシルアミン誘導
体を含む処理液が着色してしまう。本発明の安定化剤を
適用することにより、このような着色を防止することが
できる。未精製の程度は限定されないが、不純物成分3
%以上、より具体的には10%以上のものについて効果
が著しい。
【0062】このような本発明の効果を発揮できるヒド
ロキシルアミン誘導体としては、特にN置換誘導体があ
げられる。より具体的には以下のA〜Eのいずれかの方
法で合成された未精製の反応生成物があげられるが、こ
れらに限定されるものではない。 A 2級アミン化合物の酸化反応 B ハロゲン化アルキル化合物と、置換又は無置換ヒド
ロキシルアミンとの脱ハロゲン化水素反応 C 置換又は無置換ヒドロキシルアミンのオレフィンへ
の付加反応 D 置換又は無置換ヒドロキシルアミンのエポキシ化合
物、ラクトン化合物若しくはスルトン化合物等への開環
付加反応 E アミンオキシド化合物の熱分解反応 上記方法の詳細は、例えば下記資料中に記載されてい
る。
【0063】"AC.Cope et al.,JAC
S,79,964(1957)","Dunstan,
Goulding,JCS,75,800(189
9)","Dunstan,Goulding,JCS,
75,1009(1899)","Harries, H
aarmann, Ber., 37,255(190
4) DP 1 159 634","大有機化学(朝倉
書店),,348(1957)" 上記の方法で合成されたN置換ヒドロキシルアミン誘導
体の例としては以下のようなものがあげられる。
【0064】A
【化17】
【0065】B
【化18】
【0066】C
【化19】
【0067】D
【化20】
【0068】E
【化21】
【0069】本発明の安定化方法は、本発明に係る安定
化剤をヒドロキシルアミン誘導体に対して共存させると
いうものであり、0.2〜100wt%共存させること
が好ましい。これにより、より良好な安定化効果が認め
られる。
【0070】本発明の具体的な使用形態としては、通常
は、ヒドロキシルアミン誘導体と本発明の安定化剤を直
接混合させるか、ヒドロキシルアミン誘導体を含む液体
に本発明の安定化剤を混合させれば良い。
【0071】上述したような、本発明の安定化剤は、酸
素遮断下の密閉状態におけるヒドロキシルアミン誘導体
の着色防止に特に効果がある。よって、密閉保存下でも
着色が進行してしまうヒドロキシルアミン誘導体の保存
に好適に用いられる。
【0072】すなわちヒドロキシルアミン誘導体を保存
する際に、本発明に係る安定化剤をヒドロキシルアミン
誘導体に対して好ましくは0.2〜100wt%共存さ
せることにより、ヒドロキシルアミン誘導体の着色が防
止され、ヒドロキシルアミン誘導体を安定して保存する
ことができる。
【0073】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明の詳細を説明す
る。ただし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0074】[N置換ヒドロキシルアミンの合成例] [合成例1]ジエタノールアミン105gを水400g
に溶解し、60℃攪拌下35%−過酸化水素水78gを
60分間で滴下した。60℃で更に1時間反応後、全量
を151gまで濃縮した。得られた反応物はセリウム
(IV)による還元物質量の測定、マススペクトルの結
果から例示化合物−2を40%含有することを確認し
た。
【0075】[合成例2]水200gに水酸化カリウム4
0g、アクリル酸72gを溶解し、室温下、50%−フ
リーヒドロキシルアミン33gをゆっくり加える。更に
室温下10時間攪拌し、析出成分を濾別乾燥した。得ら
れた反応物はセリウム(IV)による還元物質量の測
定、マススペクトルの結果から、例示化合物−10を8
0%含有することを確認した。
【0076】[合成例3]水200gに1−クロロ−2−
プロパノール94.5g、50%−フリーヒドロキシル
アミン33gを加え、40℃攪拌下、40%−NaOH
を60分間で滴下した。全量を215gまで濃縮し、析
出した塩化ナトリウムを濾別した。得られた反応物はセ
リウム(IV)による還元物質量の測定、マススペクト
ルの結果から、例示化合物−17を64%含有すること
を確認した。
【0077】[合成例4]水200gにグリシジルメチル
エーテル88gを溶解し、50℃攪拌下、50%−フリ
ーヒドロキシルアミン33gを60分間滴下した。60
℃で更に3時間反応後、全量を110gまで濃縮した。
得られた反応物はセリウム(IV)による還元物質量の
測定、マススペクトルの結果から、例示化合物−12、
13、14の混合物を85%含有することを確認した。
例示化合物−12、13、14の含有比率は5:4:1
であった。
【0078】[合成例5]水200gにエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル87gを溶解し、50℃攪拌
下、50%−フリーヒドロキシルアミン33gを60分
間で滴下した。60℃で更に3時間反応後、全量を13
0gまで濃縮した。得られた反応物は粘稠液体で、セリ
ウム(IV)による還元物質量の測定、IRスペクトル
の結果から例示化合物−16を87%含有することを確
認した。
【0079】以上の合成により入手した例示化合物を用
いて以下の試験をおこなった。(合成例4で得られた化
合物は化合物−12として使用した) [実施例1:ヒドロキシルアミン誘導体の安定化試験] <サンプルの作成>ヒドロキシルアミン誘導体(有効成分
として)20gへ下記表1に示すように安定化剤を各々
添加し、硫酸又は水酸化カリウムを用いてpHを一律1
0.5に調整し、水を加えて総量を100mlとした。
作成後サンプルは100mlガラス瓶に入れた。
【0080】<試験方法>瓶に入れたサンプルを、恒温恒
湿槽EX−111型(タバイエスペック製)を用いて以
下の条件で試験を行った。
【0081】<試験条件> 1.密閉/加熱:サンプル瓶を密閉し、酸素遮断下12
0時間50℃で加熱した。 2.開放/加熱:サンプル瓶を開放したまま(酸素存在
下)、120時間50℃で加熱した。 3.密閉/室温:サンプル瓶を密閉し、酸素遮断下50
日間室温に置いた。
【0082】なお、条件2に関してはヒドロキシルアミ
ン誘導体が還元性物質であり、酸化によっても着色がお
きることから、本実験の着色がヒドロキシルアミン誘導
体自身の酸化によるものかどうかを調べるために行っ
た。更に、酸化による着色の場合は酸化防止剤を添加す
ることにより防止されるため、比較例として一般的な酸
化防止剤(亜硫酸及びハイドロキノン)を添加する実験
も行った。
【0083】<サンプルの評価>保存の前後に10mmの
ガラスセルを用いて、日立分光光度計U−3200型に
より500nmの透過率を測定し、着色の進行度を比較
した。この実験の結果で透過率が70%以上であれば、
そのヒドロキシルアミン誘導体の商品価値は維持される
ことになる。
【0084】<結果>試験結果を以下の表に示す。
【0085】
【表1】
【0086】本発明に係る安定化剤を少なくとも1種類
添加することにより、経時による着色の進行を抑えるこ
とが確認された。一方、本発明の安定化剤を添加してい
ないサンプルでは、着色が激しく商品価値が低下する結
果となった。また、未精製のヒドロキシルアミン誘導体
に対し、精製された市販のヒドロキシルアミン誘導体は
着色の進行は遅く実用上ほとんど問題にならない程度で
あるが、実験No.1,2では本発明の安定化剤を添加
することで更に着色の進行が抑制されることが確認され
た。
【0087】ヒドロキシルアミン誘導体が還元性物質で
あることから、着色現象がヒドロキシルアミン誘導体の
酸化によるものかどうか密閉系と開放系のサンプル(N
o.14、15)で着色の進み具合を比較した。この結
果、密閉系サンプルも開放系サンプルも同等に激しく着
色が進んだことから、ヒドロキシルアミン誘導体の経時
での着色の進行はヒドロキシルアミン誘導体が酸化を受
けなくても生じる現象であることがわかった。更に、N
o.16、17では、本発明の安定化剤に代えて一般的
な酸化防止剤である亜硫酸とハイドロキノンを添加した
が、着色防止の効果は得られなかった。これらの結果か
ら、本実験での着色は酸化によるものではないというこ
とが確認された。
【発明の効果】以上説明したように、本発明の安定化
剤、安定化方法を用いることにより、ヒドロキシルアミ
ン誘導体の安定性を向上することが可能となり、経時に
よる着色を防止することができ、精製、未精製を問わず
効果があるが、特に未精製のヒドロキシルアミン誘導体
でその効果は顕著に認められる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化合物群〔A〕の少なくとも1種類
    の化合物よりなる、ヒドロキシルアミン誘導体の安定化
    剤。 化合物群〔A〕 (a)下記一般式〔I〕で表される数平均分子量300
    〜600000のポリエチレンイミン (b)下記一般式〔II〕で表される化合物 (c)下記一般式〔III〕で表される化合物 【化1】 上記〔I〕中、AはH又は下記式で表され、 【化2】 A´はHまたはAを表す。また、mは1以上の整数を示
    す。上記〔II〕中、R1〜R3は各々独立して(i)
    水素原子、(ii)アルキル基で置換されても良いアミ
    ノ基、及び(iii)アルキル基からなる群から選択さ
    れ、アルキル基の場合、カルボキシ基、スルホ基、ヒド
    ロキシル基、アミノ基、アミド基若しくはアルコキシ基
    で置換されていてもよい。ただし、R1、R2及びR3
    が同時に水素原子となることはない。また、R1〜R3
    のうちの任意の二つは共同で環を形成しても良い。上記
    〔III〕中、R1〜R5は各々独立して水素原子又は
    アルキル基を表し、アルキル基の場合、カルボキシル
    基、ヒドロキシ基、アミノ基若しくはホスホノ基で置換
    されていても良い。また、L1及びL2は各々独立して
    アルキレン基を示す。nは0〜5の整数を示す。
  2. 【請求項2】 前記(b)の化合物において、R1とR
    2がともにヒドロキシル基で置換されているアルキル基
    であって、該アルキル基の炭素数は3以上であることを
    特徴とする請求項1に記載のヒドロキシルアミン誘導体
    の安定化剤。
  3. 【請求項3】 前記(c)の化合物において、L1、L
    2は各々独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレ
    ン基を表し、n=0〜5であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のヒドロキシルアミン誘導体の安定化
    剤。
  4. 【請求項4】 前記(c)の化合物において、n=0で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒドロキ
    シルアミン誘導体の安定化剤。
  5. 【請求項5】 前記(c)の化合物において、n=1以
    上且つR1〜5が水素原子であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のヒドロキシルアミン誘導体の安定化
    剤。
  6. 【請求項6】 ヒドロキシルアミン誘導体の着色防止剤
    である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒドロキ
    シルアミン誘導体の安定化剤。
  7. 【請求項7】 ヒドロキシルアミン誘導体が未精製であ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載
    のヒドロキシルアミン誘導体の安定化剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載の安定化剤をヒドロ
    キシルアミン誘導体と共存させることを特徴とするヒド
    ロキシルアミン誘導体の保存方法。
  9. 【請求項9】 ヒドロキシルアミン誘導体を密閉状態で
    保存することを特徴とする請求項8に記載のヒドロキシ
    ルアミン誘導体の保存方法。
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