JP2003238130A - カーボンナノチューブの製造方法および触媒組成物 - Google Patents

カーボンナノチューブの製造方法および触媒組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ほとんど非晶質のカーボン質の堆積無く、非常
に質の良い細い黒鉛質のカーボンナノチューブを収率良
く得る。 【解決手段】非晶質メタロシリケートを支持体とし、そ
の支持体に金属が担持されている触媒と炭素含有化合物
を500〜1200℃で接触させてカーボンナノチュー
ブの製造する、さらに、結晶質無多孔のメタロシリケー
トを支持体とし、その支持体結晶表面に金属が担持され
ている触媒と炭素含有化合物を500〜1200℃で接
触させてカーボンナノチューブを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い表面積、高い
弾性ヤング率、高い引っ張り強さ及び高い導電性を有す
るカーボンナノチューブの製造方法に関する。本発明に
よれば、10nm未満の細いカーボンナノチューブが得られ
る。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノチューブは、グラファイト
の1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、一層に
巻いたものを単層カーボンナノチューブ、多層に巻いた
ものを多層カーボンナノチューブという。
【0003】カーボンナノチューブを製造する方法とし
ては、アーク放電法及び化学蒸着法(CVD)による方
法が知られている。アーク放電法は、真空中又は不活性
気体雰囲気中で炭素棒を電極とし、高電圧・高電流のア
ーク放電を行い、カーボンナノチューブを製造するもの
であり、カーボンナノチューブは陰極堆積物中にグラフ
ァイト、カーボンナノパーティクルなどと一緒に得られ
る。CVDによる方法は、鉄、ニッケルなどの金属微粒
子の存在下で原料ガスを数百度で反応させて、カーボン
ナノチューブを製造するものである。この場合、原料ガ
スとしては、ベンゼン、トルエン、オルトメチルジアリ
ルケトン、アセチレン、エチレン、メタン等が用いられ
る。アーク放電法により作られたカーボンナノチューブ
は、グラファイト層の欠陥の少ないナノチューブが得ら
れるが、アモルファスカーボンなどの不純物が多い。C
VD法では、不純物が少なく、しかも安価にカーボンナ
ノチューブを製造できるが、生成したカーボンナノチュ
ーブはグラファイト層に欠陥が多く、2900℃程度の
熱処理をしないと、欠陥の少ないグラファイト層が形成
されないものがほとんどである。
【0004】それを、解決する手段として、篠原らはY
型ゼオライトにコバルトとバナジウムを担持させた触媒
を用いて、欠陥の少ない多層カーボンナノチューブが製
造できることを報告している(Chemical Physics Letter
s 303(1999) 117-124)。
【0005】本発明者らは、更に結晶性メタロシリケー
トゼオライトに金属触媒を担持させることにより更に結
晶性の良い多層カーボンナノチューブ、単層カーボンナ
ノチューブを得ることが出来ることを見出した。この原
因は、シリケート骨格中に存在する金属と担持した金属
触媒の電子授受などの相互作用によるものと推定され
る。
【0006】従って、シリケート中の金属量を増やすこ
とが、生成したカーボンナノチューブの質、量を向上す
ることにつながることが予測できる。しかし、結晶性メ
タロシリケートゼオライトに多くの金属を導入すること
は非常に困難である。しかも、ゼオライトは合成時に高
価なテンプレート化合物を使うことが一般的で触媒の担
体(支持体)としては、高価であるという欠点を有して
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を克服して、良質のカーボンナノチューブを安
価に製造できうる触媒を提供し、それを用いたカーボン
ナノチューブの製造方法を提供することをその課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、非晶質メタロシリ
ケートであれば、多くの金属を骨格中に導入できるこ
と、それを焼成して結晶としたものもゼオライトのよう
に結晶内に均一な多孔を持たないものであれば、高価な
テンプレートを使わずに安価に製造できるだけでなく、
これらを支持体としたものでも高品質のカーボンナノチ
ューブが得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。また、非晶質メタロシリケートと同様に結晶質無
多孔のメタロシリケートを支持体とし、その支持体結晶
表面に金属が担持されているものも課題解決に有効であ
ることを見いだした。
【0009】すなわち本発明は、非晶質メタロシリケー
トを支持体とし、その支持体に金属が担持されているこ
とを特徴とする触媒と炭素含有化合物を500〜120
0℃で接触させることを特徴とするカーボンナノチュー
ブの製造方法、結晶質無多孔のメタロシリケートを支持
体とし、その支持体結晶表面に金属が担持されているこ
とを特徴とする触媒と炭素含有化合物を500〜120
0℃で接触させることを特徴とするカーボンナノチュー
ブの製造方法、および非晶質又は結晶質無多孔のメタロ
シリケート上に金属が担持されていることを特徴とする
カーボンナノチューブ製造用触媒組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳述する。本
発明の方法は、非晶質メタロシリケートを支持体とし、
その支持体に金属が担持されていることを特徴とする触
媒と炭素含有化合物を500〜1200℃で接触させる
ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法であ
る。
【0011】本発明において非晶質メタロシリケートと
は、Si-O-Me(Meは金属)の結合を有する非晶質の酸化物
である。このような化合物の製造方法は、特に限定され
ないが、例えば珪素を含む水溶液と金属を含む水溶液を
混ぜて、酸性物質、又は塩基性物質の存在下攪拌、場合
によっては加熱して、珪素の水酸化物と金属の水酸化物
の縮合を進行させ析出した非晶質メタロシリケートを水
洗、乾燥、必要に応じて焼成する方法が挙げられる。金
属は高分散に存在する方が、好ましい。それは、最終的
に担持する触媒金属が高分散に担持されることと、触媒
金属との相互作用効果が顕著に現れるためである。メタ
ロシリケートの金属を高分散に分散させる方法は、特に
制限はないが、たとえば、アルコキシド化合物を使う方
法が好ましく用いられる。珪素のアルコキシド化合物を
含有する溶液と金属のアルコキシドを有する溶液を混合
し、水と触媒となる塩基性物質、酸性物質を添加し、ア
ルコキシドの加水分解と生成した水酸化物の縮合を進め
ることにより、非晶質メタロシリケートを生成させる。
この方法は原子レベルで珪素と金属が溶解し分散した状
態から酸化物を作っていくので、高分散となる。本発明
において非晶質は、珪素、酸素、金属の並び方に結晶性
が無いことを言う。非晶質のメタロシリケートが集まっ
て規則正しく並んだメソポーラス材料は本発明では非晶
質と定義する。その理由は、メソポーラスが形成してい
る壁が非晶質だからである。本発明で非晶質であること
の利点は、金属触媒に好影響を与えるメタロシリケート
の金属をシリケート中に必要なだけ導入できることであ
り、骨格が非晶質であるから、骨格組成を自由にコント
ロールできる。
【0012】骨格に入れる金属は、金属であれば特に限
定されないが、遷移金属すなわちSc,Y,La,Ti,Zr,V,Nb,C
r,Mo,W,Mn,Fe,Ru,Co,,Ni,Cu,Zn等が好ましい。その理由
は、明らかではないが、遷移金属のd軌道が担持された
金属触媒との電子の授受に携わり好影響を与えるものと
思われる。2種類以上の金属を使っても構わない。
【0013】非晶質メタロシリケートは、自由に骨格の
組成をコントロールできるが、数多くの未結合のOH基
が存在している。これらは、金属を担持する際結合手に
なる等利点もあるが、高温でお互い縮合する時に担持さ
れた金属が凝集するなどの望ましくないこともある。そ
のために、予め反応温度で焼成してから、金属を含む化
合物を担持し、触媒として用いることが好ましい。しか
し、焼成により非晶質が結晶質に変わる場合があるが、
それは構わない。先に述べたように、シリケート構造に
多くの金属原子を導入することが目的であり、結晶であ
ろうと、非晶質であろうとどちらでも良い。結晶内に細
孔があるゼオライトのような物質は、(1)熱的に不安
定である、(2)カーボンナノチューブの生成に使用さ
れないゼオライト細孔内に貴重な金属触媒が入ってしま
うという欠点がある。従って、結晶性のメタロシリケー
トでも無多孔のものがよい。ここで無多孔とは、液体窒
素温度(77K)で窒素ガス吸着で測定したときに窒素
10kPa(大気圧の0.1倍)での窒素吸着量が0.
05g/g以下であることをいう。結晶表面に金属が担
持されることが重要であり、無多孔で微結晶のものが表
面積が高く好ましい。結晶の大きさは、特に制限はない
が、好ましくは10μm以下である。更に好ましくは1
μm以下である。結晶の大きさはFE−SEMで確認で
きる。
【0014】非晶質のメタロシリケートや微結晶のメタ
ロシリケートは、表面OH基が多く存在する。これらのOH
基はカーボンナノチューブ生成温度において縮合し、表
面構造が変わり、その際に表面に担持されている触媒金
属が凝集してしまい、単層から5層の細いカーボンナノ
チューブを得る際には好ましくない。このようなことを
防ぐためには、支持体は一度反応温度以上で焼成するこ
とが好ましい。特に結晶性の低い支持体、微結晶の支持
体を使用する場合は、その組成に関わらず好ましい。
【0015】また、本発明は結晶質無多孔のメタロシリ
ケートを支持体とし、その支持体結晶表面に金属が担持
されている触媒も使用する。さらに、無機酸化物、無機
複合酸化物、非晶質メタロシリケート、結晶質無多孔の
メタロシリケート等の支持体を反応温度以上の温度で焼
成した後、触媒金属を含む化合物を担持し、非酸化性ガ
ス中で反応温度まで昇温し、反応温度になった後炭素含
有原料を導入することを特徴とするカーボンナノチュー
ブの製造方法も本発明の好ましい方法である。本方法に
おいては、一度、支持体を反応温度以上に焼成した後、
金属を担持する事が重要である。一度反応温度以上で焼
成することにより、反応温度で構造変化などのない安定
な支持体となるからである。支持体を焼成する場合の雰
囲気は、特に限定されない。非酸化性ガスとは、例え
ば、He,Ar,N2,H2等のことである。
【0016】非晶質のメタロシリケート、結晶性メタロ
シリケートで且つ無多孔の支持体は粉末状でも良いが、
膜状でも良い。膜状にした場合、カーボンナノチューブ
を配向して成長させることが出来好ましい。
【0017】本発明において、触媒は、非晶質メタロシ
リケート、結晶質無多孔のメタロシリケートの表面に金
属が担持されていることが必須である。金属の種類は、
特に限定されないが、3〜12族の金属、特に好ましく
は、5〜11族が好ましく用いられる。中でも、V,M
o,Fe,Co,Ni等は特に好ましく用いられる。一
種類だけ担持されていても、二種類以上担持されていて
もかまわない。2種類以上担持させる方が好ましい。2
種類の場合は、Coと他の金属の組み合わせが特に好ま
しい。CoとFe,Ni,V,Moの組み合わせが最も
好ましい。更に第3成分を添加することも好ましく行わ
れる。支持体への担持方法は、特に限定されないが、例
えば、担持したい金属の塩を溶解させた非水溶液中(例
えばエタノール溶液)又は水溶液中に、支持体を含浸
し、充分に分散混合した後、乾燥させ、非酸化性ガス中
で高温(300〜600℃)で加熱することによって、
支持体に金属を担持することができる(含浸法)。又
は、金属塩の水溶液に支持体を含浸し、含浸法で金属塩
を担持し、乾燥させ、非酸化性ガス中で高温(300〜
600℃)で加熱することによって、支持体に金属を担
持することもできる。金属塩を担持して不活性ガス中で
焼成することにより、厳密な意味で、金属として担持さ
れているかどうかは不明であるが、本発明において触媒
となる金属は金属塩を不活性ガス中で300℃以上で焼
成したものも含む。ここで非酸化性ガスとは例えばH
e,Ar,N2,H2等のことである。勿論、金属塩を担
持した後、空気中で焼成して金属酸化物とした後、水素
を使用して還元して耐熱性ゼオライト結晶表面に金属を
担持することもできる。担持される金属の大きさは、数
nm〜数10nmの範囲である。好ましくは、1nm〜20nm
であり、特に好ましくは、1〜10nmである。金属塩溶
液の濃度を制御することによって、金属の大きさは制御
することが可能である。金属の大きさは、触媒サンプル
を超薄切片法で切り出し、透過型電子顕微鏡で観察する
ことにより測定できる。金属の担持量は、特に限定され
ないが、金属重量として、1〜20%、好ましくは2〜
12%である。
【0018】本方法では、非晶質メタロシリケートまた
は無多孔の結晶質メタロシリケートを支持体とし、その
支持体表面に金属が担持されていることを特徴とする触
媒と炭素含有化合物を500〜1200℃で接触させ
る。使用する炭素含有化合物は、特に限定されないが、
炭化水素及び一酸化炭素が考えられる。炭化水素は芳香
族、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エ
チルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼ
ン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン又はこ
れらの混合物であってよい。あるいは、前記炭化水素は
非芳香族、例えばメタン、エタン、プロパン、エチレ
ン、プロピレンもしくはアセチレン又はこれらの混合物
であってもよい。前記炭化水素はまた酸素を含むもの、
例えばメタノールもしくはエタノールのごときアルコー
ル、アセトンのごときケトン、及びホルムアルデヒドも
しくはアセトアルデヒドのごときアルデヒド、又はこれ
らの混合物であってもよい。
【0019】接触のさせ方は、特に限定されないが、例
えば、管状炉に設置された石英製の反応管内に、本発明
の触媒を置き、加熱下で酸素ガスの非存在下で炭素含有
化合物ガスを流すことにより達成できる。触媒と炭素含
有化合物の接触方法は、上記のような方法でも触媒を噴
霧する方法でもかまわない。炭素含有化合物以外のガス
は、酸素ガス以外は好ましく使用される。酸素は爆発の
可能性があるので使用しないが、窒素、アルゴン、水
素、ヘリウム、等は好ましく使用される。これらのガス
は、炭素含有化合物ガスの濃度のコントロールやキャリ
ヤガスとして効果がある。水素は、特に触媒金属の活性
化に効果があり特に好ましく用いられる。酸素も爆発限
界以下であれば使用しても構わない。
【0020】本発明でカーボンナノチューブとは、中空
状で外径が50nmより細く、内径が0.3nmより太く、
10nmより細い中空状の実質的にカーボン質のチューブ
のことである。チューブの壁の部分はグラファイト層で
できていることが好ましい。これは高分解能透過型電子
顕微鏡で確認できる。触媒、単体の組成、反応条件など
によって単層から多層まで種々作りわけが可能である。
特に本発明方法では、比較的欠陥の少ない高品質のカー
ボンナノチューブが高収率で得られる。
【0021】本発明方法は、種々の骨格金属をシリケー
ト中に導入し、触媒金属と担体との相互作用を変えるこ
とにより、生成するカーボンナノチューブをコントロー
ルできる。例えば、非晶質チタノシリケート又は結晶質
無多孔チタノシリケートを支持体として、800℃以上
で本発明方法で中空状ナノファイバーを製造したとき、
単層〜5層の細いカーボンナノチューブが選択的にでき
る。
【0022】更に、高品質のカーボンナノチューブを作
ることができることになった最も重要な因子である触媒
組成物も本発明に含まれる。すなわち、非晶質又は結晶
質無多孔のメタロシリケート上に金属が担持されている
ことを特徴とするカーボンナノチューブ製造用触媒組成
物である。非晶質又は結晶質無多孔のメタロシリケート
の定義は、前述の通りである。
【0023】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に
説明する。もっとも、下記の実施例は例示のために示す
ものであって、いかなる意味においても限定的に解釈し
てはならない。
【0024】
【実施例】(実施例1) [非晶質チタノシリケートの合成]20gのテトラエチ
ルオルソシリケート(和光純薬工業株式会社製)を10
0gのエタノール(和光純薬工業株式会社製)に添加し
攪拌した。10gチタニウムテトライソプロポキシド
(和光純薬工業株式会社製)を200gのイソプロパノ
ール(和光純薬工業株式会社製)に添加し攪拌した。上
記2つの液を混合し攪拌した。更に、攪拌しながら、3
0gのアンモニア水(25〜27.9%:和光純薬工業
株式会社製)を加えて1時間攪拌した。その後、ロータ
リーエバポレーターで乾燥させた。乾燥品をX線回折測
定を行ったところ、非晶質に特有のハロー図形が得られ
た。 [耐熱性ゼオライトへの金属塩の担持]酢酸第一鉄(ア
ルドリッチ社製)0.08gと酢酸コバルト4水和物
(ナカライテスク)社製)0.11gをメタノール(ナ
カライテスク社製)7mlに加え、超音波洗浄機で10
分間懸濁した。ここに1.0gの上記非晶質チタノシリ
ケート粉末を加え、超音波洗浄機で10分間処理し、6
0℃恒温下でメタノールを除去して得た。
【0025】[カーボンナノチューブの合成(600
℃)]内径30mmの石英管の中央部に石英プレート上
に金属塩を担持した非晶質チタノシリケートを0.05
7g取り、窒素を30ml/分で供給した。石英管を電
気炉中に設置して中心温度を600℃に加熱した。超高
純度アセチレンガス(高圧ガス工業製)を6ml/分で
30分間供給した後、アセチレンガスの供給をやめ、温
度を室温まで冷却した。得られた反応物を日本電子デー
タム(株)走査電子顕微鏡JSM−6301NFで観察
したところ、ほとんど非晶質のカーボン質が堆積は無か
った。ファイバー状物質の形状を透過型電子顕微鏡で測
定したところ、外径が30nm以下で内径が5nm程度
の細い中空状ナノファイバーが主成分であることがわか
った。高分解能透過型電子顕微鏡で中空状ナノファイバ
ーを観察したところナノファイバーの壁はグラファイト
層で構成されていた。
【0026】[ナノファイバーの合成(900℃)]内
径30mmの石英管の中央部に石英プレート上に金属塩
を担持した非晶質チタノシリケートを0.034g取
り、窒素を30ml/分で供給した。石英管を電気炉中
に設置して中心温度を900℃に加熱した。超高純度ア
セチレンガス(高圧ガス工業製)を1ml/分で30分
間供給した後、アセチレンガスの供給をやめ、温度を室
温まで冷却した。石英プレート上に堆積した反応物の一
部の形状を透過型電子顕微鏡で測定したところ中空状ナ
ノファイバーであった。高分解能透過型電子顕微鏡で中
空状ナノファイバーを観察したところナノファイバーの
壁はグラファイト層で構成されていた。更に単層、2層
のカーボンナノチューブも見られた。
【0027】(実施例2) [非晶質チタノシリケートの焼成]実施例1で合成した
チタノシリケート粉末を空気中900℃で1時間焼成し
た。焼成後の粉末をX線回折測定をしたところ、結晶性
のピークが現れた。ゼオライト系のピークではなかっ
た。このサンプルの液体窒素温度での窒素吸着を測定し
たところ、マイクロポアに起因する吸着は、0.01g
/g以下であった。
【0028】[耐熱性ゼオライトへの金属塩の担持]酢
酸第一鉄(アルドリッチ社製)0.08gと酢酸コバル
ト4水和物(ナカライテスク)社製)0.11gをメタ
ノール(ナカライテスク社製)7mlに加え、超音波洗
浄機で10分間懸濁した。ここに1.0gの上記焼成後
チタノシリケートを加え、超音波洗浄機で10分間処理
し、60℃恒温下でメタノールを除去して得た。
【0029】[ナノファイバーの合成(600℃)]内
径30mmの石英管の中央部に石英プレート上に金属塩
を担持した結晶質無孔チタノシリケートを0.050g
取り、窒素を30ml/分で供給した。石英管を電気炉
中に設置して中心温度を600℃に加熱した。超高純度
アセチレンガス(高圧ガス工業製)を6ml/分で30
分間供給した後、アセチレンガスの供給をやめ、温度を
室温まで冷却した。石英プレート上に堆積した反応物を
日本電子データム(株)走査電子顕微鏡JSM−630
1NFで観察したところ、ほとんど非晶質のカーボン質
が堆積は無かった。ファイバー状物質の形状を透過型電
子顕微鏡で測定したところ、外径が30nm以下で内径
が5nm程度の細い中空状ナノファイバーが主成分であ
ることがわかった。高分解能透過型電子顕微鏡で中空状
ナノファイバーを観察したところナノファイバーの壁は
グラファイト層で構成されていた。
【0030】[ナノファイバーの合成(900℃)]内
径30mmの石英管の中央部に石英プレート上に金属塩
を担持した上記結晶性チタノシリケートを0.034g
取り、窒素を30ml/分で供給した。石英管を電気炉
中に設置して中心温度を900℃に加熱した。900℃
到達後、超高純度アセチレンガス(高圧ガス工業製)を
1ml/分で30分間供給した後、アセチレンガスの供
給をやめ、温度を室温まで冷却した。石英プレート上に
堆積した反応物の一部の形状を透過型電子顕微鏡で測定
したところ中空状ナノファイバーであった。高分解能透
過型電子顕微鏡で中空状ナノファイバーを観察したとこ
ろナノファイバーの壁はグラファイト層で構成されてい
た。更に単層、2層のカーボンナノチューブも見られ
た。実施例1の時より、多く単層、2層のカーボンナノ
チューブが得られていた。
【0031】
【発明の効果】本発明方法によると、ほとんど非晶質の
カーボン質の堆積無く、非常に質の良い細い黒鉛質のカ
ーボンナノチューブが収率良く得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質メタロシリケートを支持体とし、そ
    の支持体に金属が担持されている触媒と炭素含有化合物
    を500〜1200℃で接触させることを特徴とするカ
    ーボンナノチューブの製造方法。
  2. 【請求項2】結晶質無多孔のメタロシリケートを支持体
    とし、その支持体結晶表面に金属が担持されている触媒
    と炭素含有化合物を500〜1200℃で接触させるこ
    とを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  3. 【請求項3】骨格中の金属が遷移金属であるメタロシリ
    ケートを支持体とすることを特徴とする請求項1又は2
    記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 【請求項4】無機酸化物、無機複合酸化物、非晶質メタ
    ロシリケート、結晶質無多孔のメタロシリケートから選
    ばれる支持体を反応温度以上の温度で焼成した後、触媒
    金属を含む化合物を担持し、非酸化性ガス中で反応温度
    まで昇温し、反応温度に到達した後炭素含有原料を導入
    することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方
    法。
  5. 【請求項5】非晶質又は結晶質無多孔のメタロシリケー
    ト上に金属が担持されていることを特徴とするカーボン
    ナノチューブ製造用触媒組成物。
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