JP2003237908A - スタッカークレーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スタッカークレーン２のフレーム８に沿っ
て、スライドフォーク１２とターンテーブル付きの昇降
台１０と、複数の昇降棚２０とを設ける。さらに昇降棚
２０との間で物品の受け渡し自在で、かつステーション
との間で物品をやり取りするためのコンベヤ２２を設け
る。 【効果】 複数物品を一括搬送でき、ステーションとの
間の移載が高速なスタッカークレーンが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の利用分野】この発明は自動倉庫などに用いるス
タッカークレーンに関し、特に多数の物品を一度に搬送
できるようにしたスタッカークレーンに関する。

【０００２】

【従来技術】スタッカークレーンは自動倉庫などでの搬
送装置として用いられ、走行レールに沿って走行し、マ
ストに沿って移載手段を備えた昇降台を昇降させ、ラッ
クや入出庫ステーションとの間で物品を移載する。同時
に搬送できる物品は原則として１個で、ツインフォーク
（移載手段を２組装備）の場合でも２個までである。こ
のため、従来のスタッカークレーンは大量の物品を一括
して搬送するには適していなかった。

【０００３】

【発明の課題】この発明の基本的課題は、複数個の物品
を一括して搬送自在にして、スタッカークレーンのサイ
クルタイムを短縮することにある。請求項２の発明での
追加の課題は、ステーションとの間の移載時間を短縮
し、さらに搬送能力を向上させることにある。請求項３
の発明での追加の課題は、スタッカークレーンの走行経
路の両側にラックを設けて、収容能力を高めることがで
きるようにすることにある。

【０００４】

【発明の構成】この発明のスタッカークレーンは、移載
手段を備えかつマストに沿って昇降自在な昇降台を設け
ると共に、該マストの高さ方向に沿って物品の仮置き棚
を複数棚設け、かつ前記昇降台と仮置き棚との間で物品
をやり取り自在にしたものである（請求項１）。

【０００５】好ましくは、前記複数の仮置き棚を屈曲自
在な吊持材により連結して、仮置き棚をマストに沿って
昇降自在にし、かつ前記仮置き棚が上下方向に通過自在
なコンベヤを設けて、該コンベヤの下側を前記仮置き棚
を密に配置して待機させるためのスペースとする（請求
項２）。

【０００６】また好ましくは、前記昇降台と前記仮置き
棚との列を、スタッカークレーンの走行方向にほぼ平行
に配置し、さらに前記移載手段の移載方向をほぼ９０°
転換するための手段を昇降台に設ける（請求項３）。

【０００７】

【発明の作用と効果】この発明では、昇降台に設けた移
載手段によって、ラックや入庫用のステーションなどか
らスタッカークレーンへ物品を移載し、昇降台から仮置
き棚に物品を収納して、スタッカークレーンで搬送す
る。物品を荷下ろしする場合には、昇降台の移載手段を
用いて、仮置き棚からラックや入出庫ステーションなど
に荷下ろしする。この発明では、スタッカークレーンで
１度に複数個の物品を搬送できるので、物品１個当たり
のサイクルタイムを短縮できる。また物品１個当たりの
サイクルタイムのうちで、スタッカークレーンの走行に
要する時間の比重が小さいので、スタッカークレーンの
走行距離を長くしても、サイクルタイムは余り増加しな
い。このため自動倉庫などの大型化ができる（請求項
１）。

【０００８】ステーションなどとの間の移載は、全て昇
降台によって行っても良いが、これでは非効率である。
例えばステーションとの間の移載は、昇降台をステーシ
ョンの高さまで昇降させ、移載し、仮置き棚まで昇降台
を昇降させる、の３ステップからなっている。これに対
して請求項２の発明では、仮置き棚を昇降自在にし、か
つ仮置き棚が搬送面を上下に通過することにより、物品
のやり取りを行うコンベヤを設けるので、仮置き棚がコ
ンベヤを上側に通過すると、コンベヤ上の物品を仮置き
棚に移載でき、仮置き棚がコンベヤを下側に通過する
と、仮置き棚上の物品をコンベヤに移載できる。そして
コンベヤの下側には、仮置き棚を密に配置して待機させ
るためのスペースを設け、コンベヤへ物品を荷下ろしし
た仮置き棚をこのスペースで待機させる。

【０００９】これらのため請求項２の発明では、仮置き
棚を昇降させて、物品をコンベヤとの間で移載する、コ
ンベヤとステーションとの間で物品を移載する、の２つ
のステップを行うことにより、効率的に多数個の物品を
ステーションに入出庫できる。なお、ステーションとの
間の入出庫は全てコンベヤを用いる必要はなく、例えば
出庫時にのみコンベヤを用い、入庫時には昇降台を用い
ても良い。この場合、例えば入庫開始前に仮置き棚を上
昇させておき、昇降台で物品を入庫する毎に、昇降台を
昇降させて仮置き棚へ移載する。このようにすれば、物
品を収納して重量が増した仮置き棚を上昇させる必要が
無くなり、仮置き棚の昇降用のモータを小さくできる。
またこのような入庫では時間を要するが、入庫自身は急
がなくても良い場合が多い。これに対して出庫では、一
般に緊急性が要求され、出庫時に仮置き棚を下降させて
順次コンベヤを介してステーションへ払い出すと、速や
かに出庫でき、しかも仮置き棚の昇降に必要なモータの
出力は小さくても良い。

【００１０】請求項３の発明では、昇降台に移載手段の
移載方向をほぼ９０°転換するための手段を設け、かつ
仮置き棚をスタッカークレーンの走行方向から見て昇降
台の前方もしくは後方に配置する。このため昇降台から
見て、走行方向の左右両側との間で移載ができ、ラック
をスタッカークレーンの走行方向の両側に配置できる。
また仮置き棚と昇降台との間の物品のやり取りでは、ラ
ックなどから物品を引き込んだ移載手段を昇降台上でほ
ぼ９０°転換し、次いで移載手段により仮置き棚に物品
を移し替えればよい。また逆に、仮置き棚から昇降台へ
の物品の移載では、昇降台の移載手段の移載方向をほぼ
９０°転換し、仮置き棚から移載手段へ物品を移載し、
次いで移載手段の移載方向を再度９０°転換して、ステ
ーションやラックなどに移載すればよい（請求項３）。

【００１１】

【実施例】図１〜図５に実施例のスタッカークレーン２
を示す。これらの図において、４はスタッカークレーン
の下部に設けた台車で、これ以外に上部にも台車を設け
てもよく、６は走行レールである。８はフレームで、こ
こでは２本の柱からなる門型としたが、その構造自体は
任意である。１０は昇降台でフレーム８の柱８ａに沿っ
て昇降し、昇降台取付部１６にターンテーブル１４を介
してスライドフォーク１２を設けたものである。なおス
ライドフォーク１２に代えて、チェーンなどの他の移載
手段を用いても良く、ターンテーブル１４はスライドフ
ォーク１２の移載方向を例えば９０°転換できるもので
あればよい。１８は昇降台１０の昇降モータである。

【００１２】門型のフレーム８の反対側の柱８ｂには複
数棚の昇降棚２０を設けて、フレーム８の柱８ｂに沿っ
て昇降できるようにし、２２はコンベヤで、ここではロ
ーラコンベヤとしたがチェーンコンベヤなどでも良く、
入出庫ステーション３４との間で物品をやり取りできる
高さに設ける。２４は昇降棚２０の昇降ガイドで、２５
は昇降棚２０上の物品であり、昇降モータ２６は複数棚
の昇降棚２０を吊持材で連結して昇降させ、２８は昇降
棚２０のカウンタウェイトである。昇降棚２０は、例え
ば２本の縦櫛歯状で、チェーンやロープなどの屈曲自在
な吊持材により互いに連結されている。

【００１３】昇降棚２０はコンベヤ２２の搬送面を上側
へ通過することにより、物品２５をコンベヤ２２から受
け取り、コンベヤ２２の搬送面を下側へ通過することに
より、物品２５をコンベヤ２２へ荷下ろしする。そして
コンベヤ２２の下側のスペースが昇降棚２０の待機スペ
ースとなり、昇降棚２０を密に、即ちコンベヤ２２上よ
りも間隔を詰めて、ほぼ積み重なるように配置して待機
させる。

【００１４】図３に、コンベヤ２２と昇降棚２０との関
係を示すと、コンベヤ２２は例えばローラコンベヤから
なり、外側ローラ３８，３８の内側のスペース３９，３
９を、昇降棚２０が通過でき、昇降棚２０はチェーンな
どの吊持材４０を介して、昇降モータにより昇降する。
図１，図２に戻り、３０は走行モータで、３２は制御盤
で、３４は入出庫用のステーションで、ここでは特に入
庫ステーションとし、３６はプッシャで、ステーション
３４のローラコンベヤ上から物品をスタッカークレーン
２のコンベヤ２２へ押し出すためのものである。プッシ
ャ３６に代えて、ステーション３４上の物品をコンベヤ
２２上へ移載できる手段であれば、任意のものを用いる
ことができる。ここでは昇降棚２０を２本の縦櫛歯状と
し、移載手段を２本の縦櫛歯間を通過するスライドフォ
ーク１２としたが、昇降棚２０を多数本の縦櫛歯状と
し、移載手段をこれに対応する多数本の縦櫛歯状のもの
とすれば、小さな物品を取り扱うことが可能になる。

【００１５】図４に、スタッカークレーン２を用いた自
動倉庫４２の構成を示すと、走行レール６の両側に一対
のラック４６，４６を設け、また一対のステーション３
４，４４を設ける。そして入庫時には、スタッカークレ
ーン２は昇降棚２０が満杯となるまで複数の物品を一括
して受け取り、ステーション３４，４４の近く（または
遠く）の空棚から順に物品を入庫して行く。また出庫時
には、例えば出庫要求のあった物品をステーション３
４，４４の遠く（または近く）の該当棚から順に取り出
して昇降棚が満杯となるまで仮置きして行き、満杯とな
ったらステーション３４，４４へ走行して連続的に出庫
する。この時、各物品を所望の順序で出庫する必要があ
る場合には、先に出庫する物品から順に、下側の昇降棚
から順次仮置きして行くようにする。

【００１６】実施例の動作を示す。ステーション３４な
どから物品をスタッカークレーン２へ移載する場合、コ
ンベヤ２２へプッシャ３６などで物品を移載し、昇降棚
２０をコンベヤ２２の搬送面を上側に通過させて、コン
ベヤ２２から昇降棚２０へ物品を移載する。このため１
物品の移載に要する時間は、コンベヤ２２へ物品を搬入
する時間と、昇降棚をコンベヤ２２の上側へ通過させる
時間の和で定まり、短時間で大量の物品を一括してスタ
ッカークレーン２へ積み込むことができる。ステーショ
ン４４へ物品を荷下ろしする場合、昇降棚２０をコンベ
ヤ２２の搬送面を横切るように下側へ通過させ、物品を
コンベヤ２２上へ移載して、ステーションへコンベヤ２
２により搬出する。このため、コンベヤ２２から物品を
搬出するのに要する時間と昇降棚２０をコンベヤ２２の
搬送面を通過させるのに要する時間の和で、１物品を搬
出できる。

【００１７】ラック４６などと昇降棚２０との間の物品
の移載には昇降台１０を用い、ターンテーブル１４によ
りスライドフォーク１２の向きをほぼ９０°転換して、
昇降棚２０と昇降台１０との間で物品をやり取りし、再
度スライドフォーク１２の向きを９０°転換して、ラッ
ク４６などとの間で物品を移載する。なお昇降台１０
に、ラックとの間での物品の移載手段と、昇降棚２０と
の間での物品の移載手段の２種類の移載手段を設けれ
ば、ターンテーブル１４は設けなくても良い。

【００１８】サイクルタイムを短縮するためには、入庫
時も出庫時もコンベヤ２２を用いて物品の積み込みや荷
下ろしを行うのが好ましいが、入庫時の速度を遅くして
も良い場合、入庫前に昇降棚を上昇させておき、昇降台
１０を用いて入庫ステーションから物品を積み込んで、
昇降台１０を所望の昇降棚の高さまで昇降させて物品を
昇降台１０から昇降棚２０へ積み替えるようにしても良
い。このようにする利点は、多数の物品を載せた昇降棚
を昇降モータ２６で巻き上げる必要がないので、昇降モ
ータ２６の出力を小さくできる点である。問題点は、入
庫動作に要する時間が長くなる点である。

【００１９】昇降棚２０はこれ以外にも様々な動作に用
いることができ、例えばスタッカークレーン２の走行と
同時に平行して、次に物品を荷下ろするラックの棚の高
さ位置へ、あるいは次に物品を荷積みするラックの棚の
高さ位置へと、必要な昇降棚を昇降させるようにしても
良い。

【００２０】入庫や出庫の際の基本的な運用パターンを
図５に模式的に示すと、例えば入庫の場合、フォークリ
フトや長距離コンベヤなどにより、ステーション３４へ
と物品を搬入し、コンベヤ２２と昇降棚２０とを用い
て、複数個の物品を一括してスタッカークレーン２に積
み込む。次いでスタッカークレーン２を走行させて、ラ
ック４６の１つの連４８に、あるいは向き合った２つの
連に、入庫物品を荷下ろしする。このようにすれば、ラ
ックへの荷下ろしの間にスタッカークレーン２を走行さ
せる必要が無く、また昇降台１０の昇降動作も簡単にな
り、上側の昇降棚から下側の昇降棚への順に、あるいは
逆に下側の昇降棚から上側の昇降棚への順に、物品をや
り取りすればよい。このためラック４６との間の移載の
間の、昇降台１０の昇降距離を小さくできる。

【００２１】出庫前にスタッカークレーン２の空き時間
などを利用し、出庫予定の物品を１つの連、あるいは向
き合った２つの連の高さ方向に揃えておくことが好まし
い。このようにした場合、出庫時には出庫を行う連に接
するようにスタッカークレーン２を停止させ、複数の物
品を順次昇降台１０を用いて昇降棚２０へと移載する。
この後、スタッカークレーン２をステーション４４など
に接した位置へ移動させ、昇降棚２０の下降と、コンベ
ヤ２２からの払出を用いて物品を出庫する。

【００２２】実施例では、昇降台１０と昇降棚２０とコ
ンベヤ２２とを、スタッカークレーン２に設けたが、よ
り単純な構造の変形例を図６に示す。図６のスタッカー
クレーン５２では、平面視でＴ字型の柱５４の高さ方向
に沿って複数の仮置き棚５６を固定して設け、柱５５に
沿ってスライドフォーク６０を備えた昇降台５８を昇降
させる。そして仮置き棚５６と昇降台５８との列が、ス
タッカークレーン５２の走行方向にほぼ直角な方向を向
くように配置し、昇降台５８と接する側にラック４６を
設け、仮置き棚５６に近い側にはラックを設けない。６
１，６２は走行レールである。

【００２３】図６の変形例では、ラックやステーション
との間で、昇降台５８を用いて物品をやり取りし、昇降
台５８を柱５５に沿って昇降させて、昇降台５８から複
数の仮置き棚５６に物品を収納し、仮置き棚５６から昇
降台５８で物品を取り出す。

【００２４】実施例では、スタッカークレーン２，５２
に複数個の物品を収容して一括して搬送できるので、物
品の搬送に必要な時間のうち、スタッカークレーン２の
走行時間の割合を小さくできる。このため走行レール６
の長さを大きくし、長大な自動倉庫を設けても、入出庫
に要する時間がさして延びない。また通常の走行長の自
動倉庫の場合、入出庫のサイクルタイムを短縮できる。
さらに昇降棚２０とコンベヤ２２との組み合わせを用い
ると、極めて効率的にステーションとの間の物品のやり
取りができ、サイクルタイムをさらに短縮できる。なお
実施例ではコンベヤ２２を１個のみ設けたが、ステーシ
ョンを高さレベルを異ならせて複数設ける場合に備え、
コンベヤ２２を高さレベルを変えて複数設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例のスタッカークレーンの斜視図

【図２】 実施例のスタッカークレーンの側面図

【図３】 実施例のスタッカークレーンでの、コンベヤ
と昇降棚との関係を示す平面図

【図４】 実施例のスタッカークレーンを用いた、自動
倉庫のレイアウトを示す平面図

【図５】 実施例のスタッカークレーンを用いた自動倉
庫の、運用を模式的に示す平面図

【図６】 変形例のスタッカークレーンを用いた、自動
倉庫のレイアウトを示す正面図

【符号の説明】

２ スタッカークレーン ４ 台車 ６ 走行レール ８ フレーム １０ 昇降台 １２ スライドフォーク １４ ターンテーブル １６ 昇降台取付部 １８ 昇降モータ ２０ 昇降棚 ２２ コンベヤ ２４ 昇降ガイド ２５ 物品 ２６ 昇降モータ ２８ カウンターウェイト ３０ 走行モータ ３２ 制御盤 ３４，４４ ステーション ３６ プッシャ ３８ 外側ローラ ３９ スペース ４０ 吊持材 ４２ 自動倉庫 ４６ ラック ５２ スタッカークレーン ５４，５５ 柱 ５６ 仮置き棚 ５８ 昇降台 ６０ スライドフォーク ６１，６２ 走行レール ４８ 連

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移載手段を備えかつマストに沿って昇降
   自在な昇降台を設けると共に、該マストの高さ方向に沿
   って物品の仮置き棚を複数棚設け、かつ前記昇降台と仮
   置き棚との間で物品をやり取り自在にした、スタッカー
   クレーン。
2. 【請求項２】 前記複数の仮置き棚を屈曲自在な吊持材
   により連結して、仮置き棚をマストに沿って昇降自在に
   し、かつ前記仮置き棚が上下方向に通過自在なコンベヤ
   を設けて、該コンベヤの下側を前記仮置き棚を密に配置
   して待機させるためのスペースとしたことを特徴とす
   る、請求項１のスタッカークレーン。
3. 【請求項３】 前記昇降台と前記仮置き棚との列を、ス
   タッカークレーンの走行方向にほぼ平行に配置し、さら
   に前記移載手段の移載方向をほぼ９０°転換するための
   手段を昇降台に設けたことを特徴とする、請求項１また
   は２のスタッカークレーン。