JP2003229721A - 水晶発振器 - Google Patents

水晶発振器

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JP2003229721A
JP2003229721A JP2002382702A JP2002382702A JP2003229721A JP 2003229721 A JP2003229721 A JP 2003229721A JP 2002382702 A JP2002382702 A JP 2002382702A JP 2002382702 A JP2002382702 A JP 2002382702A JP 2003229721 A JP2003229721 A JP 2003229721A
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Hirofumi Kawashima
宏文 川島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力信号が基本波モード振動の周波数で等価
直列抵抗Rが小さく、品質係数Q値が高い超小型の音
叉形状の屈曲水晶振動子を具えた水晶発振器を提供する
事にある。 【解決手段】 音叉腕と音叉基部とを具えて構成され、
前記音叉腕又は前記音叉腕と前記音叉基部の上下面に溝
を設け、これらの溝の側面部に電極を配置した水晶振動
子を具えて、且つ、基本波モード振動の等価直列抵抗R
が2次高調波モード振動のRより小さく、更に、増
幅回路の増幅率と帰還回路の帰還率との関係により、出
力信号が基本波モードの周波数である水晶発振器が実現
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は屈曲モードで振動す
る音叉腕と音叉基部から成る音叉形状の水晶振動子と増
幅器とコンデンサーと抵抗から構成される水晶発振器に
関する。特に、小型化、高精度化、耐衝撃性、低廉化の
要求の強い情報通信機器用の基準信号源として最適な水
晶発振器で、新形状、新電極構成及び最適寸法を有する
超小型の音叉形状の屈曲水晶振動子から構成され、基本
波モード振動の周波数が出力信号である水晶発振器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の水晶発振器は増幅器とコンデンサ
ーと抵抗と音叉腕の上下面と側面に電極が配置された音
叉型屈曲水晶振動子から成る水晶発振器がよく知られて
いる。図9には、この従来例の発振器に用いられている
音叉形状の屈曲水晶振動子200の概観図を示す。図9
において水晶振動子200は2本の音叉腕201,20
2と音叉基部230とを具えている。図10には図9の
音叉腕の断面図を示す。図10に示すように、励振電極
は音叉腕の上下面と側面に配置されている。音叉腕の断
面形状は一般的には長方形をしている。一方の音叉腕の
断面の上面には電極203が下面には電極204が配置
されている。側面には電極205と206が設けられて
いる。他方の音叉腕の上面には電極207が下面には電
極208が、更に側面には電極209,210が配置さ
れ2電極端子H−H′構造を成している。今、H−H′
間に直流電圧を印加すると電界は矢印方向に働く。その
結果、一方の音叉腕が内側に曲がると他方の音叉腕も内
側に曲がる。この理由は、x軸方向の電界成分Exが各
音叉腕の内部で方向が反対になるためである。交番電圧
を印加することにより振動を持続することができる。
又、特開昭56−65517と特開2000−2239
92(P2000−223992A)では、音叉腕に溝
を設け、且つ、電極構成について開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】音叉型屈曲水晶振動子
では、電界成分Exが大きいほど損失等価直列抵抗R
が小さくなり、品質係数Q値が大きくなる。しかしなが
ら、従来から使用されている音叉型屈曲水晶振動子は、
図10で示したように、各音叉腕の上下面と側面の4面
に電極を配置している。そのために電界が直線的に働か
ず、かかる音叉型屈曲水晶振動子を小型化させると、電
界成分Exが小さくなってしまい、損失等価直列抵抗R
が大きくなり、品質係数Q値が小さくなるなどの課題
が残されていた。又、前記課題を解決する方法として、
例えば、特開昭56−65517では音叉腕に溝を設
け、且つ、溝の構成と電極構成について開示している。
しかしながら、溝の構成、寸法と振動モード並びに基本
波モード振動での等価直列抵抗Rと2次高調波モード
振動での等価直列抵抗Rとの関係及びフィガーオブメ
リットMについては全く開示されていない。と同時に、
前記溝を設けた振動子を従来の回路に接続し、水晶発振
回路を構成すると、基本波振動モードの出力信号が衝撃
や振動などの影響で出力信号が2次高調波振動の周波数
に変化、検出される等の問題が発生していた。このよう
なことから、衝撃や振動などの影響を受けない2次高調
波振動を抑えた基本波振動モードで振動する音叉形状の
屈曲水晶振動子を具えた水晶発振器が所望されていた。
と同時に、水晶発振器の消費電流を低減するために、負
荷容量Cを小さくしても基本波モードで、屈曲振動す
る超小型で、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値
が高くなるような新形状で、電気機械変換効率の良い溝
の構成と電極構成を有する音叉形状の水晶振動子を具え
た水晶発振器が所望されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の方法で
従来の課題を有利に解決した屈曲モードで振動する音叉
形状の水晶振動子を具えた水晶発振器を提供することを
目的とするものである。
【0005】即ち、本発明の水晶発振器の第1の態様
は、水晶振動子と増幅器とコンデンサーと抵抗とを具え
て構成される水晶発振器において、前記水晶振動子は屈
曲モードで振動する音叉腕と音叉基部から成る音叉形状
の水晶振動子で構成され、前記増幅器はPチャンネルM
OSとNチャンネルMOSから成るCMOSインバータ
で構成され、前記音叉形状の音叉腕の中立線を挟んだ幅
方向中央部の上下面に各々少なくとも1個の溝が長さ方
向に設けられ、前記溝の両側面に電極が配置され、前記
溝側面の電極とその電極に対抗する音叉腕側面の電極と
が互いに異極となるように電極を構成し、音叉腕に生ず
る2次慣性モーメントが大きくなるように前記各々少な
くとも1個の溝の内少なくとも1個の溝幅Wと音叉腕
幅Wとの比(W/W)が0.35〜0.95で、さら
に前記溝の厚みtと音叉腕の厚みtとの比(t
t)が0.01〜0.79となるように溝が形成され、
前記音叉形状の屈曲水晶振動子は表面実装型あるいは円
筒型のユニットに収納されていて、前記音叉形状の振動
子の基本波モード振動の等価直列抵抗Rが2次高調波
モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、かつ、基本
波モード振動のフイガーオブメリットMが2次高調波
モード振動のフイガーオブメリットMより大きい振動
子を具えて前記水晶発振器は構成されると共に、増幅回
路と帰還回路を具えて構成される前記水晶発振器の増幅
回路の基本波モード振動の増幅率αと2次高調波モー
ド振動の増幅率αとの比が帰還回路の2次高調波モー
ド振動の帰還率βと基本波モード振動の帰還率β
の比より大きく、かつ、前記基本波モード振動の増幅率
αと前記基本波モード振動の帰還率βの積が1より
大きくなるように前記水晶発振器は構成され、前記音叉
形状の振動子から成る前記水晶発振器の出力信号が基本
波モード振動の周波数で出力される水晶発振器である。
【0006】本発明の水晶発振器の第2の態様は、音叉
腕の間隔Wが0.05mm〜0.35mmに成るよう
に間隔を構成し、帰還回路の負荷容量Cが7pFより
小さく、前記音叉腕又は前記音叉腕と前記音叉基部に設
けられた溝の長さlと前記音叉形状の水晶振動子の全
長lとの比(l/l)が0.2〜0.78の範囲内に
有り、かつ、増幅回路の基本波モード振動の負性抵抗の
絶対値|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗
との比が増幅回路の2次高調波モード振動の負性抵
抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価
直列抵抗Rとの比より大きくなるように発振器が構成
されている第1の態様に記載の水晶発振器である。
【0007】
【作用】このように、本発明は屈曲モードで振動する音
叉形状の水晶振動子を具えた水晶発振器で、しかも、音
叉形状の溝と電極の構成を改善し、増幅回路と帰還回路
との関係を示すことにより、2次高調波振動を抑え、基
本波振動モードで振動する周波数を出力する水晶発振器
を得る事ができる。
【0008】加えて、音叉腕の中立線を挟んだ中央部に
溝を設け、且つ、電極を配置し、溝の寸法の最適化を図
る事により、等価直列抵抗Rが小さく、Q値が高く、
電気機械変換効率の良い屈曲モードで振動する超小型の
音叉形状の屈曲水晶振動子が得られる。と同時に、帰還
回路の負荷容量を小さくできる。その結果、消費電流の
少ない水晶発振器が得られる。
【0009】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に
基づき具体的に述べる。図1は本発明の水晶発振器を構
成する水晶発振回路図の一実施例である。水晶発振回路
1は増幅器(CMOSインバータ)2、帰還抵抗4、ド
レイン抵抗7、コンデンサー5,6と音叉形状の屈曲水
晶振動子3から構成されている。このような回路素子か
ら本実施例の水晶発振回路は構成されている。即ち、水
晶発振器を構成する水晶発振回路1は増幅回路8と帰還
回路9から構成されている。又、本発明の水晶発振器に
用いられる屈曲モードで振動する音叉形状の水晶振動子
は図3から図6で詳述される。
【0010】図2は図1の帰還回路図を示す。今、屈曲
モードで振動する音叉形状の水晶振動子の角周波数をω
、ドレイン抵抗7の抵抗をR、コンデンサー5、6
の容量をC、C、水晶のクリスタルインピーダンス
をRei,入力電圧をV,出力電圧をVとすると、
帰還率βはβ=|V|/|V|で定義される。但
し、iは屈曲振動モードの振動次数を表し、例えば、i
=1のとき、基本波モード振動、i=2のとき、2次高
調波モード振動、i=3のとき、3次高調波モード振動
である。更に、負荷容量CはC=C/(C
+C)で与えられ、C=C=CgsとRd>>R
eiとすると、帰還率βはβ=1/(1+kC )で
与えられる。但し、kはω、R、Reiの関数で表
される。又、Reiは近似的に等価直列抵抗Rに等し
くなる。
【0011】このように、帰還率βと負荷容量Cの関
係から明らかなように、負荷容量Cが小さくなると、
基本波振動モードと高調波振動モードの共振周波数の帰
還率はそれぞれ大きくなることが良く分かる。それ故、
負荷容量Cが小さくなると、基本波モード振動よりも
2次高調波モード振動の方が発振し易くなる。その理由
は2次高調波モード振動の最大振動振幅が基本波モード
振動の最大振動振幅より小さいために、発振持続条件で
ある振幅条件と位相条件を同時に満足するためである。
【0012】本発明の水晶発振器は、消費電流が少な
く、しかも、出力周波数が基本波振動モードの周波数で
ある水晶発振器を提供することを目的としている。それ
故、消費電流を少なくするために、負荷容量Cは7p
F以下を用いる。より消費電流を少なくするには、消費
電流は負荷容量に比例するので、C=6pF以下が好
ましい。ここで言う、容量C、Cは回路の浮遊容量
を含んだ数値である。また、2次高調波モードの振動を
抑え、発振器の出力信号が基本波モード振動の周波数を
得るために、α/α>β/βとαβ>1を
満足するように本実施例の発振回路は構成される。但
し、α、αは基本波モード振動と2次高調波モード
振動の増幅回路の増幅率で、β、βは基本波モード
振動と2次高調波モード振動の帰還回路の帰還率であ
る。
【0013】換言するならば、増幅回路の基本波モード
振動の増幅率αと2次高調波モード振動の増幅率α
との比が帰還回路の2次高調波モード振動の帰還率β
と基本波モード振動の帰還率βとの比より大きく、か
つ、基本波モード振動の増幅率αと基本波モード振動
の帰還率βの積が1より大きくなるように構成され
る。このように構成することにより、消費電流の少な
い、出力信号が基本波モード振動の周波数である水晶発
振器が実現できる。
【0014】又、本実施例の水晶発振回路を構成する増
幅回路の増幅部は負性抵抗−RLでその特性を示すこ
とができる。i=1のとき基本波モード振動の負性抵抗
で、i=2のとき2次高調波モード振動の負性抵抗であ
る。本実施例の水晶発振器は、増幅回路の基本波モード
振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード振
動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の2次高調波モ
ード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波
モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるよ
うに発振回路が構成されている。即ち、|−RL|/
>|−RL|/Rを満足するように構成されて
いる。このように水晶発振回路を構成することにより、
2次高調波モード振動の発振起動が抑えられ、その結
果、基本波モード振動の発振起動が得られるので基本波
モード振動の周波数が出力信号として得られる。
【0015】図3は本発明の第1実施例の水晶発振器に
用いられる屈曲モードで振動する音叉形状の水晶振動子
10の外観図とその座標系を示すものである。座標系
O、電気軸x、機械軸y、光軸zからなるO−xyzを
構成している。本実施例の音叉形状の屈曲水晶振動子1
0は音叉腕20、音叉腕26と音叉基部40とから成
り、音叉腕20と音叉腕26は音叉基部40に接続され
ている。更に、音叉腕20の上面には中立線を挟んで溝
21が設けられ、又、音叉腕26の上面にも音叉腕20
と同様に溝27が設けられるとともに、さらに、音叉基
部40に溝32と溝36とが設けられている。なお、角
度θは、x軸廻りの回転角であり、通常0〜10°の範
囲で選ばれる。
【0016】図4は、図3の音叉形状の屈曲水晶振動子
10の音叉基部40のD−D′断面図を示す。図4では
図3の水晶振動子の音叉基部40の断面形状並びに電極
配置について詳述する。音叉腕20と連結する音叉基部
40には溝21,22が設けられている。同様に、音叉
腕26と連結する音叉基部40には溝27,28が設け
られている。更に、溝21と溝27との間には更に溝3
2と溝36とが設けられている。又、溝22と溝28と
の間にも溝33と溝37とが設けられている。そして、
溝21と溝22には電極23,24が、溝32,33,
36,37には電極34,35,38,39が、溝27
と溝28には電極29,30が配置され、音叉基部40
の両側面には電極25,31が配置されている。さらに
詳述すると、溝の側面に電極が配置され、前記電極に対
抗して極性の異なる電極が配置されている。
【0017】また、音叉形状の屈曲水晶振動子10は厚
みtを有し、溝は厚みtを有している。ここで言う厚
みtは溝の一番深いところの厚みを言う。その理由は
水晶は異方性の材料のために、化学的エッチング法では
各結晶軸の方向によりエッチングスピードが異なる。そ
れ故、化学的エッチング法では溝の深さが図4に示した
一様な形状に加工するのが極めて難しいためである。本
実施例では、溝の厚みtと音叉腕又は音叉腕と音叉基
部の厚みtとの比(t/t)が0.01〜0.79と
なるように形成されている。このように形成することに
より、音叉腕又は音叉腕と音叉基部の溝側面電極とそれ
に対抗する側面の電極との間の電界Exが大きくなる。
すなわち、電気機械変換効率の良い屈曲振動子が得られ
る。即ち、容量比の小さい音叉形状の屈曲水晶振動子が
得られる。更に、本実施例では、音叉基部の溝と溝との
間にさらに溝32,33,36,37が設けられている
ので、その電界強度はより一層大きくなり、より電気機
械変換効率が良くなる。又、本実施例では、音叉基部4
0の上面に溝32,36が、下面に溝33,37が設け
られているが、片面にのみ設けても良い。
【0018】更に、電極25,29,30,34,35
は一方の同極に、電極23,24,31,37,38,
39は他方の同極になるように配置されていて、2電極
端子構造E−E′を構成する。即ち、z軸方向に対抗す
る溝電極は同極に、且つ、x軸方向に対抗する電極は異
極になるように構成されている。今、2電極端子E−
E′に直流電圧を印加(E端子に正極、E′端子に負
極)すると電界Exは図4に示した矢印のように働く。
電界Exは水晶振動子の側面と溝内の側面とに配置され
た電極により電極に垂直に、即ち、直線的に引き出され
るので、電界Exが大きくなり、その結果、発生する歪
の量も大きくなる。従って、音叉形状の屈曲水晶振動子
を小型化させた場合でも、等価直列抵抗Rの小さい、
品質係数Q値の高い屈曲モードで振動する音叉形状の水
晶振動子が得られる。
【0019】図5は図3の音叉形状の屈曲水晶振動子1
0の上面図を示すものである。図5では溝21,27の
配置及び寸法について特に詳述する。音叉腕20の中立
線41を挟むようにして溝21が設けられている。他方
の音叉腕26も中立線42を挟むようにして溝27が設
けられている。更に、本実施例の音叉形状の屈曲水晶振
動子10では、音叉基部40の、溝21と溝27との間
に挟まれた部分にも溝32と溝36とが設けられてい
る。それら溝21,27及び溝32,36を設けたこと
で、音叉形状の屈曲水晶振動子10には、先に述べたよ
うに、電界Exが図4に示した矢印のように働き、電界
Exは水晶振動子の側面と溝内の側面とに配置された電
極により電極に垂直に、即ち、直線的に引き出され、特
に音叉基部の電界Exが大きくなり、その結果、発生す
る歪の量も大きくなる。このように、本実施例の音叉形
状の屈曲水晶振動子10の形状と電極構成とは、音叉型
屈曲水晶振動子を小型化した場合でも電気的諸特性に優
れた、即ち、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値
の高い水晶振動子を実現できる。
【0020】更に、音叉腕20,26の全幅WはW=W
+W+Wで与えられ、通常はWとWの一部又
は全部がW=Wとなるように構成される。又、溝幅
2はW ≧W,Wを満足する条件で構成される。
更に、具体的に述べると、溝幅Wと音叉腕幅Wとの比
(W/W)が0.35〜0.95で、溝の厚みt
音叉腕又は音叉腕と音叉基部の厚みtとの比(t
t)が0.01〜0.79となるように形成されてい
る。このように形成することにより、音叉腕の中立線4
1と42を基点とする2次慣性モーメントが大きくな
る。即ち、電気機械変換効率が良くなるので、等価直列
抵抗Rの小さい、Q値の高い、しかも、容量比の小さ
い音叉形状の屈曲水晶振動子を得る事ができる。
【0021】これに対して、溝21および溝27の長さ
について本実施例では、溝21,27が音叉腕2
0,26から音叉基部40の長さlにまで延在し、基
部の溝の長さlとなるような寸法とされている。それ
故、音叉腕20,26に設けられた溝の長さは(l
)で与えられ、Rの小さい振動子を得るために、
(l−l)/(l−l)が0.4〜0.8の値を
有する。更に、音叉形状の屈曲水晶振動子10の全長l
は要求される周波数や収納容器の大きさなどから決定さ
れる。と同時に、基本波モードで振動する良好な音叉形
状の屈曲水晶振動子を得るためには、溝の長さlと全
長lとの間には密接な関係が存在する。
【0022】すなわち、音叉腕20,26又は音叉腕2
0,26と音叉基部40とに設けられた溝の長さl
音叉形状の屈曲水晶振動子の全長lとの比(l/l)
が0.2〜0.78となるように溝の長さは設けられ
る。このように形成する理由は、特に、不要振動である
2次高調波振動(基本波周波数の約6.3倍の周波数)
を抑圧する事ができると共に基本波モード振動の短期周
波数安定性を高めることができる。それ故、基本波モー
ドで容易に振動する良好な音叉形状の屈曲水晶振動子が
実現できる。さらに詳述するならば、基本波モードで振
動する音叉形状の屈曲水晶振動子の等価直列抵抗R
2次高調波振動での等価直列抵抗Rより小さくなる。
即ち、R<Rとなり、増幅器(CMOSインバー
タ)、コンデンサ、抵抗、本実施例の音叉形状の屈曲水
晶振動子等から成る水晶発振器において、振動子が基本
波モードで容易に振動する良好な水晶発振器が実現でき
る。又、溝の長さlは音叉腕の長さ方向に分割されて
いても良く、その中の少なくとも1個が前記辺比(l
/l)を満足すれば良い。
【0023】また、この実施例では、音叉基部40は図
5中、振動子10の長さlの下側部分全体とされ、
又、音叉腕20及び音叉腕26は、図5中、振動子10
の長さlの部分から上側の部分全体とされている。本
実施例では音叉の叉部は矩形をしているが、本発明は前
記形状に限定されるものではなく、音叉の叉部がU字型
をしていても良い。この場合も矩形の形状と同じよう
に、音叉腕と音叉基部との寸法の関係は前記関係と同じ
である。更に、本実施例では、溝は音叉腕と音叉基部に
設けられているが、本発明はこれに限定されるものでな
く、音叉腕にのみ溝を設けても良く、同様の効果が得ら
れる。この場合、溝の長さl=0となる。また、本発
明で言う溝の長さlとは溝の厚みtと音叉腕の厚み
tとの比(t/t)が0.01〜0.79となるよう
に形成されていて、溝幅Wと音叉腕の幅Wとの比(W
/W)が0.35〜0.95となるように形成されて
いる溝の長さである。
【0024】換言するならば、音叉形状の音叉腕の中立
線を挟んだ幅方向中央部の上下面に各々少なくとも1個
の溝が長さ方向に設けられ、前記溝の両側面に電極が配
置され、前記溝側面の電極とその電極に対抗する音叉腕
側面の電極とが互いに異極となるように構成されてい
て、音叉腕に生ずる2次慣性モーメントが大きくなるよ
うに前記各々少なくとも1個の溝の内少なくとも1個の
溝幅Wと音叉腕幅Wとの比(W/W)が0.35〜
0.95でさらに前記溝の厚みtと音叉腕の厚みtと
の比(t/t)が0.01〜0.79となるように溝
が形成されている。
【0025】 を満足するように構成され、間隔Wは0.05mm〜
0.35mmで、溝幅Wは0.03mm〜0.068
mmの値を有する。このように構成する理由は超小型の
水晶振動子で、かつ、音叉形状と音叉腕の溝をフオトリ
ソグラフィを用いて別々(別々の工程)に形成でき、更
に、基本波モード振動の周波数安定性が2次高調波モー
ド振動の周波数安定性より高くすることができる。
【0026】更に詳述するならば、振動子の誘導性と電
気機械変換効率と品質係数を表すフイガーオブメリット
は品質係数Q値と容量比rの比(Q/r
によって定義され(i=1のとき基本波振動、i=2の
とき2次高調波振動、i=3のとき3次高調波振動)、
振動子の短期周波数安定性は振動子のフイガーオブメリ
ットMに反比例し、その値Mが大きい程、振動子の
短期周波数安定性は良くなる。そして、例えば、基本波
モード振動の周波数が32.768KHzの場合、前記
音叉形状と溝とその寸法の構成により、基本波モード振
動のフイガーオブメリットMが2次と3次高調波モー
ド振動のフイガーオブメリットM、Mより大きくな
る。本実施例ではM、M、MはそれぞれM>5
0、M<30、M<18となる。その結果、基本波
モード振動の短期周波数安定性が2次と3次高調波モー
ド振動の短期周波数安定性より良くなる。と同時に、2
次と3次高調波モード振動を抑圧することができる。ま
た、本発明の基本波モード振動の基準周波数は10KH
z〜200KHzが用いられる。
【0027】図6は本発明の第2実施例の水晶発振器に
用いられる屈曲モードで振動する音叉形状の水晶振動子
45の上面図である。音叉形状の屈曲水晶振動子45
は、音叉腕46,47と音叉基部48とを具えて構成さ
れている。即ち、音叉腕46,47の一端部が音叉基部
48に接続されている。本実施例では、音叉基部48に
切り欠き部53、54が設けられている。又、音叉腕4
6、47には中立線51、52を挟んで溝49、50が
設けられている。更に、本実施例では溝49、50は音
叉腕46、47の一部に設けられていて、溝49、50
はそれぞれ幅Wと長さlを有する。更に詳述するな
らば、溝の面積S=W×lで示し、Sは0.025
〜0.12mmの値を有するように構成される。この
ように溝の面積を構成する理由は化学的エッチング法に
よる溝の形成が容易で、しかも、電気機械変換効率が良
くなる溝の形成ができる。と同時に、基本波モード振動
の品質係数Q値の高い屈曲モードで振動する音叉形状の
水晶振動子が得られる。その結果、出力信号が基本波振
動モードの周波数である水晶発振器が実現できる。
【0028】上記溝の面積Sでは、溝と音叉腕を別々の
工程で加工できる。しかし、音叉腕とそれに設けられた
溝を同時に加工するには、音叉腕の厚みtと溝幅W
音叉腕の間隔Wと面積Sを最適寸法にする必要が有
る。即ち、音叉腕の厚みtが0.06mm〜0.12m
mのとき、溝幅Wが0.02mm〜0.068mmの
範囲内に、更に、面積Sは0.023mm〜0.08
8mmの範囲内にあり、間隔Wは0.05mm〜
0.35mmとなるように構成される。このように構成
する理由は水晶の結晶性を利用し、その結晶性から貫通
穴でない溝と音叉形状を同時に形成することができる。
また、図6には示されていないが、音叉腕46,47の
下面にも溝49,50と対抗する位置に溝が設けられて
いる。
【0029】更に、音叉基部48に設けられた切り欠き
部53、54の音叉部側の幅寸法はWで与えられ、切
り欠き部53、54の端部側の寸法はWで与えられ
る。そして、音叉基部48の端部側で表面実装型のケー
スや円筒型のケースに半田や接着剤によって固定される
とき、振動子の振動エネルギーの損失を小さくするに
は、 振動部のエネルギー損失を小さくすることができる。図
6で示されている音叉腕の幅W、W、W、Wと間
隔W及び溝の長さlと音叉振動子の全長lとの関係
は図5で述べられているので、ここでは省略する。
【0030】図7は本発明の第3実施例の水晶発振器に
用いられる水晶ユニットの断面図である。水晶ユニット
170は音叉形状の屈曲水晶振動子70、ケース71と
蓋72を具えて構成されている。更に詳述するならば、
振動子70はケース71に設けられた固定部74に導電
性接着剤76や半田によって固定される。又、ケース7
1と蓋72は接合部材73を介して接合される。本実施
例では、振動子70は図3と図6で詳細に述べられた屈
曲モードで振動する音叉形状の水晶振動子10、45の
内の一個と同じ振動子である。又、本実施例の水晶発振
器では回路素子は水晶ユニットの外側に接続される。即
ち、音叉形状の屈曲水晶振動子のみがケース内に収納さ
れている。この時、屈曲水晶振動子は真空中のケース内
に収納されている。
【0031】更に、ケースの部材はセラミックスかガラ
ス、蓋の部材は金属かガラス、そして、接合部材は金属
か低融点ガラスでできている。又、本実施例で述べられ
た振動子とケースと蓋との関係は以下に述べられる図8
の水晶発振器にも適用される。
【0032】図8本発明の第4実施例の水晶発振器の断
面図を示す。水晶発振器190は水晶発振回路とケース
91と蓋92を具えて構成されている。本実施例では、
水晶発振回路はケース91と蓋92から成る水晶ユニッ
ト内に収納されている。又、水晶発振回路は音叉形状の
屈曲水晶振動子90と帰還抵抗を含む増幅器98とコン
デンサー(図示されていない)とドレイン抵抗(図示さ
れていない)を具えて構成されていて、増幅器98はC
MOSインバータが用いられる。
【0033】更に、本実施例では、振動子90はケース
91に設けられた固定部94に接着剤96や半田によっ
て固定される。これに対して、増幅器98はケース91
に固定されている。また、ケース91と蓋92は接合部
材93を介して接合されている。本実施例の振動子90
は図3と図6で詳細に述べられた音叉形状の屈曲水晶振
動子10、45の中の振動子が用いられる。
【0034】次に、本発明の水晶発振器の製造方法につ
いて述べる。上記音叉形状の屈曲水晶振動子は半導体の
技術を用いたフオトリソグラフィ法と化学的エッチング
法によって形成される。まず、研磨加工あるいはポリッ
シュ加工された水晶ウエハの上下面に金属膜(例えば、
クロムそしてその上に金)をスパッタリング法又は蒸着
法により形成する。次に、その金属膜の上にレジストが
塗布される。そして、フオトリソ工程により、それらレ
ジストと金属膜が音叉形状を残して除去された後、化学
的エッチング法により、音叉腕と音叉基部を具えた音叉
形状が形成される。この音叉形状を形成するときに、音
叉基部に切り欠き部を形成しても良い。更に、音叉形状
の面上に前記工程で示した金属膜とレジストが塗布さ
れ、フオトリソ工程と化学的エッチング法により、音叉
腕又は音叉腕と音叉基部に溝が形成される。
【0035】次に、溝を有する音叉形状に金属膜とレジ
ストが再び塗布されて、フオトリソ工程により、電極が
形成される。即ち、音叉腕の側面の電極と溝の側面の電
極は極性が異なるように対抗して配置される。さらに詳
述するならば、第1の音叉腕の側面電極と第2の音叉腕
の溝の電極は同極に、第1の音叉腕の溝の電極と第2の
音叉腕の側面電極は同極に構成され、第1の音叉腕の溝
の電極と側面電極は極性が異なるように構成される。即
ち。2電極端子が振動子に形成される。その結果、2電
極端子に交番電圧を印加する事により、音叉腕は逆相で
屈曲振動する。本実施例では、音叉形状の形成の後に溝
を音叉腕又は音叉腕と音叉基部に形成しているが、本発
明は前記実施例に限定されるものではなくて、まず、溝
を形成してから音叉形状を形成してもよい。又は、音叉
形状と溝を同時に形成しても良い。更に、この工程での
溝の寸法等については前記した寸法と同じであり既に述
べられているので、ここでは省略する。
【0036】この実施例の工程により、水晶ウエハには
多数個の音叉形状の屈曲水晶振動子が形成されている。
それ故、次の工程では、このウエハの状態で、最初の周
波数調整がレーザ又はプラズマエッチング又は蒸着にて
行われる。と共に、不良振動子はウエハから取り除かれ
る。また、本工程では10KHz〜200KHzの基準
周波数に対して、周波数偏差は−9000ppm〜+5
000ppmの範囲内にあるように周波数調整がなされ
る。更に、次の工程では、形成された振動子は表面実装
型のケース又は円筒型のケースのリード線に接着材ある
いは半田等で固定される。その固定後、第2回目の周波
数調整がレーザ又はプラズマエッチング又は蒸着にて行
われる。本工程では、周波数偏差は−50ppm〜+5
0ppmの範囲内にあるように周波数調整がなされる。
【0037】更に、周波数調整後、前記振動子はケース
と蓋となるユニットに真空中で収納される。蓋がガラス
で構成されているときには、収納後、第3回目の周波数
調整がレーザにて行われる。本工程では、周波数偏差は
−30ppm〜+30ppmの範囲内にあるように周波
数調整がなされる。本実施例では、周波数調整は3回行
われるが、少なくとも2回行えば良い。例えば、第3回
目の周波数調整はしなくても良い。更に次の工程では、
前記した振動子の2電極端子が増幅器とコンデンサと抵
抗に電気的に接続される。換言するならば、増幅回路は
CMOSインバータと帰還抵抗からなり、帰還回路は音
叉形状の屈曲水晶振動子とドレイン抵抗とゲート側のコ
ンデンサとドレイン側のコンデンサからなるように接続
される。又、前記第3回目の周波数調整は水晶発振回路
を構成後に行っても良い。
【0038】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものではなく、上記第1実施
例から第4実施例の水晶発振器に用いられる音叉形状の
屈曲水晶振動子では、音叉腕又は音叉腕と音叉基部に溝
を設けているが、例えば、音叉腕に貫通穴(t=0)
を設けてもよい。又は、音叉基部に溝と貫通穴を設けて
も良い。又、本実施例の音叉腕に設けられた溝に連結す
る音叉基部の溝を貫通穴になるように構成してもよく、
溝又は貫通穴の側面に電極を配置し、その電極と対抗す
る側面に前記電極と極性の異なる電極を配置することに
より、既に述べられたのと同様な効果が得られる。
【0039】更に、本実施例で示された図4では、音叉
腕と音叉基部に大略同じ深さの溝を設けているが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えば、音叉基部
に全て溝を設け、叉部の下側の溝の厚みとその両側の溝
の厚みを変えても良い。即ち、異なる厚みを有する溝を
設けても良い。一例として、音叉基部の中央部の溝の厚
みをその両側の溝の厚みより小さく、あるいは大きくな
るように形成しても良い。他の例としては、音叉腕に設
けられた溝の深さを変えても良い。特に、複数個の音叉
形状の屈曲水晶振動子が接続部を介して音叉基部で接続
され、且つ、それらの振動子が電気的に並列に接続され
るときには、各振動子の音叉腕の溝の厚み(深さ)を変
えることにより、各振動子の頂点温度を変えることがで
き、周波数温度特性の改善ができる。
【0040】更に、第1実施例〜第4実施例の水晶発振
器とそれに用いられる音叉形状の屈曲水晶振動子につい
て述べてきたが、これらの実施例の水晶発振器に用いら
れる水晶振動子はケースと蓋とから構成される、いわゆ
るユニット内に収納され、水晶ユニットを構成する。即
ち、ケースに設けられた固定部に導電性接着剤又は半田
等によって固定部に本実施例の振動子は固定され、さら
に、ケースと蓋とは接合部材を介して接合されていて、
ケース内は真空になるように構成されている。このよう
に構成することにより、等価直列抵抗Rの小さい、超
小型の水晶ユニットを実現することができる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の水晶発振器
を提供する事により、特に、次の如き著しい効果が得ら
れる。 (1)音叉基部に複数個の溝を設け、且つ、それらの側
面に極性の異なる電極が配置されているので、電界が垂
直に働く。その結果、電気機械変換効率が良くなるの
で、等価直列抵抗Rが小さく、品質係数Q値の高い音
叉形状の屈曲水晶振動子を具えた水晶発振器が得られ
る。 (2)溝幅と音叉腕幅の寸法と溝の厚みと音叉腕の厚み
の寸法との関係の最適化を図ることにより、2次慣性モ
ーメントが大きくなる。即ち、等価直列抵抗Rの小さ
い、Q値の高い、しかも、容量比の小さい音叉形状の屈
曲水晶振動子を具えた水晶発振器が実現できる。 (3)音叉形状の振動子の基本波モード振動の等価直列
抵抗Rが2次高調波モード振動の等価直列抵抗R
り小さく、かつ、基本波モード振動のフイガーオブメリ
ットMが2次高調波モード振動のフイガーオブメリッ
トMより大きい振動子を具えて水晶発振器は構成さ
れ、更に、増幅回路の基本波モード振動の増幅率α
2次高調波モード振動の増幅率αとの比が帰還回路の
2次高調波モード振動の帰還率βと基本波モード振動
の帰還率βとの比より大きく、かつ、前記基本波モー
ド振動の増幅率αと前記基本波モード振動の帰還率β
の積が1より大きくなるように構成されているの
で、、負荷容量が小さくても、水晶発振器の出力信号が
基本波モード振動の周波数が出力として得られる。と同
時に、消費電流の少ない水晶発振器が実現できる。 (4)音叉形状と溝をフォトリソグラフィ法と化学的エ
ッチング法によって形成でき、量産性に優れ、更に1枚
の水晶ウェハ上に多数個の振動子を一度にバッチ処理に
て形成できるので、安価な音叉形状の屈曲水晶振動子が
得られる。と同時に、それを具えた安価な水晶発振器が
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水晶発振器を構成する水晶発振回路
図の一実施例である。
【図2】 図1の帰還回路図を示す。
【図3】 本発明の第1実施例の水晶発振器に用いられ
る屈曲モードで振動する音叉形状の水晶振動子の外観図
とその座標系を示す。
【図4】 図3の音叉形状の屈曲水晶振動子の音叉基部
のD−D′断面図を示す。
【図5】 図3の音叉形状の屈曲水晶振動子の上面図を
示す。
【図6】 本発明の第2実施例の水晶発振器に用いられ
る屈曲モードで振動する音叉形状の水晶振動子の上面図
である。
【図7】 本発明の第3実施例の水晶発振器に用いられ
る水晶ユニットの断面図である。
【図8】 本発明の第4実施例の水晶発振器の断面図を
示す。
【図9】 従来の音叉形状の屈曲水晶振動子の斜視図と
その座標系を示す。
【図10】 図9の音叉形状水晶振動子の音叉腕の断面
図である。
【符号の説明】
1 増幅回路 9 帰還回路 V 入力電圧 V 出力電圧 20,26,46,47音叉腕 W 溝幅 W 音叉腕の全幅 W,W 音叉腕の部分幅 W 音叉腕の間隔 l 溝の長さ l 音叉基部の長さ l 音叉形状の屈曲水晶振動子の全長 t 音叉形状の屈曲水晶振動子の厚み t 溝の厚み

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子と増幅器とコンデンサーと抵
    抗とを具えて構成される水晶発振器において、前記水晶
    振動子は屈曲モードで振動する音叉腕と音叉基部から成
    る音叉形状の水晶振動子で構成され、前記増幅器はPチ
    ャンネルMOSとNチャンネルMOSから成るCMOS
    インバータで構成され、前記音叉形状の音叉腕の中立線
    を挟んだ幅方向中央部の上下面に各々少なくとも1個の
    溝が長さ方向に設けられ、前記溝の両側面に電極が配置
    され、前記溝側面の電極とその電極に対抗する音叉腕側
    面の電極とが互いに異極となるように電極を構成し、音
    叉腕に生ずる2次慣性モーメントが大きくなるように前
    記各々少なくとも1個の溝の内少なくとも1個の溝幅W
    と音叉腕幅Wとの比(W/W)が0.35〜0.9
    5で、さらに前記溝の厚みtと音叉腕の厚みtとの比
    (t/t)が0.01〜0.79となるように溝が形
    成され、前記音叉形状の屈曲水晶振動子は表面実装型あ
    るいは円筒型のユニットに収納されていて前記音叉形状
    の振動子の基本波モード振動の等価直列抵抗Rが2次
    高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、か
    つ、基本波モード振動のフイガーオブメリットMが2
    次高調波モード振動のフイガーオブメリットMより大
    きい振動子を具えて前記水晶発振器は構成されると共
    に、増幅回路と帰還回路を具えて構成される前記水晶発
    振器の増幅回路の基本波モード振動の増幅率αと2次
    高調波モード振動の増幅率αとの比が帰還回路の2次
    高調波モード振動の帰還率βと基本波モード振動の帰
    還率βとの比より大きく、かつ、前記基本波モード振
    動の増幅率αと前記基本波モード振動の帰還率β
    積が1より大きくなるように前記水晶発振器は構成さ
    れ、前記音叉形状の振動子から成る前記水晶発振器の出
    力信号が基本波モード振動の周波数であることを特徴と
    する水晶発振器。
  2. 【請求項2】 音叉腕の間隔Wが0.05mm〜0.
    35mmに成るように間隔を構成し、帰還回路の負荷容
    量Cが7pFより小さく、前記音叉腕又は前記音叉腕
    と前記音叉基部に設けられた溝の長さlと前記音叉形
    状の水晶振動子の全長lとの比(l/l)が0.2〜
    0.78の範囲内に有り、かつ、増幅回路の基本波モー
    ド振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード
    振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の2次高調波
    モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調
    波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなる
    ように発振器が構成されている事を特徴とする請求項1
    に記載の水晶発振器。
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