JP2005094734A - 振動子と振動子ユニットと発振器と電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】輪郭振動子の電気機械変換効率が悪く、等価直列抵抗Rが大きく、品質係数Q値が小さくなるという点である。同時に、前記振動子を用いた振動子ユニットとその振動子ユニットを搭載した発振器の特性が良くない点である。
【解決手段】少なくとも振動部と支持部とを具えて構成される輪郭振動子で、振動部と支持部とを具えて構成される輪郭振動子はエッチング法により一体に形成され、振動部の上下面、又は振動部の側面と対抗する面には、極性の異なる少なくとも一対の電極が対抗して配置されていて、前記振動子は輪郭モードで振動する輪郭振動子であると共に、前記輪郭振動子からなる振動子ユニットと発振器とその発振器を搭載した電子機器である。
【選択図】図1

Description

本発明は高い電気機械変換効率を有する振動子、例えば、輪郭モードで振動する輪郭振動子(例えば、圧電振動子で、材料が水晶からなる長さ縦水晶振動子、幅縦モードと長さ縦モードが結合したNS−GTカット水晶振動子、屈曲水晶振動子、ラーメ水晶振動子、幅縦水晶振動子)とそれを備えた振動子ユニットと発振器と電子機器に関する。特に、小型化、高精度、耐衝撃性、低廉化などの要求の強い携帯機器、情報通信機器、計測機器、及び民生機器等の電子機器の基準信号源として最適な新カット、新電極構成の輪郭振動子とそれを備えた振動子ユニットとその振動子ユニットを備えた発振器と、少なくともその発振器と表示部を備えた電子機器に関する。
例えば、輪郭振動子の従来の技術としては、水晶を用いた2つの振動モードからなる、即ち、幅縦モード振動と長さ縦モード振動が結合したNS−GTカット幅・長さ縦結合水晶振動子がよく知られている。NS−GTカット結合水晶振動子では、振動部の面積が大きい程(低周波数)等価直列抵抗Rが小さくなり、品質係数Q値が大きくなる。しかしながら2つの振動モードが結合した、NS−GTカット結合水晶振動子は、それらの周波数はそれぞれ幅Wと長さLに反比例し、且つ、周波数温度特性が幅Wと長さLの比、いわゆる辺比W/Lによって決定され、更に、周波数温度特性が良好となる辺比W/L≒0.95となるので、小型化(高周波数化)しようとすると、振動部の面積が小さくなる。そのため、電気機械変換効率が小さくなり、その結果、等価直列抵抗Rが大きくなり、品質係数Q値が小さくなるなどの課題が残された。また、他の輪郭水晶振動子の一つであるラーメ水晶振動子では、小型化したラーメ水晶振動子をケース等の固定部に固定すると振動部のエネルギー損失が大きくなると言う問題があった。これらの問題は振動子の小型化に於いて大きな障害となる。即ち、Rが小さく、Q値が大きく、小型及び/又は、高周波数の水晶振動子が実現できないという問題があった。同時に、その振動子を用いた水晶ユニットと水晶発振器の特性が良くないという問題もあった。
特開2002−111434号公報 再表00/044092(国際公開第00/44092) 再表98/031104(国際公開番号WO98/31104) 特開昭56−65517 特開昭53−136990 特開2000−223992 特開2001−221638 特開昭57−171818 特開昭53−136990 「水晶振動子とその応用デバイス」電子情報通信学会論文誌C−IVol.J82−C−INo.12pp.667−682 1999年12月 「2軸回転ラーメモード圧電振動子のエネルギー法による解析」電子情報通信学会論文誌AVol.J79−ANo.6pp.1157−1164 1996年6月 「Voltage Controlled S−TCXO’s Employing NS−GT Cut Quartz Crystal Resonators」、1993 IEEE INTERNATIONAL FREQUENCY CONTROL SYMPOSIUM pp.670−678,1993年
解決しようとする問題点は、輪郭振動子の電気機械変換効率が悪く、等価直列抵抗Rが大きく、品質係数Q値が小さくなり、かつ、高周波数化が難しいという点である。同時に、前記振動子を用いた振動子ユニットと発振器の特性が良くない点である。その結果、前記輪郭振動子を用いた電子機器が正常に動作しないという課題があった。このようなことから、超小型で、等価直列抵抗Rが小さく、品質係数Q値が高くなるような新カットで、電気機械変換効率が高くなる電極構成と形状から成る輪郭振動子とそれを備えた振動子ユニットと発振器とその発振器を備えた電子機器が所望されていた。
本発明は、以下の方法で従来の課題を有利に解決した輪郭振動子とそれを具えた振動子ユニットと発振器を提供することを目的とするものである。
即ち、本発明の振動子の第1の態様は、振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記支持部は前記接続部を介して前記振動部に接続される振動子で、前記振動子は上下面と側面とを有し、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記振動子は一体に形成されていて、前記振動部の上下面の少なくとも一面に溝が設けられ、前記溝とその溝に対抗して極性の異なる電極が配置されている振動子である。
本発明の振動子の第2の態様は、振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記支持部は前記接続部を介して前記振動部に接続される振動子で、前記振動子は上下面と側面とを有し、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記振動子は一体に形成されていて、前記振動部の上下面に対抗して極性の異なる電極が少なくとも3対配置され、上下面に配置された隣接する電極は極性が異なる電極であって、前記少なくとも3対の電極が幅方向に配置されるときには、長さ方向に1対のみの電極が配置され、あるいは、前記少なくとも3対の電極が長さ方向に配置されるときには、幅方向に1対のみの電極が配置され、上面又は下面の同極となる少なくとも2対の電極は、前記電極が配置された面及び/又は側面を介して接続されている振動子である。
本発明の振動子の第3の態様は、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される輪郭振動子で、前記輪郭振動子は水晶から形成される輪郭水晶振動子で、前記輪郭水晶振動子の角度θx1と振動部の寸法比(W/L)と振動部に配置される電極対数n(整数)との関係が、
Figure 2005094734
が±(40°〜50°)で与えられる振動子である。
本発明の振動子の第4の態様は、振動部と支持部とを備えて構成される輪郭モードで振動する輪郭振動子で、前記輪郭振動子は屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子であって、前記音叉型屈曲水晶振動子は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、第1音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、第2音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、かつ、前記第1音叉腕の両側面の電極と前記第2音叉腕の両側面の電極とは極性が異なる電極で、前記音叉型屈曲水晶振動子の主振動である基本波モード振動の等価直列抵抗Rが、副振動である2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、前記主振動のメリット係数Mと前記副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が2より大きく、基本波モード振動と2次高調波モード振動の周波数安定係数S、SがそれぞれS=r/2Q 、S=r/2Q で与えられるとき、S<Sの関係を有し、かつ、Sが0.13×10−6より大きい振動子である。
本発明の振動子ユニットの第1の態様は、振動子とケースと蓋とを備えて構成される振動子ユニットで、前記振動子は振動部と支持部とを備えて構成され、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、前記輪郭振動子は表面実装型又は円筒型のケースと蓋とを備えて構成されるユニット内に収納され、振動部と支持部とを備えて構成される前記輪郭振動子の振動部に溝とその溝に電極が設けられ、かつ、前記溝の電極に対抗して極性の異なる対抗電極が配置されていて、前記輪郭振動子の外形形状と前記溝はエッチング法により形成され、前記輪郭振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、主振動のメリット係数Mと副振動のメリット係数Mとのメリット係数比(M/M)が1.25より大きく、かつ、メリット係数Mが94〜119の範囲内、又は88より小さい輪郭振動子を備えている振動子ユニットである。
本発明の発振器の第1の態様は、振動子と増幅器とコンデンサーと抵抗素子とを備えて構成される発振回路を備えた発振器で、前記増幅器はCMOSインバータで構成され、前記振動子は振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記輪郭振動子は、エッチング法により一体に形成され、前記輪郭振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さい輪郭振動子を備えて前記発振回路は構成されると共に、前記発振回路は増幅回路と帰還回路を備えて構成され、前記発振回路の増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記発振回路は構成されている発振器である。
本発明の発振器の第2の態様は、振動子と増幅器とコンデンサーと抵抗素子とを備えて構成される発振回路を備えた発振器で、前記振動子は振動部と支持部とを備えて構成される輪郭モードで振動する輪郭振動子で、前記輪郭振動子は、主振動である基本波モード振動と、副振動である2次高調波モード振動を備えた屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子であって、前記音叉型屈曲水晶振動子はケースと蓋から成る振動子ユニットに収納されていて、前記発振回路は増幅回路と帰還回路を備えて構成され、前記発振回路の増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が、増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記発振回路は構成され、前記音叉型屈曲水晶振動子は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、第1音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、第2音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、かつ、前記第1音叉腕の両側面の電極と前記第2音叉腕の両側面の電極とは極性が異なる電極で、前記音叉型屈曲水晶振動子の主振動である基本波モード振動の等価直列抵抗Rが、副振動である2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、前記主振動のメリット係数Mと前記副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が1.25より大きく、更に、基本波モード振動と2次高調波モード振動の周波数安定係数S、SがそれぞれS=r/2Q 、S=r/2Q で与えられるとき、S<Sの関係を有し、かつ、Sが0.13×10−6より大きい振動子を備えて前記発振回路は構成されている発振器である。
本発明の発振器の第3の態様は、音叉腕に中立線を挟んで溝が設けられ、前記溝は第1段差部と第2段差部を有し、中立線に対して音叉の叉部側に位置する第1段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数e′12iの絶対値と、中立線に対して音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数e′12oの絶対値とが、0.095C/mから0.19C/mの範囲内にあり、かつ、e′12i×e′12o>0の関係を有する第2の態様に記載の発振器である。
本発明の電子機器の第1の態様は、少なくとも表示部と発振器を備えて構成される電子機器で、前記電子機器は少なくとも2個の発振器を備えて構成されると共に、各発振器は発振回路を備えて構成され、1個の発振回路は、振動部と支持部とを備えて構成される音叉型屈曲水晶振動子とCMOSインバータとキャパシタと抵抗とを備えて構成され、他の1個の発振器は、輪郭水晶振動子、又は厚みすベり水晶振動子、又はSAW振動子、又は角速度センサと増幅器とキャパシタと抵抗とを備えて構成されていて、前記音叉型屈曲水晶振動子は主振動である基本波モード振動と、副振動である2次高調波モード振動を備えた屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子であって、前記音叉型屈曲水晶振動子はケースと蓋から成る振動子ユニットに収納されていて、前記音叉型屈曲水晶振動子を備えて構成される水晶発振回路は、CMOSインバータと帰還抵抗からなる増幅回路と、ドレイン抵抗とキャパシタと音叉型屈曲水晶振動子からなる帰還回路とを備えて構成され、前記水晶発振回路の増幅回路の主振動である基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比が、増幅回路の副振動である2次高調波モードの負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きく、前記水晶発振回路から出力される出力信号は、基本波モード振動の発振周波数で、かつ、前記発振周波数が32.768kHzの周波数に対して、−100PPMから+100PPMの範囲内にあり、前記音叉型屈曲水晶振動子の振動部である音叉腕は、第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、第1音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、第2音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、かつ、前記第1音叉腕の両側面の電極と前記第2音叉腕の両側面の電極とは極性が異なる電極であると共に、音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、音叉の叉部側に位置する音叉腕の内側側面の電極との、前記電極間の圧電定数e′12i、と、音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側と反対に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、音叉の叉部側と反対に位置する音叉腕の外側側面の電極との、前記電極間の圧電定数e′12oとが0.095C/mから0.19C/mの範囲内にあり、かつ、e′12i×e′12o>0の関係を有し、前記音叉型屈曲水晶振動子の主振動である基本波モード振動の等価直列抵抗Rが、副振動である2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、前記主振動のメリット係数Mと前記副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が1.25より大きく、基本波モード振動と2次高調波モード振動の周波数安定係数S、SがそれぞれS=r/2Q 、S=r/2Q で与えられるとき、S<Sの関係を有し、かつ、Sが0.13×10−6より大きい振動子を備えて前記1個の水晶発振回路は構成され、前記水晶発振回路から出力される、基本波モード振動の発振周波数である出力信号を電子機器の基準信号源として用いる電子機器である。
本発明の電子機器の第2の態様は、副振動である2次高調波モード振動のメリット係数Mが30より小さい第1の態様に記載の電子機器である。
本発明の電子機器の第3の態様は、増幅回路の主振動である基本波モード振動の負性抵抗の絶対値、|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比(|−RL|/R)が1.12より大きく、かつ、副振動である2次高調波モード振動の負性抵抗の絶対値、|−RL|が133kΩより小さい第1又は第2の態様に記載の電子機器である。
本発明の電子機器の第3の態様は、音叉腕に中立線を挟んで溝が設けられ、前記溝は第1段差部と第2段差部を有し、圧電定数e′12iは中立線に対して音叉の叉部側に位置する第1段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数で、かつ、圧電定数e′12oは中立線に対して音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数で、圧電定数e′12iと圧電定数e′12oとが0.12C/mから0.19C/mの範囲内にある第1から第3の態様のいずれかに記載の電子機器である。
このように、本発明は輪郭振動子とそれを備えた振動子ユニットと発振器で、特に、振動子のカット角と電極配置と形状と加工法により、高い電気機械変換効率を有する輪郭振動子が得られる。その結果、主振動の等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高い、超小型の輪郭振動子とそれを備えたユニットと発振器が得られる。それ故、本振動子を用いることにより正常に動作する電子機器が実現できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づき具体的に述べる。
実施例1の振動子
図1は本発明の実施例1の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、幅縦モード振動と長さ縦モード振動とが結合したNS−GTカット幅・長さ縦結合水晶振動子(以下、NS−GTカット水晶振動子という)の上面図(a)と下面図(b)である。また、図2の(a)は、図1の振動部11のA−A′断面図である。図1において、NS−GTカット水晶振動子10は振動部11、接続部12、13と支持部14、15を備えて構成され、支持部14は接続部12を介して振動部11に接続され、かつ、支持部15は接続部13を介して振動部11に接続されている。また、支持部14、15はそれぞれマウント部16、17と貫通孔14a、15aを備えている。更に、振動部11の上面には溝18が、下面には溝19が対抗して設けられていて、溝18、19には、電極18a、19aが厚みの方向に対抗して極性の異なる電極が配置されている。振動部11の電極18aは接続部13を介してマウント部17にまで延在して配置されている。これに対して、振動部11の電極19aも同様に接続部12を介してマウント部16にまで延在して配置されている。電極18aと電極19aは異極となる2電極端子を構成している。そして、図示されていないが、振動子10はマウント部16、17で容器の固定部に接着剤などで固定されている。即ち、円筒型の容器または表面実装型の容器に収納されている。
また、本実施例の水晶振動子10の振動部11は幅W、長さL、厚みTで与えられ、溝は幅Wと長さLと厚みTで与えられると共に、上面の溝の深さTで、下面の溝の深さTで与えられる。更に、溝の一端部から幅方向の振動部の側面までの距離をW(部分幅W)、溝の他端部から幅方向の振動部の側面までの距離をW(部分幅W)で与えられ、更に、溝の一端部から長さ方向の振動部の側面までの距離をL(部分幅L)、溝の他端部から長さ方向の振動部の側面までの距離をL(部分幅L)で与えられる。通常、優れた周波数温度特性を得るために、幅Wと長さLの比(W/L)は0.9〜1.12の範囲内にある。又、幅W=W+W+Wで与えられ、衝撃に対する強度を維持しながら電界
Figure 2005094734
大きく、1より小さく形成される。好ましくは、0.45〜0.9の範囲内にある。更に、基本波モードで振動するNS−GTカット水晶振動子の場合には、幅Wは1.55mmより小さく、好ましくは、0.16〜1.49mmの範囲内にあり、WとWは0.01mmより大きく、好ましくは、0.027〜0.44mmの範囲内にある。
全く同様に、長さL=L+L+Lで与えられ、衝撃に対する強度を維持しながら
Figure 2005094734
4より大きく、1より小さく形成される。好ましくは、0.45〜0.9の範囲内にある。更に、基本波モードで振動するNS−GTカット水晶振動子の場合には、LとLは0.01mmより大きく、好ましくは、0.01〜0.45mmの範囲内にある。更に、十分な電界強度と機械的強度を得るために、厚みTは0.12mmより小さく、好ましくは、0.025〜0.1mmの範囲内にある。同時に、溝の厚みTと振動部の厚みTの比(T/T)は0.95以下に、好ましくは、0.2〜0.92の範囲内にある。また、溝の深さTとTはそれぞれ0.003mmより大きく、好ましくは、0.005〜0.048mmの範囲内にある。このような構成により、振動部の端部の厚みが振動部の中心部の厚みより大きくなるので、対衝撃性に優れると共に、振動部の中心部付近の電界強度が大きくなり、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高いNS−GTカット水晶振動子が、高周波数で、かつ、超小型で実現できる。尚、図2の(b)は、図2(a)の厚みT=0の場合である。即ち、振動部の上下面の片側にのみ溝が設けられている。このように形成しても上記したと同様の効果が得られる。
実施例2の振動子
図3は本発明の実施例2の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、NS−GTカット水晶振動子の上面図(a)と断面図(b)と断面図(c)である。また、(b)と(c)は、振動部のB−B′断面図である。即ち、2つの例の断面形状を本実施例では示す。まず、本実施例の断面形状(b)では、水晶振動子30は振動部31、接続部32、33、及びマウント部36、37をそれぞれ含む支持部34、35を備えて構成されている。更に、支持部34と支持部35にはそれぞれ穴34aと穴35aが設けられている。そして、振動部31の上面と下面には溝38,39,40と溝41、42、43が、更にそれらの溝に電極38a、39a、40aと電極41a、42a、43aが配置されている。又、上面と下面の溝に配置された電極の、隣接する電極は異極となるように構成されている。即ち、上面と下面の溝に配置された対抗電極は異極となるように構成されている。本実施例の電極配置では、3次高調波モード振動のNS−GTカット水晶振動子が得られる。
更に詳述するならば、電極38aとそれに隣接する電極39aは異極に、さらに、電極38aとそれに対抗する電極41aは異極となるように構成されている。電極38aとそれとは異極となる電極41aで一対の電極を構成している。全く同様に、電極39aとそれに隣接する電極38a、40aは異極に、更に、電極39aとそれに対抗する電極42aは異極となるように構成されている。電極39aとそれとは異極となる電極42aで一対の電極を構成している。更に電極40aとそれに隣接する電極39aは異極に、さらに、電極40aとそれに対抗する電極43aは異極となるように構成されている。電極40aとそれとは異極となる電極43aで一対の電極を構成している。又、本実施例では、上面の電極38aと電極40aは接続電極38bを介して接続されている。更に、下面の電極41aと電極43aは接続電極41b(図示されていない)を介して接続されている。本実施例では、接続電極は振動部の上面と下面に設けられているが、振動部の側面に設けても良い。即ち、接続電極は振動部の上下面及び/又は側面に配置される。
更に、上面の同極となる電極38a、40aは一方の接続部32を介してマウント部36にまで延在して配置されている。又、電極39aは他方の接続部33を介してマウント部37にまで延在して配置されている。更に、下面の電極42aは一方の接続部32を介してマウント部36にまで延在して配置されている。又、下面の同極となる電極41a、43aは他方の接続部33を介してマウント部37にまで延在して配置されている。上記説明から明らかなように、一方の接続部と支持部の上下面には同極となる電極が振動部から延在して配置され、他方の接続部と支持部の上下面には同極となる電極が振動部から延在して配置されている。それ故、一方の電極38a,40a、42aは同極になるように配置、接続され、他方の電極39a、41a、43aは同極となるように配置、接続され、それらは互いに異極となる2電極端子構造を形成している。
更に詳述するならば、本実施例では、幅方向に三対と長さ方向に一対の電極を構成している。本発明の電極構成は前記実施例の3対に限定されるものでなく、今、幅方向の電極の対数をnとすると、対称モードを使用する場合にはn対(n=1,3,5・・・)と奇数対の電極構成と非対称モードを使用する場合にはn対(n=2,4,6・・・)と偶数対の電極構成をも包含するものである。詳細には、幅方向に奇数対の電極構成では、奇数次の幅縦モードと基本波の長さ縦モードで振動し、偶数対の電極構成では、偶数次の幅縦モードと基本波の長さ縦モードで振動し、本実施例では、幅縦モード振動が主振動となり、長さ縦モードを含む他の縦モード振動が副振動になる。例えば、一対の電極構成では、幅縦モード振動の基本波モード振動が主振動となる。二対の電極構成では、幅縦モード振動の2次高調波モード振動が主振動となる。また、三対の電極構成では、幅縦モード振動の3次高調波(オーバートーン)モード振動が主振動となる。即ち、n対の電極構成では、幅縦水晶振動子のn次高調波モード振動が主振動となる。本実施例では、幅縦モードと長さ縦モードで振動し、主振動と同じ振動モードで、主振動以外の振動を副振動と呼び、主振動の等価直列抵抗をR、副振動の等価直列抵抗をRと言う。又、本実施例では、振動部に接続部が接続されていない方向の縦モード振動を振動部の寸法の大きさにかかわらず幅縦水晶振動子と呼び、かつ、これが主振動となる。
次に、振動部の幅W、長さL、厚みTと電極との関係について述べる。上記実施例では、幅方向に三対の電極を構成している。それ故、対抗する面の電界Eを大きくし、主振動の等価直列抵抗Rの小さい幅縦水晶振動子を得るためには、厚みTと幅Wとの関係はT/Wが0.85より小さくする必要がある。又、幅縦モード振動又は長さ縦モード振動と屈曲モード振動との結合を無視できるほどに小さく、且つ、電極面積を大きくし、主振動の等価直列抵抗Rの小さい幅縦水晶振動子を得るためには、幅Wと長さLとの関係は、W/3Lが0.87〜1.15の範囲内にある。上記実施例では三対の電極構成の場合について説明したが、例えば、n対(n=5,7,9、・・・)と奇数対の電極構成では、主振動がn次高調波モードの幅縦水晶振動子が得られる。この場合、前記した優れた特性を有する幅縦水晶振動子を得るには、厚みTと幅Wとの関係はT/Wが0.85より小さく、且つ、幅Wと長さLとの関係はW/(nL)が0.87から1.15の範囲内にすることが必要である。本実施例では、接続部が付加される長さ方向の長さ縦水晶振動子は基本波モードで振動するが、長さ方向に複数対の電極を配置し、高調波モードで振動するようにしても良い。
更に、n次モードで振動するNS−GTカット水晶振動子の場合には、幅Wは1.55×nmmより小さく、好ましくは、0.16×n〜1.49×nmmの範囲内にある。加えて、溝と溝の間の寸法Wは通常W/3で与えられ、この寸法内に1個の溝が設けられる。また、他の寸法W、W、W、L、L、L、T、T、Tは実施例1の振動子で述べた寸法を有する。更に、B−B′の断面図(c)は前記断面図(b)のT=0の場合である。即ち、振動部の片面にのみ溝が設けられていて、溝には電極44、45,46が下面には電極47,48,49が配置され、隣接する電極は互いに極性が異なるように配置されている。
更に、NS−GTカット水晶振動子の振動部の長さLと幅Wと厚みTをそれぞれ水晶の電気軸x、光軸z、機械軸yに一致させた、Y板水晶のx軸回りの回転角度θx1、y′軸(y軸の新軸)回りの回転角度θy1とすると、良好な周波数温度特性を得るためには、本実施例のNS−GTカット水晶振動子の角度θx1、θy1と寸法比(W/L)と振動部の電極対数n(=1,2,3・:整数)によって表される、それらの関係は、[7.5n(W/L
Figure 2005094734
与えられる。即ち、温度特性の任意の設定は角度θx1の選択によって達成できる。
このように、上記実施例のNS−GTカット水晶振動子は、特に、振動部の電極の配置の仕方を工夫することにより、主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さくすることができる。と同時に、周波数温度特性に優れた超小型の高調波モードの幅縦水晶振動子を実現することができる。更に、幅縦水晶振動子の共振周波数は振動次数mに比例するので、高周波数化が可能になる。また、主振動の等価直列抵抗Rの小さい幅縦水晶振動子を実現するために、振動次数mと電極対数nとの関係はm=nとなるように通常は構成される。
実施例3の振動子
図4は本発明の実施例3の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、長さ縦水晶振動子の上面図(a)と断面図(b)と断面図(c)である。また、(b)と(c)は、振動部のC−C′断面図である。即ち、2つの例の断面形状を本実施例では示す。まず、本実施例の断面形状(b)では、水晶振動子50は振動部51、接続部52、53、及びマウント部56、57をそれぞれ含む支持部54、55を備えて構成されている。更に、支持部54と支持部55にはそれぞれ穴54aと穴55aが設けられている。そして、振動部51の上面と下面には溝58,59,60と溝61、62、63が、更にそれらの溝に電極58a、59a、60aと電極61a、62a、63aが配置されている。又、上面と下面の溝に配置された電極の、隣接する電極は異極となるように構成されている。すなわち、上面と下面の溝に配置された対抗電極は異極となるように構成されている。本実施例の電極配置では、3次高調波モード振動の長さ縦水晶振動子が得られる。
更に詳述するならば、電極58aとそれに隣接する電極59aは異極に、さらに、電極58aとそれに対抗する電極61aは異極となるように構成されている。電極58aとそれとは異極となる電極61aで一対の電極を構成している。全く同様に、電極59aとそれに隣接する電極58a、60aは異極に、更に、電極59aとそれに対抗する電極62aは異極となるように構成されている。電極59aとそれとは異極となる電極62aで一対の電極を構成している。更に電極60aとそれに隣接する電極59aは異極に、さらに、電極60aとそれに対抗する電極63aは異極となるように構成されている。電極60aとそれとは異極となる電極63aで一対の電極を構成している。又、本実施例では、上面の電極58aと電極60aは接続電極58bを介して接続されている。更に、下面の電極61aと電極63aは接続電極61b(図示されていない)を介して接続されている。本実施例では、接続電極は振動部の上面と下面に設けられているが、振動部の側面に設けても良い。即ち、接続電極は振動部の上下面及び/又は側面に配置される。
更に、上面の同極となる電極58a、60aは一方の接続部52を介してマウント部56にまで延在して配置されている。又、電極59aは他方の接続部53を介してマウント部57にまで延在して配置されている。更に、下面の電極62aは一方の接続部52を介してマウント部56にまで延在して配置されている。又、下面の同極となる電極61a、63aは他方の接続部53を介してマウント部57にまで延在して配置されている。上記説明から明らかなように、一方の接続部と支持部の上下面には同極となる電極が振動部から延在して配置され、他方の接続部と支持部の上下面には同極となる電極が振動部から延在して配置されている。それ故、一方の電極58a,60a、62aは同極になるように配置、接続され、他方の電極59a、61a、63aは同極となるように配置、接続され、それらは互いに異極となる2電極端子構造を形成している。
更に詳述するならば、本実施例では、長さ方向に三対と幅方向に一対の電極を構成している。本発明の電極構成は前記実施例の3対に限定されるものでなく、今、長さ方向の電極の対数をnとすると、対称モードを使用する場合にはn対(n=1,3,5・・・)と奇数対の電極構成と非対称モードを使用する場合にはn対(n=2,4,6・・・)と偶数対の電極構成をも包含するものである。詳細には、奇数対の電極構成では、奇数次の長さ縦モードで振動し、偶数対の電極構成では、偶数次の長さ縦モードで振動し、これらがそれぞれ主振動となる。例えば、一対の電極構成では、基本波モード振動が主振動となる。二対の電極構成では、2次高調波モード振動が主振動となる。また、三対の電極構成では、3次高調波モード振動が主振動となる。本発明では、長さ縦モードで振動し、主振動と同じ振動モードで、主振動以外の振動を副振動と呼び、主振動の等価直列抵抗をR、副振動の等価直列抵抗をRと言う。一例として、3次高調波モード振動が主振動のときには、基本波モード振動、2次高調波モード振動、4次高調波モード振動とそれ以上のf次高調波モード振動が副振動となる。このとき、3次高調波モード振動の等価直列抵抗はRで表され、基本波モード振動、2次高調波モード振動、4次高調波モードとf次高調波モード振動の等価直列抵抗はそれぞれR、R、R、Rで表される。
次に、振動部の幅W、長さL、厚みTと電極との関係について述べる。上記実施例では、三対の電極を構成している。それ故、対抗する面の電界Eを大きくし、主振動の等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子を得るためには、厚みTと幅Wとの関係はT/Wが0.85より小さくする必要がある。又、長さ縦モード振動と屈曲モード振動との結合を無視できるほどに小さく、且つ、電極面積を大きくし、主振動の等価直列抵抗Rの小さい長さ縦水晶振動子を得るためには、幅Wと長さLとの関係は3W/Lが0.6より小さくする事が必要である。上記実施例では三対の電極構成の場合について説明したが、例えば、n対(n=5,7,9、・)と奇数対の電極構成では、主振動がn次高調波モードの長さ縦水晶振動子が得られる。この場合、前記した優れた特性を有する水晶振動子を得るには、厚みTと幅Wとの関係はT/Wが0.85より小さく、且つ、幅Wと長さLとの関係はnW/Lが0.6より小さくする必要がある。本実施例では、奇数次の高調波モード振動の長さ縦水晶振動子を示したが、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、n=1である1対の電極構成をも包含するものである。この場合には、基本波モード振動が主振動となる。
更に、長さ縦水晶振動子の振動部の長さLと幅Wと厚みTをそれぞれ水晶の機械軸y、光軸z、電気軸xに一致させたX板水晶のx軸回りの回転角度θx2とすると、周波数温度特性の2次曲線の頂点温度を、室温付近を含む任意の温度に設定するためには、本実施例の長さ縦水晶振動子の角度θx2は寸法比(W/L)と振動部の電極対数n(=1,2,
Figure 2005094734
/L)+25.5]°で与えられる。即ち、頂点温度の任意の設定は角度θx2の選択によって達成できる。更に、主振動の等価直列抵抗Rと容量比rを小さくするために、通常、電極対数nと寸法比(W/L)との関係において、寸法比(W/L)は(0.05〜0.6)/nの範囲内に、好ましくは、(0.1〜0.24)/nの範囲内、又は(0.26〜0.55)/nの範囲内にある。このような寸法の構成により、さらにスプリアス振動(不要振動)との結合のない長さ縦水晶振動子が実現できる。
更に、n次モードで振動する長さ縦水晶振動子の場合には、長さLは5.5×nmmより小さく、好ましくは、0.16×n〜1.5×nmmの範囲内にある。また、溝と溝の間の寸法Lは通常L/3で与えられ、この寸法内に1個の溝が設けられる。又、幅W=W+W+Wで与えられ、衝撃に対する強度を維持しながら電界の効率を高めるために、
Figure 2005094734
満足するように形成される。加えて、比(W/W)は0.4より大きく、1より小さく形成される。好ましくは、0.45〜0.95の範囲内にある。更に、幅Wは0.5mmより小さく、好ましくは、0.045〜0.48mmの範囲内にあり、WとWは0.003mmより大きく、好ましくは、0.01〜0.16mmの範囲内にある。
全く同様に、衝撃に対する強度を維持しながら電界の効率を高めるために、溝の長さL
Figure 2005094734
ように形成される。加えて、n次(n:整数)モード振動では、比(nL/L)は0.4より大きく、1より小さく形成される。好ましくは、0.45〜0.95の範囲内にある。更に、基本波モードで振動する長さ縦水晶振動子の場合には、LとLは0.01mmより大きく、好ましくは、0.02〜0.45mmの範囲内にある。更に、十分な電界強度と機械的強度を得るために、厚みTは0.12mmより小さく、好ましくは、0.025〜0.1mmの範囲内にある。同時に、溝の厚みTと振動部の厚みTの比(T/T)は0.95以下に、好ましくは、0.2〜0.92の範囲内にある。また、溝の深さTとTはそれぞれ0.003mmより大きく、好ましくは、0.005〜0.048mmの範囲内にある。このような構成により、振動部の端部の厚みが振動部の中心部の厚みより大きくなるので、対衝撃性に優れると共に、振動部の中心部付近の電界強度が大きくなり、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高い長さ縦水晶振動子が、高周波数で、かつ、超小型で実現できる。尚、図4の(c)は、図4(b)の厚みT=0の場合である。即ち、振動部の片面にのみ溝が設けられていて、溝には電極64、65,66が下面には電極67,68,69が配置され、隣接する電極は互いに極性が異なるように配置されている。このように形成しても上記したと同様の効果が得られる。
実施例4の振動子
図5は本発明の実施例4の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭振動子の一つであるラーメ水晶振動子の上面図(a)と断面図(b)と断面図(c)である。ラーメ水晶振動子70は振動部71、接続部72、73と支持部74、75とを備えて構成されている。支持部74は接続部72を介して振動部71に接続されている。更に、支持部74には穴74aとマウント部74bが設けられている。同様に、支持部75は接続部73を介して振動部71に接続されている。更に、支持部75には穴75aとマウント部75bが設けられている。更に、振動部71の上面には溝76が、下面には溝77が対抗して設けられていて、溝76、77には、電極76a、77aが厚みの方向に対抗して極性の異なる電極が配置されている。振動部71の電極76aは接続部72を介してマウント部74bにまで延在して配置されている。これに対して、振動部71の電極77aも同様に接続部73を介してマウント部75bにまで延在して配置されている。電極76aと電極77aは異極となる2電極端子を構成している。そして、図示されていないが、振動子70はマウント部74b、75bで容器の固定部に接着剤などで固定されている。即ち、円筒型の容器または表面実装型の容器に収納されている。
また、本実施例のラーメ水晶振動子70の振動部71は幅W、長さL、厚みTで与えられ、溝は幅Wと長さLと厚みTで与えられると共に、上面の溝の深さTで、下面の溝の深さTで与えられる。更に、溝の一端部から幅方向の振動部の側面までの距離をW(部分幅W)、溝の他端部から幅方向の振動部の側面までの距離をW(部分幅W)で与えられ、更に、溝の一端部から長さ方向の振動部の側面までの距離をL(部分幅L)、溝の他端部から長さ方向の振動部の側面までの距離をL(部分幅L)で与えられる。通常、幅Wと長さLの比(W/L)は略1で与えられる。即ち、大略W=Lとなる。又、幅W=W+W+Wで与えられ、衝撃に対する強度を維持しながら電界の効率を高め
Figure 2005094734
<Wを満足するように形成される。加えて、比(W/W)は0.4より大きく、1より小さく形成される。好ましくは、0.45〜0.9の範囲内にある。更に、基本波モードで振動するラーメ水晶振動子の場合には、幅Wは1.1mmより小さく、好ましくは、0.16〜1.0mmの範囲内にあり、WとWは0.01mmより大きく、好ましくは、0.02〜0.35mmの範囲内にある。
全く同様に、長さL=L+L+Lで与えられ、衝撃に対する強度を維持しながら
Figure 2005094734
4より大きく、1より小さく形成される。好ましくは、0.45〜0.9の範囲内にある。更に、基本波モードで振動するラーメ水晶振動子の場合には、LとLは0.01mmより大きく、好ましくは、0.02〜0.35mmの範囲内にある。通常は、大略W=Lとなるように形成される。更に、十分な電界強度と機械的強度を得るために、厚みTは0.12mmより小さく、好ましくは、0.025〜0.1mmの範囲内にある。同時に、溝の厚みTと振動部の厚みTの比(T/T)は0.95以下に、好ましくは、0.2〜0.92の範囲内にある。また、溝の深さTとTはそれぞれ0.003mmより大きく、好ましくは、0.005〜0.048mmの範囲内にある。このような構成により、振動部の端部の厚みが振動部の中心部の厚みより大きくなるので、対衝撃性に優れると共に、振動部の中心部付近の電界強度が大きくなり、等価直列抵抗Rの小さい、品質係数Q値の高いラーメ水晶振動子が、高周波数で、かつ、超小型で実現できる。尚、図5の(c)は、図5(b)の厚みT=0の場合である。即ち、振動部の上下面の片側にのみ溝が設けられ、溝に電極78が、下面に電極79が対抗して配置されている。このように形成しても上記したと同様の効果が得られる。
また、本実施例では一対の電極を振動部に配置しているが、本発明の電極構成は前記実施例の一対に限定されるものでなく、対称モードを使用する場合にはn対(n=1,3,5,・・)と奇数対の電極構成をも包含するものである。詳細には、奇数対の電極構成では、奇数次のラーメモードで振動し、これが主振動となる。例えば、一対の電極構成では、基本波モード振動が主振動となる。また、三対の電極構成では、3次高調波モード振動が主振動となる。本発明では、ラーメモードで振動し、主振動と同じ振動モードで、主振動以外の振動を副振動と呼ぶ。換言するならば、輪郭モードで振動し、かつ、主振動と同じ振動モードで、主振動以外の振動を副振動と言う。そして、輪郭モードで振動する主振動の等価直列抵抗をR、副振動の等価直列抵抗をRと言う。
上記実施例2から上記実施例4の振動子の一例として、振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、支持部は接続部を介して振動部に接続される輪郭振動子で、前記振動子は上下面と側面とを有し、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記振動子は一体に形成されていて、前記振動部の上下面に対抗して極性の異なる電極が少なくとも3対配置され、上下面に配置された隣接する電極は極性が異なる電極であって、少なくとも3対の電極が幅方向に配置されるときには、長さ方向に1対のみの電極が配置され、あるいは、少なくとも3対の電極が長さ方向に配置されるときには、幅方向に1対のみの電極が配置され、上面又は下面の同極となる少なくとも2対の電極は、前記電極が配置された面及び/又は側面を介して接続されている。また、振動子は水晶から形成され、輪郭振動子は長さ縦水晶振動子、又は幅縦水晶振動子、又はラーメ水晶振動子、又はNS−GTカット水晶振動子である。特に、ラーメ水晶振動子の接続部は、振動部のいかなる電極の配置であっても振動部の角に対角する位置に設けられる。即ち、少なくとも2個の接続部が設けられる。通常は、四隅に設けられる。
実施例5の振動子
図6は本発明の実施例5の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、幅縦水晶振動子の上面図である。幅縦水晶振動子80は振動部81、接続部82、83、及びフレーム84、85とマウント部86を備えて構成されている。また、フレーム84は接続部82を介して振動部81に接続され、フレーム85は接続部83を介して振動部81に接続されている。更に、振動部81には電極81aが配置され、接続部82とフレーム84を介してマウント部86の端部の電極86aに接続されている。
実施例6の振動子
図7は本発明の実施例6の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、幅縦水晶振動子の上面図である。幅縦水晶振動子90は振動部91、接続部92、93、及びフレーム94、95とマウント部96を備えて構成されている。また、フレーム94は接続部92を介して振動部91に接続され、フレーム95は接続部93を介して振動部91に接続されている。更に、振動部91には電極91aが配置され、接続部92とフレーム94を介してマウント部96の端部の電極96aに接続されている。図示されていないが、振動部91の下面にも電極91bが配置され、接続部93とフレーム95を介してマウント部96の端部の電極96bに電極96cを介して接続されている。本実施例では、マウント部96の端部に切り欠き部分97,98が設けられている。又、実施例5の振動子と同様に、振動部の幅W、長さLで与えられ、W/Lは0.25より小さく、好ましくは、大略0.1〜0.21の範囲内にある。
実施例7の振動子
図8は本発明の実施例7の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、音叉型屈曲水晶振動子の上面図(a)と音叉腕のE−E′断面図(b)である。音叉型屈曲水晶振動子100は振動部である音叉腕101、音叉腕102と支持部119とを備えて構成され、音叉腕101と音叉腕102の一端部は支持部119に接続されている。すなわち、音叉型屈曲水晶振動子100は、2個の振動部と支持部を備えて構成され、通常は支持部の端部が振動子ユニットの固定部に固定される。しかし、支持部にさらに支持部から突出する支持フレームを設け、この支持フレームを振動子ユニットの固定部に固定しても良い。また、支持フレームは、同じ方向で、かつ、大略平行に形成される2個の振動部の間か、又は外側に形成される。更に、音叉腕101と音叉腕102はそれぞれ上面と下面と側面とを有し、音叉腕101の上面には中立線101aに対して、音叉の叉部側に位置する第1段差部107と音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部109を有する溝103が設けられ、溝103には電極111が配置されている。又、音叉腕102の上面にも音叉腕101と同様に、中立線102aに対して、音叉の叉部側に位置する第1段差部と音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部を有する溝104が設けられ、電極117が溝104に配置されている。また、音叉腕101,102の下面にも上面と同様に中立線を挟んで溝105、106が設けられている(図8の(b)参照)。即ち、溝105は中立線101aに対して、音叉の叉部側に位置する第1段差部108と音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部110を有し、電極112が溝105に配置されている。溝106も溝105と同様に、中立線102aに対して、音叉の叉部側に位置する第1段差部と音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部を有し、電極118が溝106に配置されている。
加えて、音叉腕101、102の両側面にも電極113、114、115、116が配置され、電極113と電極114は同極に、電極115と電極116は同極に、かつ、電極113、114と電極115、116とは異極となるように配置、接続されている。また、音叉腕の側面電極と対抗して配置された溝の側面電極は互いに極性が異なるように配置される。一例として、一方の電極111、112、115、116は同極に接続され、他方の電極113、114、117、118は同極に接続されていて、それらは互いに異極となる2電極端子を構成する。また、音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、前記第1段差部の電極とが接続され、音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側と反対に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、前記第2段差部の電極とが接続されている。尚、音叉腕の中立線とは、音叉腕の幅の半分(W00/2)の位置に、かつ、長さ方向に在る線である。
更に、支持部119は長さ寸法L11で与えられ、U字形状の下側部分の全体とする。Lは小型化を図るために、0.5mm未満の寸法を有する。好ましくは、0.025mm〜0.49mmの範囲内にある。更に、音叉のU字形状の上側部分の音叉腕101、102の長さL00、幅W00で与えられ、それらの音叉腕に溝103、104が中立線を挟むように設けられている。又、各音叉腕と各音叉腕に設けられる溝との関係は、溝の長さL22、溝の幅W22、部分幅W11、W33で与えられ、更に、音叉腕間の距離W44、音叉形状の全長Lで与えられる。音叉型屈曲水晶振動子の固定による振動部の振動エネルギーの漏れを小さくするために、音叉腕間の距離W44は1.2mmより小さい寸法を有する。好ましくは、大略0.08〜0.12mmの範囲内に、または、好ましくは、大略0.35〜1.05mmの範囲内に、より好ましくは0.43〜1.05mmの範囲内にある。
Figure 2005094734
合でもW44の関係は適用でき、溝の電極の代わりに音叉腕の上下面に電極が配置される。
Figure 2005094734
音叉腕の電気機械変換効率を高めるために、部分幅W11、W33は0.015mm未満の寸法を、好ましくは、0.005〜0.014mmの範囲内にある。更に、超小型で、かつ、音叉腕に生じる慣性モーメントを大きくするために、W22は0.06mm未満に、好ましくは、0.025〜0.058mmの範囲内にある。尚、音叉腕に溝の幅が異なる溝が形成される場合には、W22は最大の溝の幅、または最小の溝の幅である。加えて、支持部の固定による振動部の振動エネルギーの低減と音叉腕に生じる慣性モーメントを極めて大きくするために、辺比L00/W00は16.9〜23.8の範囲内に、又は11.2〜15.4の範囲内にある。即ち、音叉腕の幅W00に対する音叉腕の長さL00が16.9倍〜23.8倍の範囲内に、又は11.2倍〜15.4倍の範囲内にある。
上記実施例では、音叉腕の幅W00は長さ方向に一様に形成されているが、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、音叉腕の幅が長さ方向の任意の位置で異なるように形成しても良い。更に詳細には、音叉の叉部(基点)から音叉腕の長さL00の半分(L01=L00/2)の位置を境にして、L00/2の位置から音叉腕の先端部(自由端)の音叉腕の任意の位置の幅寸法W02が、L00/2の位置から音叉の叉部側に位置する音叉腕の幅寸法W01より大きく形成される。即ち、W02>W01の関係を有する。一例として、W01が0.04mm〜0.2mmの範囲内で、L01が0.3mm〜0.79mmの範囲内にあり、かつ、比(W02/W01)が3.8より小さく、好ましくは、1.1〜2.7の範囲内にある。このように形成することにより、音叉腕の先端部は質量効果を持つので、慣性モーメントを著しく大きくすることができる。と共に、同じ周波数でも音叉腕の長さ寸法を短くでき、小型化が図れる。また、本実施例の場合、辺比(L00/W01)は大略6〜15.5の範囲内にある。この辺比の関係は音叉腕の少なくとも一箇所で満たしていれば良い。
更に、超小型で、かつ、等価直列抵抗Rの小さい音叉型屈曲水晶振動子を実現するために、音叉の全長Lは2.1mmより小さく、好ましくは、0.95mm〜1.98mmの範囲内にある。また、幅W02の形状はW02>W01の関係を満たす形状であればいかなる形状をも本発明は包含するものである。加えて、音叉腕の腕間に支持部から突出する支持部フレーム、または支持部から突出する少なくとも1個の支持部フレーム、好ましくは、2個の支持部フレームを設けても良い。更に、上記実施例の音叉型屈曲水晶振動子の発振周波数は大略32.768kHzを有する。一例として、発振周波数は32.768kHzの周波数に対して−100PPM〜+100PPMの範囲内にある。また、溝の厚みT22と音叉腕の厚みT00で与えられ、T22/T00は0.9より小さくなるように形成されている。本実施例では、溝が音叉腕の厚み方向に対抗して設けられているが、本発明の溝は、溝の厚みT22=0の貫通孔であっても良い。
また、上記実施例の輪郭水晶振動子の一つである音叉型屈曲水晶振動子、幅縦水晶振動子と長さ縦水晶振動子は圧電定数e′12によって励振され、その圧電定数e′12の絶対値が大きいほど、電気機械変換効率は良くなる。例えば、今、音叉形状の長さ方向、幅方向と厚み方向をそれぞれ水晶のy軸、x軸とz軸に一致させ、x軸回転とy′軸回転のとき、それらの回転角度をθx3、θy3とすると、e′12=a1122(−e1122+2e1423)で与えられる。但し、e11(=0.171C/m)、e14(=−0.0406C/m)は水晶の圧電定数で、a11、a22、a23は角度θx、θyの関数で与えられる。通常、角度θx3、θy3はそれぞれθx3=−5°〜+30°、θy3=−10°〜+10°の値を有する。本発明の音叉型屈曲水晶振動子の圧電定数e′12の絶対値は0.095C/mより大きい値を有する。通常は、圧電定数e′12の絶対値は0.095C/m〜0.19C/mの範囲内にある。特に、基本波モード振動で、より小さい等価直列抵抗Rを得るために、好ましくは、e′12の絶対値は0.12C/m〜0.19C/mの範囲内にある。
一例として、音叉腕に溝を形成し、前記溝は中立線を挟んで設けられ、かつ、第1段差部と第2段差部を有し、中立線に対して音叉の叉部側に位置する第1段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数e′12(=e′12i)の絶対値と、中立線に対して音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数e′12(=e′12o)の絶対値とが、0.095C/m〜0.19C/mの範囲内に、好ましくは、0.12C/m〜0.19C/mの範囲内にあり、かつ、第1段差部側の圧電定数e′12iと第2段差部側の圧電定数e′12oの値の符号が同じになるように音叉腕の溝は構成される。即ち、e′12i×e′12o>0の関係を有する。本実施例では、音叉腕に溝を有する音叉型屈曲水晶振動子について説明したが、溝のない音叉腕の上下面に電極が配置される形状にも適用できる。この場合も、e′12i×e′12o>0の関係を有する。但し、e′12iは音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、音叉の叉部側に位置する音叉腕の内側側面の電極との前記電極間の圧電定数で、e′12oは音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側と反対に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、音叉の叉部側と反対に位置する音叉腕の外側側面の電極との前記電極間の圧電定数である。と共に、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、本発明の輪郭水晶振動子の一つである長さ縦水晶振動子と幅縦水晶振動子にも圧電定数e′12は適用できる。例えば、長さ縦水晶振動子の場合には、振動部の上下面に対抗して極性の異なる電極が配置され、前記電極間の圧電定数e′12の絶対値は0.095C/m〜0.19C/mの範囲内に、好ましくは、0.12C/m〜0.19C/mの範囲内にある。また、e′12i×e′12o<0の関係でも良い。
更に、上記実施例のNS−GTカット水晶振動子とラーメ水晶振動子は、圧電定数e′21と圧電定数e′23によって励振され、圧電定数e′21、e′23の絶対値は、それぞれ0.04C/m〜0.125C/mの範囲内にある。と共に、e′12×e′23<0の関係を有する。更に、e′21とe′23は、e′21=−e′23×(0.9〜1.1)の関係を有する。特に、輪郭モード振動での振動の対称性を維持するために、より好ましくは、e′21とe′23の絶対値は大略等しくなるように形成される。例えば、NS−GTカット水晶振動子の場合には、より好ましい圧電定数e′21の絶対値は0.089C/m〜0.12C/mの範囲内にある。また、ラーメ水晶振動子の場合には、好ましい圧電定数e′21の絶対値は0.05C/m〜0.074C/mの範囲内に、又は0.085C/m〜0.12C/mの範囲内にある。
実施例1の振動子ユニット
図9は本発明の実施例1の振動子ユニットの断面図である。振動子ユニット120は表面実装型のケース122と蓋124と振動子126から構成されている。ケース122の両側に固定部が設けられていて、本実施例の振動子ユニットには、実施例1から実施例4の振動子で述べた輪郭水晶振動子126が収納され、その振動子のマウント部が接着剤等により固定部で固定されている。
実施例2の振動子ユニット
図10は本発明の実施例2の振動子ユニットの断面図である。振動子ユニット130は表面実装型のケース132と蓋134と振動子136から構成されている。ケース132の片側に固定部が設けられていて、本実施例の振動子ユニットには、実施例5から実施例7の振動子で述べた輪郭水晶振動子136が収納され、その振動子のマウント部が接着剤等により固定部で固定されている。更に、図示されていないが、ケース132の下面には少なくとも2分割された電極が設けられていて、振動子136の各々の電極と接続されている。即ち、2電極端子構造を形成している。また、振動子は真空中で封止されている。上記各実施例の振動子ユニットには、実施例1から実施例7の振動子である輪郭水晶振動子が収納されているが、本発明はこれに限定されるものでなく、本発明の振動子ユニットには、例えば、厚みに周波数が依存する厚みすべり水晶振動子、又はSAW(Surface Acoustic Wave)振動子、又は角速度センサ、又はSAWフィルタを収納しても良い。
実施例1の発振器
図11は本発明の実施例1の発振器を構成する発振回路図の一例である。本実施例では、発振回路141は増幅器(CMOSインバータ)142、帰還抵抗144、ドレイン抵抗147、コンデンサー(キャパシタ)145,146と輪郭水晶振動子143から構成されている。即ち、水晶発振回路141は、増幅器142と帰還抵抗144から成る増幅回路148とドレイン抵抗147、コンデンサー(キャパシタ)145,1466と輪郭水晶振動子143から成る帰還回路149から構成されている。詳細には、本実施例の発振器は水晶発振器で、その水晶発振器は増幅回路148と帰還回路149から構成され、増幅回路は少なくとも増幅器から構成され、帰還回路は少なくとも輪郭水晶振動子とコンデンサー(キャパシタ)から構成されている。又、本実施例の水晶発振器に用いられる輪郭水晶振動子は、既に実施例1から実施例7の振動子で詳述されている。と共に、本発明の振動子は振動子ユニットに収納されている。
図12は図11の帰還回路図を示す。今、輪郭水晶振動子の角周波数をω、ドレイン抵抗147の抵抗をR、コンデンサー145、146の容量をC、C、輪郭水晶振動子のクリスタルインピーダンスをRei、帰還回路のドレイン側の入力電圧をV,ゲート側の出力電圧をVとすると、帰還率βはβ=|V/|Vで定義される。但し、iは輪郭モード振動で振動する輪郭水晶振動子の振動次数を表す。例えば、i=1のとき、基本波モード振動(1次高調波モード振動)、i=2のとき、2次高調波モード振動、i=3のとき、3次高調波モード振動である。即ち、i=nのとき、n次高調波モード振動である。ここでは、単にn次モード振動と言う。又、n対の電極構成で、n次モードで振動する輪郭モード振動を主振動と言い、その他(n次モード以外)のモードで振動する輪郭モード振動を副振動と言う。更に、負荷容量CはC=C/(C+C)で与えられ、C=C=CgdとR>>Reiとすると、帰還率βはβ=1/(1+kC )で与えられる。但し、kはω、R、Reiの関数で表される。又、Reiは近似的に等価直列抵抗Rに等しくなる。
このように、帰還率βと負荷容量Cとの関係から、負荷容量Cが小さくなると、n次モード振動の共振周波数の帰還率はそれぞれ大きくなる。それ故、負荷容量Cが小さくなると、基本波モード振動よりも高調波モード振動の方が発振し易くなる。その理由は高調波モード振動の最大振動振幅が基本波モード振動の最大振動振幅より小さいために、発振持続条件である振幅条件と位相条件を同時に満足するためである。
本発明の水晶発振器は、消費電流が少なく、しかも、出力周波数が高い周波数安定性(高い時間精度)を有する水晶発振器を提供することを目的としている。それ故、消費電流を少なくするために、本実施例では、負荷容量Cは25pF以下を用いる。より消費電流を少なくするには、消費電流は負荷容量に比例するので、C=15pF以下が好ましい。又、副振動の周波数を抑え、n対の電極構成で主振動がn次モードの振動する発振器の出力信号が主振動の発振周波数を得るために、α/α>β/βとαβ>1を満足するように本実施例の水晶発振回路は構成される。好ましくは、α/α>1.12を満たすように構成される。但し、α、αは主振動と副振動の増幅回路の増幅率で、β、βは主振動と副振動の帰還回路の帰還率である。
換言するならば、増幅回路の主振動の増幅率αと副振動の増幅率αとの比が帰還回路の副振動の帰還率βと主振動の帰還率βとの比より大きく、かつ、主振動の増幅率αと主振動の帰還率βの積が1より大きくなるように構成される。即ち、消費電流の少ない、出力信号が主振動の発振周波数である水晶発振器が実現できる。更に、高い周波数安定性については後述される。又、出力信号はバッフア回路を介して出力される。
又、本実施例の水晶発振回路を構成する増幅回路の増幅部は負性抵抗−RLでその特性を示すことができる。i=1のとき基本波モード振動(1次モード振動)の負性抵抗で、i=nのときn次モード振動の負性抵抗である。即ち、n=2,3,4,5・・・のとき、2次,3次,4次,5次・・・モード振動の負性抵抗である。本実施例の水晶発振器は、増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように発振回路が構成されている。即ち、|−RL|/R>|−RL|/Rを満足するように回路は構成されている。好ましくは、|−RL|/R>1.12と|−RL|/R<1を満たすように構成される。このように水晶発振回路を構成することにより、副振動の発振起動が抑えられ、その結果、主振動の発振起動が得られるので主振動の発振周波数が出力信号として得られる。同時に、消費電流の少ない水晶発振器が実現できる。
一例として、音叉型屈曲水晶振動子が水晶発振回路に用いられ、その振動子の主振動が基本波モード振動で、副振動が2次高調波モード振動であり、水晶発振回路の出力信号となる基本波モード振動の発振周波数が32.768kHzに対して、−100PPM〜+100PPMの範囲内にある場合に、主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|が70kΩより大きく、消費電流を小さくするために、好ましくは、70kΩ〜285kΩの範囲内にある。また、副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|は133kΩより小さく、副振動の発振起動を抑えるために、好ましくは、70kΩより小さくなる。更に、本実施例の水晶発振回路には輪郭水晶振動子が用いられているが、本発明はこれに限定されるものでなく、輪郭水晶振動子の代わりに、例えば、厚みすべり水晶振動子を含む厚みすべり振動子、又はSAW振動子、又は角速度センサを用いても良い。
また、輪郭水晶振動子の誘導性と電気機械変換効率と品質係数を表すメリット係数Mは、品質係数Q値と容量比rの比(Q/r)によって定義され(i=1のとき基本波モード振動、i=2のとき2次モード振動、i=3のとき3次モード振動)、輪郭水晶振動子の並列容量に依存しない機械的直列共振周波数fと並列容量に依存する直列共振周波数fの周波数差Δfはメリット係数Mに反比例し、その値Mが大きい程Δfは小さくなる。従って、Mが大きい程、輪郭水晶振動子の共振周波数は並列容量の影響を受けないので、振動子の周波数安定性は良くなる。即ち、時間精度の高い輪郭水晶振動子が得られる。
詳細には、前記した振動子形状と電極と振動子寸法の構成により、n対の電極構成によって、主振動がn次モードで振動する輪郭水晶振動子のメリット係数Mが副振動のメリット係数Mより大きくなる。即ち、M>Mとなる。通常、Mは35より大きく、Mは28以下になるように振動部の電極は構成、配置される。即ち、M/Mは1.25より大きくなる。特に、NS−GTカット水晶振動子の場合には、メリット係数比(M/M)が1.25より大きく、かつ、メリット係数Mが94〜119の範囲内に、又は88より小さくなる。更に、音叉型屈曲水晶振動子の場合には、より好ましい主振動となる基本波モード振動のメリット係数Mと副振動となる2次高調波モード振動のメリット係数Mは、M>60、かつ、M<30の関係を有する。即ち、より好ましいメリット係数比(M/M)は2より大きくなる。但し、Mは主振動のメリット係数である。その結果、主振動の周波数安定性が副振動の周波数安定性より良くなると共に、副振動を抑圧することができる。従って、本実施例の輪郭水晶振動子から構成される水晶発振器は主振動の発振周波数が出力信号として得られ、かつ、高い周波数安定性(優れた時間精度)を有する。
上記した輪郭水晶振動子は機械的方法、物理的方法と化学的方法の内の少なくとも1つの方法を用いて形成される。機械的方法では、例えば、GC#1000〜6000などの粒子を用いて振動子は加工される、機械的エッチング法である。物理的方法では、例えば、イオン化した原子、分子を振動子に飛散して加工される、物理的エッチング法である。化学的方法では、フッ化水素酸などを用いて振動子は化学的に加工される、化学的エッチング法である。本発明では、上記方法での加工を総称してエッチング法による加工という。また、上記実施例の輪郭水晶振動子の周波数調整は、原子粒子及び/又は分子粒子、又はイオン粒子による、振動部の金属膜を飛散して周波数の調整をする粒子エッチング法及びスパッタリング法と、振動部の金属膜を飛散して周波数の調整をするレーザビーム法及び電子ビーム法と、振動部に金属膜を付着して周波数の調整をする蒸着法の内の少なくとも1つの方法によって行われる。加えて、輪郭水晶振動子の周波数調整は、少なくとも2回の別々の工程で行われる。即ち、1回は輪郭水晶振動子が水晶ウエハに形成された後に水晶ウエハ内で周波数調整する工程で、1回は輪郭水晶振動子を容器(例えば、ケース又は蓋)の固定部に固定した後に周波数調整する工程で、かつ、1回は輪郭水晶振動子を収納したケースと蓋とを接合部材を介して接合した後に周波数調整する工程である。また、ケース又は蓋が貫通孔を持つ場合には、ケースと蓋とを接合し、貫通孔を真空中で封止した後に周波数調整してもよい。更に、輪郭水晶振動子が水晶ウエハ内に形成された後に、水晶ウエハ内で良振動子か不良振動子かを検査する工程を入れても良い。即ち、不良振動子が存在するときには、不良振動子は水晶ウエハから取り除かれるか、又は振動子に何かマーキングされるか、又は振動子はコンピユタに記憶される。
以上、上記実施例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものではなく、例えば、NS−GTカット水晶振動子、長さ縦水晶振動子、幅縦水晶振動子とラーメ水晶振動子の支持部の形状は上記実施例で述べた形状に限定されるものでなく、本発明の支持部の形状は、接続部を介して振動部と接続されるいかなる形状をも包含するものである。
更に、上記実施例1〜実施例7の輪郭水晶振動子の主振動での容量比rは副振動の容量比rより小さくなるように構成されている。このような構成により、同じ負荷容量Cの変化に対して、主振動で振動する輪郭水晶振動子の周波数変化が副振動で振動する輪郭水晶振動子の周波数変化より大きくなる。即ち、主振動の方が副振動より周波数の可変範囲を広くとることができる。さらに詳細には、例えば、負荷容量C=20pF付近では、そのC値が1pF変わると、主振動の周波数変化は副振動の周波数変化より大きくなる。それ故、主振動では、負荷容量Cの可変量が小さくても、周波数の可変範囲を広くできるという著しい効果を有する。また、上記各実施例の輪郭水晶振動子の主振動での容量比rは大略60から490の範囲内にあり、容量比rは530より大きい値を有する。特に、音叉型屈曲水晶振動子の場合には、副振動となる2次高調波モード振動の容量比rは2500より大きくなる。加えて、上記実施例の輪郭水晶振動子の主振動の等価直列抵抗Rが、副振動の等価直列抵抗Rより小さくなる。例えば、音叉型屈曲水晶振動子の場合には、主振動である基本波モード振動の等価直列抵抗Rが、副振動である2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さくなる。通常、R/R>1.4の関係を満たし、かつ、Rは150kΩより小さく、好ましくは、35kΩ〜95kΩの範囲内にある。また、Rは50kΩより大きく、好ましくは、133kΩより大きくなる。
また、輪郭水晶振動子の主振動と副振動の容量比r、rはそれぞれr=C/C、r=C/Cで与えられる。但し、Cは電気的等価回路の並列容量で、CとCは等価回路の主振動と副振動の等価容量である。即ち、Cは輪郭水晶振動子の2電極端子間の容量である。更に、輪郭水晶振動子の主振動と副振動の品質係数はQ値とQ値で与えられる。そして、前記各実施例の輪郭水晶振動子は、主振動で振動する共振周波数の並列容量による依存性が副振動で振動する共振周波数の並列容量による依存性より小さく成るように構成される。すなわち、r/2Q <r/2Q を満たすように振動部に電極が配置、構成される。この構成により、主振動で振動する共振周波数の並列容量による影響が無視できるほど極めて小さくなるので、高い周波数安定性を有する主振動で振動する輪郭水晶振動子が得られる。又、本発明では、r/2Q とr/2Q をそれぞれSとSと置き、SとSをそれぞれ主振動と副振動の周波数安定係数と呼ぶ。そして、その値が小さい程周波数安定性は良くなる。それ故、S=r/2Q とS=r/2Q で与えられ、S<Sの関係を有する。上記実施例の輪郭水晶振動子では、Sが0.13×10−6より大きい値を有する。例えば、音叉型屈曲水晶振動子では、基本波モード振動が主振動で、2次高調波モード振動が副振動になる。
また、上記実施例の振動子、振動子ユニットと発振器は電子機器に用いられる。例えば、電子機器は少なくとも表示部と発振器を備えて構成されていて、発振器は少なくとも2個の発振器を備えて構成され、2個の発振器の各々は異なる振動モードの振動子、又は振動子と角速度センサ、又は振動子とフィルタを備えて構成される。例えば、1個の発振器は輪郭水晶振動子を備えて構成され、1個の発振器は厚みすべり水晶振動子、又はSAW振動子、又は角速度センサ、又はSAWフィルタを備えて構成される。他の例として、2個の発振器の各々は輪郭水晶振動子を備えて構成され、1個の発振器は音叉型屈曲水晶振動子を備えて構成され、1個の発振器はNS−GTカット水晶振動子、又は長さ縦水晶振動子、又は幅縦水晶振動子、又はラーメ水晶振動子を備えて構成される。更に他の例として、1個の発振器は音叉型屈曲水晶振動子で、1個の発振器は、厚みすべり水晶振動子、NS−GTカット水晶振動子、長さ縦水晶振動子、幅縦水晶振動子とラーメ水晶振動子の内の1つの水晶振動子を備えて構成される。更に具体的な例として、少なくとも表示部と発振器を備えて構成される電子機器で、電子機器は少なくとも2個の発振器を備えて構成されると共に、各発振器は発振回路を備えて構成され、1個の発振回路は、振動部と支持部とを備えて構成される音叉型屈曲水晶振動子とCMOSインバータとキャパシタと抵抗とを備えて構成され、他の1個の発振器は、輪郭水晶振動子、又は厚みすべり水晶振動子、又はSAW振動子、又は角速度センサと増幅器とキャパシタと抵抗とを備えて構成される。
本発明の振動子と振動子ユニットと発振器は超小型で、高い周波数安定性を有するので、特に、超小型で、高い周波数安定性を必要とする携帯機器や民生機器等の電子機器に適用できる。
(a)と(b)は本発明の実施例1の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、NS−GTカット幅・長さ縦結合水晶振動子の上面図と下面図である。 (a)は図1の振動部のA−A′断面図で、(b)は(a)の断面図の厚みT=0の場合である。 (a)と(b)と(c)は本発明の実施例2の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、NS−GTカット水晶振動子の上面図と断面図と断面図である。また、(b)と(c)は、振動部のB−B′断面図である。 (a)と(b)と(c)は本発明の実施例3の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、長さ縦水晶振動子の上面図と断面図と断面図である。また、(b)と(c)は、振動部のC−C′断面図である。 (a)と(b)と(c)は本発明の実施例4の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭振動子の一つである、ラーメ水晶振動子の上面図と断面図と断面図である。また、(b)と(c)は、振動部のD−D′断面図である。 本発明の実施例5の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、幅縦水晶振動子の上面図である。 本発明の実施例6の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、幅縦水晶振動子の上面図である。 (a)と(b)は本発明の実施例7の振動子で、輪郭モードで振動する輪郭水晶振動子の一つである、音叉型屈曲水晶振動子の上面図と音叉腕のE−E′断面図である。 本発明の実施例1の振動子ユニットの断面図である。 本発明の実施例2の振動子ユニットの断面図である。 本発明の実施例1の発振器を構成する発振回路図の一例である。 図11の帰還回路図である。
符号の説明
振動部の幅
振動部の長さ
振動部の厚み
θx1,θy1,θx2,θx3,θy3 角度

Claims (12)

  1. 振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記支持部は前記接続部を介して前記振動部に接続される振動子で、前記振動子は上下面と側面とを有し、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記振動子は一体に形成されていて、前記振動部の上下面の少なくとも一面に溝が設けられ、前記溝とその溝に対抗して極性の異なる電極が配置されていることを特徴とする振動子。
  2. 振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、前記支持部は前記接続部を介して前記振動部に接続される振動子で、前記振動子は上下面と側面とを有し、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記振動子は一体に形成されていて、前記振動部の上下面に対抗して極性の異なる電極が少なくとも3対配置され、上下面に配置された隣接する電極は極性が異なる電極であって、前記少なくとも3対の電極が幅方向に配置されるときには、長さ方向に1対のみの電極が配置され、あるいは、前記少なくとも3対の電極が長さ方向に配置されるときには、幅方向に1対のみの電極が配置され、上面又は下面の同極となる少なくとも2対の電極は、前記電極が配置された面及び/又は側面を介して接続されていることを特徴とする振動子。
  3. 振動部と接続部と支持部とを備えて構成される輪郭振動子で、前記輪郭振動子は水晶から形成される輪郭水晶振動子で、前記輪郭水晶振動子の角度θx1と振動部の寸法比(W
    Figure 2005094734
    ことを特徴とする振動子。
  4. 振動部と支持部とを備えて構成される輪郭モードで振動する輪郭振動子で、前記輪郭振動子は屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子であって、前記音叉型屈曲水晶振動子は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、第1音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、第2音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、かつ、前記第1音叉腕の両側面の電極と前記第2音叉腕の両側面の電極とは極性が異なる電極で、前記音叉型屈曲水晶振動子の主振動である基本波モード振動の等価直列抵抗Rが、副振動である2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、前記主振動のメリット係数Mと前記副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が2より大きく、基本波モード振動と2次高調波モード振動の周波数安定係数S、SがそれぞれS=r/2Q 、S=r/2Q で与えられるとき、S<Sの関係を有し、かつ、Sが0.13×10−6より大きいことを特徴とする振動子。
  5. 振動子とケースと蓋とを備えて構成される振動子ユニットで、
    前記振動子は振動部と支持部とを備えて構成され、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、前記輪郭振動子は表面実装型又は円筒型のケースと蓋とを備えて構成されるユニット内に収納され、
    振動部と支持部とを備えて構成される前記輪郭振動子の振動部に溝とその溝に電極が設けられ、かつ、前記溝の電極に対抗して極性の異なる対抗電極が配置されていて、
    前記輪郭振動子の外形形状と前記溝はエッチング法により形成され、
    前記輪郭振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、主振動のメリット係数Mと副振動のメリット係数Mとのメリット係数比(M/M)が1.25より大きく、かつ、メリット係数Mが94〜119の範囲内、又は88より小さい輪郭振動子を備えていることを特徴とする振動子ユニット。
  6. 振動子と増幅器とコンデンサーと抵抗素子とを備えて構成される発振回路を備えた発振器で、前記増幅器はCMOSインバータで構成され、
    前記振動子は振動部と接続部と支持部とを備えて構成され、輪郭モードで振動する輪郭振動子で、振動部と接続部と支持部とを備えて構成される前記輪郭振動子は、エッチング法により一体に形成され、
    前記輪郭振動子の主振動の等価直列抵抗Rが副振動の等価直列抵抗Rより小さい輪郭振動子を備えて前記発振回路は構成されると共に、
    前記発振回路は増幅回路と帰還回路を備えて構成され、前記発振回路の増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記発振回路は構成されていることを特徴とする発振器。
  7. 振動子と増幅器とコンデンサーと抵抗素子とを備えて構成される発振回路を備えた発振器で、前記振動子は振動部と支持部とを備えて構成される輪郭モードで振動する輪郭振動子で、前記輪郭振動子は、主振動である基本波モード振動と、副振動である2次高調波モード振動を備えた屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子であって、前記音叉型屈曲水晶振動子はケースと蓋から成る振動子ユニットに収納されていて、
    前記発振回路は増幅回路と帰還回路を備えて構成され、前記発振回路の増幅回路の主振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と主振動の等価直列抵抗Rとの比が、増幅回路の副振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と副振動の等価直列抵抗Rとの比より大きくなるように前記発振回路は構成され、
    前記音叉型屈曲水晶振動子は第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、第1音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、第2音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、かつ、前記第1音叉腕の両側面の電極と前記第2音叉腕の両側面の電極とは極性が異なる電極で、
    前記音叉型屈曲水晶振動子の主振動である基本波モード振動の等価直列抵抗Rが、副振動である2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、前記主振動のメリット係数Mと前記副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が1.25より大きく、かつ、メリット係数Mが30より小さく、更に、基本波モード振動と2次高調波モード振動の周波数安定係数S、SがそれぞれS=r/2Q 、S=r/2Q で与えられるとき、S<Sの関係を有し、かつ、Sが0.13×10−6より大きい振動子を備えて前記発振回路は構成されていることを特徴とする発振器。
  8. 音叉腕に中立線を挟んで溝が設けられ、前記溝は第1段差部と第2段差部を有し、中立線に対して音叉の叉部側に位置する第1段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数e′12iの絶対値と、中立線に対して音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数e′12oの絶対値とが、0.095C/mから0.19C/mの範囲内にあり、かつ、e′12i×e′12o>0の関係を有することを特徴とする請求項6に記載の発振器。
  9. 少なくとも表示部と発振器を備えて構成される電子機器で、前記電子機器は少なくとも2個の発振器を備えて構成されると共に、各発振器は発振回路を備えて構成され、1個の発振回路は、振動部と支持部とを備えて構成される音叉型屈曲水晶振動子とCMOSインバータとキャパシタと抵抗とを備えて構成され、他の1個の発振器は、輪郭水晶振動子、又は厚みすべり水晶振動子、又はSAW振動子、又は角速度センサと増幅器とキャパシタと抵抗とを備えて構成されていて、
    前記音叉型屈曲水晶振動子は主振動である基本波モード振動と、副振動である2次高調波モード振動を備えた屈曲モードで振動する音叉型屈曲水晶振動子であって、前記音叉型屈曲水晶振動子はケースと蓋から成る振動子ユニットに収納されていて、
    前記音叉型屈曲水晶振動子を備えて構成される水晶発振回路は、CMOSインバータと帰還抵抗からなる増幅回路と、ドレイン抵抗とキャパシタと音叉型屈曲水晶振動子からなる帰還回路とを備えて構成され、前記水晶発振回路の増幅回路の主振動である基本波モード振動の負性抵抗の絶対値|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比が、増幅回路の副振動である2次高調波モードの負性抵抗の絶対値|−RL|と2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rとの比より大きく、前記水晶発振回路から出力される出力信号は、基本波モード振動の発振周波数で、かつ、前記発振周波数が32.768kHzの周波数に対して、−100PPMから+100PPMの範囲内にあり、
    前記音叉型屈曲水晶振動子の振動部である音叉腕は、第1音叉腕と第2音叉腕を備えて構成され、第1音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、第2音叉腕の両側面に同極と成る電極が配置、接続され、かつ、前記第1音叉腕の両側面の電極と前記第2音叉腕の両側面の電極とは極性が異なる電極であると共に、音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、音叉の叉部側に位置する音叉腕の内側側面の電極との、前記電極間の圧電定数e′12iと、音叉腕の中立線に対して、音叉の叉部側と反対に位置する音叉腕の上下面の少なくとも一面に配置される電極と、音叉の叉部側と反対に位置する音叉腕の外側側面の電極との、前記電極間の圧電定数e′12oとが0.095C/mから0.19C/mの範囲内にあり、かつ、e′12i×e′12o>0の関係を有し、
    前記音叉型屈曲水晶振動子の主振動である基本波モード振動の等価直列抵抗Rが、副振動である2次高調波モード振動の等価直列抵抗Rより小さく、さらに、前記主振動のメリット係数Mと前記副振動のメリット係数Mとの比(M/M)が1.25より大きく、基本波モード振動と2次高調波モード振動の周波数安定係数S、SがそれぞれS=r/2Q 、S=r/2Q で与えられるとき、S<Sの関係を有し、かつ、Sが0.13×10−6より大きい振動子を備えて前記1個の水晶発振回路は構成され、前記水晶発振回路から出力される、基本波モード振動の発振周波数である出力信号を電子機器の基準信号源として用いることを特徴とする電子機器。
  10. 副振動である2次高調波モード振動のメリット係数Mが30より小さいことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
  11. 増幅回路の主振動である基本波モード振動の負性抵抗の絶対値、|−RL|と基本波モード振動の等価直列抵抗Rとの比(|−RL|/R)が1.12より大きく、かつ、副振動である2次高調波モード振動の負性抵抗の絶対値、|−RL|が133kΩより小さいことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の電子機器。
  12. 音叉腕に中立線を挟んで溝が設けられ、前記溝は第1段差部と第2段差部を有し、圧電定数e′12iは中立線に対して音叉の叉部側に位置する第1段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数で、かつ、圧電定数e′12oは中立線に対して音叉の叉部側と反対に位置する第2段差部に配置される電極と、その電極に対抗して配置される音叉腕の側面の電極との前記電極間の圧電定数で、圧電定数e′12iと圧電定数e′12oとが0.12C/mから0.19C/mの範囲内にあることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の電子機器。
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