JP2003226487A - ウインチのブレーキ装置、クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーン - Google Patents

ウインチのブレーキ装置、クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーン

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JP2003226487A
JP2003226487A JP2002026748A JP2002026748A JP2003226487A JP 2003226487 A JP2003226487 A JP 2003226487A JP 2002026748 A JP2002026748 A JP 2002026748A JP 2002026748 A JP2002026748 A JP 2002026748A JP 2003226487 A JP2003226487 A JP 2003226487A
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cooling oil
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pressure
brake
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Itaru Miyazaki
格 宮▲崎▼
Eiji Ishibashi
英治 石橋
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的かつ適切にウインチのディスクを冷却
する。 【解決手段】 温度センサ42によりアウタディスク1
3の温度Tを検出するとともに、フリーフォールスイッ
チ41と圧力スイッチ43に基づいてフリーフォール動
作を検出する。フリーフォールスイッチ41がオンかつ
圧力スイッチ43がオフのとき、温度検出値Tに応じて
電磁比例弁29を切り換え、油圧源28からの圧油をブ
レーキケース11内に供給する。フリーフォールスイッ
チ41がオフまたは圧力スイッチ43がオンのとき、油
圧源28からブレーキケース11内への圧油の供給を禁
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウインチドラムの
フリーフォールを制動するウインチのブレーキ装置、ウ
インチドラムに動力を伝達するウインチのクラッチ装置
およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレー
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のブレーキ装置では、ウインチド
ラムのフリーフォール時にブレーキペダルの操作によっ
てブレーキディスクを押動し、回転中のディスクに摩擦
力を作用させてブレーキ力を発生させるようにしている
(例えば特開平11−130381号公報)。このよう
に回転中のディスクに摩擦力を作用させると、摩擦熱に
よってディスク表面の温度が上昇し、ブレーキ力低下の
原因となる。これを回避するため、上記公報記載の装置
では、ウインチドラムの巻下回転により油圧ポンプを駆
動し、この油圧ポンプからの冷却油をディスクに供給し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の装置では、ウインチドラムの巻下回転により油
圧ポンプを駆動するため、ディスクの温度上昇が小さい
動力巻下時にも冷却油が供給され、非効率である。ま
た、油圧ポンプからの冷却油量はウインチドラムの巻下
回転数によって決定されるため、ディスクに必要量の冷
却油を供給して適切な冷却を行うことは難しい。
【0004】本発明の目的は、効率的かつ適切にディス
クを冷却することができるウインチのブレーキ装置、ク
ラッチ装置およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備
えたクレーンの巻上装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1に記載の
ウインチのブレーキ装置は、動力によって巻上巻下駆動
されるとともに、吊り荷の負荷によってフリーフォール
するウインチドラムと、ウインチドラムの回転を制動す
る制動部材と、ウインチドラムのフリーフォール動作を
検出するフリーフォール検出手段と、油圧源から制動部
材に冷却油を供給する冷却油供給手段と、フリーフォー
ル検出手段によりフリーフォール動作が検出されると制
動部材に供給される冷却油量を増加させ、フリーフォー
ル検出手段によりフリーフォール停止が検出されると制
動部材に供給される冷却油量を減少させるように冷却油
供給手段を制御する冷却油制御手段とを備えることによ
り上述した目的を達成する。 (2)請求項2の発明によるウインチのブレーキ装置
は、動力によって巻上巻下駆動されるとともに、吊り荷
の負荷によってフリーフォールするウインチドラムと、
ウインチドラムの回転を制動する制動部材と、制動部材
の発熱状態を検出する発熱検出手段と、ウインチドラム
のフリーフォール動作を検出するフリーフォール検出手
段と、油圧源から制動部材に冷却油を供給する冷却油供
給手段と、フリーフォール検出手段によりフリーフォー
ル動作が検出されると、発熱検出手段により検出された
発熱状態に応じて前記制動部材に供給される冷却油量を
制御し、フリーフォール動作以外では制動部材に供給さ
れる冷却油量を少なくともフリーフォール動作検出時に
供給される冷却油量よりも減少させる冷却油制御手段と
を備えることにより上述した目的を達成する。 (3)請求項3の発明によるウインチのブレーキ装置
は、動力によって巻上巻下駆動されるとともに、吊り荷
の負荷によってフリーフォールする複数のウインチドラ
ムと、複数のウインチドラムに対応してそれぞれ設けら
れ、ウインチドラムの回転を制動する複数の制動部材
と、複数の制動部材の発熱状態をそれぞれ検出する発熱
検出手段と、複数のウインチドラムのフリーフォール動
作をそれぞれ検出するフリーフォール検出手段と、油圧
源から複数の制動部材にそれぞれ冷却油を分配して供給
する冷却油供給手段と、フリーフォール検出手段により
複数のウインチドラムのフリーフォール動作が検出され
ると、発熱検出手段により検出された発熱状態に応じて
油圧源から複数の制動部材に分配される冷却油量を制御
し、複数のウインチドラムの少なくとも1つがフリーフ
ォール動作以外のとき、そのウインチドラムに対応する
制動部材に供給される冷却油量を少なくともフリーフォ
ール動作検出時に供給される冷却油量よりも減少させる
冷却油制御手段とを備えることにより上述した目的を達
成する。 (4)請求項4の発明は、請求項2〜4のいずれか1項
記載のウインチのブレーキ装置において、フリーフォー
ル動作を指令するフリーフォール指令手段と、ウインチ
ドラムの巻上または巻下駆動を指令するドラム指令手段
とを備え、フリーフォール検出手段が、フリーフォール
指令手段とドラム指令手段からの指令に基づいてフリー
フォール動作を検出するものである。 (5)請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか1項
記載のウインチのブレーキ装置において、発熱状態検出
手段が、制動部材の温度を検出する温度検出手段を有
し、検出された温度に応じて発熱状態を検出するもので
ある。 (6)請求項6の発明は、請求項2〜4のいずれか1項
記載のウインチのブレーキ装置において、発熱状態検出
手段が、冷却油の温度を検出する油温検出手段を有し、
検出された冷却油温度に応じて発熱状態を検出するもの
である。 (7)請求項7の発明は、請求項2〜4のいずれか1項
記載のウインチのブレーキ装置において、発熱状態検出
手段が、制動部材による制動を解除する解除圧を検出す
る圧力検出手段と、ウインチドラムの回転数を検出する
回転数検出手段とを有し、検出された冷却油圧力とドラ
ム回転数に応じて発熱状態を検出するものである。 (8)請求項8の発明によるウインチのクラッチ装置
は、請求項1に記載のウインチドラムと、制動部材と、
フリーフォール検出手段と、冷却油供給手段と、冷却油
制御手段とを備え、制動部材を介してウインチドラムに
動力を伝達/非伝達するようにしたことにより上述した
目的を達成する。 (9)請求項9の発明によるウインチのクラッチ装置
は、請求項2〜7のいずれか1項記載のウインチドラム
と、制動部材と、発熱検出手段と、フリーフォール検出
手段と、冷却油供給手段と、冷却油制御手段とを備え、
制動部材を介してウインチドラムに動力を伝達/非伝達
するようにしたことにより上述した目的を達成する。 (10)請求項10の発明によるクレーンは、請求項1
〜7のいずれか1項記載のブレーキ装置を備えたことに
より上述した目的を達成する。 (11)請求項11の発明によるクレーンは、請求項8
または9に記載のクラッチ装置を備えたことにより上述
した目的を達成する。
【0006】
【発明の実施の形態】−第1の実施の形態− 以下、図1〜図3、図11を参照して本発明によるブレ
ーキ装置の第1の実施の形態について説明する。図1
は、本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ装置を有
するウインチの油圧回路図であり、図11はこのブレー
キ装置を搭載したクレーンの側面図である。図11に示
すように、クレーンは、走行体101と、走行体101
上に搭載された旋回可能な旋回体102と、旋回体10
2に起伏可能に支持されたブーム103とを有する。旋
回体102にはウインチドラム1が搭載され、ウインチ
ドラム1の駆動によりワイヤロープ104が巻上げまた
は巻下げられ、ワイヤロープ104に接続されたフック
105により吊り荷106が吊り上げられる。また、旋
回体102には起伏ドラム107が搭載され、起伏ドラ
ム107の駆動により起伏ロープ108が巻上げまたは
巻下げられ、ブーム103が起伏される。
【0007】図1に示すように、ウインチは、ウインチ
ドラム1と、ウインチドラム1を駆動する油圧モータ2
と、油圧モータ2に駆動圧油を供給する油圧ポンプ3
と、油圧ポンプ3から油圧モータ2への圧油の流れを制
御する方向制御弁4と、油圧モータ2の駆動力をウイン
チドラム1に伝達する遊星減速機構5と、ウインチドラ
ム1の回転を制動または油圧モータ2の駆動を伝達,非
伝達にする湿式多板式のブレーキ装置10とを有する。
【0008】油圧モータ2の出力軸2aは遊星減速機構
5のサンギア51に連結されている。サンギア51には
プラネタリギア52が噛合され、プラネタリギア52に
はウインチドラム1の内側に設けられたリングギア53
が噛合されている。プラネタリギア52はキャリア軸5
4により支持され、キャリア軸54はブレーキケース1
1の側壁を貫通してケース11内に達している。
【0009】ブレーキケース11内の要部(主に下部)
構造を図2に示す。キャリア軸54には複数枚のインナ
ディスク12がスプライン結合により軸方向に移動可能
に係合され、インナディスク12はキャリア軸54と一
体に回転可能となっている。ブレーキケース11の内周
面には複数枚のアウタディスク13がスプライン結合に
より軸方向に移動可能に係合されている。アウタディス
ク13とインナディスク12は軸方向に交互に配置さ
れ、これらディスク12,13の両端部、すなわち軸方
向の最も外側にはアウタディスク13が配置されてい
る。ディスク12,13の側方にはブレーキピストン1
4が配置され、ブレーキピストン14はブレーキケース
11内を軸方向に摺動可能となっている。
【0010】図1に示すように、ブレーキピストン14
には油圧シリンダ15のピストン16が取り付けられて
いる。ブレーキピストン14とブレーキケース11の間
には、軸方向に付勢力を及ぼすばね17が介装されてい
る。油圧シリンダ15の油室15aは、管路21、減圧
弁22、電磁切換弁23を介して油圧ポンプ24に接続
されている。減圧弁22は可変減圧弁であり、その減圧
度はブレーキペダル25の踏み込み量に応じて変更され
る。すなわち、ペダル非操作時に減圧度は最小(2次圧
は最大)であり、ペダルストロークの増加に伴い減圧度
は増加(2次圧は減少)し、ペダル25を最大に踏み込
み操作すると減圧度は最大(2次圧はタンク圧)にな
る。なお、図はブレーキペダル25を最大に踏み込んだ
状態を示している。
【0011】油室15a内に最大2次圧が作用するとピ
ストン16はばね17の付勢力に抗してディスク12,
13の反対側に押動される。これによってディスク1
2,13に作用する圧接力が除去され、ブレーキ解除状
態となる。一方、油室15aがタンク圧のとき、ピスト
ン16はばね17の付勢力によってディスク12,13
側に押動される。これによってインナディスク12とア
ウタディスク13が押圧されて両者は密着し、ブレーキ
作動状態となる。
【0012】電磁切換弁23のソレノイドはフリーフォ
ールスイッチ41に接続されている。フリーフォールス
イッチ41は運転室での操作によって切り換えられる。
フリーフォールスイッチ41がオンのとき、電磁切換弁
23は図示のように位置ロに切り換えられる。これによ
り、油圧ポンプ24から油室15aへの圧油の供給が可
能となる。フリーフォールスイッチ41がオフのとき、
電磁切換弁23は位置イに切り換えられ、油室15aへ
の圧油の供給が禁止される。
【0013】図1,図2に示すように、ブレーキケース
11の側端部には給油孔11aが設けられ、ディスク1
2,13を挟んで給油孔11aの反対側のブレーキケー
ス11の底部には排油孔11bが設けられている。給油
孔11aは管路26、油圧切換弁27を介して油圧源
(例えば油圧ポンプ)28に接続され、排油孔11bは
タンクに接続されている。
【0014】油圧切換弁27のパイロットポートは電磁
比例減圧弁29を介してパイロット油圧源30に接続さ
れ、油圧切換弁27の切換量は電磁比例弁29の減圧度
に応じて調整される。油圧切換弁29にパイロット圧が
作用すると、油圧切換弁29が位置ロ側に切り換えられ
る。この切換により油圧源28からの圧油が給油孔11
aを介してブレーキケース11内に供給される。供給さ
れた圧油はブレーキケース内を通過後、排油孔11bを
介してタンクに戻され、これによってブレーキケース1
1内のディスク12,13が冷却される。油圧切換弁2
7へのパイロット圧の供給が停止すると油圧切換弁27
は位置イに切り換えられる。これにより油圧源28から
ブレーキケース11内への圧油の供給が阻止される。な
お、油圧源28からの圧油は油圧切換弁27を介して他
の制御弁にも供給される。電磁比例弁29の減圧度はコ
ントローラ40からの制御信号によって後述するように
制御される。
【0015】アウタディスク13には温度センサ42が
設けられ、この温度センサ42によってアウタディスク
13の温度が検出される。ここで検出される温度は、デ
ィスク12,13の発熱状態を示す代表温度である。方
向制御弁4の巻上および巻下パイロット管路には圧力ス
イッチ43が接続され、この圧力スイッチ43によって
操作レバー6の操作が検出される。コントローラ40は
フリーフォールスイッチ41と温度センサ42と圧力ス
イッチ43からの信号を取り込んで以下のような処理を
実行し、電磁比例弁29のソレノイドに制御信号を出力
する。
【0016】図3は第1の実施の形態に係わるコントロ
ーラ40での処理の一例を示すフローチャートである。
このフローチャートは例えばエンジンキースイッチのオ
ンによってスタートする。まず、ステップS1でフリー
フォールスイッチ41がオンか否かを判定する。ステッ
プS1が肯定されるとステップS2に進み、圧力スイッ
チ43がオンか否かを判定する。フリーフォール運転は
フリーフォールスイッチ41がオン、かつ、操作レバー
6が中立のときになされ、ステップS1,ステップS2
ではフリーフォール運転か否かを判定する。フリーフォ
ール運転と判定されるとステップS2が肯定されてステ
ップS3に進む。
【0017】ステップS3では、予めコントローラ40
に記憶された温度検出値Tと電磁比例弁29の減圧度と
の関係を用い、温度センサ42の検出値Tに対応した減
圧度を演算する。この場合、コントローラ40には温度
検出値Tの増加に伴い減圧度が小さく(2次圧が比例的
に大きく)なるような関係が記憶されいる。次いで、ス
テップS4に進み、この演算された減圧度に対応した制
御信号Iを電磁比例弁29のソレノイドに出力する。こ
れによって、電磁比例弁29の減圧度が温度検出値Tに
応じた値に制御される。
【0018】一方、ステップS1またはステップS2の
いずれかが否定されると、フリーフォール運転ではない
と判定されてステップS5に進む。ステップS5では、
電磁比例減圧弁29の減圧度が最大となるように電磁比
例弁29のソレノイドに所定の制御信号IL(ロー信
号)を出力する。これにより電磁比例弁29は最大減圧
度に制御され、2次圧は例えばタンク圧となる。
【0019】以上のように構成された第1の実施の形態
に係わるブレーキ装置の主要な動作を説明する。 (1)フリーフォールスイッチオフ フリースイッチ41がオフのときは、電磁切換弁23は
位置イに切り換えられる。この切換により油圧シリンダ
15の油室15aはブレーキペダル25の操作に拘わら
ずタンク圧となり、ブレーキピストン14はばね17の
付勢力によってディスク12,13側に押動される。こ
れによってアウタディスク13とインナディスク12が
互いに圧接され、インナディスク12に摩擦力が作用し
て、インナディスク12の回転が阻止される(ブレーキ
作動)。
【0020】このようにしてブレーキ装置10が作動す
ると、キャリア軸54の回転が阻止され、油圧モータ2
の回転はサンギア51、プラネタリギア52、リングギ
ア53を介してウインチドラム1に伝達可能となる。こ
こで、操作レバー6を巻上または巻下操作して方向切換
弁4のパイロットポートにパイロット圧油を作用させる
と、方向切換弁4が中立位置から切り換えられ、油圧ポ
ンプ3からの圧油によって油圧モータ2が巻上または巻
下方向に回転する。これにより、ウインチドラム1が巻
上または巻下駆動され、吊り荷の巻上作業などを行うこ
とができる。操作レバー6を中立位置に戻し操作する
と、方向切換弁4が中立位置に戻され、油圧ポンプ3か
ら油圧モータ2への圧油の供給が停止する。これによ
り、ウインチドラム1の回転が停止する。なお、操作レ
バー6の中立操作によらず、ブレーキ装置10とは別の
ブレーキ装置(不図示)によりウインチドラム1の回転
を停止させてもよい。
【0021】フリーフォールスイッチ41がオフでは、
前述した処理(ステップS5)により電磁比例弁29は
最大減圧度に制御され、油圧切換弁27のパイロットポ
ートに最小2次圧(タンク圧)が作用する。これによっ
て油圧切換弁27は位置イに切り換えられ、油圧源28
からブレーキケース11内への圧油の供給が阻止され
る。その結果、消費動力が低減され、燃費が向上する。
【0022】(2)フリーフォールスイッチオン フリーフォールスイッチ41をオンすると電磁切換弁2
3が位置ロに切り換えられる。これにより油圧ポンプ2
4からの圧油が電磁切換弁23を介して減圧弁22に供
給され、油室15aにはブレーキペダル25の操作量に
応じた2次圧が作用する。ブレーキペダル25が非操作
では2次圧は最大であり、ピストン16に作用する油圧
力がばね17の付勢力に打ち勝って、ブレーキピストン
14はディスク12,13の反対側に移動する。その結
果、ディスク12,13に作用する圧接力が除去され、
インナディスク12は回転可能となる(ブレーキ解
除)。
【0023】ブレーキ解除時に操作レバー6の中立操作
によって油圧モータ2の回転を停止すると、キャリア軸
54の回転が許容され、ウインチドラム1は吊り荷の負
荷によって自由回転状態となり、吊り荷をフリーフォー
ルすることができる。この状態でブレーキペダル25を
踏み込み操作すると、その操作量に応じて2次圧が減少
し、ペダル25を最大に踏み込み操作したとき2次圧は
タンク圧となる。その結果、ばね17の付勢力によって
ブレーキピストン14が押動され、ディスク12,13
同士が圧接される。これにより、フリーフォール中にウ
インチドラム1の回転を停止させることができる。
【0024】フリーフォール時には操作レバー6は中立
位置にあり、圧力スイッチ43がオフされる。その結
果、上述した処理(ステップS4)により電磁比例弁2
9の減圧度が制御され、油圧切換弁27は温度検出値T
に応じて位置ロ側に切り換えられる。この切換により油
圧源28からブレーキケース11内に圧油が供給され、
ディスク12,13が冷却される。この場合、ディスク
13の温度Tが高い程、ブレーキケース11内に供給さ
れる圧油量が増大する。その結果、ディスク12,13
を効率的に冷却することができる。
【0025】フリーフォールスイッチオン時に、ブレー
キペダル25を踏み込み操作した状態で操作レバー6を
巻上または巻下操作すると、ブレーキ装置10が作動す
るとともに油圧ポンプ3からの圧油が油圧モータ2へ供
給され、ドラム1が巻上または巻下駆動される。すなわ
ち、フリーフォールスイッチ41がオンであっても圧力
スイッチがオフでない場合、巻下または巻上動作は可能
である。このとき、上述した処理(ステップS2→ステ
ップS5)によって、電磁比例弁29は最大減圧度とな
り、油圧切換弁27は位置イに切り換えられるので、フ
リーフォール時以外にブレーキケース11内に無駄に冷
却油が供給されることを防止できる。
【0026】なお、上記実施の形態では、フリーフォー
ルスイッチ41がオフのとき、油圧切換弁27のパイロ
ットポートにタンク圧を作用させてブレーキケース11
内への圧油の供給を禁止するようにしたが、最小2次圧
がタンク圧より大きくなるように電磁比例弁29の最大
減圧度を設定し、油圧源28からの圧油を少量だけブレ
ーキケース11内に導くようにしてもよい。
【0027】このように第1の実施の形態によると、フ
リーフォールスイッチ41がオン、かつ、圧力スイッチ
43がオフのときフリーフォール作業と判定し、ブレー
キケース11内に冷却油を供給するようにしたので、デ
ィスク12,13の冷却が必要でない場合に無駄に冷却
油が供給されることなく、効率的である。また、ディス
ク13の温度に応じて冷却油量を増減するようにしたの
で、ディスク12,13を適切に冷却することができ
る。すなわちディスク12,13が高温時には冷却油量
を増加させてディスク12,13の温度を即座に下げる
ことができるとともに、低温時には冷却油量を減少させ
てブレーキケース11内に必要以上に冷却油を供給する
ことを防止できる。
【0028】−第2の実施の形態− 図4、5を参照して本発明によるブレーキ装置の第2の
実施の形態について説明する。第2の実施の形態が第1
の実施の形態と異なるのは、ブレーキケース11内に供
給される冷却油量の調整方法である。すなわち、第1の
実施の形態では、アウタディスク13の温度に基づいて
冷却油量を制御するようにしたが、第2の実施の形態で
は、ウインチドラム1の回転数と油圧シリンダ15に供
給されるブレーキ解除圧とに基づいて冷却油量を制御す
る。図4は第2の実施の形態に係わるブレーキ装置を有
するウインチの油圧回路図である。なお、図1と同一の
箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違点を主に
説明する。
【0029】図4に示すように、第2の実施の形態にお
いては、ブレーキケース11の給油孔11aは管路26
を介して油圧ポンプ32に接続されている。油圧ポンプ
32はエンジン(不図示)の出力軸に連結され、エンジ
ン回転によって駆動される。油圧ポンプ32は可変容量
ポンプであり、その傾転角は傾転シリンダ33により変
更される。傾転シリンダ33は電磁切換弁34を介して
油圧ポンプ24に接続されている。
【0030】電磁切換弁34はコントローラ40からの
制御信号I(ロー信号IL,ハイ信号IH)によって切り
換えられ、この切換に応じて傾転シリンダ33が駆動さ
れる。すなわち電磁切換弁34のソレノイドにハイ信号
Iが出力されると電磁切換弁34は位置ロに切り換えら
れる。これによって傾転シリンダ33に圧油が作用し、
ポンプ傾転角qが増大する。一方、電磁切換弁34のソ
レノイドにロー信号ILが出力されると電磁切換弁34
は位置イに切り換えられる。これによって傾転シリンダ
33にはタンク圧が作用し、ポンプ傾転角qが減少す
る。
【0031】ウインチドラム1の近傍には、ウインチド
ラム1の回転数NDを検出するドラム回転数センサ44
が設けられ、エンジンにはエンジン回転数NEを検出す
るエンジン回転数センサ46が設けられている。油圧シ
リンダ15の油室15aに接続する管路21には、管路
21内の圧力(ブレーキ解除圧)Pを検出する圧力セン
サ45が設けられている。これらセンサ44〜46とフ
リーフォールスイッチ41と圧力スイッチ43はコント
ローラ40に接続されている。コントローラ40はこれ
らからの信号を取り込んで以下のような処理を実行し、
電磁切換弁34に制御信号Iを出力する。
【0032】図5は第2の実施の形態に係わるコントロ
ーラ40での処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図3と同一の処理には同一の符号を付し、以下で
はその相違点を主に説明する。図5に示すように、ステ
ップS1、ステップS2がともに肯定されるとステップ
S11に進む。ステップS11ではドラム回転数センサ
46により検出されたドラム回転数NDと圧力センサ4
5により検出されたブレーキ解除圧Pに基づいてブレー
キ発熱量Hを演算する。ブレーキ発熱量とは、フリーフ
ォール中のドラム1をブレーキペダル25の操作によっ
て停止させる際にディスク12,13に発生する予想発
熱量である。フリーフォール中にドラム1を停止させる
場合、ドラム回転数NDの増加およびブレーキ解除圧P
の減少に伴いブレーキ力が大きくなりブレーキ発熱量H
が増加する。ブレーキ発熱量は、例えばH=A×ND/
Pで演算される。ここで、Aは定数である。
【0033】次のステップS12では、ステップS11
で演算されたブレーキ発熱量Hに対応する必要冷却流量
Qを演算する。必要冷却流量Qとは、ディスク12,1
3を十分に冷却するために単位時間当たりに必要とされ
る冷却流量である。コントローラ40には、予めブレー
キ発熱量Hの増加に伴い必要冷却流量Qが大きくなるよ
うな関係(例えば比例関係)が記憶されており、この関
係を用いてブレーキ発熱量Hに応じた必要冷却流量Qを
演算する。次いで、ステップS13に進み、必要冷却油
量Qをエンジン回転数センサ46からの信号ND、すな
わちポンプ回転数で除算して目標ポンプ傾転角qAを算
出する。
【0034】ステップS14では、ポンプ傾転角qが目
標ポンプ傾転角qAとなるように電磁切換弁34に制御
信号Iを出力し、電磁切換弁34を切換制御する。これ
により傾転シリンダ33に作用する圧力が調整され、ポ
ンプ傾転角qが目標ポンプ傾転角qAに制御される。な
お、ポンプ傾転角qの制御にあたっては、例えば傾転シ
リンダ33の圧力を検出し、この圧力が目標ポンプ傾転
角qAに応じた値となるように電磁切換弁34をフィー
ドバック制御すればよい。一方、ステップS1またはス
テップS2のいずれかが否定されるとステップS15に
進み、電磁切換弁34へ制御信号ILを停止する。これ
により、電磁切換弁34は位置イに切り換えられ、傾転
シリンダ33にタンク圧が作用して、ポンプ傾転角qは
最小傾転となる。
【0035】次に、第2の実施の形態の主要な動作につ
いて説明する。なお、以下では第1の実施の形態との相
違点を主に説明する。フリーフォールスイッチ41がオ
フまたは圧力スイッチ43がオンのとき、前述した処理
(ステップS15)により、油圧ポンプ32の傾転角q
は最小となる。その結果、油圧ポンプ32からブレーキ
ケース11内へ供給される冷却油量は最小となり、消費
動力を低減することができる。
【0036】フリーフォールスイッチ41がオンかつ圧
力スイッチ43がオフのとき、前述した処理(ステップ
S14)によりポンプ傾転角qは目標ポンプ傾転角qA
に制御され、ブレーキケース11内には必要冷却油量Q
が供給される。この場合、ブレーキペダル25の非操作
時にはブレーキが解除され、管路21内のブレーキ解除
圧Pは最大であるため、ブレーキ発熱量Hは小さい。そ
の結果、コントローラ40内で演算される必要冷却油量
Qは小さく、消費動力を低減することができる。
【0037】フリーフォール時にブレーキペダル25を
操作すると、ブレーキ解除圧Pが増加し、ブレーキが作
動する。これにより、ブレーキ発熱量Hが増加して必要
冷却油量Qが増加する。その結果、ブレーキケース11
内に供給される冷却油量も増加し、ブレーキ作動時のデ
ィスク12,13の発熱を抑えることができる。この場
合、ドラム1の回転数NDが大きいほど、また、ブレー
キ解除圧Pが小さいほど、ブレーキ発熱量Hは大きくな
るため、必要冷却油量Qは大きくなり、ディスク12,
13を効率的に冷却することができる。なお、ドラム停
止時(ND=0)に冷却流量を即座に最小値まで減少さ
せずに、所定時間経過後にまたは徐々に冷却流量を減少
させるようにしてもよい。
【0038】このように第2の実施の形態によると、フ
リーフォール時にドラム回転数NDとブレーキ解除圧P
に基づいてブレーキ発熱量Hを演算し、このブレーキ発
熱量Hに応じた冷却油量Qをブレーキケース11内に供
給するようにしたので、ケース11内には適量の冷却油
が供給され、ディスク12,13を効率的に冷却するこ
とができる。また、フリーフォール時以外でもブレーキ
ケース11内に最小量の冷却油を供給するようにしたの
で、フリーフォール後、ドラム1が停止した場合でもデ
ィスク12,13を冷却することができる。
【0039】なお、第2の実施の形態では、油圧ポンプ
32の傾転角qを制御するようにしたが、第1の実施の
形態と同様、管路26に油圧切換弁27を設け、電磁比
例弁29の減圧度を制御してブレーキケース11内に必
要冷却油量Qを供給するようにしてもよい。また、フリ
ーフォール時以外にもブレーキケース11内に最小量の
冷却油を供給するようにしたが、フリーフォール時以外
に冷却油の供給を禁止するようにしてもよい。
【0040】−第3の実施の形態− 図6を参照して本発明によるブレーキ装置の第3の実施
の形態について説明する。第3の実施の形態が第1の実
施の形態と異なるのは、ブレーキケース11内に供給さ
れる冷却油量の調整方法である。図6は第3の実施の形
態に係わるブレーキ装置を有するウインチの油圧回路図
である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付
し、以下ではその相違点を主に説明する。
【0041】図6に示すように、第3の実施の形態で
は、温度センサ42は用いられず、フリーフォールスイ
ッチ41と圧力スイッチ43はディレイリレー47に接
続されている。ディレイリレー47は、フリーフォール
スイッチ41がオン、かつ、圧力スイッチ43がオフの
ときリレー接点はオンし、それ以外の条件ではオフする
ように構成されている。そして、リレーのオン条件が成
立するとリレー接点は即座にオンし、オフ条件が成立す
るとリレー接点は所定時間t(例えば20〜30秒)遅
れてオフする。ディレイリレー47からの信号は電磁比
例弁29に出力され、これにより電磁比例弁29の減圧
度が変更される。
【0042】第3の実施の形態の特徴的な動作を説明す
る。フリーフォールスイッチ41がオン、かつ、圧力ス
イッチ43がオフされるとディレイリレー47が即座に
オンし、電磁比例弁29のソレノイドにハイ信号IHが
出力される。これにより油圧源30からのパイロット圧
が油圧切換弁27のパイロットポートに作用し、油圧切
換弁27は位置ロに切り換えられる。その結果、油圧源
28からの圧油がブレーキケース11内に供給され、フ
リーフォール時にディスク12,13が冷却される。
【0043】一方、フリーフォールスイッチ41がオ
フ、または、圧力スイッチ43がオンされると、所定時
間t後にディレイリレー47がオフする。ディレイリレ
ー47がオフすると電磁比例弁29にロー信号ILが出
力される。これにより油圧切換弁27が位置イに切り換
えられ、ブレーキケース11内への圧油の供給が阻止さ
れる。この場合、リレー接点の切換遅れによりブレーキ
解除時から所定時間tだけブレーキケース内に冷却油が
供給される。その結果、ブレーキ解除直後にディスク1
2,13の温度が高い場合にも、ディスク12,13を冷
却することができる。
【0044】このように第3の実施の形態によると、フ
リーフォールスイッチ41と圧力スイッチ43の信号を
ディレイリレー47に取り込み、フリーフォール時にリ
レー47をオンしてブレーキケース11内へ冷却油を供
給するようにしたので、コントローラ40が不要であ
り、安価に構成することができる。また、フリーフォー
ル時以外に所定時間t遅れてリレー47をオフするよう
にしたので、フリーフォール後もコントローラ11内に
冷却油が供給され、ディスク12,13を十分に冷却す
ることができる。なお、油圧源28を第2の実施の形態
と同様に可変ポンプによって構成し、リレー47からの
信号によりポンプ傾転角qを変更するようにしてもよ
い。
【0045】−第4の実施の形態− 図7、8を参照して本発明によるブレーキ装置の第4の
実施の形態について説明する。第4の実施の形態が第1
の実施の形態と異なるのは、ブレーキケース11内に供
給される冷却油量の調整方法である。図7は第4の実施
の形態に係わるブレーキ装置を有するウインチの油圧回
路図である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を
付し、以下ではその相違点を主に説明する。
【0046】図7に示すように、第4の実施の形態にお
いては、油圧切換弁27のパイロットポートは、電磁切
換弁35を介して油圧源30に接続されている。電磁切
換弁35はコントローラ40からの制御信号(ロー信号
IL,ハイ信号IH)によって切り換えられる。すなわ
ち、電磁切換弁35のソレノイドにロー信号ILが出量
されると電磁切換弁35は位置イに切り換えられ、ハイ
信号IHが出力されると電磁切換弁35は位置ロに切り
換えられる。
【0047】図8は第4の実施の形態に係わるコントロ
ーラ40内で実行される処理の一例を示すフローチャー
トである。なお、図3と同一の箇所には同一の符号を付
し、以下ではその相違点を主に説明する。図8に示すよ
うに、ステップS1、ステップS2がともに肯定される
とステップS21に進む。ステップS21では温度セン
サ42の検出値Tが予め定めた所定値Tsより大きいか
否かを判定する。ここで、所定値Tsとは、ディスク1
2,13の冷却の要否を判定する基準値であり、ディス
ク12,13の耐熱性や冷却油の温度特性等を考慮して
決定される。
【0048】ステップS21が肯定されるとステップS
22に進み、電磁切換弁35のソレノイドにロー信号I
Lを出力する。これにより電磁切換弁35が位置イに切
り換えられ、油圧切換弁27のパイロットポートに油圧
源30からのパイロット圧が作用する。一方、ステップ
S1、ステップS2、ステップS21のいずれかが否定
されるとステップ23に進み、電磁切換弁35のソレノ
イドにハイ信号IHを出力する。これにより電磁切換弁
35が位置ロに切り換えられ、油圧源30からのパイロ
ット圧の供給が阻止される。
【0049】第4の実施の形態において、フリーフォー
ルスイッチ41がオン、かつ、圧力スイッチ43がオフ
のとき、ディスク13の温度が所定値Tsを越えると前
述した処理(ステップS22)によって電磁切換弁35
が位置イに切り換えられ、油圧切換弁27に油圧源30
からのパイロット圧が作用する。これによって図7に示
すように油圧切換弁27が位置ロに切り換えられ、ブレ
ーキケース11内に油圧源28からの冷却油が供給され
て、ディスク12,13が冷却される。ディスク13の
温度が所定値Ts以下になると前述した処理(ステップ
S23)によって電磁切換弁が位置ロに切り換えられ、
油圧源30からのパイロット圧の供給が停止する。これ
によって油圧切換弁27が位置イに切り換えられ、ブレ
ーキケース11内への冷却油の供給が阻止される。
【0050】このように第4の実施の形態では、フリー
フォールスイッチ41がオン、圧力スイッチ43がオフ
の状態で、ディスク13の温度が所定値Tsを越えたと
きにブレーキケース11内に冷却油を供給するようにし
たので、冷却油の供給を効率的に行うことができ、ま
た、制御も容易である。なお、フリーフォール時以外で
あっても温度検出値Tが所定値Ts以上のときはブレー
キケース11内に油圧源28からの最小流量を供給する
ように、油圧切換弁27の切換量を調整してもよい。
【0051】−第5の実施の形態− 図9、10を参照して本発明によるブレーキ装置の第5
の実施の形態について説明する。第1〜第4の実施の形
態では、1台のブレーキ装置に冷却油を供給するように
構成したが、第5の実施の形態では、2台のブレーキ装
置にそれぞれ冷却油を供給する。すなわち、第5の実施
の形態に係わるウインチは主巻ウインチ用ドラム1Aと
補巻ウインチ用ドラム1Bを有し、その各ドラム1A,
1Bにそれぞれ主巻ウインチ用ブレーキ装置10Aと補
巻ウインチ用ブレーキ装置10Bが設けられる。
【0052】図9は第5の実施の形態に係わるブレーキ
装置を有するウインチの油圧回路図である。なお、図7
と同一の箇所には同一の符号を付し、以下ではその相違
点を主に説明する。図8に示すように、主巻用ブレーキ
装置10Aの給油孔11aは管路26A、電磁切換弁3
6、電磁切換弁37を介して油圧源38に接続され、補
巻用ブレーキ装置10Bの給油孔11aは管路26B、
電磁切換弁36、電磁切換弁37を介して油圧源38に
接続されている。
【0053】電磁切換弁36は3位置切換弁であり、コ
ントローラ40からの制御信号によって切り換えられ
る。電磁切換弁36が位置イに切り換えられると、電磁
切換弁37を通過した圧油が管路26Aに導かれる。電
磁切換弁36が位置ロに切り換えられると、電磁切換弁
37を通過した圧油が管路26Bに導かれる。電磁切換
弁10Aが中立位置に切り換えられると、電磁切換弁3
7を通過した圧油は管路26Aと26Bにそれぞれ等し
く分配される。電磁切換弁37はコントローラ40から
の制御信号によって切り換えられる。
【0054】電磁切換弁37はコントローラ40からの
制御信号によって切り換えられる。電磁切換弁37が位
置イに切り換えられると、油圧源38からの圧油が電磁
切換弁36に導かれる。電磁切換弁37が位置ロに切り
換えられると、油圧源38からの圧油は電磁切換弁36
に導かれることなく、タンクに戻される。
【0055】図10は第5の実施の形態に係わるコント
ローラ40内で実行される処理の一例を示すフローチャ
ートである。まず、ステップS31で主巻ウインチ用フ
リーフォールスイッチ41Aと圧力スイッチ43Aから
の信号を読み込み、フリーフォールスイッチ41Aがオ
ン、かつ、圧力スイッチAがオフか否かを判定する。こ
れは主巻ウインチのフリーフォール運転を判定する処理
であり、ステップS31が肯定されるとステップS32
に進む。ステップS32では、補巻ウインチ用フリーフ
ォールスイッチ41Bと圧力スイッチ43Bからの信号
を読み込み、フリーフォールスイッチ41Bがオン、か
つ、圧力スイッチ43Bがオフか否かを判定する、これ
は補巻ウインチのフリーフォール運転を判定する処理で
あり、ステップS32が肯定されるとステップS33に
進む。
【0056】ステップS33では主巻ウインチ用温度セ
ンサ42Aと補巻ウインチ用温度センサ42Bからの信
号をそれぞれ読み込み、温度センサ42Aの検出値TA
および温度センサ42Bの検出値TBの少なくとも一方
が予め定めた所定値TSより大きいか否かを判定する。
ここで、所定値TSとはディスク12,13の冷却の要否
を判定するための基準値である。ステップS33が肯定
されるとステップS34に進み、ステップS33が否
定、すなわち温度検出値TA,TBがともに所定値TS以下
のときはステップS39に進む。
【0057】ステップS34では、温度検出値の差の絶
対値|TA−TB|が予め定めた所定値Taより大きいか
否かを判定する。この場合の所定値Taは温度差|TA−
TB|の許容値であり、温度差|TA−TB|が許容値Ta
以下と判定されると、ステップS34が否定されてステ
ップS35に進む。ステップS35では電磁切換弁36
のソレノイドに制御信号を出力して電磁切換弁36を中
立位置に切り換えるとともに、電磁切換弁37のソレノ
イドに制御信号を出力して電磁切換弁37を位置イに切
り換える。これにより油圧源38からの圧油が管路26
A,26Bにそれぞれ供給される。
【0058】一方、温度差|TA−TB|が許容値Taを
超えたと判定されると、ステップS34が肯定されてス
テップS36に進む。ステップS36では温度検出値T
A,TBの大小を判定し、TAがTBより大きい場合にはス
テップS36が肯定されてステップS37に進む。ステ
ップS37では電磁切換弁36のソレノイドに制御信号
を出力して電磁切換弁36を位置イに切り換えるととも
に、電磁切換弁37のソレノイドに制御信号を出力して
電磁切換弁37を位置イに切り換える。これにより油圧
源38からの圧油が管路26Aに供給される。
【0059】温度検出値TAがTB以下の場合にはステッ
プS36が否定されてステップS38に進む。ステップ
S38では電磁切換弁36のソレノイドに制御信号を出
力して電磁切換弁36を位置ロに切り換えるとともに、
電磁切換弁37のソレノイドに制御信号を出力して電磁
切換弁37を位置イに切り換える。これにより油圧源3
8からの圧油が管路26Bに供給される。
【0060】ステップS31が否定、すなわち少なくと
も主巻ウインチ用フリーフォールスイッチ41Aがオフ
または圧力スイッチ43Aがオンのとき、ステップS4
0に進む。ステップS40ではステップS32と同様、
フリーフォールスイッチ41Bがオン、かつ、圧力スイ
ッチ43Bがオフであるか否かを判定する。ステップS
40が肯定されるとステップS41に進み、否定される
とステップS39に進む。ステップS41では補巻ウイ
ンチ用温度センサ42Bの検出値TBが前述した所定値
TSより大きいか否かを判定し、肯定されるとステップ
S38に進み、否定されるとステップS39に進む。ス
テップS39では電磁切換弁36に制御信号を出力して
電磁切換弁36を中立位置に切り換えるとともに、電磁
切換弁37に制御信号を出力して電磁切換弁を位置ロに
切り換える。これにより油圧源38から管路26A,2
6Bへの圧油の供給が阻止される。
【0061】一方、ステップS32が否定、すなわち少
なくとも補巻ウインチ用フリーフォールスイッチ41B
がオフまたは圧力スイッチ43Bがオンのとき、ステッ
プS42に進む。ステップS42では主巻ウインチ用温
度センサ42Aの検出値TAが前述した所定値Tsより大
きいか否かを判定し、肯定されるとステップS37に進
み、否定されるとステップS39に進む。
【0062】以上のように構成された第5の実施の形態
の動作について説明する。フリーフォールスイッチ41
A,41Bがともにオフのときはブレーキ装置10A,1
0Bがそれぞれ作動し、操作レバー6の操作によりドラ
ム1A,1Bの巻上または巻下作業が可能となる。フリ
ーフォールスイッチ41A,41Bがオンでも圧力スイ
ッチ43A,43Bがオンのときは、ブレーキペダル2
5の操作によってブレーキ装置10A,10Bを作動さ
せることができ、これによりドラム1A,1Bの巻上ま
たは巻下作業が可能となる。この状態では前述した処理
(ステップS39)により電磁切換弁36は中立位置に
切り換えられ、電磁切換弁37は位置ロに切り換えられ
る。これにより油圧源38から管路26A,26Bへの
圧油の供給が阻止され、ブレーキケース11内に無駄に
冷却油が供給されることを防止することができる。
【0063】主巻ウインチ用フリーフォールスイッチ4
1Aのみがオン、かつ、圧力スイッチ43Aがオフのと
きは主巻ウインチ用ブレーキ装置10Aが解除され、主
巻ウインチによる吊り荷のフリーフォールが可能とな
る。このときディスク13の温度TAが所定値TSより高
いとき、上述した処理(ステップS42→ステップS3
7)により油圧源38からの圧油が管路26Aを介して
主巻ウインチのブレーキケース11内に供給される。こ
れにより吊り荷をフリーフォールさせた後、ブレーキペ
ダル25の操作によってレーキ装置10Aを作動させた
際にディスク12,13を冷却することができ、ディス
ク12,13の発熱を抑制することができる。一方、デ
ィスク13の温度TAが所定値TS以下のときは、上述し
た処理(ステップS42→ステップS39)により油圧
源38から管路26A内への圧油の供給が阻止される。
これにより、ブレーキケース11内に無駄に冷却油が供
給されることを防止することができ、燃費の向上に資す
る。
【0064】補巻ウインチ用フリーフォールスイッチ4
1Bのみがオン、かつ、圧力スイッチ43Bがオフのと
きは補巻ウインチ用ブレーキ装置10Bが解除され、補
巻ウインチによる吊り荷のフリーフォールが可能とな
る。このときブレーキディスクの温度TBが所定値TS以
上のとき、上述した処理(ステップS41→ステップS
38)により油圧源38からの圧油が管路26Bを介し
て補巻ウインチのブレーキケース11内に供給される。
これにより吊り荷をフリーフォールさせた後、ブレーキ
ペダル25の操作によってブレーキ装置10Bを作動さ
せた際にディスク12,13を冷却することができ、デ
ィスク12,13の発熱を抑制することができる。一
方、ディスク13の温度TBが所定値TS以下のときは、
上述した処理(ステップS41→ステップS39)によ
り油圧源38から管路26B内への圧油の供給が阻止さ
れる。これにより、ブレーキケース11内に無駄に冷却
油が供給されることを防止することができ、燃費の向上
に資する。
【0065】フリーフォールスイッチ41A,41Bが
ともにオンで、かつ、圧力スイッチ43A,43Bがと
もにオフのとき、主巻ウインチと補巻ウインチが同時に
フリーフォールが可能となる。このとき、温度検出値T
A,TBの少なくとも一方が所定値TSより大きく、かつ、
温度検出値の差|TA−TB|が所定値Ta以下のとき、
上述した処理(ステップS35)により油圧源28から
の圧油はそれぞれ管路26A,26Bを介して各ブレー
キケース11内に等しく分配される。これにより1つの
油圧源38からの圧油により主巻ウインチ用および補巻
ウインチ用のディスク12,13をそれぞれ冷却するこ
とができる。
【0066】温度検出値の差|TA−TB|が所定値Ta
以上のときは、上述した処理(ステップS37またはス
テップS38)により油圧源38からの圧油はより高温
側のウインチのブレーキケース11内に供給される。こ
の場合、ケース11内に供給される冷却油量は、主巻ウ
インチおよび補巻ウインチの双方に冷却油を供給する場
合よりも多いため、ディスク12,13の冷却効果が一
層向上し、高温部を急速に冷却することができるととも
に、温度差|TA−TB|を減少させることができる。そ
して、温度差|TA−TB|が所定値Ta以下になると、
上述した処理(ステップS35)により油圧源38から
の冷却油は主巻ウインチおよび補巻ウインチのブレーキ
ケース11内にそれぞれ供給される。一方、温度検出値
TA,TBがともに所定値Ts以下のときは上述した処理
(ステップS39)により油圧源38からの冷却油の供
給が阻止される。これにより、油圧源38の消費動力を
低減することができる。
【0067】このように第5の実施の形態によると、主
巻ウインチ用ブレーキ装置10Aおよび補巻ウインチ用
ブレーキ装置10Bのディスク13の温度をそれぞれ検
出し、この検出値TA,TBに応じて電磁切換弁36,37
を切り換え、油圧源38からの圧油の流れを制御するよ
うにした。すなわち、温度検出値の差|TA−TB|が所
定値Ta以下のときは主巻ウインチと補巻ウインチのブ
レーキケース11内にそれぞれ冷却油を供給し、温度検
出値の差|TA−TB|が所定値Taより大きいときは高
温側のウインチのブレーキケース11内のみに冷却油を
供給するようにした。これにより、単一の油圧源38か
らの冷却油を複数のウインチのブレーキケース11に効
率的に配分することができる。この場合、フリーフォー
ルスイッチ41A,41Bがオン、かつ、圧力スイッチ
43A,43Bがオフ、かつ、温度検出値TA,TBが所定
値Tsより大きいことを条件にして冷却油を供給するの
で、冷却油の無駄な供給を阻止することができ、燃費が
向上する。
【0068】なお、第5の実施の形態では、主巻ウイン
チと補巻ウインチのブレーキケース11内に冷却油を等
しく分配するようにしたが、一方のブレーキケース11
内により多くの冷却油が供給されるように分配割合を変
更してもよい。また、温度検出値TA,TBと比較する所
定値Tsを主巻ウインチと補巻ウインチで別々に設定し
てもよい。電磁切換弁36または電磁切換弁37を電磁
比例弁として構成し、温度検出値TA,TBに応じて管路
26A,26B内に供給される冷却油量を変更してもよ
い。この場合、温度検出値TA,TBが高いほど、また
は、温度検出値の差|TA−TB|が大きいほと、大流量
が流れるようにすればよい。また、油圧源38を可変ポ
ンプにより構成し、温度検出値に応じてポンプ容量を変
更してもよい。電磁切換弁36を油圧切換弁に変更する
とともに、そのパイロット管路に電磁切換弁を設け、電
磁切換弁の切換制御により油圧切換弁を切り換えるよう
にしてもよい。
【0069】上記第1〜第4の実施の形態では1台のウ
インチについて説明したが、第5の実施の形態と同様に
複数のウインチを設け、各ウインチのディスク温度Tま
たは発熱量Hに応じて油圧源28,油圧ポンプ32から
の冷却油を分配するようにしてもよい。
【0070】なお、上記第1、第4、第5の実施の形態
では、ディスク13の温度を検出するようにしたが、ブ
レーキケース11から流出した冷却油の戻り温度を検出
するようにしてもよい。これによりディスク12,13
の平均的な温度を検出することができ、ディスク12,
13間に温度差があった場合にも適切にディスク12,
13を冷却することができる。また、油温の変動を制御
することで細かな制御が可能となる。
【0071】以上のように本実施の形態に係わるブレー
キ装置は、フリーフォール時のドラム1の回転を停止す
るブレーキ装置として機能するとともに、油圧モータ2
の回転をウインチドラム1に伝達/非伝達するクラッチ
装置としても機能する。
【0072】上記実施の形態は、湿式多板ブレーキ装置
に適用したが、ディスク12,13の接触面に冷却油を
供給するタイプのものであれば、例えばインナディスク
12が1枚の単板式のディスクブレーキにも同様に適用
できる。インナディスク12が1枚のものについては、
アウタディスク13とブレーキピストン14を一体とし
てもよい。また、上記実施の形態では、遊星減速機構5
を用いてブレーキ装置とクラッチ装置を兼用するように
したが、遊星減速機構5を有しないブレーキ専用装置ま
たはクラッチ専用装置にも同様に適用することができ
る。
【0073】以上の実施の形態と請求項との対応におい
て、インナディスク12とアウタ13が制動部材を、温
度センサ42、ドラム回転数センサ44と圧力センサ4
5がそれぞれ発熱検出手段を、フリーフォールスイッチ
41と圧力スイッチ43がフリーフォール検出手段を、
油圧切換弁27と電磁比例弁29、傾転シリンダ33と
電磁切換弁34、油圧切換弁27と電磁切換弁35、電
磁切換弁36,37がそれぞれ冷却油供給手段を、コン
トローラ40とディレイリレー47が冷却油制御手段
を、フリーフォールスイッチ41がドラム指令手段を、
操作レバー6がドラム指令手段を、温度センサ42が温
度検出手段を、圧力センサ45が圧力検出手段を、ドラ
ム回転数センサ44が回転数検出手段を、それぞれ構成
する。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように請求項1の発
明によれば、フリーフォール動作が検出されると制動部
材に供給される冷却油量を増加させ、フリーフォール停
止が検出されると冷却油量を減少させるようにした。ま
た。請求項2、3の発明によれば、フリーフォール動作
が検出されると制動部材の発熱状態に応じて制動部材に
供給される冷却油量を制御し、フリーフォール動作以外
ではフリーフォール動作時に供給される冷却油量よりも
冷却油量を減少させるようにした。これにより効率的か
つ適切にディスクを冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ装置
を有するウインチの油圧回路図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ装置
を構成するブレーキケース内の要部構造を示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るコントローラ
での処理の一例を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るブレーキ装置
を有するウインチの油圧回路図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るコントローラ
での処理の一例を示すフローチャート。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るブレーキ装置
を有するウインチの油圧回路図。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係るブレーキ装置
を有するウインチの油圧回路図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係るコントローラ
での処理の一例を示すフローチャート。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係るブレーキ装置
を有するウインチの油圧回路図。
【図10】本発明の第5の実施の形態に係るコントロー
ラでの処理の一例を示すフローチャート。
【図11】本発明が適用されるクレーンの側面図。
【符号の説明】
6 操作レバー 12 インナディ
スク 13 アウタディスク 14 ブレーキ
ピストン 27 油圧切換弁 28 油圧源 29 電磁比例弁 32 油圧ポン
プ 33 傾転シリンダ 36,37 電磁切
換弁 40 コントローラ 41 フリーフ
ォールスイッチ 42 温度センサ 43 圧力スイ
ッチ 44 ドラム回転数センサ 45 圧力セン
サ 47 ディレイリレー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力によって巻上巻下駆動されるととも
    に、吊り荷の負荷によってフリーフォールするウインチ
    ドラムと、 前記ウインチドラムの回転を制動する制動部材と、 前記ウインチドラムのフリーフォール動作を検出するフ
    リーフォール検出手段と、 油圧源から前記制動部材に冷却油を供給する冷却油供給
    手段と、 前記フリーフォール検出手段によりフリーフォール動作
    が検出されると前記制動部材に供給される冷却油量を増
    加させ、前記フリーフォール検出手段によりフリーフォ
    ール停止が検出されると前記制動部材に供給される冷却
    油量を減少させるように前記冷却油供給手段を制御する
    冷却油制御手段とを備えることを特徴とするウインチの
    ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 動力によって巻上巻下駆動されるととも
    に、吊り荷の負荷によってフリーフォールするウインチ
    ドラムと、 前記ウインチドラムの回転を制動する制動部材と、 前記制動部材の発熱状態を検出する発熱検出手段と、 前記ウインチドラムのフリーフォール動作を検出するフ
    リーフォール検出手段と、 油圧源から前記制動部材に冷却油を供給する冷却油供給
    手段と、 前記フリーフォール検出手段によりフリーフォール動作
    が検出されると、前記発熱検出手段により検出された発
    熱状態に応じて前記制動部材に供給される冷却油量を制
    御し、フリーフォール動作以外では前記制動部材に供給
    される冷却油量を少なくともフリーフォール動作検出時
    に供給される冷却油量よりも減少させる冷却油制御手段
    とを備えることを特徴とするウインチのブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 動力によって巻上巻下駆動されるととも
    に、吊り荷の負荷によってフリーフォールする複数のウ
    インチドラムと、 前記複数のウインチドラムに対応してそれぞれ設けら
    れ、ウインチドラムの回転を制動する複数の制動部材
    と、 前記複数の制動部材の発熱状態をそれぞれ検出する発熱
    検出手段と、 前記複数のウインチドラムのフリーフォール動作をそれ
    ぞれ検出するフリーフォール検出手段と、 油圧源から前記複数の制動部材にそれぞれ冷却油を分配
    して供給する冷却油供給手段と、 前記フリーフォール検出手段により前記複数のウインチ
    ドラムのフリーフォール動作が検出されると、前記発熱
    検出手段により検出された発熱状態に応じて前記油圧源
    から前記複数の制動部材に分配される冷却油量を制御
    し、前記複数のウインチドラムの少なくとも1つがフリ
    ーフォール動作以外のとき、そのウインチドラムに対応
    する前記制動部材に供給される冷却油量を少なくともフ
    リーフォール動作検出時に供給される冷却油量よりも減
    少させる冷却油制御手段とを備えることを特徴とするウ
    インチのブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載のウイ
    ンチのブレーキ装置において、 フリーフォール動作を指令するフリーフォール指令手段
    と、前記ウインチドラムの巻上または巻下駆動を指令す
    るドラム指令手段とを備え、前記フリーフォール検出手
    段は、前記フリーフォール指令手段と前記ドラム指令手
    段からの指令に基づいてフリーフォール動作を検出する
    ことを特徴とするウインチのブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項記載のウイ
    ンチのブレーキ装置において、 前記発熱状態検出手段は、前記制動部材の温度を検出す
    る温度検出手段を有し、検出された温度に応じて発熱状
    態を検出することを特徴とするウインチのブレーキ装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれか1項記載のウイ
    ンチのブレーキ装置において、 前記発熱状態検出手段は、冷却油の温度を検出する油温
    検出手段を有し、検出された冷却油温度に応じて発熱状
    態を検出することを特徴とするウインチのブレーキ装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項2〜4のいずれか1項記載のウイ
    ンチのブレーキ装置において、 前記発熱状態検出手段は、前記制動部材による制動を解
    除する解除圧を検出する圧力検出手段と、前記ウインチ
    ドラムの回転数を検出する回転数検出手段とを有し、検
    出された冷却油圧力とドラム回転数に応じて発熱状態を
    検出することを特徴とするウインチのブレーキ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のウインチドラムと、制
    動部材と、フリーフォール検出手段と、冷却油供給手段
    と、冷却油制御手段とを備え、前記制動部材を介して前
    記ウインチドラムに動力を伝達/非伝達するようにした
    ことを特徴とするウインチのクラッチ装置。
  9. 【請求項9】 請求項2〜7のいずれか1項記載のウイ
    ンチドラムと、制動部材と、発熱検出手段と、フリーフ
    ォール検出手段と、冷却油供給手段と、冷却油制御手段
    とを備え、前記制動部材を介して前記ウインチドラムに
    動力を伝達/非伝達するようにしたことを特徴とするウ
    インチのクラッチ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項記載のブ
    レーキ装置を備えたクレーン。
  11. 【請求項11】 請求項8または9に記載のクラッチ装
    置を備えたクレーン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007131454A (ja) * 2005-10-13 2007-05-31 Hitachi Constr Mach Co Ltd ウインチ装置
JP2015221702A (ja) * 2014-05-22 2015-12-10 日立住友重機械建機クレーン株式会社 湿式多板ブレーキの冷却装置
CN105417421A (zh) * 2015-12-07 2016-03-23 徐工集团工程机械股份有限公司 一种强夯机自由落体卷扬安全控制***
WO2022090329A1 (de) * 2020-10-30 2022-05-05 Liebherr-Components Biberach Gmbh Seilwinde

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