JP3654152B2 - 油圧ウィンチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧モータによってウィンチドラムを駆動する油圧ウィンチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、クレーン作業やバケット作業等に使用される油圧ウィンチは、一般に、油圧モータによって負荷(たとえばクレーン作業の場合の吊りフックまたは吊荷)を巻上・巻下駆動する動力運転モードとは別にフリーフォールモードを備え、このフリーフォールモードで、負荷によってウィンチドラムを巻下方向に自由回転させて負荷を自由落下させるように構成されている(たとえば特開平9−216793号公報参照)。
【0003】
このフリーフォールモードを備えた従来の油圧ウィンチの構成を図によって説明する。
【0004】
において、1はウィンチドラム、2はこのウィンチドラム1の回転駆動源としての油圧モータ(以下、単にモータという)で、このモータ2の出力軸2aとウィンチドラム1との間に動力伝達を行う遊星歯車機構3が設けられている。
【0005】
4はこの遊星歯車機構3のサンギヤ、5はプラネタリギヤ、6はウィンチドラム1の内周に設けられたリングギヤ、7はプラネタリギヤ5を支持するキャリア、8はキャリア軸で、このキャリア軸8に多板ディスク9が設けられ、この多板ディスク9と、同ディスク9を作動・作動解除するプレッシャープレート10と、このプレッシャープレート10を駆動する制動シリンダ11と、加圧バネ12とにより、ウィンチドラム1をモータ出力軸2aに対して連結・分離し、かつ、同ドラム1のフリーフォール回転を制動するクラッチ兼用の制動装置13が構成されている。
【0006】
多板ディスク9は、キャリア軸8に対して一体回転可能で軸方向に移動可能に取付けられた回転摩擦板としての複数枚のインナプレート14…と、この各インナプレート14…に対して接離しうるように軸方向移動不能でかつ回転不能な状態でブレーキケース15に取付けられた固定摩擦板としての複数枚のアウタプレート16…とから成り、このインナ、アウタ両プレート14,16がブレーキケース15の一方の側壁15aとプレッシャープレート10との間で圧接してブレーキ(クラッチ)オン、離間してブレーキ(クラッチ)オフとなる。
【0007】
加圧バネ12は、ブレーキケース15の他方の側壁15bとプレッシャープレート10との間に設けられ、プレッシャープレート10にブレーキオン方向のバネ力を付与する。
【0008】
制動シリンダ11は、両ロッド型のピストン11Pと、プレッシャープレート10をブレーキオン方向(図の右方向)に加圧するポジティブ側油室11aと、同プレート10をブレーキオフ方向(図の左方向)に加圧するネガティブ側油室11bとを有し、ネガティブ側油室11bに接続されたネガティブライン17が直接、ブレーキ油圧源18に接続されている。
【0009】
一方、ポジティブ側油室11aに接続されたポジティブライン19は、高圧選択弁(シャトル弁)20を介して二つに分岐され、一方の分岐ラインが電磁式のモード切換弁21を介して油圧源18またはタンクTに、他方の分岐ラインがブレーキ弁(減圧弁)22を介して油圧源18またはタンクTにそれぞれ接続される。
【0010】
モード切換弁21は、図示しないモード切換スイッチの操作によって動力伝達位置(ブレーキ位置)aとフリーフォール位置(ブレーキ解除位置)bとの間で切換わり作動し、ポジティブ側油室11aが、ブレーキ位置aで油圧源18に、フリーフォール位置bでタンクTにそれぞれ接続される。
【0011】
ブレーキ弁22は、ブレーキペダル23によって操作され、その操作量に応じた二次圧が高圧選択弁20を介して制動シリンダ11のポジティブ側油室11aに供給される。
【0012】
この構成により、次のような作用が得られる。
【0013】
i. モード切換弁21がブレーキ位置aにセットされた状態では、制動シリンダ11の両側油室11a,11bが同圧となるため、同シリンダ11そのものには推力は発生せず、加圧バネ12のバネ力により制動シリンダ11とともにプレッシャープレート10が多板ディスク9側(ブレーキ作用方向)に押されてブレーキオンとなる。
【0014】
この状態では、キャリア軸8が回転不能に固定されるため、ウィンチモータ2の回転力が遊星歯車機構3を介してウィンチドラム1に伝達され、図示しないリモコン弁の操作に応じてウィンチドラム1が巻上または巻下回転する(動力伝達モード)。
【0015】
ii. モード切換弁21がフリーフォール位置bに切換えられると、制動シリンダ11のポジティブ側油室11aがタンクTに連通してネガティブ側油室11bとの間に圧力差が生じ、この差圧による制動シリンダ11の推力が加圧バネ12のバネ力を超えることにより、同シリンダ11が多板ディスク9と反対側(ブレーキ解除方向)に押されてブレーキオフとなる。
【0016】
この状態では、キャリア軸8がフリーとなるため、ウィンチドラム1が負荷によって巻下方向に自由回転しうる状態、すなわちフリーフォールが可能な状態となる(フリーフォールモード)。
【0017】
そして、このときブレーキ弁22が操作されることにより、その操作量に応じた二次圧によって多板ディスク9がオンとなり、ウィンチドラム1にブレーキ力が作用する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この構成によると、吊荷がフックだけのような軽負荷の場合に、フリーフォールモードで吊荷が降下しにくい、あるいは降下速度が遅いという問題があった。
【0019】
とくに、制動装置13において、多板ディスク9に冷却油(潤滑油)を導入・循環させる湿式のブレーキ方式を採用した場合、インナ、アウタ両プレート14,16間に介在する冷却油の粘性抵抗によって両プレート14,16間に流体摩擦(ドラグトルク)が発生し、これがブレーキ力として作用するため、上記傾向が顕著となっていた。
【0020】
そこで本発明は、軽負荷時にも吊荷を確実に、かつ、十分高速で降下させることができる油圧ウィンチを提供するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、次の要件を具備するものである。
【0022】
() ウィンチドラムと、このウィンチドラムの回転駆動源としての油圧モータと、この油圧モータを駆動するモータ駆動回路と、このモータ駆動回路に上記油圧モータの回転指令を出す指令手段と、上記ウィンチドラムに設けられた制動装置とを具備すること。
【0023】
(II) 上記制動装置は、制動解除時に上記油圧モータと連動して回転する回転摩擦板と回転不能な固定摩擦板が圧接・離間することにより、上記油圧モータの回転力をウィンチドラムに伝える動力伝達モードと、ウィンチドラムの自由回転を許容するフリーフォールモードとに切換え可能に構成されていること。
【0024】
(III) この制動装置がフリーフォールモードであって上記各摩擦板が圧接解除・離間状態であることを検出してフリーフォールモード信号を出力するフリーフォールモード検出手段が設けられていること。
【0025】
(IV) 上記モータ駆動回路は、上記フリーフォールモード信号に基づいて上記油圧モータを巻下回転させる方向に作動するフリーフォール増速弁を備え、かつ、このフリーフォール増速弁がフリーフォールモード以外で作動位置にとどまるスティック状態にあることを検出するスティック検出手段と、このスティック検出手段によってフリーフォール増速弁がスティック状態にあることが検出されたときに上記フリーフォール増速弁の出力を下流側に対して遮断する安全弁が設けられたこと
【0026】
上記構成によると、フリーフォール時に、ウィンチの回転駆動源としての油圧モータをモータ駆動回路によって巻下側に回転させる強制巻下回転作用(フリーフォール増速作用)を働かせることにより、軽負荷時にも吊荷を確実にかつ十分高速で降下させることが可能となる
【0027】
ころで、上記のようにフリーフォール時にモータを巻下回転させてフリーフォール増速作用を得る構成をとる場合、モータ駆動回路においてフリーフォール増速作用を司るフリーフォール増速弁が、ごみの噛み込み等によってスティック状態(引っかかって動かない状態)に陥ると、フリーフォール停止後もオペレータの意思に反して巻下回転が継続してしまうおそれがある。
【0028】
この点、上記構成によるとフリーフォール増速弁がスティック状態であることを検出したときに安全弁によりフリーフォール増速弁の出力を下流側に対して遮断するため、上記のような不測の事態が発生するおそれがない。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1〜図によって説明する。
【0030】
の実施形態における油圧ウィンチの基本構成は図に示す従来のウィンチ構成と同じである。
【0031】
すなわち、図1において、31はウィンチドラム、32は同ドラム31を駆動する油圧モータ(以下、単にモータという)、33はモータ32の出力軸32aとウィンチドラム31との間で動力伝達を行う遊星歯車機構、34はこの遊星歯車機構33のサンギヤ、35はプラネタリギヤ、36はリングギヤ、37はキャリア、38はキャリア軸、39はこのキャリア軸38に設けられた多板ディスクで、この多板ディスク39と、同ディスク39に対して圧接・離間するプレッシャープレート40と、このプレッシャープレート40を駆動する制動シリンダ41と、加圧バネ42とにより、ウィンチドラム31をモータ出力軸32aに対して連結・分離し、かつ、同ドラム31のフリーフォール回転を制動するクラッチ兼用の制動装置43が構成されている。
【0032】
44…は多板ディスク39を構成する複数のインナプレート(回転摩擦板)、45はブレーキケース、46はこのブレーキケース45に固定された複数のアウタプレート(固定摩擦板)である。
【0033】
また、この制動装置43は、多板ディスク39のフェード現象を防止するために、図示しない冷却油ポンプからの冷却油を多板ディスク39内に供給し循環させる湿式ブレーキ方式が採用されている。
【0034】
制動シリンダ41は、両ロッド型のピストン41Pと、プレッシャープレート40をブレーキオン方向に加圧するポジティブ側油室41aと、同プレート40をブレーキオフ方向に加圧するネガティブ側油室41bとを有し、ネガティブ側油室41bに接続されたネガティブライン47が、従来ウィンチ同様、直接、ブレーキ油圧源48に接続されている。
【0035】
ポジティブ側油室41aに接続されたポジティブライン49は、電磁切換弁であるモード切換弁50およびブレーキ弁(減圧弁)51を介して、ネガティブ側油室41bと共通のブレーキ油圧源48およびタンクTに接続されている。
【0036】
モード切換弁50は、ブレーキ位置aとフリーフォール位置bとの間で切換わり作動し、このモード切換弁50のブレーキ位置aで制動シリンダ41のポジティブ側油室41aが油圧源48に接続される。
【0037】
一方、モード切換弁50がフリーフォール位置bに切換わると、ポジティブ側油室41aが同切換弁50を介してブレーキ弁51の二次側に接続され、ブレーキ弁51の操作量に応じた二次圧がポジティブ側油室41aに供給される。52はブレーキ弁51を足踏み操作するブレーキペダルである。
【0038】
53はレバー操作されてモータ32の巻上・巻下回転を制御する指令手段(通常指令部)としてのリモコン弁、54はこのリモコン弁53の二次圧(リモコン圧)によって中立、巻下、巻上の三位置イ,ロ,ハ間で切換わり制御されるウィンチ用コントロールバルブ、55はモータ32の油圧源である油圧ポンプである。
【0039】
また、56は油圧シリンダ式のパーキングブレーキで、バネ56aの力によってモータ出力軸32aに制動力を付与し、油室56bへの油圧導入時に制動力を解除するネガティブブレーキとして構成されている。
【0040】
このパーキングブレーキ56の油室56bは、高圧選択弁57、油圧パイロット式の第1及び第2パーキングブレーキ制御弁58,59を介してブレーキ油圧源48及びタンクTに接続されている。
【0041】
第1パーキングブレーキ制御弁58は、リモコン弁53の非操作時(中立時)には図示のブレーキ位置aに、操作時にはリモコン圧を供給されて図右側のブレーキ解除位置bにそれぞれセットされる。
【0042】
すなわち、巻上・巻下操作されたときにパーキングブレーキ56が解除されてウィンチドラム31が巻上・巻下回転し、非操作時に同ブレーキ56が作用してウィンチドラム31が制動停止する。
【0043】
60はリモコン圧を取出して第1パーキングブレーキ制御弁58に供給するための高圧選択弁である。
【0044】
一方、モータ32を回転駆動するためのモータ駆動回路とその制御系は次のように構成されている。
【0045】
モータ32の巻上側及び巻下側両管路61,62は、ウィンチ用コントロールバルブ54を介して油圧ポンプ55に接続され、通常運転時にはこのコントロールバルブ54と油圧ポンプ(以下、メインポンプという)55を備えた通常駆動部Aによってモータ32が巻上・巻下方向に回転駆動される。63は巻上側管路61に設けられたカウンタバランス弁、64は通常駆動部Aのリリーフ弁である。
【0046】
また、巻下側管路62は、抵抗弁65(図1では油圧パイロット式のものを例示しているがチェック弁形式のものでもよい)、電磁切換式の選択弁(駆動部選択手段)66、油圧ポンプ(以下、サブポンプという)67を備えた強制駆動部Bに接続されている。68はこの強制駆動部Bのリリーフ弁である。
【0047】
選択弁66は、電気パイロット信号が入力されないときは非作用位置イにあってサブポンプ67からの圧油をタンクTに戻し、電気パイロット信号が入力されたときに作用位置ロに切換わって圧油を抵抗弁65に導く。
【0048】
抵抗弁65は、このサブポンプの吐出圧によって図左のブロック位置イから右側の開通位置ロに切換わって巻下側管路62にサブポンプ吐出油を供給し、これによってモータ32が巻下方向に回転する。
【0049】
また、選択弁66の出口側は第2パーキングブレーキ制御弁59のパイロットポートに接続され、選択弁66が作用位置ロに切換わったときに第2パーキングブレーキ制御弁59が図左側のブレーキ位置aから右側のブレーキ解除位置bに切換わる。
【0050】
選択弁66に電気パイロット信号を送る電気パイロットライン69は、フリーフォール検出装置72に接続されている。
【0051】
フリーフォール検出装置72は、制動シリンダ41のポジティブ側油室41aの圧力を電気信号に変換する圧力変換器70と、この電気信号に基づいて選択弁66に電気パイロット信号であるフリーフォール信号を送るコントローラ71とによって構成されている。
【0052】
コントローラ71は、フリーフォール検出装置72の一部とフリーフォールモード切換装置73の一部を兼ねる要素として設けられている。
【0053】
フリーフォールモード切換装置73は、オン操作されてその信号をコントローラ71に送る切換スイッチ74を備え、このスイッチ信号と、圧力変換器70からの圧力信号に基づいてコントローラ71から選択弁66に電気パイロット信号であるフリーフォール増速信号(以下、フリーフォール増速信号と記す)が送られる。
【0054】
切換スイッチ74は、図4〜図6に示すようにブレーキ弁51のブレーキペダル52の裏側に組み込まれ、足踏み操作される切換ペダル75によってオン・オフ操作される。
【0055】
すなわち、切換ペダル75は、ペダル52の一方の側縁部に設けられた切欠76に、復帰バネ77のバネ力によりペダル52の踏み面52aよりも上方に突出して独立操作可能な状態で設けられ、
(i)図6の一点鎖線で示すようにオペレータが足Fをこの切換ペダル75に重ねてブレーキペダル踏み面52a上に置いた状態で同ペダル75が踏み込まれ、
(ii)同図の二点鎖線で示すようにオペレータが足Fを切換ペダル75からずらしてブレーキペダル踏み面52a上に置いた状態では、同ペダル75は踏み込まれない。
【0056】
そして、この切換ペダル75が足踏み操作されたときに、図5に示す操作子(ボルト)78により切換スイッチ74が操作レバー74aを介してオン操作され、操作解除されたときに同スイッチ74がオフとなる。
【0057】
図4,5中、79はペダル52の踏み力を図1のブレーキ弁51に伝えるリンクである。
【0058】
この油圧ウィンチの作用を次に説明する。
【0059】
(I)通常巻上・巻下作用
このウィンチの通常巻上・巻下作用は図に示す従来のウィンチの場合と同じである。
【0060】
すなわち、モード切換弁50がブレーキ位置aにセットされた状態では、制動シリンダ41の両側油室41a,41bがともに油圧源48に接続されて同圧となるため、同シリンダ41そのものには推力は発生せず、加圧バネ42のバネ力によりプレッシャープレート40が多板ディスク39側に押されてブレーキ(クラッチ)オンとなる。
【0061】
これにより、モータ32の回転力が遊星歯車機構33を介してウィンチドラム31に伝達され、リモコン弁53の操作に応じてウィンチドラム31が巻上または巻下回転する。
【0062】
(II)フリーフォール作用
モード切換弁50がフリーフォール位置bにセットされると、制動シリンダ41のポジティブ側油室41aがブレーキ弁51を介してタンクTに連通してネガティブ側油室41bとの間に圧力差が生じ、その差圧が加圧バネ42のバネ力を超えることにより、同シリンダ41が多板ディスク39と反対側に押されてブレーキ(クラッチ)オフとなる。
【0063】
これにより、フリーフォール状態、すなわち、ウィンチドラム31が負荷によって巻下方向に自由回転し得る状態となる。
【0064】
そして、このときブレーキ弁51がペダル操作されることにより、そのペダル操作ストロークに応じた圧力によって多板ディスク39がオンとなり、ウィンチドラム31にブレーキ力が作用する。
【0065】
このブレーキ弁51のペダル操作ストロークとその二次圧の関係を図2に、また、制動シリンダ41のポジティブ側油室41aの圧力(以下、ポジティブ圧力という)と多板ディスク39の圧接力(制動シリンダストローク)の関係を図3にそれぞれ示している。
【0066】
両図に示すように、ペダル操作ストロークを少なくしていくに従ってブレーキ弁二次圧及び多板ディスク圧接力が低下し、多板ディスク39の保持力が負荷よりも小さくなった時点からインナプレート44及びキャリア軸38が回転し始めてフリーフォールが開始される。
【0067】
さらに、ブレーキ弁51のペダル操作ストロークを減らしていき、このペダル操作ストロークが所定の値S3(二次圧P1)以下になると、ポジティブ圧力もP1以下となって、制動シリンダ41がブレーキオフ側にストロークし始め、多板ディスク39のプレート間にクリアランスが生じる。
【0068】
このときから、多板ディスク39の回転抵抗はプレート同士の圧接による固体摩擦力から冷却油による流体摩擦力に変わり、回転抵抗が小さくなるため、フリーフォール降下速度が増していく。
【0069】
そして、ペダル操作量が0となると、制動シリンダ41のストロークは最小値S1となって多板ディスク39のプレート間クリアランスが最大(フリーフォール抵抗が最小)となる。
【0070】
ここで、図4〜図6に示す切換ペダル75が操作されていると、切換スイッチ74がオンとなってこのスイッチ信号(フリーフォールモード切換信号)がコントローラ71に送られる。
【0071】
コントローラ71は、このフリーフォールモード切換信号を受けてフリーフォール増速モードに向けてスタンバイ状態となり、制動シリンダ41のポジティブ圧力が、同シリンダ41のブレーキオフ側へのストローク開始圧力P1以下のある値P2を下回ると、ブレーキ解放とみなしてフリーフォール増速信号を強制駆動部Bの選択弁66に送る。
【0072】
これにより、
( ) 選択弁66が非作用位置イから作用位置ロに切換わり、
( ii ) 抵抗弁65が入力側圧力をパイロット圧としてブロック位置イから開通位置ロに切換わり、
( iii ) 第2パーキングブレーキ制御弁59がパイロット圧を供給されてブレーキ解除位置bに切換わるため、パーキングブレーキ56がブレーキ解除されるとともに、巻下側管路62にサブポンプ67の吐出油が供給されてモータ32が巻下回転する。
【0073】
こうしてフリーフォール時にモータ32が巻下回転すると、遊星歯車機構33のサンギヤ34が巻下回転してプラネタリギヤ35の自転速度が増加し、リングギヤ36の回転速度が増加する。
【0074】
従って、ウィンチドラム31の巻下速度は、フリーフォール(吊荷重量)で得られる速度に油圧モータ32の巻下回転によって得られる速度を加えた速度となり、軽負荷時にも吊荷を確実にかつ十分高速で降下させることができる。
【0075】
また、フリーフォールモード切換装置73によって、モータ32を巻下回転させない通常のフリーフォールモードと、モータ32を巻下回転させる増速フリーフォールモードとに切換え可能に構成したから、モータ32のアシストが不要な場合(たとえば重負荷時)には通常フリーフォールモードとして降下速度を抑える等、負荷等に応じた適正なフリーフォール運転を行うことができる。
【0076】
しかも、この切換えを足踏み式の切換ペダル75によって行うため、複数ウィンチの同時操作等によって両手が塞がっている場合でも、このフリーフォールモードの切換操作を容易に行うことができる。
【0077】
なお、この後の停止操作としては、ブレーキ弁51をブレーキペダル52によって操作するか、モード切換弁50を動力伝達位置aに切換えれば、ポジティブ圧力が上昇して強制駆動部Bの作動が停止し、モータ32の巻下回転が停止すると同時にパーキングブレーキ56が作用する。
【0078】
また、チャタリング防止のため、ブレーキ解放を判断する圧力値にヒステリシス特性を持たせておいてもよい。また、ブレーキ解放を判断する圧力値P2は、P1以下でなくてもよく、P1=P2でもよいし、P1<P2としてもよい
【0079】
図7に示す実施形態においては、パーキングブレーキ制御弁として、図1のウィンチと同じ油圧パイロット式の第1パーキングブレーキ制御弁58と、電磁パイロット式の第2パーキングブレーキ制御弁82とを用いている。
【0080】
そして、第2パーキングブレーキ制御弁82がフリーフォール信号の入力によってブレーキ位置aからブレーキ解除位置bに切換わってパーキングブレーキ56がブレーキ解除され、同時に同制御弁82の出力圧が高圧選択弁83を介してコントロールバルブ54のパイロットポートに送られて同バルブ54が巻下位置ロに切換わり、モータ32が巻下回転するように構成されている。
【0081】
すなわち、コントロール54及び油圧ポンプ55を含む通常駆動部Aが強制駆動部を兼ねる構成となっている。
【0082】
記のようにフリーフォール時にモータ32を巻下回転させてフリーフォール増速作用を得る構成をとる場合、フリーフォール増速モードが終わったにも関わらず、モータ駆動回路においてフリーフォール増速作用を司るフリーフォール増速弁が、ごみの噛み込み等により、フリーフォール増速解除位置に戻らない所謂スティック状態(引っかかって動かない状態)に陥ると、フリーフォール停止後もオペレータの意思に反して巻下回転が継続してしまうおそれがある。
【0083】
そこでこの実施形態においては、この点の対策を講じている
【0084】
2パーキングブレーキ制御弁(フリーフォール増速弁)82の出力側に、コントローラ71によって制御される電磁切換式の安全弁95を設ける一方、制御弁82の出力圧を圧力センサ(圧力スイッチでもよい)94で検出し、ポジティブ圧力やブレーキ操作の有無等のコントローラ入力情報から制御弁82が非励磁状態(ブレーキ位置a)にあるにもかからず、圧力センサ94によって一定以上の出力圧が検出された場合に、制御弁82がスティック状態であると判断して安全弁95をブロック位置bに切換えるように構成している。
【0085】
こうすれば、制御弁82がスティック状態となってブレーキ解除位置(フリーフォール増速位置)bから動かない事態が発生しても、その出力がコントロールバルブ54の巻下側パイロットポートに送られないため、モータ32が巻下回転することはなく、上記のような不測の事態が発生するおそれがない。
【0086】
ところで、上記各実施形態では、遊星歯車機構33のキャリア軸38を固定・解放することによってクラッチ作用とフリーフォール時のブレーキ作用とを得る構成をとったが、本発明は、ウィンチドラムと遊星歯車機構のキャリア軸を一体化し、リングギヤの回転を固定・解放することによってクラッチ作用とフリーフォール時のブレーキ作用とを得る構成のウィンチにも、またクラッチとブレーキが互いに独立して設けられ、別々に制御される構成をとる油圧ウィンチにも適用することができる。
【0087】
【発明の効果】
上記のように本発明によると、フリーフォール時に、ウィンチの回転駆動源としての油圧モータをモータ駆動回路によって巻下側に回転させる強制巻下回転作用(フリーフォール増速作用)を働かせることにより、軽負荷時にも吊荷を確実にかつ十分高速で降下させることが可能となる。
【0088】
しかも、フリーフォール増速弁がスティック状態であることを検出したときに、安全弁によりフリーフォール増速弁の出力を下流側に対して遮断するため、フリーフォール増速弁が、ごみの噛み込み等によってスティック状態に陥っても、フリーフォール停止後にオペレータの意思に反して巻下回転が継続してしまうというおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される油圧ウィンチの全体構成を示す図である。
【図2】 同ウィンチに使用されるブレーキ弁のペダルストロークとこれによって発生する二次圧の関係を示す図である。
【図3】 同ウィンチに使用される制動装置における制動シリンダのポジティブ圧力と多板ディスクの圧接力の関係を示す図である。
【図4】 同ウィンチに使用されるブレーキペダルの斜視図である。
【図5】 同ペダルの側断面図である。
【図6】 同ペダルの平面図である。
【図7】 本発明の実施形態にかかる油圧ウィンチの一部構成を示す図である。
【図8】 従来のウィンチの構成を示す図である。
【符号の説明】
31 ウィンチドラム
32 油圧モータ
33 遊星歯車機構
34 遊星歯車機構のサンギヤ
35 同プラネタリギヤ
36 同リングギヤ
37 同キャリア
38 同キャリア軸
43 制動装置
39 制動装置を構成する多板ディスク
41 制動シリンダ
44 多板ディスクを構成するインナプレート(回転摩擦板)
46 同アウタプレート(固定摩擦板)
48 ブレーキ油圧源
50 動力伝達モードとフリーフォールモードを切換えるモード切換弁
51 ブレーキ弁
52 フートペダル
53 指令手段としてのリモコン弁
A 通常駆動部
54 通常駆動部を構成するコントロールバルブ
55 通常駆動部の油圧源としての油圧ポンプ
B 強制駆動部
65 強制駆動部を構成する抵抗弁
66 同選択弁(駆動部選択手段)
67 強制駆動部の油圧源としての油圧ポンプ
72 フリーフォールモード検出装置(フリーフォールモード検出手段)
70 同装置を構成する圧力変換器
71 フリーフォールモード検出手段、フリーフォールモード切換手段及びフリーフォール増速指令部を構成するコントローラ
56 パーキングブレーキ
58 第1パーキングブレーキ制御弁
59 第2パーキングブレーキ制御弁
57 高圧選択弁
80 通常駆動部と強制駆動部の共用油圧源としての油圧ポンプ
84 フリーフォールモード検出手段としての圧力スイッチ
88 圧力検出管路(フリーフォールモード検出手段)
73,87 フリーフォールモード切換装置(フリーフォールモード切換手段)
74 同装置の切換スイッチ
75 切換ペダル(切換操作部)
89 モータ駆動回路の電磁比例減圧弁
82 フリーフォール増速弁を兼ねる第2パーキングブレーキ制御弁
95 安全弁
94 スティック検出手段としての圧力センサ

Claims (1)

  1. 次の要件を具備することを特徴とする油圧ウィンチ。
    () ウィンチドラムと、このウィンチドラムの回転駆動源としての油圧モータと、この油圧モータを駆動するモータ駆動回路と、このモータ駆動回路に上記油圧モータの回転指令を出す指令手段と、上記ウィンチドラムに設けられた制動装置とを具備すること。
    (II) 上記制動装置は、制動解除時に上記油圧モータと連動して回転する回転摩擦板と回転不能な固定摩擦板が圧接・離間することにより、上記油圧モータの回転力をウィンチドラムに伝える動力伝達モードと、ウィンチドラムの自由回転を許容するフリーフォールモードとに切換え可能に構成されていること。
    (III) この制動装置がフリーフォールモードであって上記各摩擦板が圧接解除・離間状態であることを検出してフリーフォールモード信号を出力するフリーフォールモード検出手段が設けられていること。
    (IV) 上記モータ駆動回路は、上記フリーフォールモード信号に基づいて上記油圧モータを巻下回転させる方向に作動するフリーフォール増速弁を備え、かつ、このフリーフォール増速弁がフリーフォールモード以外で作動位置にとどまるスティック状態にあることを検出するスティック検出手段と、このスティック検出手段によってフリーフォール増速弁がスティック状態にあることが検出されたときに上記フリーフォール増速弁の出力を下流側に対して遮断する安全弁が設けられたこと
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