JP2003226069A - インクジェット記録方法及びカラー画像形成方法 - Google Patents

インクジェット記録方法及びカラー画像形成方法

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JP2003226069A JP2003015847A JP2003015847A JP2003226069A JP 2003226069 A JP2003226069 A JP 2003226069A JP 2003015847 A JP2003015847 A JP 2003015847A JP 2003015847 A JP2003015847 A JP 2003015847A JP 2003226069 A JP2003226069 A JP 2003226069A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般のオフィス等で使用されている酸性紙、
中性紙の普通紙に対し印字記録を行った場合に、印字記
録物の画像品位に悪影響を与えることなく、印字記録物
が十分な耐水性を有し、且つ長期間の保存に対しても何
ら問題がなく、更に目詰まりに対しても問題のない高品
位な印字を可能にすることの出来るインク、これを用い
たインクジェット記録方法及びカラー画像形成方法の提
供。 【解決手段】 少なくとも色材と、一般式(I)で示さ
れる構造を有する化合物と、液媒体とを含有するインク
ジェット用インクを記録信号に応じてオリフィスから吐
出させて酸性紙又は中性紙に記録を行なうインクジェッ
ト記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
法及びカラー画像形成方法に関し、更に詳しくは、一般
のオフィス等で使用されている酸性紙、中性紙等のいわ
ゆる普通紙に対する印字記録物の耐水性に優れ、且つ高
画質の記録を行うことが出来るインクジェット記録方法
及びカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から筆記具(万年筆、サインペン、
水性ボールペン等)用インク及びインクジェット用イン
クについては、実に様々な組成のものが報告されてい
る。中でも近年はオフィスで一般に使用されているコピ
ー用紙、レポート用紙、ノート、便箋等の普通紙に対し
ての印字記録物の耐水性の要望が高まっており、インク
の組成及び物性等の多様な面から詳細な研究開発が為さ
れている。例えば、特開平2−296878号公報及び
特開平2−255876号公報には、水性インク組成物
にポリアミンを含有させることにより、印字記録物の耐
水性を向上させることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
上記の様なインクにおいては、耐水性を向上させるメカ
ニズムが基本的に染料の親水基部に対する増塩によると
ころが大きい為、目詰まりやインクの安定性が損なわれ
る場合がある。このことから、上記の様なインクにおい
ては、インクの安定性を向上させる目的で溶解安定剤を
インク中に含有させることも考えられているが、この場
合、インク中に含有させる溶解安定剤を多量に入れなけ
ればならない為、かかるインクを使用して形成された印
字記録物の画像品位が低下する。特に、インクジェット
記録においては、普通紙等の被記録材に記録されたイン
クの定着は、被記録材に対する自然浸透及び蒸発による
ところが大きい為、画像品位の低下の発生が問題とな
る。
【0004】又、特開昭57−577760号公報に
は、インク中に両性界面活性剤を含有させ、印字記録物
の耐水性を向上させる方法が提案されている。しかしな
がら、上記のインクは、被記録材の種類によって印字記
録物の耐水性が左右されるものであった。即ち、被記録
材の表面pH、サイズ材種、セルロースの種類等によっ
て、耐水性の良い被記録材もあれば、文字の汚れがひど
く、耐水性に劣る被記録材もある。又、上記インクは記
録物の耐水性が良好でも、インクが粘調になったり、目
詰まり等が発生したりし、実用性に劣るものであった。
又、一般に両性界面活性剤はその成分中に多くの不純物
を含む為、インクの信頼性や画質等を低下させるという
問題点もあった。以上の様に、印字記録物の品位、耐水
性及び実用性に優れ、且つインクの信頼性にも優れ、
又、被記録物の材質に拘らず耐水性の良好な印字物を与
えるインクは未だ発見されていない。
【0005】従って、本発明の目的は、一般のオフィス
等で使用されている酸性紙、中性紙等の、いわゆる普通
紙に対し印字記録を行った場合に、印字記録物の画像品
位に悪影響を与えることなく、印字記録物が十分な耐水
性を有し、且つ長期間の保存に対しても何ら問題がな
く、更に目詰まりに対しても問題のない高品位な印字を
可能にすることの出来るインクを用いたインクジェット
記録方法及びカラー画像形成方法を提供することにあ
る。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも色
材と、下記一般式(I)で示される構造を有する化合物
と、液媒体とを含有するインクジェット用インクを記録
信号に応じてオリフィスから吐出させて酸性紙又は中性
紙に記録を行なうことを特徴とするインクジェット記録
方法である。 (式中、R1は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
子を表し、R2は(CH2) a−X1又は水素原子を表し、
aは1〜4の整数とする。R3は(CH2)b−X2又はR4
−Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R
4は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。
Zは(NR5l2l)c(NHCn2n)dを表し、l(エ
ル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整数と
する。Yは(NR6m2m)e(NHCp2p)fを表し、m
及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整数とす
る。R5は(CH2)g−X3を表し、gは1〜4の整数と
する。R6は(CH2)h−X4を表し、hは1〜4の整数
とする。X1、X2、X3及びX4は、夫々、カルボキシル
基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩
又は水素原子からなる群から選ばれる。又、R2及びR3
が夫々水素原子である時、c及びeが共に0になること
はなく、又、X1、X2、X3及びX4が全て水素原子にな
ることもない。) 又、本発明は、少なくとも色材と液媒体とを含有する第
1のインクジェット用インクと少なくとも色材と液媒体
とを含有する第2のインクジェット用インクとを各々記
録信号に応じてオリフィスから吐出させ、被記録材に記
録を行なうインクジェット記録方法において、前記第1
のインクジェト用インク及び前記第2のインクジェット
用インクの夫々が上記一般式(I)で示される構造を有
する化合物を更に含有することを特徴とするインクジェ
ット記録方法である。又、本発明は、第1のインクジェ
ット用インクと第2のインクジェット用インクとを各々
インクジェット記録方法によって被記録材に付与し、カ
ラー画像を形成する方法において、前記第1のインクジ
ェト用インク及び前記第2のインクジェット用インクの
夫々が少なくとも色材と液媒体と上記記一般式(I)で
示される構造を有する化合物とを含有し、且つ、前記被
記録材が酸性紙または中性紙であることを特徴とするカ
ラー画像形成方法である。
【0007】
【作用】本発明者らは、水溶性インクによる印字記録物
の耐水性の向上の為、様々なインク組成について鋭意検
討を行った結果、少なくとも色材とこれを溶解又は分散
する液媒体とからなるインクを、pHが4〜10の範囲
内に粘度の最大ピークを有する様にすることによって、
該インクを使用して画像形成を行う際に、形成される画
像品位を損なうことなく、例えば、通常のインクを用い
た場合にはフェザリングが発生する普通紙においても、
フェザリングが発生せずに画像を形成することが出来、
又、カラー画像を形成する場合にも、異なった色調のイ
ンクの付与領域間で発生する境界滲みを防止することが
出来、且つ得られる印字記録物の耐水性の向上が達成さ
れ、又、インクを長期保存した後でもインクの品質が損
なわれることなく良好であることを知見して本発明を完
成した。更に、かかるインクをインクジェット記録に使
用した場合も、インクジェット記録システムの信頼性を
損なうことがないことを知見して本発明を完成した。
【0008】本発明にかかるインクが耐水性の良好な印
字記録物を与える理由は未だ明白ではないが、あえて推
論すれば以下の様なことが考えられる。 (1)一般に広く利用されている被記録材は、表面のp
Hが酸性から中性の範囲にある。従って、本発明にかか
るインクがこれらの被記録材上に付与されて印字記録さ
れると、インク中の揮発成分の蒸発に伴い、速やかに増
粘現象が発生して、被記録材上に残留するインク中の各
成分と被記録材成分との間で結合状態を形成する。この
時、色材は、上記結合状態の一部を担い、結合状態の内
部、例えば、網目構造の空間にトラップされる。この
為、色材は流動性を失い、印字記録の際におけるフェザ
リングが防止され且つ耐水性が良好となる。更に、異な
った色調のインクの付与領域間における境界滲みの発生
も防止される。 (2)又、印字記録物の耐水性について別の見方をする
と、本発明にかかるインクが被記録材上に印字記録され
て定着した後に水がかかったとしても、一般に使用され
ている水や雨水はそのpHが弱酸性から中性付近にある
為、印字記録物を形成している本発明にかかるインク成
分はこれらの水との界面において、粘度が高く、流動性
の低い、例えば、耐水性の膜の様なものを形成し、印字
記録物の耐水性を良好にする。
【0009】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明にかかるインク、即
ち、pHが4〜10の範囲内に粘度の最大ピークを有す
るインクは、例えば、インクに塩酸や酢酸等の酸性化合
物を添加し、pHを変化させた場合、図7の様な粘度特
性を示すインクである。又、本発明の好ましい実施態様
において、使用されるインクのpHが4〜10の範囲で
溶解性の最小ピークを有する化合物としては、例えば、
インク中に溶解させた場合に、図8に示した様な溶解度
特性を示す化合物である。以上の様な化合物の中で構造
的に好ましいのは、第2級アミン又は第2級アミンの誘
導体、第3級アミン又は第3級アミンの誘導体及び夫々
の複合物からなる化合物から選ばれる少なくとも1種の
化合物であり、且つ該化合物は、アルキル基、カルボキ
シル基、カルボキシル基の塩、スルホン基及びスルホン
基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基
を有する化合物である。この様な化合物のなかで、特に
好ましいのは、下記一般式(I)で示される化合物であ
る。
【0010】 (式中、R1は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
子を表し、R2は(CH2a−X1又は水素原子を表し、
aは1〜4の整数とする。R3は(CH2b−X2又はR
4−Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。
4は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子とす
る。Zは(NR5l2lc(NHCn2ndを表し、
l(エル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の
整数とする。Yは(NR6m2me(NHCp2pf
を表し、m及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の
整数とする。R5は(CH2g−X3を表し、gは1〜4
の整数とする。R6は(CH2h−X4を表し、hは1〜
4の整数とする。X1 、X2 、X 3及びX4は、夫々カル
ボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホ
ン基の塩又は水素原子から選ばれる。又、R2及びR3
夫々水素原子である時、c及びeが共に0になることは
なく、又X1、X2、X3及びX4が全て水素原子になるこ
ともない。)
【0011】又、一般式(I)の化合物において、イン
ク性能の安定性等を考えると、特にX1、X2、X3及び
4が夫々、カルボキシル基の塩、スルホン基の塩又は
水素原子からなる群から選ばれることが好ましい。この
理由は、X1、X2、X3及びX4が夫々、カルボキシル基
又はスルホン基から選ばれると、一般式(I)の化合物
は、環状化合物を形成し、インクの性能や信頼性を低下
させ易くなる為である。以下に、一般式(I)に含まれ
る好ましい化合物を列挙したが、本発明はこれらの化合
物に限定されるものではなく、又、これらの化合物は2
種以上を同時に使用することも出来る。
【0012】(化合物1) (化合物2) (化合物3)
【0013】(化合物4) (化合物5) (化合物6)
【0014】 (化合物7) C1531(NHC242NHCH2CO
ONa (化合物8) C1531NHC24COOLi (化合物9) C37(NHC242NHCH2COO
Na (化合物10)C1225NHC24COONa (化合物11)C1225(NHC24)NHCH2CO
OLi
【0015】 (化合物12)C1225(NHC24)NHC24SO
3Li (化合物13)C1531(NHC24)NHCH2SO3
Na (化合物14)C2041(NHC24)NHCH2SO3
NH4 (化合物15)C1531(NHC242NHC24
OONH4 (化合物16)C2551(NHC243 NHCH2
3Li (化合物17)C1531(NHC24)NHCH2SO3
H・N(CH2CH33
【0016】(化合物18)C1021(NHC243
NHCH24COOH・NH(CH2CH32 (化合物19)C1225(NHC242NHCH2CO
ONH4 (化合物20)C511(NHC242NHCH2CO
ONa (化合物21)C715(NHC24224COON
a (化合物22)C1225(NHC244NHCH2CO
ONa
【0017】(化合物23) (化合物24)
【0018】(化合物25)C1225NHC36NHC
2COONH4 (化合物26)C1225NHC36NHC24COON
a (化合物27)C817N(CH3)C24N(CH3
24NHC24COONa (化合物28)C1225NHC36N(CH3)C24
COOLi
【0019】(化合物29) (化合物30)
【0020】又、本発明に使用される一般式(I)で示
される上記した様な化合物のインク中での含有量として
は、用途、目的、色材種、インク組成に依存するところ
が大きいが、好ましくは、0.01〜20重量%の範
囲、更に好ましくは0.1〜10.0重量%の範囲であ
る。
【0021】本発明にかかるインクに使用される色材と
しては、特に限定されることなく、各種の染料及び顔料
等の色材が使用される。この中で、インク化の容易性、
及びインクの安定性を考えると、例えば、酸性染料、塩
基性染料及び直接染料が使用し易く、特に有効な色材は
直接性のある染料である。又、直接性を持つ染料がスル
ホン基を有すると特に好ましい。又、直接性を持つ染料
が、2価の有機連結基を除いた部分で窒素原子を有する
ものも好ましい。これらの中で、特に好ましくは、色材
が少なくともアミノ基又は窒素原子と共に5又は6員環
を形成する環状化合物を有する染料である。以上の色材
について、具体的には、例えば、ダイレクトブラック1
68、ダイレクトブラック154、ダイレクトイエロー
142、ダイレクトイエロー86、ダイレクトレッド2
27、ダイレクトブルー199及び、下記の遊離酸の形
で一般式(II)及び(III)の色材も考えられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0022】 Pc(SO3H)t(SO2−NR1−L−NR2−X−NR3−G)q (II ) (式中、Pcは含金フタロシアニン核、R1、R2及びR
3は各々独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、ア
ルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基又は置換
アラルキル基を表す。Lは2価の有機連結基を表す。X
は、夫々独立に、カルボニル基又は下記(2)〜(4)
式で示される基を表す。
【0023】
【0024】各Zは夫々独立に、NR45、SR6又は
OR6を表し、各Yは夫々独立にH、Cl、Z、SR7
はOR7を表し、各Eは夫々独立に、Cl又はCNを表
す。R 4、R5、R6及びR7は各々独立に、H、アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ア
ラルキル基又は置換アラルキル基を表し、R4及びR5
窒素原子と共に5又は6員環を形成する。Gは1又は2
個のCOSH又はCOOHで置換された無色有機残基を
表し、t+qは3〜4の整数とする。)
【0025】一般式(II)で表される化合物としては、
例えば、以下の様なものが挙げられる。
【0026】 Ar1N=NJX(NR1LNR2X)nJN=NAr2 (III) (式中、Jは下記式を表す。 Ar1及びAr2は、各々独立に、アリール基又は置換ア
リール基であって、Ar 1とAr2の少なくとも1つが独
立にCOOHとCOSHから選ばれる置換基を1個以上
有する。R1及びR2は独立に、H、アルキル基、置換ア
ルキル基、アルケニル基又は置換アルケニル基を表し、
Lは2価の有機連結基を表し、nは0又は1を表す。X
は夫々独立に、カルボニル基、又は下記(2)〜(4)
式で示される基を表す。
【0027】 Zは夫々独立に、NR34、SR5又はOR5を表し、Y
は夫々独立に、H、Cl、Z、SR6又はOR6を表し、
Eは夫々独立に、Cl又はCNを表す。R3、R4、R5
及びR6は夫々独立に、H、アルキル基、置換アルキル
基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置
換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基を表
し、R3又はR4は窒素原子と共に5又は6員環を形成す
る。又、一般式(III)で表される化合物は、少なくと
もSO3Hと同数のCOOH又はCOSHから選ばれた
基を有する。)
【0028】一般式(III)で示される化合物として、
具体的には、例えば、以下の様なものが挙げられる。
【0029】
【0030】 上記の様な色材の使用量については特に制限されない
が、一般的にはインクの全重量に対して0.1〜15重
量%の範囲が好適で、より好適には0.1〜10重量%
である。
【0031】又、本発明にかかるインクは、pH調整剤
を添加する場合、特に印字記録性を良好にするのなら
ば、インクのpHをインクの最大粘度ピークよりアルカ
リ性側に調整するのが好ましい。又、pH調整剤には、
各種塩基性成分又は酸性成分が用いられるが、特に良好
なのは、アンモニア、アミン等の揮発性のある塩基性成
分である。酸性成分を用いる場合には、硫酸、酢酸及び
塩酸等が用いられる。尚、本発明にかかるインクは、上
記成分の他に必要に応じて水溶性有機溶剤、界面活性
剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止
剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等の種
々の添加剤を含有してもよい。
【0032】本発明で使用される液媒体は、水と水溶性
有機溶剤との混合物であることが好ましい。具体的な水
溶性有機溶剤の例としては、例えば、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等
のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原
子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレ
ングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエ
チレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、
トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、
ジメチルサルフォキサイド、2−ピロリドン、ε−カプ
ロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド等
のイミド化合物等が挙げられる。
【0033】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して重量%で1%〜40%が好まし
く、より好ましくは3%〜30%の範囲である。又、イ
ンク中の水の含有量は、30〜95重量%の範囲で使用
される。30重量%より少ないと色材の溶解性等が悪く
なり、インクの粘度も高くなる為好ましくない。一方、
95重量%より多いと蒸発成分が多すぎて、十分な固着
特性を満足することが出来ない。
【0034】本発明にかかるインクは、熱エネルギーに
よるインクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプ
のインクジェット記録方法に適用する場合に特に好適で
あり、吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発
生等が生じないという特徴がある。但し、この場合に
は、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導
率等)を調整する場合もある。更に、本発明にかかるイ
ンクは普通紙等に記録した場合の印字記録物のインクの
耐水性の問題を解決すると同時に、インクジェット用ヘ
ッドに対するマッチングを良好にする面から、インク自
体の物性として25℃における表面張力が30〜68d
yne/cm、粘度が15cP以下、好ましくは10c
P以下、より好ましくは5cP以下に調整されることが
望ましい。従って、上記物性にインクを調整し、普通紙
における問題を解決する為には、本発明にかかるインク
中に含有される水分量としては50重量%以上98重量
%以下、好ましくは60重量%以上95重量%以下とさ
れるのが好適である。
【0035】本発明にかかるインクは、熱エネルギーの
作用により液滴を吐出させて記録を行うインクジェット
記録方法にとりわけ好適に用いられるが、一般の筆記用
具としても使用出来る。本発明にかかるインクを用いて
記録を行うのに好適な方法及び装置としては、記録ヘッ
ドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを
与え、該熱エネルギーにより液滴を発生させる方法及び
装置が挙げられる。
【0036】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを通す溝
14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板
等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘ
ッドが示されているが、これに限定されるものではな
い)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリ
コン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17
−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層
18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基盤20
とによりなっている。インク21は吐出オリフィス(微
細孔)22まできており、圧力Pによりメニスカス23
を形成している。今、電極17−1、17−2に電気信
号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急
激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生
し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が
吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記
録材25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッ
ドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチ
ヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に
説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作さ
れている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13
の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図であ
る。
【0037】図4に、かかるヘッドを組み込んだインク
ジェット記録装置の一例を示す。図4において、61は
ワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブ
レード保持部材によって保持されて固定端となり、カン
チレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによ
る記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場
合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持され
る。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホ
ームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂
直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを
行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して
設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、
記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって
吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体6
3によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行わ
れる。
【0038】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッドであり、66は記録ヘッド
65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリ
ッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能
に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって
駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これ
によりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可
能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接
した領域の移動が可能となる。51は被記録材を挿入す
る為の給紙部、52は不図示のモータにより駆動される
紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッド
の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録
が進行するにつれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排
紙される。
【0039】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64の
キャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接
してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッ
ドの移動経路中に突出する様に移動する。記録ヘッド6
5がホームポジションから記録開始位置へ移動する場
合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピン
グ時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動に
おいても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされ
る。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、
記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記
録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域
に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴っ
て上記ワイピングが行われる。
【0040】図5は、ヘッドにインク供給部材、例えば
チューブを介して供給されるインクを収容したインクカ
ートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用
インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44
は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部とし
ては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが本発明にとって好まし
い。本発明で使用されるインクジェット記録装置として
は、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体と
なったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体にな
ったものにも好適に用いられる。
【0041】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又
はポリビニルアセタールを用いることが本発明にとって
好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させる
為の大気連通口である。この記録ユニット70は、図4
で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キ
ャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0042】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。
【0043】実施例1〜実施例8 下記に示す各成分を混合し、十分撹拌して溶解後、ポア
サイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品
名:住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明にかか
るインクを夫々調製した。又、夫々の化合物の塩成分で
pHを約9.5に調整した。
【0044】実施例1のインク組成 ・C.I.ダイレクトブラック168 2部 ・チオジグリコール 10部 ・水 83.3部 ・化合物8 3部 ・硫酸アンモニウム 0.5部
【0045】実施例2のインク組成 ・C.I.ダイレクトブラック168 2.5部 ・2−ピロリドン 10部 ・水 82.75部 ・化合物21 4部 ・亜硫酸水素ナトリウム 0.75部
【0046】実施例3のインク組成 ・C.I.ダイレクトブラック168 2部 ・チオジグリコール 10部 ・イソプロピルアルコール 4部 ・水 80部 ・化合物9 4部
【0047】実施例4のインク組成 ・C.I.ダイレクトブルー199 2部 ・ジプロピレングリコール 10部 ・水 87部 ・化合物19 1部
【0048】実施例5のインク組成 ・C.I.ダイレクトイエロー86 2部 ・ジエチレングリコール 10部 ・水 86.5部 ・化合物19 0.5部
【0049】実施例6のインク組成 ・C.I.ダイレクトブラック154 3部 ・エチレングリコール 5部 ・チオジグリコール 5部 ・水 85.5部 ・化合物25 1.5部
【0050】実施例7のインク組成 ・C.I.ダイレクトレッド227 3部 ・ジエチレングリコール 5部 ・チオジグリコール 5部 ・水 82.5部 ・化合物10 4.5部
【0051】実施例8のインク組成 ・C.I.ダイレクトブラック168 2部 ・C.I.フードブラック1 1.0部 ・チオジグリコール 10部 ・エタノール 4部 ・水 78.3部 ・化合物15 4部 ・塩酸アンモニウム 0.7部 ・水酸化ナトリウム 0.2部
【0052】比較例1〜比較例7 実施例1〜実施例7の組成において、夫々の組成から一
般式(I)で示される化合物を除き、その不足分を純水
で補ったものを夫々比較例1〜比較例7のインクとし
た。 比較例8 実施例8の化合物15を、ジメチルドデシルベタインに
代え、比較例8のインクとした。
【0053】次に、上記で得られた実施例1〜実施例8
と比較例1〜比較例8のインクを用い、インクジェット
記録装置として発熱素子をインクの吐出エネルギー源と
して利用したオンデマンド型インクジェットプリンター
を使用して印字試験を行い、(1)耐水性、(2)周波
数応答性、(3)印字品位の評価及び(4)カラー画像
における異なった色調のインクの付与領域間での境界滲
みの評価を下記の基準に従って夫々行った。又、得られ
た結果を後記表1〜表3に示す。尚、上記のインクジェ
ット記録装置の印字条件としては、駆動電圧26V、発
熱抵抗体の抵抗値150Ω及び周波数4KHzで行っ
た。
【0054】<評価方法及び評価基準> (1)耐水性(A) プリンターに所定のインクを充填して、市販の酸性紙に
英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、
印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD9
15(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その
後、印字物を水を満たした容器に3分間以上浸漬した
後、放置、乾燥して再度印字濃度を測定し、印字物濃度
の残存率を求め、耐水性の評価とした。 ○:印字物濃度の残存率が80%以上。 △:印字物濃度の残存率が66%以上〜79%以下。 ×:印字物濃度の残存率が65%以下。 耐水性(B) プリンターに所定のインクを充填して、市販の中性紙に
英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、
印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD9
15(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その
後、印字物を水を満たした容器に3分間浸漬した後、放
置、乾燥して再度印字濃度を測定し、印字物濃度の残存
率を求め、耐水性の評価とした。 ○:印字物濃度の残存率が80%以上。 △:印字物濃度の残存率が66%以上〜79%以下。 ×:印字物濃度の残存率が65%以下。
【0055】(2)周波数応答性 得られた印字物の印字状態、即ちカスレや白抜け状態及
びスブラッシュやヨレ等の着弾点不良状態を肉眼で観察
し、評価した。 ○:周波数に対するインクの追従状態は、ほぼ良好であ
り、キャラクタ印字ではカスレや白抜け、着弾点不良が
見られないが、ベタ印字において僅かにカスレが見られ
る。 △:キャラクタ印字ではカスレや白抜けは見られない
が、一部に着弾点不良が見られる。又、ベタ印字ではカ
スレ、白抜けがベタ印字全体の1/3程度で見られる。 ×:ベタ印字ではカスレ、白抜けが多く、又、キャラク
タ印字においてもカスレや着弾点不良が多数見られる。
【0056】(3)印字品位の評価(A) プリンターで市販の酸性紙に英数文字を印字し、印字物
を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャ
ープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価
した。 ◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。 ○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発
生。 △:文字にシャープさがない。又は、ヒゲ状の滲みが少
し多い。 ×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。 印字品位の評価(B) プリンターで市販の中性紙に英数文字を印字し、印字物
を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャ
ープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価
した。 ◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。 ○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発
生。 △:文字にシャープさがない。又は、ヒゲ状の滲みが多
い。 ×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。
【0057】(4)カラー画像における異なった色調の
インクの付与領域間での境界滲みの発生 実施例4、実施例5及び実施例6のインクを組み合わせ
て実施例9のインクとし、インクジェットカラープリン
ターBJC800(商品名;キヤノン(株)製)で異な
った色調のインクの付与領域間での境界滲みの評価を行
った。又、比較例1、比較例4及び比較例5のインクを
組み合わせて比較例9のインクとしての同様の評価を行
った。基準は、以下の通りにした。 ○:異なった色調のインクの付与領域間での境界がシャ
ープであり、境界滲みが見られない。 ×:異なった色調のインクの付与領域間での境界がぼや
け、境界滲みが見られる。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、一般オフィ
ス等で使用されている酸性紙及び中性紙等の、いわゆる
普通紙に対して印字記録をした場合、印字記録物の印字
品位等に悪影響を与えることなく良好にし、印字記録物
の耐水性を向上させ得るインクジェット記録方法及び画
像形成方法を提供することが出来る。更に、本発明によ
れば、長期間の保存後も安定性が良好であり、インクジ
ェット記録システムに用いても何ら問題のない信頼性の
高い記録を行い得るインクを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】本発明にかかるインクのpHと粘度の関係を示
す図である。
【図8】本発明で使用される化合物のpHと溶解性との
関係を示す図である。
【符号の説明】
61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 弘道 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 太田 徳也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA01 BA02 BA21 BA53 BA59 4J039 BC19 BC32 BC33 BC54 BE01 BE02 BE12 CA03 EA38 EA42 EA46 GA24

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも色材と、下記一般式(I)で
    示される構造を有する化合物と、液媒体とを含有するイ
    ンクジェット用インクを記録信号に応じてオリフィスか
    ら吐出させて酸性紙又は中性紙に記録を行なうことを特
    徴とするインクジェット記録方法。 (式中、R1は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
    子を表し、R2は(CH2) a−X1又は水素原子を表し、
    aは1〜4の整数とする。R3は(CH2)b−X2又はR4
    −Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R
    4は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。
    Zは(NR5l2l)c(NHCn2n)dを表し、l(エ
    ル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整数と
    する。Yは(NR6m2m)e(NHCp2p)fを表し、m
    及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整数とす
    る。R5は(CH2)g−X3を表し、gは1〜4の整数と
    する。R6は(CH2)h−X4を表し、hは1〜4の整数
    とする。X1、X2、X3及びX4は、夫々、カルボキシル
    基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩
    又は水素原子からなる群から選ばれる。又、R2及びR3
    が夫々水素原子である時、c及びeが共に0になること
    はなく、又、X1、X2、X3及びX4が全て水素原子にな
    ることもない。)
  2. 【請求項2】 少なくとも色材と液媒体とを含有する第
    1のインクジェット用インクと少なくとも色材と液媒体
    とを含有する第2のインクジェット用インクとを各々記
    録信号に応じてオリフィスから吐出させ、被記録材に記
    録を行なうインクジェット記録方法において、前記第1
    のインクジェト用インク及び前記第2のインクジェット
    用インクの夫々が下記一般式(I)で示される構造を有
    する化合物を更に含有することを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。 (式中、R1は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
    子を表し、R2は(CH2) a−X1又は水素原子を表し、
    aは1〜4の整数とする。R3は(CH2)b−X2又はR4
    −Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R
    4は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。
    Zは(NR5l2l)c(NHCn2n)dを表し、l(エ
    ル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整数と
    する。Yは(NR6m2m)e(NHCp2p)fを表し、m
    及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整数とす
    る。R5は(CH2)g−X3を表し、gは1〜4の整数と
    する。R6は(CH2)h−X4を表し、hは1〜4の整数
    とする。X1、X2、X3及びX4は、夫々、カルボキシル
    基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩
    又は水素原子からなる群から選ばれる。又、R2及びR3
    が夫々水素原子である時、c及びeが共に0になること
    はなく、又、X1、X2、X3及びX4が全て水素原子にな
    ることもない。)
  3. 【請求項3】 被記録材上において前記第1のインクの
    付与領域と前記第2のインクの付与領域とが接するよう
    に記録を行なう請求項2に記載のインクジェット記録方
    法。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)で示される構造を有す
    る化合物が、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第
    3級アミン又は第3級アミンの誘導体である化合物から
    選ばれる少なくとも1種の化合物であって、更にカルボ
    キシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基及びスルホ
    ン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を有す
    る化合物である請求項1〜3の何れか1項に記載のイン
    クジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記一般式(I)で示される構造を有す
    る化合物が、カルボキシル基の塩またはスルホン基の塩
    を有する化合物である請求項4に記載のインクジェット
    記録方法。
  6. 【請求項6】 前記一般式(I)で示される構造を有す
    る化合物が、炭素数3以上のアルキル基を有する化合物
    である請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  7. 【請求項7】 第1のインクジェット用インクと第2の
    インクジェット用インクとを各々インクジェット記録方
    法によって被記録材に付与し、カラー画像を形成する方
    法において、前記第1のインクジェト用インク及び前記
    第2のインクジェット用インクの夫々が少なくとも色材
    と液媒体と下記一般式(I)で示される構造を有する化
    合物とを含有し、且つ、前記被記録材が酸性紙または中
    性紙であることを特徴とするカラー画像形成方法。 (式中、R1は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原
    子を表し、R2は(CH2) a−X1又は水素原子を表し、
    aは1〜4の整数とする。R3は(CH2)b−X2又はR4
    −Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R
    4は炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。
    Zは(NR5l2l)c(NHCn2n)dを表し、l(エ
    ル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整数と
    する。Yは(NR6m2m)e(NHCp2p)fを表し、m
    及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整数とす
    る。R5は(CH2)g−X3を表し、gは1〜4の整数と
    する。R6は(CH2)h−X4を表し、hは1〜4の整数
    とする。X1、X2、X3及びX4は、夫々、カルボキシル
    基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩
    又は水素原子からなる群から選ばれる。又、R2及びR3
    が夫々水素原子である時、c及びeが共に0になること
    はなく、又、X1、X2、X3及びX4が全て水素原子にな
    ることもない。)
  8. 【請求項8】 前記第1のインクの付与領域と前記第2
    のインクの付与領域とが接する請求項7に記載のカラー
    画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記一般式(I)で示される構造を有す
    る化合物が、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第
    3級アミン又は第3級アミンの誘導体である化合物から
    選ばれる少なくとも1種の化合物であって、更にカルボ
    キシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基及びスルホ
    ン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を有す
    る化合物である請求項7又は8に記載のカラー画像形成
    方法。
  10. 【請求項10】 前記一般式(I)で示される構造を有
    する化合物が、カルボキシル基の塩またはスルホン基の
    塩を有する化合物である請求項9に記載のカラー画像形
    成方法。
  11. 【請求項11】 前記一般式(I)で示される構造を有
    する化合物が、炭素数3以上のアルキル基を有する化合
    物である請求項7〜10の何れか1項に記載のカラー画
    像形成方法。
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