JP3302269B2 - インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 - Google Patents

インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器

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JP3302269B2
JP3302269B2 JP23862296A JP23862296A JP3302269B2 JP 3302269 B2 JP3302269 B2 JP 3302269B2 JP 23862296 A JP23862296 A JP 23862296A JP 23862296 A JP23862296 A JP 23862296A JP 3302269 B2 JP3302269 B2 JP 3302269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク、これを用
いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた
機器、記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からインクジェット用インクには実
に様々な組成のものが報告されており、インクジェット
の信頼性に関する様々な検討が行われている。今日では
プリンターの高速化が求められており、それに伴いイン
クの高周波数応答性が必要となってきている。また、エ
コロジーの面から、ヘッドの寿命がのびてきているた
め、インクジェット用インクにはさらに厳しい信頼性が
求められており、それに加え、特に中性紙などの所謂普
通紙における耐水性、並びにカラー画像における良好な
色調も求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特にイエローインクに
ついて述べると、特公平3−6193号公報ではC.
I.ダイレクトイエロー86を用いたインクが提案され
ているが、この場合、インクの保存性や固着に対しては
かなり向上はするものの、連続印字を行っていくうちに
吐出性が不安定になるといった不具合が生じる。また、
普通紙に対する耐水性や色調についても十分といえるも
のではない。また、特開平5−194890号公報に
は、C.I.ダイレクトイエロー86とC.I.アシッ
ドイエロー23を含有するイエローインク、また特開昭
61−2771号公報には、下記の一般式(A)
【0004】
【化6】
【0005】(式中、M 1及びM2は水素原子、アルカリ
金属、アンモニアまたは有機アミンを示し、同じでも異
なっていてもよい。Xは炭素数6〜18のアルキルアミ
ン残基またはアルコキシアルキルアミン残基を示す。)
で表わされる染料を含有するイエローインクが提案され
ているが、該インクはいずれも色調は良好であるもの
の、普通紙に対する耐水性はやはり十分なものとはいえ
ない。
【0006】また、EP 0468647A1では耐水
性の優れたイエロー染料が提案されているが、インクジ
ェットプリンターにおいてこれらの耐水性の良好なイン
クを使用した場合には、耐水性が良好になる反面、ノズ
ル内の固着により印字に乱れを生じたり、不吐出を起こ
すことがある。また、連続印字をしていくうちに印字が
乱れて吐出性が不安定になるといった問題も生じる。
【0007】このように連続印字したときの印字品位な
どのインクジェットにおける信頼性を満たし、且つ耐水
性をも満足し、色調も良好なイエローインクはいまだ見
出されていない。
【0008】そこで本発明の目的は、インクジェット記
録装置において、連続印字をしたときの印字品位、保存
安定性等の各種信頼性に対してもなんら問題がなく、普
通紙に対する耐水性も良好で、色調も良好なイエローイ
ンク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかる
インクを用いた機器、記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも2
種以上の黄色染料と、該染料を溶解または分散する液媒
体を含有するイエローインクにおいて、少なくとも遊離
酸の状態で下記一般式(1)で示される染料と、C.
I.ダイレクトイエロー86とを含有することを特徴と
するインクである。なお、本発明において、遊離酸の状
態で主可溶化基がSO 3 H基で、L * * * 色度図上でb
* =xa * (3≦x≦∞)に位置する黄色染料は、好まし
くはC.I.ダイレクトイエロー86を表わす。
【0010】
【化7】
【0011】[式中、Ar及びAr1は各々アリール基
または置換アリール基を示し、Ar及びAr1の少なく
とも1つはCOOHまたはCOSHから選ばれる置換基
を有する。J及びJ1は各々下記一般式(2)、(3)
及び(4)からなる群から選ばれる構造からなる。
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R5は独立的に、H、アルキル
基、置換アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、
ウレイド及びNHCOR6から選択される。R6はH、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択され
る。Tはアルキル基を示し、WはH、CN、CONR10
11、ピリジウム及びCOOHから選択される。(m)
は炭素数2〜8のアルキレン鎖を示し、BはH、アルキ
ル基及びCOOHから選択される。)
【0014】R1、R2、R3、R4、R10及びR11は各々
H、アルキル基及び置換アルキル基から選択され、Lは
2価の有機結合基を示し、nは0または1を示す。Xは
カルボニル基又は下記一般式(5)、(6)又は(7)
の構造からなる。
【0015】
【化9】
【0016】(式中、ZはOR7、SR7、及びNR89
から選択され、YはH、Cl、CN及びZから選択さ
れ、EはCl及びCNから選択される。R7、R8及びR
9は夫々H、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキ
ル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、
アラルキル基及び置換アラルキル基から選択されるが、
8及びR9はこれらの基が結合された窒素原子と共に5
員環又は6員環を形成する。)
【0017】一般式(1)中のAr及びAr1が、S
3H基をもたない場合は、少なくとも2つのCOOH
基またはCOSH基から選ばれる基を有し、一般式
(1)中のAr及びAr1が、SO3H基を持つ場合は、
COOH基又はCOSH基から選ばれる基を少なくとも
SO3H基の数と同数以上有する。]
【0018】また、本発明は、インクを記録信号に応じ
てオリフィスから吐出させて被記録媒体に記録を行うイ
ンクジェット記録方法において、前記インクが上記のイ
ンクであることを特徴とするインクジェット記録方法で
ある。
【0019】また、本発明は、インクを収容したインク
収容部、該インクを吐出させる為のヘッド部を備えた記
録ユニットにおいて、前記インクが上記のインクである
ことを特徴とする記録ユニットである。
【0020】また、本発明は、インクを収容したインク
収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記イン
クが上記のインクであることを特徴とするインクカート
リッジである。
【0021】また、本発明は、インクを収容したインク
収容部と、該インクを吐出させる為のヘッド部を有する
記録ユニットを備えたインクジェット記録装置におい
て、前記インクが上記のインクであることを特徴とする
インクジェット記録装置である。
【0022】また、本発明は、インクを吐出する為の記
録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するイン
クカートリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッ
ドにインクを供給する為のインク供給部を備えたインク
ジェット記録装置において、前記インクが上記のインク
であることを特徴とするインクジェット記録装置であ
る。
【0023】 以下、本発明を詳細に説明する。本発
明者等は、様々なインク組成について鋭意検討を行った
結果、2種類以上の黄色染料を含有する液媒体におい
て、遊離酸の状態で一般式(1)で示される黄色染料
と、遊離酸の状態で主可溶化基がSO3H基で、 * *
* 色度図上で * =x * (3≦x≦∞)に位置する黄
色染料とが併用されることを特徴とするイエローインク
が、連続印字をしたときの吐出安定性や長期保存等の信
頼性に対しても良好で、耐水性、色調も良好なインクで
あることを見いだした。
【0024】 インク中に染料が単独で使用される場
合においては、染料はミセルを形成しやすいが、異なる
構造を有する染料と共存させることにより、両者の間に
相乗効果が働きミセルを形成しにくくなり、染料は常に
インク中で安定に溶解することができるために、連続印
字をしたときの吐出安定性や長期保存後の吐出安定性等
の信頼性に対して良好であるのではないかと推測され
る。特に、一般式(1)で示される染料には、遊離酸の
状態で主可溶化基がSO3H基で、 * * * 色度図上で
* =x * (3≦x≦∞)に位置する黄色染料とを併用
させることによって、一般式(1)で示される染料単独
では得ることができない良好な信頼生(連続印字をした
ときの吐出安定性や長期保存後の吐出安定性等)を得る
ことができ、そればかりでなく、耐水性、色調も良好で
あることを見出した。
【0025】 例えば、一般式(1)で示される染料
と、主可溶化基がSO3H基で、 * * * 色度図で上で
* =x * (3≦x≦∞)に位置する黄色染料を含有す
るイエローインクを使用して、 * =0付近になるよう
にすると、好ましいイエローをはじめとし、2次色であ
るレッド、グリーンの色調も良好にすることができ、例
えば1種の染料を用いて * =0付近の色味を出すより
連続印字をしたときの印字品位や長期保存性等の信頼性
を向上させることができる。
【0026】 また、主可溶化基がSO3H基で、 *
* * 色度図上で * =x * (3≦x≦∞)に位置する
黄色染料が有機連結基をはさんで対称構造を有する染料
であると、染料のバランスがさらに良好で構造上安定を
となるため、信頼性がさらに向上するものとおもわれ
る。その黄色染料の中でも、後記の一般式(8)で示さ
れる黄色染料がもっとも一般式(1)と併用させたとき
の相性が良く、吐出安定性等の信頼性、耐水性、色調等
のバランスを考慮すると最も優れていることを見出し
た。
【0027】また、該インクに染料中に含まれない1価
のアルカリ金属を添加すると、吐出安定性等の信頼性と
耐水性のバランスがより良好になることを見出した。そ
の理由は、インクの染料中に含まれないアルカリ金属が
染料のカウンターイオンとして働き、何等かの相乗効果
が起こるためだと推測される。
【0028】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施態様を挙げて
更に詳しく説明する。本発明のインクは、少なくとも2
種以上の黄色染料と、該染料を溶解または分散する液媒
体を含有するイエローインクにおいて、少なくとも遊離
酸の状態で下記一般式(1)で示される染料と、遊離酸
の状態で主可溶化基がSO3H基で、 * * * 色度図上
* =x * (3≦x≦∞)に位置する黄色染料とを含
有することを特徴とするインクである。
【0029】
【化10】
【0030】一般式(1)において、Ar及びAr1
各々アリール基または置換アリール基を示し、Ar及び
Ar1の少なくとも1つはCOOHまたはCOSHから
選ばれる置換基を有する。J及びJ1は各々下記一般式
(2)、(3)及び(4)からなる群から選ばれる構造
からなる。
【0031】
【化11】
【0032】(式中、R5は独立的に、H、アルキル
基、置換アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、
ウレイド及びNHCOR6から選択される。R6はH、ア
ルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール
基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択され
る。Tはアルキル基を示し、WはH、CN、CONR10
11、ピリジウム及びCOOHから選択される。(m)
は炭素数2〜8のアルキレン鎖を示し、BはH、アルキ
ル基及びCOOHから選択される。)
【0033】R1、R2、R3、R4、R10及びR11は各々
H、アルキル基及び置換アルキル基から選択され、Lは
2価の有機結合基を示し、nは0または1を示す。Xは
カルボニル基又は下記一般式(5)、(6)又は(7)
の構造からなる。
【0034】
【化12】
【0035】(式中、ZはOR7、SR7、及びNR89
から選択され、YはH、Cl、CN及びZから選択さ
れ、EはCl及びCNから選択される。R7、R8及びR
9は夫々H、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキ
ル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、
アラルキル基及び置換アラルキル基から選択されるが、
8及びR9はこれらの基が結合された窒素原子と共に5
員環又は6員環を形成する。) 一般式(1)中のAr及びAr1中に、SO3H基をも
たない場合は、少なくとも2つのCOOH基またはCO
SH基から選ばれる基を有し、一般式(1)中のAr
及びAr1中に、SO3H基を持つ場合は、COOH基又
はCOSH基から選ばれる基を少なくともSO3H基の
数と同数以上有する。
【0036】次に、上記の一般式(1)で示される染料
の中で好ましい染料を示す。一般式(1)で示される染
料が、水溶性基としてSO3 基を有し、且つ染料中の
COOH基の数がSO3 基の数と同数以上である染料
が好ましい。一般式(1)で示される染料において、S
3 基を有さず、且つ少なくとも2つのCOOH基を
有する染料が好ましい。一般式(1)で示される染料に
おいて、少なくとも3つのCOOH基を有する染料が好
ましい。
【0037】一般式(1)で示される染料において、A
r及びAr1の少なくとも1つが、少なくとも1つのC
OOH基を有する構造である染料が好ましい。一般式
(1)で示される染料において、Ar及びAr1の夫々
が少なくとも1つのCOOH基を有する構造である染料
が好ましい。一般式(1)で示される染料において、A
r及びAr1の夫々が少なくとも2つのCOOH基を有
する構造である染料が好ましい。一般式(1)で示され
る染料において、Ar及びAr1の夫々がジカルボキシ
フェニル基である染料が好ましい。
【0038】一般式(1)で示される染料において、X
が一般式(5)で示される構造を有し、且つ一般式
(5)中のZがNHC24OH、N(C24OH)2
NHR(Rは炭素数1〜6のアルキル基)又はモルフォ
リノから選択される染料が好ましい。一般式(1)で示
される染料のカウンターイオンがアンモニアまたはアル
キルアミンから選ばれる染料が好ましい。
【0039】以下、この中で特に好ましい一般式(1)
で示される染料の具体例を以下に示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】本発明に用いられるもう一方の染料は、主
可溶化基がSO3H基であり、L***色度図上でb*
=xa*(3≦x≦∞)に位置する黄色染料である。例
えば、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシ
ッドイエロー36等が挙げられる。その黄色染料の中で
も連結基をはさんで対称構造をもっているものが好まし
いが、この中でも遊離酸の状態で下記一般式(8)で示
される染料が好ましい。すなわち、少なくとも2種以上
の黄色染料と、該染料を溶解または分散する液媒体を含
有するイエローインクにおいて、少なくとも遊離酸の状
態で上記一般式(1)で示される染料と、下記式一般式
(8)で示される黄色染料とを含有するインクが好まし
い。
【0046】
【化18】 一般式(8)で示される染料において、A1が−CH3
1
【0047】
【化19】 (式中、X1は前記と同じものを示す。)
【0048】で示される染料が、一般式(1)に示され
る染料との相性を考慮すると好ましく、吐出安定性等の
信頼性をはじめ、耐水性、色調などのインク特性に対し
て総合的に考慮すると、最も好ましい組み合わせであ
る。
【0049】 黄色染料の具体例を示すと、C.I.
ダイレクトイエロー86等で * * * 色度図上で *
* (3≦x≦∞)に位置する黄色染料が挙げられ
る。
【0050】これらの一般式(1)に示される染料およ
び黄色染料のインクに対する含有量は、あわせて0.1
〜30重量%の範囲、さらに好ましくは0.1〜10重
量%の範囲である。
【0051】また、上記の一般式(1)で示される染料
と黄色染料を用いた場合、インク中における夫々の比率
は適宜決められるもので、特に限定されるものではない
が、特に重量比で5:1〜1:1の範囲、より好ましく
は4:1〜2:1の範囲が連続印字をさせたときの印字
品位や長期保存に対する信頼性および耐水性、色調など
を考慮すると良好である。
【0052】 一般式(1)で示される染料と黄色染
料を * * * 色度図上 * =0付近になるような比率に
すると、好ましいイエローをはじめとし、2次色である
レッド、グリーンの色調も良好にすることができ、例え
ば1種の染料を用いて * =0付近の色味を出すのに、
1種の染料を用いる場合よりも、本発明の混合染料を用
いる場合の方が、より連続印字をしたときの印字品位や
長期保存等の信頼性が向上するので好ましい。
【0053】 また、一般式(1)で示される染料の
カウンターイオンはアンモニア、またはアルキルアミン
から選ばれることが好ましく、また遊離酸の状態で主可
溶化基がSO3H基で、 * * * 色度図上で * =x *
(3≦x≦∞)に位置する黄色染料のカウンターイオン
としてはアルカノールアミンまたはアルカリ金属からえ
らばれることが好ましい。その理由はさだかではない
が、染料の溶解安定性がより良好になるからである。
【0054】また、本発明のインクには染料中に含まれ
ない1価のアルカリ金属が含有されていることが好まし
い。その理由はインク中の染料中に含まれないアルカリ
金属が染料のカウンターイオンとして働き、何等かの相
乗効果がおきるため、信頼性と耐水性のバランスが良好
になるからだと思われる。1価のアルカリ金属のインク
中での含有量は0.01〜10.0重量%の範囲、好ま
しくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重
量%である。
【0055】また、本発明において使用されるインクの
pHは9以上が好ましい。pHが9以上であると連続吐
出させたときの印字品位、固着等や長期保存性等の信頼
性においてより有利になるからである。
【0056】また、本発明のインク中にはアンモニアや
アルキルアミン等の揮発性塩基成分が含まれているが、
これらは経時的に揮発するために、これらを補う成分と
して尿素やエチレン尿素、プロピレン尿素、チオ尿素、
ジエチル尿素等の尿素誘導体を含有させることが好まし
い。尿素または尿素誘導体のインク中の含有量は0.0
1〜20の範囲、好ましくは0.1〜15重量%の範囲
である。
【0057】またベタの均一性や定着性を向上させるた
めに、アルコールやエーテル等の浸透剤を含有させても
よい。浸透剤のインクの含有量は0.01〜15重量
%、より好ましくは0.01〜10重量%の範囲であ
る。
【0058】本発明に使用される上記の染料を溶解また
は分散する液媒体は、水と水溶性有機溶剤との混合物で
あることが好ましい。具体的な水溶性有機溶剤の例とし
ては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミドなどのアミド類;アセトンなどのケトン類;テト
ラヒドラフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリア
ルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリ
コール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール
等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレ
ングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノ
メチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコール
モノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリ
コールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アル
コールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォ
オキサイド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の
環状アミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物
等が挙げられる。
【0059】上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般には
インクの全重量に対して、1〜40重量%が好ましく、
より好ましくは3〜30重量%の範囲である。又、イン
ク中の水の含有量は、30〜95重量%の範囲で使用さ
れる。30重量%より少ないと染料の溶解性等が悪くな
り、インクの粘度も高くなるため好ましくない。一方、
95重量%より多いと蒸発成分が多すぎて、十分な固着
特性を満足できない。
【0060】又、本発明にかかるインク中には上記成分
の他に、インク中での染料の溶解安定性をさらに向上さ
せるために、各種の添加剤を含有させることが好まし
い。即ち、インク中にアンモニア、アルキルアミン等の
揮発性塩基成分が含まれていても問題ない。また、尿素
や尿素誘導体、各種の添加剤を含有させてもよい。ま
た、pH調整剤として、強酸強塩基の塩やアミン類等を
含有させてもよい。尚上記成分の他に必要に応じて界面
活性剤、防錆剤、防カビ剤、酸化防止剤、蒸発促進剤、
キレート化剤及び水溶性ポリマー等の添加剤を添加して
もよい。
【0061】本発明にかかるインクは、一般の水性筆記
用具としても使用出来るが、熱エネルギーによりインク
を吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適用す
る場合に特に好適であり、吐出が極めて安定となり、サ
テライトドットの発生等が生じないという特徴がある。
但し、この場合には、熱的な物性値(例えば、比熱、熱
膨張係数、熱伝導率等)を調整する場合もある。
【0062】更に、本発明にかかるインクは普通紙等に
記録した場合の印字記録物のインクの耐水性の問題を解
決すると同時に、インクジェット用ヘッドに対するマッ
チングを良好にする面から、インク自体の物性として2
5℃における表面張力が30〜68dyne/cm、よ
り好ましくは30〜50dyne/cm、粘度が15c
P以下、好ましくは10cP以下、より好ましくは5c
P以下に調整されることが望ましい。
【0063】本発明のインクを用いて記録を行なうのに
好適な方法及び装置としては、記録ヘッドの室内のイン
クに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネ
ルギーによりインクを吐出させるインクジェット記録方
法及びインクジェット記録装置が挙げられる。
【0064】その装置の主要部であるヘッド構成例を図
1、図2及び図3に示す。ヘッド13はインクを通す溝
14を有するガラス、セラミック又はプラスチック板等
と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッ
ドが示されているが、これに限定されるものではない)
とを密着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン
等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1
及び17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層1
8、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20よ
り成っている。
【0065】インク21は吐出オリフィス(微細孔)2
2迄来ており、不図示の圧力によりメニスカス23を形
成している。今、電極17−1、17−2に電気信号が
加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に
発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、
その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出
し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材
25に向かって飛翔する。
【0066】図3には図1に示すヘッドを多数並べたマ
ルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝
26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同
様な発熱ヘッド28を密着して製作される。
【0067】尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド1
3の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面で
ある。図4に、かかるヘッドを組み込んだインクジェッ
ト記録装置の1例を示す。
【0068】図4において、61はワイピング部材とし
てのブレードであり、その一端はブレード保持部材によ
って保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をな
す。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接し
た位置に配設される。
【0069】又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。62はキャップであり、
ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行う構成を具備する。更に6
3はブレード61に隣接して配設されるインク吸収体で
あり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に
突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャッ
プ62、インク吸収体63によって吐出回復部64が構
成され、ブレード61及びインク吸収体63によってイ
ンク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0070】65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐
出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐
出して記録を行う記録ヘッドであり、66はこの記録ヘ
ッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキ
ャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動
可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によ
って駆動されるベルト69と接続(不図示)している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿って移動
が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその
隣接した領域の移動が可能となる。
【0071】51は被記録材を挿入する為の挿入部であ
り、52は不図示のモータにより駆動される給送ローラ
である。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と
対向する位置へ被記録材が給送され、記録が進行するに
つれて排出ローラ53を配した排出部へ排出される。
【0072】上記の構成において、記録ヘッド65が記
録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部6
4のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避
しているが、ブレード61は移動経路中に突出してい
る。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピング
される。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に
当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録
ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
【0073】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上記したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の
吐出口面はワイピングされる。
【0074】上記の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で
記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移
動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0075】図5は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供
給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋
であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられてい
る。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、
インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめ
る。44は廃インクを受容するインク吸収体である。イ
ンク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフフ
ィン、特にポリエチレンで形成されているのが本発明に
とって好ましい。
【0076】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが
一体となったものにも好適に用いられる。
【0077】図6において、70は記録ユニットであっ
て、この中にはインクを収容したインク収容部、例え
ば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収
体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71
からインク滴として吐出される構成になっている。イン
ク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又
はポリビニルアセテートを用いることが本発明にとって
好ましい。
【0078】72は、記録ユニット内部を大気に連通さ
せる為の大気連通口である。この記録ユニット70は、
図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであっ
て、キャリッジ66に対し着脱自在になっている。
【0079】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるのは
特に断りのない限り重量基準である。
【0080】実施例1〜4 下記に示す各成分を混合し、十分攪拌して溶解後、ポア
サイズが0.45μmのフロロポアフィルターに(商品
名:住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本実施例のイ
ンクを夫々調整した。又、夫々の化合物の塩成分でpH
を約9.5に調整した。
【0081】 実施例1のインク組成 アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部 尿素 8部 グリセリン 8部 エチレングリコール 8部 水 72.1部 C.I.グイレクトイエロー86(x=7.3) 0.5部 染料(1) 1.7部 水酸化リチウム 0.2部 トリエタノールアミン 0.5部 (注)黄色染料のxは、染料濃度2.5%のインクを複
写用紙:4024(商品名、ゼロックス社製)に印字
し、色度を測定したときの * * * 色度図上で * =x
* の位置の値を示す。
【0082】 実施例2のインク組成 エチレンオキサイドープロビレンオキサイド共重合体 1部 (MH50、旭電化(株)製) チオ尿素 5部 2−ピロドリン 8部 トリエチレングリコール 8部 水 74.8部 C.I.グイレクトイエロー86(x=7.3) 0.8部 染料(2) 1.7部 硫酸アンモニウム 0.3部 水酸化ナトリウム 0.4部
【0083】 実施例3のインク組成 アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部 尿素 8部 ジエチレングリコール 10部 チオジグリコール 10部 C.I.グイレクトイエロー86(x=7.3) 0.5部 染料(3) 1.7部 水 67.5部 ジエタノールアミン 0.8部 酢酸リチウム 0.5部
【0084】 実施例4のインク組成 アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 1部 尿素 8部 グリセリン 8部 エチレングリコール 8部 水 72.6部 C.I.グイレクトイエロー86(x=7.3) 0.5部 染料(1) 1.7部 水酸化ナトリウム 0.2部 トリエタノールアミン 0.5部
【0085】比較例1 実施例1の組成において、染料(1)を除き、それを純
水におきかえてインクを調整した。
【0086】比較例2 実施例1の組成において、C.I.グイレクトイエロー
86(x=7.3)を除き、それを純水におきかえてイ
ンクを調整した。
【0087】比較例3 実施例1の組成において、C.I.グイレクトイエロー
86(x=7.3)を除き、それを染料(2)におきか
えてインクを調整した。
【0088】比較例4 実施例1の組成において、染料(1)を除き、C.I.
アシッドイエロー23におきかえてインクを調整した。
【0089】比較例5 実施例1の組成において、染料(1)およびC.I.グ
イレクトイエロー86(x=7.3)を除き、それらを
C.I.グイレクトイエロー142におきかえてインク
を調整した。
【0090】 (評価方法および評価基準) (1)色度の評価 複写用紙:4024(商品名、ゼロックス社製)にベタ
を印字し、その色度を高速分光光度計:CMS−500
型((株)村上色彩技術研究所社製)を用いて測定し、
色度図上の位置の確認をし、ニュートラルの位置( *
=0)に近いものから◎、○、△とした。 ◎:−2≦ * ≦2、 * ≧0 ○:−10≦ * ≦−2、−2≦ * ≦10、 * ≧0 △: * ≦−10、10≦ * * ≧0
【0091】(2)耐水性の評価 プリンターに所定のインクを充填して、市販の酸性紙に
英数文字及びベタ部を印字した後、ブリントを停止し、
印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD9
15(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その
後、印字物を水に満たした容器に3分間以上浸せきした
後、放置して自然乾燥させ再度印字濃度を測定し、印字
濃度の残存率を求め、耐水性の評価とした。
【0092】
【数1】 ○:印字濃度の残存率が80%以上〜100%以下 △:印字濃度の残存率が60%以上〜80%未満 ×:印字濃度の残存率が60%未満
【0093】(3)連続印字後の印字品位の評価(耐久
性の評価) プリンターを35℃の恒温槽で連続印字を24時間行
い、その後の印字品位を目視で観察し、下記基準にて評
価した。 ○:正常な印字が行える △:印字に若干の乱れがあるが、実際の使用上は問題の
ない印字を行える ×:不吐出あるいは印字に乱れがある
【0094】(4)目つまり性(固着回復性)の評価 インクジェットプリンター(商品名 BJC600J、
キヤノン(株)社製)を35℃の恒温槽に1ケ月放置
し、その後室温に24時間放置し、回復操作(ポンピン
グによる吸引操作)をおこなった後印字して、下記基準
にて評価した。 ○:回復操作5回以内で正常な印字状態に戻る △:回復操作6〜10回で正常な印字状態に戻る ×:回復操作6〜10回で不吐出又は印字の乱れがある
【0095】(5)高温での長期保存性の評価 夫々のインクを密封したビンを容器に入れて、50℃の
環境下に3ケ月間放置し、そのインクをろ紙でろ過し
て、ろ紙上の凝集物の有無を目視で観察し、下記の基準
で評価した。 ◎:凝集物がまったくない ○:凝集物がわずかに見られるが、印字上、問題のない
レベル △:凝集物がわずかに見られ、印字が少しカスれる ×:凝集物が多くあり、不吐出をおこす
【0096】(6)低温での長期保存性の評価 夫々のインクを密封したビンを容器に入れて、5℃の環
境下に3ケ月間放置し、そのインクをろ紙でろ過して、
ろ紙上の凝集物の有無を目視で観察し、下記の基準で評
価した。 ◎:凝集物がまったくない ○:凝集物がわずかに見られるが、印字上、問題のない
レベルである △:凝集物がわずかに見られ、印字が少しカスれる ×:凝集物が多くあり、不吐出をおこす
【0097】各実施例および各比較例の以上の評価結果
を表1に示す
【0098】
【表1】
【0099】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のインクによ
れば、耐久性や長期保存安定性にも優れ、さらには耐水
性や色調も良好でインクジェット記録システムに用いて
も何ら問題のない信頼性の高い記録を行なうことができ
るインクが得られる。
【0100】また、本発明のインクジェット記録方法及
び記録装置によれば、上記のインクを用いて、ノズル先
端での耐目詰まり性に優れた、信頼性の高い記録を行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1,17−2 アルミニウム電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス 23 メニスカス 24 記録小滴 25 被記録材 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 40 インク収容部 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 挿入部 52 給送ローラ 53 排出ローラ 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通口
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−325493(JP,A) 特開 平7−97541(JP,A) 特開 平7−238245(JP,A) 特開 平7−150086(JP,A) 特開 平5−155004(JP,A) 特開 平2−233781(JP,A) 特開 昭61−2771(JP,A) 特開 平5−194890(JP,A) 特開 平4−233975(JP,A) 特開 平9−76623(JP,A) 国際公開95/29208(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種以上の黄色染料と、該染
    料を溶解または分散する液媒体を含有するイエローイン
    クにおいて、少なくとも遊離酸の状態で下記一般式
    (1)で示される染料と、C.I.ダイレクトイエロー
    86とを含有することを特徴とするインク。 【化1】 [式中、Ar及びAr1は各々アリール基または置換ア
    リール基を示し、Ar及びAr1の少なくとも1つはC
    OOHまたはCOSHから選ばれる置換基を有する。J
    及びJ1は各々下記一般式(2)、(3)及び(4)か
    らなる群から選ばれる構造からなる。 【化2】 (式中、R5は独立的に、H、アルキル基、置換アルキ
    ル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、ウレイド及びN
    HCOR6から選択される。R6はH、アルキル基、置換
    アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル
    基及び置換アラルキル基から選択される。Tはアルキル
    基を示し、WはH、CN、CONR1011、ピリジウム
    及びCOOHから選択される。(m)は炭素数2〜8の
    アルキレン鎖を示し、BはH、アルキル基及びCOOH
    から選択される。)R1、R2、R3、R4、R10及びR11
    は各々独立的にH、アルキル基及び置換アルキル基から
    選択され、Lは2価の有機結合基を示し、nは0または
    1を示す。Xはカルボニル基又は下記一般式(5)、
    (6)又は(7)の構造からなる。 【化3】 (式中、ZはOR7、SR7、及びNR89から選択さ
    れ、YはH、Cl、CN及びZから選択され、EはCl
    及びCNから選択される。R7、R8及びR9は夫々H、
    アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル基、置換ア
    ルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基
    及び置換アラルキル基から選択されるが、R8及びR9
    これらの基が結合された窒素原子と共に5員環又は6員
    環を形成する。)一般式(1)中のAr及びAr
    1が、SO3H基をもたない場合は、少なくとも2つのC
    OOH基またはCOSH基から選ばれる基を有し、一
    般式(1)中のAr及びAr1が、SO3H基を持つ場合
    は、COOH基又はCOSH基から選ばれる基を少なく
    ともSO3H基の数と同数以上有する。]
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される染料が、水溶性
    基としてSO3H基を有し、且つ染料中のCOOH基の
    数がSO3H基の数と同数以上である請求項1に記載の
    インク。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示される染料において、
    SO3H基を有さず、且つ少なくとも2つのCOOH基
    を有する請求項1に記載のインク。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で示される染料において、
    少なくとも3つのCOOH基を有する請求項1に記載の
    インク。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で示される染料において、
    Ar及びAr1の少なくとも1つが、少なくとも1つの
    COOH基を有する構造である請求項1に記載のイン
    ク。
  6. 【請求項6】 一般式(1)で示される染料において、
    Ar及びAr1の夫々が少なくとも1つのCOOH基を
    有する構造である請求項1に記載のインク。
  7. 【請求項7】 一般式(1)で示される染料において、
    Ar及びAr1の夫々が少なくとも2つのCOOH基を
    有する構造である請求項1に記載のインク。
  8. 【請求項8】 一般式(1)で示される染料において、
    Ar及びAr1の夫々がジカルボキシフェニル基である
    請求項1に記載のインク。
  9. 【請求項9】 一般式(1)で示される染料において、
    Xが一般式(5)で示される構造を有し、且つ一般式
    (5)中のZがNHC24OH、N(C24OH)2
    NHR(Rは炭素数1〜6のアルキル基)又はモルフォ
    リノから選択される請求項1に記載のインク。
  10. 【請求項10】 一般式(1)で示される染料のカウン
    ターイオンがアンモニアまたはアルキルアミンから選ば
    れる請求項1に記載のインク。
  11. 【請求項11】 一般式(1)で示される染料とC.
    I.ダイレクトイエロー86のインクに対する含有量が
    あわせて0.1〜30重量%である請求項1に記載のイ
    ンク。
  12. 【請求項12】 一般式(1)で示される染料とC.
    I.ダイレクトイエロー86のインクに対する含有量が
    あわせて0.1〜10重量%である請求項1に記載のイ
    ンク。
  13. 【請求項13】 一般式(1)で示される染料とC.
    I.ダイレクトイエロー86の含有比率が重量比で5:
    1〜1:1である請求項1に記載のインク。
  14. 【請求項14】 一般式(1)で示される染料とC.
    I.ダイレクトイエロ ー86の含有比率が重量比で4:
    1〜2:1である請求項1に記載のインク。
  15. 【請求項15】 インクのpHが9以上である請求項1
    に記載のインク。
  16. 【請求項16】 インクの中に尿素、エチレン尿素、プ
    ロピレン尿素、チオ尿素およびジエチル尿素からなる群
    より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載
    のインク。
  17. 【請求項17】 インクの中に浸透剤を含有する請求項
    1に記載のインク。
  18. 【請求項18】 インクを記録信号に応じてオリフィス
    から吐出させて被記録媒体に記録を行うインクジェット
    記録方法において、上記インクが請求項1に記載のイン
    クであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  19. 【請求項19】 インクに熱エネルギーを作用させてイ
    ンクを吐出させる請求項18に記載のインクジェット記
    録方法。
  20. 【請求項20】 インクを収容したインク収容部、該イ
    ンクを吐出させる為のヘッド部を備えた記録ユニットに
    おいて、前記インクが請求項1に記載のインクであるこ
    とを特徴とする記録ユニット。
  21. 【請求項21】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを
    作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項
    記載の記録ユニット。
  22. 【請求項22】 インク収容部が、内部にインク吸収体
    を含有している請求項20記載の記録ユニット。
  23. 【請求項23】 インク収容部が、ポリウレタン、セル
    ロース又はポリビニルアセテートで形成されている請求
    20または22記載の記録ユニット。
  24. 【請求項24】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1
    に記載のインクであることを特徴とするインクカートリ
    ッジ。
  25. 【請求項25】 インク収容部がポリオレフィンで形成
    された接液面を有する請求項24記載のインクカートリ
    ッジ。
  26. 【請求項26】 インクを収容したインク収容部と、該
    インクを吐出させる為のヘッド部を有する記録ユニット
    を備えたインクジェット記録装置において、前記インク
    が請求項1に記載のインクであることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  27. 【請求項27】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを
    作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項
    記載のインクジェット記録装置。
  28. 【請求項28】 インク収容部が、内部にインク吸収体
    を含有している請求項26記載のインクジェット記録装
    置。
  29. 【請求項29】 インク収容部が、ポリウレタン、セル
    ロース又はポリビニルアセテートで形成されている請求
    26記載のインクジェット記録装置。
  30. 【請求項30】 インクを吐出する為の記録ヘッド、イ
    ンクを収容したインク収容部を有するインクカートリッ
    ジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを
    供給する為のインク供給部を備えたインクジェット記録
    装置において、前記インクが請求項1に記載のインクで
    あることを特徴とするインクジェット記録装置。
  31. 【請求項31】 記録ヘッドが、インクに熱エネルギー
    を作用させてインクを吐出させるヘッドである請求項
    記載のインクジェット記録装置。
  32. 【請求項32】 インク収容部がポリオレフィンで形成
    された接液面を有する請求項30記載のインクジェット
    記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005126525A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Nippon Kayaku Co Ltd 染料水溶液、及びそれを用いたインク

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