JP3880076B2 - インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関し、更に詳しくは、一般のオフィス等で使用されている酸性紙、中性紙等のいわゆる普通紙に対し、印字した場合に印字記録物が耐水性に優れ、且つ高画質の記録を行うことの出来るインク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から筆記具(万年筆、サインペン、水性ボールペン等)用の水性インク及びインクジェット用インクについては、実に様々な組成のものが報告されている。中でも近年はオフィスで一般に使用されているコピー用紙、レポート用紙、ノート、便箋等の普通紙に対しての印字記録物の耐水性の向上の要望が高まっており、例えば、特開平2−296878号公報及び特開平2−255876号公報には、水性インク組成物にポリアミンを含有させることにより、印字記録物の耐水性を向上させることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、上記の様なインクにおいては、耐水性を向上させるメカニズムが基本的に染料の親水基部に対する増塩によるところが大きい為、耐目詰り性やインクの安定性やインク中での染料の溶解性が問題となる。
このことから、上記の様なインクにおいては、例えば、インクの安定性やインク中での染料の溶解性を向上させる目的で、溶解安定剤をインク中に含有させることがなされているが、この場合には溶解安定剤を多量に入れなければならない為、かかるインクを使用して形成された印字記録物の画像品位や定着性が低下する。特に、インクジェット記録においては、普通紙等の被記録材に記録されたインクの定着性が被記録材に対する自然浸透及び蒸発によるところが大きい為、インク中に多量に溶解安定剤を含有させることは好ましくない。又、該溶解安定剤をインクジェット記録方法に用いた場合、コゲが発生してしまい、信頼性を低下させるという問題もある。
【0004】
又、特開平3−91577号公報には、カルボキシル基を有し、且つそのカルボキシル基をアンモニウム塩又は揮発性の置換アンモニウム塩にした染料を用いることにより耐水性を向上させる方法が提案されている。
しかしながら、この場合においても、インクの初期における溶解安定性は良好であるものの、アンモニア又は置換アンモニアが経時的に揮発する為、次第に染料の溶解安定性や耐目詰まり性が悪くなる。更に、紙種による耐水性のレベルのバラツキも問題となる。
この様に、インクが長期間にわたって安定性があり、かかるインクを使用して画像を形成した場合に、画像が高品位で且つ耐水性も良好であり、更に、耐目詰まり性、定着性にも優れたインクは未だ世の中に提案されていない。
【0005】
従って、本発明の目的は、一般のオフィス等で使用されている酸性紙、中性紙等の、いわゆる普通紙に対し印字記録を行った場合に、印字記録物の画像品位に優れ、且つ耐水性、定着性が良好であり、更に、インクが耐目詰り性、耐コゲ性に優れ、且つ長期間の保存に対しても何ら問題のないインク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供することにある。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、遊離酸の状態で下記一般式(I)で示される染料と、pHが4〜10の範囲で溶解性が最小となるピークを有し、且つ、炭素数3以上のアルキル基、カルボキシル基の塩及びスルホン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する下記一般式( VIII )で示される構造の、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第3級アミン及び第3級アミンの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、これらを溶解又は分散する液媒体とを含むことを特徴とするインク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置である。
【化5】
Figure 0003880076
(式中、Ar及びAr1は夫々アリール基又は置換アリール基を示し、Ar及びAr1の少なくとも1つはCOOH基又はCOSH基を有する。
J及びJ1は夫々下記一般式(II)、(III)及び(IV)からなる群から選ばれる。
【化6】
Figure 0003880076
(式中、R5は独立的に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、ウレイド及びNHCOR6から選択される。R6はH、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。Tはアルキル基を示し、WはH、CN、CONR1011、ピリジウム及びCOOHから選択される。R10及びR11は夫々H、アルキル基及び置換アルキル基から選択される。(m)は炭素数2〜8のアルキレン鎖を示し、BはH、アルキル基及びCOOHから選択される。)
1、R2、R3及びR4は夫々H、アルキル基及び置換アルキル基から選択され、Lは2価の有機結合基を示し、nは0又は1を示す。Xはカルボニル基又は下記一般式(V)、(VI)又は(VII)の構造からなる。
【化7】
Figure 0003880076
(式中、Zは、OR7、SR7及びNR89から選択され、YはH、Cl、CN、OR7、SR7及びNR89から選択され、EはClまたはCNである。R7、R8及びR9は夫々H、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。R8及びR9はこれらが結合された窒素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)
但し一般式(I)で示される化合物がSO3H基をもたない場合は、該化合物は少なくとも2つのCOOH基又はCOSH基から選ばれる基を有し、一般式(I)で示される化合物がSO3H基をもつ場合は、該化合物はCOOH基又はCOSH基を少なくともSO3H基の数と同数有する。)
Figure 0003880076
(式中、R 1 は、炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表し、R 2 は、(CH 2 a −X 1 又は水素原子を表し、aは1〜4の整数とする。R 3 は、(CH 2 b −X 2 又はR 4 −Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R 4 は、炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。Zは、(NR 5 q 2q c (NHC n 2n d を表し、q及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整数とする。Yは、(NR 6 m 2m e (NHC p 2p f を表し、m及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整数とする。R 5 は、(CH 2 g −X 3 を表し、gは1〜4の整数とする。R 6 は、(CH 2 h −X 4 を表し、hは1〜4の整数とする。X 1 、X 2 、X 3 及びX 4 は、夫々、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩又は水素原子からなる群から選ばれる。又、一般式( VIII )の化合物は、カルボキシル基、スルホン基、カルボキシル基の塩及びスルホン基の塩から選ばれるものを少なくとも1つ以上有する。)
【0007】
【作用】
本発明者等は、水溶性インクによる印字記録物の耐水性の向上の為、様々なインク組成について鋭意検討を行った結果、少なくとも一般式(I)で示される染料と、pHが4〜10の範囲で溶解性が最小となるピークを有し、且つ、炭素数3以上のアルキル基、カルボキシル基の塩及びスルホン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する一般式( VIII )で示される構造の、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第3級アミン及び第3級アミンの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、これらを溶解又は分散する液媒体とから少なくともなることを特徴とするインクは、得られる印字記録物が高品位であり、且つ耐水性も良好であるばかりでなく、耐目詰まり性も良好で、更に長期保存に対しても問題の無いインクであることを見い出した。
【0008】
そのメカニズムは定かではないが、推測の域で述べると、一般式(I)で示される染料と、pHが4〜10の範囲で溶解性が最小となるピークを有し、且つ、炭素数3以上のアルキル基、カルボキシル基の塩及びスルホン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する一般式( VIII )で示される構造の、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第3級アミン及び第3級アミンの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物がインク中では弱く、被記録材上では強くインターラクションをし、夫々の構造若しくは両者の構造的相性から、酸性紙或いは中性紙等の普通紙に対して印字記録物の画像品位及び耐水性を良好にし、且つ耐目詰まり性や長期保存に対しても何ら問題の無いインクが提供できたものと思われる。
【0009】
【好ましい実施態様】
次に好ましい実施態様を挙げて更に詳しく説明する。
本発明にかかるインクは、一般式(I)で示される染料と、pHが4〜10の範囲で溶解性が最小となるピークを有し、且つ、炭素数3以上のアルキル基、カルボキシル基の塩及びスルホン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する一般式( VIII )で示される構造の、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第3級アミン及び第3級アミンの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、第2級アミンと略す)と、これらを溶解又は分散する液媒体とから構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明で使用される染料として特に好ましいのは、下記一般式(I)に示される染料である。
【化8】
Figure 0003880076
(式中、Ar及びAr1は夫々アリール基又は置換アリール基を示し、Ar及びAr1の少なくとも1つはCOOH又はCOSHを有する。
J及びJ1は夫々下記一般式(II)、(III)及び(IV)からなる群から選ばれる
【化9】
Figure 0003880076
(式中、R5は独立的に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、ウレイド及びNHCOR6から選択される。R6はH、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。Tはアルキル基を示し、WはH、CN、CONR1011、ピリジウム及びCOOHから選択される。 10 及びR 11 は夫々H、アルキル基 及び置換アルキル基から選択される。(m)は炭素数2〜8のアルキレン鎖を示し、BはH、アルキル基及びCOOHから選択される。)
1、R2、R3及びR4は夫々H、アルキル基及び置換アルキル基から選択され、Lは2価の有機結合基を示し、nは0又は1を示す。Xはカルボニル基又は下記一般式(V)、(VI)又は(VII)の構造からなる。
【化10】
Figure 0003880076
(式中、Zは、OR7、SR7及びNR89から選択され、YはH、Cl、CN、OR 7 、SR 7 及びNR 8 9 から選択され、EはClまたはCNである。R7、R8及びR9は夫々H、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される8及びR9はこれらが結合された窒素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)
但し一般式(I)で示される化合物がSO3H基をもたない場合は、該化合物は少なくとも2つのCOOH基又はCOSH基から選ばれる基を有し、
般式(I)で示される化合物がSO3H基をもつ場合は、該化合物はCOOH基又はCOSH基少なくともSO3H基の数と同数有する。
【0011】
この中で、特に好ましい染料を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】
【化11】
Figure 0003880076
【0013】
【化12】
Figure 0003880076
【0014】
【化13】
Figure 0003880076
【0015】
【化14】
Figure 0003880076
【0016】
【化15】
Figure 0003880076
【0017】
本発明にかかるインクに使用される、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第3級アミン、第3級アミンの誘導体及び夫々の複合化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、且つアルキル基、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基及びスルホン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物は、図7に示す様に、インクのpHが4〜10の範囲で溶解性が最小となるピークを有する化合物であるのが好ましい。
即ち、pHが4〜10の範囲で溶解性が最小となるピークを有する化合物をインク中に添加すると、酸性紙及び中性紙に画像形成した場合、インクと大気との界面で不溶化膜を形成する為、耐水性を向上させる効果が顕著になる。
尚、複合化合物とは、1分子中に、例えば、第2級アミン基と第3級アミン基とを同時に有するものをいう。
【0018】
この様な化合物の中で、特に好ましいのは、下記一般式(VIII)で示される化合物である。
【0019】
【化16】
Figure 0003880076
(式中、R1は、炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表し、R2は、(CH2a−X1又は水素原子を表し、aは1〜4の整数とする。R3は、(CH2b−X2又はR4−Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R4は、炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。Zは、(NR5l2lc(NHCn2ndを表し、l(エル)及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整数とする。Yは、(NR6m2me(NHCp2pfを表し、m及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整数とする。R5は、(CH2g−X3を表し、gは1〜4の整数とする。R6は、(CH2h−X4を表し、hは1〜4の整数とする。X1、X2、X3及びX4は、夫々、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩又は水素原子からなる群から選ばれる。又、一般式(VIII)の化合物は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基及びスルホン基の塩からなる群から選ばれるものを少なくとも1以上有する。)
【0020】
又、一般式(VIII)の化合物において、インク性能の安定性等を考えると、特にX1、X2、X3及びX4が、夫々、カルボキシル基の塩、スルホン基の塩又は水素原子からなる群から選ばれることが好ましい。
この理由は、X1、X2、X3及びX4が、夫々、カルボキシル基又はスルホン基から選ばれると、一般式(VIII)の化合物は、環状化合物を形成し、インクの性能や信頼性を低下させ易くなる為である。以下に、一般式(VIII)に含まれる好ましい化合物を列挙したが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではなく、又、これらの化合物は2種以上を同時に使用することも出来る。
【0021】
(化合物1)
【化17】
Figure 0003880076
(化合物2)
【化18】
Figure 0003880076
(化合物3)
【化19】
Figure 0003880076
【0022】
(化合物4)
【化20】
Figure 0003880076
(化合物5)
【化21】
Figure 0003880076
【0023】
(化合物6)
【化22】
Figure 0003880076
【0024】
(化合物7) C1531(NHC24)2NHCH2COONa
(化合物8) C1531NHC24COOLi
(化合物9) C37(NHC24)2NHCH2COONa
(化合物10)C1225NHC24COONa
(化合物11)C1225(NHC24)NHCH2COOLi
【0025】
(化合物12)C1225(NHC24)NHC24SO3Li
(化合物13)C1531(NHC24)NHCH2SO3Na
(化合物14)C2041(NHC24)NHCH2SO3NH4
(化合物15)C1531(NHC24)2NHC24COONH4
(化合物16)C2551(NHC24)3NHCH2SO3Li
(化合物17)C1531(NHC24)NHCH2SO3H・N(CH2CH3)3
【0026】
(化合物18)C1021(NHC24)3NHC24COOH・NH(CH2CH32
(化合物19)C1225(NHC242NHCH2COONH4
(化合物20)C511(NHC24)2NHCH2COONa
(化合物21)C715(NHC24)224COONa
(化合物22)C1225(NHC24)4NHCH2COONa
【0027】
(化合物23)
【化23】
Figure 0003880076
(化合物24)
【化24】
Figure 0003880076
【0028】
(化合物25)C1225NHC36NHCH2COONH4
(化合物26)C1225NHC36NHC24COONa
(化合物27)C817N(CH3)C24N(CH3)C24NHC24COONa
(化合物28)C1225NHC36NHC24COOLi
【0029】
(化合物29)
【化25】
Figure 0003880076
(化合物30)
【化26】
Figure 0003880076
【0030】
本発明にかかるインクを構成する上記した様な特定の染料及び化合物を、溶解又は分散する液媒体としては、水と水溶性有機溶剤との混合物を使用するのが好ましい。又、本発明で使用される具体的な水溶性有機溶剤の例としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォキサイド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物等が挙げられる。
【0031】
又、本発明にかかるインク中には、インク中での染料の溶解安定性を向上させる為に、各種の添加剤を含有させることが好ましい。即ち、インク中に、アンモニア、アルキルアミン等の揮発性塩基成分が含まれているが、これらは経時的に揮発し、次第に染料の溶解安定性が悪くなる為、アルカリ供給体として尿素又は尿素誘導体を含有させることが好ましい。尿素又は尿素誘導体のインク中の含有量は、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは、0.1〜15重量%の範囲である。
【0032】
又、インク中に2価の金属イオンが存在する場合に、ヒーターがこげる等のインクシェットに特有な問題が生じる。この様に、コゲを防止する手段として、EDTAや、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、或いはマレイン酸、コハク酸及びクエン酸等のカルボン酸化合物等の酸性成分を使用する。上記酸性成分のインク中での含有量は、特に制限はないが、0.01〜10wt%の範囲、より好ましくは0.1〜3wt%の範囲である。
【0033】
又、本発明のインクは、染料の溶解安定性等を目的として、インク中に1価の金属イオンを含有させることも好ましい態様である。本発明のインクに使用される1価の金属イオンとして好ましいものとしては、ナトリウム及びリチウムが挙げられる。
又、1価の金属イオンのインク中における含有量は、0.01〜10.0重量%の範囲、好ましくは、0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.1〜3.0重量%とする。尚、これらの1価の金属イオンは、染料のカウンターイオンとして含有させてもよい。
【0034】
更に、本発明にかかるインクは、インクジェット記録方法に用いる場合、上記の添加剤等でインクのpHを9以上とするのが好ましい。即ち、インクジェット記録方法は、水性ボールペン等とは異なり、被記録材とインクとの接触がなく、文房具の様に記録時にペン圧を加筆することにより目詰りを解決することが出来ない為、インクのpHを9以上に保つことにより、インクの溶解性を良好にするのが好ましい。
尚、本発明にかかるインクは、上記成分の他にも、必要に応じて界面活性剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等の種々の添加剤を含有させてもよい。
【0035】
前記した様な、遊離酸の状態で一般式(I)で表される染料のインクへの添加量は、用途、目的、染料種、インク組成によるところが大きいが、0.1〜15重量%の範囲、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
【0036】
又、一般式(VIII)で示される様な化合物のインクへの添加量についても同様に、用途、目的、色材種、インク組成によるところが大きいが、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは、0.1〜10重量%の範囲である。
又、染料と一般式(VIII)で示される様な化合物とのインク中での比率は、構造的相性、両者間でのインターラクション等から、インク中に含まれる染料と一般式(VIII)で示される化合物の比率は、1:3〜8:1の範囲とするのが好ましい。
【0037】
染料及び化合物を溶解又は分散する液媒体である水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインクの全重量に対して重量%で1%〜40%が好ましく、より好ましくは3%〜30%の範囲である。
又、インク中の水の含有量は、30〜95重量%の範囲で使用される。30重量%より少ないと色材である染料の溶解性等が悪くなり、インクの粘度も高くなる為好ましくない。一方、95重量%より多いと蒸発成分が多すぎて、十分な固着特性を満足することが出来ない。
【0038】
本発明にかかるインクは、一般の水性筆記用具としても使用出来るが、熱エネルギーによるインクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適用する場合に特に好適であり、吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発生等が生じないという特徴がある。但し、この場合には、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)を調整する場合もある。
更に、本発明にかかるインクは普通紙等に記録した場合の印字記録物のインクの耐水性の問題を解決すると同時に、インクジェット用ヘッドに対するマッチングを良好にする面から、インク自体の物性として25℃における表面張力が30〜68dyne/cm、粘度が15cP以下、好ましくは10cP以下、より好ましくは5cP以下に調整されることが望ましい。
従って、上記物性にインクを調整し、普通紙における問題を解決する為には、本発明にかかるインク中に含有される水分量としては50重量%以上98重量%以下、好ましくは60重量%以上95重量%以下とされるのが好適である。
【0039】
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な方法及び装置としては、記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該熱エネルギーにより液滴を発生させるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置が挙げられる。
【0040】
その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミックス又はプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性のよい基盤20とによりなっている。
【0041】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まできており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
今、電極17−1、17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。
図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。尚、図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図である。
【0042】
図4に、かかるヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。
図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0043】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドであり、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と慴動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
51は被記録材を挿入する為の給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0044】
上記構成において記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出する様に移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録の為に記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0045】
図5は、ヘッドにインク供給部材、例えばチューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。44は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示す如きそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
【0046】
図6において、70は記録ユニットであって、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース又はポリビニルアセテートを用いることが本発明にとって好ましい。72は記録ユニット内部を大気に連通させる為の大気連通口である。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0047】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
【0048】
実施例1〜実施例5
下記に示す各成分を混合し、十分撹拌して溶解後、ポアサイズが0.45μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)にて加圧濾過し、本発明のインクを夫々調整した。又、夫々の化合物の塩成分でpHを約9.5に調整した。
【0049】
実施例1のインク組成
・化合物25 3部
・チオジグリコール 10部
・水 79部
・染料1 2.5部
・硫酸アンモニウム 0.5部
・尿素 5部
【0050】
実施例2のインク組成
・化合物20 2部
・2−ピロドリン 10部
・水 79部
・染料2 3部
・尿素 5部
・亜硫酸ナトリウム 1部
【0051】
実施例3のインク組成
・化合物15 1部
・チオジグリコール 6部
・水 82.5部
・染料4 3部
・アンモニア 0.5部
・尿素 7部
【0052】
実施例4のインク組成
・化合物24 3部
・ジエチレングリコール 8部
・水 81部
・染料1 2部
・酢酸ナトリウム 1部
・尿素 5部
【0053】
実施例5のインク組成
・化合物25 3部
・チオジグリコール 10部
・水 84部
・染料1 2.5部
・硫酸アンモニウム 0.5部
【0054】
比較例1〜比較例5
実施例1〜実施例3の組成について、夫々の組成から一般式(VIII)で示される化合物を除き、その不足分を純水で補ったものを夫々比較例1〜比較例3のインクとした。又、実施例4の化合物の代わりに、ジメチルドデシルベタインに置き換えたものを比較例4に、実施例5の化合物の代わりにトリプロパノールアミンに置き換えたものを比較例5とした。
【0055】
【評価】
次に、上記で得られた実施例1〜実施例5と比較例1〜比較例5のインクを用い、インクジェット記録装置として発熱素子をインクの吐出エネルギー源として利用したインクオンデマンド型インクジェットプリンターを使用して印字試験を行い、(1)耐水性、(2)耐目詰まり性、(3)印字品位及び(4)長期保存性の評価を下記の基準に従って夫々行った。又、得られた結果を表1に示す。
尚、上記インクジェット記録装置の印字条件としては、駆動電圧26V、発熱抵抗体の抵抗値150Ω及び周波数4kHzで行った。
【0056】
(評価方法及び評価基準)
(1)耐水性(A)
プリンターに所定のインクを充填して、市販の酸性紙に英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD915(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その後、印字物を水で満たした容器に3分間浸した後、放置して、自然乾燥させ再度印字濃度を測定し、印字物濃度の残存率を求め、耐水性の評価とした。
◎:印字物濃度の残存率が90%以上。
○:印字物濃度の残存率が80%以上〜89%以下。
△:印字物濃度の残存率が66%以上〜79%以下。
×:印字物濃度の残存率が65%以下。
【0057】
(2)耐水性(B)
プリンターに所定のインクを充填して、市販の中性紙に英数文字及びベタ部を印字した後、プリントを停止し、印字物を1時間以上放置後、印字濃度をマクベスRD915(商品名:マクベス社製)にて測定を行う。その後、印字物を水で満たした容器に3分間浸した後、放置して、自然乾燥させ再度印字濃度を測定し、印字物濃度の残存率を求め、耐水性の評価とした。
◎:印字物濃度の残存率が90%以上。
○:印字物濃度の残存率が80%以上〜89%以下。
△:印字物濃度の残存率が66%以上〜79%以下。
×:印字物濃度の残存率が65%以下。
【0058】
(3)目詰まり性(固着回復性)の評価
プリンターを35℃の恒温槽に1ヵ月放置し、その後室温に24時間放置し、回復操作(ポンピングによる吸引操作)を行った後印字して、下記基準にて評価した。
○:回復操作5回以内で正常な印字状態に戻る。
△:回復操作6〜10回で正常な印字状態に戻る。
×:回復操作6〜10回で不吐出又は印字の乱れがある。
【0059】
(4)印字品位の評価(A)
プリンターで市販の酸性紙に英数文字を印字し、印字物を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価した。
◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。
○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発生。
△:文字にシャープさがない。又はヒゲ状の滲みが少し多い。
×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。
【0060】
(5)印字品位の評価(B)
プリンターで市販の中性紙に英数文字を印字し、印字物を1時間以上放置した後、顕微鏡及び目視で文字のシャープさや文字より発生するヒゲ状の滲みの度合いを評価した。
◎:文字がシャープでヒゲ状の滲みがない。
○:文字がシャープであるが、ヒゲ状の滲みが少し発生。
△:文字にシャープさがない。又はヒゲ状の滲みが少し多い。
×:文字にシャープさがなく、ヒゲ状の滲みも多い。
【0061】
(6)長期保存性の評価
夫々のインクを密封したビン容器に入れて、50℃の環境下に3か月間放置し、そのインクを濾紙で濾過して、濾紙上の凝集物の有無を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:凝集物がない。
△:凝集物が僅かにみられる。
×:凝集物が多くある。
【0062】
【表1】
表1 評価結果
Figure 0003880076
【0063】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、一般オフィス等で使用されている酸性紙及び中性紙等のいわゆる普通紙に対して印字記録をした場合、印字記録物の印字品位等に悪影響を及ぼすことなく、印字記録物の耐水性を向上させ、且つ耐目詰まり性、定着性及び耐コゲ性に優れたインクを提供することが出来る。
更に、本発明によれば、長期の保存にも安定であり、インクジェット記録システムに用いても何ら問題のない信頼性の高い記録を行い得るインクを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図5】インクカートリッジの縦断面図である。
【図6】記録ユニットの斜視図である。
【図7】本発明で使用される化合物のpHと溶解性の関係を示す図である。
【符号の説明】
61:ワイピング部材
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ

Claims (33)

  1. 遊離酸の状態で下記一般式(I)で示される染料と、pHが4〜10の範囲で溶解性が最小となるピークを有し、且つ、炭素数3以上のアルキル基、カルボキシル基の塩及びスルホン基の塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する下記一般式( VIII )で示される構造の、第2級アミン、第2級アミンの誘導体、第3級アミン及び第3級アミンの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、これらを溶解又は分散する液媒体とを含むことを特徴とするインク
    Figure 0003880076
    (式中、Ar及びAr1は夫々アリール基又は置換アリール基を示し、Ar及びAr1の少なくとも1つはCOOH基又はCOSH基を有する。
    J及びJ1は夫々下記一般式(II)、(III)及び(IV)からなる群から選ばれる。
    Figure 0003880076
    (式中、R5は独立的に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、CN、ウレイド及びNHCOR6から選択される。R6はH、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。Tはアルキル基を示し、WはH、CN、CONR1011、ピリジウム及びCOOHから選択される。R10及びR11は夫々H、アルキル基及び置換アルキル基から選択される。(m)は炭素数2〜8のアルキレン鎖を示し、BはH、アルキル基及びCOOHから選択される。)
    1、R2、R3及びR4は夫々H、アルキル基及び置換アルキル基から選択され、Lは2価の有機結合基を示し、nは0又は1を示す。Xはカルボニル基又は下記一般式(V)、(VI)又は(VII)の構造からなる。
    Figure 0003880076
    (式中、Zは、OR7、SR7及びNR89から選択され、YはH、Cl、CN、OR7、SR7及びNR89から選択され、EはClまたはCNである。R7、R8及びR9は夫々H、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。R8及びR9はこれらが結合された窒素原子と共に5員環又は6員環を形成してもよい。)
    但し一般式(I)で示される化合物がSO3H基をもたない場合は、該化合物は少なくとも2つのCOOH基又はCOSH基から選ばれる基を有し、一般式(I)で示される化合物がSO3H基をもつ場合は、該化合物はCOOH基又はCOSH基を少なくともSO3H基の数と同数有する。)
    Figure 0003880076
    (式中、R 1 は、炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表し、R 2 は、(CH 2 a −X 1 又は水素原子を表し、aは1〜4の整数とする。R 3 は、(CH 2 b −X 2 又はR 4 −Y又は水素原子を表し、bは1〜4の整数とする。R 4 は、炭素数1〜48のアルキル基又は水素原子を表す。Zは、(NR 5 q 2q c (NHC n 2n d を表し、q及びnは2〜4の整数、c+dは0〜50の整数とする。Yは、(NR 6 m 2m e (NHC p 2p f を表し、m及びpは2〜4の整数、e+fは0〜50の整数とする。R 5 は、(CH 2 g −X 3 を表し、gは1〜4の整数とする。R 6 は、(CH 2 h −X 4 を表し、hは1〜4の整数とする。X 1 、X 2 、X 3 及びX 4 は、夫々、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、スルホン基、スルホン基の塩又は水素原子からなる群から選ばれる。又、一般式( VIII )の化合物は、カルボキシル基、スルホン基、カルボキシル基の塩及びスルホン基の塩から選ばれるものを少なくとも1つ以上有する。)
  2. 一般式(I)で示される染料が、水溶性基としてスルホン基を有し、且つカルボキシル基をスルホン基と同数以上有する請求項1に記載のインク。
  3. 一般式(I)で示される染料が、スルホン基を有さず、且つ少なくとも2つのカルボキシル基を有する請求項1に記載のインク。
  4. 一般式(I)で示される染料が、少なくとも3つのカルボキシル基を有する請求項1に記載のインク。
  5. 一般式(I)で示される染料中の、Ar及びAr1の少なくとも1つが、少なくとも1つのカルボキシル基を有する構造である請求項1に記載のインク。
  6. 一般式(I)で示される染料中の、Ar及びAr1の夫々が少なくとも1つのカルボキシル基を有する構造である請求項1に記載のインク。
  7. 一般式(I)で示される染料中の、Ar及びAr1の夫々が少なくとも2つのカルボキシル基を有する構造である請求項1に記載のインク。
  8. 一般式(I)で示される染料中の、Ar及びAr1の夫々がジカルボキシフェニル基を有する構造である請求項1に記載のインク。
  9. 一般式(I)で示される染料中の、Xが前記一般式(V)で示される構造であり、且つZがNHC24OH、N(C24OH)2、NHR(Rは炭素数1〜6のアルキル基)又はモルフォリノから選択される請求項1に記載のインク。
  10. 一般式(VIII)で示される化合物の式中、X1、X2、X3及びX4が夫々カルボキシル基の塩、スルホン基の塩及び水素原子からなる群から選ばれる請求項1に記載のインク。
  11. 更に、揮発性塩基成分を含む請求項1に記載のインク。
  12. 更に、揮発性塩基成分及び1価の金属イオンを含む請求項1に記載のインク。
  13. 揮発性塩基成分がアンモニア又はアルキルアミンである請求項1又は請求項1に記載のインク。
  14. 1価の金属イオンがナトリウムイオン又はリチウムイオンである請求項1に記載のインク。
  15. 尿素及び尿素誘導体を含む請求項1、11及び何れか1項に記載のインク。
  16. pHが9以上である請求項1、11及び何れか1項に記載のインク。
  17. コゲ防止剤として、EDTA、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸、マレイン酸、コハク酸及びクエン酸のいずれかを含有する請求項1、11及び何れか1項に記載のインク。
  18. 該インクがインクジェット用である請求項1〜1の何れか1項に記載のインク。
  19. 請求項18に記載のインクを記録信号に応じてオリフィスから吐出させて被記録媒体に記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  20. インクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させる請求項19に記載のインクジェット記録方法。
  21. 請求項18に記載のインクを収容したインク収容部と該インクを吐出させる為のヘッド部とを備えていることを特徴とする記録ユニット。
  22. ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させるヘッドである請求項2に記載の記録ユニット。
  23. インク収容部が、内部にインク吸収体を含有している請求項21又はに記載の記録ユニット。
  24. インク吸収体が、ポリウレタン、セルロース又はポリビニルアセテートで形成されている請求項2に記載の記録ユニット。
  25. 請求項1〜18の何れか1項に記載のインクを収容したインク収容部を備えていることを特徴とするインクカートリッジ。
  26. インク収容部がポリオレフィンで形成されたインクとの接液面を有する請求項2に記載のインクカートリッジ。
  27. インクを収容したインク収容部と、該インクをインクを吐出させる為のヘッド部とを有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置において、前記インクが請求項18に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  28. ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させるヘッドである請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  29. インク収容部が、内部にインク吸収体を含有している請求項27又は28に記載のインクジェット記録装置。
  30. インク吸収体が、ポリウレタン、セルロース又はポリビニルアセテートで形成されている請求項29に記載のインクジェット記録装置。
  31. インクを吐出する為の記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ及び該インクカートリッジから該記録ヘッドにインクを供給する為のインク供給部を備えたインクジェット記録装置において、前記インクが請求項 に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  32. 記録ヘッドが、インクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させるヘッドである請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  33. インク収容部がポリオレフィンで形成されたインクとの接液面を有する請求項31又はに記載のインクジェット記録装置。
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