JP2003225780A - アルミニウム系構造体およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム系構造体およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貫通摩擦撹拌接合を行うことなく接合が可能
で、接合部にすじや色調差が生じず、外観品質、光輝
性、さらには接合強度を向上させることができるように
したアルミニウム系構造体およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 板状のバー30を円筒形状に折り曲げて
周方向の両端を互いに突き合わせることにより接合部3
2とする。また、周方向の両端裏面側に予め開先用切欠
き31a,31bをそれぞれ形成しておき、周方向両端
を突き合わせたとき、これらの切欠き31a,31bも
突き合わせて1つの開先31とする。そして、接合部3
2の裏面側に裏当て34を密接し、表面側から接合部3
2に摩擦撹拌接合ツール36を挿入して接合部32を摩
擦撹拌接合する。接合に際しては、撹拌ピン36Bの先
端を開先31内に突出させて行う。摩擦撹拌接合後、成
形装置によって所定の形状の構造体とし、さらにアルマ
イト処理によって構造体の外表面全体に陽極酸化被膜を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム系構
造体およびその製造方法に関し、特にアルマイト処理さ
れる自動車用ホイールリム等に適用して好適なアルミニ
ウム系構造体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミニウムまたはアルミニウム
合金(以下、本発明においてはこれらを総称してアルミ
ニウム系と称する)部材等の金属部材どうしを突き合わ
せまたは重ね合わせて接合する方法として、特開平11
−285862号公報、特許第2712838号公報、
特許第2792233号公報等に開示された摩擦撹拌接
合方法(Friction Stir Welding:以下、FSWと略称す
る)が知られている。
【0003】FSWは、摩擦熱を利用して2つ(または
1つ)の被接合材の接合部を互いに突き合わせるかまた
は重ね合わせて接合する方法である。図9は2つの被接
合材をFSWによって突き合わせ接合する場合の従来例
を示す図である。同図において、被接合材1,2よりも
硬質で耐熱性に優れた材料からなる摩擦撹拌接合ツール
3を高速回転させ、その先端に一体に設けた撹拌ピン4
を被接合材1,2の接合部5の接合面6に沿って押し込
み、被接合材1,2とプローブ3を接合線SLに沿って
紙面と直交する方向に相対的に移動させることにより、
接合部5に摩擦熱を発生させる。この摩擦熱により2つ
の被接合材1,2の接合面6付近のメタルM(斜線部)
は塑性加工可能な状態にまで軟化され、撹拌ピン4の高
速回転による撹拌作用により撹拌・流動された後、撹拌
ピン4の通過により冷却・固化することにより、接合部
5を固相接合する。
【0004】このようなFSWによって被接合材1,2
を突き合わせ接合する場合は摩擦熱を利用した固相溶接
であるため、TIG溶接またはMIG溶接によって溶接
する場合と異なり、溶接棒、不活性ガス等を全く必要と
せず、簡便で迅速に接合することができる利点があり、
建築土木用、車両用、船舶用等の構造体の接合に広く用
いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、FSW
によって接合されたアルミニウム系構造体をアルマイト
処理すると、接合部の裏面側にすじ(表面酸化膜の痕)
が生じたり、接合部と母材部(塑性加工可能な状態に軟
化しない部分)との色調が異なってしまうという問題が
あった。接合部裏面側に生じるすじは、図9に示すよう
に撹拌ピン4の先端を接合部材1,2の裏面側から内部
に0.2mm程度位置させた状態、言い換えれば裏面側
に突出させない状態で撹拌接合するため、2つの被接合
材1,2の接合端面1a,2aの撹拌ピン4より下方部
分が十分に撹拌されずに酸化膜のまま残存し、この酸化
膜のアルマイト処理時のアルカリ洗浄における溶解のさ
れ方が他の部分と異なることによるものと考えられる。
また、この酸化膜部分は連続的に残りその程度が大きく
なると未接合部分を形成するため十分な接合強度が得ら
れない。接合部と母材部との色調差はこれら両部の成分
・組織の相違、特に結晶粒径の相違に起因することが判
明した。
【0006】アルミニウム系構造体が建築土木用、車両
用、船舶用等に用いられる一般の構造体である場合は接
合部が直接視認されることが少ないため、すじや色調差
が生じても問題になることは少ない。しかし、例えば平
板状のバーを円筒状に折り曲げてその周方向両端をFS
Wによって突き合わせ接合することにより円筒体からな
るリム用中間体を形成し、この中間体の開放端部を外側
に折り曲げてフランジを形成することにより車両用ホイ
ールリムとし、外周にタイヤを装着するようにした場合
は、摩擦撹拌接合部がフランジ部の裏面や端面において
直接視認されるため、接合部にすじや色調差があるとホ
イールリムの外観品質や光輝性が低下するので問題とな
る。このため、接合部にすじや色調差のないアルミニウ
ム系構造材およびその製造方法の開発が要請されてい
る。
【0007】そこで、例えば特開平11−5179号公
報に開示された摩擦撹拌接合方法は、被接合材の裏面側
に配置される裏当てに溝を設け、撹拌ピンを接合部の裏
面側に突出させて前記裏当ての溝に挿入して摩擦撹拌接
合を行うことにより、未接合部の発生を防止するように
している。しかしながら、このような貫通摩擦撹拌接合
方法においては、摩擦熱によって塑性化したメタルが溝
内に流入して固化するため、裏当てを研削によって削除
するための余分な後工程を必要とするばかりか、溝内に
流入する塑性化メタルの量が多いため、接合部のメタル
が不足して内部にトンネル状の空洞欠陥が発生し易いと
いう問題があった。
【0008】本発明は上記した従来の問題および要請に
応えるべくなされたもので、その目的とするところは、
貫通摩擦撹拌接合を行うことなく接合が可能で、接合部
にすじや色調差が生じず、外観品質、光輝性、さらには
接合強度を向上させることができるアルミニウム系構造
体およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明に係るアルミニウム系構造体は、板状に形
成された被接合材の裏面の折り曲げ方向両端縁に開先用
切欠きを形成し、前記被接合材を表面側を外側にして円
筒形状に折り曲げて折り曲げ方向両端を互いに突き合わ
せることにより裏面側に前記開先用切欠きによる開先が
形成された接合部とし、この接合部の接合面に表面側か
ら摩擦撹拌接合ツールを挿入して先端が前記開先内に位
置する状態で前記接合部を摩擦撹拌接合することによっ
て形成されたアルミニウム系の構造体であって、外表面
がアルマイト処理されているものである。
【0010】第1の発明において、被接合材を円筒形状
に折り曲げると、折り曲げ方向の両端の裏面側にそれぞ
れ形成されている開先用切欠きは、互いに対向して1つ
の開先を形成する。接合部を表面側から摩擦撹拌する
と、酸化膜からなる開先面も撹拌・分断され、摩擦熱に
よって塑性加工可能な状態にまで軟化したメタルが撹拌
・流動されて開先内に進入し固化する。このため、接合
部は表面側から裏面側まで撹拌接合されて酸化膜からな
る開先面が被接合材の裏面や端面に存在せず、大きな接
合強度が得られる。また、被接合部がないためアルマイ
ト処理してもすじ(酸化膜の痕)が生じない。アルマイ
ト処理は、被接合材を、前処理工程として酸による脱脂
工程と、アルカリによるエッチング工程と、酸による中
和工程とをこの順序で行った後、電解処理してその表面
に陽極酸化皮膜を形成することにより、装飾性、耐食性
を付与するものである。開先の断面形状としては、V字
状が最も一般的であるが、これに限らず例えばU字状で
あってもよい。
【0011】第2の発明に係るアルミニウム系構造体
は、上記第1の発明において、アルミニウム系構造体を
車両用ホイールリムとしたものである。
【0012】第2の発明において、車両用ホイールリム
は外周にタイヤが装着された状態において、裏面側の接
合部が視認されるが、アルマイト処理してもすじが生じ
ないので外観品質を損なうことがない。
【0013】第3の発明に係るアルミニウム系構造体
は、2つの被接合材の互いに突き合わせ接合される接合
部の裏面側に開先を形成し、前記接合部の接合面に表面
側から摩擦撹拌接合ツールを挿入して先端が前記開先内
に位置する状態で前記接合部を摩擦撹拌接合することに
よって形成されたアルミニウム系の構造体であって、外
表面がアルマイト処理されているものである。
【0014】第3の発明において、2つの被接合材は裏
面の接合部側端縁に開先が形成され、接合部が表面側か
ら摩擦撹拌接合される。開先の形成は、2つの被接合材
の接合端部を突き合わせた後に切削加工によって形成す
るか、または予め各被接合材の接合側端縁の裏面側に開
先用切欠きを切削加工によって形成しておき、2つの被
接合材の接合部を突き合わせて開先用切欠きを互いに対
向させることで1つの開先としてもよい。また、押出成
形により開先用切欠きを被接合材の成形と同時に成形し
て被接合材の接合部を突き合わせて開先とすることもで
きる。接合部を表面側から摩擦撹拌すると、酸化膜から
なる開先面も撹拌され、摩擦熱によって塑性加工可能な
状態にまで軟化したメタルが撹拌・流動して開先内に進
入し固化する。このため、接合部は表面側から裏面側ま
で撹拌接合されて摩擦撹拌後は酸化膜からなる開先面が
被接合材の裏面や端面に存在せず、大きな接合強度が得
られる。また、アルマイト処理してもすじが生じないの
で外観品質を損なうことがない。
【0015】第4の発明に係るアルミニウム系構造体
は、上記第1、第2または第3の発明において、摩擦撹
拌接合された接合部の少なくとも裏面が研磨または機械
加工によって平滑面に形成されているものである。
【0016】第4の発明においては、接合部を摩擦撹拌
接合によって接合すると、接合部裏面の面精度が粗いた
め、研磨または機械加工によって平滑面に形成される。
構造体が車両用ホイールリムの場合、タイヤが装着され
た状態において、フランジ部の裏面側が視認されるが、
接合部裏面が研磨または機械加工によって平滑面に形成
されているので、外観を損なうことがない。一方、接合
部の表面側には摩擦撹拌接合によるばりおよび凹みが発
生するが、このばりおよび凹みが視認される構造体の場
合は、表面側も研磨または機械加工によって平滑面にす
ることが好ましい。特に車両用ホイールリムの場合、ば
りが存在しタイヤに接触すると、タイヤを損傷するおそ
れがあるため、このばりを研磨または機械加工によって
除去することが好ましい。
【0017】第5の発明に係るアルミニウム系構造体の
製造方法は、板状に形成された被接合材の裏面の折り曲
げ方向両端縁に開先用切欠きを形成する工程と、前記被
接合材を表面が外側となるように円筒形状に折り曲げて
折り曲げ方向両端を互いに突き合わせて接合部とし、こ
の接合部の裏面側に前記開先用切欠きどうしの突き合わ
せによる開先を形成する工程と、前記被接合材の前記接
合部裏面に裏当てを配置する工程と、前記被接合材の前
記接合部の接合面に表面側から摩擦撹拌接合ツールを挿
入して先端が前記開先内に位置する状態で前記接合部を
摩擦撹拌接合する工程と、摩擦撹拌接合された前記被接
合材の外表面をアルマイト処理する工程とを備えたもの
である。
【0018】第5の発明においては、被接合材を円筒形
状に折り曲げることにより、周方向の両端が互いに突き
合わされて接合部を形成する。開先用切欠きは、被接合
材を円筒形状に折り曲げる前に予め切削加工等によって
形成されており、被接合材が円筒形状に折り曲げられて
周方向の両端が互いに突き合わされると、互いに突き合
わされて1つの開先を形成する。開先は裏当てによって
覆われる。接合部を表面側から摩擦撹拌すると、酸化膜
からなる開先面も撹拌され、摩擦熱によって塑性加工可
能な状態にまで軟化したメタルが撹拌・流動して開先内
に進入し固化する。このため、接合部は表面側から裏面
側まで撹拌接合されて摩擦撹拌後は酸化膜からなる開先
面が被接合材の裏面や端面に存在せず、大きな接合強度
が得られる。また、アルマイト処理してもすじが生じな
いので外観品質を損なうことがない。
【0019】第6の発明に係るアルミニウム系構造体の
製造方法は、2つの被接合材の互いに突き合わせ接合さ
れる接合部の裏面側に接合面に沿って開先を形成すると
ともに裏当てを配置する工程と、前記被接合材の接合部
の接合面に表面側から摩擦撹拌接合ツールを挿入して先
端が前記開先内に位置する状態で前記接合部を摩擦撹拌
接合する工程と、摩擦撹拌接合された前記被接合材の外
表面をアルマイト処理する工程とを備えたものである。
【0020】第6の発明において、2つの被接合材は裏
面側の接合部側端縁に開先が形成され、接合部が表面側
から摩擦撹拌接合される。開先の形成は、2つの被接合
材の接合端を突き合わせた後に切削加工によって形成す
るか、または予め各被接合材の裏面接合側端縁に開先用
切欠きを切削加工によって形成しておき、2つの被接合
材の接合部を突き合わせて開先用切欠きを互いに対向さ
せることで1つの開先としてもよい。接合部を表面側か
ら摩擦撹拌すると、酸化膜からなる開先面も撹拌され、
摩擦熱によって塑性加工可能な状態にまで軟化したメタ
ルが撹拌・流動して開先内に進入し固化する。このた
め、接合部は表面側から裏面側まで撹拌接合されて摩擦
撹拌後は酸化膜からなる開先面が被接合材の裏面および
両端面に存在せず、大きな接合強度が得られる。また、
アルマイト処理してもすじが生じないので外観品質を損
なうことがない。
【0021】第7の発明に係るアルミニウム系構造体の
製造方法は、上記第5または第6の発明において、摩擦
撹拌接合ツールが円柱状のツール本体と、このツール本
体の底面中央に一体に突設され被接合材の接合部内に前
記ツール本体の一部とともに押し込まれる撹拌ピンとか
らなり、前記ツール本体の底面が前記接合部の表面を押
圧するツールショルダーを構成し、前記ツール本体の軸
線を通り摩擦撹拌接合ツールの移動方向と直交する縦断
面積のうち、接合部に押し込まれる部分の縦断面積を前
記被接合材の開先の長手方向と直交する面内の縦断面積
と略等しいかこれより大きくしたものである。
【0022】第7の発明においては、ツール本体の軸線
を通り摩擦撹拌接合ツールの移動方向と直交する縦断面
積のうち、接合部に押し込まれる部分の縦断面積を前記
被接合材の開先の長手方向と直交する面内の縦断面積と
略等しいかこれより大きく設定しているので、摩擦熱に
よって塑性加工可能な状態にまで軟化し開先内に入り込
むメタルの量が十分であり、開先が凹みとなって残るこ
とがない。開先内に入り込まなかった余分なメタルは接
合部表面の両側に沿って突出しばりを形成する。このば
りは後工程において研磨または機械加工によって除去さ
れることが好ましい。
【0023】第8の発明に係るアルミニウム系構造体の
製造方法は、上記第5または第6の発明において、摩擦
撹拌接合ツールが円柱状のツール本体と、このツール本
体の底面中央に一体に突設され被接合材の接合部に前記
ツール本体の一部とともに押し込まれる撹拌ピンとから
なり、前記ツール本体の底面が前記接合部の表面を押圧
するツールショルダーを構成し、開先の幅を撹拌ピンの
直径の75%以下とし、開先の長手方向と直交する面内
の縦断面積が前記撹拌ピンの軸線と直交する横断面積の
15%以下としたものである。
【0024】第8の発明において、開先の幅が撹拌ピン
の直径の75%以下で、開先の縦断面積が前記撹拌ピン
の軸線と直交する横断面積の15%以下であると、摩擦
熱によって塑性加工可能な状態にまで軟化し開先内に入
り込むメタルの量が十分であり、開先が凹みとなって残
ることがなく、開先内に入り込まなかった余分なメタル
は接合部表面の両側に沿って突出しばりとなり、確実な
摩擦撹拌接合が得られる。開先の幅が撹拌ピンの直径の
75%以上で、開先の縦断面積が撹拌ピンの軸線と直交
する横断面積の15%以上であると、メタルの量が不十
分で、開先が凹みとなって残る。
【0025】第9の発明に係るアルミニウム系構造体の
製造方法は、撹拌ピンの先端面または外周に撹拌部が形
成されているものである。
【0026】第9の発明において、撹拌部は接合面およ
びその近傍と開先面を撹拌・流動化させる。撹拌部とし
ては、環状、螺旋状、放射状等の溝または突状体が考え
られる。
【0027】第10の発明に係るアルミニウム系構造体
の製造方法は、上記第5〜9のうちのいずれか1つに記
載の発明において、摩擦撹拌接合後、アルマイト処理す
る工程の前工程として、被接合材を300〜375℃で
1〜5時間焼鈍処理する工程を備えたものである。
【0028】第10の発明において、焼鈍処理によって
接合部の結晶粒を再結晶化させて母材部の結晶粒と略等
しくすると、接合部と母材部の色調差をなくすことがで
きる。300℃以下であると、接合部の再結晶が不十分
であり、375℃以上であると再結晶組織が粗大化する
ため、色調差が大きくなる。
【0029】第11の発明に係るアルミニウム系構造体
の製造方法は、上記第5〜9のうちのいずれか1つに記
載の発明において、摩擦撹拌接合時の摩擦撹拌接合ツー
ルの回転数と接合速度の比を4〜11としたものであ
る。
【0030】第11の発明において、摩擦撹拌接合ツー
ルの回転数と接合速度の比が4〜11であると、接合部
と母材部の結晶粒が略等しくなり、接合部と母材部との
色調差をなくすことができる。回転数と接合速度の比が
1以下であると、接合部の結晶粒が細かく、11以上で
あると結晶粒が粗大化するため、アルマイト処理後の色
調差が大きくなる。
【0031】第12の発明に係るアルミニウム系構造体
の製造方法は、上記第5〜11のうちのいずれか1つに
記載の発明において、アルマイト処理工程の前工程とし
て、摩擦撹拌接合された接合部の少なくとも裏面を研磨
または機械加工によって平滑面に形成する工程を備えて
いるものである。
【0032】第12の発明においては、接合部を摩擦撹
拌接合によって接合すると、接合部裏面の面精度が粗い
ため、研磨または機械加工によって平滑面に形成され
る。構造体が車両用ホイールリムの場合、タイヤが装着
された状態において、フランジ部の裏面側が視認される
が、接合部裏面が研磨または機械加工によって平滑面に
形成されているので、外観を損なうことがない。一方、
接合部の表面側には摩擦撹拌接合によるばりおよび凹み
が発生するが、このばりおよび凹みが視認される構造体
の場合は、表面側も研磨または機械加工によって平滑面
にすることが好ましい。特に車両用ホイールリムの場
合、ばりが存在しタイヤに接触すると、タイヤを損傷す
るおそれがあるため、このばりを研磨または機械加工に
よって除去することが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るア
ルミニウム系構造体を車両用ホイールリムに適用した一
実施の形態を示す外観斜視図、図2は同ホイールリムの
断面図、図3(a)〜(c)はFSWの手順を説明する
ための図、図4は同ホイールリムのFSWを行っている
状態を示す断面図、図5は図4のV−V線断面図、図6
は撹拌ピンの撹拌部を示す図である。
【0034】先ず、図1および図2に基づいて車両用ホ
イールリムの構造について説明する。全体を符号20で
示す車両用ホイールリムは乗用車、トラック、バス等の
車両に用いられるもので、外周にタイヤが装着される円
筒状のリム本体20Aと、このリム本体20Aの一側縁
に一体に形成されたフランジ20Bと、他側縁に形成さ
れたガター20Cに嵌合固定されるフランジ21および
ディスク22とで構成されている。リム本体20Aは、
摩擦撹拌接合によって製作されている。フランジ20
B,21は、摩擦撹拌接合後に行う塑性加工によって断
面形状がL字状になるように折り曲げ形成されている。
ガター20Cは、外面にフランジ21の基端部が嵌合す
る環状の溝23を有し、内面に前記ディスク22の後端
部が嵌合されかつ溶接によって接合されている。フラン
ジ21とディスク22は、リム本体20Aと同様に、5
000系等のアルミニウム合金によって製作されてい
る。そして、ホイールリム20は、装飾性および耐食性
を向上させるために外表面全体がアルマイト処理されて
いる。
【0035】次に、前記リム本体20Aの製造手順を図
3〜図6に基づいて詳述する。先ず、アルミニウム合金
の押出形材によって板状に形成された所定長さおよび幅
を有するバー(被接合材)30を用意する(図3
(a))。このバー30の裏面30aで長手方向の両端
縁に開先用切欠き31a,31bをそれぞれ全幅にわた
って形成する。開先用切欠き31aと31bは略同一形
状で、裏面30aの長手方向端縁部を所要角度(例え
ば、30〜45°)で斜めに切削することにより形成さ
れている。
【0036】次に、バー30を表面30bが外側になる
ように円筒形状に折り曲げて長手方向の両端を互いに突
き合わせ、この突き合わせ部分を接合部32とする。バ
ー30を円筒形状に折り曲げてその周方向の両端を突き
合わせて動かないように拘束すると、前記開先用切欠き
31a,31bも互いに突き合わされることによりV字
状の溝からなる1つの開先31を形成する。
【0037】次に、接合部32の裏面側に裏当て34
(図4)を密接し、表面側から接合部32を摩擦撹拌接
合ツール36によって摩擦撹拌接合する。裏当て34
は、鉄、アルミニウム等の金属製で、一方の面が円筒形
状に折り曲げられたバー30の内周面と略同一の曲率半
径を有する凸曲面に形成され、開先31を覆っている。
【0038】前記摩擦撹拌接合ツール36は、バー30
より融点が高い金属、例えば工具鋼等によって製作され
るもので、円柱状のツール本体36Aと、このツール本
体36Aの底面37の中央に一体に突設された撹拌ピン
36Bとで構成され、前記底面37が前記接合部32の
表面を押圧するツールショルダーを形成している。撹拌
ピン36Bは、長さが前記バー30の板厚tより0.2
〜0.4mm程度短く設定されており、先端面38と外
周面39には前記接合部32の接合面35とその近傍を
撹拌する撹拌部40,41がそれぞれ形成されている。
この場合、本実施の形態においては撹拌部40を図6に
示すように1つの螺旋状溝で構成した例を示したが、こ
れに限らず例えば特開2001−71155号公報に開
示されているように放射状の溝または突状体であった
り、あるいは小さな円筒状の突起を多数突設したもので
あってもよい。また、外周面の撹拌部41については、
本実施の形態においては周方向に等間隔をおいて形成し
た4つの螺旋状溝で構成した例を示したが、螺旋状の突
状体であったりねじ溝であってもよい。
【0039】このような摩擦撹拌接合ツール36は、接
合部32の表面に対してプローブ36の移動方向(矢印
A方向)とは反対側に所要角度α(=3〜5°程度)傾
斜した状態でセットされる。
【0040】次に、摩擦撹拌接合ツール36をモータに
よって500〜5000rpm程度の回転数で回転させ
ながら撹拌ピン36Bを接合面35上に位置させて接合
部表面に押し付け、摩擦熱によって接合部32の撹拌ピ
ン36Bによって押し付けられている表面部分およびそ
の近傍を加熱、可塑化させ、撹拌ピン36Bとツールシ
ョルダー37の一部を接合部32内に徐々に押し込む。
このツールショルダー37が接合部32の表面に押し込
まれる量、すなわち押込量δは、0.1〜0.3mm程
度である。押込量δは、摩擦撹拌接合ツール36の軸線
を通りプローブの移動方向(A方向)と直交する直線上
における押込量である。なお、ツールショルダー37の
移動方向先端側(図5において左端)は、摩擦撹拌接合
ツール36内へのメタル供給を可能にするために接合部
32の表面より上方に位置している。
【0041】撹拌ピン36Bとツールショルダー37の
一部が接合部32内に所定量押し込まれると、撹拌ピン
36Bの先端は、開先31の傾斜した壁面(開先面)4
6の撹拌を可能にするために図4に示すように開先31
内に突出しており、この状態で摩擦撹拌接合ツール36
を矢印A方向に0.02〜2m/sec程度の送り速度
(接合速度)で移動させることで、接合部32を摩擦撹
拌接合する。すなわち、摩擦撹拌接合ツール36を高速
回転させながら接合面35に沿って移動させると、接合
面35とその近傍部は、撹拌ピン36Bにより加熱され
ることにより可塑化され、水平および垂直方向に流動化
する。そして、流動化したメタル43の一部は、開先3
1内に入り込み撹拌ピン36Bが通過することにより冷
却して固化し開先31を埋める。したがって、接合部3
2は撹拌ピン36Bを接合部32の裏面側に突出させな
いでも表面側から裏面側まで完全に接合される。このと
き、酸化膜からなる開先31の開先面46は、撹拌部4
0,41によって撹拌・分断され、可塑化したメタル4
3内に分散される。なお、接合部32の裏面から撹拌ピ
ン36Bの先端までの距離は0.2mm程度で、開先3
1はこれより深く形成されている。
【0042】開先31に充填されるメタル43の量が不
足すると、開先31を完全に埋めることができず、接合
部32の裏面側に凹部として残るため好ましくない。メ
タル43の最適量は、開先31を完全に埋め、かつ余剰
のメタルが接合部32の表面両側に沿って飛び出して固
化することにより、ばり44(図4)が若干生じる程度
とされる。このため、ツール本体36Aの軸線を通り摩
擦撹拌接合ツール36の移動方向(A方向)と直交する
縦断面積のうち、接合部32に押し込まれる部分の縦断
面積S(図4、図5参照)を開先31の長手方向と直交
する面内の縦断面積S1 と略等しくするかこれより若干
大きくする。または、別法として開先31の幅E(図
4)を撹拌ピン36Bの外径Dの75%以下とし、開先
31の断面積S1を前記撹拌ピン36Bの軸線と直交す
る横断面積(πD2/4)の15%以下にすることが好ま
しい。
【0043】開先31の幅Eが撹拌ピン36Bの外径D
の75%以下で、開先31の縦断面積S1 が撹拌ピン3
6Bの軸線と直交する横断面積の15%以下であると、
摩擦熱によって塑性加工可能な状態にまで軟化し開先3
1内に入り込むメタル43の量が十分であり、開先31
が凹みとなって残ることがなく、開先31内に入り込ま
なかった余剰のメタルが接合部32の表面両側に沿って
突出しばり44を形成することにより、確実な摩擦撹拌
接合が得られる。これに対して、開先31の幅Eが撹拌
ピン36Bの外径Dの75%以上で、開先31の縦断面
積S1 が撹拌ピン36Bの軸線と直交する横断面積の1
5%以上になると、開先31に入り込むメタル43の量
が不十分で、開先31が凹みとして残る。
【0044】このような摩擦攪拌接合方法によれば、板
厚tが2〜20mm程度のアルミニウム合金製の被接合
材であるバー30の突き合わせ接合部32を表面側から
裏面側にわたって強固に接合することが可能である。ま
た、摩擦撹拌接合は金属材料の接合部を溶融せず、加熱
温度が低いため、MIG溶接やTIG溶接に比べて熱影
響が少なく、安定した品質を得ることができる。また、
摩擦撹拌接合ツール36を回転させ、このプローブ36
と円筒形状に折り曲げられたバー30を所要の接合速度
で相対的に移動させるだけでよいため、大がかりな設備
を必要とせずコスト的にも有利である。
【0045】摩擦撹拌接合によってバー30を円筒体に
形成した後、裏当て34を円筒体から取り外す。摩擦撹
拌接合によって製作された円筒体は、図1および図2に
示したリム本体20Aの中間製品である。この円筒体の
摩擦撹拌接合された接合部32の表裏面は粗面であるた
め、研磨または機械加工によって母材部と同程度の面精
度からなる平滑面に形成される。特に、図1および図2
に示すホイールリム20においては、タイヤを装着した
状態でフランジ20Bの裏面と、ガター21の先端面お
よび裏面が視認されるので、これらの部分における接合
部の裏面および端面を研磨または機械加工する必要があ
る。また、表面側についてはばり44とツールショルダ
ー37の押し込みによる凹みが生じているので、表面側
が視認される構造体の製作に当たっては表面側も研磨ま
たは機械加工して完全に取り除くことが好ましい。
【0046】次に、研磨または機械加工が終了した円筒
体を成形装置によって成形することにより、図1および
図2に示した、一端側にフランジ20Bを一体に有し、
他端側にガター20Cを一体に有するリム本体20Aを
製作する(図3(c))。そして、ガター20Cにフラ
ンジ21とホイール22を取付け、ホイールリム20を
製作する。なお、フランジ21については、リム本体2
0Aと別個に製作されるものに限らず、フランジ20B
と同様にリム本体20Aに一体に形成されるものであっ
てもよい。その場合は、ガター20Cの製作は当然不要
である。
【0047】この後、ホイールリム20に装飾性、耐食
性を付与するためにホイールリム20をアルマイト処理
してその外表面全体に陽極酸化被膜を形成し、もってホ
イールリム20の製作を終了する。
【0048】アルマイト処理工程の一実施の形態を図7
に基づいて説明する。先ず、上記摩擦撹拌接合によって
接合され整形装置によって所定のリム形状に形成された
被処理物(被接合材)を準備する(ステップ100)。
次に、前処理工程として、被処理物を、酸(H2SO4
HNO3 またはこれらの混合水溶液)による脱脂工程
(ステップ101)と、アルカリ(NaOH)によるエ
ッチング工程(ステップ102)と、酸(H2SO4)に
よる中和工程(ステップ103)をこの順序で行う。な
お、エッチング工程は、表面の異物や変質層などを除去
する工程である。
【0049】次に、被処理物を酸(H2SO4 )の水溶
液中に浸漬して陽極に接続し、水溶液を陰極に接続して
アルマイト処理を行い(ステップ104)、被処理物の
外表面全体に多孔質の陽極酸化被膜を形成する。次に、
必要に応じて電解着色(ステップ105)を行った後、
温水に浸漬して封孔処理を行うか(ステップ106)、
またはクリアー電着塗装(ステップ107)を行うこと
により、透明で光沢感のあるホイールリム20が製作さ
れる。なお、アルミニウム合金のアルマイト処理自体
は、従来一般に行われている周知技術のため、これ以上
の詳細については説明を省略する。
【0050】摩擦撹拌接合した後、アルマイト処理する
前工程としては、接合部32の結晶粒を再結晶化して粒
径を母材部の結晶粒径と略一致させるために焼鈍処理を
行うか、または摩擦撹拌接合条件を最適化することが好
ましい。焼鈍処理は、摩擦撹拌接合された被接合材を加
熱炉に入れて300℃〜375℃の温度範囲で1〜5時
間加熱し、その後緩やかに冷却して常温にする。300
℃以下であると結晶粒の再結晶化が不十分であり、37
5℃以上であると再結晶組織が粗大化するため好ましく
ない。
【0051】摩擦撹拌接合条件を最適化する場合も、焼
鈍処理と同様に接合部32と母材部の結晶粒径と略一致
させることができる。最適化の条件としては、摩擦撹拌
接合ツール36の回転数Rと接合速度Wの比率が4〜1
1の範囲になるようにする。この比率が4以下であると
接合部32の結晶粒の再結晶化が不十分であり、11以
上であると再結晶組織が粗大化するため好ましくない。
【0052】
【実施例1】被接合材として板厚6mmのJIS A5
052−Oを円筒形状に折り曲げてその周方向両端を突
き合わせ摩擦撹拌接合した。使用した摩擦撹拌接合ツー
ルは、ツールショルダー径20mm、撹拌ピンの直径8
mm、ピン長さ5.4mmで、接合面に対するプローブ
の傾斜角度3°、回転数890rpm、接合速度200
mm/minの条件で、開先31の深さD1 、幅E、お
よび長手方向と直交する面内の縦断面積S1 を種々変更
して摩擦撹拌接合を行った。その結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】この表1から明らかなように、開先31を
形成しないで、また撹拌ピンを接合部の裏面側に突出さ
せないで摩擦撹拌接合した場合(比較例1)では、接合
面の一部が撹拌されないで残るためアルマイト処理した
後に接合部32の裏面側にすじが発生した。比較例2お
よび比較例3では開先面積が撹拌ピンの横断面積の15
%以上になるため接合部32内にトンネル状空洞欠陥と
凹みが発生したが、本発明3に示すように開先31の断
面積S1 が6mm2 では問題なく接合できた。このこと
から開先31の縦断面積S1 は撹拌ピンの横断面積の1
5%以下が望ましいと判断される。また、開先31の幅
Eが8mmの場合(比較例4)、ピン径と一致するの
で、開先31に充填されるメタルの量が不足し開先31
が凹みとして残る。したがって、開先31の幅Eはピン
径以下で、好ましくは75%以下にする必要がある。
【0055】開先31の深さD1 が0.1mmの場合
(比較例5)、アルマイト処理した後に接合部32の裏
面側にすじが発生した。これはピン先端が接合部32の
裏面より0.2mmの位置{6mm−(5.4+0.4
mm)}(3°傾斜分)にあり、開先31内に突出して
おらず、開先面46を撹拌しないためである。したがっ
て、開先31内に撹拌ピン36Bの先端部を突出させる
ことが必要である。
【0056】
【実施例2】摩擦撹拌接合条件が色調差に及ぼす影響に
ついて調査した結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】この表2から明らかなように、摩擦撹拌接
合ツール36の回転数Rと接合速度Wの比率が4〜11
の範囲内にある本発明1〜4においては、母材部と接合
部の色調に差が殆ど生じなかった。一方、前記比率が4
以下または11以上となる比較例1〜3においては、母
材部と接合部の色調が大きく異なるため不良品と判定さ
れた。
【0059】図8は本発明の他の実施の形態を示す摩擦
撹拌接合の断面図である。この実施の形態は1つの被接
合材を円筒形に丸めてその両端を突き合わせ接合する代
わりに、平板状に形成されたアルミニウム合金からなる
2つの被接合材50,51の一端を互いに突き合わせて
接合部52とし、この接合部52を摩擦撹拌接合ツール
36によって摩擦撹拌接合するようにしたものである。
摩擦撹拌接合の条件は、被接合材が2つである点を除い
て上記した実施の形態と全く同一である。また、その摩
擦撹拌後のアルマイト処理工程等の工程についても全く
同様である。
【0060】各被接合材50,51の裏面で接合側端縁
には、開先用切欠き53a,53bがそれぞれ形成され
ており、被接合材50,51の接合側端面を突き合わせ
ることにより、開先用切欠き53a,53bも突き合わ
されて1つの開先53を形成する。この場合、予め開先
用切欠き53a,53bを形成する代わりに、2つの被
接合材50,51の接合端を互いに突き合わせた後、接
合部52の裏面側にその接合面54に沿って開先53を
切削加工によって形成してもよい。
【0061】このように、2つの被接合材50,51を
摩擦撹拌接合する場合は、上記したホイールリムに限ら
ず種々の形状の構造体に適用することが可能であり、例
えば自動車のピラー(車体の柱)、フロントクロスメン
バー、リアクロスメンバー、サスペンションフレーム等
の車体構造体、一般の建築土木用構造体等にも適用する
ことが可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るアルミ
ニウム系構造体およびその製造方法によれば、貫通摩擦
撹拌接合を行うことなく接合が可能で、接合部の接合強
度を向上させることができ、またアルマイト処理しても
接合部裏面側にすじが発生せず、外観品質、光輝性に優
れた構造体を提供することができる。
【0063】また、本発明においては、摩擦撹拌接合後
に焼鈍処理するかまたは摩擦撹拌接合条件を最適化して
摩擦撹拌接合するようにしているので、接合部の結晶粒
を再結晶化させることができ、母材部と接合部との色調
を略一致させることができ、特に板状のバーを円筒形状
に折り曲げて摩擦撹拌接合される車両用ホイールリムに
適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るアルミニウム系構造体を車両用
ホイールリムに適用した一実施の形態を示す外観斜視図
である。
【図2】 同ホイールリムの断面図である。
【図3】 (a)〜(c)はFSWの手順を説明するた
めの図である。
【図4】 同ホイールリムのFSWを行っている状態を
示す断面図である。
【図5】 図4のV−V線断面図である。
【図6】 撹拌ピンの撹拌部を示す図である。
【図7】 アルマイト処理工程のフローチャートであ
る。
【図8】 本発明の他の実施の形態を示すFSWの断面
図である。
【図9】 従来のFSWを説明するための図である。
【符号の説明】
20…ホイールリム、20A…リム本体、22…ホイー
ル、30…バー(被接合材)、31…開先、31a,3
1b…開先用切欠き、32…接合部、35…開先面、3
6…摩擦撹拌接合ツール、36A…ツール本体、36B
…撹拌ピン、34…裏当て、40,41…撹拌部、5
0,51…被接合材、52…接合部、53…開先。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧田 慎也 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1−34−1 日本 軽金属株式会社グループ技術センター内 Fターム(参考) 4E067 AA05 BG00 DA13 DA17 DC07 DD00 DD01 DD02 EA07 EB00 EC01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状に形成された被接合材の裏面の折り
    曲げ方向両端縁に開先用切欠きを形成し、前記被接合材
    を表面側を外側にして円筒形状に折り曲げて折り曲げ方
    向両端を互いに突き合わせることにより裏面側に前記開
    先用切欠きによる開先が形成された接合部とし、この接
    合部の接合面に表面側から摩擦撹拌接合ツールを挿入し
    て先端が前記開先内に位置する状態で前記接合部を摩擦
    撹拌接合することによって形成されたアルミニウム系の
    構造体であって、外表面がアルマイト処理されているこ
    とを特徴とするアルミニウム系構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム系構造体に
    おいて、 アルミニウム系構造体が車両用ホイールリムであること
    を特徴とするアルミニウム系構造体。
  3. 【請求項3】 2つの被接合材の互いに突き合わせ接合
    される接合部の裏面側に開先を形成し、前記接合部の接
    合面に表面側から摩擦撹拌接合ツールを挿入して先端が
    前記開先内に位置する状態で前記接合部を摩擦撹拌接合
    することによって形成されたアルミニウム系の構造体で
    あって、外表面がアルマイト処理されていることを特徴
    とするアルミニウム系構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載のアルミニウ
    ム系構造体において、 摩擦撹拌接合された接合部の少なくとも裏面が研磨また
    は機械加工によって平滑面に形成されていることを特徴
    とするアルミニウム系構造体。
  5. 【請求項5】 板状に形成された被接合材の裏面の折り
    曲げ方向両端縁に開先用切欠きを形成する工程と、 前記被接合材を表面が外側となるように円筒形状に折り
    曲げて折り曲げ方向両端を互いに突き合わせて接合部と
    し、この接合部の裏面側に前記開先用切欠きどうしの突
    き合わせによる開先を形成する工程と、 前記被接合材の前記接合部裏面に裏当てを配置する工程
    と、 前記被接合材の前記接合部の接合面に表面側から摩擦撹
    拌接合ツールを挿入して先端が前記開先内に位置する状
    態で前記接合部を摩擦撹拌接合する工程と、 摩擦撹拌接合された前記被接合材の外表面をアルマイト
    処理する工程と、 を備えたことを特徴とするアルミニウム系構造体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 2つの被接合材の互いに突き合わせ接合
    される接合部の裏面側に接合面に沿って開先を形成する
    とともに裏当てを配置する工程と、 前記被接合材の接合部の接合面に表面側から摩擦撹拌接
    合ツールを挿入して先端が前記開先内に位置する状態で
    前記接合部を摩擦撹拌接合する工程と、 摩擦撹拌接合された前記被接合材の外表面をアルマイト
    処理する工程と、 を備えたことを特徴とするアルミニウム系構造体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載のアルミニウム系
    構造体の製造方法において、 摩擦撹拌接合ツールが円柱状のツール本体と、このツー
    ル本体の底面中央に一体に突設され被接合材の接合部内
    に前記ツール本体の一部とともに押し込まれる撹拌ピン
    とからなり、前記ツール本体の底面が前記接合部の表面
    を押圧するツールショルダーを構成し、 前記ツール本体の軸線を通り摩擦撹拌接合ツールの移動
    方向と直交する縦断面積のうち、接合部に押し込まれる
    部分の縦断面積を前記被接合材の開先の長手方向と直交
    する面内の縦断面積と略等しいかこれより大きくしたこ
    とを特徴とするアルミニウム系構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5または6記載のアルミニウム系
    構造体の製造方法において、 摩擦撹拌接合ツールが円柱状のツール本体と、このツー
    ル本体の底面中央に一体に突設され被接合材の接合部に
    前記ツール本体の一部とともに押し込まれる撹拌ピンと
    からなり、前記ツール本体の底面が前記接合部の表面を
    押圧するツールショルダーを構成し、 開先の幅を撹拌ピンの直径の75%以下とし、開先の長
    手方向と直交する面内の縦断面積が前記撹拌ピンの軸線
    と直交する横断面積の15%以下としたことを特徴とす
    るアルミニウム系構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載のアルミニウム系
    構造体の製造方法において、 撹拌ピンの先端面または外周に撹拌部が形成されている
    ことを特徴とするアルミニウム系構造体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5〜9のうちのいずれか1つに
    記載のアルミニウム系構造体の製造方法において、 摩擦撹拌接合後、アルマイト処理する工程の前工程とし
    て、被接合材を300〜375℃で1〜5時間焼鈍処理
    する工程を備えたことを特徴とするアルミニウム系構造
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項5〜9のうちのいずれか1つに
    記載のアルミニウム系構造体の製造方法において、 摩擦撹拌接合時の摩擦撹拌接合ツールの回転数と接合速
    度の比を4〜11としたことを特徴とするアルミニウム
    系構造体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項5〜11のうちのいずれか1つ
    に記載のアルミニウム系構造体の製造方法において、 アルマイト処理工程の前工程として、摩擦撹拌接合され
    た接合部の少なくとも裏面を研磨または機械加工によっ
    て平滑面にする工程を備えたことを特徴とするアルミニ
    ウム系構造体の製造方法。
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