JP2003225000A - 車両用電源装置 - Google Patents
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Abstract
タモードで回転電機を発電させるように制御装置により
インバータユニットを制御して、発電効率を高め、か
つ、低価格化を図る車両用電源装置を得る。 【解決手段】 回転電機20の電機子巻線21の各相の
コイルが6ターンに構成され、インバータ22が、直列
接続された一対のスイッチング素子8及びスイッチング
素子8に並列接続されたダイオード9を複数組有し、直
列接続されたスイッチング素子8の接続点を回転電機2
0に接続されている。制御装置24は、エンジン1の始
動時に、第1のバッテリ11の電力を回転電機20に供
給して該回転電機20を駆動させ、少なくともエンジン
の常用回転速度域で、回転電機20をオルタネータモー
ド発電させるようにインバータ22を制御する。
Description
されたベルト駆動式車両用回転電機およびベルト駆動式
車両用回転電機を制御するインバータユニットを備えた
車両用電源装置に関するものである。
機を用いた車両用電源装置を示す概念図、図9は従来の
回転電機の発電出力特性を示す図であり、縦軸は出力電
流(A)を、横軸は回転電機の回転速度(r/min)
を示している。図8において、回転電機2は、ベルト駆
動式回転電機であり、固定子(図示せず)の電機子巻線
3と、回転子(図示せず)の界磁巻線4とを備え、回転
子がエンジン1の回転軸とベルト(図示せず)により連
結されている。ここでは、電機子巻線3は、4ターンの
3相のコイルをΔ結線して構成されている。インバータ
ユニット5は、複数のスイッチング素子8と各スイッチ
ング素子8に並列に接続されたダイオード9とからなる
インバータモジュール6と、インバータモジュール6に
並列に接続されたコンデンサ7とを備えている。このコ
ンデンサ7は、インバータモジュール6を流れる電流を
平滑する役割を有する。
れたスイッチング素子8およびダイオード9の2組を直
列に接続したものを、並列に3つ配置し、それらの素子
8、9を一体にパッケージ封入して構成されている。そ
して、電機子巻線3の各Δ結線端部が、直列に接続され
たスイッチング素子8の中間点にそれぞれ接続されてい
る。インバータモジュール6は、スイッチング素子8の
スイッチング動作が制御装置10により制御される。そ
して、回転電機2は、電力が供給されて始動電動機とし
て動作し、エンジン1を始動させる。また、回転電機2
は、エンジン1の始動後、エンジン1により回転駆動さ
れて交流発電機として動作し、三相交流電圧を発生す
る。
第1のバッテリ11がインバータモジュール6に並列に
接続されている。この回転電機2は、第1のバッテリ1
1により、高電圧(36V)で運転される。また、車両
に搭載される電機負荷は一般的に12Vを定格としてい
るため、12V系の第2のバッテリ12が搭載されてい
る。そこで、電気負荷駆動用の第2のバッテリ12を充
電できるように、DC/DCコンバータ13がインバー
タモジュール6に並列に接続されている。つまり、回転
電機2によるエンジン1の始動時には、回転電機2の発
生トルクを大きくする、即ち電機子巻線3への通電電流
量を大きくする必要がある。そして、車両に搭載された
電気負荷を駆動するための第2のバッテリ12による運
転では、配線でのロスが大きくなってしまい、さらに配
線抵抗を小さくするために配線自体が大きくなってしま
う。そこで、バッテリ電圧を高電圧化して、送電ロスを
低減している。
用電源装置の動作について説明する。まず、制御装置1
0が、各スイッチング素子8をON/OFF制御し、第
1のバッテリ11の直流電力から三相交流電力を発生さ
せる。この三相交流電力が回転電機2の電機子巻線3に
供給され、回転子の界磁巻線4に回転磁界が与えられ、
回転子が回転駆動される。そして、回転子の回転力がプ
ーリおよびベルト(図示せず)を介してエンジン1に伝
達され、エンジン1が回転駆動、即ち始動される。そし
て、エンジン1が始動されると、エンジン1の回転力が
ベルトおよびプーリを介して回転電機2に伝達される。
これにより、回転子が回転駆動され、電機子巻線3に三
相交流電圧が誘起される。そこで、制御装置10が、各
スイッチング素子8をON/OFF制御し、電機子巻線
4に誘起された三相交流電圧を直流に整流する。そし
て、インバータユニット5により整流された直流電力に
より、第1のバッテリ11が充電される。また、インバ
ータユニット5により整流された直流電力が、DC/D
Cコンバータ13により12Vに変換されて第2のバッ
テリ12に供給される。
グ素子8をOFFとして、従来の回転電機2をオルタネ
ータモードで発電させる場合、回転電機2の起電力は回
転子の回転速度に依存する。つまり、回転電機2の回転
子の回転速度が低速となると、オルタネータモードでは
調整系電圧を超える発電量が得られなくなる。そこで、
回転子の回転速度が低速域にあるときには、回転電機2
をインバータモードで発電させることになる。一般的な
ベルト駆動式車両用回転電機では、トルク伝達プーリ比
が2.5程度であり、一般的なエンジンの常用回転数域
が1200〜3000r/minであることから、回転
電機2の常用回転速度域は3000〜7500r/mi
nとなる。この回転電機2の発電は、図9に示されるよ
うに、回転速度が7000r/min近傍でインバータ
モードからオルタネータモードに切り換えられている。
従って、回転電機2は、その常用回転速度域の大部分に
おいて、インバータモードで発電されていることにな
る。
装置10によりスイッチング素子8をスイッチングして
行うものであり、回転電機2の回転速度が速くなるほ
ど、スイッチング素子8をスイッチングする度合い、即
ちスイッチング周波数が高くなる。また、インバータモ
ードによる発電においてはスイッチング素子8に通電さ
れる電流は、オルタネータモードによる発電においてダ
イオード9に通電される電流に比べて、大電流となる。
そこで、インバータモードによる発電においては、大電
流がスイッチング素子8に連続して通電されることにな
る。そこで、スイッチング素子8における発熱量が大き
くなるので、インバータユニット5の放熱設計が大規模
なものとなり、インバータユニット5の冷却には冷却効
率のよい水冷構造が一般的に採用されていた。
両用回転電機を用いた車両用電源装置では、回転電機2
が、その常用回転速度域の大部分において、オルタネー
タモードに比べて発電損失が多いインバータモードで発
電されているので、インバータに大掛かりな冷却構造が
必要となるとともに、回転電機の発電効率が低下される
という課題があった。また、回転電機2の高速回転域ま
でスイッチング素子8を制御する必要があり、スイッチ
ング周波数が高くなるので、制御装置10の回路構成が
複雑となり、高価格化を招いてしまうという課題もあっ
た。
ために、回転電機の常用回転速度域においてオルタネー
タモードで回転電機を発電できるように回転電機の電機
子巻線のターン数を設定し、エンジンの始動時に、スイ
ッチング素子をON/OFF制御して回転電機を電動機
として動作させ、かつ、エンジン始動後、スイッチング
素子をOFFとしてオルタネータモードで回転電機を発
電させるように制御装置によりインバータユニットを制
御するようにして、回転電機による発電効率を高め、イ
ンバータの冷却構造を簡素化および小型化し、かつ、制
御装置の回路構成を簡素化して低価格化を図る車両用電
源装置を得ることを目的とする。
源装置は、バッテリと、エンジンに連結されており、該
エンジンの始動時、上記バッテリの電力により駆動され
て該エンジンを始動し、かつ、該エンジンの始動後、該
エンジンに駆動されて交流電力を発生する車両用回転電
機と、上記バッテリの正負端子間に直列接続された一対
のスイッチング素子および該スイッチング素子に並列接
続されたダイオードを複数組有し、直列接続されたスイ
ッチング素子の接続点を上記車両用回転電機に接続され
たインバータと、上記エンジンの始動時に、上記スイッ
チング素子をON/OFFさせて上記バッテリの電力を
上記車両用回転電機に供給して該車両用回転電機を駆動
させ、上記エンジンの常用回転速度域以下で、上記スイ
ッチング素子をOFFとして上記ダイオード群により上
記車両用回転電機で発生する交流電力を直流電力に整流
させて上記バッテリを充電するように上記インバータを
制御する制御装置とを備えたものである。
式とするものである。
グ素子およびダイオードがヒートシンク上に実装され、
上記スイッチング素子およびダイオードで発生する熱が
ヒートシンクを介して放熱されるようにしたものであ
る。
しているものである。
機に一体に取り付けられているものである。
グ素子で構成されたインバータ回路部と、上記ダイオー
ドで構成された整流回路部とに分割構成され、該整流回
路部が上記車両用回転電機に内蔵されているものであ
る。
電機の冷却媒体により冷却されるようになっているもの
である。
動を検知したときに、上記スイッチング素子をOFFす
るように上記インバータを制御するように構成されてい
るものである。
電圧をE、回転子の磁極数をp、1磁極当たりの電機子
巻線の直列導体数をwとしたときに、{E/(p2・
w)}<0.04を満足するように構成されているもの
である。
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係るベ
ルト駆動式車両用回転電機を適用した車両用電源装置を
示す概念図である。図2はこの発明の実施の形態1に係
る車両用電源装置における回転電機の発電出力特性を示
す図であり、図において、縦軸は出力電流(A)を、横
軸は回転電機の回転速度(r/min)を示している。
図1において、回転電機20はベルト駆動式車両用回転
電機であり、その電機子巻線21がそれぞれ5ターンの
各相のコイルをΔ結線して構成されている。また、イン
バータユニット22およびインバータモジュール23
は、インバータユニット5およびインバータモジュール
6と同様に構成されている。なお、他の構成は、図8に
示される従来の車両用電源装置と同様に構成されてい
る。
機の発電特性について説明する。図2から、電機子巻線
21の各相のコイルのターン数を5ターンと設定する回
転電機20では、インバータモード発電とオルタネータ
モード発電との切り換え回転速度が約2500r/mi
nであり、エンジン機関常用回転速度域ではオルタネー
タモード発電できることが分かる。つまり、少なくとも
エンジン機関の常用回転速度域の全域において、回転電
機20をオルタネータモードで発電できる車両用電源装
置を実現できる。
源装置の動作について説明する。まず、制御装置24
が、各スイッチング素子8をON/OFF制御し、第1
のバッテリ11の直流電力から三相交流電力を発生させ
る。この三相交流電力が回転電機20の電機子巻線21
に供給され、回転子の界磁巻線4に回転磁界が与えら
れ、回転子が回転駆動される。そして、回転子の回転力
がプーリおよびベルト(図示せず)を介してエンジン1
に伝達され、エンジン1が回転駆動、即ち始動される。
そして、エンジン1が始動されると、エンジン1の回転
力がベルトおよびプーリを介して回転電機20に伝達さ
れる。これにより、回転子が回転駆動され、電機子巻線
21に三相交流電圧が誘起される。制御装置24は、回
転電機20からの回転信号(f)に基づいて回転子の回
転速度をモニターしており、回転速度が2500r/m
in未満のときに、各スイッチング素子8をON/OF
F制御し、インバータモードにより回転電機20を発電
させる。そして、回転速度が2500r/minとなっ
たときに各スイッチング素子8をOFFとし、オルタネ
ータモードにより回転電機20を発電させる。これによ
り、インバータモジュール23は直列接続された2つの
ダイオード9の組が並列に3組接続された三相全波整流
回路となり、電機子巻線21に誘起された三相交流電圧
がインバータユニット22により直流に整流される。そ
して、インバータユニット22により整流された直流電
力により、第1のバッテリ11が充電される。また、イ
ンバータユニット5により整流された直流電力が、DC
/DCコンバータ13により12Vに変換されて第2の
バッテリ12に供給される。
電機子巻線21の各相のコイルのターン数を5ターンに
設定しているので、インバータモード発電とオルタネー
タモード発電との切り換え回転速度を2500r/mi
nに低減できる。従って、オルタネータモードに比べて
発電損失の多いインバータモードでの発電が2500r
/min未満の回転速度域となる。言い換えれば、少な
くともエンジン機関の常用回転速度域の全域において、
回転電機20をオルタネータモードで発電できるので、
回転電機20の発電効率が向上される。また、回転電機
20の高速回転域までスイッチング素子8をON/OF
F制御する必要がなく、インバータユニット22の制御
が簡易となる。その結果、制御装置24の回路構成が簡
易となり、低価格化を図ることができる。
21の各相のコイルのターン数を従来の車両用電源装置
の電機子巻線2の各相のコイルのターン数に比べて多く
しているので、同一トルクを発生させるために必要な電
機子巻線への通電量を小さくすることができる。そこ
で、この実施の形態1によれば、従来の車両用電源装置
に比べて、スイッチング素子8の通電容量を小さく設定
することができるので、小さな電流容量のスイッチング
素子8を採用でき、インバータユニット22の容積およ
びコストを低減できるとともに、大掛かりなインバータ
ユニット22の放熱設計が不要となり、インバータユニ
ット22の小型化が図られる。
は、回転子の回転速度が速くなるにつれ、電機子巻線2
1に誘起される電圧が大きくなる。そして、電機子巻線
21に誘起された電圧を三相全波整流した直流電圧が第
1のバッテリ11の電圧を超えると、初めて回転電機2
0の発電を出力として取り出せることになる。そして、
オルタネータモード発電の出力電流がインバータ発電モ
ードの出力電流を越える回転子の回転速度がインバータ
モード発電とオルタネータモード発電との切り換え回転
速度となる。そして、電機子巻線21の各相のコイルの
ターン数を増やすことにより、電機子巻線21に誘起さ
れる電圧が大きくなる。従って、各相のコイルのターン
数を増やすことにより、インバータモード発電とオルタ
ネータモード発電との切り換え回転速度を低回転速度側
にシフトできることになる。
調整系電圧をE、回転子の磁極数をp、1磁極当たりの
電機子巻線の直列導体数をwとしたときに、{E/(p
2・w)}<0.04を満足するように回転電機を設計
することで、インバータモード発電とオルタネータモー
ド発電との切り換え回転速度をエンジン機関の常用回転
速度域以下にできることを見出してなされたものであ
る。なお、上記実施の形態1においては、電源が36V
系の第1のバッテリ11である関係上、調整系電圧は4
2vとなり、回転子の磁極数が16極であることから、
ターン数wを5以上に設定すれば、{E/(p2・w)}
<0.04を満足している。そして、ターン数wは調整
系電圧(E)および回転子の磁極数(p)によって変化
することは言うまでもないことである。
転電機20が、電機子巻線21の各相のコイルのターン
数を6ターンに設定している。なお、他の構成は上記実
施の形態1と同様に構成されている。
は、図3に示されるように、回転電機20が回転を開始
した時点でオルタネータモード発電できることが分か
る。そして、この実施の形態2では、制御装置24が回
転電機20からの回転信号(f)に基づいて回転子が回
転した時点でスイッチング素子8をOFFとしてオルタ
ネータモード発電を行わせるものとしている。
ード発電が行われない回路設計が可能となり、インバー
タユニット22の冷却構造が簡素化される。また、スイ
ッチング素子8のON/OFF制御は回転電機20を始
動電動機として動作させる場合のみであり、インバータ
ユニット22の制御が簡易となるので、制御装置24の
回路構成がさらに簡易となり、さらなる低価格化を図る
ことができる。
電流を要するスイッチング素子8のON/OFF制御は
回転電機20を始動電動機として動作させる場合のみで
あり、しかも制御時間も0.3秒〜1秒であるので、ス
イッチング素子8からの発熱は瞬時なものとなる。そこ
で、インバータユニット22の冷却に冷却効率のよい水
冷構造を必ずしも採用する必要はなく、この損失熱量を
十分に受け入れられる熱容量を持ったヒートシンクの設
計を行うことにより、インバータユニット22の冷却に
自然空冷方式を採用することが可能となる。そして、水
冷構造の採用は、煩雑な配管が必要となり、組み付け性
の悪化やコストアップをもたらすが、空冷方式を採用す
れば、組み付け性が向上され、低価格化が図られる。
転電機20を36V系の第1のバッテリ11で運転する
ものとしているが、この実施の形態3では、回転電機2
0を12V系の第2のバッテリ12で運転するものとし
ている。つまり、回転電機20は、電機子巻線21の各
相のコイルのターン数を6ターンとしているので、電機
子巻線21への通電量を小さくしても、エンジン1を始
動させるに十分なトルクを発生させることができる。そ
こで、送電ロスが小さくなり、12V系の第2のバッテ
リ12を用いて回転電機20を運転することができる。
この実施の形態2によれば、回転電機20を第2のバッ
テリ12で運転するようにしているので、DC/DCコ
ンバータ13が不要となり、インバータユニット22の
さらなる低価格化および小型化を実現できる。
ンバータユニット22を回転電機20と別体で構成し、
かつ、インバータユニット22を回転電機20と別置き
に設置するものとしているが、この実施の形態4では、
図4に示されるように、インバータユニット22を回転
電機20のリアブラケット44の端面(外壁面)に搭載
するものとしている。
用電源装置におけるインバータユニットの取付構造を説
明する縦断面図、図5はこの発明の実施の形態4に係る
車両用電源装置におけるインバータユニットの構造を説
明する図であり、図5の(a)は一部破断側面図、図5
の(b)はその平面図である。図4および図5におい
て、回転電機20は、シャフト41に固着されてフロン
トブラケット43およびリヤブラケット44に回転自在
に装着されたランデル型の回転子40と、フロントブラ
ケット43およびリヤブラケット44の側端部に挟持さ
れて回転子40を囲繞するように配設された固定子42
と、回転子40の軸方向の両端面に固着されたファン4
5と、シャフト41のフロント側の端部に固着されたプ
ーリ46と、シャフト41のリヤ側外周に位置するよう
にリヤブラケット44の内壁面に配設されたブラシホル
ダ47と、シャフト41のリヤ側に装着された一対のス
リップリング49に摺接するようにブラシホルダ47内
に配設された一対のブラシ48とを備えている。そし
て、この回転電機20は、プーリ46およびベルト(図
示せず)を介してエンジン1に連結されている。また、
吸気孔43a、44aがフロントブラケット43および
リヤブラケット44の端面に穿設され、排気孔43b、
44bがフロントブラケット43およびリヤブラケット
44の側面に穿設されている。
イッチング素子8からの発熱に起因する損失熱量を十分
に受け入れられる熱容量を持つように放熱設計されたヒ
ートシンク30と、絶縁性樹脂によりヒートシンク30
の外周部に一体に成形された樹脂成形部31と、スイッ
チング素子8をON/OFF制御するための電子部品が
実装された制御回路基板32と、電源端子33、34と
を備えている。
の良熱伝導体でC状に作製され、フィン30aがその内
周面に周方向に複数形成され、3つの平坦面30bがそ
の外周面に形成されている。そして、並列に接続される
スイッチング素子8およびダイオード9の2組が、各平
坦面30bにそれぞれ固着されている。樹脂成形部31
には、スイッチング素子8およびダイオード9の素子群
と、制御回路基板32とを収納する収納空間31aが形
成されている。そして、ヒートシンク30の各平坦面3
0bが収納空間31a内に露呈している。さらに、図示
していないが、インサート導体が樹脂成形部31にイン
サート成形されており、インサート導体の一部が接続端
子として所定位置に露呈している。なお、電源端子3
3、34が樹脂成形部31に取り付けられ、インバータ
ユニットの正極および負極を構成する接続端子にそれぞ
れ電気的に接続されている。
ード9が各平坦面30bに固着され、制御回路基板32
の各端子がスイッチング素子8およびダイオード9の各
端子に電気的に接続されて収納空間31a内に取り付け
られる。さらに、制御回路基板32とインサート導体の
接続端子とを結線した後、蓋35により収納空間31a
を密閉して、インバータユニット22Aが組み立てられ
る。
ット22Aが、フィン30aの長さ方向(図5の(b)
中紙面と直交する方向)をシャフト41の軸心方向に一
致するように、かつ、シャフト41を取り囲むように配
置され、取付金具(図示せず)によりリヤブラケット4
4の端面(外壁面)に取り付けられている。そして、電
機子巻線21のΔ結線端部が直列接続されたスイッチン
グ素子8の中間点に接続されているインサート導体の接
続端子に結線される。さらに、電源端子33、34が第
1のバッテリ11に接続される。これにより、図1に示
される回路と等価の電源回路が構成される。
回転駆動されると、ファン45が駆動される。これによ
り、図4中矢印に示されるように、冷却風が吸気孔43
a、44aからフロントおよびリヤブラケット43、4
4内に導入され、ファン45により遠心方向に曲げられ
て排気孔43b、44bから排出される冷却風の流れが
形成される。そして、この冷却風により、電機子巻線2
1が冷却される。この時、冷却風が、ヒートシンク30
のフィン30aに沿って流れ、スイッチング素子8およ
びダイオード9で発生した熱がフィン30aを介して冷
却風に放熱される。そして、回転電機20のオルタネー
タモードで発電された電力は、インバータユニット22
Aで直流に整流された後、電源端子33、34を介して
バッテリに供給される。
/(p2・w)}<0.04を満足するように回転電機
を設計し、上記実施の形態2と同様に、エンジン1の始
動時に、スイッチング素子8をONN/OFF制御して
回転電機20を始動電動機として動作させ、またエンジ
ン1の始動後スイッチング素子8をOFFとして、エン
ジン機関の常用回転速度域のみならずエンジン機関の全
回転速度域で回転電機20をオルタネータモードで発電
するようにしている。
ト22が回転電機20と別体で構成され、かつ、回転電
機20と別置きで設置されているので、接続されるハー
ネス類が長くなり、重量増加や耐外乱ノイズ性の悪化の
問題があった。しかしながら、この実施の形態4によれ
ば、インバータユニット22Aがリヤブラケット44に
一体に取り付けられているので、接続されるハーネス類
を短くでき、ハーネスの重量低減や耐外乱ノイズ性の向
上が図られる。また、ヒートシンク30がスイッチング
素子8からの発熱に起因する損失熱量を十分に受け入れ
られる熱容量を持つように放熱設計されているので、ヒ
ートシンク30の小型化、即ちインバータユニット22
Aの小型化が図られ、インバータユニット22Aのリヤ
ブラケット44への搭載性が向上される。
体が回転電機20の冷却媒体(冷却風)と共用している
ので、冷却構造が簡素化される。また、インバータユニ
ット22Aのヒートシンク30にフィン30aを設け、
ファン45の駆動によって形成される冷却風がフィン3
0aに沿って流れることで、スイッチング素子8および
ダイオード9で発生する熱がヒートシンク30に伝達さ
れた後、フィン30aを介して冷却風に放熱される。従
って、自然冷却構造に比べて、冷却効率が高く、ヒート
シンク30の小型化がさらに促進される。
態5に係るベルト駆動式車両用回転電機を適用した車両
用電源装置を示す概念図、図7はこの発明の実施の形態
5に係る車両用電源装置におけるインバータユニットの
取付構造を説明する縦断面図である。
8とダイオード9とが併設されてインバータユニット2
2Aを構成するものとしているが、この実施の形態5で
は、図6に示されるように、スイッチング素子8からな
るインバータ回路部(インバータユニット22B)と、
ダイオード9からなる三相全波整流回路部(整流器5
1)とが別体に構成されているものとしている。また、
回転電機20を12V系の第2のバッテリ12で運転す
るようにしている。
ク30Aと、絶縁性樹脂によりヒートシンク30Aの外
周部に一体に成形された樹脂成形部31Aと、スイッチ
ング素子8をON/OFF制御するための電子部品が実
装された制御回路基板32Aと、電源端子33、34と
を備えている。
等の良熱伝導体でC状に作製され、3つの平坦面30b
がその外周面に形成されている。そして、並列に接続さ
れる2つのスイッチング素子8が、各平坦面30bにそ
れぞれ固着されている。樹脂成形部31Aには、スイッ
チング素子8と、制御回路基板32Aとを収納する収納
空間31aが形成されている。そして、ヒートシンク3
0Aの各平坦面30bが収納空間31a内に露呈してい
る。さらに、図示していないが、インサート導体が樹脂
成形部31Aにインサート成形されており、インサート
導体の一部が接続端子として所定位置に露呈している。
なお、電源端子33、34が樹脂成形部31Aに取り付
けられ、インバータユニットの正極および負極を構成す
る接続端子にそれぞれ電気的に接続されている。
0bに固着され、制御回路基板32Aの各端子がスイッ
チング素子8の各端子に電気的に接続されて収納空間3
1a内に取り付けられる。さらに、制御回路基板32A
とインサート導体の接続端子とを結線した後、蓋35に
より収納空間31aを密閉して、インバータユニット2
2Bが組み立てられる。
し、複数のフィン52bが他面に直立に形成された円弧
状の第1のヒートシンク52と、一面を素子実装面53
aとし、複数のフィン53bが他面に直立に形成され、
第1のヒートシンク52より大径の円弧状に形成され、
第1のヒートシンク52の外周に素子実装面52a、5
3aを同一面位置となるように配設される第2のヒート
シンク53と、絶縁性樹脂により円弧状に成形され、第
1および第2のヒートシンク52、53の素子実装面5
2a、53a上に配設されるサーキットボード54とを
備えている。
は、銅、アルミニウム等の良熱伝導体で作製され、ダイ
オード9が各素子実装面52a、53aのそれぞれに3
つづつ実装されている。サーキットボード54には、図
示していないが、インサート導体がインサート成形され
ており、インサート導体の一部が接続端子として所定位
置に露呈している。そして、第2のヒートシンク53が
第1のヒートシンク52の外周に素子実装面52a、5
3aを同一面位置となるように配設され、サーキットボ
ード54が第1および第2のヒートシンク52、53の
素子実装面52a、53a上に配設され、ダイオード9
の各端子がサーキットボード54の接続端子に結線され
て、整流器51が組み立てられる。
タ回路部を構成するスイッチング素子8を組み込んだイ
ンバータユニット22Bが回転電機20のリヤブラケッ
ト44の端面(外壁面)に取り付けられ、整流器51が
リヤブラケット44の内壁面に取り付けられる。そし
て、直列に接続されたスイッチング素子8の中間点およ
び直列に接続されたダイオード9の中間点が、電機子巻
線21のΔ結線端部に電気的に接続される。さらに、電
源端子33、34が第2のバッテリ12に接続される。
これにより、図6に示される電源回路が構成される。
回転駆動されると、ファン45が駆動される。これによ
り、上記実施の形態4と同様に、冷却風が吸気孔43
a、44aからフロントおよびリヤブラケット43、4
4内に導入され、ファン45により遠心方向に曲げられ
て排気孔43b、44bから排出される冷却風の流れが
形成される。そして、この冷却風により、電機子巻線2
1が冷却される。この時、冷却風が、ヒートシンク30
Aの内周面に沿って流れ、スイッチング素子8で発生し
た熱が冷却風に放熱される。また、冷却風が第1および
第2のヒートシンク52、53のフィン52b、53b
に沿って流れ、ダイオード9で発生した熱がフィン52
b、53bを介して冷却風に放熱される。そして、回転
電機20のオルタネータモードで発電された電力は、整
流器51で直流に整流された後、電源端子33、34を
介して第2のバッテリ12に供給される。
/(p2・w)}<0.04を満足するように回転電機
を設計し、上記実施の形態2と同様に、エンジン1の始
動時に、スイッチング素子8をONN/OFF制御して
回転電機20を始動電動機として動作させ、またエンジ
ン1の始動後スイッチング素子8をOFFとして、エン
ジン機関の常用回転速度域のみならずエンジン機関の全
回転速度域で回転電機20をオルタネータモードで発電
するようにしている。
ニット22Bがスイッチング素子8で構成されたインバ
ータ回路部のみを有しているので、インバータユニット
22Bはエンジン1の始動時にのみ駆動される。従っ
て、インバータユニット22Bでの常時の損失発熱がな
くなり、インバータユニット22Bの放熱設計が容易と
なる。つまり、インバータユニット22Bのヒートシン
クはエンジン1の始動時の通電による発熱を冷却できる
に十分な熱容量があるように設計すれば、放熱フィンを
省略することが可能となる。これにより、インバータユ
ニット22Bの小型化が促進され、搭載性が格段に向上
する。
ユニット22Bがリヤブラケット44に一体に取り付け
られているので、接続されるハーネス類を短くでき、ハ
ーネスの重量低減や耐外乱ノイズ性の向上が図られる。
また、インバータユニット22Bの冷却媒体が回転電機
20の冷却媒体(冷却風)と共用しているので、冷却構
造が簡素化される。また、12V系の第2のバッテリ1
2で回転電機20を運転するようにしているので、DC
/DCコンバータ23が不要となり、小型化および低価
格化が図られる。
21が3相分のコイルをΔ結線して構成されているもの
としているが、この発明は、電機子巻線21に代えて、
3相分のコイルをY結線して構成された電機子巻線を採
用しても、同様の効果が得られる。また、上記各実施の
形態では、電機子巻線21が3相分のコイルを交流結線
(例えばΔ結線)して構成されているものとしている
が、電機子巻線を構成する相数が3相に限定されるもの
ではなく、例えば4相、5相でもよい。また、上記各実
施の形態では、インバータユニットが水および空気を冷
却媒体とする冷却方式により冷却されるものとして説明
しているが、油を冷却媒体とする冷却方式を採用しても
よい。また、この発明による車両用電源装置は、ディー
ゼル自動車、エンジン自動車、ハイブリッド自動車の電
源装置として適用できる。
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
に連結されており、該エンジンの始動時、上記バッテリ
の電力により駆動されて該エンジンを始動し、かつ、該
エンジンの始動後、該エンジンに駆動されて交流電力を
発生する車両用回転電機と、上記バッテリの正負端子間
に直列接続された一対のスイッチング素子および該スイ
ッチング素子に並列接続されたダイオードを複数組有
し、直列接続されたスイッチング素子の接続点を上記車
両用回転電機に接続されたインバータと、上記エンジン
の始動時に、上記スイッチング素子をON/OFFさせ
て上記バッテリの電力を上記車両用回転電機に供給して
該車両用回転電機を駆動させ、上記エンジンの常用回転
速度域以下で、上記スイッチング素子をOFFとして上
記ダイオード群により上記車両用回転電機で発生する交
流電力を直流電力に整流させて上記バッテリを充電する
ように上記インバータを制御する制御装置とを備えてい
るので、回転電機による発電効率を高め、インバータの
冷却構造を簡素化および小型化でき、かつ、制御装置の
回路構成を簡素化して低価格化が図られる車両用電源装
置を実現できる。
式としているので、冷却構造が簡素化される。
グ素子およびダイオードがヒートシンク上に実装され、
上記スイッチング素子およびダイオードで発生する熱が
ヒートシンクを介して放熱されるようにしているので、
冷却媒体として空気を用いても、効率よくインバータを
冷却することができる。
しているので、冷却効率がさらに向上される。
機に一体に取り付けられているので、ハーネス重量を低
減できるとともに、耐外乱ノイズ性を高めることができ
る。
グ素子で構成されたインバータ回路部と、上記ダイオー
ドで構成された整流回路部とに分割構成され、該整流回
路部が上記車両用回転電機に内蔵されているので、イン
バータ回路部の小型化が図られ、インバータ回路部の搭
載性が向上される。
電機の冷却媒体により冷却されるようになっているの
で、冷却構造が一元化され、小型化、低価格化が図られ
る。
動を検知したときに、上記スイッチング素子をOFFす
るように上記インバータを制御するように構成されてい
るので、インバータモード発電が省略され、インバータ
の冷却設計が容易となる。
電圧をE、回転子の磁極数をp、1磁極当たりの電機子
巻線の直列導体数をwとしたときに、{E/(p2・
w)}<0.04を満足するように構成されているの
で、インバータモード発電とオルタネータモード発電と
の切り換え回転速度をエンジン機関の常用回転速度域以
下にできる。
車両用回転電機を適用した車両用電源装置を示す概念図
である。
置における回転電機の発電出力特性を示す図である。
置における回転電機の発電出力特性を示す図である。
置におけるインバータユニットの取付構造を説明する縦
断面図である。
置におけるインバータユニットの構造を説明する図であ
る。
車両用回転電機を適用した車両用電源装置を示す概念図
である。
置におけるインバータユニットの取付構造を説明する縦
断面図である。
る。
ド、11 第1のバッテリ、12 第2のバッテリ、2
0 回転電機、21 電機子巻線、22、22Aインバ
ータユニット(インバータ)、22B インバータユニ
ット(インバータ回路部)、24 制御装置、30 ヒ
ートシンク、30a フィン、51 整流器(整流回路
部)。
Claims (9)
- 【請求項1】 バッテリと、 エンジンに連結されており、該エンジンの始動時、上記
バッテリの電力により駆動されて該エンジンを始動し、
かつ、該エンジンの始動後、該エンジンに駆動されて交
流電力を発生する車両用回転電機と、 上記バッテリの正負端子間に直列接続された一対のスイ
ッチング素子および該スイッチング素子に並列接続され
たダイオードを複数組有し、直列接続されたスイッチン
グ素子の接続点を上記車両用回転電機に接続されたイン
バータと、 上記エンジンの始動時に、上記スイッチング素子をON
/OFFさせて上記バッテリの電力を上記車両用回転電
機に供給して該車両用回転電機を駆動させ、上記エンジ
ンの常用回転速度域以下で、上記スイッチング素子をO
FFとして上記ダイオード群により上記車両用回転電機
で発生する交流電力を直流電力に整流させて上記バッテ
リを充電するように上記インバータを制御する制御装置
とを備えたことを特徴とする車両用電源装置。 - 【請求項2】 上記インバータの冷却方式が空冷方式で
あることを特徴とする請求項1記載の車両用電源装置。 - 【請求項3】 上記インバータは、上記スイッチング素
子およびダイオードがヒートシンク上に実装され、上記
スイッチング素子およびダイオードで発生する熱がヒー
トシンクを介して放熱されるようにしたことを特徴とす
る請求項2記載の車両用電源装置。 - 【請求項4】 上記ヒートシンクが放熱フィンを有して
いることを特徴とする請求項3記載の車両用電源装置。 - 【請求項5】 上記インバータが上記車両用回転電機に
一体に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃
至請求項4のいずれかに記載の車両用電源装置。 - 【請求項6】 上記インバータが、上記スイッチング素
子で構成されたインバータ回路部と、上記ダイオードで
構成された整流回路部とに分割構成され、該整流回路部
が上記車両用回転電機に内蔵されていることを特徴とす
る請求項5記載の車両用電源装置。 - 【請求項7】 上記インバータが、上記車両用回転電機
の冷却媒体により冷却されるようになっていることを特
徴とする請求項5又は請求項6記載の車両用電源装置。 - 【請求項8】 上記制御装置は、上記エンジンの始動を
検知したときに、上記スイッチング素子をOFFするよ
うに上記インバータを制御するように構成されているこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
の車両用電源装置。 - 【請求項9】 上記車両用回転電機は、発電時の調整系
電圧をE、回転子の磁極数をp、1磁極当たりの電機子
巻線の直列導体数をwとしたときに、{E/(p2・
w)}<0.04を満足するように構成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の
車両用電源装置。
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