JP2003209469A - 発振器、位相同期回路、同調装置 - Google Patents

発振器、位相同期回路、同調装置

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JP2003209469A JP2001360325A JP2001360325A JP2003209469A JP 2003209469 A JP2003209469 A JP 2003209469A JP 2001360325 A JP2001360325 A JP 2001360325A JP 2001360325 A JP2001360325 A JP 2001360325A JP 2003209469 A JP2003209469 A JP 2003209469A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相同期回路を利用したテレビジョンシステ
ムにおいて、VCOを、広周波数帯域に亘って低位相ノ
イズにすることができるようにする。 【解決手段】 チューナIC70は、受信波f5とVCO20の
発振信号f3とをミキサ部72により混合して得た信号V3を
デジタル信号復調IC82に入力する。デジタル信号復調IC
82は、映像や音声をデジタル信号処理により復調すると
ともに、デジタル信号処理時のビットエラーレートBER
を検出しCPU84に入力する。CPU84は、BER が所定
レベルとなるような電流制御信号に対応するデータVDを
生成しデータ変換器76に入力する。データ変換器76は、
データVDをアナログの電流制御信号に変換してVCO20
の電流制御端子25に入力する。可変電流源29a は、電流
制御信号に基づいて発振回路26の動作電流を切替制御す
る。発振回路26の動作電流が切替制御されることで、発
振回路26の位相ノイズが所定レベルに維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発振器、並びにこ
れを用いた位相同期(PLL:Phase Locked Loop) 回
路、あるいはテレビジョン装置や携帯電話などの受信用
や送信用の装置などに利用される、位相同期回路を用い
たPLL周波数シンセサイザやチューナなどの同調装置
に関する。特に、位相ノイズ特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば各種の通信装置(送信機や受信
機)などでは、送信信号や受信信号の周波数変換などの
ために周波数シンセサイザやチューナなどの同調装置
(同調回路)が用いられる。そして、これらにはたとえ
ば局部発振回路などを構成するために電圧制御発振器が
使用される。また、この電圧制御発振器を利用した位相
同期回路が組み込まれることもある。
【0003】図6(A)は、位相同期回路の基本構成を
示したブロック図である。この位相同期回路1は、PL
L集積回路(PLLIC)10と、周波数制御入力端子
22および出力端子24を有するVCO(Voltage Cont
roled oscillator;電圧制御発振器)20と、ループフ
ィルタ回路30とを備える。PLLIC10は、基準周
波数の電圧信号f1を発生する基準発振器12、プログ
ラマブルカウンタなどの可変分周器14,16、および
位相比較器18を有し、これらがワンチップに集積回路
化されたものである。
【0004】VCO20は、周波数制御入力端子22に
入力された制御信号に対応した周波数の電圧信号f3を
発生し、出力端子24から出力する。可変分周器14
は、基準発振器12から出力された電圧信号f1を1/
Aに分周し、その分周出力信号f2を位相比較器18の
一方の端子18aに入力する。可変分周器16は、VC
O20から出力された電圧信号f3を1/Nに分周し、
その分周出力信号f4を位相比較器18の他方の端子1
8bに入力する。可変分周器14,16の分周比1/
A,1/Nは、たとえば図示しないマイクロコンピュー
タなどにより指示される。位相比較器18は、2つの電
圧信号f3,f4との位相を比較し、比較結果である位
相差を示す誤差信号をループフィルタ回路30に入力す
る。ループフィルタ回路30は、2つの電圧信号f3,
f4の位相比較結果(誤差信号)を平滑化し、この平滑
化した信号を周波数制御信号としてVCO20の周波数
制御入力端子22に印加する。
【0005】この位相同期回路1では、VCO20から
の出力電圧信号f3が、PLLIC10内の可変分周器
16によって分周比1/Nで分周され、PLLIC10
内の位相比較器18によって、可変分周器16の出力信
号f4と基準発振器12の出力信号f1を1/Aに分周
した信号f2とが位相比較され、位相比較器18の出力
電圧V0が、ループフィルタ回路30を通じ周波数制御
信号V1に変換されVCO20に供給されて、VCO2
0の発振周波数が制御される。
【0006】図6(B)は、位相同期回路1におけるV
CO20の従来例を示した回路図である。図示したVC
O20は、発振回路(共振回路)26と、NPN型トラ
ンジスタQ21〜Q24を有する周波数制御回路27
と、NPN型トランジスタQ25,Q26、抵抗素子R
21、R22、および基準電圧源VT21を有する電流
源部28とを備える。
【0007】周波数制御回路27を構成するトランジス
タQ21,Q22とトランジスタQ23,Q24は、そ
れぞれカスケード接続されている。トランジスタQ2
1,Q23は、ベースコモンとされかつそれぞれのコレ
クタ端子が接続され、そのベース端子およびコレクタ端
子は、VCO20内の所定部分に接続されている。トラ
ンジスタQ22,Q24は、それぞれのエミッタ端子が
発振回路26の対応する入力端子a,bに接続され、そ
れぞれのベース端子が発振回路26の対応する入力端子
c,dに接続されかつ両端間に周波数制御信号が印加さ
れている。つまり本例では、トランジスタQ22,Q2
4のベース端子が周波数制御入力端子として機能してい
る。たとえばトランジスタQ22,Q24のベース端子
の一方に基準電位が印加され、他方の端子にループフィ
ルタ回路30からの周波数制御信号V1(電圧信号)が
印加される。
【0008】電流源部28を構成するトランジスタQ2
5,Q26は、ベースコモンとされそのベース端子には
基準電圧源VT21が接続されている。またそれぞれの
エミッタ端子と接地との間には電流設定用の抵抗素子R
21,R22が接続され、それぞれのコレクタ端子は、
周波数制御回路27を構成するトランジスタQ22,Q
24の対応するエミッタ端子と接続されている。
【0009】トランジスタQ25および抵抗素子R2
1、トランジスタQ26および抵抗素子R22はそれぞ
れ電流設定回路(定電流源)を構成し、トランジスタQ
25,Q26の各コレクタ電流I25,I26は、基準
電圧源VT21の出力電圧値と抵抗素子R21,R22
とで決まり、略一定である。また、トランジスタQ22
のエミッタ電流と発振回路26の端子aからの電流との
和電流I01はトランジスタQ25のコレクタ電流I2
5と等しく、またトランジスタQ24のエミッタ電流と
発振回路26の端子bからの電流との和電流I02はト
ランジスタQ26のコレクタ電流I26と等しく、各和
電流I01,I02は一定である。つまり発振回路26
は、基準電圧源VT21と抵抗素子R21,R22とで
決まる一定電流で駆動される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような構成のVC
O20は、トランジスタQ22,Q24のベース端子間
に印加される制御信号に対応した周波数の電圧信号を発
生する。つまり、周波数制御信号の大きさを制御するこ
とで、広帯域に亘ってその発振周波数を制御することが
できる。しかしながら、上記構成のVCO20では、広
帯域に亘ってその発振周波数を制御することができるも
のの、ある発振周波数では低位相ノイズでも、広帯域に
亘って低位相ノイズにすることができなかった。
【0011】位相ノイズの増大は、位相同期回路を用い
たPLL周波数シンセサイザやチューナなどの同調装
置、あるいはこの同調装置を用いたテレビジョン装置や
携帯電話などの、受信用あるいは送信用の装置の性能を
低下させる要因となるなど、高性能な位相同期回路を構
成する上で不都合がある。たとえば位相ノイズは、位相
同期回路の用途として考えられるデジタルTVの特性の
中で最も重要な特性であるため、位相ノイズの劣化はあ
ってはならないものである。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、位相ノイズの増大を招くことなく、広帯域に亘
ってその発振周波数を制御することができる発振器を提
供することを目的とする。また本発明は、広周波数帯域
に亘って位相ノイズの問題のない位相同期回路、あるい
は送信装置や受信装置などの利用される同調装置を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願の発明者らの調査に
よれば、電圧制御発振器を構成する発振回路に流れる駆
動電流(動作電流)を変更すると、位相ノイズが変動す
るということが分かった。本願発明はこのような知見に
基づいてなされたものである。すなわち、本発明に係る
発振器は、発振器の動作電流を発振周波数に応じて制御
可能な構成とした。具体的には、本発明に係る発振器
は、所定の周波数で発振する発振回路と、入力された周
波数制御信号に基づいて発振回路の発振周波数を制御す
る周波数制御回路と、入力された電流制御信号に基づい
て発振回路の動作電流を制御する動作電流制御回路とを
備えた。
【0014】また本発明に係る位相同期回路や同調装置
は、このような動作電流を発振周波数に応じて制御可能
な構成を有する発振器を備えた。またこの位相同期回路
や同調装置においては、動作電流を発振周波数に応じて
制御可能な構成とするために、たとえば、発振器から出
力される出力信号の周波数に基づいて電流制御信号を生
成し、この生成した電流制御信号を電流制御入力端子に
印加する電流制御部を備えるとよい。あるいは、発振器
から出力された出力信号の位相ノイズを検出し、この検
出した位相ノイズに基づいて電流制御信号を生成し、こ
の生成した電流制御信号を電流制御入力端子に印加する
位相ノイズ監視部を備えてもよい。
【0015】
【作用】上記構成の発振器においては、動作電流制御回
路が電流制御信号に基づいて発振回路の動作電流を制御
することで、各発振周波数における位相ノイズが調整可
能になる。この制御動作は、ユーザによるマニュアル設
定でもよい。あるいは、電流制御部を設けると、発振周
波数に応じた電流制御信号を自動算出することができ
る。さらには、位相ノイズ監視部を設けると、発振器出
力の位相ノイズを自動検知し、その結果に基づいてフィ
ードバック制御することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係る発振器の一実施形態
を示す回路図である。基本構成は、電流源部28を除い
て従来技術のものと同様であるので、同様の機能部分に
ついては図6に示したものと同様の参照番号を付与し、
その機能の説明は割愛する。図示したVCO20は、そ
の電流源部28に、発振回路26の動作電流を切り替え
るための構成要素を具備しており、図1(A)および図
1(B)とで、2つの切替え状態(AはスイッチSW1
がオフ、Bはオン)を示している。
【0018】具体的には、VCO20は、先ずトランジ
スタQ25および抵抗素子R21からなる電流設定回路
(定電流源)と併設して、トランジスタQ31よび抵抗
素子R31からなる電流設定回路を有する。同様に、ト
ランジスタQ26および抵抗素子R22からなる電流設
定回路と併設して、トランジスタQ32よび抵抗素子R
32からなる電流設定回路を有する。トランジスタQ3
1,Q32のベース端子は、トランジスタQ25,Q2
6のベース端子と同様に、基準電圧源VT21に接続さ
れている。またトランジスタQ31のコレクタ端子はト
ランジスタQ25のコレクタ端子と接続され、トランジ
スタQ32のコレクタ端子はトランジスタQ26のコレ
クタ端子と接続されている。
【0019】また各図の左側には、抵抗素子R33およ
び3つのトランジスタQ33,Q34,Q35を有する
カレントミラー構成の定電流源が設けられている。トラ
ンジスタQ33のベース端子と内部接続線eとの間には
スイッチSW1が設けられ、トランジスタQ33,Q3
5のコレクタ端子は内部接続線eと接続されている。ト
ランジスタQ35のエミッタ端子は、Q31,Q32の
エミッタ端子と共通に接続されている。つまり、抵抗素
子R33および3つのトランジスタQ33,Q34,Q
35並びにスイッチSW1により電流切替回路29が構
成されている。そして、この電流切替回路29を備えた
電流源部28は、本発明に係る動作電流制御回路を構成
する。SW1の制御端子CNTが、電流制御入力端子と
して機能する。
【0020】先ず図1(A)に示すように、スイッチS
W1がオフのときには、電流切替回路29はオフ(定電
流動作しない状態)となり、そのトランジスタQ35の
コレクタ電流I35は“0;ゼロ”となる。このため、
従来の電流源部28に併設したトランジスタQ31およ
び抵抗素子R31並びにトランジスタQ32および抵抗
素子R32の各電流設定回路はオンし、トランジスタQ
31にはコレクタ電流I31が、トランジスタQ32に
はコレクタ電流I32が、それぞれ流れる。このため、
周波数制御回路27を構成するトランジスタQ22のエ
ミッタ電流と発振回路26の端子aからの電流との和電
流I01はトランジスタQ25のコレクタ電流I25と
トランジスタQ31のコレクタ電流I31との和に等し
く(I01=I25+I31)、またトランジスタQ2
4のエミッタ電流と発振回路26の端子bからの電流と
の和電流I02はトランジスタQ26のコレクタ電流I
26とトランジスタQ31のコレクタ電流I31との和
に等しくなる(I02=I26+I32)。
【0021】一方、図1(B)に示すように、スイッチ
SW1がオンのときには、電流切替回路29はオン(定
電流動作する状態)となる。このときのトランジスタQ
35のコレクタ電流I35を、I0の2倍(I0=2*
I0)とする。この電流I35は、トランジスタQ35
のエミッタ端子を通じて抵抗素子R31,R32に流れ
る。抵抗素子R31,R32の抵抗値が等しいとすれ
ば、各抵抗素子R31,R32には、それぞれ電流I0
が流れる。これにより、各抵抗素子R31,R32の両
端には電圧が生じ、トランジスタQ31,Q32のエミ
ッタ端子の電圧Veが上昇する。このとき、エミッタ端
子の電圧Veが基準電圧源VT21の電圧値Vb−Vb
e(Vbeはベースエミッタ間電圧)よりも大きくなる
ようにトランジスタQ35のコレクタ電流I35をある
程度大きく設定すると、トランジスタQ31,Q32の
ベース・エミッタ間が逆バイアスとなり、完全にオフす
る。このため、周波数制御回路27を構成するトランジ
スタQ22のエミッタ電流と発振回路26の端子aから
の電流との和電流I01はトランジスタQ25のコレク
タ電流I25と等しく(I01=I25)、またトラン
ジスタQ24のエミッタ電流と発振回路26の端子bか
らの電流との和電流I02はトランジスタQ26のコレ
クタ電流I26と等しくなる(I02=I26)。つま
り、従来のVCO20と同じ状態となる。
【0022】このように、上記実施形態のVCO20に
よれば、スイッチSW1のオン/オフを切り替えること
で、各和電流I01,I02すなわち発振回路26の動
作電流を切替制御することができる。前述のように、本
願発明者らの調査によれば、VCO20を構成する発振
回路26に流れる動作電流を変更すると、位相ノイズが
変動する。したがって、上記構成のVCO20では、2
段階ではあるものの、発振回路26の発振周波数に応じ
てスイッチSW1を切り替えることで、その発振周波数
に応じた、より適正な動作電流に切り替えることで広周
波数帯域に亘って低位相ノイズにすることができる。
【0023】なお、上記実施形態の構成では、1個のス
イッチSW1により2段階に動作電流値を切り替えるよ
うにしていたが、たとえば、電流切替回路29と同様の
回路を複数個接続して電流を切り替えるようにすれば、
他段階で動作電流を切り替えることもできる。また、ト
ランジスタQ35のコレクタ電流I35が小さいときに
は、トランジスタQ31,Q32が完全にオフすること
はなく、その電流状態に応じた能動状態(活性状態)と
なり、ある程度のコレクタ電流が流れる。よってこの場
合には、そのコレクタ電流量に応じて、和電流I01,
I02を、それぞれI25〜I25+I31あるいはI
26〜I26+I32の範囲内で制御することができ
る。またたとえば抵抗素子R33を可変抵抗やFETな
どに置き換え、スイッチSW1のオン時にその抵抗値
(FETの場合にはオン抵抗値)を変更制御可能な構成
とすれば、和電流I01,I02を、それぞれI25〜
I25+I31あるいはI26〜I26+I32の範囲
でダイナミックに変動させることができる。つまり、可
変抵抗の値を変動させて発振回路26の動作電流をその
発振周波数に応じた適正な電流値にすることにより、ダ
イナミックに低位相ノイズにすることもできる。また電
流切替回路29を、電流値I35に対応する出力電流を
変更可能な可変電流源に置き換えた場合にも同様であ
る。また、位相ノイズを監視して、トランジスタQ35
のコレクタ電流I35を位相ノイズに応じてダイナミッ
クに変動させるフィードバック構成とすれば、最適な動
作電流値に自動追従する構成となり低位相ノイズが常に
得られる。
【0024】図2は、図1に示したVCO20を有する
位相同期回路の一実施形態を示すブロック図である。こ
の位相同期回路1は、位相ノイズの影響がVCO20の
発振出力f3のジッタ(周波数揺らぎ)として現れるの
で、VCO20の出力信号f3のジッタ量を検出するこ
とで位相ノイズを検出する手法を採用し、発振回路26
の動作電流をジッタ量に基づいて切り替えるフィードバ
ック構成としたものである。すなわち位相同期回路1
は、VCO20の発振出力f3つまり発振回路26の出
力周波数のジッタ量を監視する位相ノイズ監視部の一例
であるジッタ量監視回路90を備えている。図2ではV
CO20をブロック図で示しているが、このVCO20
は図1に示した構成のものが用いられている。
【0025】ジッタ量監視回路90には、所定の閾値が
入力されている。この閾値は図示しないCPUなどによ
り設定される。そしてジッタ量監視回路90は、監視し
たf3のジッタ量と閾値とを比較して、その大小に応じ
て電流切替回路29のスイッチSW1(図1参照)をオ
ン/オフさせるための電流制御信号を電流制御入力端子
25に入力する。なお、スイッチSW1の切替え時にハ
ンチングが生じないよう、ジッタ量監視回路90はシュ
ミット構成とするのがよい。
【0026】発振回路26は、たとえばその発振周波数
が高いときには位相ノイズが増え、また動作電流量が多
いときには位相ノイズが減る特性(以下単調減少特性と
もいう)を有するものとする。この場合、ジッタ量監視
回路90は、発振回路26の発振周波数が高くなり、監
視したf3のジッタ量が閾値よりも大きくなったときに
は、図1に示したスイッチSW1をオフさせることで、
発振回路26の動作電流を大きくする。これによりf3
の位相ノイズが減るようになる。
【0027】一方、発振回路26の発振周波数が低くな
り監視したf3のジッタ量が閾値よりも小さくなったと
きには、ジッタ量監視回路90は、図1に示したスイッ
チSW1をオンさせることで、発振回路26の動作電流
を小さくする。これによりf3の位相ノイズが元の多さ
に戻るようになる。この場合、発振回路26の発振周波
数が低いので、f3のジッタ量が問題となることはな
い。つまり、2段階ではあるものの、発振回路26の位
相ノイズをf3のジッタ量に基づいて監視し発振回路2
6の動作電流を切り替えることで、位相ノイズが常に所
定量以下となるようにフィードバック制御することがで
きる。
【0028】このように図2に示した構成では、スイッ
チSW1を切り替えることで発振回路26の動作電流を
変更可能な構成としたので、位相ノイズが問題とならな
いように、発振回路26の動作電流を適正化することが
でき、これにより、動作電流固定の従来構成よりも広い
電圧制御発振周波数帯域に亘って低位相ノイズを得るこ
とができるようになる。なお発振回路26の発振周波数
に対する位相ノイズ特性が上述とは逆特性(以下単調増
加特性ともいう)の場合には、ジッタ量監視回路90は
前述と逆特性で発振回路26の動作電流を切り替えると
よい。
【0029】図3は、図2に示した位相同期回路1の変
形例を示す図である。先ず電流源部28は、電流切替回
路29に代えて、出力電流を制御電圧に応じて変更可能
な可変電流源29aを有している。また位相同期回路1
は、電流切替回路29のスイッチSW1をオン/オフさ
せるジッタ量監視回路90に代えて、f3のジッタ量に
応じた制御電圧Vcを電流制御信号として電流制御入力
端子25に入力するジッタ量監視回路92を有してい
る。可変電流源29aは、たとえば制御電圧Vcが高い
ときには出力電流が増える特性のものとする。
【0030】この場合において、前述のように、発振回
路26が、その発振周波数が高いときには位相ノイズが
増え、また動作電流量が多いときには位相ノイズが減る
単調減少特性を有するものとする場合、ジッタ量監視回
路92は、発振回路26の発振周波数が高くなり監視し
たf3のジッタ量が大きくなるとその制御電圧Vcがよ
り高くなるようにする。これにより、可変電流源29a
に流れる電流量が増え、発振回路26の動作電流が増
え、f3の位相ノイズが減るようになる。
【0031】一方、発振回路26の発振周波数が低くな
り監視したf3のジッタ量が小さくなると、ジッタ量監
視回路92はその制御電圧Vcがより低くなるようにす
る。これにより、可変電流源29aに流れる電流量が少
なくなり、発振回路26の動作電流も減り、f3の位相
ノイズが増えるようになる。つまり、この図3に示した
構成では、f3の位相ノイズをf3のジッタ量に基づい
て監視し発振回路26の動作電流を連続的に制御する
(切り替える)ことで、位相ノイズが常に所定量となる
ようにダイナミック(動的)にフィードバック制御する
ことができる。
【0032】このように図3に示した構成においては、
発振回路26の動作電流をダイナミックに変更可能な構
成としたので、発振回路26の動作電流を各発振周波数
ごとに最適化することができ、これにより非常に広い電
圧制御発振周波数帯域に亘って低位相ノイズを得ること
ができるようになる。
【0033】なお発振回路26の発振周波数に対する位
相ノイズ特性が上述とは逆の単調増加特性の場合には、
ジッタ量監視回路92は前述と逆特性で発振回路26の
動作電流を制御するとよい。また、その特性が単調増加
あるいは単調減少といったものでないときには、制御電
圧Vcを逐次変動させて検出したジッタ量が最小となる
Vc値をサーチし設定し、位相ノイズが最小となる最適
な電流量を設定するようにするのがよい。
【0034】図4は、位相同期回路1の他の変形例を示
す図である。図2および図3に示した実施形態では、発
振回路26から出力された信号f3のジッタ量を検知
し、その検知結果に基づいて発振回路26の動作電流を
制御するようにしていたが、この図4に示す実施形態で
は、発振回路26の発振周波数に基づいて発振回路26
の動作電流を制御するようにした。このため先ず電流源
部28は、図3に示したものと同様に、出力電流を制御
電圧Vcに応じて変更可能な可変電流源29aを有して
いる。また図3に示したジッタ量監視回路92に代え
て、この位相同期回路1を利用した装置の全体を制御す
るCPU84を備える。CPU84は、可変分周器1
4,16の分周比1/A,1/N(何れか一方だけでも
よい)を切り替えるための選局制御データをPLLIC
10に入力する。また、設定した分周比に応じた制御電
圧Vcを電流制御端子25に印加する、本発明に係る電
流制御部の機能も有する。
【0035】前述のように、発振回路26の動作電流が
一定である場合には、その位相ノイズは、発振周波数に
応じて異なる。換言すれば、予め発振周波数、位相ノイ
ズ、および動作電流の対応関係を取得しておけば、発振
周波数に応じて動作電流を制御することで、位相ノイズ
を所定レベルにすることができる。本実施形態はこれを
利用したものである。
【0036】たとえば前述のように、発振回路26が、
その発振周波数が高いときには位相ノイズが増え、また
動作電流量が多いときには位相ノイズが減る特性を有す
るものとする。発振回路26の発振周波数は、CPU8
4による可変分周器14,16への分周比の設定により
決定される。そこでCPU84は、発振回路26の発振
周波数が高くなるように分周比を設定したときには、こ
れに合わせて、電流制御端子25への制御電圧Vcがよ
り高くなるようにする。これにより、可変電流源29a
に流れる電流量が増え、発振回路26の動作電流が増
え、f3の位相ノイズが減るようになる。
【0037】一方CPU84は、発振回路26の発振周
波数が低くなるように分周比を設定したときには、これ
に合わせて、電流制御端子25への制御電圧Vcがより
低くなるようにする。これにより、可変電流源29aに
流れる電流量が少なくなり、発振回路26の動作電流も
減り、f3の位相ノイズが増えるようになる。しかしな
がら、発振回路26の発振周波数が低いので、潜在的な
位相ノイズのレベルは低い。
【0038】つまり、この図4に示した構成では、発振
回路26の発振周波数に基づいて発振回路26の動作電
流を制御する(切り替える)ことで、フィードバック構
成ではない(オープンループ構成である)ものの、位相
ノイズが所定量となるように制御することができる。
【0039】なお、周波数に応じた制御電圧Vcは、予
め取得しておいたデータをルックアップテーブル(LU
T)にしてメモリに格納しておき、そのデータを使用す
るようにするとよい。また上記説明では、発振周波数を
管理するCPU84が、自身が設定した可変分周器1
4,16の分周比に応じて制御電圧Vcを生成するよう
にしていたが、たとえば発振回路26の発振周波数を検
出し、この検出した周波数に応じて制御電圧Vcを生成
する構成としてもよい。
【0040】図5は、上記実施形態のVCO20を有す
るチューナを備えたテレビジョンシステム(テレビ用受
信システム)の一例を示すブロック図である。このテレ
ビジョンシステム3は、ビットエラーレート(BER;
Bit Error Rate) を検出してVCO20にフィードバ
ックをかけ、VCO(特に発振回路部分)の動作電流を
最適な電流値に自動設定するようにしたものである。す
なわち図示するテレビジョンシステム3は、チューナI
C70、通信信号の一例であるテレビジョン信号を受信
する受信部の一例である高周波信号受信回路80、チュ
ーナIC70から出力された信号に基づいてMPEG−
TS信号を復調するデジタル信号復調IC82、および
テレビジョンシステム3の全体を制御するCPU84を
備える。
【0041】チューナIC70は、VCO20およびル
ープフィルタ回路30を含み、局部発振回路として機能
する位相同期回路1と、高周波信号受信回路80から入
力された受信波f5とVCO20の出力信号f3とを混
合して混合して57MHzの中間周波数(IF)信号
(IF信号のセンターが57MHzという意味)V3を
抽出するミキサ部(混合回路)72と、ミキサ部72か
ら出力されたIF信号V3を所定レベルに増幅するIF
アンプ74と、データ変換器76とを有し、これらがワ
ンチップに集積回路化されたものである。テレビジョン
信号を無線で受信するシステムの場合にはアンテナを介
して、あるいはCATV(ケーブルテレビ)のように有
線で受信するシステムの場合にはケーブルを介して、テ
レビジョン信号が高周波信号受信回路80に入力され
る。
【0042】位相同期回路1は、図3に示した構成のも
のが用いられている。VCO20を構成する発振回路2
6としては、たとえばVHF帯(1〜12CH;90〜
222MHz)とUHF帯(13〜62CH;470〜
770MHz)など選局周波数帯に応じた周波数で発振
する共振回路を各々設け、これらを切替え可能な構成と
してもよい。
【0043】ここで、受信波(受信チャネル映像搬送
波)f5と局部発振回路として機能する発振回路26の
出力f3とを入出力の関係が非直線的な回路で混合する
と、f5+f3の信号とf5−f3の信号が発生する。
テレビジョンシステム3では、発振回路26(すなわち
局部発振回路)の周波数f3を受信波f5より57MH
zだけ高い周波数とし、ミキサ部72に57MHz共振
回路を設けて、f5−f3=57MHzの信号を中間周
波信号として取り出すようにしている。
【0044】CPU84は、可変分周器14,16の分
周比1/A,1/N(何れか一方だけでもよい)を切り
替えるための選局制御データを位相同期回路1に入力す
る。デジタル信号復調IC82は、IFアンプ74から
出力された中間周波数(IF)信号に基づいて映像検波
や音声検波などの種々のデジタル復調処理をする。デジ
タル信号復調IC82は、IFアンプ74から出力され
た中間周波数(IF)信号に基づいて種々のデジタル復
調処理をする。またデジタル信号復調IC82は、発振
回路26の位相ノイズに対応するデジタル復調処理時に
検波したデジタル信号のビットエラーレートを検出し、
この検出したビットエラーレートをCPU84に入力す
る。CPU84は、ビットエラーレートが所定範囲に収
まるように(たとえば所定値以下となるように)、発振
回路26の動作電流を制御するためのデジタルデータV
Dを生成し、この生成したデジタルデータVDをバスデ
ータとしてデータ変換器76に入力する。
【0045】データ変換器76は、デジタルデータVD
をアナログの電流制御信号に変換し、この電流制御信号
をVCO20の電流制御入力端子25に入力する。つま
り、ミキサ部72、IFアンプ74、データ変換器7
6、デジタル信号復調IC82、およびCPU84によ
り、本発明に係る位相ノイズ監視部が構成されている。
なお、データ変換器76は、入力されたデジタルデータ
VDをD/A変換するものに限らず、CPU84から出
力されたデジタルデータVDと対応するアナログの電流
制御信号を生成し得るものであればよい。つまり、CP
U84から出力されるデジタルデータVDとデータ変換
器76が変換した電流制御信号との間に一定の相関があ
ればよく、デジタルデータVDはアナログ信号値をデジ
タル化(A/D変換)することで得られるものに限ら
ず、所定の規則の元に符号化したコードデータであって
もよい。なお、コードデータの形態とするときには、後
述する可変分周器14,16における分周比1/A,1
/Nの設定についても、このデータ変換器76を介して
行なうようにしてもよい。
【0046】上記構成により、テレビジョンシステム3
は、PLLシンセサイザ方式の選局回路が形成される。
たとえば、基準発振器12の発振周波数(基準周波数)
f1を3.58MHz、可変分周器14の分周比1/A
を1/3667とする。このとき、チューナIC70
は、3.58MHzの1/3667の周波数f2=97
6Hzが、ch1を受信する場合の局部発振周波数15
0MHzの1/(2400*64)と一致し、ch3を
受信する場合の局部発振周波数162MHzの1/(2
592*64)と一致することを利用し、位相同期回路
1により、局部発振周波数を所定の周波数に合わせるよ
うに作用する。
【0047】たとえばVCO20は、周波数制御入力端
子22に加わる電圧V1が高いほど高い周波数の出力信
号を発するものとする。この場合において、ch1を受
信するため図示しないチャネルボタンが“0”“1”と
押されると、CPU84は、周波数制御部27の一方の
周波数制御入力端子23にバンド切替電圧としてVHF
ローバンドが受信されるような電圧を印加し、分周比1
/Nが1/(2400*64)になるような選局制御デ
ータを可変分周器16に入力する。
【0048】もし局部発振周波数である発振回路26の
出力信号の周波数f3がch1を受信する場合の局部発
振周波数150MHzに正確に保持されていると、可変
分周器16の出力信号の周波数f4は、“150×10
^6×(1/64)×(1/2400)≒976.56
Hz”(“^”はべき乗を示す)となり、位相比較器1
8に加わる周波数一定の基準信号の周波数f2と等しく
なる。位相比較器18はf2とf4とが等しい場合に
は、比較出力(検波出力)は基準値(たとえば
“0”)、f2>f4の場合には基準値より小(たとえ
ば負)、f2<f4の場合には基準値より大(たとえば
正)の出力電圧が得られるように構成されていて、その
出力電圧V0をループフィルタ回路30に加える。
【0049】ループフィルタ回路30は、位相比較器1
8からの電圧信号V0を平滑化し、この平滑化した電圧
信号V1を周波数制御部27の一方の周波数制御入力端
子22に入力する。たとえば、V0が基準値より大のと
きにはその大きさに比例して基準電圧VSよりも低下
し、V0が基準値より小のときには、その大きさに比例
して基準電圧VSよりも上昇するような電圧信号V1を
周波数制御信号として周波数制御入力端子22に入力す
る。したがって局部発振周波数f3がちょうど150M
Hzである場合には、周波数制御入力端子22に加わる
電圧は、発振周波数が150MHzとなるような基準電
圧VS(たとえば5V一定)の電圧となり、もし150
MHzより高い場合には周波数制御入力端子22に加わ
る電圧が低下して発振回路26の発振周波数を下げるよ
うに負帰還動作をする。
【0050】これにより、ミキサ部72には、局部発振
周波数f3としてch1に対応する150MHz一定の
信号が発振回路26から入力される。したがってミキサ
部72からは、受信波の周波数f5(VHF帯;90〜
222MHz,UHF帯;470〜770MHz)と発
振回路26の発振周波数f3との差周波数のうち、ch
1についての57MHzの中間周波信号が出力され、デ
ジタル信号復調IC82は、ch1のデジタルテレビジ
ョン信号を安定して復号処理することができるようにな
る。
【0051】次に、チャネルボタンが“0”“3”と押
されると、CPU84は、分周比1/Nが1/(259
2*64)になるような選局制御データを可変分周器1
6に入力する。直前の発振周波数f3は150MHzな
ので、可変分周器16の出力信号の周波数f4は、“1
50×10^6×(1/64)×(1/2592)≒9
04Hz”となり、f2>f4となるので、位相比較器
18の比較出力(検波出力)は基準値より小となる。
【0052】したがって、周波数制御入力端子22に加
わる電圧が上昇し、局部発振周波数がch3を受信する
ための周波数162MHzになるように動作する。これ
により、ミキサ部72からは、受信波の周波数f5(V
HF帯;90〜222MHz,UHF帯;470〜77
0MHz)と発振回路26の発振周波数f3との差周波
数のうち、ch1ではなくch3についての57MHz
の中間周波信号が出力され、デジタル信号復調IC82
は、ch3のデジタルテレビジョン信号を安定して復号
処理することができるようになる。
【0053】前例では、ch1とch3について説明し
たが、これに限らず、VHF帯であればch1〜ch1
2(190〜222MHz)、UHF帯であればch1
3〜ch62(470〜770MHz)と切り替えられ
る。このようにテレビジョンシステム3は、押されたチ
ャネルボタンに応じて、局部発振周波数、すなわち発振
回路26の発振周波数を広帯域に亘って切り替えること
で、ユーザが希望したchの映像および音声を出力す
る。
【0054】一方、発振回路26の動作電流を一定に維
持したままで発振回路26の発振周波数を広帯域に亘っ
て切り替えると、前述のように、ある発振周波数では低
位相ノイズでも、VHF帯(1〜12CH;90〜22
2MHz)あるいはUHF帯(13〜62CH;470
〜770MHz)など、広帯域の選局周波数帯に亘って
低位相ノイズにすることはできない。しかしながら、上
記構成のテレビジョンシステム3においては、デジタル
復調処理時に検波したデジタル信号のビットエラーレー
トを検出し、VCO20にフィードバックをかけ、VC
O(特に発振回路26)の動作電流を最適な電流値に自
動設定するようにしている。
【0055】たとえば、デジタル信号復調IC82にお
けるデジタル復調処理時に検出されたビットエラーレー
トが所定レベル以上となったときには、CPU84は、
データ変換器76によるデータ変換後の電流制御信号の
値がより高くなるようにデジタルデータVDを設定し直
す。これにより、可変電流源29aに流れる電流量が多
くなり、発振回路26の動作電流が増え、f3の位相ノ
イズが減少するようになる。位相ノイズが減少すれば、
ビットエラーレートも小さくなり、所定レベル以下とな
る。
【0056】このように、ビットエラーレートは発振回
路26の位相ノイズに相関があるため、デジタル信号復
調IC82でビットエラーレートを検出することで、発
振回路26の動作電流値を自動で最適(前例では所定レ
ベル以下)に設定し低位相ノイズを得ることができるよ
うになる。デジタル信号処理においては、ビットエラー
レートの監視は簡単に実現できるので、位相ノイズの検
知手法も簡易になる。たとえば、発振回路26の発振周
波数に対する位相ノイズ特性が単調増加あるいは単調減
少といったものでないとき、制御用のデジタルデータV
Dを逐次変動させて検出したビットエラーレートが最小
となるVD値をサーチして設定することで、位相ノイズ
が最小となる最適な電流量を設定することができる。こ
れにより、デジタルTVの特性の中で最も重要な特性で
ある位相ノイズの劣化の問題を簡単かつ確実に解消する
ことができるようになる。
【0057】なお上記説明では、ビットエラーレートが
所定レベル以上となったときに、発振回路26の動作電
流を増やすように制御していたが、ビットエラーレート
の値に応じて、発振回路26の動作電流量を多段階にあ
るいは連続的に制御し、位相ノイズが常に所定範囲ある
いは所定値となるようにダイナミックにフィードバック
制御するようにしてもよい。
【0058】また、チューナIC70内にデータ変換器
76を設け、CPU84から出力されたデジタルデータ
VDをデータ変換器76によりアナログの電流制御信号
に変換してから電流制御入力端子25に印加する構成と
していたが、図3に示した構成と同様に、チューナIC
70の外部からアナログの電流制御信号を電流制御入力
端子25に印加する構成としてもよい。
【0059】以上、本発明を実施の形態を用いて説明し
たが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲
には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更また
は改良を加えることができ、そのような変更または改良
を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、
上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するも
のではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の
組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らな
い。
【0060】たとえば上記実施形態では、位相ノイズに
対応する情報の一例である、発振回路出力f3のジッタ
(周波数揺らぎ)やデジタル信号のビットエラーレート
などを検知することで位相ノイズレベルを判定するよう
にしていたが、位相ノイズを直接的に検知する、あるい
は位相ノイズに対応する所定の情報を検知することで位
相ノイズを間接的に検知するなど、その他の検出方法を
用いて位相ノイズを検知・判定してもよい。たとえば位
相比較器18の出力信号は発振回路出力f3の位相ノイ
ズ(位相ムラ)を直接的に表すので、位相比較器18の
出力信号のバラ付き度合いを監視して、上記実施形態で
説明したような制御をしてもよい。あるいは、デジタル
信号復調IC82のようにデジタル信号処理する構成の
場合には、デジタル信号のアイパターンにおける開口部
分の面積が位相ノイズを表すので、この開口部分の面積
のバラ付き度合いを監視して、上記実施形態で説明した
ような制御をしてもよい。
【0061】また本願発明は、動作電流によって位相ノ
イズが変動する発振器あるいはこの発振器を有する全て
の回路や装置に適用可能であり、発振器を構成する発振
回路(共振回路)の構成はどのようなものであってもよ
い。たとえば図5に示した実施形態では、位相同期回路
を用いたPLL周波数シンセサイザ方式の同調機構(選
局機構)を具備したテレビジョンシステムを例に説明し
たが、テレビジョンシステムに限らず、ラジオや無線機
あるいは携帯電話(たとえば広帯域の送受信特性が要求
されるW−CDMA方式のもの)などの位相同期回路を
備えた受信用あるいは送信用の通信装置に適用すること
もできる。また通信機器に限らず、位相同期回路が使用
され、所定の周波数範囲に亘って(比較的離れた2つの
周波数でもよい)使用されるその他の装置にも適用可能
である。たとえば一般的な角度変調回路や角度復調回路
並びにこれらの回路を備えた装置に適用可能である。も
ちろん、位相同期回路に限らず、発振器単独で使用され
る装置に適用することもできる。
【0062】また、発振回路の動作電流を制御するため
の電流制御信号は、電圧信号に限らず電流信号であって
もよい。この場合、スイッチSW1(図1や図2)およ
び可変電流源29a(図3や図4)は、そのインターフ
ェース部分として電流入力端子を備えていればよい。ま
た、必要に応じて、電流/電圧変換あるいはその逆の電
圧/電流変換の機能部分を設けてもよい。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、発振回
路の動作電流を変更可能な構成としたので、発振回路の
動作電流を切り替えることで、動作電流固定の従来方式
の発振器よりも、より広い発振周波数帯域に亘って低位
相ノイズを得ることができるようになる。そして、この
ような発振器を有する各種の回路や装置は、広い周波数
帯域に亘って位相ノイズの問題が解消されるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発振器の一実施形態を示す回路図
である。
【図2】図1に示した発振器を有する位相同期回路の一
実施形態を示すブロック図である。
【図3】図2に示した位相同期回路の変形例を示す図で
ある。
【図4】位相同期回路の他の変形例を示す図である。
【図5】VCOを有するチューナを備えたテレビジョン
システムの一例を示すブロック図である。
【図6】従来技術を示した図であって、位相同期回路の
基本構成を示したブロック図(A)、および位相同期回
路における発振器の従来例を示した回路図である。
【符号の説明】
1…位相同期回路、3…テレビジョンシステム、10…
PLLIC、12…基準発振器、14,16…可変分周
器、18…位相比較器、20…VCO、22…周波数制
御入力端子、24…出力端子、25…電流制御入力端
子、26…発振回路、27…周波数制御回路、28…電
流源部、29…電流切替回路、29a…可変電流源、3
0…ループフィルタ回路、70…チューナIC、72…
ミキサ部、74…IFアンプ、76…データ変換器、8
0…高周波信号受信回路、82…デジタル信号復調I
C、84…CPU、90,92…ジッタ量監視回路、S
W1…スイッチ、VT21…基準電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C025 AA14 AA26 DA01 5J106 AA04 BB01 BB04 CC01 CC21 CC41 CC53 EE01 GG01 HH03 JJ01 KK25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周波数で発振する発振回路と、入
    力された周波数制御信号に基づいて前記発振回路の発振
    周波数を制御する周波数制御回路と、入力された電流制
    御信号に基づいて前記発振回路の動作電流を制御する動
    作電流制御回路とを備えたことを特徴とする発振器。
  2. 【請求項2】 周波数制御入力端子を具備し、当該周波
    数制御入力端子に入力された周波数制御信号に対応する
    第1の周波数の出力信号を発生する発振器と、基準とな
    る第2の周波数の基準信号と前記第1の周波数に対応す
    る被比較信号との位相を比較する位相比較器と、前記位
    相比較器の出力信号を平滑化し、この平滑化した信号を
    前記周波数制御信号として前記発振器の前記周波数制御
    入力端子に印加するループフィルタ部とを備えた位相同
    期回路であって、 前記発振器は、所定の周波数で発振する発振回路と、前
    記周波数制御入力端子に入力された前記周波数制御信号
    に基づいて前記発振回路の発振周波数を制御する周波数
    制御回路と、電流制御入力端子と、当該電流制御入力端
    子に入力された電流制御信号に基づいて前記発振回路の
    動作電流を制御する動作電流制御回路とを備えたことを
    特徴とする位相同期回路。
  3. 【請求項3】 前記発振器から出力される出力信号の周
    波数に基づいて前記電流制御信号を生成し、この生成し
    た電流制御信号を前記電流制御入力端子に印加する電流
    制御部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の位相
    同期回路。
  4. 【請求項4】 前記発振器から出力された出力信号の位
    相ノイズを検出し、この検出した位相ノイズに基づいて
    前記電流制御信号を生成し、この生成した電流制御信号
    を前記電流制御入力端子に印加する位相ノイズ監視部を
    備えたことを特徴とする請求項2に記載の位相同期回
    路。
  5. 【請求項5】 前記発振器から出力された出力信号と当
    該出力信号とは異なる他の信号とに基づいて処理対象の
    デジタル信号を生成するデジタル信号処理部を備え、 前記位相ノイズ監視部は、前記デジタル信号処理部が生
    成した処理対象のデジタル信号のビットエラーレートを
    検出することにより前記位相ノイズを検出することを特
    徴とする請求項4に記載の位相同期回路。
  6. 【請求項6】 発振回路、電流制御入力端子、および当
    該電流制御入力端子に入力された電流制御信号に基づい
    て前記発振回路の動作電流を制御する動作電流制御回路
    を有する発振器を具備した位相同期回路と、 前記発振回路から出力される出力信号の周波数に基づい
    て前記電流制御信号を生成し、この生成した電流制御信
    号を前記電流制御入力端子に印加する電流制御部を備え
    たことを特徴とする同調装置。
  7. 【請求項7】 発振回路、電流制御入力端子、および当
    該電流制御入力端子に入力された電流制御信号に基づい
    て前記発振回路の動作電流を制御する動作電流制御回路
    を有する発振器を具備した位相同期回路と、 前記発振回路から出力された出力信号の位相ノイズを検
    出し、この検出した位相ノイズに基づいて前記電流制御
    信号を生成し、この生成した電流制御信号を前記電流制
    御入力端子に印加する位相ノイズ監視部とを備えたこと
    を特徴とする同調装置。
  8. 【請求項8】 通信信号を受信する受信部を備え、 前記位相同期回路は、前記受信部が受信した受信波と前
    記発振回路から出力された出力信号とを位相比較するこ
    とを特徴とする請求項6または7に記載の同調装置。
  9. 【請求項9】 前記発振器から出力された出力信号と前
    記受信部が受信した受信信号とに基づいて処理対象のデ
    ジタル信号を生成するデジタル信号処理部を備え、 前記位相ノイズ監視部は、前記デジタル信号処理部が生
    成した処理対象のデジタル信号のビットエラーレートを
    検出することにより前記位相ノイズを検出することを特
    徴とする請求項7に記載の同調装置。
  10. 【請求項10】 前記受信部は、前記通信信号としてテ
    レビジョン信号を受信することを特徴とする請求項6か
    ら9のうちの何れか1項に記載の同調装置。
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