JP2003194485A - 蒸発器、リザーバ内蔵型ループヒートパイプ及び熱輸送方法 - Google Patents

蒸発器、リザーバ内蔵型ループヒートパイプ及び熱輸送方法

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JP2003194485A
JP2003194485A JP2001397694A JP2001397694A JP2003194485A JP 2003194485 A JP2003194485 A JP 2003194485A JP 2001397694 A JP2001397694 A JP 2001397694A JP 2001397694 A JP2001397694 A JP 2001397694A JP 2003194485 A JP2003194485 A JP 2003194485A
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reservoir
liquid
evaporator
wick
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JP2001397694A
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Hiromitsu Masumoto
博光 増本
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Mitsubishi Electric Corp
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    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/04Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with tubes having a capillary structure
    • F28D15/043Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with tubes having a capillary structure forming loops, e.g. capillary pumped loops

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リザーバ内蒸気温度の上昇を抑制し、熱輸送
性能を容易な構成により維持、向上することのできるリ
ザーバ内蔵型ループヒートパイプを提供する。 【解決手段】 蒸発器15及び凝縮器4とその両者を連
結する液管6及び蒸気管5、相変化をおこす作動流体
2、この作動流体2を蒸発器15中で溜めるリザーバ1
0からなるリザーバ内蔵型ループヒートパイプ14にお
いて、ベイオネット管17を反重力方向にオフセット配
置することにより、重力下で熱輸送量が増加してもベイ
オネット管17がリザーバ10内で作動流体蒸気2a内
に露出させる。その結果、リザーバ10内の作動流体蒸
気2aと流入する作動流体液2bの熱コンダクタンスを
大きいまま維持することが可能で、リザーバ10内の作
動流体蒸気2aの温度上昇を抑制可能となり、蒸発器1
5と凝縮器4間の小さな温度差で大量の熱輸送ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その毛細管力によ
り作動流体液を吸引するウィックと作動流体を貯留する
リザーバを蒸発器容器内部に収納した構造を有する蒸発
器、この蒸発器を用いたリザーバ内蔵型ループヒートパ
イプ、並びにこのリザーバ内蔵型ループヒートパイプに
おける蒸発器から凝縮器への熱輸送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、筐体内部に配置された電子機器等
から発生する熱は、ファン等をいて、筐体内外で空気を
循環させる強制対流による熱伝達により排熱するが、筐
体周囲の環境(例えば空気)が汚い(塵埃を含む)よう
な場所や内外の空気循環ができないような場所に筐体を
配置する必要がある場合には、電子機器を密閉筐体に収
納し空気循環以外の方法で排熱を行う必要がある。同様
に、宇宙空間で使用させる人工衛星等においても、衛星
内部の電子機器からの排熱は空気循環以外の方法で行う
必要がある。このような要求に対して、ファン等による
空気循環を伴わない排熱を行う装置として、例えばリザ
ーバ内蔵型ループヒートパイプがある。
【0003】図18(a),(b)には、従来のリザー
バ内蔵型ループヒートパイプ1の概略構成が示されてい
る。図において、加熱源は例えば密閉筐体(不図示)に
収納された電子機器(不図示)であり、吸熱源は、例え
ば密閉筐体を取り巻く外気等である。リザーバ内蔵型ル
ープヒートパイプ1は、熱の授受により気相・液相間で
相互に相変化を起こす作動流体2を用いて熱輸送を行う
ものであり、大別して、加熱源から熱を吸熱する蒸発器
3、蒸発器3で吸熱した熱を吸熱源(例えば外気)に放
熱する凝縮器4、前記蒸発器3で気相に変化した作動流
体蒸気2aを凝縮器4へ導く蒸気管5、凝縮器4で放熱
することにより液相に変化した作動流体液2bを蒸発器
3に環流させる液管6で構成されている。
【0004】リザーバ内蔵型ループヒートパイプ1内を
循環する作動流体2は、蒸発器3の筒状の蒸発器容器7
の内部に配置された中空有底筒状で多孔質構造を有する
ウィック8が発生する毛細管力を駆動力として移動す
る。図18(b)に示すように、ウィック8は表面に複
数の凹条溝(蒸気通路9)を有し、凸条部8a(非凹条
部)が蒸発器容器7の内壁面に密着し、加熱源からの熱
を受け取るようになっている。ウィック8は、例えば気
孔径数μmの一様な気孔を持つポリエチレンサーモプラ
スチック等で形成され、作動流体液2bが容易に浸透し
蒸発器容器7の内壁面側に導かれるようになっている。
さらに、ウィック8の内部には、作動流体2を蒸発器容
器7の内部に貯留する空間としてリザーバ10が形成さ
れている。なお、ウイック8の全体に作動流体液2bが
浸透するように、また無重力下で使用された場合にも、
確実に作動流体液2bがウィック8に浸透するように、
ウィック8の内周面にも毛細管現象を起こす凹条の2次
ウイック11が形成されている。そして、液管6を介し
て環流した作動流体液2bは蒸発器3の中心軸に配置さ
れた液導入管(ベイオネット管)12を通過しリザーバ
10に戻される。
【0005】次に、リザーバ内蔵型ループヒートパイプ
1の動作について説明する。加熱源から蒸発器容器7に
印可された熱は、熱伝導により蒸発器容器7に接してい
るウィック8の凸条部8aに伝わり、ウィック8内の外
周側に浸透している作動流体液2bを蒸発させて、作動
流体蒸気2aへと相変化させる。そして、相変化した作
動流体蒸気2aはウィック8の表面に形成された蒸気通
路9を通り、蒸気管5に流れ、さらに凝縮器4に到達す
る。
【0006】作動流体蒸気2aは凝縮器4内部を通過す
る過程で凝縮し、潜熱を吸熱源に放出する。液相となっ
た作動流体2bはウィック8の毛細管力を駆動力として
液管6を流れ、ベイオネット管12を通ってリザーバ1
0に流れ込む。リザーバ10内の作動流体液2bは、重
力下では直接ウィック8に、無重力下では二次ウィック
11を介してウィック8に還流する。このサイクルによ
り熱は蒸発器3から凝縮器4に輸送される。
【0007】リザーバ内蔵型ループヒートパイプ1で
は、このように二相間の相変化を伴いつつ作動流体が循
環することにより、熱輸送が行われる。一般に、吸熱源
は、例えば外気や宇宙空間でありその温度は定まってお
り、一方加熱源となる電子機器等はその機能性能が発揮
できる温度範囲がある。つまり、加熱源から吸熱源へ如
何に小さな温度差で大量の熱輸送をすることができるか
がリザーバ内蔵型ループヒートパイプ1の熱輸送性能の
指標となる。
【0008】ここで、加熱源と熱結合している蒸発器3
と吸熱源と熱結合している凝縮器4間の温度差はリザー
バ10の温度に大きく左右されることが知られている。
リザーバ10の温度は、主としてウィック8の熱伝導に
よりリザーバ10に流れ込む熱リーク量ならびに、ウィ
ック8とリザーバ10内の作動流体蒸気2a間の熱コン
ダクタンス(熱伝達係数)と、リザーバ10内の作動流
体蒸気2aとリザーバ10に流れ込む作動流体液2b間
の熱コンダクタンスの比で決まる。すなわち、リザーバ
10温度を低くするためには、熱リーク量を小さくする
か、ウィック8とリザーバ10内の作動流体蒸気2a間
の熱コンダクタンスとリザーバ10内の作動流体蒸気2
aとリザーバ10に流れ込む作動流体液2b間の熱コン
ダクタンスの比を小さくするか、もしくはその両方を達
成する必要がある。
【0009】従来のリザーバ内蔵型ループヒートパイプ
1は、ベイオネット管12によりリザーバ10内の作動
流体蒸気2aとリザーバ10に流れ込む作動流体液2b
間の熱コンダクタンスを大きくすることによって、リザ
ーバ10内の作動流体蒸気2aの温度上昇を抑制し、蒸
発器3と凝縮器4間の温度差を小さくしていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】リザーバ内蔵型ループ
ヒートパイプ1は図18(a),(b)に示すように、
重力下ではベイオネット管12を介して凝縮した液は重
力により作動流体液2b溜りに落下する。しかし、無重
力下においては、図19(a),(b),(c)に示す
ように、凝縮液はベイオネット管12の周囲に厚い膜1
3を形成する。図19(d),(e)に示すように、重
力下において、熱輸送量の増加と共に凝縮器4内の蒸気
領域が増大し、液管6内の作動流体液2bを押し出して
しまう。この場合、リザーバ10内の作動流体液2bの
量が増え、ベイオネット管12が作動流体液2bに埋没
し、作動流体蒸気2aと接触しなくなるという現象が発
生する。
【0011】その結果、最も温度の低いベイオネット管
12内の作動流体液2bとリザーバ10内の作動流体蒸
気2aの熱交換が阻害される。その結果、リザーバ10
内の作動流体蒸気2aとリザーバ10に流れ込む作動流
体液2b間の熱コンダクタンスが小さくなり、ベイオネ
ット管12が機能しなくなりリザーバ温度が高くなると
いう問題があった。そして、蒸発器3と凝縮器4間の温
度差を大きくし、結果的に熱輸送性能を低下させてしま
う。場合によっては、リザーバ内蔵型ループヒートパイ
プ1が機能しなくなるという問題があった。
【0012】本発明は上記従来の問題に鑑みなされたも
のであり、その目的は、リザーバ内蒸気温度の上昇を抑
制し、熱輸送性能を容易な構成により維持、向上するこ
とのできるリザーバ内蔵型ループヒートパイプを提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、その内部に作動流体を貯留するリザーバ
たる空間を有し中空有底筒状かつ多孔質構造を有するウ
ィックと、作動流体蒸気流通用の間隙である蒸気通路が
ウィックと蒸発器容器内壁面との間に生じるようウィッ
クを収納する蒸発器容器とを備え、作動流体液を吸入す
るための液管が蒸発器容器を貫通してウィックに接合さ
れ、作動流体蒸気を送出するための蒸気管が蒸気通路に
連通する蒸発器であって、液管からリザーバに供給され
た作動流体液が毛細管力によりウィックに吸引され、加
熱源から蒸発器容器を介してウィックに加わった熱によ
りウィック内の作動流体液が作動流体蒸気へと相変化
し、この作動流体蒸気がウィックから蒸気通路を介して
蒸気管に送出される蒸発器において、リザーバ内部にウ
ィックからリザーバ内部に存在する作動流体液への熱リ
ークを阻害する熱リーク阻害部材または、リザーバに供
給された作動流体液とリザーバ内の作動流体蒸気間の伝
熱促進部材またはその双方を設けるものとする。
【0014】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、前記伝熱促進部材が、リザー
バ内の長手方向に延び、液管から環流してくる作動流体
液をリザーバ内部を長手方向に縦断後、リザーバ内部に
排出する液導入管であって、リザーバ内部でその中心軸
から所定方向にオフセット配置されているものとする。
【0015】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、前記オフセット配置された液
導入管は、反重力方向にオフセットされているものとす
る。
【0016】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、上記伝熱促進部材が、リザー
バ内の長手方向に延び、液管から環流してくる作動流体
液をリザーバ内部を長手方向に縦断後、リザーバ内部に
排出する液導入管であって、その管外面にウィック構造
を有するものとする。
【0017】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、上記伝熱促進部材が、リザー
バ内の長手方向に延び、液管から環流してくる作動流体
液をリザーバ内部を長手方向に縦断後、リザーバ内部に
排出する液導入管であって、その管外面に吸熱構造を有
するものとする。
【0018】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、上記熱リーク阻害かつ伝熱促
進部材が、リザーバ内の長手方向に延び、液管から環流
してくる作動流体液をリザーバ内部を長手方向に縦断
後、リザーバ内部に排出する液導入管であって、前記液
導入管は作動流体液を排出する開放端側から他端側へ延
び当該液導入管を包囲し、排出した作動流体液を他端側
に導くシュラウドを有するものとする。
【0019】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、前記熱リーク阻害かつ伝熱促
進部材がシュラウドを有する液導入管であって、液導入
管は長手方向で折り返し構造を呈するものとする。
【0020】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、前記折り返し構造が二重パイ
プ構造を呈するものとする。
【0021】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、上記熱リーク阻害かつ伝熱促
進部材が、リザーバ内に配置され液管のウィック接合側
に閉鎖端を向け、他端に開放端を有するシュラウドであ
って、リザーバに環流した作動流体液をウィック内壁に
沿って開放端側に導く構造であるものとする。
【0022】また、前記目的を達成するために、本発明
に係る蒸発器においては、上記シュラウドは、少なくと
も内周面にウィック構造を有するものとする。
【0023】また、前記目的を達成するために、本発明
は、加熱源により加熱された作動流体液を作動流体蒸気
へと相変化させる蒸発器と、吸熱源により吸熱された作
動流体蒸気を作動流体液へと相変化させる凝縮液と、蒸
発器から凝縮器へと作動流体蒸気を送給する蒸気管と、
凝縮器から蒸発器へと作動流体液を送給する液管とを備
え、蒸発器がその内部に、毛細管力により作動流体液を
吸い上げるウィックと、動作流体を貯留するリザーバを
有するリザーバ内蔵型ループヒートパイプにおいては、
蒸発器をこの発明に係る蒸発器とする。
【0024】また、前記目的を達成するために、本発明
は、加熱源により加熱された作動流体液を作動流体蒸気
へと相変化させる蒸発器から、吸熱源により吸熱された
作動流体蒸気を作動流体液へと相変化させる凝縮器へ
と、蒸気管を介した動作流体蒸気の送給により熱を輸送
する熱輸送方法であって、蒸発器が、その内部に作動流
体を貯留するリザーバたる空間を有し中空有底筒状かつ
多孔質構造を有するウィックと、作動流体蒸気流通用の
間隙である蒸気通路がウィックと蒸発器容器内壁面との
間に生じるようウィックを収納する蒸発器容器とを備
え、この蒸発器容器を貫通してウィックに接合された液
管からリザーバに供給され毛細管力によりウィックに吸
引させた作動流体液を、加熱源から蒸発器容器を介して
ウィックに加わった熱により作動流体蒸気へと相変化さ
せ蒸気通路を介して蒸気管に送出する熱輸送方法におい
ては、ウィックからリザーバ内部に存在する作動流体液
への熱リークを熱リーク阻害部材により妨害すること、
また伝熱促進部材によりリザーバ内の作動流体液と作動
流体蒸気間の熱伝達を促進すること、またはその双方を
実現するものとする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を用いて説明する。
【0026】実施の形態1.図1(a),(b)は、実
施の形態1に係るリザーバ内蔵型ループヒートパイプ1
4の概略構成を示している。図において、従来例と同様
な部材には同じ符号を用いている。図1(a)におい
て、加熱源は例えば密閉筐体(不図示)に収納された電
子機器(不図示)であり、吸熱源は、例えば密閉筐体を
取り巻く外気等である。リザーバ内蔵型ループヒートパ
イプ14は、熱の授受により気相・液相間で相互に相変
化を起こす作動流体2を用いて熱輸送を行うものであ
り、大別して、加熱源から熱を吸熱する蒸発器15、蒸
発器15で吸熱した熱を吸熱源(例えば外気)に放熱す
る凝縮器4、前記蒸発器15で気相に変化した作動流体
蒸気2aを凝縮器4へ導く蒸気管5、凝縮器4で放熱す
ることにより液相に変化した作動流体液2bを蒸発器3
に環流させる液管6で構成されている。
【0027】リザーバ内蔵型ループヒートパイプ14内
を循環する作動流体2は、蒸発器15の蒸発器容器7の
内部に配置された中空有底筒状かつ多孔質構造を有する
ウィック8により発生する毛細管力を駆動力として移動
する。図1(b)に示すように、ウィック8は表面に複
数の凹条溝(蒸気通路9)を有し、凸条部8a(非凹条
部)が蒸発容器7の内壁面に密着し、加熱源からの熱を
受け取るようになっている。ウィック8は、例えば気孔
径数μmの一様な気孔を持つポリエチレンサーモプラス
チック等で、作動流体液2bが容易に浸透し蒸発器容器
7の内壁面側に導かれるようになっている。さらに、ウ
ィック8の内部には、作動流体2を蒸発容器7の内部に
貯留する空間としてリザーバ10が形成されている。な
お、ウィック8の全体に作動流体液2bが浸透するよう
に、ウィック8の内周面にも毛細管現象を起こす凹条の
2次ウイック11が形成されている。
【0028】実施の形態1において、液管6を介して環
流した作動流体液2bは、蒸発器15の中心軸16と平
行、すなわち、リザーバ10の中心と平行に、かつ所定
方向、例えば反重力方向(重力と反対方向)にオフセッ
ト配置され伝熱促進部材として機能する液導入管(ベイ
オネット管)17を通過し、その端部17aからリザー
バ10に戻される。
【0029】次に、リザーバ内蔵型ループヒートパイプ
14の動作について説明する。加熱源から蒸発器容器7
に印可された熱は、熱伝導により蒸発器容器7に接して
いるウィック8の凸条部8aに伝わり、ウィック8内の
外周側に浸透している作動流体液2bを蒸発させて、作
動流体蒸気2aへと相変化させる。そして、作動流体蒸
気2aはウィック8の表面に形成された蒸気通路9を通
り、蒸気管5に流れ、さらに凝縮器4に到達する。
【0030】作動流体蒸気2aは凝縮器4内部を通過す
る過程で凝縮し、潜熱を吸熱源に放出する。液相となっ
た作動流体液2bはウィック8の毛細管力を駆動力とし
て液管6を流れ、ベイオネット管17を通ってリザーバ
10に流れ込む。リザーバ10内の作動流体液2bは、
重力下では直接ウィック8に還流する。このサイクルに
より熱は蒸発器15から凝縮器4に輸送される。
【0031】実施の形態1において、ベイオネット管1
7を反重力方向にオフセットさせているので、もし、熱
輸送量が増加し、凝縮器4内の作動流体蒸気2aの専有
率が増加しリザーバ10内の作動流体液2b量が増えて
もベイオネット管17は、リザーバ10内において、作
動流体液2bに埋没すること無く作動流体蒸気2a内に
位置することが可能となり、作動流体蒸気2aと常時接
触可能となる。その結果、最も温度の低いベイオネット
管17内の作動流体液2bとリザーバ10内の作動流体
蒸気2aの熱交換を十分に行うことが可能になり、リザ
ーバ10内の作動流体蒸気2aとベイオネット管17
(ベイオネット管17を介して流れ込む作動流体液2
b)の熱コンダクタンスを大きいまま保つことが可能と
なる。すなわち、ウィック8とリザーバ10内の作動流
体蒸気2aの熱コンダクタンスと、リザーバ10内の作
動流体蒸気2aとリザーバ10に流れ込む作動流体液2
b間の熱コンダクタンスの比を小さくすることが可能に
なり、リザーバ10内蒸気温度を常に低く維持すること
ができる。その結果、蒸発器15と凝縮器4間の小さな
温度差で大量の熱輸送を可能にすることができる。な
お、ベイオネット管17のオフセット量は、リザーバ1
0内に環流する作動流体液2bの最大量を予め計算して
おき、最大環流時においてもベイオネット管17が作動
流体液2bに埋没しない位置に設定することが好適であ
る。
【0032】このように、実施の形態1の構成によれ
ば、重力下において、熱輸送量が増加しても蒸発器15
の温度を大幅に上昇させることなく、容易な構成で大量
の熱輸送を継続的に行うことができる。
【0033】実施の形態2.図2(a)〜(c)は、無
重力下での使用において、良好な熱輸送が可能なリザー
バ内蔵型ループヒートパイプの蒸発器18の概略構造を
示している。なお、蒸発器18以外の部分、すなわち、
凝縮器4、蒸気管5、液管6の構成は、実施の形態1と
同様であり、図示を省略する。また、図2において、図
1と同一部材に関しては、同一の符号を付し説明する。
【0034】本実施の形態2の蒸発器18のベイオネッ
ト管19は、その外壁面に毛細管力を発生するウィック
20(ベイオネット管19の円周方向に周設された凹
凸)を有している。なお、実施の形態2においては、ベ
イオネット管19の配置位置は、従来技術と同様に蒸発
器18の中心軸上である。
【0035】無重力下において、ベイオネット管19の
端部19aからリザーバ10内に環流した作動流体液2
bは、主にリザーバ10の端部に塊となって集まる。こ
の時、ベイオネット管19の外側に設けたウィック20
により、ベイオネット管19に凝縮した作動流体液2b
はリザーバ10内作動流体液2bと連通している。その
ため、無重力下でもベイオネット管19の周囲におい
て、作動流体液2bはほぼ一定薄い膜21となる。つま
り、ウィック20はベイオネット管19の周囲に厚い膜
が形成されることを防止し、最も温度の低いベイオネッ
ト管19内の作動流体液2bとリザーバ10内の蒸気の
熱交換を十分に行うことを可能とする。その結果、作動
流体蒸気2aとベイオネット管19(ベイオネット管1
9を介して流れ込む作動流体液2b)の熱コンダクタン
スの低下を防ぐことができる。その結果、ウィック8と
リザーバ10内の作動流体蒸気2a間の熱コンダクタン
スと、リザーバ10内の作動流体蒸気2aとリザーバ1
0に流れ込む作動流体液2b間の熱コンダクタンスの比
を小さくすることを可能とする。つまり、リザーバ10
内蒸気温度を常に低く維持することができる。その結
果、蒸発器18と凝縮器4間の小さな温度差で大量の熱
輸送を可能にすることができる。
【0036】実施の形態3.図3(a)〜(c)は、無
重力下での使用において、良好な熱輸送が可能なリザー
バ内蔵型ループヒートパイプの他の蒸発器22の概略構
造を示している。なお、蒸発器22以外の部分、すなわ
ち、凝縮器4、蒸気管5、液管6の構成は、実施の形態
1,2と同様であり、図示を省略する。また、図3にお
いて、図1、図2と同一部材に関しては、同一の符号を
付す。
【0037】本実施の形態3の蒸発器22のベイオネッ
ト管23は、その外壁面に板状の吸熱フィン24を、例
えば対向位置に2枚備えている。なお、実施の形態3に
おいては、ベイオネット管23の配置位置は、従来技術
と同様に蒸発器22の中心軸上である。
【0038】ベイオネット管23の端部23aからリザ
ーバ10内に環流した作動流体液2bは、主にリザーバ
10の端部に溜まり、中央付近に作動流体蒸気2aが位
置する。この時、ベイオネット管23の外側に吸熱フィ
ン24を設けることにより、図3(c)に示すように、
作動流体蒸気2aとベイオネット管23との接触面積を
大きく取ることができる。その結果、作動流体蒸気2a
とベイオネット管23(ベイオネット管23を介して流
れ込む作動流体液2b)との熱コンダクタンスを大きく
することが可能となる。また、図3(c)から明らかな
ように、吸熱フィン24とベイオネット管23の接合部
がウィックの機能を果たすので、無重力下においてもベ
イオネット管23の周囲に形成される膜25を薄くかつ
均一にすることができるので、作動流体液2bが作動流
体蒸気2aとベイオネット管23との熱交換を妨げるこ
とを低減することができる。
【0039】このように、ベイオネット管23に吸熱フ
ィン24を形成することにより、最も温度の低いベイオ
ネット管23内の作動流体液2bとリザーバ10内の蒸
気の熱交換を十分に行うことが可能になり、ウィック8
とリザーバ10内の作動流体蒸気2a間の熱コンダクタ
ンスと、リザーバ10内の作動流体蒸気2aとリザーバ
10に流れ込む作動流体液2b間の熱コンダクタンスの
比を小さくすることが可能になり、リザーバ10内蒸気
温度を常に低く維持することができる。その結果、蒸発
器22と凝縮器4間の小さな温度差で大量の熱輸送を可
能にすることができる。なお、吸熱フィン24の大きさ
は任意であるが、ベイオネット管23の周囲に形成され
る作動流体液2bの膜が厚くなりすぎる虞があるので、
吸熱効率とのバランスを考慮して設定することが望まし
い。
【0040】また、図4(a)から(c)には、吸熱効
果を大きくするための他のベイオネット管26を有する
蒸発器27の概略構成図が示されている。この構成にお
いては、端部26aから作動流体液2bを環流するベイ
オネット管26は、作動流体蒸気2aとの接触面積をで
きるだけ多く確保するために形状をコイル状にしてい
る。このように、作動流体蒸気2aとの接触面積を増大
させることによっても、作動流体蒸気2aとベイオネッ
ト管26(ベイオネット管26を介して流れ込む作動流
体液2b)の熱コンダクタンスを大きくすることができ
る。その結果、前述した熱コンダクタンスの比を小さく
することが可能になり、リザーバ10内蒸気温度を低く
維持することができる。そして、蒸発器27と凝縮器4
間の小さな温度差で大量の熱輸送を可能にすることがで
きる。
【0041】実施の形態4.図5(a)〜(c)には、
ウィック8とリザーバ10内の作動流体蒸気2a間の熱
コンダクタンスと、リザーバ10内の作動流体蒸気2a
とリザーバ10に流れ込む作動流体液2b間の熱コンダ
クタンスの比を小さくし、かつウィック8からリザーバ
10への熱リークを小さくするための蒸発器28の概略
構造が示されている。なお、蒸発器28以外の部分の構
成は、他の実施の形態と同様であり、図示を省略する。
また、図5において、図他の実施の形態と同一の部材に
関しては、同一の符号を付す。
【0042】実施の形態4において、ベイオネット管2
9は、作動流体液2bを排出する端部(開放端側)29
aから他端側(リザーバ10への導入側)へ延び、当該
ベイオネット管29を包囲し環流(排出)した作動流体
液2bをベイオネット管29の基部側に導く筒状のシュ
ラウド30を有している。
【0043】無重力下では、ベイオネット管29からリ
ザーバ10内に帰還した作動流体液2bはウィック8と
シュラウド30の間をリザーバ10の軸方向に沿って流
れ、シュラウド30内部に溜まる。従って、作動流体液
2bの熱伝導効果により、ウィック8と作動流体蒸気2
a間の熱コンダクタンスを小さくすることができる。つ
まり、前述した熱コンダクタンスの比を小さくすること
ができ、リザーバ10内の作動流体蒸気2aの温度上昇
を抑制することができる。
【0044】一方、重力下においては、図6(a),
(b)に示すように、ベイオネット管29が作動流体液
2bに埋没してしまう場合でも、作動流体蒸気2a内に
突出したシュラウド30が吸熱フィンとして作用するの
で、前述した熱コンダクタンスの比を小さくすることが
できる。
【0045】また、重力下では、ウィック8に接してい
る作動流体液2bの部分の温度が高く、リザーバ10内
の作動流体蒸気2aに接している部分の温度が低い。そ
の結果、ウィック8近傍の液密度の小さい作動流体液2
bに浮力が生じ、上部すなわち液/蒸気界面方向に上昇
する。その後、そこで冷却され密度が大きくなった作動
流体液2bが下部、すなわちウィック8側に下降すると
いう温度差による自然対流が生じる。つまり、この流れ
でウィック8近傍から液/蒸気界面、すなわちリザーバ
10内の作動流体蒸気2aに向けて熱が輸送され、熱リ
ークによる温度上昇の原因になる。しかしながら、本実
施の形態においては、シュラウド30がちょうどこの流
れに対して略垂直に配置されているため、自然対流を阻
害する邪魔板の役割を果たす熱リーク阻害部材として機
能し、ウィック8からリザーバ10への熱リークを抑制
することが可能となる。
【0046】このように、シュラウド30を形成するこ
とによってもリザーバ10内蒸気温度を低く維持するこ
とができるので、蒸発器28と凝縮器4間の小さな温度
差で大量の熱輸送を可能にすることができる。
【0047】実施の形態5.図7(a)〜(c)には、
ベイオネット管31とリザーバ10内の作動流体蒸気2
aとの接触長さを大きくとることによって、図4の例と
同様にベイオネット管31による吸熱効果を大きくする
ことのできる蒸発器32の概略構成が示されている。図
に示すように、ベイオネット管31は2重パイプ構造を
呈している。つまり、液管6(図1参照)を通過した作
動流体液2bは、ベイオネット管31の内管31aを通
過した後、外管31bを通り、端部31c付近に溜ま
り、さらにシュラウド33の端部からリザーバ10の軸
方向に移動し、シュラウド33内部に押し込まれてい
く。つまり、温度の低い作動流体液2bが内管31aと
外管31bの通過時にシュラウド33内部の作動流体蒸
気2aと接触することが可能になり、作動流体蒸気2a
とベイオネット管31(ベイオネット管31を介して流
れ込んだ作動流体液2b)との熱コンダクタンスを大き
くすることが可能になり、前記熱コンダクタンスの比を
小さくし、リザーバ10内蒸気温度を低く維持すること
ができる。その結果、蒸発器32と凝縮器4間の小さな
温度差で大量の熱輸送を可能にすることができる。
【0048】また、図8(a)〜(c)には、ベイオネ
ット管34とリザーバ10内の作動流体蒸気2aとの接
触長さを大きくとることが可能で、ベイオネット管34
による吸熱効果を大きくすることのできる他の蒸発器3
5の概略構造が示されている。図に示すように、ベイオ
ネット管34はパイプを折り返して作った、略U字のU
字管形状を呈している。この場合も液管6(図1参照)
を通過した作動流体液2bは、ベイオネット管34の往
路管34aを通過した後、復路管34bを通り、端部3
4c付近に溜まり、さらにシュラウド36の端部からリ
ザーバ10の軸方向に移動し、シュラウド36内部に押
し込まれていく。つまり、温度の低い作動流体液2bが
往路管34aと復路管34bの通過時にシュラウド36
内部の作動流体蒸気2aと接触することが可能になり、
作動流体蒸気2aとベイオネット管34(ベイオネット
管34を介して流れ込んだ作動流体液2b)との熱コン
ダクタンスを大きくすることが可能になり、前記熱コン
ダクタンスの比を小さくし、リザーバ10内蒸気温度を
低く維持することができる。その結果、蒸発器35と凝
縮器4間の小さな温度差で大量の熱輸送を可能にするこ
とができる。
【0049】実施の形態6.図9(a)〜(c)には、
実施の形態6に係る蒸発器37の概略構造が示されてい
る。実施の形態6では、構造の簡略化を行いつつ、前述
の熱コンダクタンスを小さくした蒸発器の例を示す。蒸
発器37は、例えば、シュラウド38を用いることによ
り、ベイオネット管29,31,34等を省略しつつ、
リザーバ10内温度の抑制を十分に行うことができるよ
うになっている。図9(a)〜(c)は、無重力下で使
用した場合を示している。この例において、液管6は蒸
発器37の蒸発器容器7に接続され、作動流体液2bは
そこから直接リザーバ10内に環流する。ここでシュラ
ウド38は一方に閉鎖端38a、他方に開放端38bを
有する筒型形状を呈し、閉鎖端38aが液管6に対向す
るように配置されている。その結果、リザーバ10内に
環流した作動流体液2bはリザーバ10内において、ウ
ィック8とシュラウド38との間を流れ、シュラウド3
8の開放端38b側から内部に流れ込む。この構造によ
れば、リザーバ10内の作動流体蒸気2aは、シュラウ
ド38を介して温度の低い作動流体液2bと接触するこ
とが可能になり、熱交換により冷却される。つまり、シ
ュラウド38がベイオネット管34等と同じ作動流体蒸
気2a冷却機能を果たす。そのため、ベイオネット管3
4等を省略しても前述の各実施の形態で示した構造とほ
ぼ同様に、作動流体蒸気2aと作動流体液2bの熱コン
ダクタンスを大きいまま維持し、さらに、ウィック8と
作動流体蒸気2aが直接接触しない構造のため、前述の
熱コンダクタンスの比を小さくして、リザーバ10内蒸
気温度を低く維持することができる。その結果、蒸発器
37と凝縮器4間の小さな温度差で大量の熱輸送を可能
にすることができる。
【0050】なお、蒸発器37を重力下で使用する場
合、図9(d),(e)に示すように、液管6からリザ
ーバ10に環流した作動流体液2bは、重力方向、つま
りリザーバ10の下側に溜まる。この時、シュラウド3
8の一部(図中上部部分)は、リザーバ10内に作動流
体蒸気2a内に突出している。従って、温度の低い作動
流体液2bに埋没したシュラウド38部分への熱伝導が
可能となり、作動流体蒸気2aと作動流体液2bとの熱
コンダクタンスを大きいまま維持し、前述の熱コンダク
タンスの比を小さくして、リザーバ10内蒸気温度を低
く維持することができる。つまり、図1に示す構成と同
様な冷却作用をベイオネット管34等を使用しなくても
行うことが可能となり、重力下においても、蒸発器37
と凝縮器4間の小さな温度差で大量の熱輸送を可能にす
ることができる。
【0051】また、図10(a)〜(c)には、例えば
図5に示す構造において、無重力下で蒸発器28を使用
する時に、ウィック8に作動流体液2bを十分に供給す
るために必要であった二次ウィック11をシュラウド3
0を用いることにより省略可能となる蒸発器39が示さ
れている。なお、図10(a)〜(c)と図5(a)〜
(c)を比較すれば明らかなように、図10(b)に、
図5(b)に示される二次ウィック11が存在しないこ
と以外、他の構造は同じであり、同一の部材には同一の
符号を付して説明する。
【0052】図5の説明でも示したように、ベイオネッ
ト管29は、作動流体液2bを排出する端部29aから
他端側へ延び、当該ベイオネット管29を包囲し環流し
た作動流体液2bをベイオネット管29の基部側に導く
筒状のシュラウド30を有している。無重力下では、ベ
イオネット管29からリザーバ10内に帰還した作動流
体液2bは、図10(b)に示すような二次ウィックを
有さないウィック40とシュラウド30の間の狭い空間
を蒸発器39の軸方向に流れ、シュラウド30内部に溜
まる。つまり、作動流体液2bがシュラウド30内部に
溜まる過程において、作動流体液2bは確実にウィック
40と接触することが可能となる。その結果、蒸発器4
0は二次ウィック11による毛細管力を用いること無
く、ウィック40の内壁に作動流体液2bを均一に供給
することが可能であり、ウィック40の構造を簡略化し
つつ、他の実施の形態と同等の作動流体2の循環を実現
することが可能になる。もちろん、この時シュラウド3
0を用いることによりウィック8と作動流体蒸気2aと
の熱コンダクタンスが小さくなるので、熱コンダクタン
スの比を小さくすることに寄与している。
【0053】さらに、図11(a)〜(c)には、図9
(a)〜(c)に示すベイオネット管を省略した構造に
おいて、シュラウド38を用いることによって、さらに
二次ウィック11も省略可能となる蒸発器41が示され
ている。なお、図11(a)〜(c)と図9(a)〜
(c)を比較すれば明らかなように、図11(b)に、
図5(b)に示される二次ウィック11が存在しないこ
と以外、他の構造は同じであり、同一の部材には同一の
符号を付して説明する。
【0054】液管6からリザーバ10に環流した作動流
体液2bの流れ方は、図9で説明したものと同じであ
る。つまり、作動流体液2bは液管6からリザーバ10
に進入し、シュラウド38と二次ウィックを有さないウ
ィック40との間の狭い空間を蒸発器41の軸方向に流
れ、シュラウド38の開放端38bから当該シュラウド
38の内部に溜まる。つまり、作動流体液2bがシュラ
ウド38内部に溜まる過程において、作動流体液2bは
確実にウィック40と接触することが可能となる。その
結果、蒸発器41は二次ウィック11による毛細管力を
用いること無く、ウィック40の内壁に作動流体液2b
を均一に供給することが可能であり、ウィック40の構
造を簡略化しつつ、作動流体蒸気2aの冷却を行い、他
の実施の形態と同様の作動流体蒸気2aの循環を実現す
ることが可能なる。その結果、効率的な熱輸送をシンプ
ルな構造により行うことができる。
【0055】実施の形態7.図12(a)〜(c)は、
前述した各実施の形態で用いたシュラウドに改良を加
え、さらに良好な作動流体2の循環を実現している蒸発
器42の例を示している。なお、基本構造は図5(a)
〜(c)に示すものと同じであり、同一の部材には同一
の符号を付して説明する。
【0056】ベイオネット管29は、作動流体液2bを
排出する端部29aから他端側へ延び、当該ベイオネッ
ト管29を包囲し環流した作動流体液2bをベイオネッ
ト管29の基部側に導く筒状のシュラウド43を有して
いる。このシュラウド43は図12(b),(c)から
明らかなように、少なくともその内周面(図において
は、内外周面に形成されている)に蒸発器42の軸方向
に延びて、毛細管力を発生する凹凸の補助的なウィック
43aを有している。リザーバ内蔵型ループヒートパイ
プを駆動する場合、凝縮器4内にある作動流体液2b
と、シュラウド43の内側に溜まっている作動流体液2
bは、熱輸送量に対応してそれぞれの液量が変化する必
要がある。シュラウド43の内部には、作動流体蒸気2
aが存在するため、シュラウド43内部に対する作動流
体液2bの出入りを妨げる場合がある。そこで、本実施
の形態7においては、シュラウド43内周面のウィック
43aによる毛細管力を利用することによりウィック8
とシュラウド43との間にある作動流体液2bとシュラ
ウド43の内側に溜まっている作動流体液2bの連通を
確実に確保することにより、リザーバ10内の作動流体
液2bと凝縮器4内の作動流体液2bのスムーズな液量
分配を可能にしている。その結果、熱輸送量に対応して
いりスムーズな作動流体2の循環を実現することが可能
になる。
【0057】図13(a)〜(c)に示す蒸発器44
は、前述した実施の形態6の図9(a)〜(c)におい
て、シュラウド38をウィック45a付きのシュラウド
45に変更したものである。シュラウド45内の作動流
体蒸気2aと作動流体液2bの熱コンダクタンスの関係
は図9と同じであり、ウィック8に対する作動流体液2
bの供給機能等は、図11と同じである。図12で示し
たように、ウィック45aの毛細管力を用いることによ
り、ウィック8とシュラウド45との間にある作動流体
液2bとシュラウド45の内側に溜まっている作動流体
液2bの連通を確実に確保することにより、リザーバ1
0内の作動流体液2bと凝縮器4内の作動流体液2bの
スムーズな液量分配を可能にしている。その結果、熱輸
送量に対応してよりスムーズな作動流体2の循環を実現
することが可能になる。なお、シュラウド43,45の
ウィック43a,45aの構造は、シュラウド自体を例
えばメッシュとし、開いたアーテリ構造としてもよい。
この場合、凹凸のウィック43a等を形成する場合に比
べて製造が容易になり同様な効果を得ることができる。
【0058】このように、上述した各実施の形態の特徴
をそれぞれ任意に組み合わせることによってもそれぞれ
の効果を十分に発揮し良好な熱運搬に寄与することがで
きる。
【0059】以下、各実施の形態の組み合わせ例の一部
を示す。図14(a)〜(c)は、図12に示すウィッ
ク43a付きのシュラウド43と図3に示す吸熱フィン
24を有するベイオネット管23を組み合わせた蒸発器
46である。この場合、作動流体液2bのシュラウド4
3内の移動や、作動流体液2bのウィック8への供給、
作動流体蒸気2aの温度上昇抑制を良好に行うことが可
能となり、リザーバ内蔵型ループヒートパイプの駆動を
さらに効率的に行うことができる。
【0060】図15(a)〜(c)は、図1に示すよう
にオフセットしたベイオネット管とシュラウドを組み合
わせた蒸発器47である。蒸発器47のベイオネット管
48は、その端部48aがシュラウド49の中心、すな
わちリザーバ10の中心からオフセットされた位置に接
続されている。この場合、無重力下においては、ベイオ
ネット管48は、シュラウド49の内部に位置する作動
流体蒸気2aと直接接触して、作動流体蒸気2aと作動
流体液2bの熱コンダクタンスを大きくすることを可能
とし、作動流体蒸気2aの温度上昇抑制を行う。一方、
重力下においては、シュラウド49の外壁を介してリザ
ーバ10の上方に位置する作動流体蒸気2aと接触し
て、やはり作動流体蒸気2aと作動流体液2bの熱コン
ダクタンスを大きくすることを可能とし、作動流体蒸気
2aの温度上昇抑制を行う。なお、この場合、ベイオネ
ット管48に接触するシュラウド49の外壁が吸熱フィ
ンとして機能するため、重力下における温度上昇抑制を
効率的に行うことができる。
【0061】図16(a)〜(c)に示す蒸発器50
は、図15に示す構造に、さらに内外面にウィック51
aを有するシュラウド51を採用した例である。この場
合、図15の蒸発器47が有する機能に加え、さらに、
ウィック8とシュラウド51との間にある作動流体液2
bとシュラウド51の内側に溜まっている作動流体液2
bの連通を確実に確保することにより、リザーバ10内
の作動流体液2bと凝縮器4内の作動流体液2bのスム
ーズな液量分配を可能にしている。その結果、熱輸送量
に対応してよりスムーズな作動流体2の循環を実現する
ことが可能となる。
【0062】図17(a)〜(c)に示す蒸発器52
は、図12に示す構造に、図2に示すウィック20付き
のベイオネット管19を採用した例である。この場合、
図12の蒸発器42が有する機能に加え、さらに、ベイ
オネット管19の周囲に形成される作動流体液2bの膜
がほぼ一定の厚みとなり、作動流体蒸気2aとベイオネ
ット管19との熱コンダクタンスの低下を防ぐことがで
きるという効果が発生する。この結果、前記熱コンダク
タンスの比を小さくすることができ、リザーバ10内の
作動流体蒸気2aの温度上昇を抑制することが可能にな
る。
【0063】この他、図2に示すウィック付きのベイオ
ネット管19をリザーバ10の中心軸に対してオフセッ
ト配置した構成や、図3に示す吸熱フィン24付きのベ
イオネット管23をオフセット配置したり、さらに、そ
れらと、2重パイプ構造や折り返し構造を有するベイオ
ネット管との組み合わせ、単純型シュラウド(図5や図
9に示すもの)やウィック付きシュラウド(図12や図
13に示すもの)を組み合わせたもの等、上述した各実
施の形態で示した特徴的構造を複数組み合わせることに
より、各構造による効果を十分に発揮し、リザーバ内蔵
型ループヒートパイプの熱輸送性能の向上に寄与するこ
とができる。なお、リザーバ内蔵型ループヒートパイプ
の熱設計において、使用される場所等を考慮して、最適
な組み合わせを適宜選択することが好ましい。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る蒸発器に
よれば、リザーバ内部にウィックからリザーバ内部に存
在する作動流体液への熱リークを熱リーク阻害部材によ
り阻害するか、リザーバに供給された作動流体液とリザ
ーバ内の作動流体蒸気間の伝熱を伝熱促進部材により促
進する、もしくは双方を可能にしたため、蒸発器の温度
上昇を抑制することができる。
【0065】また、この発明の係る蒸発器によれば、凝
縮器から環流してくる液相の作動流体(作動流体液)を
リザーバ内に導く液導入管をリザーバ内部でその中心軸
から所定方向にオフセット配置することにより、リザー
バ内の気相の作動流体(作動流体蒸気)と液導入管を介
した液相の作動流体との熱コンダクタンスを調整するこ
とができる。例えば、重力下で蒸発器を使用する場合、
液導入管を反重力方向にオフセットすれば、熱輸送量が
増大し、リザーバに環流してくる液相の作動流体の量が
増加しても液相の作動流体に液導入管が埋没すること無
く、確実にリザーバ内の気相の作動流体と液導入管との
接触を維持し、気相の作動流体と液相の作動流体との熱
コンダクタンスを大きいまま保つことができる。その結
果、リザーバ内蒸気温度を低く維持することができる。
【0066】また、この発明に係る蒸発器によれば、液
導入管の管外面がウィック構造を有することにより、液
導入管に凝縮した液相の作動流体はリザーバ内の液相の
作動流体と連通することが可能になり、液導入管の周囲
に形成される液相の作動流体の膜をほぼ一定の厚みとす
ることができる。そして、気相の作動流体と液導入管を
介した液相の作動流体との熱コンダクタンスの低下を防
ぐことができる。その結果、リザーバ内蒸気温度を低く
維持することができる。
【0067】また、この発明に係る蒸発器によれば、液
導入管は、管外面に吸熱構造を有することにより、気相
の作動流体と液導入管との接触面積を大きく取ることが
できる。その結果、気相の作動流体と液導入管を介した
液相の作動流体との熱コンダクタンスを大きくすること
ができる。その結果、リザーバ内蒸気温度を低く維持す
ることができる。
【0068】また、この発明に係る蒸発器によれば、液
導入管は、液相の作動流体を排出する開放端側から他端
側へ延び、当該液導入管を包囲し排出した液相の作動流
体を他端側に導くシュラウドを有することにより、液導
入管からリザーバ内に帰還した液相の作動流体はウィッ
ク内壁とシュラウドの間を流れる。従って、液相の作動
流体の熱伝導効果により、ウィックとリザーバ内の気相
の作動流体との熱コンダクタンスを小さくすることがで
きる。さらに、重力下においては、リザーバ内の液相の
作動流体内部の自然対流を阻害できるため熱リークを小
さくすることができる。その結果、リザーバ内の気相の
作動流体の温度上昇を抑制することができる。
【0069】また、この発明に係る蒸発器によれば、リ
ザーバ内に配置され前記凝縮器から環流してくる液相の
作動流体の流入側に閉鎖端を向け、他端に開放端を有す
るシュラウドであって、環流した液相の作動流体をリザ
ーバ内壁に沿って、開放端側に導くシュラウドを有する
ことによって、リザーバ内に環流した液相の作動流体
は、リザーバ内壁とシュラウドとの間を流れる。そし
て、リザーバ内の気相の作動流体は、シュラウドを介し
て温度の低い液相の作動流体と接触することが可能にな
り、熱交換により冷却される。さらに、重力下において
はリザーバ内の液相の作動流体内部の自然対流を阻害で
きるため熱リークを小さくすることができる。その結
果、リザーバ内の気相の作動流体の温度上昇を抑制する
ことができる。
【0070】また、この発明に係る蒸発器によれば、液
導入管を二重パイプ構造で形成することにより、また、
長手方向で折り返す折り返し構造で形成することによ
り、液導入管とリザーバ内の作動流体蒸気との接触長さ
を大きくとることができ、吸熱効果を増大することがで
きる。その結果、液導入管を介して流入する液相の動作
流体との熱コンダクタンスを大きくすることができる。
そして、リザーバ内の気相の作動流体の温度上昇を抑制
することができる。
【0071】また、この発明に係る蒸発器によれば、少
なくともシュラウドの内周面にウィックを形成すること
により、シュラウド内周面に毛細管力が発生し、ウィッ
クとシュラウドとの間にある液相の作動流体とシュラウ
ドの内側に溜まっている液相の作動流体の連通を確実に
確保し、熱輸送量に応じてスムーズにリザーバ内の作動
流体の液量を変化させることができる。
【0072】また、本発明に係るリザーバ内蔵型ループ
ヒートパイプによれば、本発明に係る蒸発器を用いたた
め、蒸発器と凝縮器間の小さな温度差で大量の熱輸送を
可能にすることができ、熱輸送性能を向上させることが
できる。
【0073】そして、本発明に係る熱輸送方法において
は、リザーバ内部にウィックからリザーバ内部に存在す
る作動流体液への熱リークを阻害すること、またリザー
バ内の作動流体液と作動流体蒸気間の熱伝達を促進する
こと、またその双方を実現するようにしたため、蒸発器
温度上昇の抑制による熱輸送性能の向上という効果を比
較的簡便な手段により得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1のリザーバ内蔵型
ループヒートパイプの概略構成を説明する説明図であ
る。
【図2】 本発明に係る実施の形態2の蒸発器の概略構
成を説明する説明図である。
【図3】 本発明に係る実施の形態3の蒸発器の概略構
成を説明する説明図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態3の蒸発器の他の概
略構成を説明する説明図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態4の蒸発器の概略構
成を説明する説明図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態4の蒸発器の重力下
における動作を説明する説明図である。
【図7】 本発明に係る実施の形態5の蒸発器の概略構
成を説明する説明図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態5の蒸発器の他の概
略構成を説明する説明図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態6の蒸発器の概略構
成を説明する説明図である。
【図10】 本発明に係る実施の形態4の蒸発器におい
て、二次ウィックを省略した構成を説明する説明図であ
る。
【図11】 本発明に係る実施の形態6の蒸発器におい
て、二次ウィックを省略した構成を説明する説明図であ
る。
【図12】 本発明に係る実施の形態5の蒸発器におい
て、ウィック付きシュラウドを用いた概略構成を説明す
る説明図である。
【図13】 本発明に係る実施の形態6の蒸発器におい
て、ウィック付きシュラウドを用いた概略構成を説明す
る説明図である。
【図14】 本発明に係る実施の形態の組み合わせ例を
説明する説明図である。
【図15】 本発明に係る実施の形態の他の組み合わせ
例を説明する説明図である。
【図16】 本発明に係る実施の形態の他の組み合わせ
例を説明する説明図である。
【図17】 本発明に係る実施の形態の他の組み合わせ
例を説明する説明図である。
【図18】 従来のリザーバ内蔵型ループヒートパイプ
の概略構成を説明する説明図である。
【図19】 従来のリザーバ内蔵型ループヒートパイプ
の蒸発器の無重力下及び重力下における動作状態を説明
する説明図である。
【符号の説明】
2 作動流体、2a 作動流体蒸気、2b 作動流体
液、4 凝縮器、5 蒸気管、6 液管、7 蒸発器容
器、8 ウィック、9 蒸気通路、10 リザーバ、1
1 二次ウィック、14 リザーバ内蔵型ループヒート
パイプ、15 蒸発器、16 中心軸、17 ベイオネ
ット管(液導入管)、17a 端部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28D 15/02 103 F28D 15/02 103Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内部に作動流体を貯留するリザーバ
    たる空間を有し中空有底筒状かつ多孔質構造を有するウ
    ィックと、作動流体蒸気流通用の間隙である蒸気通路が
    ウィックと蒸発器容器内壁面との間に生じるようウィッ
    クを収納する蒸発器容器とを備え、作動流体液を吸入す
    るための液管が蒸発器容器を貫通してウィックに接合さ
    れ、作動流体蒸気を送出するための蒸気管が蒸気通路に
    連通する蒸発器であって、液管からリザーバに供給され
    た作動流体液が毛細管力によりウィックに吸引され、加
    熱源から蒸発器容器を介してウィックに加わった熱によ
    りウィック内の作動流体液が作動流体蒸気へと相変化
    し、この作動流体蒸気がウィックから蒸気通路を介して
    蒸気管に送出される蒸発器において、リザーバ内部にウ
    ィックからリザーバ内部に存在する作動流体液への熱リ
    ークを阻害する熱リーク阻害部材または、リザーバに供
    給された作動流体液とリザーバ内の作動流体蒸気間の伝
    熱促進部材またはその双方を設けたことを特徴とする蒸
    発器。
  2. 【請求項2】 前記伝熱促進部材が、リザーバ内の長手
    方向に延び、液管から環流してくる作動流体液をリザー
    バ内部を長手方向に縦断後、リザーバ内部に排出する液
    導入管であって、リザーバ内部でその中心軸から所定方
    向にオフセット配置されていることを特徴とする請求項
    1記載の蒸発器。
  3. 【請求項3】 前記オフセット配置された液導入管は、
    反重力方向にオフセットされていることを特徴とする請
    求項2記載の蒸発器。
  4. 【請求項4】 上記伝熱促進部材が、リザーバ内の長手
    方向に延び、液管から環流してくる作動流体液をリザー
    バ内部を長手方向に縦断後、リザーバ内部に排出する液
    導入管であって、その管外面にウィック構造を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  5. 【請求項5】 上記伝熱促進部材が、リザーバ内の長手
    方向に延び、液管から環流してくる作動流体液をリザー
    バ内部を長手方向に縦断後、リザーバ内部に排出する液
    導入管であって、その管外面に吸熱構造を有することを
    特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  6. 【請求項6】 上記熱リーク阻害かつ伝熱促進部材が、
    リザーバ内の長手方向に延び、液管から環流してくる作
    動流体液をリザーバ内部を長手方向に縦断後、リザーバ
    内部に排出する液導入管であって、前記液導入管は作動
    流体液を排出する開放端側から他端側へ延び当該液導入
    管を包囲し、排出した作動流体液を他端側に導くシュラ
    ウドを有することを特徴とする請求項1記載の蒸発器。
  7. 【請求項7】 前記熱リーク阻害かつ伝熱促進部材がシ
    ュラウドを有する液導入管であって、液導入管は長手方
    向で折り返し構造を呈することを特徴とする請求項6記
    載の蒸発器。
  8. 【請求項8】 前記折り返し構造が二重パイプ構造を呈
    することを特徴とする請求項7記載の蒸発器。
  9. 【請求項9】 上記熱リーク阻害かつ伝熱促進部材が、
    リザーバ内に配置され液管のウィック接合側に閉鎖端を
    向け、他端に開放端を有するシュラウドであって、リザ
    ーバに環流した作動流体液をウィック内壁に沿って開放
    端側に導く構造であることを特徴とする請求項1記載の
    蒸発器。
  10. 【請求項10】 上記シュラウドは、少なくとも内周面
    にウィック構造を有することを特徴とする請求項6から
    請求項11のいずれかに記載の蒸発器。
  11. 【請求項11】 加熱源により加熱された作動流体液を
    作動流体蒸気へと相変化させる蒸発器と、吸熱源により
    吸熱された作動流体蒸気を作動流体液へと相変化させる
    凝縮液と、蒸発器から凝縮器へと作動流体蒸気を送給す
    る蒸気管と、凝縮器から蒸発器へと作動流体液を送給す
    る液管とを備え、蒸発器がその内部に、毛細管力により
    作動流体液を吸い上げるウィックと、動作流体を貯留す
    るリザーバを有するリザーバ内蔵型ループヒートパイプ
    において、更に、蒸発器が請求項1乃至12のいずれか
    に記載の蒸発器であることを特徴とするリザーバ内蔵型
    ループヒートパイプ。
  12. 【請求項12】 加熱源により加熱された作動流体液を
    作動流体蒸気へと相変化させる蒸発器から、吸熱源によ
    り吸熱された作動流体蒸気を作動流体液へと相変化させ
    る凝縮器へと、蒸気管を介した動作流体蒸気の送給によ
    り熱を輸送する熱輸送方法であって、蒸発器が、その内
    部に作動流体を貯留するリザーバたる空間を有し中空有
    底筒状かつ多孔質構造を有するウィックと、作動流体蒸
    気流通用の間隙である蒸気通路がウィックと蒸発器容器
    内壁面との間に生じるようウィックを収納する蒸発器容
    器とを備え、この蒸発器容器を貫通してウィックに接合
    された液管からリザーバに供給され毛細管力によりウィ
    ックに吸引させた作動流体液を、加熱源から蒸発器容器
    を介してウィックに加わった熱により作動流体蒸気へと
    相変化させ蒸気通路を介して蒸気管に送出する熱輸送方
    法において、ウィックからリザーバ内部に存在する作動
    流体液への熱リークを熱リーク阻害部材により妨害する
    こと、また伝熱促進部材によりリザーバ内の作動流体液
    と作動流体蒸気間の熱伝達を促進すること、またはその
    双方を特徴とする熱輸送方法。
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