JP2015072083A - ループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置 - Google Patents

ループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015072083A
JP2015072083A JP2013207859A JP2013207859A JP2015072083A JP 2015072083 A JP2015072083 A JP 2015072083A JP 2013207859 A JP2013207859 A JP 2013207859A JP 2013207859 A JP2013207859 A JP 2013207859A JP 2015072083 A JP2015072083 A JP 2015072083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
pipe
working fluid
heat pipe
reservoir
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013207859A
Other languages
English (en)
Inventor
シン ランディープ
Randeep Singh
シン ランディープ
望月 正孝
Masataka Mochizuki
正孝 望月
祐士 齋藤
Yuji Saito
祐士 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2013207859A priority Critical patent/JP2015072083A/ja
Publication of JP2015072083A publication Critical patent/JP2015072083A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】蒸発部でのドライアウトを防止して装置全体としての熱抵抗が小さくかつ熱輸送性能に優れるループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置を提供することを目的とする。【解決手段】発熱源から熱が伝達される蒸発部2と外部に放熱する凝縮部3とが、蒸気管4と液戻り管5とによって循環路を形成するように連通されかつその循環路の内部に加熱されて蒸発し放熱して凝縮する作動流体を封入して構成されたループ型ヒートパイプ1を備えた熱輸送装置において、気密状態に密閉されたパイプ状のコンテナの内部に作動流体を封入して構成されたヒートパイプ7を有し、蒸発部2と発熱源とのいずれか一方にヒートパイプ7の一端部7aが熱伝達可能に接続されており、凝縮部3にヒートパイプ7の他端部7bが熱伝達可能に接続されている。【選択図】図1

Description

この発明は、蒸発部と凝縮部との間で作動流体を循環させて熱輸送を行うように構成されたループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置に関するものである。
ループ型ヒートパイプの一例が特許文献1に記載されている。その構成を簡単に説明すると、蒸発部の底面にグルーブが形成されており、そのグルーブの上部に、グルーブに対して毛管作用によって液相の作動流体を供給するウイックが配置されている。そのウイックにおける前記グルーブに対向する面には凹凸が形成されており、その凹凸が前記グルーブに嵌まり合うようになっている。またグルーブの凹部とウイックの凸部との間に蒸気流路が形成されており、その蒸気流路が蒸気管に連通されている。さらにウイックの上面に、液相の作動流体を貯留するリザーバーが設けられており、そのリザーバーは液戻り管に連通されている。このように特許文献1に記載された構成では、グルーブに対してウイックの凹凸が嵌合するため、それらの接触面積が大きくなっている。そのため、蒸発部に入熱があった場合に、速やかに作動流体蒸気を生じさせて熱輸送を開始でき、またこれによりループ型ヒートパイプの熱抵抗を小さくすることができる、とされている。
また特許文献2に記載されたループ型ヒートパイプにおいては、蒸発部が、液戻り管に連通された液溜部と、ウイックと、そのウイックで発生させた作動流体蒸気が集まる蒸気集合部とを備えている。上記のウイックおよび蒸気集合部は仕切壁によって第1ウイックおよび第1蒸気集合部と、第2ウイックおよび第2蒸気集合部とに分割されている。第1ウイックは第2ウイックよりも大きく、第1蒸気集合部は第2蒸気集合部よりも大きく形成されている。そして上記のループ型ヒートパイプをトップヒートモードの状態で動作させる場合に、第1ウイックの内側に第2ウイックが配置され、第1蒸気集合部の内側に第2蒸気集合部が配置される。第1蒸気集合部は第1蒸気管を介して第1凝縮部に連通され、その第1凝縮部は第1液戻り管を介して液溜部に連通されている。これが主ループとなっている。また、第2蒸気集合部は第2蒸気管を介して第2凝縮部に連通され、その第2凝縮部は第2液戻り管を介して液溜部に連通されている。これが、補助ループとなっている。そして上述したトップヒートモードの状態では、液相の作動流体は重力によって下方に溜まるので、第1ウイックは乾いた状態になる。これに対して第2ウイックは液相の作動流体で満たされた状態になる。この状態で蒸発部に入熱があると、第2ウイックで生じた作動流体蒸気が第2蒸気管を介して第2凝縮部に供給される。また作動流体蒸気の圧力によって第2液戻り管から押し出された液相の作動流体が液溜部に流入する。その結果、液溜部における作動流体の液面が上昇して第1ウイックに液相の作動流体が浸透し、主ループを作動流体が循環するように構成されている。そのため特許文献2に記載された構成では、ループ型ヒートパイプの配置状態に拘わらずに確実に熱輸送を行うことができる、とされている。
特開2007−247931号公報 特開2013−72627号公報
ループ型ヒートパイプは、外部の熱によって作動流体が蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い凝縮部に向けて蒸気管を流れる。そのため、蒸発部の温度が低いことにより、蒸発部と凝縮部との温度差が小さい場合には、それらの温度差が大きい場合に比較して作動流体の蒸気が流れにくくなり、その結果、ループ型ヒートパイプの熱輸送性能が低くなる。つまり、蒸発部の温度が上昇してしまう。また、特許文献1および2に記載されたループ型ヒートパイプの蒸発部では、ウイックと、リザーバーや液溜部とが隣接して配置されている。そのため、上記の温度差が小さいことにより蒸発部の温度が上昇すると、その熱がリザーバーや液溜部にも熱伝達されてそれらの内部に貯留されている作動流体が蒸発してしまい、蒸発部に作動流体が存在しないドライアウトの状態となってしまう。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、蒸発部でのドライアウトを防止して装置全体としての熱抵抗が小さくかつ熱輸送性能に優れるループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、発熱源から熱が伝達される蒸発部と外部に放熱する凝縮部とが、蒸気管と液戻り管とによって循環路を形成するように連通されかつその循環路の内部に加熱されて蒸発し放熱して凝縮する作動流体を封入して構成されたループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置において、気密状態に密閉されたパイプ状のコンテナの内部に前記作動流体を封入して構成されたヒートパイプを有し、前記蒸発部と前記発熱源とのいずれか一方に前記ヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続されており、前記凝縮部に前記ヒートパイプの他端部が熱伝達可能に接続されていることを特徴とするものである。
また、この発明は、前記蒸発部は、前記蒸気管に連通すると共に前記発熱部から熱が伝達される受熱部と、前記液戻り管に連通すると共に前記受熱部に供給する液相の前記作動流体を貯留するリザーバーとを備え、前記リザーバーのみに前記ヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続されており、前記凝縮部における前記液戻り管側に前記ヒートパイプの他端部が熱伝達可能に接続されていてよい。
さらに、この発明は、前記蒸発部は、前記蒸気管に連通すると共に前記発熱部から熱が伝達される受熱部と、前記液戻り管に連通すると共に前記受熱部に供給する液相の前記作動流体を貯留するリザーバーとを備え、前記受熱部のみに前記ヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続されており、前記凝縮部における前記蒸気管側に前記ヒートパイプの他端部が熱伝達可能に接続されていてよい。
この発明によれば、ループ型ヒートパイプの蒸発部にヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続され、ループ型ヒートパイプの凝縮部にヒートパイプの他端部が熱伝達可能に接続されている。そのため、蒸発部に発熱源から入熱があり、蒸発部と凝縮部との温度差が大きい場合すなわち熱負荷が大きい場合は、ループ型ヒートパイプとヒートパイプとによって蒸発部から凝縮部に熱輸送される。つまり2つの熱輸送経路を介して熱輸送を行うため、装置全体としての熱輸送量が増大する。これに対して上記の入熱が小さいことにより蒸発部と凝縮部との温度差が小さい場合すなわち熱負荷が小さい場合は、上述した温度差が小さいことが要因となってループ型ヒートパイプによる熱輸送量は少なくなる。そのため、蒸発部の温度が上昇し、その熱はヒートパイプの一端部に熱伝達される。一方、ヒートパイプの他端部は、ループ型ヒートパイプの凝縮部に接続されているため、蒸発部の温度の影響を受けにくくなっている。したがって、ヒートパイプは一端部と他端部との間の温度差によって作動し、蒸発部の熱が凝縮部に熱輸送される。つまり上述した熱負荷が小さい場合は、ヒートパイプによって蒸発部から凝縮部に熱輸送されるため、蒸発部の温度上昇を防止もしくは抑制することができる。そしてこれにより蒸発部のドライアウトを防止もしくは抑制することができる。それらの結果、装置全体としての熱抵抗を小さくすることができるとともに、その熱輸送性能を向上させることができる。
また、この発明によれば、発熱源の温度が低い場合には、受熱部の温度も低く、したがって受熱部と凝縮部との温度差が小さいため、受熱部から凝縮部に向けた蒸気流が生じにくい。そのため、受熱部の温度が上昇し、その熱が受熱部からリザーバーに熱伝達される。リザーバーにはヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続されているため、上述したようにリザーバーに伝達された熱はヒートパイプの一端部に熱伝達される。またヒートパイプの他端部が接続されている凝縮部における液戻り管側は蒸気管側と比較して温度が低い。そのため、ヒートパイプの一端部に伝達された熱は、これらの間の温度差によって効果的に凝縮部における液戻り管側に熱輸送される。その結果、ヒートパイプによってリザーバーの温度上昇を防止もしくは抑制することができる。つまり、リザーバー内で作動流体が蒸発してしまい、蒸発部に作動流体が存在しないドライアウトの状態を回避することができる。
さらに、この発明によれば、受熱部の熱をヒートパイプによって凝縮部における蒸気管側に熱輸送するので、受熱部からリザーバーに熱が伝達されることを防止もしくは抑制することができる。その結果、リザーバーの温度上昇によるリザーバー内での作動流体の蒸発を防止もしくは抑制して、蒸発部に作動流体が存在しないドライアウトの状態を回避することができる。
この発明に係るループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置の一例を示す図である。 この発明に係るループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置の他の例を示す図である。 この発明に係るループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置の更に他の例を示す図である。 この発明に係るループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置のまた更に他の例を示す図である。
つぎに、この発明を具体的に説明する。図1は、この発明に係る熱輸送装置の一例を示す図であって、この発明に係る熱輸送装置はループ型ヒートパイプ1を備えている。そのループ型ヒートパイプ1は、作動流体を蒸発させる蒸発部2と、作動流体を凝縮させる凝縮部3とが、蒸気管4と液戻り管5とによって、全体して循環路を形成するように連通されている。その循環路の内部に、水やアルコール、代替フロンなどの凝縮性の流体が作動流体として所定量封入されている。このループ型ヒートパイプ1の原理的な構成は、従来知られているループ型ヒートパイプと同様であり、蒸発部2に入熱があってその温度が高くなり、かつ凝縮部3で放熱があってその温度が低くなると、蒸発部2で作動流体が蒸発し、その蒸気が凝縮部3に流動して凝縮部3で放熱し、その結果、作動流体がその潜熱の形で蒸発部2から凝縮部3に熱を輸送する。
蒸発部2は、図示しない発熱源に熱伝達可能に接続されており、その発熱源の熱を奪って作動流体を蒸発させるように構成されている。図1に示す例では、その蒸発部2は、発熱源に熱伝達可能に接続されるとともに蒸気管4に連通される受熱部2aと、液相の作動流体を貯留するとともに液戻り管5に連通されるリザーバー2bとを備えている。上記の受熱部2aとリザーバー2bとの間には図示しないウイックが配置されており、そのウイックの毛管作用によってリザーバー2bに貯留された作動流体が受熱部2aに供給されるように構成されている。リザーバー2bの容積は、一例としてループ型ヒートパイプ1に封入されている作動流体の全量を貯留できる容量に設計されている。
一方、凝縮部3は、作動流体の潜熱として輸送された熱を外部に放熱するように構成されており、その放熱面積を広くするために多数の放熱フィン6が取り付けられている。
そして、蒸発部2と凝縮部3とが蒸気管4によって連通され、また凝縮部3における蒸気管4側とは反対側の部分とリザーバー2bとが液戻り管5によって連通されている。その結果、ループ型ヒートパイプ1は全体として循環路を形成するように構成されている。なお、蒸気管4は液戻り管5より大径になっている。そして、この循環路の内部に、上述した凝縮性の流体が作動流体として封入されている。その作動流体の蒸発および作動流体の流動を円滑に生じさせるために、循環路の内部からは空気などの非凝縮性ガスを脱気しておくことが好ましい。
また、この発明に係る熱輸送装置はヒートパイプ7を更に備えている。ヒートパイプ7の基本的な構成は、従来知られている通りであり、その構成を簡単に説明すると、ヒートパイプ7は気密状態に密閉された所定長さのコンテナの内部に、空気などの非凝縮ガスを脱気した状態で作動流体が封入されて構成されている。その作動流体としては、水やアルコール、アンモニア、代替フロンなどの目的とする温度範囲で蒸発および凝縮する凝縮性の流体が使用される。なお、アルコール、アンモニア、代替フロンなどを作動流体として使用すると、作動流体として水を使用する場合に比較して、ヒートパイプ7の作動する温度範囲を低温側に設定することができる。コンテナは、要は、気密性のある中空の容器であり、またその内部と外部との間で熱を伝達する必要があるので、熱伝導性を有する素材で構成されていることが好ましく、例えば銅管やステンレス管を使用することが好ましい。なお、コンテナの内部に、作動流体の流路となり、また毛細管力を発生するウイックや溝を設けることが好ましい。
したがって、上述した構成のヒートパイプ7では、コンテナの一部に熱を加え、かつ他の一部を冷却すると、作動流体が加熱されて蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い箇所に向けて流動し、その後、放熱して凝縮する。上記の加熱部分がヒートパイプ7の蒸発部となり、冷却部分がヒートパイプ7の凝縮部となっている。凝縮した作動流体は例えばウイックを介して蒸発部に還流される。図1に示す例では、ヒートパイプ7の一端部7aがリザーバー2bに熱伝達可能に接続されており、他端部7bが凝縮部3における液戻り管5側に熱伝達可能に接続されている。そのため、一端部7aが、作動流体が蒸発する蒸発部となっており、他端部7bが、作動流体蒸気が放熱して凝縮する凝縮部となっている。
つぎに上記のように構成された熱輸送装置の作用について説明する。図示しない発熱源によってループ型ヒートパイプ1の受熱部2aが加熱されると、その熱によって作動流体が蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い箇所に向けて流動する。上記の発熱源の温度および受熱部2aの温度に対して凝縮部3の温度が十分に低い場合にはすなわちループ型ヒートパイプ1に対する熱負荷が大きい場合には、作動流体蒸気は受熱部2aと凝縮部3との温度差および圧力差によって凝縮部3に向けて蒸気管4を流動する。そして凝縮部3で放熱して凝縮する。凝縮した作動流体は、液戻り管5を流動してリザーバー2bに還流される。このように熱負荷が大きい場合は、受熱部2aに伝達された熱は凝縮部3に効果的に熱輸送されるため、受熱部2aからリザーバー2bに熱が伝達されにくくなっており、リザーバー2bの温度上昇が抑制されている。そのため、図1に示すヒートパイプ7は作動しない、もしくは、作動しにくくなっている。
これに対して、発熱源の温度が低いことにより受熱部2aの温度が低く、また、その受熱部2aの温度と凝縮部3の温度との差が小さい場合すなわち熱負荷が小さい場合には、受熱部2aと凝縮部3との温度差および圧力差が小さいため、受熱部2aから凝縮部3に向けた作動流体の蒸気流が生じにくくなっている。その結果、受熱部2aの温度が上昇し、その熱が受熱部2aに隣接して配置されているウイックやリザーバー2bに熱伝達され、それらの温度が上昇する。言い換えれば、受熱部2aにおいて、作動流体を蒸発させるために利用可能な熱エネルギが拡散されてしまい、受熱部2aで作動流体が蒸発しにくくなっている。
ウイックやリザーバー2bの温度が上昇すると、上述したように、ウイックでは、保持している作動流体が蒸発してその内部に気泡が生じたり、ドライアウトの状態になったりする可能性がある。その場合、受熱部2aに対する液相の作動流体の供給が気泡によって阻害される。またリザーバー2bでは、その内部に貯留している作動流体の温度が上昇したり、蒸発したりして、ドライアウトの状態になる可能性がある。またリザーバー2b内で作動流体が蒸発すると、その蒸気が液戻り管5を逆流し、液相の作動流体がリザーバー2bに還流しにくくなる。それらの結果、蒸発部2が全体としてドライアウトの状態になる。
図1に示す例では、リザーバー2bにヒートパイプ7の一端部7aが熱伝達可能に接続されているため、受熱部2aからリザーバー2bに熱伝達されると、その一端部7aでは、リザーバー2bの熱によって作動流体が蒸発する。その蒸気は温度および圧力の低い他端部7bに向けて流動する。その他端部7bには、図1に示すように、リザーバー2bの熱が直接、熱伝達されない。そのため、他端部7bはリザーバー2bの熱の影響を受けにくく、ここで作動流体が放熱して凝縮する。その凝縮した作動流体は、図示しないウイックやコンテナ内に形成された溝が生じる毛管作用によって一端部7aに還流される。また、他端部7bは凝縮部3における液戻り管5側に熱伝達可能に接続されている。そのため、他端部7bを凝縮部3における蒸気管4側に接続する場合に比較して、一端部7aと他端部7bとの間の温度差が大きくなっており、上述した熱輸送が効果的に行われるようになっている。つまり熱負荷が小さい場合は、このようにしてヒートパイプ7が作動し、これによってリザーバー2bおよびウイックの温度が低下する。そしてウイックやリザーバー2bでの作動流体の蒸発すなわちドライアウトが防止もしくは抑制される。このように熱負荷が小さい場合は、熱の輸送は、主としてヒートパイプ7によって行われる。
図2に、この発明に係る熱輸送装置の他の例を示してある。ここに示す例では、ヒートパイプ7の一端部7aが受熱部2aに熱伝達可能に接続されており、他端部7bが凝縮部3における蒸気管4側に熱伝達可能に接続されている。この図2に示す構成の熱輸送装置では、上述した熱負荷が大きい場合には、受熱部2aで蒸気化した作動流体は、受熱部2aと凝縮部3との温度差および圧力差によって凝縮部3に向けて蒸気管4を流動する。その後、凝縮部3で放熱して凝縮し、液戻り管5を介してリザーバー2bに還流される。また、ヒートパイプ7の一端部7aは受熱部2aに熱伝達可能に接続されているため、受熱部2aの熱によって蒸気化した作動流体は、温度および圧力の低い他端部7bに向けて流動する。他端部7bで放熱して凝縮した作動流体は、例えばウイックや溝などの毛管作用によって蒸発部である一端部7aに還流される。このように、図2に示す構成では、上述した熱負荷が大きい場合は、ループ型ヒートパイプ1とヒートパイプ7とによって熱が輸送される。
これに対して熱負荷が小さい場合は、上述したように、受熱部2aと凝縮部3との温度差および圧力差が小さいことによりこれらの間で作動流体の蒸気流が生じにくく、その結果、受熱部2aの温度が上昇する。また、受熱部2aの熱が上述したように、ウイックやリザーバー2bに熱伝達され、それらの温度が上昇する。ヒートパイプ7の一端部7aは、受熱部2aに熱伝達可能に接続されている。そのため、一端部7aは受熱部2aによって加熱され、ここで作動流体が蒸発する。その作動流体蒸気は温度および圧力の低い他端部7bに向けて流動する。このように熱負荷が小さい場合は、図1に示す例と同様に、熱の輸送は、主としてヒートパイプ7によって行われる。その結果、受熱部2aの過大な温度上昇や、ウイックやリザーバー2bの温度上昇が防止もしくは抑制される。
図3に、この発明に係る熱輸送装置の更に他の例を示してある。ここに示す例では、蒸発部2の全体に亘ってヒートパイプ7の一端部7aが熱伝達可能に接続され、他端部7bが凝縮部3における蒸気管4側に熱伝達可能に接続されている。この図3に示す構成の熱輸送装置では、上述した熱負荷が大きい場合は、上述した図2に示す例と同様に、ループ型ヒートパイプ1とヒートパイプ7とによって熱輸送される。また、発熱部での発熱が過大であることにより、受熱部2aの温度が過度に上昇し、かつ受熱部2aから熱がウイックやリザーバー2bに熱伝達されてそれらの温度が上昇する場合に、ウイックやリザーバー2bの熱をヒートパイプ7によって直接的に凝縮部3に熱輸送することができる。そのため、蒸発部2に対して過大な入熱があったとしても、ウイックやリザーバー2bの温度上昇を防止もしくは抑制することができる。
これに対して熱負荷が小さい場合は、図1および図2に示す例と同様の原理により、熱の輸送は、主としてヒートパイプ7によって行われる。また図3に示す例では、蒸発部2の全体に亘ってヒートパイプ7の一端部7aが熱伝達可能に接続されている。そのため、上述した熱負荷が小さい場合は、図2に示す例よりも、リザーバー2bの温度上昇を防止もしくは抑制することができる。
図4に、この発明に係る熱輸送装置のまた更に他の例を示してある。ここに示す例では、発熱源8に、受熱部2aが熱伝達可能に接続されるとともに、その発熱源8にヒートパイプ7の一端部7aが熱伝達可能に接続され、他端部7bが凝縮部3における蒸気管4側に熱伝達可能に接続されている。この図4に示す構成の熱輸送装置では、発熱源8の温度が上昇すると、その熱によってヒートパイプ7の蒸発部である一端部7aで作動流体が蒸発し、その蒸気が他端部7bに流動する。つまり、ヒートパイプ7が発熱源8の熱を直接、凝縮部3に熱輸送して発熱源8を直接冷却する。そして、上述した熱負荷が大きい場合は、受熱部2aで蒸気化した作動流体は、受熱部2aと凝縮部3との温度差および圧力差によって凝縮部3に向けて蒸気管4を流動する。その後、凝縮部3で放熱して凝縮し、液戻り管5を介してリザーバー2bに還流される。このように熱負荷が大きい場合は、ループ型ヒートパイプ1とヒートパイプ7とによって熱が輸送される。
これに対して熱負荷が小さい場合は、図4に示す例では、ヒートパイプ7が直接、発熱源8を冷却するため、主としてヒートパイプ7が熱輸送を行う。その結果、ループ型ヒートパイプ1の受熱部2aに伝達される熱量が少なくなり、ループ型ヒートパイプ1が作動しない、もしくは、作動しにくくなる。
したがって、この発明に係る上記の熱輸送装置によれば、ループ型ヒートパイプ1に、ヒートパイプ7を組み合わせることにより、上述した熱負荷が小さい場合における蒸発部2でのドライアウトを防止もしくは抑制することができる。つまり熱負荷が小さい場合であっても安定的に熱輸送を行うことができるので、装置全体としての熱抵抗を低減することができる。また、装置全体としての作動温度を低減するとともに、その熱輸送性能を向上させることができる。
なお、ヒートパイプ7の作動流体としてアルコールやアンモニアを使用してヒートパイプ7が作動する温度範囲を低温側に設定することにより、上述した熱負荷が大きい場合には、ヒートパイプ7でドライアウトを生じさせてヒートパイプ7による熱輸送を停止するように構成してもよい。このように構成すれば、熱負荷が小さい場合にはヒートパイプ7のみによって熱輸送を行い、熱負荷が大きい場合にはループ型ヒートパイプ1のみによって熱輸送を行い、熱負荷がこれらの間である場合にはヒートパイプ7とループ型ヒートパイプ1とによって熱輸送を行うことが可能になる。なおまた、蒸発部2と凝縮部3との間を、直列に連結した複数のヒートパイプによって熱伝達可能に接続してもよい。このように構成すれば、蒸発部2と凝縮部3との間隔が広い場合であっても、上述した熱輸送を行うことが可能になる。
1…ループ型ヒートパイプ、 2…蒸発部、 3…凝縮部、 4…蒸気管、 5…液戻り管、 7…ヒートパイプ、 7a…ヒートパイプの一端部(蒸発部)、 7b…ヒートパイプの他端部(凝縮部)。

Claims (3)

  1. 発熱源から熱が伝達される蒸発部と外部に放熱する凝縮部とが、蒸気管と液戻り管とによって循環路を形成するように連通されかつその循環路の内部に加熱されて蒸発し放熱して凝縮する作動流体を封入して構成されたループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置において、
    気密状態に密閉されたパイプ状のコンテナの内部に前記作動流体を封入して構成されたヒートパイプを有し、
    前記蒸発部と前記発熱源とのいずれか一方に前記ヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続されており、前記凝縮部に前記ヒートパイプの他端部が熱伝達可能に接続されている
    ことを特徴とするループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置。
  2. 前記蒸発部は、前記蒸気管に連通すると共に前記発熱部から熱が伝達される受熱部と、前記液戻り管に連通すると共に前記受熱部に供給する液相の前記作動流体を貯留するリザーバーとを備え、
    前記リザーバーのみに前記ヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続されており、前記凝縮部における前記液戻り管側に前記ヒートパイプの他端部が熱伝達可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置。
  3. 前記蒸発部は、前記蒸気管に連通すると共に前記発熱部から熱が伝達される受熱部と、前記液戻り管に連通すると共に前記受熱部に供給する液相の前記作動流体を貯留するリザーバーとを備え、
    前記受熱部のみに前記ヒートパイプの一端部が熱伝達可能に接続されており、前記凝縮部における前記蒸気管側に前記ヒートパイプの他端部が熱伝達可能に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置。
JP2013207859A 2013-10-03 2013-10-03 ループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置 Pending JP2015072083A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013207859A JP2015072083A (ja) 2013-10-03 2013-10-03 ループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013207859A JP2015072083A (ja) 2013-10-03 2013-10-03 ループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015072083A true JP2015072083A (ja) 2015-04-16

Family

ID=53014575

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013207859A Pending JP2015072083A (ja) 2013-10-03 2013-10-03 ループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015072083A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108253830A (zh) * 2018-01-30 2018-07-06 中国科学院理化技术研究所 具有辅助输液管路的回路热管
KR20190082000A (ko) * 2017-12-29 2019-07-09 창신대학교 산학협력단 바이패스 루프를 갖는 히트 파이프
WO2022259605A1 (ja) * 2021-06-11 2022-12-15 株式会社フジクラ 給電ケーブルおよびコネクタ付き給電ケーブル

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190082000A (ko) * 2017-12-29 2019-07-09 창신대학교 산학협력단 바이패스 루프를 갖는 히트 파이프
KR102034778B1 (ko) * 2017-12-29 2019-10-21 창신대학교 산학협력단 바이패스 루프를 갖는 히트 파이프
CN108253830A (zh) * 2018-01-30 2018-07-06 中国科学院理化技术研究所 具有辅助输液管路的回路热管
CN108253830B (zh) * 2018-01-30 2023-11-14 中国科学院理化技术研究所 具有辅助输液管路的回路热管
WO2022259605A1 (ja) * 2021-06-11 2022-12-15 株式会社フジクラ 給電ケーブルおよびコネクタ付き給電ケーブル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7369410B2 (en) Apparatuses for dissipating heat from semiconductor devices
JP4718350B2 (ja) 蒸発器及びこの蒸発器を使用したループ型ヒートパイプ
US20140318167A1 (en) Evaporator, cooling device, and electronic apparatus
US20190154353A1 (en) Heat pipe having a wick with a hybrid profile
JP5061911B2 (ja) ループ型ヒートパイプおよび電子機器
TWI736910B (zh) 具有可變導熱率熱管之熱管理
WO2014157147A1 (ja) 冷却装置
US7007746B2 (en) Circulative cooling apparatus
JP2015132399A (ja) ベーパーチャンバー
JP2012132661A (ja) 冷却装置及び電子装置
JP5589666B2 (ja) 半導体装置
JP2004245550A (ja) 還流特性に優れたヒートパイプ
JP5370074B2 (ja) ループ型ヒートパイプ及びこれを備えた電子機器
JP5471119B2 (ja) ループ型ヒートパイプ、電子装置
JP4718349B2 (ja) 蒸発器及びこの蒸発器を使用したループ型ヒートパイプ
JP2015072083A (ja) ループ型ヒートパイプを備えた熱輸送装置
JP2007107784A (ja) ループ型ヒートパイプ
JP5664107B2 (ja) ループ型ヒートパイプ及びそのようなループ型ヒートパイプを備えた電子機器
JP2007115917A (ja) 熱分散プレート
JP5786132B2 (ja) 電気自動車
JP5321716B2 (ja) ループ型ヒートパイプおよび電子機器
JP2006295021A (ja) 電力機器
JP7444704B2 (ja) 伝熱部材および伝熱部材を有する冷却デバイス
JP2008244320A (ja) 冷却装置
KR102219184B1 (ko) 3차원 환상형 히트싱크