JP2003171641A - 二液分別塗布型ウレタン系接着剤 - Google Patents

二液分別塗布型ウレタン系接着剤

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JP2003171641A
JP2003171641A JP2001370335A JP2001370335A JP2003171641A JP 2003171641 A JP2003171641 A JP 2003171641A JP 2001370335 A JP2001370335 A JP 2001370335A JP 2001370335 A JP2001370335 A JP 2001370335A JP 2003171641 A JP2003171641 A JP 2003171641A
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adherend
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Yukio Tanaka
幸雄 田中
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速硬化性であって初期接着力の発現が速く、
かつ、硬化後は優れた弾性、接着強度、耐熱性、耐寒性
等を発現する二液分別塗布型ウレタン系接着剤を提供す
る。 【解決手段】 A剤とB剤とから構成され、一方の被着
体に塗布されたA剤と他方の被着体に塗布されたB剤と
が接触した時に硬化反応を開始する二液分別塗布型接着
剤であって、上記A剤は、分子両末端にイソシアネート
基を有する化合物を主成分としてなる常温で液状の無溶
剤型A剤であり、上記B剤は、分子両末端にアミノ基を
有する化合物、分子内に3級アミンを有する化合物およ
び粘着性付与樹脂を含有してなる常温で液状の無溶剤型
B剤であることを特徴とする二液分別塗布型ウレタン系
接着剤、および、粘着性付与樹脂が、テルペン系樹脂お
よび/または脂肪族石油樹脂であることを特徴とする上
記二液分別塗布型ウレタン系接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二液分別塗布型ウ
レタン系接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にハネムーン型接着剤と呼ばれる二
液分別塗布型接着剤は、2種類の薬剤(A剤およびB
剤)から構成され、A剤を一方の被着体に塗布し、B剤
を他方の被着体に塗布して、両被着体を貼り合わせる際
に、A剤とB剤とが接触することにより硬化反応の開始
および進行が起こる接着剤である。
【0003】このような二液分別塗布型接着剤として
は、例えば、シアノアクリレートを主成分とするA剤と
金属塩化物(硬化促進剤)を含有するB剤とから構成さ
れるシアノアクリレート系接着剤や、アクリル系モノマ
ー、オリゴマー、ポリマー等を主成分とし、ラジカル重
合開始剤を含有するA剤とレドックス重合触媒を含有す
るB剤とから構成されるアクリル系接着剤(SGA)等
が挙げられる。しかし、これらの接着剤は、硬化物が概
して脆いため、歪みがかかりやすい部分の接着には不適
当であるという欠点がある。
【0004】通常、例えば外壁パネルと下地材や金属留
め具等との接着などのように高温環境や振動等により被
着体同士の接着面が動き、接着剤に歪みがかかる部分の
接着には、いわゆる弾性接着剤が用いられている。
【0005】ところが、弾性接着剤として汎用されてい
るウレタン系接着剤や変成シリコーン系接着剤等は、湿
気硬化型接着剤であるため硬化に時間がかかり、二液分
別塗布型接着剤のような速硬化性を得られないという問
題点がある。
【0006】上記問題点に対応するため、例えば、特許
第2911991号公報には、(イ)反応性珪素基を有
し、分子鎖が実質的に(i)炭素数1〜8のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単
位と(ii)炭素数10以上のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とからなる
共重合体、(ロ)反応性珪素基を有するオキシアルキレ
ン重合体からなる湿気硬化型接着剤を被着体に塗布し、
タックを発現するまで所定時間放置した(オープンタイ
ムをとった)後、タックレンジの範囲内で被着体を貼り
合わせることを特徴とするコンタクト型接着方法が開示
されている。
【0007】しかし、上記公報に開示されている接着方
法は、二液分別塗布型接着方法ではなく、あくまでコン
タクト型接着方法であって、塗布後に長いオープンタイ
ムをとる必要があるため、塗布から初期接着力発現まで
の実質的な時間短縮を図ることはできず、上記問題点を
十分に解決するものとは言えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、速硬化性であって初期接着力の発現が速
く、かつ、硬化後は優れた弾性、接着強度、耐熱性、耐
寒性等を発現する二液分別塗布型ウレタン系接着剤を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の二液分別塗布型
ウレタン系接着剤は、A剤とB剤とから構成され、一方
の被着体に塗布されたA剤と他方の被着体に塗布された
B剤とが接触した時に硬化反応を開始する二液分別塗布
型接着剤であって、上記A剤は、分子両末端にイソシア
ネート基を有する化合物を主成分としてなる常温で液状
の無溶剤型A剤であり、上記B剤は、分子両末端にアミ
ノ基を有する化合物、分子内に3級アミンを有する化合
物および粘着性付与樹脂を含有してなる常温で液状の無
溶剤型B剤であることを特徴とする。
【0010】本発明の二液分別塗布型ウレタン系接着剤
(以下、単に「接着剤」と略記する)は、A剤とB剤と
の二液から構成され、一方の被着体にA剤を塗布し、他
方の被着体にB剤を塗布して、両被着体を貼り合わせる
ことにより、A剤とB剤とが接触し、その時点から硬化
反応を開始し、速やかに硬化が進行するものであるとと
もに、通常の二液混合型接着剤のような二液の混合が不
要であり、従って二液混合後の可使時間(ポットライ
フ)を懸念する必要がなく、溶剤の乾燥も不要であるの
で、作業性にも優れるものである。
【0011】本発明の接着剤を構成するA剤の主成分と
して用いられる分子両末端にイソシアネート基を有する
化合物としては、本発明の接着剤を構成するB剤中に含
有される後述の分子両末端にアミノ基を有する化合物お
よび後述の分子内に3級アミンを有する化合物と接触し
た時に速やかに硬化反応を開始しうるものであれば如何
なる化合物であっても良く、特に限定されるものではな
いが、例えば、各種ポリイソシアネート化合物と各種ポ
リオールとの縮合反応により得られるいわゆるウレタン
プレポリマーが挙げられ、好適に用いられるが、なかで
も、ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオー
ルとの縮合反応により得られるウレタンプレポリマーが
より好適に用いられる。これらの分子両末端にイソシア
ネート基を有する化合物は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0012】上記ポリイソシアネート化合物としては、
特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂
肪族ポリイソシアネート化合物;水添ジフェニルメタン
ジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートなど
の脂環族ポリイソシアネート化合物;トリレンジイソシ
アネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)、キシリレンジイソシアネート、ナフタレ
ンジイソシアネート、ポリフェニレンポリイソシアネー
トなどの芳香族ポリイソシアネート化合物;MDIと例
えばポリフェニレンポリイソシアネートとの混合物のよ
うな粗製MDI(クルードMDI)などの粗製ポリイソ
シアネート化合物;これらポリイソシアネート化合物の
例えば3量体などの多量化ポリイソシアネート化合物等
が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも、ポリオー
ルとの反応性に優れることから、MDI、粗製MDI、
TDI等の芳香族ポリイソシアネート化合物がより好適
に用いられる。これらのポリイソシアネート化合物は、
単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても
良い。
【0013】また、上記ポリオールとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、ポリマーポリオールなどの各種ポリオールや、上
記各種ポリオールを例えばひまし油(水酸基含有不乾性
油)で変性したひまし油変性ポリオールなどの変性ポリ
オール等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも、
上記ポリイソシアネート化合物との反応性に優れること
から、ポリエーテルポリオールがより好適に用いられ
る。これらのポリオールは、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0014】上記ポリエーテルポリオールとしては、特
に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等や、これら
のそれぞれのモノマーのランダム共重合体やブロック共
重合体等が挙げられる。上記共重合体の具体例として
は、特に限定されるものではないが、例えば、テトラヒ
ドロフラン(THF)とエチレンオキサイド(EO)と
のランダム共重合体等が挙げられる。
【0015】上記ポリエーテルポリオールのなかでも、
ポリイソシアネート化合物との反応性に優れることか
ら、例えばポリエチレングリコールやポリテトラメチレ
ングリコールなどのように分子内に側鎖を有していない
ものの方が好適に用いられる。これらのポリエーテルポ
リオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。また、これらのポリエーテルポリオ
ールは、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリマーポリオール等と併用されても良い。
【0016】前記ポリイソシアネート化合物、好ましく
は芳香族ポリイソシアネート化合物と上記ポリオール、
好ましくはポリエーテルポリオールとを、常法により縮
合反応させることにより、A剤の主成分として好適に用
いられるウレタンプレポリマーを得ることができる。
【0017】本発明の接着剤を構成するB剤に含有され
る分子両末端にアミノ基を有する化合物としては、A剤
の主成分として用いられる前述の分子両末端にイソシア
ネート基を有する化合物、好ましくは上記ウレタンプレ
ポリマーと接触した時にこれらを速やかに硬化させうる
ものであれば如何なる化合物であっても良く、特に限定
されるものではないが、例えば、脂肪族アミン、脂環族
アミン、芳香族アミン、ポリアミドアミン等が挙げら
れ、好適に用いられるが、なかでも、分子両末端にイソ
シアネート基を有する化合物、好ましくはウレタンプレ
ポリマーとの反応性に優れることから、脂肪族アミンが
より好適に用いられる。これらの分子両末端にアミノ基
を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類
以上が併用されても良い。
【0018】上記分子両末端にアミノ基を有する化合物
は、特に限定されるものではないが、1級アミンである
ことが好ましい。分子両末端にアミノ基を有する化合物
が2級アミンもしくは3級アミンであると、A剤の主成
分として用いられる分子両末端にイソシアネート基を有
する化合物、好ましくはウレタンプレポリマーの硬化反
応の進行が遅くなることがある。また、上記分子両末端
にアミノ基を有する化合物は、特に限定されるものでは
ないが、ジアミンであることが好ましい。分子両末端に
アミノ基を有する化合物がトリアミン以上のポリアミン
であると、A剤の主成分として用いられる分子両末端に
イソシアネート基を有する化合物、好ましくはウレタン
プレポリマーの硬化反応の進行が遅くなることがある。
【0019】上記分子両末端にアミノ基を有する化合物
の主鎖は、特に限定されるものではないが、オキシアル
キレン鎖およびオキシアルキレンの共重合体鎖であるこ
とが好ましく、なかでも、A剤の主成分として用いられ
る分子両末端にイソシアネート基を有する化合物、好ま
しくはウレタンプレポリマーとの反応性に優れることか
ら、例えばオキシエチレン鎖、オキシテトラメチレン
鎖、オキシエチレンとオキシテトラメチレンとの共重合
体鎖などのように分子内に側鎖を有していないものの方
がより好ましい。
【0020】即ち、本発明の接着剤を構成するB剤に含
有される分子両末端にアミノ基を有する化合物は、オキ
シエチレン鎖、オキシテトラメチレン鎖、オキシエチレ
ンとオキシテトラメチレンとの共重合体鎖等を主鎖とす
る脂肪族1級ジアミンであることが好ましい。
【0021】本発明の接着剤を構成するB剤に含有され
る分子内に3級アミンを有する化合物としては、特に限
定されるものではないが、例えば、脂肪族3級アミン、
脂環族3級アミン、芳香族3級アミン、分子内に3級ア
ミンを有するポリオール等が挙げられ、好適に用いられ
る。上記3級アミンは、モノアミンであっても良いし、
ジアミン以上のポリアミンであっても良い。また、これ
らの分子内に3級アミンを有する化合物は、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0022】上記分子内に3級アミンを有する化合物
は、いわゆる硬化促進剤として機能し、A剤の主成分と
して用いられる分子両末端にイソシアネート基を有する
化合物、好ましくはウレタンプレポリマーの硬化反応を
より速やかなものとすることに寄与するとともに、得ら
れる接着剤硬化物の粘弾性物性の向上に寄与する。
【0023】B剤中における上記分子内に3級アミンを
有する化合物の含有量は、特に限定されるものではない
が、前記分子両末端にアミノ基を有する化合物100重
量部に対して、分子内に3級アミンを有する化合物10
〜300重量部であることが好ましく、より好ましくは
50〜250重量部である。分子両末端にアミノ基を有
する化合物100重量部に対する分子内に3級アミンを
有する化合物の含有量が10重量部未満であると、分子
内に3級アミンを有する化合物を含有させることによる
上記効果を十分に得られないことがあり、逆に分子両末
端にアミノ基を有する化合物100重量部に対する分子
内に3級アミンを有する化合物の含有量が300重量部
を超えると、得られる接着剤硬化物の粘弾性物性が却っ
て低下することがある。
【0024】本発明の接着剤を構成するB剤に含有され
る粘着性付与樹脂としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テル
ペンフェノール樹脂などのテルペン系樹脂、ロジン、重
合ロジン、不均化ロジン、ロジンエステル、これらの水
素添加物などのロジン系樹脂、脂肪族石油樹脂、芳香族
石油樹脂等が挙げられ、好適に用いられるが、なかで
も、接着剤層の深部硬化性に優れることから、テルペン
系樹脂や脂肪族石油樹脂がより好適に用いられる。これ
らの粘着性付与樹脂は、単独で用いられても良いし、2
種類以上が併用されても良い。また、上記テルペン系樹
脂および脂肪族石油樹脂は、それぞれ単独で用いられて
も良いし、両者が併用されても良い。
【0025】上記粘着性付与樹脂の軟化点は、特に限定
されるものではないが、環球式軟化点で90〜150℃
であるものが好ましい。
【0026】上記粘着性付与樹脂は、A剤の主成分とし
て用いられる分子両末端にイソシアネート基を有する化
合物、好ましくはウレタンプレポリマーの硬化反応や接
着剤層の深部硬化速度をより速やかなものとすることに
寄与するとともに、被着体に対する接着剤の初期密着性
や恒久接着力の向上に寄与する。
【0027】B剤中における上記粘着性付与樹脂の含有
量は、特に限定されるものではないが、前記分子両末端
にアミノ基を有する化合物100重量部に対して、粘着
性付与樹脂5〜300重量部であることが好ましく、よ
り好ましくは20〜200重量部である。分子両末端に
アミノ基を有する化合物100重量部に対する粘着性付
与樹脂の含有量が5重量部未満であると、粘着性付与樹
脂を含有させることによる上記効果を十分に得られない
ことがあり、逆に分子両末端にアミノ基を有する化合物
100重量部に対する粘着性付与樹脂の含有量が300
重量部を超えると、得られる接着剤硬化物の高温下にお
ける耐熱性や低温下における耐寒性が不十分となること
がある。
【0028】本発明の接着剤を構成するA剤およびB剤
は、常温で液状であり、かつ、無溶剤型である。
【0029】上記A剤および/またはB剤は、常温にお
ける塗布作業を容易にするために、例えば軟化剤や可塑
剤などの溶剤以外の希釈剤で希釈され、粘度調整がされ
ていても良い。また、上記希釈剤としては、前記分子両
末端にイソシアネート基を有する化合物および/または
前記分子両末端にアミノ基を有する化合物、前記分子内
に3級アミンを有する化合物、上記粘着性付与樹脂等と
の反応性を有していないものを選択して用いることが好
ましい。
【0030】また、上記A剤および/またはB剤には、
それぞれの必須成分以外に、本発明の課題達成を阻害し
ない範囲で必要に応じて、例えば、被着体に対する初期
密着性や恒久接着力を向上させるための前記粘着性付与
樹脂以外の熱可塑性樹脂や、充填剤、揺変性付与剤、脱
水剤、カップリング剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱
安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、帯
電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種類もしくは2種
類以上が添加されていても良い。また、これらの添加剤
としては、前記分子両末端にイソシアネート基を有する
化合物および/または前記分子両末端にアミノ基を有す
る化合物、前記分子内に3級アミンを有する化合物、前
記粘着性付与樹脂等との反応性を有していないものを選
択して用いることが好ましい。
【0031】本発明の接着剤を構成するA剤およびB剤
の製造方法は、特別なものではなく、例えば、回転攪拌
機、万能ミキサー、ニーダー等の通常の攪拌混合機を用
いて、常温下もしくは加熱下で、必要なら窒素ガスのよ
うな不活性ガス雰囲気下や減圧脱水雰囲気下において、
A剤またはB剤に含有させる各成分の各所定量を均一に
混合することにより、A剤およびB剤を個別に製造すれ
ば良い。
【0032】また、A剤の主成分としてウレタンプレポ
リマーを用いる場合には、通常の反応器を用いて、前記
ポリイソシアネート化合物と前記ポリオールとを常法に
より反応させてウレタンプレポリマーを合成し、このウ
レタンプレポリマーを単独でA剤としても良いし、この
ウレタンプレポリマーとA剤に含有させる他の成分とを
上記方法により均一に混合してA剤としても良い。
【0033】本発明の接着剤の使用方法は、特別なもの
ではなく、例えば、ロールコーター、スプレー塗布機、
ハンドガン等の通常の塗布機を用いて、A剤を一方の被
着体の所定の面に塗布し、B剤を他方の被着体の所定の
面に塗布した後に、両被着体の塗布面を貼り合わせて、
A剤とB剤とを接触させ、必要なら冷プレスや加熱プレ
ス等で圧締して、接着剤を常温硬化または必要なら加熱
硬化させることにより、所望の接合体を得ることができ
る。上記塗布時における塗布パターンは、特に限定され
るものではなく、例えば、被着体の所定の面に対する全
面塗布であっても良いし、ビード状、スパイラル状、ド
ット状等の部分塗布であっても良い。また、A剤および
B剤は無溶剤型であって溶剤の乾燥を行う必要がないの
で、A剤を一方の被着体に塗布し、B剤を他方の被着体
に塗布した後に、直ちに両被着体の塗布面を貼り合わせ
て、A剤とB剤とを接触させても良い。
【0034】本発明の接着剤は二液分別塗布型接着剤で
あるが、A剤とB剤との硬化反応の開始および進行が比
較的遅い組成となされていて、A剤とB剤とを混合して
も、混合後の可使時間(ポットライフ)に余裕がある場
合には、二液混合型接着剤として用いられても良い。
【0035】
【作用】本発明の接着剤は、分子両末端にイソシアネー
ト基を有する化合物、好ましくはポリイソシアネート化
合物とポリエーテルポリオールとの縮合反応により得ら
れるウレタンプレポリマーを主成分としてなる常温で液
状の無溶剤型のA剤と、分子両末端にアミノ基を有する
化合物、好ましくはオキシエチレン鎖、オキシテトラメ
チレン鎖、オキシエチレンとオキシテトラメチレンとの
共重合体鎖等を主鎖とする脂肪族1級ジアミン、分子内
に3級アミンを有する化合物および粘着性付与樹脂、好
ましくはテルペン系樹脂や脂肪族石油樹脂を含有してな
る常温で液状の無溶剤型のB剤とから構成され、上記A
剤とB剤とを混合することなく、A剤を一方の被着体
に、B剤を他方の被着体に分別塗布するので、二液混合
型接着剤のように可使時間(ポットライフ)に制約され
ることがなく、また、溶剤の乾燥も不要であり、作業性
に優れる。
【0036】また、本発明の接着剤は、上記A剤が塗布
された被着体と上記B剤が塗布された被着体との塗布面
同士を貼り合わせ、A剤とB剤とを接触させることによ
り、直ちに硬化反応を開始するので、初期接着力の発現
が速く、かつ、最終的に硬化した後は優れた弾性、接着
強度、耐熱性、耐寒性等を発現する。
【0037】さらに、本発明の接着剤は、湿気硬化型で
はないので、非透湿性の大面積の被着体同士を接着する
場合でも、被着体の端部から中央部まで、また、接着剤
層の表層部から深部まで均一に硬化し、優れた接着強度
を発現する。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0039】1.ウレタンプレポリマーの合成 A剤用として、セパラブルフラスコ中に、ポリオールと
してTHFとEOとの共重合体{THF/EO=7/3
(モル比)、分子量:2000、水酸基価:54.7}
100重量部を投入し、130℃で加熱溶融し、93.
3kPaに減圧して1時間脱水した。次いで、この溶融
物を80℃まで冷却した後、ポリイソシアネート化合物
としてMDI(商品名「スミジュール44S」、イソシ
アネート基含有量:33.5重量%、住化バイエルウレ
タン社製)37重量部を添加し、窒素ガス気流下、80
℃を保ちながら3時間反応させて、NCO/OH=3.
0(モル比)で反応させた常温で液状のウレタンプレポ
リマーを合成した。
【0040】2.分子両末端にアミノ基を有する化合物
および分子内に3級アミンを有する化合物の準備 B剤用として、下記2種類の分子両末端にアミノ基を有
する化合物(脂肪族1級ジアミン)および下記1種類の
分子内に3級アミンを有する化合物(芳香族3級モノア
ミン)を準備した。
【0041】下記構造式(1)で表される脂肪族1級
ジアミン(商品名「ダイトクラールJ−5030」、大
都産業社製)
【化1】 下記構造式(2)で表される脂肪族1級ジアミン(商
品名「XTJ−512」、サンテクノケミカル社製)
【化2】 (式中、nは1〜4の正の整数を示す) 下記構造式(3)で表される芳香族3級モノアミン
(商品名「BDMA」、サンテクノケミカル社製)
【化3】
【0042】3.粘着性付与樹脂の準備 B剤用として、下記6種類の粘着性付与樹脂を準備し
た。
【0043】テルペン系樹脂(商品名「YP−90
L」、ヤスハラケミカル社製) 脂肪族石油樹脂(商品名「アイマーブP−70」、出
光石油社製) 脂肪族石油樹脂(商品名「アイマーブP−100」、
出光石油社製) 脂肪族石油樹脂(商品名「アイマーブP−140」、
出光石油社製) ロジン系樹脂(商品名「スーパーエステルA−11
5」、荒川化学工業社製) 芳香族石油樹脂(商品名「FTR−6100」、三井
化学社製)
【0044】(実施例1〜実施例9)および(比較例1
および比較例2)表1に示す組成でそれぞれのA剤およ
びB剤を調製し、接着剤を作製した。
【0045】実施例1〜実施例9、および、比較例1お
よび比較例2で得られた接着剤の性能(硬化反応の進行
性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すと
おりであった。
【0046】硬化反応の進行性:内容積10mlのサン
プル瓶に予めA剤5mlを入れておき、その上にB剤5
mlをゆっくりと注ぎ、注ぎ終わった直後から10分後
にA剤とB剤との境界に生成した硬化皮膜の厚み(m
m)を測定した。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜実施例9の接着剤は、いずれも硬化反応の進行
が速かった。これに対し、B剤に粘着性付与樹脂を含有
させなかった比較例1および比較例2の接着剤は、いず
れも硬化反応の進行が遅かった。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の二液分別塗
布型ウレタン系接着剤は、速硬化性であって初期接着力
の発現が速く、かつ、硬化後は優れた弾性、接着強度、
耐熱性、耐寒性等を発現するとともに、二液混合型接着
剤のように二液混合後の可使時間(ポットライフ)に制
約されることがなく、溶剤の乾燥も不要であって、作業
性にも優れるので、例えば外壁パネルと下地材や金属留
め具等との接着などのように高温環境や振動等により被
着体同士の接着面が動き、接着剤に歪みがかかる部分の
接着用や、非透湿性の大面積の被着体同士の接着用等の
弾性接着剤として好適に用いられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A剤とB剤とから構成され、一方の被着
    体に塗布されたA剤と他方の被着体に塗布されたB剤と
    が接触した時に硬化反応を開始する二液分別塗布型接着
    剤であって、上記A剤は、分子両末端にイソシアネート
    基を有する化合物を主成分としてなる常温で液状の無溶
    剤型A剤であり、上記B剤は、分子両末端にアミノ基を
    有する化合物、分子内に3級アミンを有する化合物およ
    び粘着性付与樹脂を含有してなる常温で液状の無溶剤型
    B剤であることを特徴とする二液分別塗布型ウレタン系
    接着剤。
  2. 【請求項2】 粘着性付与樹脂が、テルペン系樹脂およ
    び/または脂肪族石油樹脂であることを特徴とする請求
    項1に記載の二液分別塗布型ウレタン系接着剤。
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