JP2003171264A - マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents

マイクロカプセル及びその製造方法

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JP2003171264A
JP2003171264A JP2001374808A JP2001374808A JP2003171264A JP 2003171264 A JP2003171264 A JP 2003171264A JP 2001374808 A JP2001374808 A JP 2001374808A JP 2001374808 A JP2001374808 A JP 2001374808A JP 2003171264 A JP2003171264 A JP 2003171264A
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emulsion
soluble
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salt compound
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JP2001374808A
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Tadayoshi Omura
忠義 大村
Jun Sekino
順 関野
Junya Okazaki
純也 岡崎
Keisuke Takeyama
敬祐 武山
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Taiyo Pharmaceutical Industry Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Pharmaceutical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増粘物質を使用することなく、また、原材料
の調製や、製剤化の過程が煩雑とならず、しかも主薬封
入率が高く、十分な徐放性を示す徐放型マイクロカプセ
ル剤を製造するための方法を提供すること。 【解決手段】 水溶性薬物を含む溶液を内水相、高分子
重合物を含む溶液を油相としてW/O型乳化物を調製
し、該乳化物を外水相に分散させてW/O/W型乳化物
を調製した後、これを液中乾燥法に付して水溶性薬物の
徐放性マイクロカプセルを製造する方法において、W/
O/W型乳化物の調製以降に使用される水相に水溶性金
属塩化合物を添加することを特徴とするマイクロカプセ
ルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性薬物のマイ
クロカプセルの製造法に関し、更に詳細には、水溶性薬
物の持続性製剤として有用な徐放型マイクロカプセルの
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬活性物質は、ある一定の血中濃度範
囲で薬効を発現するが、その濃度範囲を超えると毒性を
示し始め有害作用の危険性が大きくなる。従って、薬剤
は、医薬活性物質が上記血中濃度を超えないように投与
する必要があり、特に長期間に渡り薬物を投与する場合
には、有害作用の発現しない薬物血中濃度に制御するこ
とが重要となる。
【0003】特に、各種ビタミン、ホルモン、糖尿病治
療剤、高圧利尿剤、尿酸***促進剤等の生体恒常性を維
持するための薬剤は、長期間の投与が必要な場合が多
い。これらの長期投与の必要な医薬品には、薬理効果発
現機序により、a)薬理効果が体液中有効濃度に余り依
存せず、且つ過剰な薬理効果が生体にとって有害となら
ないものと、b)体液中有効濃度に依存して薬理効果が
現れ、且つ急激な薬理効果の発現や過剰な薬理効果の発
現が生体にとって有害であるために定期的に薬用量を調
整する必要があるものとが存在する。そして、特に、後
者のタイプの医薬品では、血中濃度を持続的に一定有効
濃度範囲に保つことが極めて重要であるため、持続性製
剤とする必要性が高い。
【0004】医薬品の分野において、持続性製剤を得る
ための手段は、幾つか知られているが、その一つとし
て、放出性を制御したマイクロカプセルの利用が挙げら
れる。例えば、特開昭57−118512号公報には、
鉱物油、植物油などのコアセルベーション剤を用いた相
分離法によるマイクロカプセル化が開示されている。
【0005】また、特開昭60−100516号公報及
び特開昭62−201816号公報には、内水相にゼラ
チン等の増粘物質を添加し、粘度を高くすることによっ
て、薬物保持率を向上させる水中乾燥法によるマイクロ
カプセルの調製法が開示されている。更に、特開平8−
217691号公報では、水溶性ペプチド性生理活性物
質の水不溶性又は水難溶性多価金属塩を利用するマイク
ロカプセルの調製法が、特開平8−3055号公報では
水溶性脂肪族カルボン酸金属塩と生体内分解性ポリマー
により予め生体内分解性マトリックスを作成しておき、
当該生体内分解性マトリックスに水溶性ポリペプチドを
水中で浸透させるマイクロカプセルの調製法が、特開平
10−7583号公報では予め金属塩とした生体内分解
性高分子重合物を利用したマイクロカプセルの調製法
が、特開平10−231252では予め酸化亜鉛体とし
た乳酸−グリコール酸共重合体(以下、PLGAと略記
することがある)に固体状態の生理活性物質を分散さる
ことによるマイクロカプセルの調製法が開示されてい
る。
【0006】更にまた、特開平8−169818号公報
では、乳酸とグリコール酸を原料として使用するPLG
Aにおいて原料であるモノマーを除去し、一定の値以下
にし当該PLGAを利用することを特徴とするマイクロ
カプセルが、特開平11−1443号公報には触媒を使
用せずに製造したPLGAを利用することを特徴とする
マイクロカプセルが開示されている。
【0007】しかしながら、上記した方法も未だ十分に
満足いくものといいうるものではなかった。例えば、マ
イクロカプセルに捕集される主薬の含量は仕込量に対し
て10%前後であり(特開昭62−201816号公
報、実施例)、薬物やマイクロカプセル剤皮自体を加工
する必要があることや、マイクロカプセル剤皮原料の製
造方法が限定されるなど、原料調達が限定され、工程や
操作が煩雑となるなど、必ずしも経済的な方法と言い難
かった。また、増粘物質としてゼラチン等の抗原性に問
題を有する添加物を使用することは、臨床使用上望まし
いとはいえなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、増粘物質を使
用することなく、また、原材料の調製や、製剤化の過程
が煩雑とならず、しかも主薬封入率が高く、十分な徐放
性を示す徐放型マイクロカプセル剤を製造するための方
法の提供が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討した結果、W/O/W型乳化物を液中
乾燥法に付して水溶性薬物の徐放性マイクロカプセルを
製造する方法において、W/O/W型乳化物を作る段階
以降で使用する水相に水溶性金属塩化合物を添加すれ
ば、増粘物質の添加や、特段の原材料の調製を行うこと
なく、薬物の取り込みが十分で、しかも初期バーストの
少ない徐放型マイクロカプセルが得られることを見出し
た。また、この方法によれば、薬物の徐放性が改善され
ることも見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち本発明は、水溶性薬物を含む溶液
を内水相、高分子重合物を含む溶液を油相としてW/O
型乳化物を調製し、該乳化物を外水相に分散させてW/
O/W型乳化物を調製した後、これを液中乾燥法に付し
て水溶性薬物の徐放性マイクロカプセルを製造する方法
において、W/O/W型乳化物の調製以降に使用される
水相に水溶性金属塩化合物を添加することを特徴とする
マイクロカプセルの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を実施するには、まず、水
溶性薬物を含む溶液を内水相とし、高分子重合物を含む
溶液を外油相とするW/Oエマルションを調製すること
が必要である(一次乳化)。
【0012】本発明に用いられる水溶性薬物としては、
水溶性であれば特に限定されず、その例として、生理活
性を有するポリペプチド、各種ビタミン、ホルモン、糖
尿病治療剤、尿酸***促進剤、抗生物質、抗腫瘍剤、解
熱剤、鎮痛剤、消炎剤、鎮咳去痰剤、筋弛緩剤、抗てん
かん剤、抗潰瘍剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、強心
剤、不整脈用剤、血管拡張剤、降圧利尿剤、糖尿病治療
剤、抗凝血剤、止血剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬拮
抗剤等が挙げられる。
【0013】特にホルモン剤の中で、ゴナドトロピン放
出ホルモン(GnHR)亢進作用薬は、その薬効から本
発明で用いられる薬物として好ましい。これらには黄体
形成ホルモン放出ホルモンもしくは黄体形成ホルモン放
出ホルモンと同様な作用を有する誘導体が含まれ、その
具体例の一つとして酢酸リュープロレリンが挙げられ
る。
【0014】一方、外油相に含まれる高分子重合物は、
放出制御性物質として作用するものであり、生体適合性
を有し、水溶性薬物を持続的に放出可能な物質が挙げら
れる。又、乳化可能で親水基、親油基を有する物質で、
ポリマーもしくは低分子量の物質である場合にも製造過
程において重合する物質で皮膜構造の形成可能な物質が
望ましい。これらの例として、ポリ乳酸、或いは乳酸/
グリコール酸比率が100/0〜10/90の乳酸−グ
リコール酸のコポリマー、ヒアルロン酸もしくはその
塩、コンドロイチン硫酸もしくはその塩等のムコ多糖
類、界面重合可能なアミノ酸、ポリアスパラギン酸等の
ポリアミノ酸等が挙げられる。本発明においてこれらか
ら選ばれる一種ないし二種以上を使用することができ
る。
【0015】これらの水溶性薬物と高分子重合物を用い
てW/Oエマルションを調製するには、放出制御性物質
は適当な溶媒に溶解させた後、これに水溶性薬物を水性
溶媒に溶解した溶液を添加して撹拌・分散させればよ
い。
【0016】高分子重合物を溶解させるための溶媒は、
使用される放出制御性物質により相異するが、例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等
の溶媒が用いられる。このうち、より好ましい溶媒とし
ては、溶媒1ml当たり、放出制御性物質を0.01〜
10g程度溶解することができる溶媒が挙げられる。
【0017】また、水溶性薬物を溶解するための水性溶
媒としては、水性溶媒であれば特に限定はないが、精製
水、イオン交換水、注射用水等の水や、グリセリン、ポ
リエチレングリコール、プロピレングリコール等のアル
コール類が用いられ、これらのうち一種を単独で用いて
もよく、又、二種以上を混合して用いても良い。このう
ち、水と多価アルコールの混合溶液が好ましく、特に水
とポリエチレングリコールの組み合わせが好ましい。水
と多価アルコールの配合割合は使用する多価アルコール
によって適宜調整する必要があるが、水100重量部に
対して0.1〜200重量部が好ましく、1〜150重
量部がより好ましく、10〜100重量部が更に好まし
い。また、本発明に使用するポリエチレングリコールの
重合度に特に限定はないが、平均分子量が6,000未
満の物が好ましく、600未満のものがより好ましい。
【0018】このW/Oエマルションの撹拌・分散は、
使用する薬物、放出制御性物質に応じてその程度を調整
することができ、所望の粒子径のW/Oエマルションを
得る。この攪拌・分散の条件は、特に限定する必要はな
いが、例えば振盪器を用いた場合は、振盪1,000〜
3,000回/分で、10〜30分程度行えば良く、高
速攪拌器の場合には、1,500〜30,000rpm
程度で、10〜1,200秒程度行えば良い。なお、ゴ
ナドトロピン放出ホルモン亢進作用薬の場合には、その
作用様式から、充分に細かいW/Oエマルションを作成
する必要があり、一次乳化液が透明になるまで攪拌・分
散することが好ましい。また、一次乳化の際の液温は使
用する薬物、放出制御物質によって適宜調整されるが、
ゴナドトロピン放出ホルモン亢進作用薬の場合には、5
〜25℃が好ましい。
【0019】このようにして得られたW/Oエマルショ
ンは、次に外水相中に滴下され、W/O/Wエマルショ
ンが調製される(二次乳化)。
【0020】このW/O/Wエマルションから徐放型マ
イクロカプセルを得るには、当該エマルションの油相中
から溶媒を揮発させて固化させればよい。油相中からの
溶媒の揮発は、いわゆる液中乾燥法により行うことがで
き、W/O/Wエマルション溶液に水性溶媒を添加し
て、気流下の撹拌、減圧下の撹拌等を行えばよい(液中
乾燥)。
【0021】本発明においては、二次乳化もしくは液中
乾燥の際に使用する水相のうち、何れか一方もしくは双
方に水溶性金属塩化合物を添加することが重要である。
添加される水溶性金属塩化合物における金属分として
は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム
等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネ
シウム等)、遷移金属(例えば、鉄、銅、亜鉛等)が挙
げられる。そのうち、多価金属塩が好ましく、特にアル
カリ土類金属又は遷移金属が好ましく、さらに好ましく
は亜鉛である。
【0022】また、水溶性金属塩化合物のアニオン分と
しては、酢酸アニオン、塩化アニオン、硫酸アニオン等
が挙げられる。
【0023】W/O/W型乳化物の調製以降に使用され
る水相に添加される水溶性金属塩化合物の量は、マイク
ロカプセル化する水溶性医薬活性成分、マイクロカプセ
ル剤皮の種類および量等によって適宜調整する必要があ
るが、0.01〜30W/V%が好ましく、0.05〜1
0W/V%がより好ましく、0.1〜5W/V%が更に
好ましい。
【0024】水溶性金属塩化合物を二次乳化の際の水相
に添加する場合は、必要により乳化安定剤又は分散助剤
をそれぞれ単独か、もしくは組み合わせて添加すること
ができる。このうち、乳化安定剤としてはポリソルベー
ト等の界面活性剤、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、
ゼラチン等が挙げられ、このうち一種もしくは二種以上
を組み合わせて使用しても良い。また、分散助剤として
は、D−ソルビトール、マンニトール等の糖アルコー
ル、水溶性多糖類、アミノ酸等が挙げられ、これらのう
ちの一種もしくは二種以上を組み合わせて使用しても良
い。
【0025】これら乳化剤ないしは分散助剤の二次乳化
の際の水相中への添加量は、特に制限されるものではな
いが、0.01〜5W/V%程度とすることが好まし
い。
【0026】二次乳化の際の乳化撹拌は、1,500〜
30,000rpmで、10〜6,000秒行えばよ
く、より好ましくは3,000〜20,000rpm
で、30〜3,000秒である。
【0027】また、水溶性金属塩化合物を液中乾燥時の
水相に添加する場合は、液中乾燥を促進させるためのエ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、ポリビニルアルコール等の多価アルコールの一種も
しくは二種以上とを組み合わせて添加することができ
る。また、液中乾燥時の環境、操作条件として、減圧下
もしくは窒素気流下での攪拌等が挙げられる。
【0028】液中乾燥による固化の後、必要に応じて、
洗浄、乾燥させることにより本発明のマイクロカプセル
が得られる。この洗浄は、遠心分離等により固化した徐
放型マイクロカプセルを分散し、次いで、これを水相に
分散させることにより行われる。尚、ここで使用される
水相には、必要により賦形剤ともなるD−マンニトール
等の糖アルコールもしくは糖類を加えても良い。また、
洗浄された徐放型マイクロカプセルは、例えば、凍結乾
燥等の手段で乾燥させれば、固体の徐放型マイクロカプ
セルとして得ることができる。
【0029】以上のごとくして得られた徐放型マイクロ
カプセルは、外層に放出制御物質である高分子重合物を
含み、内層に水溶性薬物を含むものであるから水溶性薬
物は持続性をもって放出され、徐放効果が期待されるも
のである。
【0030】この徐放型マイクロカプセルは、液体中に
分散した液状のものであれば、点鼻剤、点眼液、坐剤、
注射液、液状経口投与剤等とすることができる。特に注
射液として使用する場合にはプレフィルドシリンジ剤形
とすることが好ましい。
【0031】また、乾燥し、固形化した物は、そのまま
でも例えば細粒剤、注射用製剤等として使用することが
できるが、更に種々の製剤、例えば、顆粒剤、カプセル
剤、錠剤、注射用製剤等を製造する場合の原料として使
用することができる。特に注射製剤として使用する場合
には、注射用の固形製剤と溶解液が同一シリンジ中に隔
離された状態で収納され、用時に注射液として調整でき
るダブルチャンバーシリンジ形態の剤形とすることが好
ましい。
【0032】
【発明の効果】かくして得られる徐放性マイクロカプセ
ルは薬物の封入率が向上し、初期バーストが少なく、優
れた徐放性を示す、経済的にも臨床使用的にも優れた徐
放性マイクロカプセルである。
【0033】
【実施例】以下実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例により何ら拘束されるもの
ではない。
【0034】実 施 例 1 乳酸・グリコール酸共重合体(3:1平均分子量15,
000/PLGA)870mgをジクロロメタン1.0
mlに溶解した液を調製した。この溶液に、酢酸リュー
プロレリン98.8mg、平均分子量400のポリエチ
レングリコール102mgを85mgの注射用水に溶解
した酢酸リュープロレリン水溶液を添加し、ボルテック
スミキサーを使用して透明になるまで撹拌・混合(振盪
2、000回/分、10分)してW/Oエマルションを
得た。
【0035】このW/Oエマルションを1W/V%のポ
リビニルアルコール水溶液3mlと共に撹拌・混合し
(10,000rpm;60秒)、W/O/Wエマルシ
ョンを得た。
【0036】これとは別に、酢酸亜鉛2.1g、ポリビ
ニルアルコール3.0gを注射用水300mlに溶解
し、この水溶液にW/O/Wエマルションを加え、プロ
ペラ撹拌機で撹拌し液中乾燥に付した(3時間)。
【0037】このようにして得られたマイクロカプセル
を200メッシュで篩過し、マイクロカプセルを分取
し、D−マンニトール86mgを添加して撹拌、混合の
後、凍結乾燥し、徐放性マイクロカプセルを粉末として
得た。
【0038】PLGAの仕込量に対するマイクロカプセ
ルの収率は78.7%であり、マイクロカプセルへの酢
酸リュープロレリンの封入率は102.5%であった。
【0039】実 施 例 2 乳酸・グリコール酸共重合体(3:1平均分子量15,
000/PLGA)870mgをジクロロメタン1.0
mlに溶解した液を調製した。この溶液に、酢酸リュー
プロレリン98.8mg、平均分子量400のポリエチ
レングリコール102mgを85mgの注射用水に溶解
した酢酸リュープロレリン水溶液を添加し、ボルテック
スミキサーを使用して透明になるまで撹拌・混合(振盪
2,000回/分、10分)してW/Oエマルションを
得た。
【0040】これとは別に、酢酸亜鉛0.9g、ポリビ
ニルアルコール3.0gを注射用水300mlに溶解
し、酢酸亜鉛含有の水溶液を作成した。この酢酸亜鉛含
有水溶液のうち3mlとW/Oエマルションを共に撹拌
・混合し(10,000rpm;60秒)、W/O/W
エマルションを得た。
【0041】残りの酢酸亜鉛水溶液にW/O/Wエマル
ションを加え、プロペラ撹拌機で撹拌し液中乾燥に付し
た(3時間)。
【0042】このようにして得られたマイクロカプセル
を200メッシュで篩過し、マイクロカプセルを分取
し、D−マンニトール86mgを添加して撹拌、混合の
後、凍結乾燥し、徐放性マイクロカプセルを粉末として
得た。
【0043】PLGAの仕込量に対するマイクロカプセ
ルの収率は70.7%であり、マイクロカプセルへの酢
酸リュープロレリンの封入率は99.7%であった。
【0044】比 較 例 乳酸・グリコール酸共重合体(3:1平均分子量15,
000/PLGA)870mgをジクロロメタン1.0
mlに溶解した液を調製した。この溶液に、酢酸リュー
プロレリン98.8mg、平均分子量400のポリエチ
レングリコール102mgを85mgの注射用水に溶解
した酢酸リュープロレリン水溶液を添加しボルテックス
ミキサーを使用して透明になるまで撹拌・混合(振盪
2,000回/分、10分)してW/Oエマルションを
得た。
【0045】これとは別に、ポリビニルアルコール3.
0gを注射用水300mlに溶解し、ポリビニルアルコ
ール含有の水溶液を作成した。このポリビニルアルコー
ル含有水溶液のうち3mlとW/Oエマルションを共に
撹拌・混合し(10,000rpm;60秒)、W/O
/Wエマルションを得た。
【0046】残りのポリビニルアルコール水溶液にW/
O/Wエマルションを加え、プロペラ撹拌機で撹拌し液
中乾燥に付した(3時間)。
【0047】このようにして得られたマイクロカプセル
を200メッシュで篩過し、マイクロカプセルを分取
し、D−マンニトール86mgを添加して撹拌、混合の
後、凍結乾燥し、比較マイクロカプセルを粉末として得
た。
【0048】PLGAの仕込量に対するマイクロカプセ
ルの収率は58.6%であり、マイクロカプセルへの酢
酸リュープロレリンへの封入率は58.2%であった。
【0049】試 験 例 実施例2により得られた酢酸リュープロレリンのマイク
ロカプセル(酢酸リュープロレリンとして3.75m
g)及び酢酸リュープロレリンマイクロカプセル注射の
市販製剤(リュープリン3.75mg)を以下の組成の
懸濁用液1mlに懸濁してラット10匹に酢酸リュープ
ロレリンとして0.9mgを皮下注で投与し、その後2
8日間の血清中濃度推移(採血ポイント:投与後3時
間、6時間、1、2、3、7、14、21、28日目)
を測定した。
【0050】懸濁用液 1ml中 D−マンニトール 50mg カルメロースナトリウム 5mg ポリソルベート80 1mg 注射用水 適量
【0051】ラットの血清中濃度測定の結果、実施例2
製剤は投与3時間後の平均血清中濃度は4.35ng/
mlであり、市販製剤の投与3時間後の平均血清中濃度
は9.13ng/mlであった。また、投与21日目お
よび28日目の平均血清中濃度は、実施例2製剤でそれ
ぞれ0.86ng/ml、0.49ng/mlであり、
市販製剤ではそれぞれ0.10ng/ml、0.24n
g/mlであった。
【0052】したがって、本発明のマイクロカプセル
は、市販製品よりも初期バーストが抑制され、持続性に
優れていた。
【0053】実 施 例 3 実施例2により得られた酢酸リュープロレリンマイクロ
カプセルの酢酸リュープロレリンとして3.75mg量
と試験例の懸濁用液1mlを、シリンジ内部にミドリス
トッパーが付いたダブルチャンバーシリンジにそれぞれ
隔離される状態で充填し、プレフィルドシリンジタイプ
の医薬製剤を得た。
【0054】実 施 例 4 酢酸リュープロレリンを塩酸ピリドキシンに代える以外
は実施例1と同様にして塩酸ピリドキシンのマイクロカ
プセルをえた。マイクロカプセルの収率及び主薬のマイ
クロカプセルへの封入率は実施例1と同様であった。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武山 敬祐 愛知県一宮市下沼町3−26−5 Fターム(参考) 4C076 AA67 BB11 CC24 CC30 EE24H FF32 GG30 4C084 AA03 BA44 DB09 MA38 MA66 NA12 ZC032 ZC242 4G005 AA01 AB15 AB25 BA12 BB01 DB22X DD27Y EA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性薬物を含む溶液を内水相、高分子
    重合物を含む溶液を油相としてW/O型乳化物を調製
    し、該乳化物を外水相に分散させてW/O/W型乳化物
    を調製した後、これを液中乾燥法に付して水溶性薬物の
    徐放性マイクロカプセルを製造する方法において、W/
    O/W型乳化物の調製以降に使用される水相に水溶性金
    属塩化合物を添加することを特徴とするマイクロカプセ
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性金属塩化合物を添加する水相が、
    W/O/W型乳化物を作る際の外水相である請求項1記
    載のマイクロカプセルの製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性金属塩化合物を添加する水相が、
    液中乾燥の際の水相である請求項1記載のマイクロカプ
    セルの製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性薬物がゴナドトロピン放出ホルモ
    ン(GnHR)亢進作用薬である請求項1乃至請求項3
    の何れかの項記載のマイクロカプセルの製造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性薬物が黄体形成ホルモン放出ホル
    モンもしくは黄体形成ホルモン放出ホルモンと同様の作
    用を有する誘導体である請求項4記載のマイクロカプセ
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 水溶性金属塩化合物がアルカリ土類金属
    もしくは遷移金属塩化合物である請求項1乃至請求項5
    の何れかの項記載のマイクロカプセルの製造方法。
  7. 【請求項7】 水溶性金属塩化合物が亜鉛塩化合物であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の何れか
    の項記載のマイクロカプセルの製造方法。
  8. 【請求項8】 高分子重合物がポリ乳酸または乳酸とグ
    リコール酸の共重合物である請求項1乃至請求項7の何
    れかの項記載のマイクロカプセルの製造方法。
  9. 【請求項9】 水溶性薬物を含む溶液を内水相、高分子
    重合物を含む溶液を油相としてW/O型乳化物を調製
    し、該乳化物を水溶性金属塩化合物を含有する外水相に
    分散させてW/O/W型乳化物を調製した後、これを液
    中乾燥法に付すことにより得られる水溶性薬物の徐放性
    マイクロカプセル。
  10. 【請求項10】 水溶性薬物を含む溶液を内水相、高分
    子重合物を含む溶液を油相としてW/O型乳化物を調製
    し、該乳化物を外水相に分散させてW/O/W型乳化物
    を調製した後、これを水溶性金属塩化合物を含有する水
    相を用いる液中乾燥法に付すことにより得られる水溶性
    薬物の徐放性マイクロカプセル。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の水溶性薬物
    の徐放性マイクロカプセルを含有する医薬品。
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