JP2003166124A - 難燃性ポリエステル系繊維及びそれを用いた人工毛髪 - Google Patents

難燃性ポリエステル系繊維及びそれを用いた人工毛髪

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステル系繊維が有する耐熱性、強伸度な
どの繊維物性は損なわずに、難燃性、ドリップ防止性、
セット性に優れた難燃性ポリエステル系繊維及びそれを
用いた人工毛髪を提供する。 【解決手段】ポリアルキレンテレフタレート又はポリア
ルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステ
ルの1種以上からなるポリエステル(A)85〜60重
量%とポリアリレート(B)15〜40重量%からなる
組成物に、非ハロゲン系難燃剤(C)を添加又は共重合
して得られる難燃性ポリエステル系繊維であって、好ま
しくは、200℃以上において、15%以上の最大熱収
縮率を有するポリエステル繊維により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリレート及
び非ハロゲン系難燃剤を含むポリエステル系組成物から
形成された難燃性ポリエステル系繊維及びそれを用いた
人工毛髪に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート又はポリエ
チレンテレフタレートを主体とするポリエステルからな
る繊維は、高融点、高弾性率で優れた耐熱性、耐薬品性
を有していることから、カーテン、敷物、衣料、毛布、
シーツ地、テーブルクロス、椅子張り地、壁装材、人工
毛髪、自動車内装資材、屋外用補強材、安全ネットなど
に広く使用されている。
【0003】かつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアー
バンド、ドールヘアーなどの頭髪製品においては、従
来、人毛、人工毛髪としてモダクリル、ポリ塩化ビニル
などが使用されてきた。人毛の提供は困難になってきて
おり、人工毛髪の重要性が高まってきている。人工毛髪
素材として、難燃性の特長を生かしてモダクリルが多く
使用されてきたが、耐熱温度の点では不十分であった。
近年になり、耐熱性に優れるポリエチレンテレフタレー
トに代表されるポリエステルを主成分とする繊維を用い
た人工毛髪繊維が提案されるようになってきた。しかし
ながら、ポリエチレンテレフタレートを代表とするポリ
エステル繊維は、可燃性素材であるため、難燃性が不十
分であった。
【0004】従来より、ポリエステル繊維の難燃性を向
上させようとする試みは種々なされており、一般的に
は、ポリエステル系繊維にハロゲン系難燃剤を単独ある
いはアンチモン化合物などと併用して添加することによ
り、難燃化する方法が知られている。例えば、特公平3
−57990号公報には、微粒子のハロゲン化シクロア
ルカン化合物をポリエステル繊維に含有させる方法、ま
た、特公平1−24913号公報には、臭素原子含有ア
ルキルシクロヘキサンを含有させる方法などが提案され
ている。しかし、ハロゲン系難燃剤においては、燃焼分
解時にダイオキシン系化合物を多量に発生する場合があ
り、環境問題上好ましくない。さらに、十分な難燃性を
得るために、含有処理温度を150℃以上の高温にする
ことが必要であったり、含有処理時間を長時間にする必
要があったり、又は大量の難燃剤を使用しなければなら
ないといった課題があり、繊維物性の低下や生産性の低
下、製造コストアップなどの問題があった。
【0005】一方、非ハロゲン系難燃剤であるリン系化
合物などを使用し、難燃化する方法として、ポリエステ
ル樹脂にリン原子を含有する難燃モノマーを共重合する
方法や、ポリエステル系繊維に難燃剤を含有させる方法
などがある。前者の難燃モノマーを共重合する方法とし
ては、例えば、特公昭55−41610号公報には、リ
ン原子が環員子となっていて熱安定性の良好なリン化合
物を共重合する方法、また、特公昭53−13479号
公報には、カルボキシホスフィン酸を共重合する方法、
特開平11−124732号公報には、ポリアリレート
を少量含むポリエステルにリン化合物を配合又は共重合
する方法が提案されている。
【0006】また、これらの難燃化技術を人工毛髪に適
用したものとしては、例えば、特開平3−27105号
公報、特開平5−339805号公報などに、リン化合
物を共重合したポリエステル繊維が提案されている。し
かしながら、人工毛髪には高い難燃性が要求されるた
め、これらの共重合ポリエステルを人工毛髪に使用する
ためにはリン系難燃剤の共重合量を多くしなければなら
ず、その結果、ポリエステルの耐熱性が大幅に低下し、
溶融紡糸が困難になったり、火炎が接近した場合、着火
し燃焼はしないものの、溶融しドリップするという重大
な問題が発生する。
【0007】以上のように、難燃性とセット性がともに
優れた人工毛髪はいまだ得られていないのが現状であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、通常
のポリエステル繊維の耐熱性、強伸度など繊維物性を維
持し、難燃性、セット性、そして特に耐ドリップ性に優
れた難燃性ポリエステル系繊維及びそれを用いた人工毛
髪を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、ポリエステ
ル、ポリアリレート、非ハロゲン系難燃剤を特定の比率
で混合した組成物を溶融紡糸し、難燃性と熱収縮性を持
たせることで、通常のポリエステル系繊維の物性を損な
うことなく、難燃性、耐ドリップ性、セット性を付与で
きることを見出し、本発明に到達した。
【0010】すなわち本発明のポリエステル系繊維は、
ポリアルキレンテレフタレート又はポリアルキレンテレ
フタレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上
からなるポリエステル(A)85〜60重量%とポリア
リレート(B)15〜40重量%からなる組成物に、非
ハロゲン系難燃剤(C)を添加または共重合させて得ら
れる難燃性ポリエステル系繊維に関する。
【0011】その好ましい実施態様としては、(A)成
分が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテ
レフタレート及びポリブチレンテレフタレートよりなる
群から選択された少なくとも1種のポリマーである上記
難燃性ポリエステル系繊維に関し、また(B)が、テレ
フタル酸又はその誘導体とイソフタル酸又はその誘導体
の混合物と、下記一般式(1):
【0012】
【化2】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10の炭化水
素基、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデ
ン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレ
ンジイソプロピリデン基または1,4−フェニレンジイ
ソプロピリデン基を示す。)で表されるビスフェノール
化合物とから得られるポリアリレートである上記難燃性
ポリエステル系繊維に関する。 また別の好ましい実施
態様としては、(C)成分が、リン系難燃剤、シリコン
化合物、ボロシロキサン化合物、含窒素化合物、低融点
ガラスで表される非ハロゲン系難燃剤よりなる群から選
択された少なくとも一種の化合物である上記難燃性ポリ
エステル系繊維に関する。
【0013】更に別の好ましい実施態様としては、上記
難燃性ポリエステル系繊維が、200℃以上で最大収縮
率15%以上を示す難燃性ポリエステル系繊維に関す
る。
【0014】また本発明は、上記難燃性ポリエステル系
繊維を用いてなる人工毛髪に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。
【0016】本発明の難燃性ポリエステル系繊維は、ポ
リアルキレンテレフタレート又はポリアルキレンテレフ
タレートを主体とした共重合ポリエステルの1種以上か
らなるポリエステル(A)85〜60重量%とポリアリ
レート(B)15〜40重量%からなる組成物に、非ハ
ロゲン系難燃剤(C)を添加または共重合させて得られ
るポリエステル系繊維である。
【0017】本発明において、ポリエステル(A)は、
繊維形成のベースポリマーとして使用される成分であ
り、ポリアリレート(B)は、耐ドリップ性改善および
難燃性向上のために使用される成分であり、非ハロゲン
系難燃剤(C)は、難燃性付与のために使用される成分
である。
【0018】本発明で用いられるポリエステル(A)に
含まれるポリアルキレンテレフタレート又はポリアルキ
レンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルと
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポ
リアルキレンテレフタレート又は、これらのポリアルキ
レンテレフタレートを主体とし少量の共重合成分を含有
する共重合ポリエステルが挙げられる。ここで主体とす
るとは、80モル%以上含有することをいう。
【0019】上記共重合成分としては、イソフタル酸、
オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニ
レンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スぺリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの多価カルボ
ン酸及びそれらの誘導体、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキ
シエチルなどのスルホン酸塩を含むジカルボン酸及びそ
の誘導体、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラ
クトンなどが挙げられる。
【0020】前記共重合ポリエステルは、通常、主体と
なるポリアルキレンテレフタレートの主鎖中及び/又は
側鎖に前記共重合成分を公知の方法により重縮合すれば
よい。
【0021】前記共重合ポリエステルの具体例として
は、例えばポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビ
スフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合
したポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルを共重合したポリエステル、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジヒドロキシエチルを共重合したポリエステ
ルなどが挙げられる。
【0022】本発明において(A)成分は、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、及びそれらを主体とした共
重合ポリエステルよりなる群から選択される少なくとも
1種のポリエステルが好ましく、それを単独で用いても
よいし、2種以上混合して使用してもよい。
【0023】前記(A)成分の固有粘度は、0.4〜
1.0の範囲が好ましく、0.5〜0.9の範囲がより
好ましい。固有粘度が0.4未満では、溶融粘度が低く
なりすぎるため、溶融紡糸が困難になったり、延伸、熱
処理の過程又は製品加工時に単繊維間の融着が発生す
る。逆に固有粘度が1.0を超えると、溶融粘度が高く
なりすぎ、溶融紡糸が困難になる傾向がある。
【0024】本発明で用いられるポリアリレート(B)
は、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジオール成分とか
らなる全芳香族ポリエステルを意味し、界面重合法、溶
液重合法及び溶融重合法のいずれの方法で製造したもの
でもよい。
【0025】前記(B)成分の芳香族ジカルボン酸成分
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボ
ン酸などの多価カルボン酸及びそれらの誘導体、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジヒドロキシエチルなどのスルホン酸塩を含
むジカルボン酸及びその誘導体などが挙げられる。
【0026】前記(B)成分の芳香族ジオール成分とし
ては、一般式(1):
【0027】
【化3】 (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10の炭化水
素基、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデ
ン基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレ
ンジイソプロピリデン基または1,4−フェニレンジイ
ソプロピリデン基を示す。)で表される二価フェノール
類、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビフェノール、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒ
ドロキシルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、4,4’−ジヒドロキシルビフェニル、3,3’,
5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフ
ェニル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン4,
4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル、4,4’−
ジヒドロキシ−ジフェニルチオエーテルなどを挙げるこ
とができる。
【0028】前記(B)成分としては、イソフタル酸又
はその誘導体とテレフタル酸又はその誘導体の混合物
と、一般式(1)で表される化合物とから得られるポリ
アリレートであるのが好ましい。
【0029】前記(B)成分の固有粘度は、0.4〜
1.4の範囲が好ましく、0.6〜1.3の範囲がより
好ましい。固有粘度が0.4未満では、十分な熱収縮率
が得られない。固有粘度が1.4を超えると、(A)成
分のポリエステルとの混合性が悪くなり、延伸、熱処理
時の糸切れ、繊維物性の低下などを招く傾向にある。
【0030】本発明で用いられる非ハロゲン系難燃剤
(C)は、リン系難燃剤、シリコーン化合物、ボロシロ
キサン化合物、含窒素化合物、低融点ガラスよりなる群
より選択される少なくとも1種の化合物である。
【0031】(C)成分として用いられるリン系難燃剤
にはとくに限定はなく、一般に用いられているリン系難
燃剤であれば使用することができ、例えば、ホスフェー
ト系化合物、ホスホネート系化合物、ホスフィネート系
化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、ホスホナイト
系化合物、ホスフィナイト系化合物、ホスフィン系化合
物、一般式(2):
【0032】
【化4】 (式中、R2は1価の芳香族炭化水素基または脂肪族炭
化水素基であり、それらはそれぞれ同一であってもよく
異なっていてもよい、R3は2価の芳香族炭化水素基で
あり、2個以上含まれる場合、それらは同一であっても
よく異なっていてもよい、nは0〜15を示す)で表わ
される縮合リン酸エステル系化合物などがあげられる。
これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。これらのうちでは一般式(2)で表わ
される縮合リン酸エステル系化合物が好ましい。
【0033】リン系難燃剤の具体例としては、トリメチ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロ
ピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニ
ル)ホスフェート、トリネフチルホスフェート、クレジ
ルフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフ
ェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレ
ジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニ
ル、フェニルホスホン酸ジエチルなどのほか、レゾルシ
ノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ
(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノー
ルAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ
(2,6−キシリル)ホスフェートなどや、式:
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】 で表わされる化合物を含む一般式(2)で表わされる縮
合リン酸エステル系化合物があげられる。
【0040】(C)成分としてリン系難燃剤を使用する
場合、その添加量は、(A)、(B)両成分の合計10
0重量部に対して、リン原子量換算で0.05〜15重
量部添加するのが好ましく、0.1〜12重量部添加す
るのがより好ましい。リン系難燃剤の添加量が0.05
重量部未満では、難燃効果が得られ難くなり、15重量
部より多いと機械的特性が損なわれる傾向にある。
【0041】(C)成分として用いられるシリコーン化
合物は、広義のポリオルガノシロキサンのことをさし、
具体的には、ジメチルシロキサン、フェニルメチルシロ
キサン等の(ポリ)ジオルガノシロキサン化合物;メチ
ルシルセスキオキサン、フェニルシルセスキオキサン等
の(ポリ)オルガノシルセスキオキサン化合物;トリメ
チルシルヘミオキサン、トリフェニルシルヘミオキサン
等の(ポリ)トリオルガノシルヘミオキサン化合物;こ
れらを重合して得られる共重合体;ポリジメチルシロキ
サン、ポリフェニルメチルシロキサン等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサンである場合には、分子末端がエ
ポキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、ア
ミノ基、エーテル基等により置換された変性シリコーン
も有用である。シリコーンの形状には特に制限はなく、
オイル状、ガム状、ワニス状、粉体状、ペレット状など
任意のものが利用可能である。
【0042】(C)成分としてシリコーン化合物を使用
する場合、その添加量は、(A)、(B)両成分の合計
100重量部に対して、0.05〜15重量部添加する
のが好ましく、0.1〜12重量部添加するのがより好
ましい。シリコーン化合物の添加量が0.05重量部未
満では、難燃効果が得られ難くなり、15重量部より多
いと機械的特性が損なわれる傾向がある。
【0043】(C)成分として用いられるボロシロキサ
ン化合物は、必須の成分としてケイ素、ホウ素及び酸素
からなり、実質的にケイ素−酸素結合及びホウ素−酸素
結合から形成される骨格を有し、かつ、分子内に芳香環
を有する重合体(以下「難燃剤重合体」ともいう)であ
る。すなわち、上記難燃剤重合体の骨格を形成する結合
のうち、80%以上、好ましくは90%以上を、ケイ素
−酸素結合及びホウ素−酸素結合が占めるが、これら以
外に、ケイ素−ケイ素結合、ホウ素−ホウ素結合、酸素
−酸素結合、ケイ素と2価の有機基との結合、ホウ素と
2価の有機基との結合、などが含まれていても良い。な
お本明細書では、骨格という場合、ケイ素またはホウ素
と1価の有機基との結合は、骨格を形成する結合から除
外して考える。
【0044】好ましくは、上記難燃剤重合体は、ケイ素
原子又はホウ素原子が酸素原子を介して他のケイ素原子
やホウ素原子と結合してなる骨格を有する。この場合、
難燃剤重合体の骨格はSi−O−B結合、Si−O−S
i結合、及びB−O−B結合からなる。すなわち、上記
難燃剤重合体の骨格は、Si−O−B結合のみから形成
されるものでも良いし、実質的にSi−O−B結合から
形成され、わずかにSi−O−Si結合及び/又はB−
O−B結合を含むものでも良い。またSi−O−B結
合、Si−O−Si結合、及びB−O−B結合をランダ
ムに含むような骨格でも良い。さらに、実質的にSi−
O−Si結合及びB−O−B結合からなり、わずかにS
i−O−B結合を含むような骨格でも良い。この場合、
上記難燃剤重合体は、ほぼケイ素のみからなる部分と、
ほぼホウ素のみからなる部分とが分子中で分割されたよ
うな骨格を持つ。上記難燃剤重合体の骨格は、線状骨格
であっても良いし、三次元架橋構造であっても良いが、
難燃性の観点から、三次元架橋構造が好ましい。
【0045】(C)成分としてボロシロキサン化合物を
使用する場合、その添加量は、(A)、(B)両成分の
合計100重量部に対して、0.05〜12重量部添加
するのが好ましく、0.1〜8重量部添加するのがより
好ましい。ボロシロキサン化合物の添加量が0.05重
量部未満では、難燃効果が得られ難くなり、12重量部
より多いと機械的特性が損なわれる傾向がある。
【0046】(C)成分として用いられる含窒素化合物
は、アミン類、例えば、尿素類、グアニジン類、トリア
ジン系化合物(例えば、メラミン、メラム、メレム、ア
ンメリン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、グアナミ
ン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなど)、トリ
アジン系化合物とシアヌール酸又はイソシアヌール酸と
の塩(前者:後者(モル比)=1:1〜1:2程度の
塩、例えば、メラミンシアヌレート、グアナミンシアヌ
レート、アセトグアナミンシアヌレート、ベンゾグアナ
ミンシアヌレートなど)などが挙げられるが、低揮発性
の観点から特にメラミンシアヌレートが好ましい。
【0047】(C)成分として含窒素化合物を用いる場
合、その添加量は、(A)、(B)両成分の合計100
重量部に対して、0.05〜12重量部添加するのが好
ましく、0.1〜10重量部添加するのがより好まし
い。含窒素化合物の添加量が0.05重量部未満では、
難燃効果が得られ難くなり、12重量部より多いと機械
的特性が損なわれる傾向がある。
【0048】(C)成分としてで用いられる低融点ガラ
スとは、700℃以下、好ましくは600℃以下、より
好ましくは500℃以下で軟化又は溶融するガラスのこ
とをいい、軟化点が450〜700℃の範囲にあるもの
であり、軟化点がその範囲にあるものであれば、組成に
ついては特に限定されない。軟化点が450℃より低い
場合には、燃焼時に樹脂火種が滴下したりすることによ
り難燃性が低下する場合がある。また、軟化点が700
℃より高い場合も、難燃性が十分でない。
【0049】前記低融点ガラスの種類としては特に限定
されないが、鉛けい酸塩、ほう酸塩、リン酸塩、ゲルマ
ン酸塩、タリウム酸塩、モリブデン酸塩、テルル酸塩、
バナジウム酸塩、カルコゲナイド及びオキシカルコゲナ
イドからなる群より選択される少なくとも1種の化合物
から形成されるものが好ましい。
【0050】また、耐水性、安定性及び原料の入手性を
考慮した場合、鉛けい酸塩、ほう酸塩、リン酸塩、ゲル
マン酸塩、タリウム酸塩、モリブデン酸塩、テルル酸塩
及びバナジウム酸塩からなる群より選択される少なくと
も1種の化合物からなるものがより好ましい。
【0051】更には、上記低融点ガラスは、SiO2
23 、Al23 、PbO、Tl2 O、Bi2
3 、CdO、ZnO、BaO、Li2 O、Na2 O、K
2 O、V25 、TiO2 、ZrO2 、FeO、及びC
uOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸
化物を構成要素とするものが好ましい。特に好ましく
は、SiO2 、B23 、Al23 、PbO、K2
O、Na2 O及びBaOからなる群より選択される少な
くとも1種を構成要素とするものである。
【0052】(C)成分として低融点ガラスを用いる場
合、その添加量は、(A)、(B)両成分の合計100
重量部に対して、0.05〜10重量部添加するのが好
ましく、0.1〜 8重量部添加するのがより好まし
い。低融点ガラスの添加量が0.05重量部未満では、
難燃効果が得られ難くなり、10重量部より多いと機械
的特性が損なわれる傾向がある。
【0053】本発明においては、(C)成分として、上
記に示した非ハロゲン系難燃剤のなかでも特にリン系難
燃剤を使用するのが好ましい。理由として、シリコン化
合物、ボロシロキサン化合物ではコストが高く、窒素化
合物、低融点ガラスではリン系難燃剤と同等レベルの難
燃性を発現させるにはその添加量が多くなり繊維の機械
的物性が低下する傾向がある。
【0054】本発明において(C)成分は、(A)成分
と(B)成分を含有する組成物に添加または共重合して
用いられる。(C)成分を添加する場合、例えば(A)
成分と(B)成分と(C)成分の所定量を混合したもの
を溶融混練し、それを溶融紡糸してもよいし、(A)成
分と(B)成分を溶融混練した混合物に、(C)成分を
添加して溶融紡糸してもよい。また(C)成分をあらか
じめ(A)成分又は(B)成分に添加あるいは共重合さ
せたのち、これを他成分と混合してもよい。(C)成分
を共重合させる場合においては、(C)成分として反応
型リン系難燃剤を使用するのが好ましく、またその場合
(A)成分と共重合させるのが好ましい。
【0055】本発明のポリエステル系繊維は、通常の溶
融紡糸法で製造することができる。すなわち、まず、押
し出し機、ギアポンプ、口金などの温度を270〜31
0℃とし溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒を通過させた
後、ガラス転移点以下に冷却し、50〜5000m/分
の速度で引き取り紡出糸が得られる。また、紡出糸条を
冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロール
を行なうことも可能である。加熱筒の温度や長さ、冷却
風の温度や吹き付け量、冷却水槽の温度、冷却時間、引
き取り速度は、吐出量及び口金の孔数によって適宜調整
することができる。
【0056】得られた紡出糸は熱延伸するが、延伸は紡
出糸を一旦巻き取ってから延伸する2工程法及び巻き取
ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの
方法によってもよい。熱延伸は、一段延伸、多段延伸の
いずれの方法で行ってもよい。熱延伸における加熱手段
としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェ
ット装置、温水槽などを使用することができ、これらを
適宜併用することができる。
【0057】得られた延伸糸は、加熱ローラ、ヒートプ
レート、スチームジェット装置などを用いて、200℃
以上で15%以上の熱収縮性を示すように熱処理され
る。
【0058】上記方法によって得られる本発明の難燃性
ポリエステル系繊維は、(C)成分として非ハロゲン系
難燃剤を含有することにより、限界酸素指数が高くな
り、難燃性を示し、炎が接近してきても着火しにくくな
る。さらに(B)成分としてポリアリレートを15〜4
0重量%含有することにより、フィラメントに炎が接近
するに伴い、フィラメントが加熱され、その時にフィラ
メントが収縮することで炎から遠ざかり着火しにくくな
るとともに、ドリップしにくくなる。
【0059】本発明でいう熱収縮率とは、30℃〜28
0℃における熱収縮率を意味するものであり、具体的に
は、熱機械分析(Thermo Mechanical
Analysis)により測定した値をいう。
【0060】本発明において、難燃性ポリエステル系繊
維の熱収縮性は、200℃以上において最大収縮率15
%以上であることが好ましく、20%以上であることが
より好ましい。
【0061】本発明の難燃性ポリエステル系繊維を人工
毛髪用途で使用する場合には、高温でのセット性を維持
するため、200℃以下の熱収縮率は小さく、かつ、2
00℃以上の熱収縮率が大きくなるように加工すること
が好ましい。特に、200℃未満の熱収縮率は10%以
下にするのがより好ましい。
【0062】さらに、ヘアーアイロンを用いてカールセ
ットを行う場合には、最大収縮温度が200℃以上にな
るよう、熱処理温度を設定するのが好ましい。
【0063】本発明の難燃性ポリエステル系繊維を人工
毛髪として使用する場合には、モダアクリル、ポリ塩化
ビニル、ナイロンなど他の人工毛髪素材と併用してもよ
い。
【0064】また、本発明のポリエステル系繊維には、
必要に応じて、アルカリ減量処理などのつや消し処理を
施すことができる。
【0065】本発明の難燃性ポリエステル系繊維の加工
条件は、特に限定されるものではなく、通常のポリエス
テル繊維と同様に加工することができるが、使用する顔
料、染料や助剤などは耐候性及び難燃性のよいものを使
用することが好ましい。
【0066】なお、本発明の難燃性ポリエステル系繊維
には、必要に応じて、難燃剤、耐熱剤、光安定剤、蛍光
剤、酸化防止剤、艶消剤、静電防止剤、顔料、可塑剤、
潤滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。
【0067】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0068】尚、特性値の測定法は、以下のとおりであ
る。
【0069】(ポリエステルの固有粘度)フェノールと
テトラクロロエタンとの等重量混合物を溶媒とし、濃度
0.5g/dlの溶液についてウベローデ型粘度管を用
いて25℃における相対粘度を測定し、下記式により固
有粘度を算出した。
【0070】
【数1】 (式中、ηは溶液の粘度、η0は溶媒の粘度、ηrelは相
対粘度、ηspは比粘度、[η]は固有粘度、Cは溶液の濃
度である。) (ポリアリレートの固有粘度)フェノールとテトラクロ
ロエタンとの重量比6/4の混合物を溶媒とし、濃度
1.0g/dlの溶液についてウベローデ型粘度管を用
いて25℃における相対粘度を測定し、ポリエステルの
場合と同様にして、固有粘度を算出した。 (強度及び伸度)(株)インテスコ製のINTESCO
Model 201型を用いて、フィラメントの引張
強伸度を測定した。長さ40mmのフィラメント1本を
とり、フィラメントの両端10mmを接着剤を糊付けし
た両面テープを貼り付けた台紙(薄紙)で挟み、一晩風
乾して、長さ20mmの試料を作製する。試験機に試料
を装着し、温度24℃、湿度80%以下、荷重1/30
gf×繊度(デニール)、引張速度20mm/分で試験
を行ない、強伸度を測定した。同じ条件で試験を10回
繰り返し、平均値をフィラメントの強伸度とした。
【0071】(熱収縮性)セイコー電子工業(株)製S
SC5200H熱分析TMA/SS150Cを用いて、
フィラメントの熱収縮率を測定した。長さ10mmのフ
ィラメント10本をとり、5.55mg/dtexの荷
重をかけ、昇温速度3℃/分で30〜280℃の範囲で
の熱収縮率を測定した。 (限界酸素指数)16cm/0.25gのフィラメント
を秤量し、端を軽く両面テープでまとめ、懸撚器で挟み
撚りをかける。十分に撚りがかかったら、試料の真中を
二つに折り2本を撚り合わせる。端を粘着テープで止
め、全長7cmになるようにする。105℃で60分間
前乾燥を行ない、さらにデシケーターで30分以上乾燥
する。乾燥したサンプルを所定の酸素濃度に調整し、4
0秒後8〜12mmに絞った点火器で上部より着火し、
着火後点火器を離す。5cm以上燃えるか、3分以上燃
え続けた酸素濃度を調べ、同じ条件で試験を3回繰り返
し、限界酸素指数とする。 (ドリップ性)繊度約50dtexのフィラメント10
0本を束ねて、一方の端をクランプで挟んでスタンドに
固定して垂直に垂らす。固定したフィラメントに20m
mの炎を接近させ、長さ100mmを燃焼させ、そのと
きのドリップ数をカウントし、ドリップ数が5以下を
○、6〜10を△、11以上を×として評価する。
【0072】(コールドセット性)160mmのフィラ
メントを真っ直ぐに伸ばし、両端をテープで固定して、
100℃で40分間加熱する。室温まで冷却した後に、
85mmにカットし、二つ折りにして両端をミシン糸で
結び、Φ4m/mの棒に釣り下げ、荷重が6.7mg/
dtexになるように錘を付け、30℃、60%RHで
24時間保持する。錘を外し、5分間静置した後に80
mmにカットし、フィラメントの曲がり具合(角度)を
測定する。これを低温での癖の付きやすさの指標とし、
真っ直ぐ(180℃)に回復するのが最も好ましい。
【0073】(カール保持力)蓑毛にしたフィラメント
をΦ32m/mのパイプに捲きつけ、100℃で60分
間カールセットし、室温で60分間エイジングした後
に、カールしたフィラメントの一端を固定し釣り下げ、
初期のフィラメント長、7日後までのフィラメント長の
経時変化を調べる。これをカールの付きやすさ、保持性
の指標とし、初期長は短い方がよく、7日後の伸長率は
低い方が好ましい。
【0074】(アイロンセット性)ヘアーアイロンによ
るカールセットのしやすさ、カール形状の保持性の指標
である。フィラメントをヘアーアイロンにかるく挟み、
3回扱き予熱する。この時のフィラメント間の融着、櫛
通り、フィラメントの縮れ、糸切れを目視評価する。次
に、予熱したフィラメントをヘアーアイロンに捲きつ
け、10秒間保持し、アイロンを引き抜く。この時の抜
きやすさ(ロッドアウト性)、抜いた時のカールの保持
性を目視評価する。製造例1(ボロシロキサンの合成) ホウ酸(100g、1.62mol)を含むピリジン溶
液(1L)に、氷冷下、フェニルトリクロロシラン(3
42.7g、1.62mol)を滴下し、滴下終了後5
時間加熱し、環流下反応を行った。その後、トリメチル
クロロシラン(176g、1.62mol)を加えてさ
らに3時間環流して反応を終了した。反応混合物を2N
−塩酸で中和し、ジエチルエーテル(500mL)で抽
出した。得られた溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
真空下溶剤を留去することにより目的の化合物を得た。
分子量はGPC分析の結果、数平均分子量2500、重
量平均分子量3000(ポリスチレン換算、UV検出
器、トルエン溶媒)であった。得られた化合物は、IR
分析の結果、1360cm-1付近にB−O結合由来のピ
ークを示し、1430cm-1付近にSi−Ph結合由来
のピークを示した。NMRによる分析の結果、ケイ素原
子全数中、Me3 −Si−O1/2結合が17モル%、P
h−Si−O3/2 結合が83モル%であった。製造例2(低融点ガラスの調整) 低融点ガラスとして、Na2O25〜45重量%、Ba
O5〜15重量%、SiO210〜32重量%、PbO
50〜80重量%、B237〜40重量%、Al23
〜6重量%、CuO10〜30%をこれら範囲内の調合
によりガラス焼成し、熱的特性を制御した。得られたガ
ラス組成物はボールミルで粉砕し100メッシュ以下の粒
径として用いた。 (低融点ガラスの軟化点測定)低融点ガラスの軟化点は
JIS−R3104(ガラスの軟化点試験法)に従い、
0.55〜0.75mmの均一直径を持つ23.5cm
の長さのガラスファイバーをその上部10cmを1分間
に約5℃の速度で温度上昇させた場合、自重で1分間1
mmの速さで伸びる温度として求めた。製造例2で調整
した低融点ガラスの軟化点は、602℃であった。 (実施例1)(A)成分として水分量100ppm以下
に乾燥させた固有粘度0.61のポリエチレンテレフタ
レート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)
製)4000gと、(B)成分としてモル比が50/5
0のイソフタル酸とテレフタル酸の混合物とビスフェノ
ールAからなる固有粘度0.60のポリアリレート(U
ポリマーU−100、ユニチカ(株)製)1000g
と、(C)成分としてリン系難燃剤(PX−200、大
八化学(株)製)500gをドライブレンドし、エクス
トルーダーに供給し、300℃で溶融混練し、ペレット
化した後に、水分量100ppm以下に乾燥した。次い
で、ノズル径0.5mmの丸断面ノズル孔を有する紡糸
口金を用いて溶融ポリマーを吐出し、口金下25cmの
位置に設置した水温30℃の水浴中で冷却し、100m
/分の速度で巻き取って未延伸糸を得た。得られた未延
伸糸を80℃の温水浴中で一段目の延伸を行い、続いて
100℃の温水浴中で二段目の延伸を行って、5倍延伸
糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、1
00m/分の速度で巻き取り、熱処理を行い、単繊維繊
度が50dtexの難燃性ポリエステル系繊維(マルチ
フィラメント)を得た。 (実施例2)(A)成分をポリエチレンテレフタレート
(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊(株)製)3
500gに、(B)成分をポリアリレート(Uポリマー
U−100、ユニチカ(株)製)1500gに変更した
以外は、実施例1と同様にして難燃性ポリエステル系繊
維を得た。 (実施例3)(C)成分を製造例1で合成したボロシロ
キサン化合物250gに変更した以外は、実施例1と同
様にして難燃性ポリエステル系繊維を得た。 (実施例4)(C)成分ををメラミンシアヌレート(M
C610、日産化学(株)製)250gに変更した以外
は、実施例1と同様にして難燃性ポリエステル系繊維を
得た。 (実施例5)(C)成分ををシリコーン系難燃剤(XC
−99B5664、東芝シリコーン(株)製)250g
に変更した以外は、実施例1と同様にして難燃性ポリエ
ステル系繊維を得た。 (実施例6)(C)成分をを製造例2で合成した軟化点
が602℃の低融点ガラス250gに変更した以外は、
実施例1と同様にして難燃性ポリエステル系繊維を得
た。
【0075】(比較例1)(B)成分を使用しなかった
以外は、実施例1と同様にして難燃性ポリエステル系繊
維を得た。 (比較例2)(C)成分をを使用しなかった以外は実施
例1と同様にしてポリエステル系繊維を得た。
【0076】(比較例3)(A)成分をポリエチレンテ
レフタレート(ベルペットEFG−10、カネボウ合繊
(株)製)4500gに、(B)成分をポリアリレート
(UポリマーU−100、ユニチカ(株)製)500g
に変更した以外は、実施例1と同様にして難燃性ポリエ
ステル系繊維を得た。
【0077】実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた
繊維について、強伸度、熱収縮率、限界酸素濃度、ドリ
ップ性を測定した結果を表1に示す。
【0078】
【表1】 実施例のごとく、(A)成分としてポリアルキレンテレ
フタレートと(B)成分としてポリアリレートを所定量
使用し、(C)成分として非ハロゲン系難燃剤を添加し
て得られる本発明の難燃性ポリエステル系繊維は、耐熱
性、強伸度など繊維物性を維持し、かつ難燃性、耐ドリ
ップ防止に優れていることが判る。それに対し、(C)
成分として非ハロゲン系難燃剤を使用しなかった比較例
2では難燃性に、(B)成分としてポリアリレートを使
用しなかった比較例1およびその使用量が少なかった比
較例3では耐ドリップ性に問題があることが判る。
【0079】
【発明の効果】本発明により、通常のポリエステル系繊
維の耐熱性、強伸度など繊維物性を維持し、難燃性、ド
リップ防止性、セット性に優れた難燃性ポリエステル繊
維及びそれを用いた人工毛髪が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC182 CF051 CF061 CF071 CF081 CF161 CP032 CP052 CP062 CP102 DL006 EU186 EU196 EW046 EW126 FD132 FD136 GK01 4L035 BB31 EE14 FF07 JJ18 JJ25 JJ26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレート又はポリ
    アルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエス
    テルの1種以上からなるポリエステル(A)85〜60
    重量%とポリアリレート(B)15〜40重量%からな
    る組成物に、非ハロゲン系難燃剤(C)を添加または共
    重合させて得られる難燃性ポリエステル系繊維。
  2. 【請求項2】 (A)成分が、ポリエチレンテレフタレ
    ート、ポリプロピレンテレフタレート及びポリブチレン
    テレフタレートよりなる群から選択された少なくとも1
    種のポリマーであることを特徴とする請求項1記載の難
    燃性ポリエステル系繊維。
  3. 【請求項3】 (B)成分が、テレフタル酸又はその誘
    導体とイソフタル酸又はその誘導体の混合物と一般式
    (1): 【化1】 (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素
    基、Xはメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン
    基、カルボニル基、スルホニル基、1,3−フェニレン
    ジイソプロピリデン基又は1,4−フェニレンジイソプ
    ロピリデン基を示す。)で表されるビスフェノール化合
    物とから得られるポリアリレートであることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の難燃性ポリエステル系繊維。
  4. 【請求項4】 (C)成分が、リン系難燃剤、シリコー
    ン化合物、ボロシロキサン化合物、含窒素化合物、低融
    点ガラスよりなる群より選択された少なくとも1種の化
    合物である請求項1〜3記載の難燃性ポリエステル系繊
    維。
  5. 【請求項5】 (C)成分が、ホスフェート系化合物、
    ホスホネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホス
    フィンオキサイド系化合物、ホスホナイト系化合物、ホ
    スフィナイト系化合物、ホスフィン系化合物および縮合
    リン酸エステル化合物よりなる群から選択された少なく
    とも1種のリン系難燃剤である請求項4記載の難燃性ポ
    リエステル系繊維。
  6. 【請求項6】 前記難燃性ポリエステル系繊維が、20
    0℃以上で最大収縮率15%以上を示す収縮性繊維であ
    ることを特徴とする請求項1〜5記載の難燃性ポリエス
    テル系繊維。
  7. 【請求項7】 前記難燃性ポリエステル系繊維が、非捲
    縮生糸状である請求項1〜6記載の難燃性ポリエステル
    系繊維。
  8. 【請求項8】 前記難燃性ポリエステル系繊維が、人工
    毛髪用糸である請求項1〜7記載の難燃性ポリエステル
    系繊維。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性
    ポリエステル系繊維を用いた人工毛髪。
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