JP2003159783A - 透明インクを検出するシステムおよび方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント媒体上の透明インク滴を検出する。 【解決手段】 インク放出要素１０２の少なくとも１つ
のノズル１０７からプリント媒体３０上の第１の意図し
た位置に、透明インクの１以上の液滴を発射するステッ
プ５０２と、該第１の意図した位置を含む領域を照明
し、それにより前記第１の意図した位置から光を反射さ
せるステップ５０４と、前記第１の意図した位置を含む
領域のまわりの光反射率の変化を検出するステップ５０
６または５０８と、検出した光反射率の変化に応じて、
前記１以上の透明インク滴の実際の位置を決定するステ
ップ５１０とを含んでなる、プリント媒体３０上の透明
インク滴を検出する方法５００およびシステム１０を提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、プリント
装置に関する。より具体的には、本発明は、プリント媒
体上に塗布された透明または目に見えないインクの検出
に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、文字や図などの情報を紙や織物
や布地などの記録媒体に記録するために、例えば、プリ
ンタやプロッタや写真複写機やファクシミリ装置などの
プリント機構がしばしば実装される。記録動作を行う際
に、記録媒体上にインクを塗布するために、例えば、プ
リントヘッドなどのマーキング手段がしばしば使用され
る。

【０００３】インクが、記録媒体上に望み通りに塗布さ
れるようにする際に、マーキング手段の位置精度ならび
に基準インク塗布密度および／または流量は、重要な要
素である。そのような要素を所定の動作条件の範囲内に
維持するために、従来のプリント機構は、較正動作を実
行することができる。そのような較正動作は、一般に、
テスト・パターンの走査動作と共にマーキング手段によ
るテスト・パターンのプリントを必要とする。

【０００４】走査動作は、テスト・パターン上に光を放
射する発光ダイオード（ＬＥＤ）と、テスト・パターン
から反射した光を検出するセンサとを有する光センサに
よって一般に実行される。反射光パターンに基づいて、
位置や滴量などの塗布インクの特性を決定することがで
きる。そのような特性を決定した後に、マーキング手段
は、例えば、インクを記録媒体上により正確に位置決め
するためにプリント通過中のマーキング手段からのイン
クの発射時間を調整したり、マーキング手段から発射さ
れるインクの量を変化させたりすることによって較正す
ることができる。

【０００５】従来の光センサは、例えば、白紙上の黄色
などの記録媒体と似た色を検出できない場合がある。さ
らに、従来の光センサは、色のないインク、すなわち
「透明または目に見えないインク（invisible ink）」
を一般に検出することができない。本開示の全体にわた
って、「透明インク」とは、ある特定の照明の下で特定
のプリント媒体上に塗布されたインクを観察した様子を
一般に指す。さらに、「透明インク」は、色のない記録
媒体の背景に対して、センサが十分に高い信頼性で検出
できるだけのコントラストを提供しない色のインクであ
る。通常、透明インクは、検出システムがプリント媒体
背景と十分に区別できない場合でも、普通の人間の目で
は見ることができることを理解されたい。さらに、いく
つかの用途では、人間の目にも見えないインクを利用す
ることができる。

【０００６】１つの態様において、従来の光センサは、
そのような透明インクと、例えば、白色や他の薄い色の
記録媒体の色とを区別できないことがある。そのような
状況では、例えば、マジェンタ・インクなどの比較的に
暗い色のインクをエリア・フィル（area fill）内にプ
リントすることが一般に知られている。有色インクを含
むエリア・フィル上に透明インクがプリントされて有色
インクと混合する。混合した結果、有色インクは色が変
化し、例えば、有色インクは明るい色になる。この場合
には、フィル・エリア内の有色インクの色の違いを検出
して透明インクを塗布した場所を決定するために、標準
の光センサを組み込むことができる。

【０００７】前述の技術と関連した１つの問題は、透明
インクの塗布位置を決定するために暗い有色インクを必
要とすることである。暗い有色インクが塗布されるプリ
ント媒体のある部分と同量の暗い有色インクが、結果と
して一般に浪費される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】代わりに、いわゆる
「マーカ（marker）」要素を透明インクに加えることが
一般に知られている。マーカは、例えば、一般に、人間
の目に見えない色を含むインクからなる。しかしなが
ら、この種類のマーカ要素を使用するシステムは、比較
的に複雑であるため、運転コストが高くなる。さらに、
このシステムは、例えば、このタイプのマーカを検出す
ることができる追加の光センサなどの追加のハードウェ
アを必要とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】１つの態様によれば、本
発明は、プリント媒体上の透明インク滴を検出する方法
に関する。この方法では、１以上の透明インク滴が、イ
ンク放出要素の少なくとも１つのノズルからプリント媒
体上の第１の意図された位置に発射される。第１の意図
された位置を含む領域を照明し、その領域のまわりの光
反射率の変化を検出する。さらに、検出した光反射率の
変化に応じて、１以上の透明インク滴の実際の位置を決
定する。

【００１０】別の態様によれば、本発明は、プリント媒
体上の透明インク滴の存在を判定するシステムに関す
る。このシステムは、プリント媒体からの正反射と、プ
リント媒体上の透明インク滴を含む位置とを検出するよ
うに動作可能な光学スキャナを含む。このシステムは、
正反射の変化を検出して透明インク滴の位置を決定する
ように動作可能なコントローラも含む。

【００１１】さらに他の態様によれば、本発明は、プリ
ント媒体上の透明インク滴を検出する方法に関する。こ
の方法において、光検出器が、プリント媒体にわたって
透明インク滴を含むと思われる領域において走査され
る。さらに、その領域内のプリント媒体の反射率の変化
が検出される。

【００１２】既知のプリント機構およびプリント技術と
比較すると、本発明のいくつかの実施形態は、プリント
媒体上の透明インク滴の存在を検出する比較的に安価で
単純な方法と、マーカの使用を必要とせずに透明インク
滴を検出するシステムおよび方法と、プリント媒体の利
用されていない領域以外の様々な部分に透明インク滴の
テスト・パターンをプリントする機能とを含むいくつか
の態様を達成することができる。当業者は、添付図面を
参照して好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むこ
とによって、本発明の上記の様々な実施形態その他の利
点および利益を理解するであろう。

【００１３】本発明の特徴および利点は、添付図面と関
連した以下の説明から当業者に明らかになるであろう。

【００１４】

【発明の実施の形態】簡略化と例証のため、本発明の実
施例を主に参照することにより本発明の原理を説明す
る。以下の説明において、本発明の完全な理解を提供す
るために、多数の特定の詳細を説明する。しかしなが
ら、当業者には、本発明が、そのような特定の詳細に限
定されることなく実施できることは明らかであろう。そ
の他の場合において、本発明をいたずらに不明瞭にしな
いように、周知の方法および構造は詳細に説明されてい
ない。

【００１５】本発明の例示的な実施形態によれば、透明
インクの存在をプリント媒体上で比較的に容易に検出す
ることができる。１つの態様において、検出した透明イ
ンクの位置を利用して、透明インク滴を発射したプリン
トヘッドのずれまたは位置合わせ不良がないかを決定す
ることができる。この点において、プリントヘッドの位
置合わせを決定するルーチンまたはサブルーチンとして
例示的な実施形態を実施することができる。

【００１６】例えば、透明インクは、いわゆる「定着剤
（fixer）」を含みうる。「定着剤」は、その名前が示
す通り、有色インク滴の下に塗布される場合がある液体
材料、例えばプレコートと、有色インク滴上に塗布され
ることがある液体材料、例えばポストコートとを一般に
指す。定着剤は、プリント媒体上の有色インク滴の付着
力を高めるために利用されることがある。さらに、有色
インク滴の乾燥時間および／または有色インク滴の耐光
性を制御するために、定着剤を利用することができる。
さらに、透明インクは、本開示の従来の技術の節で説明
した要素を含みうる。

【００１７】本発明の実施により、プリント媒体上へと
塗布された透明インク滴を、比較的に高価な光学機器を
必要とせずに検出することができる。さらに、有色イン
クのプリントを必要とせずに透明インク滴を検出するこ
とができる。

【００１８】図１および図２に示すように、本発明の好
ましい実施形態は、それぞれ、例えばサーマル・インク
ジェット式の卓上プリンタや大判プロッタなどの自動プ
リンタへと有利に組み込まれる。さらに、本発明の好ま
しい実施形態を、ピエゾ電気式の卓上プリンタや大判プ
ロッタに組み込むことができる。プリンタやプロッタ１
０は、制御パネル２０を備えたハウジング１２を含む。

【００１９】図２のプロッタに関して、機構部分は、例
えば、スタンド１４に取り付けられおり、ハウジング１
２は、左および右の駆動機構カバー１６および１８を有
する。制御パネル２０は、右カバー１８に取り付けられ
ている。

【００２０】（図２の大判プロッタの場合には、透明カ
バー２２の下に点線で示されている）キャリッジ・アセ
ンブリ１００は、（プロッタの場合には破線で示され
る）スライダ・ロッドまたはキャリッジ・バー２４に沿
って往復運動するように適応されている。水平またはキ
ャリッジ走査軸上でのキャリッジ・アセンブリ１００の
位置は、当業者に知られているように、エンコーダ・ス
トリップ（図示せず）に対するキャリッジ位置決め機構
（図示せず）によって決定される。

【００２１】キャリッジ１００は、様々な色のインクで
プリントするインクジェット・ペンなどの自動マーキン
グ手段用の４つ以上のストールまたはベイを含むことが
好ましい。これらは、例えば、それぞれ、黒インクと３
つの基本色（chromatic-primary）（例えば、黄色とマ
ジェンタとシアン）のインクである。しかしながら、こ
れらのペンのうちの１以上を透明インクでプリントする
ように構成することができる。または、透明インクでプ
リントするために、キャリッジ１００上に１以上の追加
のマーキング手段を位置決めすることができる。

【００２２】図１は、卓上プリンタ用で、単一の代表的
なペン１０２と、括弧に入れた参照番号すなわち（１０
４）と（１０６）と（１０８）とにより示した残りの３
つの空のベイを示す。大判プロッタの場合には、図２
は、４つのペン１０２と１０４と１０６と１０８とがす
べて示されている。

【００２３】プリンタとプロッタとの両方において、キ
ャリッジ・アセンブリ１００が、媒体３０に対してｘ軸
およびｙ軸の方向に並進運動するとき、全部で４つのサ
ーマル・インクジェット・カートリッジ・ペンのうちの
選択されたノズルが活動化される。そのようにして、イ
ンクを媒体３０に塗布することができる。

【００２４】３つの有彩色のインクジェット・ペンから
の色は、二次色を得るときには重ね刷りによる減法混色
の組合せで一般に使用され、他の色を得るときには隣接
プリントによる加法混色の組合せで使用される。

【００２５】キャリッジ・アセンブリ１００は、スライ
ダ・バーまたはキャリッジ・ロッド１０３上で往復運動
するように適応されたキャリッジ１０１（図３）を含
む。大判プロッタにおいて横断スパンがさらに大きい場
合には、前方スライダ・ロッドまたはキャリッジ・バー
１０３と、同様の後方ロッド／バー１０５とが存在す
る。代表的な第１のペン・カートリッジ１０２が、キャ
リッジ１０１の第１のストールに取り付けられているこ
とが示されている。

【００２６】本発明と統合するのに適したキャリッジの
駆動システムおよび制御システムに関する多量の付加情
報は、Ｃｏｂｂｓらに発行されヒューレット・パッカー
ド社に譲渡された米国特許第５，６００，３５０号公報
に見られる。この特許全体を引用することにより本明細
書の一部をなすものとする。

【００２７】紙などのプリント媒体３０が、媒体送り駆
動機構（図示せず）によって、垂直方向またはプリント
媒体送り軸の方向に位置決めされる。当該技術分野にお
いて一般的で前述したように、卓上プリンタの場合に
は、キャリッジ走査軸がｘ軸として示され、媒体送り軸
がｙ軸として示され、大判プロッタの場合はこの逆であ
る。

【００２８】プリント媒体とキャリッジ位置データと
は、大判プロッタの場合にはキャリッジ・アセンブリ１
００上にあり、または卓上モデルの場合にはシャーシ内
のいずれかの場所にあることが好ましい回路基板上のプ
ロセッサに進む。キャリッジ・アセンブリ１００は、ペ
ン内の発射回路（発射抵抗を含む）への接続に必要な回
路も保持することができる。

【００２９】キャリッジ・アセンブリ１００には、セン
サ・モジュール２００（例えば、電気光学センサ）も取
り付けられている。代表的なペン１０２のインクジェッ
ト・ノズル１０７（図３）は、実際には各ペンが、セン
サ・モジュール２００と同じ線上にある。

【００３０】フルカラーのプリントおよびプロットは、
個々のペンからの色がプリント媒体に正確に塗布される
ことを必要とする。これは、キャリッジ・アセンブリの
実質的に正確な位置合わせを必要とする。残念ながら、
従来のインクジェット・プリンタ／プロッタでは、用紙
のすべりと、用紙のゆがみと、ペンの機械的な位置合わ
せ不良とによって、媒体または用紙送り軸と走査または
キャリッジ軸との両方の方向にずれが生じる。

【００３１】カートリッジのいずれかが乱されたとき、
例えば、ユーザの要求または計画的な処置によって（例
えば、ペンの保守計画によって）マーキング手段（例え
ば、ペン）を交換した直後は、（キャリッジが媒体を横
切って走査している間に、選択したペン内の選択したノ
ズルを作動させることによって）１組のテスト・パター
ン４０２、４０４、４０６、４０８が生成されることが
好ましい。さらに、テスト・パターン４０２〜４０８の
うちの少なくとも１つが、透明インクでプリントされて
いることがある。そして、そのテスト・パターンにわた
ってセンサ２００を走査することによりテスト・パター
ンが読み取られ、得られた波形が分析される。

【００３２】センサ・モジュール２００は、テスト・パ
ターンを光学的に検出して、パターンのそれぞれ様々な
マーキング手段で生成された部分の位置決めを示す電気
信号をシステム・プロセッサに提供する。

【００３３】図４は、図１および図３の図面の好ましい
２つの実施形態において利用されている代表的なセンサ
・モジュール２００を示す。各センサ・モジュール２０
０は、少なくとも１つの発光ダイオード（ＬＥＤ）２３
２と、１対の光検出器（light-to-voltage converter：
以下、「ＬＴＶ」とよぶ）２４０および２４２に対して固
定されたレンズ２２６（または、好ましくは、Ｃｏｂｂ
ｓらによって示されたような第２のレンズを備えたさら
に複雑な焦点システム）とを含む。

【００３４】ＬＥＤ２３２は、増幅器やその他の回路素
子（図示せず）と共に、図示したように斜めにセンサ・
モジュール２００に取り付けられる。センサ・モジュー
ル２００は、ＬＥＤ２３２から用紙上に斜めに照明を投
射することによって機能する。この光は、レンズ２２６
（例えば、中央の拡散反射結像レンズ）の光軸の交点で
プリント媒体３０に当たる。反射照明は、多くの方向に
発する拡散反射ビームと、正反射方向の反射とを生成す
る。反射照明は、２つのＬＴＶ２４０および２４２上に
結像される。中央のＬＴＶ２４０は、反射の拡散成分を
捕らえ、外側のＬＴＶ２４２は、反射の正反射成分を捕
らえる。照明の光源と、検出信号の大きさと、反射成分
間との関係が、高度なセンサ機能を実行するのに必要な
情報を提供する。

【００３５】中央のＬＴＶ２４０による拡散反射率の検
出は、基本インク（例えば、黒色と、マジェンタと、薄
いマジェンタと、シアンと、薄いシアンと、黄色）の存
在を決定するために利用される。正反射測定は、媒体の
相対的な表面特性（つまり光沢）を決定するために実施
される。したがって、媒体の表面特性の変化を検出する
ために正反射測定を実施することができ、例えば、媒体
の表面特性の様々な変化によって透明インク滴の存在を
示すことができる。この点において、発光ダイオード２
３２とＬＴＶ２４０とＬＴＶ２４２とは、可視および透
明の両方のインクの有無を区別することができる検出シ
ステムを構成する。

【００３６】（Ｓｉｅｖｅｒｔらに発行され、ヒューレ
ット・パッカード社に譲渡された米国特許第５，７９
６，４１４号公報に示されて考察されている）関連した
回路は、そのような信号を記憶し、前述のように平均化
し、位相関係を調べて、各移動方向のペンの位置合わせ
を決定する。「高速」および「離散」のどちらのタイプ
のフーリエ変換法もこのプロセスを容易にすることがで
きる。

【００３７】より具体的には、データのフーリエ変換が
求められ、そして、その変換から、その実数部および虚
数部（すなわち、サイン成分およびコサイン成分）の比
較によって位相が求められる。システムは、基本に対応
する離散フーリエ変換の単一項だけを見つけるようにプ
ログラムされることが好ましく、その項の虚数部および
実数部の比のアークタンジェントが、較正プロセスの位
相を表す。

【００３８】システムは、キャリッジ軸の位置合わせ不
良とプリント媒体軸の位置合わせ不良とを修正すること
が好ましく、このシステムを使用して、速度および湾曲
によるずれを修正することができる。そのようなオプシ
ョンのさらなる詳細は、Ｃｏｂｂｓらの文書に詳細に考
察されているため、ここでは繰り返す必要がない。

【００３９】ＣｏｂｂｓおよびＳｉｅｖｅｒｔの文書
は、キャリッジ走査軸における誤差の補正と、プリント
媒体送り軸のずれとペン間のずれの補正とについてさら
に詳しく説明している。

【００４０】媒体送り軸方向に沿うペンとペンとの間の
ずれは、Ｃｏｂｂｓらが述べているように特定のノズル
を作動させるように選択するか、Ｓｉｅｖｅｒｔらが述
べているようにマーキング手段のスウォース（swath）
間のデータをマスクすることによって補正することがで
きる。

【００４１】さらに、テスト・パターン走査動作の操作
によって、ノズルの調子を評価することができる。例え
ば、ノズルのいくつかが誤って加熱されているか、イン
ク滴を発射できなかったかを判定することができる。ノ
ズルのいくつかが適切に動作していないと判定した場合
には、プリントマスクを行うことができ、例えば、不適
当な動作のノズルの代わりに別のノズルを使用し、それ
によりプリント品質の実質的な低下を防ぐことができ
る。さらに、不適当な動作のノズルの数が、例えば、選
択されたプリントモードで定義されているしきい値に達
した場合には、介入処置（例えば、吐出（spitting）や
ふき取り（wiping）などからなる整備作業）が開始され
る場合がある。さらに、不適当な動作のノズルの数が、
別のしきい値に達した場合には、そのノズルを含むプリ
ントヘッドの交換が必要とする場合がある。

【００４２】図５を参照して、本発明の原理によるプリ
ンタ４０２の例示的なブロック図５００を示す。ブロッ
ク図５００の以下の説明は、サービスステーション４０
４とセンサ・モジュール４０６と複数のプリントヘッド
４０８〜４１４とを有するプリンタ４０２を、本発明の
例示的な実施形態に従って操作することができる１つの
方法を示す。この点において、ブロック図５００の以下
の説明は、そのようなプリンタ４０２を操作することが
できる様々な方法のうちの１つの方法に過ぎないことを
理解されたい。

【００４３】プリンタ４０２は、インタフェース電子回
路４１６を含みうる。インタフェース電子回路４１６
は、プリンタ４０２のコントローラ４１８と、プリント
ヘッド４０８〜４１４を移動させるためのキャリッジや
ベルトやプーリ・システム（図示せず）などの構成要素
との間のインタフェースを提供するように構成すること
ができる。また、インタフェース電子回路４１６は、例
えば、プリント媒体を前進させたり、プリントヘッド４
０８〜４１４の個々のノズルを加熱させたりする回路を
含む。

【００４４】コントローラ４１８は、プリンタに機能を
提供する制御論理をプリンタ４０２に提供するように構
成することができる。この点において、コントローラ４
１８は、マイクロプロセッサやマイクロコントローラや
特定用途向けＩＣなどを有する場合がある。コントロー
ラ４１８は、プリンタ４０２の機能を提供し、コントロ
ーラによって実行することができるコンピュータ・ソフ
トウェアを記憶するように構成されたメモリ４２０に接
続される場合がある。また、メモリ４２０は、プリンタ
４０２がコンピュータや、サーバや、ワークステーショ
ンなどのホスト装置４２２から受け取ったデータまたは
ファイルの一時記憶域を実現するように構成することが
できる。メモリ４２０は、ダイナミック・ランダム・ア
クセス・メモリ（ＲＡＭ）や、ＥＥＰＲＯＭや、フラッ
シュ・メモリなどの揮発性および不揮発性のメモリの組
合せとして実施することができる。また、メモリ４２０
をホスト装置４２２に含みうることも本発明の範囲内で
ある。さらに、ホスト装置４２２を、一体機構としてプ
リンタ４０２に組み込むことができる。この点におい
て、プリンタ４０２は、ユーザやインターネットなどか
らファイルを直接に受け取るように動作することができ
る。

【００４５】ホスト装置４２２とコントローラ４１８と
の間の通信チャネルを提供するように構成された入出力
インタフェース４２４に、コントローラ４１８をさらに
接続することができる。入出力インタフェース４２４
は、ＲＳ−２３２や、パラレルや、小型コンピュータ・
システム・インタフェースや、ユニバーサル・シリアル
・バスなどのプロトコルに従うことができる。

【００４６】さらに、インタフェース電子回路４２６を
介してサービスステーション４０４とセンサ・モジュー
ル４０６とにコントローラ４１８を接続することができ
る。インタフェース電子回路４２６は、プリンタ４０２
のコントローラ４１８と、サービスステーション４０４
とセンサ・モジュール４０６とを操作する構成要素、例
えば、プリントヘッド４０８〜４１４に拭き取り機能を
実行したり、プリントヘッドのノズルをふた締めした
り、センサ・モジュール４０６の構成要素を活動化し非
活動化したりする構成要素との間のインタフェースを提
供するように構成することができる。この点において、
コントローラ４１８は、サービスステーション４０４の
操作（例えば、拭き取り、ふた締めなど）と、センサ・
モジュール４０６の操作（例えば、テスト・パターン検
出の時間調整など）との動作を制御するように構成する
ことができる。

【００４７】センサ・モジュール４０６は、少なくとも
１つの発光ダイオード（ＬＥＤ）４２８と、レンズ（ま
たは、第２のレンズ（図示せず）を有するさらに複雑な
焦点システム）と、１対の光検出器（ＬＴＶ）４３０お
よび４３２とを含む。ＬＴＶ４３０および４３２は、前
述のように、拡散反射と正反射とをそれぞれ検出するよ
うに設計されている。

【００４８】図５は、４つのプリントヘッド４０８〜４
１４と、１つのセンサ・モジュール４０６と、１つのサ
ービスステーション４０４とを示しているが、本発明の
意図および趣旨から逸脱することなく、任意の妥当で適
切な数のそのような構成要素をプリンタ４０２に実装す
ることができることを理解されたい。

【００４９】図６を参照して、本発明の実施形態を実施
することができる方法５００の例示的な流れ図を示す。
方法５００の以下の説明は、図５に示したブロック図に
関して行われ、したがって図５に示した要素を参照す
る。方法５００に示したステップは、任意の望ましいコ
ンピュータにアクセス可能な媒体内のルーチンまたはサ
ブルーチンとして含みうることを理解されたい。さら
に、方法５００は、活動状態と非活動状態との両方の様
々な形で存在することができるコンピュータ・プログラ
ムによって実行することができる。例えば、この方法
は、ソース・コード、オブジェクト・コード、実行可能
コード、またはその他のフォーマットのプログラム命令
で構成されたソフトウェア・プログラムとして存在する
ことができる。上記はいずれも、記憶素子と信号とを含
むコンピュータに読み取り可能な媒体上に、圧縮形式ま
たは非圧縮形式で実施することができる。コンピュータ
読み取り可能な記憶素子の例には、従来のコンピュータ
・システムのＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）
と、ＲＯＭ（読み取り専用メモリ）と、ＥＰＲＯＭ（消
去可能なプログラマブルＲＯＭ）と、ＥＥＰＲＯＭ（電
気的に消去できるプログラム可能なＲＯＭ）と、磁気デ
ィスクまたは光学ディスクまたはテープとがある。コン
ピュータ読み取り可能な信号の例は、キャリアを使用し
て変調されているかどうかに関係なく、コンピュータ・
プログラムをホストとして処理するか、または実行する
コンピュータ・システムがアクセスするように構成可能
な信号であり、インターネットやその他のネットワーク
を介してダウンロードされる信号を含む。以上の具体的
な例には、ＣＤ−ＲＯＭまたはインターネット・ダウン
ロードによるプログラムの配布がある。ある意味におい
て、インターネットは、それ自体、抽象的な構成要素
（entity）として、コンピュータ読み取り可能な媒体で
ある。これと同じことは、一般に、コンピュータ・ネッ
トワークにも当てはまる。図５の以下の説明では、特定
のプリンタ機能を実行するものとしてコントローラ４１
８を特に参照しているが、そのような機能は、前述の機
能を実行することができる任意の電子機器によって実行
することができることを理解されたい。

【００５０】ステップ５０２では、プリンタ４０２は、
１以上のインク滴をプリントし、例えば、プリントヘッ
ド４０８〜４１４の１つ以上によってプリント媒体３０
上に所望のパターン（例えば、位置）でインクの液滴を
発射する。インク滴をプリントする命令は、様々なソー
スから受け取ることができる。このソースは、例えば、
ホスト装置４２２やメモリ４２０やインターネットやプ
リンタ４０２などがある。プリントする命令は、例え
ば、プリントヘッドの速度を含むプリントされるテスト
・パターンのタイプを含みうる。

【００５１】ステップ５０４では、コントローラ４１８
は、インク滴の上とプリント媒体上のインク滴のまわり
の様々な領域とを走査するセンサ・モジュール４０６を
操作する。前述のように、センサ・モジュール４０６
は、一般に、正反射ＬＴＶ４３０と拡散ＬＴＶ４３２と
センサ・モジュール４０６（図示せず）を操作する様々
な他の構成要素とを含む。

【００５２】また前述のように、インク滴の走査は、イ
ンク滴の領域、例えば、プリント媒体上のテスト・パタ
ーンがプリントされた領域を照明し、テスト・パターン
領域内のインク滴の色、位置および／またはサイズを検
出することによって達成される。インク滴の色、位置お
よび／またはサイズは、プリント媒体においてインク滴
を含む領域とインク滴を含まない領域との反射率の差に
よって決定することができる。

【００５３】プリント媒体３０に十分なコントラストを
提供する色を有するインク滴は、ステップ５０６で示し
たように、拡散ＬＴＶ４３２によって検出することがで
きる。さらに、ステップ５０８に示したように、「透
明」なインク滴は、正反射ＬＴＶ４３０によって検出す
ることができる。

【００５４】インク滴の走査に基づいてステップ５１０
に示したように、コントローラ４１８は、インク滴の実
際の位置および／またはサイズを決定することができ
る。ステップ５１２では、コントローラ４１８は、イン
ク滴の検出した実際の位置とインク滴の所望の位置とを
比較する。この比較を行うことにより、ステップ５１４
に示したように、コントローラ４１８は、プリントヘッ
ド４０８〜４１４のいずれかにずれまたは位置合わせ不
良があるかどうか、例えば、インク滴の実際の位置が所
望の位置と同じでないことを判定することができる。

【００５５】プリントヘッドのいずれかにずれまたは位
置合わせ不良がある場合には、ステップ５１６に示すよ
うに、コントローラ４１８が、ＣｏｂｂｓおよびＳｉｅ
ｖｅｒｔの文書に詳述されている補正を実施することが
できる。

【００５６】さらに、ノズルの調子を判定することがで
きる。ステップ５１８では、例えば、インク滴のサイズ
を検出することができる。ステップ５２０では、例え
ば、液滴サイズがノズルと互いに関連付けられ、例え
ば、液滴サイズを使用してノズルの調子を判定すること
ができる。ステップ５２２では、ステップ５２０で実行
された互いの関連付けに基づいて、ノズルを不良と判定
することができる。ノズルのいずれが不良と判定された
場合には、ステップ５２４に示したように、前述のよう
に、不適切な動作のノズルにプリントマスクを実施する
ことができる。

【００５７】本発明のいくつかの態様によって、プリン
ト媒体上に発射された透明なインク滴を比較的に単純に
安価な方法により検出することができる。

【００５８】本明細書で説明し示したものは、本発明の
好ましい実施形態であり、その変形のいくつかを含む。
本明細書に使用されている用語と詳細と図とは、単に例
示のために説明され、限定を意味するものではない。当
業者は、特に示さない限りすべての用語がその最も広い
妥当な意味を有する特許請求の範囲とその等価物とによ
り定義される本発明の趣旨および意図の範囲内で多くの
変形が可能であることを理解するであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好ましい実施形態を含むか、または構
成するインクジェット卓上プリンタの斜視図である。

【図２】対応する構成要素が類似の参照番号を有する本
発明の図１の実施形態を同様に含むか、または構成する
大判プリンタ／プロッタの斜視図である。

【図３】図２のキャリッジ・アセンブリを右下から見た
ときのセンサ・モジュールを概略的に示す斜視図であ
る。

【図４】本発明のセンサ・モジュール内の光学要素の概
略図である。

【図５】本発明の実施形態によるプリント機構の例示的
なブロック図である。

【図６】本発明の実施形態を実施することができる方法
の例示的な流れ図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C056 EA20 EB13 EB27 EB42 EB46 EB47 FA10 HA42 KD06

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インク放出要素の少なくとも１つのノズ
   ルからプリント媒体上の第１の意図した位置に透明イン
   クの１以上の液滴を発射するステップと、 該第１の意図した位置を含む領域を照明し、それにより
   前記第１の意図した位置から光を反射させるステップ
   と、 前記第１の意図した位置を含む領域のまわりの光反射率
   の変化を検出するステップと、 検出した光反射率の変化に応じて、前記１以上の透明イ
   ンク滴の実際の位置を決定するステップとを含んでな
   る、プリント媒体上の透明インク滴を検出する方法。
2. 【請求項２】 前記１以上の透明インク滴の前記実際の
   位置と、前記第１の意図した位置とを比較するステップ
   をさらに含む請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】 前記光反射率の変化を検出するステップ
   が、前記第１の意図した位置を含む前記領域内の前記プ
   リント媒体の反射率と、前記透明インクを含む前記プリ
   ント媒体の反射率とを検出するステップを含む請求項１
   に記載の方法。
4. 【請求項４】 前記プリント媒体上の第２の意図した位
   置に有色インクの１以上の液滴を発射するステップと、 前記第２の意図した位置を含む前記領域を照明して、前
   記第２の意図した位置を含む領域のまわりの拡散反射を
   走査するステップと、 検出した拡散反射に応じて、前記１以上の有色インク滴
   の実際の位置を決定するステップとをさらに含む請求項
   １に記載の方法。
5. 【請求項５】 前記検出した光反射率の変化に応じて、
   前記１以上の透明インク滴の液滴サイズを決定するステ
   ップをさらに含む請求項１に記載の方法。
6. 【請求項６】 プリント媒体上の透明インク滴の存在を
   判定するシステムであって、 前記プリント媒体からの正反射と前記透明インク滴を含
   む前記プリント媒体上の位置とを検出するように動作可
   能な光学スキャナと、 該正反射の変化を検出して、前記透明インク滴剤の前記
   位置を決定するように動作可能なコントローラとをさら
   に含んでなるシステム。
7. 【請求項７】 前記光学スキャナが、拡散反射を検出す
   るようにさらに動作可能である請求項６に記載のシステ
   ム。
8. 【請求項８】 前記コントローラが、前記プリント媒体
   上の前記付着した透明インク滴からの前記検出した正反
   射に基づいて、前記少なくとも１つのインク放出要素の
   位置合わせ不良を検出するように動作可能である請求項
   ６に記載のシステム。
9. 【請求項９】 プリント媒体上の透明インク滴を検出す
   る方法であって、 前記透明インク滴を含むと思われる領域内のプリント媒
   体にわたって光検知器を走査するステップと、 前記領域内の前記プリント媒体の反射率の変化を検出す
   るステップとを含んでなる方法。
10. 【請求項１０】 前記反射率の変化を検出するステップ
    が、前記プリント媒体の正反射率を検出するステップを
    含む請求項９に記載の方法。