JP2003154864A - 走行装置 - Google Patents

走行装置

Info

Publication number
JP2003154864A
JP2003154864A JP2001352054A JP2001352054A JP2003154864A JP 2003154864 A JP2003154864 A JP 2003154864A JP 2001352054 A JP2001352054 A JP 2001352054A JP 2001352054 A JP2001352054 A JP 2001352054A JP 2003154864 A JP2003154864 A JP 2003154864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
shaft
gears
transmission
brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001352054A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisayuki Satoji
久幸 里路
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd, Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP2001352054A priority Critical patent/JP2003154864A/ja
Publication of JP2003154864A publication Critical patent/JP2003154864A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)
  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Motor Power Transmission Devices (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 同じ操向レバー23のストロークに対しても
旋回を素早くする場合とゆっくり旋回する場合との何れ
かを選択できる走行装置を提供すること。 【解決手段】 差動歯車装置6のデフケース54と該デ
フケース54の回転数を変速する油圧ブレーキ7の間に
変速段を変更可能な複数のギア段(ギア72、73及び
ギア81、82)を備えたトルク変更手段90を設け
る。小ギア82が大ギア73に噛合している場合(曲線
B)は、ブレーキ軸80はより高速回転しているため、
ブレーキ軸80に掛かるトルクは大ギア81と小ギア7
2(曲線A)に比べて比較的小さいので操向レバー23
のレバーストロークに対するブレーキ軸80の回転数が
速やかに低下し、クローラ3も速やかに減速して早めに
急旋回モードに入ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クローラなどを走
行手段とする作業機などの走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クローラを走行手段とする作業機などの
走行装置として、農業用のコンバインを例に従来の技術
を説明する。コンバインはクローラを構成する無限履帯
の接地面積を広くし、水田など軟弱な圃場でも自由に走
行して刈取作業などの農業作業を可能としている。
【0003】コンバインは動力源としてエンジンを搭載
し、エンジンの発生する動力をコンバインの走行、刈
取、脱穀などに使用するが、そのクローラは、エンジン
の動力を走行トランスミッションにより変速して伝動し
て駆動する。走行トランスミッションは、静油圧式無段
変速装置(以下、無段変速装置をHSTという)、歯車
列機械的変速手段、差動歯車装置、クラッチ手段、ブレ
ーキ手段などにより構成されている。
【0004】コンバインを直進走行させるときは、左右
一対のクローラを等速で駆動し、コンバインを左右に旋
回させるときは、左右のクローラに速度差を与えて駆動
し、高速側のクローラを外側に、低速側、停止側または
後退側のクローラを内側とする旋回が可能な構成として
いる。
【0005】コンバインを用いて圃場に植立する穀稈の
刈取及び脱穀などを行うことにより、収穫作業の省力化
と能率化が進展してきた。コンバインは走行装置として
クローラを用いるために、その運転操作は必ずしも容易
ではなかったが、コンバインの走行トランスミッション
に無段階変速できる走行用油圧無段変速装置(以下、走
行用HSTという)および旋回用油圧無段変速装置(以
下、旋回用HSTという)を設けることにより、コンバ
インの走行、操舵の運転操作はきわめて容易に行えるよ
うになった。
【0006】さらに比較的低コストの差動歯車装置を設
けた走行トランスミッション補助伝動系を備えた構成を
用いて微速前進時の旋回確実性を向上させたコンバイン
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記差動歯車装置を備
えた走行トランスミッション伝動系においても、操向レ
バーを操作してコンバインを旋回させるときに、それぞ
れの操向レバーの傾斜角度に対応した旋回方向内側の車
輪の回転数が決まっているため、運転者(オペレータ)
は操向レバーの傾斜角度(レバーストローク)により、
コンバインが緩旋回、ブレーキ旋回及びスピン旋回のう
ちのどの旋回モードで、どの程度の旋回半径で旋回でき
るかが経験的に分かっている。従って、運転者は好みの
旋回の仕方で旋回ができる利点がある。
【0008】しかし、同じスピン旋回モードでも、早め
にスピン旋回まで達することが望ましい場合と、ゆっく
りスピン旋回した方が良い場合があるが、従来のコンバ
インでは、前記したような多様な旋回をレバーストロー
クにより選択することはできなかった。
【0009】そこで、本発明の課題は、同じ操向レバー
のストロークに対しても旋回が素早くする場合とゆっく
り旋回する場合との何れかを選択できる走行装置を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成によって解決される。請求項1の発明は、エンジン
からの動力を変速し、変速した動力を断続的に伝動可能
な左右一対のクラッチ44及び差動機構6を介して左右
の車軸11に伝達するようにした走行装置の伝動機構に
おいて、前記差動機構6の回転を、変速手段7により変
速制御して左右の車軸11の回転比を変えて旋回可能に
構成すると共に、前記差動機構6と変速手段(油圧ブレ
ーキ)7との間にはトルク変更手段90を設けた走行装
置の伝動機構である。
【0011】本発明の上記請求項1記載の発明によれ
ば、差動機構6は変速手段(油圧ブレーキ)7により変
速されるが、トルク変更手段90によって変速手段(油
圧ブレーキ)7へ作用するトルクを上げたり下げたりす
る。通常は、トルクを下げるようにする。トルクを下げ
ると、変速手段(油圧ブレーキ)7に作用するトルクが
下がるので、変速手段(油圧ブレーキ)7は回転制御を
実行しやすくなる。
【0012】請求項2の発明は、前記差動機構6、変速
手段(油圧ブレーキ)7、クラッチ44及びトルク変更
手段90の上手側には副変速装置24を設け、該副変速
装置24は複数段の歯車変速機構の構成とし、該複数段
の歯車変速機構は歯車の内径部に設けたキーシフト3
7、37a、38によって変速するように構成した走行
装置の伝動機構である。
【0013】本発明の上記請求項2記載の発明によれ
ば、副変速装置24を変速するには、複数段の歯車変速
機構の歯車の内径部に設けたキーシフト37、37a、
38を軸方向に沿って移動させ、希望する歯車の変速比
のところで保持する。従って、副変速装置の変速伝動
は、キー37を介して下手側に伝達されていく。そし
て、走行装置の下手側から反力が加わっても、この反力
は歯車の噛み合い部分のみに作用して、キー37部分に
は作用しない。
【0014】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明によれば、
トルク変更手段90によってトルクを下げると、変速手
段(油圧ブレーキ)7に作用するトルクが下がるので、
回転制御が容易に実行できるようになる。即ち、旋回方
向内側の回転数は機敏に変速されるようになり、機敏に
旋回できるようになる。
【0015】また本発明の請求項2記載の発明によれ
ば、走行装置の下手側からの反力はキー37部分には伝
わらないので、副変速装置24の変速は軽い操作力で実
行可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明の実施の形態を図面を用いて説明
する。図1は本発明のコンバインの前面図であり、図2
は本発明のコンバインの左側面図である。
【0017】図1および図2に示すように、コンバイン
1の車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一
対の走行クローラ3を有する走行装置本体4を配設し、
車体フレーム2の前端側に分草具5を備えた刈取装置9
が設けられている。刈取装置9は車体フレーム2の上方
の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレーム
(図示せず)で支持されているので、コンバイン1に搭
乗したオペレータが操縦室20の操向レバー23を前後
に傾倒操作することにより、刈取装置支持フレーム(図
示せず)と共に上下に昇降する構成である。
【0018】車体フレーム2の上方には、刈取装置9か
ら搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送して脱穀、選別
する脱穀装置10と該脱穀装置10で脱穀選別された穀
粒を一時貯溜するグレンタンク13が載置され、グレン
タンク13の後部にオーガ15を連接して、グレンタン
ク13内の穀粒をコンバイン1の外部に排出する構成と
している。
【0019】すなわち、コンバイン1は、オペレータが
操縦室20において主変速HSTレバー21および副変
速レバー22を操作し、エンジンEの動力を図3、図4
に示す走行トランスミッション14の主変速機のHST
18および副変速手段24などの歯車変速手段を介して
変速し、左右のクローラ3に伝動して任意の速度で走行
する。
【0020】また、コンバイン1は、オペレータが操縦
室20において操向レバー23を左右に傾倒操作するこ
とにより各種旋回走行することができる。すなわち、操
向レバー23をコンバイン1を旋回させようとする方向
に傾倒操作することにより、図3に示す走行トランスミ
ッション装置14内のサイドクラッチ44Rまたは44
Lが作動し、左右のクローラ駆動スプロケット25Lま
たは25Rに選択的に伝動されるので、左右のクローラ
3、3に速度差が与えられて走行方向の変更が行われる
構成としている。
【0021】本実施の形態のコンバインの走行トランス
ミッション装置14の伝動線図を図3に示し、図4に操
向レバー23のストロークと制動側のホイールシャフト
ギア48R又はギア48Lの回転数の関係図を示す。エ
ンジンEからの動力は走行用HST18に伝動され、該
走行用HST18では正・逆転の切換えや変速回転動力
が出力軸17から出力される構成になっている。そし
て、主変速HSTレバー21により走行用HST18の
増減速の変速と前後進(正・逆転の切換え)の切換えが
できる構成としている。
【0022】また、操向レバー23の操作により、後述
のサイドクラッチ44L、44Rの「入」・「切」によ
り、増減速をするための変速操作を行って差動歯車装置
6の駆動を介して旋回操行ができる構成としている。
【0023】そして、走行トランスミッション装置14
内には、副変速手段24と油圧ブレーキ7と差動歯車装
置6が設けられ、伝動下手側に軸架した左右のホイール
シャフト11L、11Rから駆動スプロケット25L、
25Rを介して走行クローラ3、3に動力を伝動する構
成としている。
【0024】副変速手段24は、走行用HST18の出
力軸17の動力が伝動される第一副変速軸27上に一体
に設けられた大ギア28と中ギア29と小ギア30と第
二副変速軸33上にそれぞれ別体に設けられた変速小ギ
ア34、変速中ギア35及び変速大ギア36から構成さ
れる。
【0025】上記第一副変速軸27は、端部をミッショ
ンケースから外側に延長して刈取伝動プーリ31(刈取
PTOプーリ)を軸着して車速に同調した回転動力を刈
取装置9の駆動各部に入力できる構成としている。
【0026】また、第一副変速軸27上に一体に設けら
れたギア28〜30と第二副変速軸33上のギア34〜
36はそれぞれ常時噛合している。第二副変速軸33上
に遊嵌されているギア34〜36の中空軸の内周面に
は、後述する一対のキーシフト爪37、37が半径方向
外向きに出入可能である係止溝(図示せず)が、軸方向
にそれぞれ形成されている。キーシフト爪37の先端部
が前記ギヤ34〜36の前記係止溝のいずれか1つに係
合すると、第一副変速軸27の回転力がギヤ28〜30
の何れか対応するギヤを介して第二副変速軸溝33に伝
達され、第二副変速軸溝33に固着されたギヤ39を回
転させる。
【0027】キーシフト爪37が小ギヤ34の係止溝に
入るとより高速の回転がクローラ3側に伝達され、キー
シフト爪37が大ギヤ36の係止溝に入るとより低速の
回転がクローラ3側に伝達される。
【0028】なお、各ギヤ34〜36の間にはカラー4
0a、40bが配置され、3枚のギヤ34〜36の位置
決めを行なう。カラー40a又はカラー40bの内周部
には前記キーシフト爪37が収まる係止溝(図示せず)
が設けられ、この係止溝内にキーシフト爪37が入ると
第一副変速軸27の回転動力は第二副変速軸33には伝
達されず中立状態となる。
【0029】キーシフト爪37は第二副変速軸33を支
持するミッション装置14のケースに支持された板バネ
状の弾性体からなるアーム37a、37aの先端に一体
的に設けられ、常時一対のキーシフト爪37、37が常
時第二副変速軸33の半径方向外側へ付勢されている。
【0030】また、キーシフト爪37を支える第二副変
速軸33にはシフターアーム38の係止ピン43が入る
凹部が設けられ、シフターアーム38は副変速レバー2
2の操作で軸32廻りに回動してアーム38によりキー
シフト爪37を第二副変速軸33の軸方向方向に摺動さ
せることができる。
【0031】第二副変速軸33のギア39はクラッチ軸
41に固着した入力ギア42に常時噛合している。クラ
ッチ軸41にはスプリング49R、49Lでクラッチ4
4L、44Rの円筒状回転体47L、47Rが中央部に
向けて付勢され、クラッチ軸41に固着された中心回転
体45のギア45a、45bにそれぞれ噛合している。
【0032】円筒状回転体47L、47Rの前記中心回
転体45のギア45a、45bとの当接部分には互いに
係合する爪が設けられ、クラッチ44LR、44Rを構
成している。クラッチ44L、44Rの係合と開放はシ
フタ46L、46Rで行うが、該シフタ46L、46R
はそれぞれシリンダ60L、60Rで作動される。
【0033】副変速のギアチェンジ時に噛合しているギ
ア間の面圧に抗してギアチェンジを行うと副変速レバー
22が重くなるが、前記副変速手段24のキーシフト爪
37を用いるシーキフト機構を用いることにより、速や
かなギアチェンジができる。
【0034】伝動軸70には差動歯車装置6のリングギ
ア53と常時係合しているセンターギア71とその他に
小ギア72と大ギア73が固定されている。
【0035】またこの小ギア72と大ギア73とそれぞ
れ係合可能な大ギア81と小ギア82をスプライン係合
したブレーキ軸80が伝動軸70に隣接配置されてい
る。ブレーキ軸80の大ギア81と小ギア82は一体的
にブレーキ軸80にスプライン係合されており、図示し
ないシフタで軸方向に摺動するので、大ギア81が小ギ
ア72と噛合するか小ギア82が大ギア73と噛合する
かどちらか一方のギア同士のみで噛合する。
【0036】ブレーキ軸80には多板式摩擦板からなる
油圧ブレーキ7が設けられ、油圧ブレーキ7に圧入され
るオイルの油圧力の制御でブレーキ軸80の回転数の減
少の程度を調整できる。また、同一油圧力がブレーキ軸
80に掛かるときには大ギア81が小ギア72に噛合し
ている場合は小ギア82が大ギア73に噛合している場
合に比較してブレーキ軸80に掛かるトルクが大きくな
る。これら、ギア72、73、81、82、回転軸7
0、80及び図示しないシフタなどをトルク変速手段9
0という。
【0037】伝動軸70のセンターギア71には差動歯
車装置6のリングギア53が常時係合している。差動歯
車装置6の中間ベベルギア52の外周に設けたデフケー
ス54と一体のリングギア53を設けており、リングギ
ア53と中間ベベルギア52が一体回転する。また、差
動歯車装置6の左右一組の差動軸50L、50Rには側
部ベベルギア51L、51Rがそれぞれスプライン係合
しており、また、差動軸50L、50Rには左右のサイ
ドギア55L、55Rがそれぞれ固定している。これら
サイドギア55L、55Rはそれぞれクラッチ44L、
44Rの円筒状回転体47L、47Rの外周部に設けら
れたギア47La、47Raにそれぞれ噛合しており、
またギア47La、47Raにはそれぞれホイールシャ
フトギア48L、48Rも常時係合している。
【0038】上記構成からなるギア機構において、直進
時は左右のサイドクラッチ44L、44Rが係合したま
まであり、エンジンEの動力は副変速手段24に入力さ
れ、副変速手段24の第二副変速軸33の出力ギア39
からクラッチ軸41の入力ギア42L、42R及びホイ
ールシャフトギア48L、48R、ホイールシャフト1
1L、11R、駆動スプロケット25L、25Rを経由
して、左右のクローラ3、3に動力がそれぞれ伝動され
る。
【0039】また、直進時の差動歯車装置6の状態は次
の通りである。サイドギア55L、55Rは、それぞれ
クラッチ44L、44Rの円筒状回転体47L、47R
の外周部のギア47La、47Raにそれぞれ常時係合
しているので、サイドギア55L、55Rは同じ方向に
共に等速回転し、従って、デフケース54と該デフケー
ス54と一体のリングギア53も同じ方向にサイドギア
55L、55Rと等速回転する。このときサイドギア5
5L、55Rの回転がベベルギア51L、51R及びデ
フケース54、リングギア53を経由してギア71を回
転させるが、ギア71の回転軸70に固定されたギア7
2又はギア73に噛合したシフタギア81、82は油圧
ブレーキ7が作動していないので空回りするだけであ
る。
【0040】次に前記ギア機構の右旋回時の作動につい
て説明する。操向レバー23を右側に傾斜させること
で、サイドクラッチ44Rを「切」にすると、円筒状回
転体47Rがスプリング49Rの付勢力に抗して、矢印
A方向に移動する。円筒状回転体47Rの矢印A方向へ
の移動によりクラッチ44Rを「切」として、クラッチ
44Lのみに係合している円筒状回転体47Lの外周部
のギア47Lbと係合するホイールシャフトギア48L
を一定速度で回転させ、円筒状回転体47Rに係合した
ホイールシャフトギア48Rは連れ回りして右緩旋回が
始まる。
【0041】このとき、差動歯車装置6のサイドギア5
5L、55Rのうち、円筒状回転体47Lの外周ギア4
7Laと係合するサイドギア55Lだけが回転する。サ
イドギア55Lの回転で、該サイドギア55Lと一体回
転する差動軸50Lにスプライン嵌合しているベベルギ
ア51Lが回転し、ベベルギア51Lは、これに固定し
ているデフケース54を回転させ、同時にデフケース5
4と一体のリングギア53を回転させる。
【0042】次いでリングギア53の回転は伝動軸70
のセンターギア71、小ギア72、大ギア73に伝達さ
れるが、小ギア72と大ギア73は、ブレーキ軸80に
スプライン係合した一体化されたシフタギアである大ギ
ア81と小ギア82にそれぞれに係合可能な構成であ
り、ブレーキ軸80の多板式摩擦板からなる油圧ブレー
キ7に圧入されるオイルの油圧力の制御でブレーキ軸8
0の回転数が減少し始めると、大ギア81と小ギア72
を経由して、又は小ギア82と大ギア73を経由してギ
ア71に噛合するリングギア53の回転数が減少しはじ
め、該リングギア53に係合した円筒状回転体47Rを
介してホイールシャフトギア48Rの回転数が減少し始
める。従ってスプロケット25Rの設けられた右クロー
ラ3の回転数が減少を始める。
【0043】油圧ブレーキ7の摩擦力が強くなるに従い
リングギア53の回転数が減少していく。リングギア5
3の回転数がサイドギア55Lの1/2になると、サイ
ドギア55Rはゼロ回転となり、サイドギア55Rから
円筒状回転体47R、ホイールシャフトギア48R、ホ
イールシャフト11R及び駆動スプロケット25Rを順
次回転させていた駆動力がゼロになり、右クローラ3が
回転しない、いわゆるブレーキ旋回が行われる。
【0044】ここで、油圧ブレーキ7が完全に接続する
とシフタギアの大ギア81と小ギア72のギア比又はシ
フタギアの小ギア82と大ギア73のギア比(変速比)
に基づく一定回転数でリングギア53が回転するので前
記ギア81、72又はギア82、73のギア比(変速
比)をリングギア53又はデフケース54の回転数がサ
イドギア55Lの回転数の1/2になるように設定する
ことで前記した、いわゆるブレーキ旋回までができ、急
旋回をできないようにすることが可能である。
【0045】こうして、リングギア53又はデフケース
54の回転数をサイドギア55Lの1/2に固定できる
ため、サイドギア55R側の差動軸50Rを確実に停止
させ、これによって完全なブレーキターン状態にするこ
とができる。このため、急旋回するとコンバインが沈下
したり、走行負荷が増大するおそれがある湿田等での走
行時に、急旋回を牽制することができ、適応性が向上す
る。
【0046】また、リングギア53又はサイドギア55
Rはゼロ回転となるので右クローラ3を持ち上げて行う
右クローラ3の着脱作業を安全に行うことができる。
【0047】ここで、油圧ブレーキ7の摩擦板を油圧力
の制御によって無段階的(連続的)に設定された旋回モ
ードまで制御をすることができる。なお、この油圧ブレ
ーキ7の摩擦板の油圧力の制御は操縦室20に設けた操
向レバー23で行うようにすることができる。
【0048】また、ギア81、72のギア比又はギア8
2、73のギア比(変速比)を変更して図4に示すよう
にサイドギア55Rをサイドギア55Lの等速逆回転ま
で急旋回(スピンターン)させることができる。前記サ
イドギア55Rの旋回制御は、油圧ブレーキ7の摩擦板
を油圧力の制御を無段階的(連続的)に行うことで変速
することができる。なお、クラッチ軸41の回転数をセ
ンサ(図示せず)で検出して油圧力の調整のフィードバ
ックをすることが必要である。
【0049】また、シフターギアの大ギア81が小ギア
72に噛合している場合に操向レバー23を左方向又は
右方向に傾斜させていくと、大ギア81と小ギア72の
ギア比(変速比)に応じて、そのレバーストロークに対
するブレーキ軸80の回転数が図4の曲線Aで示すよう
に低下していく。一方、小ギア82が大ギア73に噛合
している場合は、ブレーキ軸80はより高速回転してい
るため、ブレーキ軸80に掛かるトルクは比較的小さい
ので、操向レバー23のレバーストロークに対するブレ
ーキ軸80の回転数が、小ギア82と大ギア73のギア
比(変速比)に応じて図4の曲線Bで示すように曲線A
に比べて速やかに低下していく。ブレーキ軸80の回転
数の低下に比例して駆動スプロケット25Rも速やかに
低下するので図4の曲線Bで示す場合には曲線Aの場合
に比べてクローラ3も速やかに減速して早めに急旋回モ
ードに入ることができる。
【0050】従って図示しないシフタによりブレーキ軸
80にスプライン係合した大ギア81と小ギア82のい
ずれを伝動軸70のギア72又はギア73に係合させる
かによって油圧ブレーキ7を差動させた場合の旋回性能
が異なる。その結果、簡単な構成で旋回モードの選択の
幅が広がり、また直進時でもブレーキの効き方を2種類
設けることができる。
【0051】また、左旋回時にはサイドクラッチ44L
を「切」にすることで、前記右旋回時と同様の制御がで
きるので説明は省略する。
【0052】一般にコンバインを用いて穀稈の刈取作業
を行う際に、刈取装置9の分草具5に設けた自動方向制
御(ACD)スイッチ77(図5)により植立穀稈の条
合わせを行う。この植立穀稈の条合わせは自動方向制御
(ACD)スイッチ77が植立穀稈を検出すると、油圧
ブレーキ7が作動をはじめ、差動歯車装置6により左右
のいずれか適切な方向に旋回して条合わせを行う。
【0053】しかし、本実施の形態のコンバインでは、
自動方向制御(ACD)スイッチ77の作動によりコン
バインの旋回制御で植立穀稈の条合わせを行うまでもな
く、素早く旋回制御して植立穀稈の条合わせを行うため
に、図6に示すように油圧ブレーキ7の作動と左右いず
れかのサイドクラッチ44L、44Rを「切」にするた
めの一対の迅速旋回用スイッチ(左サイドクラッチ切り
スイッチ61、右サイドクラッチ切りスイッチ62)を
操向レバー23の頂部に設けている。このとき操向レバ
ー23の傾斜角度には無関係にシリンダ60L、60R
が作動する。
【0054】また、刈取装置9に設けられた穀稈センサ
(図示せず)が穀稈を検出すると、一対の迅速旋回用の
サイドクラッチ切りスイッチ61、62のオンで油圧ブ
レーキ7を作動させる際の初期油圧を、穀稈センサが作
動しないときに比べて高めに設定できるように、図7の
との間でブレーキ7の初期油圧を調整するブレーキ
初期油圧感度調整ダイヤル63を操縦室20に設けてお
き、調整ダイヤル63の調整量に応じて前記左右いずれ
かのサイドクラッチ44L、44Rが「切」動作を素早
く行うことができる。
【0055】上記操作による旋回力は刈取装置9に設け
た穀稈センサがオンの時はオフ時に比べ強くなり、容易
に、素早く条合わせができる。
【0056】また、図5(a)に本実施の形態の刈取装
置9の分草具5に設けられたACDセンサ76L、76
Rを備えたコンバインの油圧ブレーキ7とサイドクラッ
チ44L、44Rの作動用シリンダ60L、60Rの油
圧回路を示し、図5(b)に操向レバー23の傾斜角度
と方向切換バルブ66及びリリーフバルブ74の作動領
域の関係を示す。
【0057】操縦室20に設けた自動方向制御(AC
D)スイッチ77をオンすると、ACDセンサ76L、
76Rが作動可能になり、操向レバー23を左右方向に
図5(b)の範囲A内で傾斜された場合にはソレノイド
バルブ66L、66Rが作動してオイルタンク65から
ポンプ67により送油されてシリンダ60L又は60R
が作動してシフタ46L又は46R(図3)の移動でサ
イドクラッチ44L又は44Rを「切」る動作が始ま
る。また操向レバー23を前後方向に傾斜させるとソレ
ノイドバルブ69が作動させて刈取装置9を昇降を行う
刈取シリンダ75の作動制御ができる。
【0058】また、シリンダ60L又は60Rに送油す
る油路80aには油圧ブレーキ7を作動するためのブレ
ーキシリンダ78へ送油する油路80bが接続してお
り、シリンダ60L又は60Rが最大限作動するとブレ
ーキシリンダ78に送油が開始される油路80bが開
く。該ブレーキシリンダ78への送油用の油路80bは
ブレーキシリンダ78の手前でオイルタンク65にオイ
ルが還流する油路80cが分岐して設けられている。油
路80cには上流側から順に比例バルブ79とリリーフ
バルブ74が配置されており、リリーフバルブ74は操
向レバー23の傾斜により油路80cの流路を狭めてブ
レーキシリンダ78の背圧を高める作用がある。比例バ
ルブ79はソレノイドバルブ66をオンにすると予め決
められた油圧ブレーキ7用の制御油圧の初期感度を設定
する開度で油路80cを調圧する構成になっており、操
向レバー23の傾斜角度に依存しないで油圧ブレーキ7
用の制御油圧の初期感度を設定できる。
【0059】比例バルブ79とリリーフバルブ74の間
の油路80cには分岐油路80dが設けられ、該分岐油
路80dには上流側から順に絞り弁64と切替バルブ6
8が設けられている。リリーフバルブ74は操向レバー
23の傾斜範囲が図5(b)のAとB2の領域で作動す
る構成である。切替バルブ68の作動用コイル68aに
は自動方向制御(ACD)スイッチ77のオンで油路8
0dが開く構成になっている。
【0060】上記構成からなる図5の油圧回路では、操
向レバー23が傾斜範囲Aの領域内で傾斜するとバルブ
66とシリンダ60L、60Rの作動でサイドクラッチ
44L、44Rが「切」となり、次いでシリンダ60
L、60Rから油路80bを経由してシリンダ71に送
油され、油圧ブレーキ7が作動をはじめる。このとき、
比例バルブ79により設定された初期油圧に従って油圧
ブレーキ7が作動する。また、このとき操向レバー23
の傾斜角度に応じて図7に示す直線に従って油圧ブレー
キ7の制御圧が変化する。
【0061】また、刈取装置9に設けられた穀稈センサ
(図示せず)が穀稈を検出すると、前記比例バルブ79
の制御により油圧ブレーキ7の初期圧を上げる構成にし
ても良い。穀稈センサがオンになる刈取作業時は操向レ
バースイッチのオン時の方向修正操作時クラッチ圧を上
げ、通常の非刈取作業時より旋回力を上げ、条合せ適応
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のコンバインの前面図を
示す。
【図2】 図1のコンバインの左側面図を示す。
【図3】 図1のコンバインの走行トランスミッション
装置の伝動系統線図を示す。
【図4】 図1のコンバインの操向レバーのストローク
と制動側のホイールシャフトギアの回転数との関係図を
示す。
【図5】 図1のコンバインの一部の油圧回路図を示
す。
【図6】 図1のコンバインの操縦室内のモニタ付近図
を示す。
【図7】 図1のコンバインの操向レバーのストローク
と油圧ブレーキの制御圧との関係図を示す。
【符号の説明】
1 コンバイン 2 車体フレー
ム 3 クローラ 4 走行装置本
体 5 分草具 6 差動歯車装
置 7 油圧ブレーキ 9 刈取装置 10 脱穀装置 11L、11R
ホイ−ルシャフト 13 グレンタンク 14 走行トランスミッション装置 15 オーガ 17 出力軸 18 走行用H
ST 20 操縦室 21 主変速H
STレバー 22 副変速レバー 23 操向レバ
ー 24 副変速手段 25L、25R
駆動スプロケット 27 第一副変速軸 28 大ギア 29 中ギア 30 小ギア 31 刈取伝動プ−リ 32 軸 33 第二副変速軸 34 変速小ギ
ア 35 変速中ギア 36 変速大ギ
ア 37 キーシフト爪 37a アーム 38 シフターアーム 39 ギア 40a、40b カラー 41 クラッチ
軸 42 入力ギア 43 係止ピン 44L、44R サイドクラッチ 45a、45b
ギア 45 中心回転体 46 シフタ 47L、47R 円筒状回転体 47La、47Ra ギア 48L、48R ホイールシャフトギア 49L、49R スプリング 50L、50R
差動軸 51L、51R 側部ベベルギア 52 中間ベベ
ルギア 53 リングギア 54 デフケー
ス 55L、51R サイドギア 60L、60R
シリンダ 61 左サイドクラッチ切りスイッチ 62 右サイドクラッチ切りスイッチ 63 調整ダイヤル 64 絞り弁 65 オイルタンク 66 方向切換
バルブ 66L、66R ソレノイドバルブ 67 ポンプ 68 切換バル
ブ 68a 作動用コイル 69 ソレノイ
ドバルブ 70 伝動軸 71 センター
ギア 72 小ギア 73 大ギア 74 リリーフバルブ 75 刈取シリ
ンダ 76L、76R ACDセンサ 77 自動方向制御(ACD)スイッチ 78 ブレーキシリンダ 79 比例バル
ブ 80 ブレーキ軸 80a〜80d
油路 81 大ギア 82 小ギア 90 トルク変更手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの動力を変速し、変速した
    動力を断続的に伝動可能な左右一対のクラッチ(44)
    及び差動機構(6)を介して左右の車軸(11)に伝達
    するようにした走行装置の伝動機構において、 前記差動機構(6)の回転を、変速手段(7)により変
    速制御して左右の車軸(11)の回転比を変えて旋回可
    能に構成すると共に、前記差動機構(6)と変速手段
    (7)との間にはトルク変更手段(90)を設けたこと
    を特徴とする走行装置の伝動機構。
  2. 【請求項2】 前記差動機構(6)、変速手段(7)、
    クラッチ(44)及びトルク変更手段(90)の上手側
    には副変速装置(24)を設け、該副変速装置(24)
    は複数段の歯車変速機構を備え、該複数段の歯車変速機
    構は歯車の内径部に設けたキーシフト(37、37a、
    38)によって変速するように構成したことを特徴とす
    る請求項1に記載の走行装置の伝動機構。
JP2001352054A 2001-11-16 2001-11-16 走行装置 Pending JP2003154864A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001352054A JP2003154864A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 走行装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001352054A JP2003154864A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 走行装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003154864A true JP2003154864A (ja) 2003-05-27

Family

ID=19164285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001352054A Pending JP2003154864A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 走行装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003154864A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4222583B2 (ja) 車輌の走行用トランスミッション
JP5549302B2 (ja) 作業車両
JP2003235330A (ja) 作業機の走行装置
JP2003237615A (ja) 作業機の走行装置
JP3695364B2 (ja) 走行装置
JP2003154864A (ja) 走行装置
JP4513174B2 (ja) コンバインの操向装置
JP3452036B2 (ja) コンバインにおける走行装置の伝動機構
JP3520635B2 (ja) コンバインの走行装置
JP3747812B2 (ja) 走行装置
JP3452035B2 (ja) コンバインにおける走行装置の伝動機構
JP3452037B2 (ja) コンバインにおける走行装置の伝動機構
JP3542668B2 (ja) 作業車両の走行装置
JP2000018375A (ja) 作業車両の変速操作機構
JP4189144B2 (ja) トラクタのブレーキ装置
JP3722039B2 (ja) 走行装置
JPH09315337A (ja) 作業車両の操向装置
JP4359762B2 (ja) 走行車両
JP4548579B2 (ja) コンバイン
JP4600639B2 (ja) 走行装置
JP2000335458A (ja) 走行装置
JP2850708B2 (ja) コンバイン等の操向操作装置
JP2002193141A (ja) 走行装置
JP2001278093A (ja) 作業機の伝動装置
JP3537374B2 (ja) 作業機の伝動装置