JP2003154630A - インキ供給装置及び印刷機 - Google Patents

インキ供給装置及び印刷機

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JP2003154630A JP2002214065A JP2002214065A JP2003154630A JP 2003154630 A JP2003154630 A JP 2003154630A JP 2002214065 A JP2002214065 A JP 2002214065A JP 2002214065 A JP2002214065 A JP 2002214065A JP 2003154630 A JP2003154630 A JP 2003154630A
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roller
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Mutsumi Namihana
睦 浪華
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    • B41F31/02Ducts, containers, supply or metering devices
    • B41F31/04Ducts, containers, supply or metering devices with duct-blades or like metering devices
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41F31/00Inking arrangements or devices
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    • B41F31/03Ink agitators
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41F7/00Rotary lithographic machines
    • B41F7/20Details
    • B41F7/24Damping devices
    • B41F7/36Inking-rollers serving also to apply ink repellants

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インキ溜内に形成されるインキロールの発生を
抑制或いは阻害し、インキ壺内でのインキの流動性、攪
拌性を確保してインキ着けローラへの良好なインキの供
給を可能にする。 【解決手段】インキが貯留されるインキ壷104aと、
該インキ壷に係合するインキ出しローラ103とを備
え、前記インキ壷内のインキを前記インキ出しローラの
回動動作により引き出して印刷版へ供給するインキ供給
装置であって、前記インキ壷の幅方向の略全長に亘って
形設され且つ前記インキ壷内に貯留されるインキと接触
可能なインキ接触部材106を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、版胴に当接するイ
ンキ着けローラにインキ壺内に貯留されたインキを供給
するインキ供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図20は従来の平版印刷機のインキ供給
装置の概略構成を示しており、インキ溜に貯留されたイ
ンキは、インキ出しローラ903の回転によりインキ移
しローラ904側へ導き出される。インキ移しローラ9
04をインキ出しローラ903とインキ練りローラ群9
05の先頭ローラに交互に接触させることにより、イン
キ出しローラ903表面に形成されたインキ膜がインキ
練りローラ群905の各ローラに順次へ転移され、イン
キ着けローラ902を介して版胴901表面に供給され
る。さらに、湿し水装置906により、版胴901の非
画像形成部表面に水膜が形成され、非画像部へのインキ
転移が阻止される。
【0003】上記印刷機では、インキ移しローラの揺動
によるインキの間欠供給であることから、インキ練りロ
ーラ群の多数のローラでインキを順次転移させながらイ
ンキの均一皮膜を形成して版胴表面に供給する必要があ
り、装置の複雑化、大型化、メンテナンス難、コスト高
を招いていた。
【0004】インキの間欠供給に伴う上記問題を解決す
るもとのとして、特開昭58−45955号公報、特開
平58−65663号公報および特開昭58−8477
1号公報に開示された印刷機が知られている。これらの
印刷機はいずれもインキの連続供給を採り入れることで
インキ練りローラ群を不要にして、装置の簡易化、小型
化、簡易メンテナンス化、低コスト化を図ったものであ
る。
【0005】しかし、インキ練りローラ群が無いため、
インキ溜と湿し水装置が近接して配置される結果、イン
キの乳化が激しくなり、印刷濃度が低下する現象、いわ
ゆる「水負け」が発生する。またインキ溜へ湿し水が混
入し易くなり、最悪の場合、インキ出しローラ上でイン
キがローラに着かなくなるローラストリッピング現象が
発生し、良好なインキの供給ができなくなるおそれがあ
る。この現象を回避するためには、湿し水装置の精密な
調整が不可欠であるが、その安定領域は非常に狭く、ま
た、使用するインキと湿し水の組み合わせ次第では調整
が不可能な場合もある。
【0006】湿し水に起因する上記問題を解決するもの
として、特開昭55−7543号公報に開示された印刷
機が知られている。この印刷機はインキにエマルジョン
インキ(インキと水性成分を混合してコロイド状にした
もの)を用いることで湿し水の供給を不要にし、ローラ
ストリッピング現象の発生を阻止するとともに、湿し水
装置を不要にして、装置の簡易化、小型化、簡易メンテ
ナンス化、低コスト化を図ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】インキの連続供給およ
びエマルジョンインキを使用した印刷機の場合、インキ
出しローラが連続的に回転し、しかもその回転速度が比
較的速いことから、インキ溜内のインキ出しローラの軸
線方向と平行に棒状のインキ塊(図21参照、以下、イ
ンキロールと記す)が形成されることがある。インキロ
ールの発生は、インキ溜内でのインキの流動、攪拌を阻
害するため、インキロールの比較的表層のインキは、イ
ンキロール内部のインキと入れ替われないままに消費さ
れる一方なので、特に、エマルジョンインキのようなイ
ンキと水性成分の2成分混合液の場合は、インキ着けロ
ーラに供給されるエマルジョンインキのインキ/水性成
分のバランスが変化して印刷性能(特に、汚れ性)に悪
影響を与える。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みて成されたもの
で、インキ溜内に形成されるインキロールの発生を抑制
或いは阻害し、インキ溜内でのインキの流動性、攪拌性
を確保してインキ着けローラへの良好なインキの供給を
可能にするインキ供給装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、インキが貯留されるインキ壷と、該インキ
壷に係合するインキ出しローラとを備え、前記インキ壷
内のインキを前記インキ出しローラの回動動作により引
き出して印刷版へ供給するインキ供給装置であって、前
記インキ壷の幅方向の略全長に亘って形設され且つ前記
インキ壷内に貯留されるインキと接触可能なインキ接触
部材を配設したことを特徴とする。
【0010】上記構成によれば、インキ接触部材を備え
ることにより、インキ壷内に形成されるインキロールの
発生を抑制或いは阻害し、インキ壺内でのインキの流動
性、攪拌性を確保することができるためインキ着けロー
ラへの良好なインキの供給が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインキ供給装置の
概略構成を図1に基づいて説明する。図1に示すよう
に、このインキ供給装置100は、印刷機の版胴101
に装着された印刷版101aにインキを供給するインキ
着けローラ102と、このインキ着けローラ102にイ
ンキを供給するインキ出しローラ103と、インキを貯
留するインキ壷104aを有し、前記インキ出しローラ
103の回動動作と協働してインキ壷104a内のエマ
ルジョンインキをインキ出しローラ103上へ略一定膜
厚で引き出す(メータリングする)インキ計量供給手段
104とを備えている。尚、本実施形態では、前記イン
キ壷104内に油中水滴型(W/O型)のエマルジョン
インキが貯留されている。
【0012】インキ着けローラ102は、インキ着けロ
ーラ102上でエマルジョンインキのエマルジョン状態
の制御を行うエマルジョン破壊手段としてシェア制御ロ
ーラ105が付設されている。このシェア制御ローラ1
05は、インキ着けローラ102と接触し任意の回転方
向及び速度で回転することにより、インキ着けローラ1
02上に供給されるエマルジョンインキにシェア(剪断
力)を付与し、エマルジョンインキのエマルジョン状
態、すなわち水性成分/インキ成分の成分バランスを制
御する。詳述すると、このシェア制御ローラ105は、
インキ着けローラ102との接触点でスリップさせるこ
とにより、エマルジョンインキにシェア(剪断力)を加
え、エマルジョンインキにエマルジョン破壊を起こして
水性成分を分離させるものである。なお、シェア制御ロ
ーラ105のローラ材質は、特に限定されない。
【0013】インキ壷104aには、インキ壷104a
の幅方向の略全長に亘って形設され、且つ、インキ壷1
04a内に貯留されるエマルジョンインキと接触するイ
ンキ接触部材106が、インキ壷104a内、又は、イ
ンキ壷104aの上方に配設されている。このインキ接
触部材106は、その少なくとも一部をインキ壷104
a内のエマルジョンインキと接触させることにより、イ
ンキ壷104a内のエマルジョンインキの対流状態を変
化させるものである。換言すれば、このインキ接触部材
106は、インキロールに対する抵抗体として機能する
か、或いは、インキ壷104a内のエマルジョンインキ
の対流状態を変化させる攪拌部材として機能する。
【0014】以下、上記のインキ供給装置100のイン
キ供給の作用について説明する。このインキ供給装置1
00において、インキ壷104a内のエマルジョンイン
キは、インキ出しローラ103の回動動作及びインキ計
量供給手段104によってインキ出しローラ103上へ
略一定膜厚で引き出された後、インキ出しローラ103
からインキ着けローラ102へと供給される。そして、
インキ着けローラ102上に供給されたエマルジョンイ
ンキは、シェア制御ローラ105により付与されるシェ
アによって、そのエマルジョン状態、すなわちエマルジ
ョンインキの水性成分/インキ成分の成分バランスが制
御される。詳述すれば、上記のように油中水滴型(W/
O型)のエマルジョンインキにシェアを付与した場合、
エマルジョンインキの水性成分の一部が分離する。そし
て、上記のようにインキ着けローラ102上で水性成分
/インキ成分の成分バランスが制御されたエマルジョン
インキは、印刷機の版胴101に装着された印刷版10
2aに供給され、これにより平版印刷が行われる。ここ
で本発明においては、インキ接触部材106を配設した
ことにより、インキ壷104a内におけるエマルジョン
インキの対流状態を変化させることができ、結果とし
て、インキ壷104a内の攪拌性が向上する。これによ
り、インキ壷104a内におけるインキロールの発生を
抑制或いは阻害することができ、インキ出しローラ10
3、インキ着けローラ102へインキ/水性成分のバラ
ンスが安定したエマルジョンインキを供給することがで
きるので、汚れが少なく、印刷濃度の安定した印刷を実
現できる。
【0015】以下、本発明のインキ供給装置100の好
適実施例を、インキ接触部材106を中心に詳述する。 (第一実施例)図2〜図4に、本発明のインキ供給装置
100の第一実施例を示す。本実施例において、インキ
計量供給手段104は、底板としてのブレード111
と、側板としての一対の端部シール板112a、112
bとを備え、これらブレード111及び端部シール板1
12a、112bをインキ出しローラ103に図示の如
く係合させることにより、既述のインキ壷104aが形
成されている。すなわち、ブレード111とインキ出し
ローラ103とは、一定のクリアランスSを置いて離間
した位置にそれぞれ配置され、このクリアランスSを通
じてインキ壷104a内のエマルジョンインキがインキ
出しローラ103へ略一定膜厚で引き出される。
【0016】図2及び図3に示すように、本実施例のイ
ンキ接触部材106は、インキ壷104aの上方に配設
されている。このインキ接触部材106は、インキ出し
ローラ103の軸線に対して略平行に配設されていると
ともに、インキ出しローラ103から所定距離Dをおい
た位置、すなわち、インキ出しローラ103と離間した
位置に配設されている。
【0017】インキ接触部材106は、図示しない印刷
機に回動可能に軸支された軸部材106aと邪魔板とし
ての複数の板部材106b(図示例では6つ)とを備え
ている。軸部材106aは平面106cを有し、この平
面106c上に各板部材106bが所定の間隔Uを置い
て並設されている。そのため、このインキ接触部材10
6では、板部材106bがインキ壷104aの幅方向の
略全長に亘って形設されたものとなっている(図3参
照)。また、図4を参照すれば明らかなように、各板部
材106bは、軸部材106aの軸方向に対し傾斜して
各々配置されている。そのため、各板部材106bとイ
ンキ出しローラ103との関係においては、各板部材1
06bがインキ出しローラ103の軸線に対し傾斜して
各々配置されている。
【0018】また、インキ接触部材106にはモータ等
の駆動手段115が付設されている。この駆動手段11
5によって、インキ接触部材106が軸部材106aを
軸中心として連続的或いは段階的に回動可能となってい
る。そのため、インキ接触部材106の位置を任意に移
動させることにより、インキ壷104a内のエマルジョ
ンインキに対する板部材106bの接触の度合いを任意
に設定可能となっている。
【0019】さて、本実施例のインキ供給装置100に
よれば、インキ接触部材106(板部材106b)が、
インキ壷104aの幅方向の略全長に亘って、インキ壷
104a内のエマルジョンインキと接触する。そのた
め、インキ壷104a内におけるエマルジョンインキの
対流状態を変化させることができ、結果としてインキ壷
104a内の攪拌性を向上させることができるため、イ
ンキ壷104a内におけるインキロールの発生を抑制或
いは阻害することができる。従って、インキ着けローラ
102への良好なインキ供給を実現できる。
【0020】また、インキ接触部材106(板部材10
6b)をインキ出しローラ103から離間して配設した
ため、インキ壷104a内でのエマルジョン破壊を抑制
でき、より安定したインキ供給を行うことができる。こ
の場合、安定したインキ供給を行う観点から、インキ接
触部材106(板部材106b)とインキ出しローラ1
03との距離Dは、1〜10mmであることが好まし
く、1〜5mmであることがより好ましい。尚、インキ接
触部材106をインキ出しローラ103に当接させた状
態で配設しても構わない。換言すれば、このインキ接触
部材106は、インキロールが形成される範囲内に配置
するか、或いは、インキ壷104a内のエマルジョンイ
ンキの対流状態を変化させ得る位置に配置されればよ
い。
【0021】さらに、インキ接触部材106をインキ出
しローラ103の軸線に対し略平行に配設することによ
り、インキ壷104a内のエマルジョンインキの対流状
態を変化させて攪拌性を向上させる作用を、インキ壷1
04aの幅方向に亘って均一に発現させることができ
る。
【0022】また、インキ接触部材106を、軸部材1
06aの平面106c上に所定の間隔Uを置いて板部材
106bを並設して構成したため、板部材106b間の
間隔Uを介して、インキ壷104a内のエマルジョンイ
ンキの流動性をより一層向上させることができる。その
ため、インキ壷104a内の攪拌性をより一層促進させ
ることができ、インキ壷104a内におけるインキロー
ルの発生を、より効果的に抑制或いは阻害することがで
きる。ここで各板部材106bの間隔Uは特に限定され
るものではなく、使用するエマルジョンインキの種類や
性状、インキ出しローラ103の回転速度などに応じて
適宜設定できるものであるが、30mm以下であることが
好ましく、20mm以下であることがより好ましく、10
mm以下であることが特に好ましい。
【0023】インキ接触部材106の板部材106b
を、インキ出しローラ103の軸線に対して傾斜して配
置することにより、インキ壷104a内のエマルジョン
インキの対流状態、特にインキ壷104aの幅方向の対
流状態を大幅に向上させることができ、インキ着けロー
ラ102への良好なインキ供給を実現できる。
【0024】ここで図示例のインキ接触部材106にお
いては、軸部材106aと複数の板部材106bとを別
体で構成したが、これらが一体的に構成されたものであ
っても構わない。また、複数の板部材106bに代え
て、インキ壷104aの幅方向の略全長に亘る1枚の板
部材106bで構成してもよいし、この1枚の板部材1
06bをインキ出しローラ103の軸線に対して傾斜さ
せた状態で軸部材106aに取り付けたものであっても
よい。さらに、1枚の板部材に複数の切り込みを入れた
後、その切り込みにより分割された各部分にねじ加工を
加えた部材を用いてもよい。
【0025】一方、インキ接触部材106を駆動手段1
15によって連続的或いは段階的に回動させることによ
り、インキ壷104a内のエマルジョンインキを意図的
に攪拌させることもできる。この場合、インキ着けロー
ラ102へのより一層の良好なインキ供給を実現でき
る。
【0026】また、駆動手段115によりインキ接触部
材106(板部材106b)を任意の位置に移動させる
こともでき、インキ壷104a内のエマルジョンインキ
量の増減に応じた種々の使用条件に適用させることがで
きる。尚、このような場合、インキ壷104a内のエマ
ルジョンインキ量を検出するインキ量検出センサを付設
するとともに、その検出結果に基づいて軸部材106a
を回動させ、インキ接触部材106(板部材106b)
を適切な位置に移動させる制御機構を設けることが好ま
しい。
【0027】尚、上記のインキ供給装置100は、必要
に応じて変更実施してもよい。インキ計量供給手段10
4は、特に限定されるものではなく、公知の手段を適用
できる。例えば、インキ出しローラとブレードとのクリ
アランスの増減によりインキ供給量を調整するもの、表
面に凹部セルを有するインキ出しローラ(アニロックス
ローラ)にドクターブレードを摺接させて余剰インキを
掻き取りインキ供給量を調整するもの(アニロックス方
式)、調節ローラを配設し該調節ローラとインキ出しロ
ーラとのクリアランス或いはニップ圧を増減させてイン
キ供給量を調整するもの、等が挙げられる。
【0028】インキ出しローラ103及びインキ着けロ
ーラ102は、スリップにより生じる汚れ、断ムラ、耐
刷不良などの印刷障害を防ぐためには同径であることが
好ましい。一方、装置の小型化の観点からすると、図示
例の如くインキ出しローラ103をインキ着けローラ1
02より小径にすることが好ましい。
【0029】インキ着けローラ102の直径は、版胴1
01へのインキ転移ムラによるインキ濃度差(ゴース
ト)の発生を防止するために、版胴101と同径にする
ことが好ましい。但し、厳密に版胴101と同径である
必要はなく、版胴101の直径に対して約±1mmの範囲
であれば対ゴースト性能は劣化しないことが確認されて
いる。そのため、使用によるインキ着けローラ102表
面の摩耗を見込んで、インキ着けローラ102の直径を
版胴101に対して約1mm大きくしておくことが好まし
い。また、スリップによる生じる汚れ、段ムラ、耐刷不
良等の印刷障害を防ぐためには、版胴101とインキ着
けローラ102とを同じ周速度で回転駆動させることが
好ましい。尚、このような場合、インキ着けローラ10
2の回転速度は、シェア制御ローラ105との間に生じ
るスリップの影響により変化するので、この速度変化を
考慮して版胴101との間にスリップが発生しないよう
に制御することが好ましい。
【0030】シェア制御ローラ105のインキ着けロー
ラ102に対する配設位置は、エマルジョンインキのエ
マルジョン破壊を起こして分離させた水性成分を効率良
く版胴101上の印刷版101aに供給するために、イ
ンキ着けローラ102と版胴101上の印刷版101a
との接触点からインキ着けローラ102回転方向の上流
側が好ましく、さらにインキ着けローラ102と版胴1
01上の印刷版101aとの接触点に近いほど好まし
い。
【0031】シェア制御ローラ105による必要なスリ
ップ量は、使用する版材、画像面積率、印刷速度、環境
条件、エマルジョンインキのインキ/水性成分比、エマ
ルジョンの安定性、エマルジョンインキの粘度等、種々
の条件によって変化するものであるので、これらの条件
に応じて適宜設定すればよい。また、これらの条件は、
印刷時に変動するものもあるので、シェア制御ローラ1
05のローラ回転速度を制御する制御手段を付設するこ
とがより好ましい。
【0032】また、シェア制御ローラ105とインキ着
けローラ102とのスリップによる発熱、温度上昇を抑
制する為に、冷却手段を付設することが望ましい。この
種の冷却手段としては、ローラ内部に冷却水を通すも
の、ローラに冷風を当てる等の公知の冷却方法を適用す
ることができる。
【0033】さらに、ローラ軸線方向のインキ被膜を均
一な厚みにするため、或いはシェア効果をさらに高める
ために、シェア制御ローラ105をローラ軸方向に往復
運動させても構わない。
【0034】(第二実施例)図5〜図7に、本発明のイ
ンキ供給装置100の第二実施例を示す。尚、本実施例
では、インキ接触部材106の構成が異なるほかは、前
述の第一実施例と同じ構成を採るため、重複する記載を
省略する。本実施例のインキ接触部材106は、インキ
壷104aの幅方向の略全長に亘って形設された1枚の
板部材から構成されている。このインキ接触部材106
のインキ壷104a側の端部には、インキ出しローラ1
03の軸線に対し傾斜した斜溝106bが複数(図示例
では7つ)形成されている。このインキ接触部材106
は、インキ壷104aの上方に配設され、インキ出しロ
ーラ103の軸線に対して略平行に配設されているとと
もに、インキ出しローラ103から所定距離Dをおいた
位置、すなわち、インキ出しローラ103と離間した位
置に配設されている。また、このインキ接触部材106
には、エアシリンダー等の駆動手段116が付設されて
おり、インキ接触部材106の位置が垂直上下方向に連
続的又は段階的に移動可能となっている。この駆動手段
116は、特に限定されるものではなく、モータとネジ
軸の組み合わせたもの、ソレノイド等の公知のものを適
用することができる。
【0035】本実施例のようにインキ接触部材106を
構成しても、前述の第一実施例と同様の作用効果が達成
される。特に、1枚の板版部材からなるインキ接触部材
106表面に溝を設けることにより、インキ壷104a
内のエマルジョンインキの対流状態を向上させることが
できる。さらに、インキ接触部材106表面にインキ出
しローラ103の軸線に対し傾斜した斜溝106dを設
けることにより、前述の第一実施例と同様に、インキ壷
104aの幅方向の流動性を大幅に向上させることがで
き、インキ着けローラ102へのより一層の良好なイン
キ供給を実現できる。尚、この斜溝106dの傾斜角
度、個数等については特に限定されるものではなく、印
刷速度や使用するインキ等の使用条件に応じて適宜設定
することができる。また、駆動手段116によって連続
的又は段階的にインキ接触部材106を上下動させるこ
とによって、前述の第一実施例と同様に、インキ壷10
4a内のエマルジョンインキを攪拌することができると
ともに、インキ壷104a内のエマルジョンインキ量の
増減に応じた種々の使用条件に適用させることができ
る。
【0036】(第三実施例)図8及び図9に、本発明の
インキ供給装置100の第三実施例を示す。尚、本実施
例では、インキ接触部材106の構成・配置が異なるほ
かは、前述の第一実施例と同じ構成を採るため、重複す
る記載を省略する。本実施例のインキ接触部材106
は、インキ壷104aの幅方向の略全長に亘って形設さ
れたローラから構成されている。このインキ接触部材1
06の表面には、インキ出しローラ103の軸線に対し
傾斜した螺旋状の溝106dが形成されている。このイ
ンキ接触部材106はインキ壷104a内に配設され、
一対の端部シール板112a、112bに設けられた軸
受け112c間に挟持固定されている。そのため、本実
施例のインキ接触部材106は、その一部乃至全部が、
インキ壷104aの幅方向の略全長に亘って、インキ壷
104a内のエマルジョンインキと接触する。尚、この
インキ接触部材106は、前述の第一実施例と同様に、
インキ出しローラ103の軸線に対して略平行に配設さ
れるとともに、インキ出しローラ103と離間した位置
に配設されている。
【0037】本実施例のようにインキ接触部材106を
構成しても、前述の第一実施例と同様の作用効果が達成
される。特に、インキ壷104a内に幅方向の略全長に
亘って形設されたローラの表面にインキ出しローラ10
3の軸線に対し傾斜した螺旋状の溝106dを設けたイ
ンキ接触部材106を設けたことによって、前述の第一
実施例を同様に、インキ壷104a内のエマルジョンイ
ンキの対流状態、特にインキ壷104aの幅方向の対流
状態を大幅に向上させることができる。尚、インキ接触
部材106をインキ出しローラ103に当接させた状態
で配設しても構わない。換言すれば、このインキ接触部
材106は、インキロールが形成される範囲内に配置す
るか、或いはインキ壷104a内のエマルジョンインキ
の対流状態を変化させ得る位置に配置されればよい。但
し、安定したインキ供給を行う観点からすると、インキ
接触部材106とインキ出しローラ103との距離は、
1〜10mmであることが好ましく、1〜5mmであること
がより好ましい。特に、この範囲であれば、アニロック
ス方式において高粘度インキを用いた場合に問題となる
インキ充填不良を補う効果も得られる。
【0038】(第四実施例)図10(a)〜(f)に、
本発明のインキ供給装置100の第四実施例を示す。
尚、本実施例では、インキ接触部材106の構成が異な
るほかは、前述の第一実施例と同じ構成を採るため、重
複する記載を省略する。本実施例のインキ接触部材10
6は、インキ壷104aの幅方向の略全長に亘って形設
された1枚の邪魔板から構成されている。この邪魔板の
形態としては、インキ壷104aの幅方向の略全長に亘
って形設されたものであれば棒状であっても構わない。
また、図10(a)〜(f)に示すように、邪魔板の断
面形状は特に限定されるものではなく、例えば、四角形
状、三角形状、円形状、楕円形状等であっても構わな
い。このインキ接触部材106はインキ壷104a内に
配設され、一対の端部シール板112a、112b間に
挟持固定されている。そのため、本実施例のインキ接触
部材106は、その一部乃至全部が、インキ壷104a
の幅方向の略全長に亘って、インキ壷104a内のエマ
ルジョンインキと接触する。尚、このインキ接触部材1
06は、前述の第三実施例と同様に、インキ出しローラ
103の軸線に対して略平行に配設されるとともに、イ
ンキ出しローラ103と離間した位置に配設されてい
る。
【0039】本実施例のようにインキ接触部材106を
構成しても、前述の第一実施例と同様の作用効果が達成
される。尚、このインキ接触部材106を前述の第一実
施例の板部材106bの如く、インキ出しローラ103
の軸線に対し傾斜した複数の板部材によって構成する
と、前述の第一実施例と同様に、インキ壷104a内の
エマルジョンインキの流動性、特にインキ壷104aの
幅方向の流動性を大幅に向上させることができる。ま
た、インキ接触部材106表面に溝を設けることによ
り、インキ壷104a内のエマルジョンインキの対流状
態を向上させることができる。さらに、インキ接触部材
106表面にインキ出しローラ103の軸線に対し傾斜
した斜溝を設けることにより、前述の第二実施例と同様
に、特にインキ壷104aの幅方向の流動性を大幅に向
上させることができる。さらに、第三実施例と同様な理
由で、インキ接触部材106をインキ出しローラ103
当接させた状態で配設しても構わない。但し、安定した
インキ供給を行う観点からすると、インキ接触部材10
6とインキ出しローラ103との距離は、1〜10mmで
あることが好ましく、1〜5mmであることがより好まし
い。
【0040】以上説明した実施形態では、インキ壷10
4aに貯留されたインキを、インキ出しローラ103及
びインキ着けローラ102に供給して印刷版101aに
供給するインキ供給装置を説明したが、本発明は他の実
施形態においても適用可能である。その一例として、前
記のインキ出しローラ103を省略した実施形態を、図
11に示す。このインキ供給装置120は、印刷機の版
胴101に装着された印刷版101aにインキを供給す
るインキ着けローラ102と、インキを貯留するインキ
壷104aを有し、前記インキ出しローラ102の回動
動作と協働してインキ壷104a内のエマルジョンイン
キをインキ着けローラ102上へ略一定膜厚で引き出す
(メータリングする)インキ計量供給手段104と、イ
ンキ着けローラ102上でエマルジョンインキのエマル
ジョン状態の制御を行うエマルジョン破壊手段としてシ
ェア制御ローラ105とを備えたものであり、前記イン
キ壷104a内又はインキ壷104aの上方に既述のイ
ンキ接触部材206を備えたものである。また、インキ
出しローラ103と印刷機の版胴101との間に、複数
本のローラを介在させた実施形態、換言すれば、前記イ
ンキ着けローラ102を複数配置したインキ供給装置に
も適用可能である。
【0041】尚、以上説明した実施の形態では、エマル
ジョンインキを用いた湿し水供給を必要としない平版印
刷機について説明したが、インキ壷内に発生するインキ
ロールが印刷性能による悪影響を及ぼすことに変わりは
ないため、エマルジョンインキを使用しない平版印刷機
にも本発明を適用することができる。例えば、通常のイ
ンキを用い湿し水供給により版胴表面にエマルジョンを
形成する平版印刷機や、水無インキ(油性インキ)を用
いる平版印刷機においても、本発明を適用することで印
刷性能の低下を回避することができる。
【0042】さらに、前記のインキ接触部材106をイ
ンキ壷104aと一体化した構成としても構わない。例
えば、図10(g)に示すように、インキ壷104aの
底板としてのブレード111に、前記インキ接触部材1
06と同様に機能する凸部を設けても、本発明と同様の
作用効果を得ることができる。
【0043】さらに、シェア制御ローラの好適実施例に
ついて説明する。図12は剪断力を制御可能なインキ供
給装置の第1の構成、図13は第2の構成を示してい
る。図12においてインキ供給装置200は、版胴20
1にエマルジョンインキを供給するインキ着けローラ2
02と、インキ着けローラ202にエマルジョンインキ
を供給するインキ出しローラ203と、インキ出しロー
ラ203と連携して一定膜厚のエマルジョンインキをイ
ンキ溜から引き出してインキ出しローラ203の表面に
形成するインキ計量供給手段204と、インキ着けロー
ラ202と接触してエマルジョンインキにシェアを付与
するシェア制御ローラ205と、インキ着けローラ20
2とシェア制御ローラ205との接触点のニップ圧を運
転中に制御するニップ圧制御手段206と、を備える。
なお、インキ溜に貯留されているエマルジョンインキを
攪拌して流動させるためのインキ攪拌手段207を付加
してもよい(図14参照)。
【0044】また、図13においてインキ供給装置30
0は、版胴301にエマルジョンインキを供給するイン
キ着けローラ302と、インキ着けローラ302と連携
して一定膜厚のエマルジョンインキをインキ溜から引き
出してインキ着けローラ302の表面に形成するインキ
計量供給手段304と、インキ着けローラ302と接触
してエマルジョンインキにシェア(剪断力)を付与する
シェア制御ローラ305と、インキ着けローラ302と
シェア制御ローラ305との接触点のニップ圧を運転中
に制御するニップ圧制御手段306と、を備える。な
お、インキ溜に貯留されているエマルジョンインキを攪
拌して流動させるためのインキ攪拌手段307を付加し
てもよい(図15参照)。
【0045】図16は、ニップ圧制御手段206、30
6の第1の構成例を示しており、インキ着けローラ50
2に接触するシェア制御ローラ505を一端で支持し、
図示しない印刷機のフレームに支点軸511が固定され
たアーム512と、アーム512の他端に螺合し、図示
しない印刷機のフレームに固定されたネジ軸受け513
に回動自在に嵌合するネジ軸514と、ネジ軸514を
正転、逆転するモータ515と、モータ515を駆動す
る駆動回路516と、を備える。
【0046】上記構成のニップ圧制御手段は、ネジ軸の
正転、逆転によりアームを支点軸を中心に揺動させてシ
ェア制御ローラをインキ着けローラに接触する方向又は
離接る方向に移動させることでニップ圧を制御する。印
刷中におけるシェア制御ローラの移動量は、エマルジョ
ン破壊を一定に維持するために必要なニップ圧でインキ
着けローラに接触するようにモータの微細駆動により制
御される。シェア制御ローラの移動量を精密に制御する
ために、サーボモータ、ステッピングモータ等の精密位
置制御可能なモータを用いることが好ましい。また、運
転停止等によりインキ供給を停止する場合は、モータを
高速駆動して速やかにシェア制御ローラをインキ着けロ
ーラから離接させる。
【0047】図17は、ニップ圧制御手段206、30
6の第2の構成を示しており、インキ着けローラ602
に接触するシェア制御ローラ605を一端で支持し、図
示しない印刷機のフレームに支点軸611が固定された
アーム612と、アーム612の他端に係合し、図示し
ない印刷機のフレームに固定されたネジ軸受け613に
回動自在に嵌合するネジ軸614と、スラスト方向にフ
リーなカップリング617を介してネジ軸614を正
転、逆転するモータ615と、モータ615を駆動する
駆動回路616と、アーム612の他端をスラスト方向
に移動させるエアシリンダ618と、を備える。
【0048】上記構成のニップ圧制御手段は、ネジ軸の
正転、逆転によりアームを支点軸を中心に揺動させてシ
ェア制御ローラをインキ着けローラに接触する方向又は
離接する方向に移動させることでニップ圧を制御する。
印刷中におけるシェア制御ローラの移動量は、エマルジ
ョン破壊を一定に維持するために必要なニップ圧でイン
キ着けローラに接触するようにモータの微細駆動により
制御される。シェア制御ローラの移動量を精密に制御す
るために、サーボモータ、ステッピングモータ等の精密
位置制御可能なモータを用いることが好ましい。また、
運転停止等によりインキ供給を停止する場合は、エアシ
リンダを作動させてシェア制御ローラをインキ着けロー
ラから離接させる。
【0049】図18は、ニップ圧制御手段206、30
6の第3の構成を示しており、インキ着けローラ702
に接触するシェア制御ローラ705を一端で支持し、図
示しない印刷機のフレームに支点軸711が固定された
アーム712と、アーム712の他端に当接する偏心カ
ム718と、アーム712を偏心カム718に常時押し
付ける引っ張りバネ717と、偏心カム718を正転、
逆転するモータ715と、モータ715を駆動する駆動
回路716と、を備える。
【0050】上記構成のニップ圧制御手段は、偏心カム
の正転、逆転によりアームを支点軸を中心に揺動させて
シェア制御ローラをインキ着けローラに接触する方向又
は離接るる方向に移動させることでニップ圧を制御す
る。印刷中におけるシェア制御ローラの移動量は、エマ
ルジョン破壊を一定に維持するために必要なニップ圧で
インキ着けローラに接触するようにモータの微細駆動に
より制御される。シェア制御ローラの移動量を精密に制
御するために、サーボモータ、ステッピングモータ等の
精密位置制御可能なモータを用いることが好ましい。ま
た、運転停止等によりインキ供給を停止する場合は、モ
ータを高速駆動して偏心カムを180度回転させて速や
かにシェア制御ローラをインキ着けローラから離接させ
る。
【0051】図19は、ニップ圧制御手段206、30
6の第4の構成を示しており、インキ着けローラ802
に接触するシェア制御ローラ805を一端で支持し、図
示しない印刷機のフレームに支点軸811が固定された
アーム812と、アーム812の他端を移動させるエア
シリンダ818と、エアシリンダ818に対する空気の
流れを切り換える空気弁817と、エアシリンダ818
の空気圧を調整する電気/空気レギュレータ815と、
電気/空気レギュレータ815を駆動する駆動回路81
6と、を備える。
【0052】上記構成のニップ圧制御手段は、電気/空
気レギュレータによりエアシリンダ前進方向(図中矢印
方向)におけるエアシリンダの空気圧変化によりアーム
を支点軸を中心にシェア制御ローラをインキ着けローラ
に接触する方向の力を変化させることでニップ圧を制御
する。印刷中におけるシェア制御ローラの移動量は、エ
マルジョン破壊を一定に維持するために必要なニップ圧
でインキ着けローラに接触するようにエアシリンダの空
気圧変化により制御される。シェア制御ローラのインキ
着けローラに対する接離は、空気弁の切り換えにより行
われる。
【0053】以上説明したインキ供給装置において、ニ
ップ圧制御による若干の温度上昇を抑えるため、冷却手
段を備えることが望ましい。冷却手段としては、シェア
制御、ローラ内部に冷却水を通すもの、シェア制御ロー
ラ及びインキ着けローラに冷風を当てる等の方法を用い
ることができる。
【0054】そして、エマルジョン破壊により分離した
インキ成分と水性成分を効率良く版胴に供給するため
に、前記シェア制御ローラと前記インキ着けローラとの
接触位置は、前記インキ着けローラと前記版胴の接触点
から、前記インキ着けローラ回転方向上流側が好まし
く、さらに前記インキ着けローラと前記版胴との接触点
に近いほど好ましい。
【0055】また、インキ着けローラは、スリップによ
る生じる汚れ、段ムラ、耐刷不良等の印刷障害を防ぐた
めに、版胴と同じ周速度で回転駆動する必要がある。ま
た、インキ着けローラは後述するシェア制御ローラとの
間に生じるスリップの影響により回転速度が変化するの
で、この速度変化を考慮して版胴との間にスリップが発
生しないように制御する必要がある。インキ着けローラ
の直径は版胴へのインキ転移ムラによるインキ濃度差
(ゴースト)の発生を防止するために版胴と同径にする
ことが好ましい。但し、厳密に版胴と同径である必要は
なく版胴の直径に対して約±1mmの範囲であれば対ゴ
ースト性能は劣化しないことが確認されているため、使
用による摩耗を見込んでインキ着けローラの直径を版胴
に対して約1mm大きくしておくことが好ましい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、イ
ンキ攪拌手段により、インキ溜内に形成されるインキロ
ールの発生を抑制或いは阻害し、インキ壺内でのインキ
の流動性、攪拌性を確保することができるためインキ着
けローラへの良好なインキの供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインキ供給装置の概
略構成を示す図。
【図2】インキ供給装置の第一実施例を示す図。
【図3】図2に示したインキ供給装置のZ矢視図。
【図4】図2に示したインキ供給装置のY矢視図。
【図5】インキ供給装置の第二実施例を示す図。
【図6】図5に示したインキ供給装置のA−A線断面
図。
【図7】図5に示したインキ供給装置のX矢視図。
【図8】インキ供給装置の第三実施例を示す図。
【図9】インキ供給装置の第三実施例を示す図。
【図10】インキ供給装置の第四実施例を示す図。
【図11】本発明の他の実施形態に係るインキ供給装置
の概略構成を示す図。
【図12】剪断力を制御可能なインキ供給装置の第1の
構成を示す図。
【図13】剪断力を制御可能なインキ供給装置の第2の
構成を示す図。
【図14】インキ攪拌手段を備えたインキ供給装置の構
成を示す図。
【図15】インキ攪拌手段を備えたインキ供給装置の構
成を示す図。
【図16】ニップ圧制御手段の第1の構成を示す図。
【図17】ニップ圧制御手段の第2の構成を示す図。
【図18】ニップ圧制御手段の第3の構成を示す図。
【図19】ニップ圧制御手段の第4の構成を示す図。
【図20】従来の平版印刷機のインキ供給装置の概略構
成を示す図。
【図21】インキ溜内に形成されるインキロールを示す
図。
【符号の説明】
100 インキ供給装置 101 版胴 102 インキ着けローラ 103 インキ出しローラ 104 インキ計量供給手段 105 シェア制御ローラ 106 インキ接触部材 111 ブレード 115、116 移動手段

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキが貯留されるインキ壷と、該イン
    キ壷に係合するインキ出しローラとを備え、前記インキ
    壷内のインキを前記インキ出しローラの回動動作により
    引き出して印刷版へ供給するインキ供給装置であって、
    前記インキ壷の幅方向の略全長に亘って形設され且つ前
    記インキ壷内に貯留されるインキと接触可能なインキ接
    触部材を配設したことを特徴とするインキ供給装置。
  2. 【請求項2】 前記インキ接触部材を、前記インキ出し
    ローラから離間して配設したことを特徴とする請求項1
    に記載のインキ供給装置。
  3. 【請求項3】 前記インキ接触部材を、前記インキ出し
    ローラの軸線に対し略平行に配設したことを特徴とする
    請求項1又は2に記載のインキ供給装置。
  4. 【請求項4】 前記インキ接触部材が、インキ壷の幅方
    向に亘って複数に分割されたものであるか、又は、イン
    キ壷の幅方向に亘って複数の成形部材を並設したもので
    あることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    1項に記載のインキ供給装置。
  5. 【請求項5】 前記インキ接触部材のインキと接触する
    部分が、前記インキ出しローラの軸線に対して傾斜して
    いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか
    1項に記載のインキ供給装置。
  6. 【請求項6】 前記インキ接触部材が、邪魔板又はロー
    ラであることを特徴とする請求項1から請求項5のいず
    れか1項に記載のインキ供給装置。
  7. 【請求項7】 前記インキ接触部材の表面に、溝が設け
    られていることを特徴とする請求項1から請求項6のい
    ずれか1項に記載のインキ供給装置。
  8. 【請求項8】 前記インキ接触部材を移動又は回動させ
    る駆動手段を備えていることを特徴とする請求項1から
    請求項7のいずれか1項に記載のインキ供給装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれか1項に
    記載のインキ供給装置を備えた印刷機。
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