JP2007237638A - インキ供給装置およびこれを用いた印刷機 - Google Patents

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稔 佐藤
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Abstract

【課題】 供給量の少ない部分でインキ量を細かく調節でき、インキ量の調節範囲が広く、かつ、追加部材を要さず安価なインキ供給装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 インキキー43とともにインキ壺41を形成するインキ元ローラ39と、インキ元ローラ39と所定の隙間Gを空けて配設されたインキ受渡しローラ37とを有するインキ供給装置21であって、インキ受渡しローラ37の周面には、部分的に隙間Gよりも小さい高さdを有する突起部63が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、インキ供給装置およびこれを用いた印刷機に関するものである。
印刷機のインキ供給装置には、インキ元ローラとインキ受渡しローラとの間を往復動するインキ呼出しローラによってインキ元ローラからインキ受渡しローラへインキを供給するものがある。
近年、この呼出しローラが衝突する時の衝撃によって発生するショック目を回避するため、インキ元ローラからインキ受渡しローラに直接インキを受け渡す形式のインキ供給装置がよく用いられている。
この方式では、インキの供給量はインキ元ローラの表面のインキ厚さによって調節される。
すなわち、インキ壺を形成するインキキーの下端とインキ元ローラの外周面との隙間を調節することで、インキ受渡しローラへ供給されるインキ量が調節される。
印刷面の各インキキーに対応する箇所の画線面積率に対応して、各インキキー毎に隙間を微調整すれば、インキ元ローラを介してインキ受渡しローラに転移させるインキ量を軸方向において各画線面積率に応じて適宜に変更設定することができる。
画線面積率の極端に小さい極小絵柄がある部分を印刷する場合、供給するインキ量よりもウェブが消費するインキ量が少なくなり、余剰インキが発生する。このため、余剰インキがウェブに飛び散ってウェブを汚すという印刷障害が発生する。また、画線部にインキが多く供給され濃度が過度となる等、印刷品質が劣化する。
さらに、余剰インキが飛散して印刷ユニット内に付着する場合もあり、清掃等のメンテナンスが必要となっている。
このような場合、インキキーの開度を微妙にコントロールし、インキ元ローラ表面のインキ厚さをインキ元ローラからインキ受渡しローラにインキが転移するかしないかぎりぎりの調節を行なっているのが実情である。
しかし、周辺温度の上昇、インキ・水のバランス変化等によって、インキ元ローラからインキ受渡しローラへのインキ転移量が不安定となることがあり、必ずしも余剰インキの問題を解消することができていない。
これを解決するものとして、例えば、特許文献1あるいは特許文献2に示されるように、インキ受渡しローラに転移されたインキの一部をインキ元ローラに戻す手段を設け、余剰インキをインキ元ローラへ戻すようにしたものが提案されている。
また、特許文献3に示されるように、インキキーの先端部の形状を幅方向に変化させ、インキ元ローラの軸方向でインキ厚さを変化させ、インキ受渡しローラに接触するインキ幅を調節できるようにして供給するインキ量を細かく調節するものが提案されている。
特開2001−179944号公報 特開2001−179945号公報 特開平10−29299号公報
しかしながら、特許文献1あるいは特許文献2に示されるものは、インキ受渡しローラの配置が制約され、かつ、インキを戻す手段を追加する必要があるので、設計の自由度が少なくなるし、高価となる。
また、特許文献3に示されるものは、インキキーの先端をインキ元ローラに接触させても、両者の間には隙間が存在するので、印刷作業を停止し、インキ元ローラの回転を停止した場合でも、インキ壺のインキがインキキーの先端とインキ元ローラとの隙間から下方に落下することとなる。すなわち、インキ壺をシャットオフできないものであり、現実的に採用できない提案である。
本発明は、上記問題点に鑑み、供給量の少ない部分でインキ量を細かく調節でき、インキ量の調節範囲が広く、かつ、追加部材を要さず安価なインキ供給装置およびこれを用いた印刷機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるインキ供給装置は、インキ量調節部材とともにインキ壺を形成するインキ元ローラと、該インキ元ローラと所定の微小隙間を空けて配設されたインキ受渡しローラとを有するインキ供給装置であって、前記インキ受渡しローラの周面には、部分的に前記微小隙間よりも小さい高さを有する突起部が設けられていることを特徴とする。
本発明にかかるインキ供給装置によると、インキ量調節部材を調節してインキ元ローラの表面に付着して搬送されるインキの厚さが徐々に厚くなると、まず、突起部に接触し、突起部に転移される。
突起部は、インキ受渡しローラの周面に部分的に設けられているので、転移するインキ量はインキ受渡しローラの全面に転移するものと比べて当然少なくなる。
インキ元ローラの表面に付着して搬送されるインキの厚さがさらに厚くなると、それに伴い突起部に転移されるインキ量が徐々に増加する。
次いで、インキ元ローラの表面に付着して搬送されるインキの厚さが微小隙間の大きさを越えるとインキはインキ受渡しローラの全面と接触し、インキ受渡しローラの全面にインキが転移され、インキの厚さがさらに増加すると、全面に転移されるインキ量が増加していくことになる。
このように、インキ受渡しローラに部分的に突起部が設けられているので、インキ元ローラに付着するインキの厚さを調節することによって、突起部のみが接触し少量のインキが転移されるところから全面が接触し大量のインキが転移されるところまで、供給するインキ量の調節範囲を広くすることができる。
また、突起部のみが接触した場合には、全面が接触する場合に比べて転移されるインキ量が小さくできるので、例えば、極小絵柄がある部分を印刷する場合でも余剰インキが発生しないように調節することができる。
これにより、余剰インキによる不具合を解消することができる。
さらに、インキ受渡しローラの周面に突起部を設けるだけであるので、部材を追加することもなく、安価に製造することができる。
また、本発明にかかるインキ供給装置では、前記突起部は、前記インキ受渡しローラの軸線方向に周期的に変化する形状で形成されていることを特徴とする。
このように、突起部は、インキ受渡しローラの軸線方向に周期的に変化する形状で形成されているので、インキ受渡しローラの軸線方向に所定パターンに沿ってインキ量を調節することができる。
なお、この場合、突起部が螺旋状に形成されていることが好適である。このようにすると、インキ受渡しローラの軸線方向の全長に渡り突起部が存在することになるので、例えば、極小絵柄がどの位置にあってもそれに対応することができる。
また、本発明にかかるインキ供給装置では、前記インキ量調節部材は、幅方向に並設された複数のインキキーによって構成され、前記突起部の周期は、前記インキキーの幅を単位としていることを特徴とする。
このように、インキ量調節部材は、幅方向に並設された複数のインキキーによって構成され、突起部の周期のピッチは、インキキーの幅を単位としているので、インキキーの幅毎にインキ量を調節することができる。
なお、「インキキーの幅を単位」とするとは、インキキーの幅のなかに自然数倍のピッチが形成されていることを意味している。すなわち、例えば、インキキー幅の中に、周期が1ピッチ、2ピッチあるいは3ピッチ形成されていることである。
また、本発明にかかるインキ供給装置では、前記突起部は、高さが前記インキ受渡しローラの軸線方向に漸増漸減を繰り返すように形成されていることを特徴とする。
このように、突起部は、高さがインキ受渡しローラの軸線方向に漸増漸減を繰り返すように形成されているので、インキ元ローラに付着するインキの厚さが増減する場合に、突起部と接触する面積が漸増漸減することになる。
このため、インキ受渡しローラに転移されるインキ量の変化を一層細かく調節することができる。
また、本発明にかかるインキ供給装置では、前記突起部は、高さが前記インキ受渡しローラの周方向に漸増漸減を繰り返すように形成されていることを特徴とする。
このように、突起部は、高さが前記インキ受渡しローラの周方向に漸増漸減を繰り返すように形成されているので、インキ元ローラに付着するインキの厚さが増減する場合に、突起部と接触する面積が漸増漸減することになる。
このため、インキ受渡しローラに転移されるインキ量の変化を一層細かく調節することができる。
本発明にかかる印刷機は、請求項1から請求項5のいずれかに記載されたインキ供給装置を備えていることを特徴とする。
このように、供給するインキ量の調節範囲を広く、極小絵柄がある部分を印刷する場合でも余剰インキが発生しないように調節することができるインキ供給装置を用いているので、紙面品質のよい印刷物を提供することができる。
また、安価に製造できるインキ供給装置を用いているので、製造コストを低減することができる。
本発明によれば、インキ受渡しローラに部分的に突起部が設けられているので、供給するインキ量の調節範囲を広くすることができる。
また、極小絵柄がある部分を印刷する場合でも余剰インキが発生しないように調節することができ、余剰インキによる不具合を解消することができる。
さらに、インキ受渡しローラの周面に突起部を設けるだけであるので、部材を追加することもなく、安価に製造することができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる新聞印刷に用いられる輪転印刷機1について、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、輪転印刷機1の全体概略構成を示す正面図である。
輪転印刷機1には、複数の給紙装置3と、印刷部5と、ターンバー列部7と、折機9とが備えられている。
給紙装置3には、それぞれウェブ11がロール状に巻かれた巻取紙13を回動自在に保持する3対のアーム15と、紙継装置17とが備えられている。
給紙位置に位置するアーム15aに取り付けられた巻取紙13からウェブ11が給紙されている場合に、紙継位置に位置するアーム15bでは、巻取紙13は紙継ぎ準備が施されて待機している。
繰り出されている巻取紙13のウェブ11が残り少なくなると、待機している巻取紙13のウェブ11に紙継ぎされる。
このようにして、ウェブ11は給紙装置3から印刷部5へ連続的に繰り出される。
印刷部5には、両面4色印刷を行なう多色刷印刷ユニット5aと、両面2色印刷を行なう2色刷印刷ユニット5bとが備えられている。
なお、多色刷印刷ユニット5aおよび2色刷印刷ユニット5bは一例を示したものであり、両面単色印刷を行なう単色刷印刷ユニット、一面4色多面2色印刷を行なう印刷ユニット等、適宜な印刷ユニットを用いることができる。
多色刷印刷ユニット5aおよび2色刷印刷ユニット5bは、それぞれ給紙装置3から供給されるウェブ11に所定の印刷を行ない、ターンバー列部7へ供給する。
ターンバー列部7は、図示を省略した多数のターンバーを備えており、各印刷ユニット5a,5bからのウェブ11の走行ルートを変更し、その重なり順番を変えられるように構成されている。
折機9は、ターンバー列部7から送られる複数のウェブ11を重ねて、縦切断したり、三角板により縦折りしたり、さらに横切断、横折りしたりし、所望の折帳として排出するように構成されている。
図2は、印刷ユニット5bの上部の印刷部の概略構成を示す正面図である。
下部の印刷部は、図2の略上下を逆にした構造とされ、印刷ユニット5aは印刷ユニット5bの印刷部が2段に積み重なっている状態である。
したがって、印刷ユニット5bの上部を代表として図2に基づいて印刷部の構成について説明する。
印刷ユニット5bには、ウェブ11を挟んで左右にそれぞれ印刷部16,16が設けられている。印刷部16,16は、ウェブ11の走行面を中心として略面対象の関係にあるので、図2における左側の印刷部16について説明する。
印刷部16には、印刷画像を形成するための刷版を装着した版胴17と、版胴17の刷版に形成された画像をウェブ11に転写するブランケット胴19と、版胴17の刷版の画線部にインキKを供給するインキ装置21と、版胴17の非画線部に湿し水を供給する湿し装置23と、が備えられている。
インキ装置21には、インキ着けローラ25,27と、インキ往復ローラ29,31と、インキ練りローラ33,35と、インキ受渡しローラ37と、インキ元ローラ39と、インキ壺41と、が備えられている。
インキ往復ローラ29,31は、金属製で、フレームに対して回転自在および軸線方向に摺動可能に支持されている。インキ往復ローラ29,31は、図示しない駆動源によって版胴7の周面と略同一周速で回転されるとともに軸線方向へ往復動されるように構成されている。
インキ練りローラ33,35は、表面がゴム製で、回転自在に取り付けられている。インキ練りローラ33は、インキ往復ローラ29,31に押付けられることによって、これらのローラに連れ回りさせられるように構成されている。
インキ練りローラ35は、インキ往復ローラ31とインキ受渡しローラ39とに押付けられることによって、これらのローラに連れ回りさせられるように構成されている。
インキ着けローラ25,27は、表面がゴム製で、フレームに回動自在に支持されている。インキ着けローラ25,27は、インキ往復ローラ29と版胴17とに押付けられることによって、連れ回りされるように構成されている。
インキ元ローラ39は、金属製で、回転自在に設けられている。
インキ元ローラ39のインキ受渡しローラ37に対して反対側には、複数、例えば32枚のインキキー(インキ量調節部材)43が、インキ元ローラの軸線方向に並設されている。(図4参照)
インキ元ローラ39と、複数のインキキー43と、図示しない側板とによってインキ壺41が構成されている。
インキキー43は、金属製で、板状の部材である。インキキー43はインキ元ローラ39から離れた側の端部にインキ元ローラ39の軸線方向に延在するように設けられた支点軸45によって揺動可能に支持されている。(図3参照)
各インキキー43は、引張バネ47によって常時下方へ付勢されている。
各インキキー43の自由端の下部には、それぞれ揺動駆動装置49が係合されている。
揺動駆動装置49には、押上げコーン51と、ネジ軸53と、駆動駒55と、モータ57と備えられている。
押上げコーン51は、略直方体形状をし、上面のインキ元ローラ39から離れる側が枢支軸59によって揺動可能に支持され、上面のインキ元ローラ39側がインキキー43の下面に当接するように設置されている。
駆動駒55は、軸方向の位置は固定され、モータ57によって回転されるように構成されている。
ネジ棒53の一端部にはネジ部が形成され、駆動駒55に螺合されている。ネジ棒53の他端は、押上げコーン51の下部背面に当接されている。
モータ57が作動して駆動駒55が回転することによってネジ棒53が進退する。ネジ棒53の進退によって押上げコーン51が枢支軸59を中心に揺動し、インキキー43が支点軸45を中心として揺動させられるように構成されている。
インキ受渡しローラ37は、金属製で、フレームに対して回転自在に支持され、図示しない駆動源によって版胴7の周面と略同一周速で回転されるように構成されている。
インキ受渡しローラ37は、周面61がインキ元ローラ39に対して隙間(微小隙間)Gを空けるように設置されている。
隙間Gは、微小に設定され、本実施形態では、例えば、0.1mmとされている。
インキ受渡しローラ37の周面61には突起部63が形成されている。
突起部63は、軸線方向に所定の幅Lを有し、一定のピッチPで螺旋状に設けられている。すなわち、軸線方向に周期的に変化する形状とされている。
突起部63の幅Lは、インキキー43のキー幅Bの半分とされている。したがって、周面61の幅と略同一となっている。
螺旋のピッチPは、キー幅Bと同一とされている。すなわち、インキキー43のキー幅Bの中に突起部63の1ピッチ分が対応して配置されていることになる。
したがって、各インキキー43に対応する突起部63の面積は略同一となる。
突起部63の周面61からの高さdは、例えば、0.03mmとされ、隙間Gよりも小さくされている。
インキ受渡しローラ37は、突起部63の外径を持つ円筒を研磨あるいはレーザ彫刻によって周面61を加工して製造する。
この場合、周面61を加工する前、あるいは後に、インキ受渡しローラ37の全周面にローレット加工あるいはレーザ彫刻によって、相互に略直交するように交差する深い溝を多数加工するようにしてもよい。これはいわゆるダイヤ目と称するもので、溝の深さは、例えば略0.3mmと、隙間Gに比べて数倍の値となっている。
このダイヤ目は、エッジの部分でインキを掻き取る効果が大きく、かつ、混入した水をインキから分離して保持する役目を果たすものである。
湿し装置23には、水着けローラ65と、水往復ローラ67と、スプレーダンプナ69とが備えられている。
水往復ローラ67は、金属製で、フレームに対して回転自在および軸線方向に摺動可能に支持されている。水往復ローラ67は、図示しない駆動源によって版胴17の周面と略同一周速で回転されるとともに軸線方向へ往復動されるように構成されている。
水着けローラ65は、フレームに回転自在に取り付けられている。水着けローラ65は、水往復ローラ67と版胴17とに押付けられることによって、連れ回りされるように構成されている。
スプレーダンプナ69は、水往復ローラ67に水をスプレーして供給するように構成されている。
以上のように構成された本実施形態にかかる輪転印刷機1の動作について説明する。
各給紙装置3にアーム15に保持された巻取紙13から繰り出されるウェブ11は、多色刷印刷ユニット5aあるいは2色刷印刷ユニット5bに送られる。
多色刷印刷ユニット5aあるいは2色刷印刷ユニット5bでは次のような印刷作業が繰り返し行われている。
印刷ユニットの各部材は、図2に矢印で示されているように回転されている。
版胴17の周面に取付けられた刷版の非画線部に湿し装置23から水が供給される。
湿し装置23では、水往復ローラ67は軸線方向に往復動しつつ版胴17と略同一周速度で回転しており、水着けローラ65は版胴17と水往復ローラ67に所定ニップ圧で押付けられ、連れ回りされることによって版胴17と略同一周速度で回転している。
スプレーダンプナ69から噴霧された水は、水往復ローラ67に供給され、水往復ローラ67と水着けローラ65とのニップ圧によって水着けローラ65へ転移される量が調整される。水着けローラ65に転移された水は、略同一周速度で回転されている版胴17に取り付けられた刷版の非画線部に供給される。
非画線部に水が供給された刷版には、次いで刷版の画線部にインキ供給装置21によってインキKが供給される。
インキ装置21では、インキ壺41に貯留されたインキKが、インキキー43の先端とインキ元ローラ39との間の間隙を通ってインキ元ローラ39によって引き出される。
インキ元ローラ39上のインキKはインキ受渡しローラ37に受け渡され、インキ練りローラ35、インキ往復ローラ31、インキ練りローラ33およびインキ往復ローラ29と伝達され、インキ着けローラ25,27から版胴17の周面に取り付けられた刷版の画線部に供給される。
この時、インキ装置21で供給されるインキは、インキキー43の先端とインキ元ローラ39との間の隙間量Sと、低速度で回転するインキ元ローラ39によって供給量を調整され、その後、各ローラ間のニップ部で供給量を絞られつつ徐々に薄くなるように練られる。インキ往復ローラ31,29は軸線方向に往復動し、この練り効果を一層高める。
このようにして、刷版の画線部に転移されたインキK(画像)は、ブランケット胴19に転写される。ブランケット胴19に転写された画像は、ブランケット胴19,19の間を下から上に向けて走行しているウェブ11の両面に転写される。これにより、ウェブ11の両面に1色の印刷が行なわれる。
このようにして、多色刷印刷ユニット5aで表裏両面にカラー印刷されたウェブ11および2色刷印刷ユニット5bで表裏両面に2色あるいは単色印刷されたウェブ11は、ターンバー列部7でターンバーによって走行ルートが変更され、新聞のページ構成に合わせて重なりの順番が調整される。
ターンバー列部7から折機9に送られた複数のウェブ11は、縦折りされ、横切断される。切断されたウェブ11は折胴によって横折りされ、折帳が形成される。
機外に搬送される。
次に、インキ受渡しローラ37におけるインキ受渡し量の調節方法について説明する。
インキ元ローラ39の表面には、インキキー43の先端とインキ元ローラ39との間の隙間量Sで規定される膜厚のインキKが付着している。
揺動駆動装置49のモータ57を作動させ、駆動駒55の回転に伴ってネジ棒53を進退させる。このネジ棒53の進退によって押上げコーン51が枢支軸59を中心に揺動し、インキキー43が支点軸45を中心として揺動させられることによって隙間量Sは、調節される。
各インキキー43で隙間量Sが調節されることによって、各インキキー43に対応する版面で必要とされるインキ量を供給することができる。
隙間量Sが、インキ元ローラ39と突起部63との間隙量(G−d)よりも小さいと、インキ元ローラ39上のインキKはインキ受渡しローラ37に接触しないので、インキ受渡しローラ37に転移されない。
隙間量Sがさらに大きくなり、インキ元ローラ39上に付着するインキKの膜厚が増加すると、インキKの表面は突起部63に接触し、突起部63に転移される。
この時、突起部63は、インキキー43の幅の半分の幅で、残り半分の幅を占める周面61にはインキKが転移されないので、インキ受渡しローラ37へ転移するインキ量はインキ受渡しローラ37の全面に転移するものと比べて略半分となる。
隙間量Sがさらに大きくなり、インキ元ローラ39の表面に付着して搬送されるインキKの厚さがさらに厚くなると、厚くなるのに伴い突起部63に転移されるインキ量が徐々に増加する。
また、突起部63は螺旋状に形成されているので、インキキー43の全幅に亘り均一な量のインキKをインキ練りローラ35に供給することができる。
次いで、隙間量Sがさらに大きくなり、インキ元ローラ39の表面に付着して搬送されるインキKの厚さが隙間Gの大きさを越えるとインキKはインキ受渡しローラ37の周面61と接触する。
これにより、インキKはインキ受渡しローラ37の突起部63および周面、すなわち、全面に転移されるので、転移されるインキKの量がさらに増加する。
隙間量Sがさらに大きくなり、インキKの厚さがさらに増加すると、インキ受渡しローラ37の全面に転移されるインキ量が一層増加していくことになる。
このように、隙間量Sを調節し、インキ元ローラ39に付着するインキKの厚さを調節することによって、突起部63のみが接触し少量のインキKが転移されるところからインキ受渡しローラ37の全面が接触し大量のインキKが転移されるところまで、供給するインキ量の調節範囲を広くすることができる。
特に、突起部63のみが接触した場合には、全面が接触する場合に比べて転移されるインキ量が小さくできるので、少量供給する方向へ調節範囲が拡大したことになる。
このため、例えば、画線面積率の極端に少ない極小絵柄がある部分に対しても必要以上のインキKを供給しないように調節することができる。
したがって、余剰インキが発生しないように調節することができるので、余剰インキによる不具合を解消することができる。
さらに、余剰インキ対策としてインキ受渡しローラ37からインキ元ローラ39へインキKを還流させる等が必要でなくなるので、追加の装置構成を付加することなく、安価に製造することができる。
なお、本実施形態では突起部63の幅Lと周面61の幅を略同一(突起部63の幅をインキキー43の幅Bの二分の一)としているが、これは調節したい最小のインキ量に応じて適宜選択されるものである。
例えば、突起部63の幅Lをインキキー43の幅Bの三分の一あるいは四分の一にすれば、インキKの量も同割合に減少させることができる。
また、突起部63の螺旋のピッチPとインキキー43の幅Bとを一致させているが、螺旋状の突起部63の場合には、両者を一致させる必要がない。すなわち、螺旋状の突起部63であれば、各インキキー43は幅Bが同じとすると、各インキキー43は同じ面積の突起部63と接触することになるので、突起部63に転移されるインキ量は各インキキー43で略同一となるからである。
突起部63の別の実施形態の例について図5〜図9により説明する。
図5に示されるものは、突起部63がインキ受渡しローラ37の軸線方向に略直交するように形成されている。
このようにすると、加工が容易となる。
この場合、インキキー43の幅Bは、突起部63のピッチPの自然数倍、ここでは1倍とする必要がある。これは、インキ供給量をコントロールする上で、各インキキー43が接触する突起部63の面積を略同一とする必要があるからである。
図6に示されるものでは、突起部63は、断面形状が二等辺三角形をした畝形状とされ、それが螺旋状に形成されて構成されている。
したがって、突起部63の高さは軸線方向に周期的に漸増漸減するように構成されている。
インキキー43の幅Bは螺旋のピッチPに一致させている。しかし、必ずしも両者を一致させなくても、各インキキー43におけるインキ量は一致させることができる。
なお、突起部63の高さdは、隙間Gよりも小さく、例えば、0.03mmとされている。
このように、突起部63の高さは軸線方向に周期的に漸増漸減するように構成されているので、インキ元ローラ39に付着するインキKの厚さが増減する場合に、突起部63と接触する面積が漸増漸減することになる。
このため、インキ受渡しローラ37に転移されるインキ量の変化を一層細かく調節することができる。
また、インキ受渡しローラ37の回転に伴い突起部63の高い位置が軸方向に移動するので、接触初期の転移量の少ない場合でもインキキー43の全幅に亘り略均一なインキ量とすることができる。
図7に示されるものは、畝状の突起部63がインキ受渡しローラ37の軸線方向に略直交するように形成されている。突起部63の高さdは、隙間Gよりも小さく、例えば、0.03mmとされている。
こうすると、図6で示される螺旋状に形成するものに比べて加工が容易である。
この場合、軸線方向でインキKとの接触量が変動するので、インキキー43の幅Bと突起部63の対応範囲とは十分考慮する必要がある。
すなわち、突起部63の漸増部と漸減部とでは、インキKとの接触量は同じとなるので、インキKとの接触量を考慮したピッチPは、漸増部あるいは漸減部の軸方向長さとなる。
インキキー43の幅Bは、このピッチPの自然数倍となるように設定され、かつ、インキキー43の端位置もピッチPの境目に合わせるようにされている。
図8および図9に示されるものは、図6に示されるものの螺旋の傾斜角(軸線と直交する線と突起部63の延在する方向との成す角度)θが、略85度とされている。
図8に示されるように、インキ受渡しローラ37の横断面は正10角形とされ、突起部63の高さは周方向に周期的に漸増漸減するように構成されている。
この傾斜角θは一例を示すものであり、突起部63の最高高さ位置が周方向に複数回設けられる範囲で任意に設定されるものである。
また、傾斜角θを90度としていないのは、突起部63の最高高さ位置がインキ練りローラ35と必ず接するようにして、間欠的な接触に伴う衝撃を防止するためである。
このようにすると、図9に示されるように、隙間量Sを調節し、インキ元ローラ39に付着するインキKの厚さを調節することによって、インキKに接触する領域が周方向変化するので、突起部63の最高高さ位置のみが接触し少量のインキKが転移されるところからインキ受渡しローラ37の全面が接触し大量のインキKが転移されるところまで、供給するインキ量の調節範囲を広くすることができる。
特に、突起部63のみが接触した場合には、全面が接触する場合に比べて転移されるインキ量が小さくできるので、少量供給する方向へ調節範囲が拡大したことになる。
このため、例えば、画線面積率の極端に少ない極小絵柄がある部分に対しても必要以上のインキKを供給しないように調節することができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
また、本実施形態では、ブランケット対向型の輪転印刷機に適用しているが、本発明は圧胴を用いたタイプの輪転印刷機、枚葉印刷機等適宜な形式の印刷機に適用することができる。
本発明の一実施形態にかかる輪転印刷機の全体概略構成を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかる印刷ユニットの印刷部の全体概略構成を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかるインキ供給装置の上部構造を示す正面図である。 図3を展開して示す平面図である。 本発明の別の実施形態にかかるインキ受渡しローラを一部分を示す部分平面図である。 本発明の別の実施形態にかかるインキ受渡しローラを一部分を示す部分平面図である。 本発明の別の実施形態にかかるインキ受渡しローラを一部分を示す部分平面図である。 本発明の別の実施形態にかかるインキ供給装置の上部構造を示す正面図である。 図8を展開して示す平面図である。
符号の説明
1 輪転印刷機
21 インキ供給装置
37 インキ受渡しローラ
39 インキ元ローラ
41 インキ壺
43 インキキー
63 突起部
G 隙間
d 高さ

Claims (6)

  1. インキ量調節部材とともにインキ壺を形成するインキ元ローラと、該インキ元ローラと所定の微小隙間を空けて配設されたインキ受渡しローラとを有するインキ供給装置であって、
    前記インキ受渡しローラの周面には、部分的に前記微小隙間よりも小さい高さを有する突起部が設けられていることを特徴とするインキ供給装置。
  2. 前記突起部は、前記インキ受渡しローラの軸線方向に周期的に変化する形状で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインキ供給装置。
  3. 前記インキ量調節部材は、幅方向に並設された複数のインキキーによって構成され、
    前記突起部の周期は、前記インキキーの幅を単位としていることを特徴とする請求項2に記載の印刷機のインキ供給装置。
  4. 前記突起部は、高さが前記インキ受渡しローラの軸線方向に漸増漸減を繰り返すように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のインキ供給装置。
  5. 前記突起部は、高さが前記インキ受渡しローラの周方向に漸増漸減を繰り返すように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のインキ供給装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載されたインキ供給装置を備えていることを特徴とする印刷機。
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