JP2003121140A - 金属リングの自由状態径測定方法 - Google Patents

金属リングの自由状態径測定方法

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JP2003121140A JP2001321638A JP2001321638A JP2003121140A JP 2003121140 A JP2003121140 A JP 2003121140A JP 2001321638 A JP2001321638 A JP 2001321638A JP 2001321638 A JP2001321638 A JP 2001321638A JP 2003121140 A JP2003121140 A JP 2003121140A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の金属リングの自由状態径を正確
に測定できるようにする。 【解決手段】 無段変速機の金属リング33は切断され
ていない無端状態(図10(A)参照)において外周面
および内周面にそれぞれ所定の圧縮応力および引張応力
が作用するように、自由状態径R0 (切断により残留応
力を解放した状態での径)が決定されている。自由状態
径R0 を測定するために金属リング33を切断すると
き、自由状態において切断端部33a、33bが干渉し
ないように、該金属リング33の少なくとも2個所(A
点およびB点)を切断して自由状態径R0 を測定する
(図10(C)参照)。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機用の金
属ベルトの金属リングを切断して自由状態径を測定する
ための方法に関する。 【0002】 【従来の技術】無段変速機に用いられる金属ベルトは、
複数の金属リングを積層した金属リング集合体に複数の
金属エレメントを装着したもので、駆動プーリおよび従
動プーリに巻き掛けられた状態で相互に接触する金属エ
レメント間の押し力で駆動力を伝達するようになってい
る。かかる金属ベルトにおいて金属エレメントを支持す
る金属リングに作用する応力は、後から実施例で詳述す
るように、金属ベルトが駆動プーリおよび従動プーリに
沿って回転する間に周期的に変化し、しかも金属リング
の内周面と外周面とで異なった大きさを持つ。金属リン
グの内周面に作用する応力と外周面に作用する応力とが
不均一であると、金属リングの内周面および外周面のう
ち大きい応力を受ける面が早期に疲労し、金属リング全
体の疲労寿命を低下させる原因となる。 【0003】そこで、金属リングの内周面および外周面
に作用する応力をできるだけ均一化すべく金属リングに
予め残留応力を与えておき、無段変速機の運転により発
生する応力を残留応力で相殺することで金属リングの疲
労寿命を延長するものが、特開昭63−20945号公
報、特公平7−110390号公報により公知である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものは、金属リングに与えられた残留応力の大きさが設
計値に一致しているか否かを検証すべく、金属リングの
1個所を切断して残留応力により発生するモーメント和
がゼロになる状態(自由状態)とし、この自由状態での
金属リングの径を測定している。金属リングの残留応力
が外周面において引張応力であり、内周面において圧縮
応力であれば、金属リングを切断したときの切断端部は
相互に離反する方向に移動し、自由状態での径は無端状
態(非切断状態)での径よりも大きくなる。しかしなが
ら、金属リングの残留応力が外周面において圧縮応力で
あり、内周面において引張応力であれば、図10(B)
に示すように、金属リングを切断したときの切断端部は
相互に接近する方向に移動して干渉するため、自由状態
径R0 (図10(C)参照)を正確に測定することがで
きなくなる。 【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、無段変速機の金属リングの自由状態径を正確に測定
できるようにすることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、無段変速機用
の金属ベルトの金属リングを切断して自由状態径を測定
するための金属リングの自由状態径測定方法であって、
金属リングは無端状態において外周面および内周面にそ
れぞれ所定の圧縮応力および引張応力が作用するように
自由状態径が決定されたものにおいて、金属リングを切
断した自由状態において切断端部が干渉しないように、
該金属リングの少なくとも2個所を切断して自由状態径
を測定することを特徴とする金属リングの自由状態径測
定方法が提案される。 【0007】上記構成によれば、金属リングは無端状態
において外周面および内周面にそれぞれ所定の圧縮応力
および引張応力が作用するように自由状態径が決定され
ているため、自由状態径を測定すべく金属リングを1個
所だけ切断すると切断端部が干渉してしまうが、少なく
とも2個所を切断して自由状態径を測定することにより
前記干渉を回避して正確な測定を可能にすることができ
る。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 【0009】図1〜図10は本発明の一実施例を示すも
ので、図1は無段変速機を搭載した車両の動力伝達系の
スケルトン図、図2は金属ベルトの部分斜視図、図3は
金属リングに作用する引張応力の説明図、図4は金属リ
ングの内周面に作用する応力の変化を示すグラフ、図5
は金属リングの外周面に作用する応力の変化を示すグラ
フ、図6は金属リングの非使用状態(無端状態)および
使用状態の形状の説明図、図7は補正応力振幅σa
i′,σao′を求めるグラフ、図8は補正応力振幅σ
ai′,σao′から金属リングの自由状態径R0 を求
めるグラフ、図9は金属リングの自由状態径R0 を求め
る工程を説明するフローチャート、図10は金属リング
の自由状態径R0 の測定手法を説明する図である。 【0010】図1は自動車に搭載された金属ベルト式無
段変速機Tの概略構造を示すもので、エンジンEのクラ
ンクシャフト1にダンパー2を介して接続されたインプ
ットシャフト3は発進用クラッチ4を介して金属ベルト
式無段変速機Tのドライブシャフト5に接続される。ド
ライブシャフト5に設けられたドライブプーリ6は、ド
ライブシャフト5に固着された固定側プーリ半体7と、
この固定側プーリ半体7に対して接離可能な可動側プー
リ半体8とを備えており、可動側プーリ半体8は油室9
に作用する油圧で固定側プーリ半体7に向けて付勢され
る。 【0011】ドライブシャフト5と平行に配置されたド
リブンシャフト10に設けられたドリブンプーリ11
は、ドリブンシャフト10に固着された固定側プーリ半
体12と、この固定側プーリ半体12に対して接離可能
な可動側プーリ半体13とを備えており、可動側プーリ
半体13は油室14に作用する油圧で固定側プーリ半体
12に向けて付勢される。ドライブプーリ6およびドリ
ブンプーリ11間に、左右の一対の金属リング集合体3
1,31に多数の金属エレメント32…を支持してなる
金属ベルト15が巻き掛けられる(図2参照)。それぞ
れの金属リング集合体31は、12枚の金属リング33
…を積層してなる。 【0012】ドリブンシャフト10には前進用ドライブ
ギヤ16および後進用ドライブギヤ17が相対回転自在
に支持されており、これら前進用ドライブギヤ16およ
び後進用ドライブギヤ17はセレクタ18により選択的
にドリブンシャフト10に結合可能である。ドリブンシ
ャフト10と平行に配置されたアウトプットシャフト1
9には、前記前進用ドライブギヤ16に噛合する前進用
ドリブンギヤ20と、前記後進用ドライブギヤ17に後
進用アイドルギヤ21を介して噛合する後進用ドリブン
ギヤ22とが固着される。 【0013】アウトプットシャフト19の回転はファイ
ナルドライブギヤ23およびファイナルドリブンギヤ2
4を介してディファレンシャルギヤ25に入力され、そ
こから左右のアクスル26,26を介して駆動輪W,W
に伝達される。 【0014】而して、エンジンEの駆動力はクランクシ
ャフト1、ダンパー2、インプットシャフト3、発進用
クラッチ4、ドライブシャフト5、ドライブプーリ6、
金属ベルト15およびドリブンプーリ11を介してドリ
ブンシャフト10に伝達される。前進走行レンジが選択
されているとき、ドリブンシャフト10の駆動力は前進
用ドライブギヤ16および前進用ドリブンギヤ20を介
してアウトプットシャフト19に伝達され、車両を前進
走行させる。また後進走行レンジが選択されていると
き、ドリブンシャフト10の駆動力は後進用ドライブギ
ヤ17、後進用アイドルギヤ21および後進用ドリブン
ギヤ22を介してアウトプットシャフト19に伝達さ
れ、車両を後進走行させる。 【0015】このとき、金属ベルト式無段変速機Tのド
ライブプーリ6の油室9およびドリブンプーリ11の油
室14に作用する油圧を、電子制御ユニットU1からの
指令で作動する油圧制御ユニットU2で制御することに
より、そのレシオが無段階に調整される。即ち、ドライ
ブプーリ6の油室9に作用する油圧に対してドリブンプ
ーリ11の油室14に作用する油圧を相対的に増加させ
れば、ドリブンプーリ11の溝幅が減少して有効半径が
増加し、これに伴ってドライブプーリ6の溝幅が増加し
て有効半径が減少するため、金属ベルト式無段変速機T
のレシオはLOW(最大レシオの状態)に向かって無段
階に変化する。逆にドリブンプーリ11の油室14に作
用する油圧に対してドライブプーリ6の油室9に作用す
る油圧を相対的に増加させれば、ドライブプーリ6の溝
幅が減少して有効半径が増加し、これに伴ってドリブン
プーリ11の溝幅が増加して有効半径が減少するため、
金属ベルト式無段変速機TのレシオはOD(最小レシオ
の状態)に向かって無段階に変化する。 【0016】図3は、車両が最高速度走行状態(TOP
レシオの状態)にあって、ドライブプーリ6の有効半径
がドリブンプーリ11の有効半径よりも大きくなった状
態を示しており、同図における金属ベルト15の厚さは
該金属ベルト15の張力に起因する各金属リング33…
の引張応力の大小を模式的に表している。図4および図
5にも破線で示すように、金属ベルト15がドリブンプ
ーリ11からドライブプーリ6に戻る戻り側の弦部(A
領域)において前記応力は一定値σTLOW であり、金属
ベルト15がドライブプーリ6からドリブンプーリ11
に送り出される往き側の弦部(C領域)において前記応
力は一定値σTHIGHである。A領域の応力σTLOW はC
領域の応力σTHIGHよりも小さく、金属ベルト15がド
ライブプーリ6に巻き付く部分(B領域)において、そ
の入口側から出口側にかけて応力はσTLOW からσT
HIGHまで増加し、金属ベルト15がドリブンプーリ11
に巻き付く部分(D領域)において、その入口側から出
口側にかけて応力はσTHIGHからσTLOW まで減少す
る。 【0017】上記金属ベルト15の張力に基づく金属リ
ング33の引張応力は、その厚さ方向に一定である。即
ち、図4および図5に破線で示すように、金属リング3
3の内周面の引張応力および外周面の引張応力は同じで
ある。 【0018】金属リング33には前記張力に基づく引張
応力に加えて、金属リング33の曲げに基づく引張応力
および圧縮応力が作用する。図6(A)に示すように外
力が加わらない非使用状態の金属リング33は円形であ
るが、図6(B)に示すように使用状態の金属リングは
前記A領域〜D領域を有する形状に変形する。戻り側弦
部(A領域)および往き側弦部(C領域)では非使用状
態でRであった曲率半径が∞に増加し、大径側のドライ
ブプーリ6に巻き付くB領域では非使用状態でRであっ
た曲率半径がRDRに減少し、小径側のドリブンプーリ1
1に巻き付くD領域では非使用状態でRであった曲率半
径がRDNに減少する。 【0019】このように金属リング33の曲率半径が増
加するA領域およびC領域では、該金属リング33の内
周面に引張曲げ応力σVSTが作用し、外周面に圧縮曲げ
応力σVSTが作用する。一方、金属リング33の曲率半
径が減少するB領域およびD領域では、該金属リング3
3の内周面に圧縮曲げ応力σVDR,σVDNが作用し、外
周面に引張曲げ応力σVDR,σVDNが作用する。 【0020】図4および図5のグラフには、車両が図3
で説明した最高速度走行状態にあるときに、金属リング
33の内周面および外周面に作用する曲げ応力の変化も
示されている。図4に示すように、金属リング33の内
周面には、その2つの弦部(A領域およびC領域)に一
定の引張曲げ応力σVSTが作用し、曲率半径が大きい方
のドライブプーリに巻き付くB領域では比較的に小さな
圧縮曲げ応力σVDRが作用し、曲率半径が小さい方のド
リブンプーリに巻き付くD領域では比較的に大きな圧縮
曲げ応力σVDNが作用する。一方、図5に示すように、
金属リング33の外周面には、その2つの弦部(A領域
およびC領域)に一定の圧縮曲げ応力σVSTが作用し、
曲率半径が大きい方のドライブプーリに巻き付くB領域
では比較的に小さな引張曲げ応力σVDRが作用し、曲率
半径が小さい方のドリブンプーリに巻き付くD領域では
比較的に大きな引張曲げ応力σVDNが作用する。 【0021】このとき、金属リング33の内周面および
外周面に逆方向の残留応力を予め付与しておくことによ
り、金属リング33の内周面および外周面に発生する曲
げ応力σVST,σVDR,σVDNを前記残留応力で増減さ
せ、図4および図5のグラフに示す曲げ応力の変化を調
整することができる。尚、金属リング33に圧縮残留応
力を付与する手段としては、ショットピーニング、圧
延、熱処理等の任意の手段を用いることができる。 【0022】図4の実線は金属リング33の張力に基づ
いて作用する応力σTLOW ,σTHI GHと、金属リング3
3の曲げに基づいて該金属リング33の内周面に作用す
る応力σVDR,σVDNとを加算したもので、金属リング
33の内周面に作用するトータルの応力の変化を示して
いる。また図5の実線は金属リング33の張力に基づい
て作用する応力σTLOW ,σTHIGHと、金属リング33
の曲げに基づいて該金属リング33の外周面に作用する
応力σVDR,σVDNとを加算したもので、金属リング3
3の外周面に作用するトータルの応力の変化を示してい
る。 【0023】図4において、金属リング33の内周面の
応力振幅σaiは、最大引張応力および最大圧縮応力の
偏差の2分の1で定義され、金属リング33の内周面の
応力中心値σmiは応力振幅σaiの中心における応力
で定義される。同様に、図5において、金属リング33
の外周面の応力振幅σaoは、最大引張応力および最大
圧縮応力の偏差の2分の1で定義され、金属リング33
の外周面の応力中心値σmoは応力振幅σaoの中心に
おける応力で定義される。 【0024】図7は横軸にリング内周面の応力中心値σ
miを取り、縦軸にリング内周面の応力振幅σaiを取
ったもので、右下がりのラインは金属リング33の疲労
寿命が等しくなる応力中心値σmiおよび応力振幅σa
iの組み合わせを示している。応力中心値σmiがゼロ
になるときに応力振幅σaiは最大になり、このときの
応力振幅σaiを補正応力振幅σai′と定義する。即
ち、補正応力振幅σai′は応力振幅σaiおよび応力
中心値σmiを用いて、 σai′=σai+(1/3)σmi で与えられる。同様にして、リング外周面の補正応力振
幅σao′は応力振幅σaoおよび応力中心値σmoを
用いて、 σao′=σao+(1/3)σmo で与えられる。 【0025】このように、応力振幅σai,σaoおよ
び応力中心値σmi,σmoの関数として算出される補
正応力振幅σai′,σao′は、それぞれ金属リング
33の内周面および外周面の疲労寿命を表す適切なパラ
メータとなる。 【0026】図8のグラフは、軸間距離が155mm、
無端状態(非切断状態)での金属リング33の内径が2
10mmの金属ベルト式無段変速機Tにおいて、金属リ
ング33の自由状態径R0 を変化させたときに、TOP
状態(最高速度での走行状態)およびOD状態(レシオ
が最小の状態)での補正応力振幅σai′,σao′の
変化特性を示している。ここで、金属リング33の自由
状態とは、その一部を切断して残留応力を解放した状態
として定義される。 【0027】金属リング33にとって最も厳しい運転条
件であるTOP状態では、金属リング33の自由状態直
径2R0 を165mmに設定したときに、内周面の補正
応力振幅σai′と外周面の補正応力振幅σao′とが
等しくなり(図8のa点参照)、金属リング33の内周
面の疲労寿命および外周面の疲労寿命を一致させて全体
として金属リング33の疲労寿命を延長することができ
る。 【0028】仮に、金属リング33の自由状態直径2R
0 が165mmよりも大きいとすると、外周面の補正応
力振幅σao′が内周面の補正応力振幅σai′よりも
大きくなり、その差が更に大きくなると金属リング33
の外周面の補正応力振幅σao′が大きくなり、外周面
から破断が始まる可能性がある。逆に、金属リング33
の自由状態直径2R0 が165mmよりも小さいとする
と、内周面の補正応力振幅σai′が外周面の補正応力
振幅σao′よりも大きくなり、その差が更に大きくな
ると金属リング33の内周面の補正応力振幅σai′が
大きくなり、内周面から破断が始まる可能性がある。 【0029】また前記TOP状態に比べて使用頻度が高
いOD状態では、金属リング33の自由状態直径2R0
を135mmに設定したときに、内周面の補正応力振幅
σai′と外周面の補正応力振幅σao′とが等しくな
り(図8のb点参照)、金属リング33の内周面の疲労
寿命および外周面の疲労寿命を一致させて全体として金
属リング33の疲労寿命を延長することができる。 【0030】以上のことから、最も厳しい運転状態であ
るTOP状態に合わせて金属リング33の自由状態直径
2R0 を165mmとすることが最適であり、また最も
厳しい運転状態であるTOP状態と最も使用頻度が高い
運転状態であるOD状態とに合わせて金属リング33の
自由状態直径2R0 を135mm〜165mm(図8の
領域A1参照)とすることが適切である。 【0031】また前記TOP状態において金属リング3
3の自由状態直径2R0 を最適値の165mmに設定す
ると、OD状態での金属リング33の外周面の補正応力
振幅σao′(図8のc点参照)は4.5N/mm2
なり、この補正応力振幅σao′と同じ大きさの内周面
での補正応力振幅σai′がTOP状態で発生する自由
状態直径2R0 は130mmとなる(図8のd点参
照)。従って、金属リング33の自由状態直径2R0
130mm〜165mm(図8の領域A2参照)とすれ
ば、すべての運転状態において補正応力振幅σai′,
σaoを4.5N/mm2 以下に抑えることができる。 【0032】前記のように自由状態径R0 の好適範囲
は、図8に示すように無端状態(非切断状態)での金属
リング33の内径である210mm(図8のe点の線)
よりも小さくなる。 【0033】次に、上述した金属リング33の自由状態
径R0 を設定する手法を図9のフローチャートに基づい
て再度説明する。 【0034】先ず、ステップS1で金属ベルト式無段変
速機Tの運転条件、即ちレシオ、入力トルク、入力回転
数等を読み込む。続くステップS2で金属ベルト式無段
変速機Tの動力伝達特性から金属リング33の張力(図
4および図5の破線参照)を算出するとともに、ステッ
プS3で駆動プーリ6および従動プーリ11への金属リ
ング33の巻き付き径を算出する。続くステップS4で
金属リング33の巻き付き径から算出した圧縮応力およ
び引張応力を前記金属リングの張力に基づく引張応力に
加算することにより、金属リングの内周面および外周面
における応力分布を算出する(図4および図5の実線参
照)。 【0035】続くステップS5で、図4および図5のグ
ラフから金属リング33の内周面の応力振幅σaiおよ
び応力中心値σmiと、金属リング33の外周面の応力
振幅σaoおよび応力中心値σmoとを算出した後、ス
テップS6でσai,σmi,σao,σmoから内周
面の補正応力振幅σai′および外周面の補正応力振幅
σao′(図8参照)を算出する。そしてステップS7
で図8のグラフから補正応力振幅σai′,σao′に
基づいて金属リング33の自由状態径R0 を算出する。 【0036】さて、上述のようにして金属リング33の
疲労寿命を延長することができる最適の自由状態径R0
が決定されると、その自由状態径R0 が得られるような
残留応力が無端状態の金属リング33に付与される。こ
の無端状態の金属リング33に設定値どおりの残留応力
が付与されているかを確認するために、金属リング33
の一部を切断して自由状態にし、その状態で自由状態径
0 を測定する必要がある。 【0037】このとき、無端状態の金属リング33の残
留応力が外周面において圧縮応力であり内周面において
引張応力であれば、図10(A)に示す無端状態の金属
リング33をA点の1個所で切断したとき、図10
(B)に示すように残留応力が解放されることで金属リ
ング33が閉じるように変形し、その一方の切断端部3
3aが中間部と干渉して正確な自由状態にならず、従っ
て自由状態径R0 を測定できなくなる。 【0038】それに対して、本実施例では、図10
(A)に示す無端状態の金属リング33をA点およびB
点の2個所で切断することにより、図10(C)に示す
ように残留応力が解放されて金属リング33が閉じるよ
うに変形したときに、その一対の切断端部33a,33
bが干渉しないようにして正確な自由状態径R0 を測定
することができる。 【0039】尚、無端状態の金属リング33を切断する
個所は2個所に限定されず、3個所以上であっても良
い。即ち、先ず無端状態の金属リング33の2個所を切
断したときに前記干渉が発生すれば、干渉が発生しなく
なるまで何回切断を行っても良い。 【0040】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。 【0041】 【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、金属リングは無端状態において外周面および
内周面にそれぞれ所定の圧縮応力および引張応力が作用
するように自由状態径が決定されているため、自由状態
径を測定すべく金属リングを1個所だけ切断すると切断
端部が干渉してしまうが、少なくとも2個所を切断して
自由状態径を測定することにより前記干渉を回避して正
確な測定を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】ベルト式無段変速機を搭載した車両の動力伝達
系のスケルトン図 【図2】金属ベルト部分斜視図 【図3】金属リングに作用する引張応力の説明図 【図4】金属リングの内周面に作用する応力の変化を示
すグラフ 【図5】金属リングの外周面に作用する応力の変化を示
すグラフ 【図6】金属リングの非使用状態(無端状態)および使
用状態の形状の説明図 【図7】補正応力振幅σai′,σao′を求めるグラ
フ 【図8】補正応力振幅σai′,σao′から金属リン
グの自由状態径R0 を求めるグラフ 【図9】金属リングの自由状態径R0 を求める工程を説
明するフローチャート 【図10】金属リングの自由状態径R0 の測定手法を説
明する図 【符号の説明】 15 金属ベルト 33 金属リング 33a 端部 33b 端部 R0 自由状態径

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 無段変速機用の金属ベルト(15)の金
    属リング(33)を切断して自由状態径(R0 )を測定
    するための金属リングの自由状態径測定方法であって、 金属リング(33)は無端状態において外周面および内
    周面にそれぞれ所定の圧縮応力および引張応力が作用す
    るように自由状態径(R0 )が決定されたものにおい
    て、 金属リング(33)を切断した自由状態において切断端
    部(33a、33b)が干渉しないように、該金属リン
    グ(33)の少なくとも2個所を切断して自由状態径
    (R0 )を測定することを特徴とする金属リングの自由
    状態径測定方法。
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