JP2003110981A

JP2003110981A - 空撮映像処理システム及び無線式の小型無人飛行体

Info

Publication number: JP2003110981A
Application number: JP2001300306A
Authority: JP
Inventors: Keitaro Matsuzaka; 敬太郎松坂
Original assignee: Hirobo Ltd
Current assignee: Hirobo Ltd
Priority date: 2001-09-28
Filing date: 2001-09-28
Publication date: 2003-04-11

Abstract

(57)【要約】【課題】空撮映像の利用の便宜を向上させる。【解決手段】飛行体に搭載されたカメラにより撮影さ
れた映像は、撮影条件情報関連付け手段１２２により、
飛行体の飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、
三次元の飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カ
メラの撮影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間
情報のうち少なくとも一つを含んで構成される撮影条件
情報と関連付けて空撮映像記憶部１２１に記憶される。
所望の映像を検出するに当たっては、この所望の映像に
おいて予想される飛行高度や撮影時間などを入力する。
あるいは、所望の映像に関して文章で表現して入力す
る。これにより、種々の形態で利用可能な所望の映像を
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、飛行体に搭載され
たカメラにより撮影された空撮映像を撮影時の各種撮影
条件情報に着目して分類、記憶し、さらには、所望の空
撮映像を検出可能とすることで、種々の空撮映像を利用
する際の便宜を向上させることができる空撮映像処理シ
ステム及びこの空撮映像処理システムを搭載した無線式
の小型無人飛行体に関する。

【０００２】

【従来の技術】飛行体に搭載されたカメラの空撮映像を
利用する技術としては、例えば、特開平１０−４２２８
２号公報に開示されているように、カメラの三次元位
置、三次元姿勢及び画角を検出すると共に、そのデータ
を地図データの三次元情報と比較し、カメラによって撮
影した映像と地図データとを重畳してリアルタイムで表
示する技術が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した技術は、映像
を三次元の地図データに重畳できることを特徴としてい
るが、空撮映像の利用形態としては、単に、撮影した映
像を地図データにマッチングさせることを提示している
に過ぎない。これは、上記公報に開示されているよう
に、上記技術は主として被災地を特定する際の位置情報
の正確性、迅速性の向上を目的としているためである。

【０００４】空撮映像は、災害時における被災地情報の
取得に役立つことはもちろんであるが、地図情報を重畳
するまでもなく、建物、港湾、橋梁などの構造物の保全
状況の確認や古墳、史跡、遺跡などの学術調査に用いる
ことも可能である。そのほか、映像をストックしておく
ことで、例えば、テレビ番組、コマーシャルあるいは映
画の背景シーンとして所望の映像を利用することができ
る。

【０００５】しかしながら、空撮映像をストックしてお
き上記した各種の利用形態に役立てるためには、撮影し
た映像をその後に利用しやすいような形態でコンピュー
タの記憶部に記憶させておくことが必要である。もちろ
ん、一つ一つの映像ファイルに付するファイル名を手掛
かりとして検索する手段も一般に考えられるが、各種の
映像を特徴づけるファイル名を一つ一つ付する作業は非
常に困難である。

【０００６】また、上記公報に開示されている技術で使
用される飛行体はヘリコプターなどの有人飛行体である
が、被災地や火山上空を飛行する場合などにおいては、
安全性の点から無人飛行体であることが望ましい。特
に、ヘリコプター型の無線式の無人飛行体であれば、飛
行姿勢や飛行経路などにおいて各種バリエーションに富
む飛行を実現でき、それにより様々なアングルの映像を
取得することができる。

【０００７】本発明は上記に鑑みなされたものであり、
撮影した映像を利用しやすくする撮影映像の記憶手段を
備えた空撮映像処理システムを提供することを課題とす
る。また、本発明は、記憶された映像を、記憶時に関連
付けられた撮影条件情報あるいは取得したいと考えるイ
メージに基づき入力された任意の条件データのいずれか
少なくとも一方によって、検出することを可能とする検
出手段を備えた空撮映像処理システムを提供することを
課題とする。また、本発明は、検出手段により検出され
た映像を、通信手段を介して配信可能とすることで、空
撮映像のさらなる利用の便宜を図ることができる空撮映
像処理システムを提供することを課題とする。また、本
発明は、上記した空撮映像処理システムを備え、安全に
かつ容易に使用することができる無線式の小型無人飛行
体を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、請求項１記載の本発明では、飛行体に搭載された
カメラによって撮影された映像を記憶する空撮映像記憶
部を備えた空撮映像処理システムであって、前記空撮映
像記憶部に記憶される映像を、前記飛行体の飛行位置情
報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の飛行姿勢情
報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮影画角情
報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のうち少なく
とも一つを含んで構成される撮影条件情報と関連付けて
記憶させる撮影条件情報関連付け手段を具備することを
特徴とする空撮映像処理システムを提供する。請求項２
記載の本発明では、飛行体に搭載されたカメラによって
撮影された映像を記憶する空撮映像記憶部を備えた空撮
映像処理システムであって、前記空撮映像記憶部に記憶
される映像を、前記飛行体の飛行位置情報、飛行高度情
報、飛行方向情報、三次元の飛行姿勢情報、カメラの三
次元の姿勢情報、カメラの撮影画角情報、カメラの撮影
高度情報、撮影時間情報のうち少なくとも一つを含んで
構成される撮影条件情報と関連付けて記憶させる撮影条
件情報関連付け手段と、入力された映像検出条件と前記
撮影条件情報とを比較し、前記空撮映像記憶部から、入
力された映像検出条件に適合する映像を検出する検出手
段とを具備することを特徴とする空撮映像処理システム
を提供する。請求項３記載の本発明では、飛行体に搭載
されたカメラによって撮影された映像を記憶する空撮映
像記憶部を備えた空撮映像処理システムであって、前記
空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記飛行体の飛行
位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の飛行
姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮影画
角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のうち少
なくとも一つを含んで構成される撮影条件情報と関連付
けて記憶させる撮影条件情報関連付け手段と、入力され
た映像検出条件と前記撮影条件情報とを比較し、前記空
撮映像記憶部から、入力された映像検出条件に適合する
映像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出さ
れた映像を、通信手段を介してユーザに配信する配信手
段とを具備することを特徴とする空撮映像処理システム
を提供する。請求項４記載の本発明では、通信手段を介
してユーザによって入力された前記映像検出条件を受信
する受信手段を具備し、前記検出手段は、この受信手段
を介して取得した映像検出条件に適合する映像を撮影条
件情報と比較して検出する構成であることを特徴とする
請求項６記載の空撮映像処理システムを提供する。請求
項５記載の本発明では、入力される映像検出条件が、飛
行体の飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三
次元の飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメ
ラの撮影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情
報のうち少なくとも一つを含む撮影条件情報に対応する
条件データであり、前記検出手段は、映像検出条件とし
て入力された前記条件データと前記撮影条件情報とを比
較して、入力された映像検出条件に適合する映像を検出
する構成であることを特徴とする請求項２〜４のいずれ
か１に記載の空撮映像処理システムを提供する。請求項
６記載の本発明では、入力される映像検出条件が、想定
する映像の少なくとも一部を文字、画像あるいは音声な
どで表現した任意の条件データであり、前記検出手段
は、映像検出条件として入力された前記条件データと前
記撮影条件情報とを比較して、入力された映像検出条件
に適合する映像を検出する構成であることを特徴とする
請求項２〜４のいずれか１に記載の空撮映像処理システ
ムを提供する。請求項７記載の本発明では、前記検出手
段は、前記条件データを、前記撮影条件情報と対比可能
な情報に加工する条件データ加工手段を具備し、この条
件データ加工手段により加工された条件データと前記撮
影条件情報とを比較して、入力された映像検出条件に適
合する映像を検出する構成であることを特徴とする請求
項６記載の空撮映像処理システムを提供する。請求項８
記載の本発明では、外部撮影用のカメラと、前記カメラ
の三次元の姿勢を検知するセンサと、前記カメラによっ
て撮影された映像を記憶する空撮映像記憶部、及び前記
空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記飛行体の飛行
位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の飛行
姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮影画
角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のうち少
なくとも一つを含んで構成される撮影条件情報と関連付
けて記憶させる撮影条件情報関連付け手段を備えた空撮
映像処理システムとを具備することを特徴とする無線式
の小型無人飛行体を提供する。請求項９記載の本発明で
は、外部撮影用のカメラと、前記カメラの三次元の姿勢
を検知するセンサと、前記カメラによって撮影された映
像を記憶する空撮映像記憶部、前記空撮映像記憶部に記
憶される映像を、前記飛行体の飛行位置情報、飛行高度
情報、飛行方向情報、三次元の飛行姿勢情報、カメラの
三次元の姿勢情報、カメラの撮影画角情報、カメラの撮
影高度情報、撮影時間情報のうち少なくとも一つを含ん
で構成される撮影条件情報と関連付けて記憶させる撮影
条件情報関連付け手段、及び入力された映像検出条件と
前記撮影条件情報とを比較し、前記空撮映像記憶部か
ら、入力された映像検出条件に適合する映像を検出する
検出手段を備えた空撮映像処理システムとを具備するこ
とを特徴とする無線式の小型無人飛行体を提供する。請
求項１０記載の本発明では、外部撮影用のカメラと、前
記カメラの三次元の姿勢を検知するセンサと、前記カメ
ラによって撮影された映像を記憶する空撮映像記憶部、
前記空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記飛行体の
飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の
飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮
影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のう
ち少なくとも一つを含んで構成される撮影条件情報と関
連付けて記憶させる撮影条件情報関連付け手段、入力さ
れた映像検出条件と前記撮影条件情報とを比較し、前記
空撮映像記憶部から、入力された映像検出条件に適合す
る映像を検出する検出手段、及び前記検出手段により検
出された映像を、通信手段を介してユーザに配信する配
信手段を備えた空撮映像処理システムとを具備すること
を特徴とする無線式の小型無人飛行体を提供する。請求
項１１記載の本発明では、ヘリコプター型であることを
特徴とする請求項８〜１０記載の無線式の小型無人飛行
体を提供する。

【０００９】（作用）本発明の空撮映像処理システムに
よれば、飛行体に搭載されたカメラにより撮影された映
像は、撮影条件情報関連付け手段により、飛行体の飛行
位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の飛行
姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮影画
角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のうち少
なくとも一つを含んで構成される撮影条件情報と関連付
けて空撮映像記憶部に記憶される。

【００１０】所望の映像を検出するに当たっては、この
所望の映像において予想される少なくとも一部の撮影条
件情報、例えば、飛行高度や撮影時間などを任意に検出
キーワードとして入力する。あるいは、所望の映像に関
して文章（テキストデータ）で表現して入力する。これ
により、種々の形態で利用可能な所望の映像を得ること
ができる。

【００１１】また、本発明の無線式の無人飛行体によれ
ば、火山や被災地上空などを飛行することも可能であ
り、種々のシーンの撮影が可能となる。また、空撮映像
処理システムを搭載しているため、地上においてその空
撮影上処理システムにより既に処理された情報を受信す
ることにより、その後の情報加工処理が容易となり、地
上設備の簡素化、省力化に資する。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて更に詳しく説明する。本実施形態においては、
飛行体１として、図１に示したように、ヘリコプター型
の無線式の小型無人飛行体を用いている。いわゆるラジ
コンヘリコプターであるが、これにより、有人飛行体と
比較して火山上空などの危険が伴う飛行経路や橋梁下な
どの狭空域であっても飛行させることができ、また、飛
行許可などの手続きも要しないため、様々な映像を撮影
することができる。特に、ヘリコプター型のものを用い
た場合には、飛行機型のものと比較して、空中で停止さ
せたり、建造物に沿って垂直に上昇させたり、空中での
自由な動きを実現でき、種々のアングルからバリエーシ
ョンに富んだ映像を取得することを可能にする。

【００１３】飛行体１には、該飛行体１の外部を撮影す
るためのカメラ２が搭載される。カメラ２は、動画像を
撮影するものであってもよいし、連続的に静止画像を撮
影するものであってもよい。また、動画像、静止画像を
適宜に切り替えて撮影できるものであってもよい。ま
た、カメラ２は、姿勢が固定されて飛行体１に取り付け
られるものであってもよいが、カメラ２自身が姿勢変更
可能に設けられていることが好ましく、さらには二次元
方向だけでなく、三次元に姿勢制御可能に設けられてい
ることがより好ましい。固定式であっても、飛行体１の
姿勢によって種々のアングルでの撮影が可能である。特
に、本実施形態では上記のようにヘリコプター型の小型
無人飛行体を用いているため、動きの自由度が大きく、
カメラ２が固定式であっても様々な映像を撮影すること
が可能である。しかしながら、それに加えて、カメラ２
自身の姿勢が二次元、三次元に制御可能であれば、さら
にバリエーションに富んだ映像を撮影することができる
し、また、飛行体１の飛行姿勢を安定にさせた状態であ
っても、カメラ２の姿勢を制御するだけでバリエーショ
ンに富んだ撮影が可能である。

【００１４】なお、カメラ２の撮影制御、例えば、連続
撮影時間、撮影間隔、撮影姿勢などの制御は、予め設定
した制御プログラムに従って行うようにしてもよいし、
地上の無線通信機を操作して制御する構成としてもよ
い。

【００１５】後述の空撮映像処理システム１０において
は、カメラ２によって撮影された映像を、撮影時の撮影
条件情報と関連付けて記憶させる。このため、飛行体１
及び／又はカメラ２には、この撮影条件を取得する機能
を備えている必要がある。撮影条件は、それによって、
撮影パターンを特定して所望の映像に分類したり、所望
の映像を検出したりする際の分類・検出キーとなる機能
を果たすものである。このため、撮影パターンの特定に
最低限必要となる飛行体１の飛行位置、飛行高度、飛行
方向、飛行姿勢に関する情報、カメラ２の三次元の姿
勢、撮影画角、撮影高度、撮影時間に関する情報のいず
れか少なくとも一つから構成される。なお、これらの撮
影条件を検知する手段は限定されるものではなく、例え
ば、高度計、方位センサ、カメラの姿勢を検知するセン
サの一つである角度センサ、時計などが挙げられるが、
いずれも、飛行体１やカメラ２に後付けしたものであっ
てもよいし、予めそれらに備えられたものであってもよ
い。

【００１６】本実施形態に係る空撮映像処理システム１
０は情報処理装置（コンピュータ）から構成され、図２
に示したように、主制御部であるＣＰＵ１１と、メモリ
やハードディスクドライブなどの記憶手段１２と、表示
画面１３とを有して構成される。なお、記憶手段１２
は、情報処理装置からなる空撮映像処理システム１０に
設けられるドライブに装填可能な任意の記録媒体、例え
ば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、ＣＤ−
ＲＯＭ、ＤＶＤなどの光ディスク、ＭＯ、ＭＤなどの光
磁気ディスク、ＩＣカードなどの半導体カード等の記録
媒体であってもよい。

【００１７】空撮映像処理システム１０の記憶手段１２
には、飛行体１のカメラ２によって撮影された映像を記
憶する空撮映像記憶部１２１が形成されている。また、
この空撮映像記憶部１２１に記憶される映像を、各種の
撮影条件情報と関連付けて記憶させるためのプログラム
である撮影条件情報関連付け手段１２２を有している。

【００１８】撮影条件情報関連付け手段１２２は、撮影
した所定の映像に対し、上記した飛行体１の飛行位置、
飛行高度、飛行方向、飛行姿勢に関する情報、カメラ２
の三次元の姿勢、撮影画角、撮影高度、撮影時間に関す
る情報のいずれか少なくとも一つから形成される撮影条
件情報を対応させることができるものであればどのよう
な構成であってもよい。例えば、飛行体１やカメラ２に
備え付けられた撮影条件検知手段である高度計、方位セ
ンサ、角度センサ、時計などから上記撮影条件に関する
情報を取得し、この撮影条件情報を映像情報に付帯させ
た状態で、空撮映像記憶部１２１に記憶させる構成とす
ることができる。また、別途、撮影条件情報のみを記憶
する記憶部（撮影条件情報記憶部）をファイル形式など
により形成した上で、空撮映像記憶部１２１に記憶され
た各映像情報にリンクする情報を介して対応させる構成
とすることもできる。また、カメラ２に撮影される映像
に撮影画角、撮影高度、撮影時間などの撮影条件情報が
写し込まれるものである場合には、写し込まれた撮影条
件情報を、光学的に読み取る手段などを介して取得し、
上記のように空撮映像記憶部１２１や撮影条件情報記憶
部に記憶させる構成とすることもできる。

【００１９】なお、撮影条件情報関連付け手段１２２に
より取得される撮影条件情報は、上記のようにそれによ
って撮影パターンを特定するものであり、飛行体１の飛
行位置、飛行高度、飛行方向、飛行姿勢に関する情報、
カメラ２の三次元の姿勢、撮影画角、撮影高度、撮影時
間に関する情報のいずれか少なくとも一つを含んで形成
されていればよいが、より詳細な撮影パターンを特定す
るためには、これらの情報をできるだけ多く備えている
ことが好ましい。

【００２０】記憶手段１２には、さらに、撮影条件情報
関連付け手段１２２により取得された撮影条件情報に基
づいて、所望の映像を検出するプログラムである検出手
段１２３を備えている。この検出手段１２３は、例え
ば、ユーザが取り出したいとイメージした映像の少なく
とも一部について、任意の入力手段を介して入力された
映像検出条件を受け取って、撮影条件情報の記憶されて
いる空撮映像記憶部１２１又は撮影条件情報記憶部にア
クセスし、そこに記憶されている撮影条件情報と比較し
て、類似性の高い映像情報を、空撮映像記憶部１２１か
ら検出する手段である。

【００２１】検出手段１２３は、入力される映像検出条
件が、撮影条件情報に対応した条件データである場合、
例えば、飛行位置：東経１３５°・北緯３６°、撮影高
度：５００〜８００ｍ、飛行方向：北西から南東、撮影
時間：４月１〜１０日の８：００〜１０：００の範囲、
あるいは、連続撮影時間：１〜３分間、カメラの三次元
姿勢（撮影方向）：鉛直角−２０度から＋４５度、とい
ったように、記憶されている撮影条件情報と直接比較可
能なデータである場合には、用語や数値同士の類似性を
比較できるプログラムであればよい。

【００２２】一方、映像検出条件を入力する場合に、撮
影条件を細かく指定することは難しく、種々のユーザが
存在することを考慮すると、映像検出条件としては、例
えば、「春頃、関東近郊で上空数百ｍから千数百ｍの範
囲で撮影した映像であって、山の見える景色から海の見
える景色に移り変わっていく映像」といったように、文
章での入力を可能としたり、あるいは、「春and関東and
山and海」といったように任意の用語の入力を可能とし
たり、あるいは、何らかの画像データや音声などによる
入力を可能とすることで、映像検出条件を入力するユー
ザの便宜を図ることが好ましい。従って、検出手段１２
３には、図２に示したように、このような映像検出条件
に関する条件データを、記憶している撮影条件情報と対
比可能な情報に加工する条件データ加工手段１２３ａを
設定しておくことが好ましい。

【００２３】条件データ加工手段１２３ａとしては、例
えば、「春頃、関東近郊で上空数百ｍから千数百ｍの範
囲で撮影した映像であって、山の見える景色から海の見
える景色に移り変わっていく映像」と入力された文章を
形態素解析したり、意味解析したりして、「３月or４月
or５月」、「東経○○°〜○○°、北緯○○°〜○○
°」「５００ｍ〜１５００ｍ」、「山and海」といった
撮影条件情報において用いている表現に対応する用語
（単語）などに変換する手段を挙げることができる。条
件データ加工手段１２３ａにより変換された後は、空撮
映像記憶部１２１又は撮影条件情報記憶部にアクセス
し、そこに記憶されている撮影条件情報と比較して、類
似性の高い映像情報を、空撮映像記憶部１２１から検出
する。

【００２４】所望の映像を検出するための映像検出条件
である条件データを入力する入力手段としては、キーボ
ード、マウス、音声入力装置等が挙げられるが、これら
は、空撮映像処理システム１０に備え付けられているも
のであってもよいし、通信手段を介して接続されたユー
ザの入力手段であってもよい。本発明では、撮影した映
像を配信して、広く流通、取引可能とすることで、空撮
映像のさらなる利用の便宜を図ることをも目的とする。
従って、かかる観点からは、空撮映像処理システム１０
に対し、インターネットなどの通信回線を介して接続さ
れた入力手段によって、空撮映像を欲する各種のユーザ
から条件データを入力可能な構成とすることが好まし
い。

【００２５】本実施形態の記憶手段１２には、さらに、
検出手段１２３によって検出された、ユーザの入力した
条件データに対応する映像情報を、通信手段を介して接
続されたユーザの端末装置に対して配信する配信手段１
２４を有している。この配信手段１２４は、検出された
映像情報を、例えば添付ファイルとして付帯させて送信
できる機能を有するプログラムなどであればよく、その
構成は何ら限定されるものではない。

【００２６】本実施形態によれば、例えば、上記の空撮
映像処理システム１０を地上の建物内に設置されたコン
ピュータに設定する。また、飛行体１に搭載されたカメ
ラ２と空撮映像処理システム１０とは、無線通信手段に
より結ばれ、映像が撮影されるとリアルタイムに空撮映
像処理システム１０に送信されるように設定されている
とする。そして、飛行体１を、無線操作により、例え
ば、被写体として橋梁の上方を長手方向に沿って端から
端まで飛行させ、さらに、橋梁の横斜め上方から橋梁に
接近し、さらに、橋梁の下方を通過させるように飛行さ
せる。カメラ２は、無線操作により適宜の姿勢に制御す
る。

【００２７】かかる場合、カメラ２により撮影された橋
梁の映像、あるいはその周辺の映像は、無線通信手段を
介してリアルタイムで空撮映像処理システム１０に送信
され、空撮映像記憶部１２１に蓄積されていく。また、
橋梁を撮影した際の撮影条件情報も、飛行体１及び／又
はカメラ２に搭載された撮影条件情報を検知するセンサ
のデータが、無線通信手段を介して空撮映像処理システ
ム１０に送信され、撮影条件関連付け手段１２２によ
り、撮影した映像に関連付けされて、空撮映像記憶部１
２１に映像と共に、あるいは、独立形成された撮影条件
情報記憶部に蓄積されていく。

【００２８】本実施形態によれば、このように空撮映像
を単に適宜のファイル名を付してコンピュータに蓄積す
るだけではなく、撮影条件情報と関連付けて蓄積する。
従って、その後に、任意のユーザが欲する映像を検出す
る作業が極めて容易となる。

【００２９】例えば、テレビ番組制作者が、橋梁を上空
横方向から徐々に迫って、橋梁下からも橋梁を捉える映
像を欲しているとする。この場合、ユーザであるテレビ
番組制作者は、例えば、インターネットを介して空撮映
像処理システム１０に接続された端末装置の入力手段を
用いて（図１参照）、「橋梁」、「上空横方向から下方
を通過」といった用語を含む文章や単語を入力し、図３
のＳ１に示したように、空撮映像処理システム１０に対
して自己の欲する映像検出条件についての条件データと
して送信する。

【００３０】空撮映像処理システム１０では、かかる条
件データを受信手段により受信したならば（Ｓ２）、条
件データ加工手段１２３ａによって解析し、撮影条件情
報と対比可能な情報に加工する（Ｓ３）。そして、検出
手段１２３によって、加工された条件データを、空撮映
像記憶部１２１又は撮影条件情報記憶部にアクセスして
（Ｓ４）、それらに蓄積された撮影条件情報と比較する
（Ｓ５）。その結果、類似性の高い映像情報を検出した
場合には、かかる映像情報を空撮映像記憶部１２１から
読み出し（Ｓ６）、配信手段１２４により、インターネ
ットを介してユーザであるテレビ番組制作者の端末装置
に配信する（Ｓ７）。

【００３１】ユーザは、端末装置を用いて受信した映像
を再生し（Ｓ８）、イメージした映像に相当するか否か
を検討し、イメージにそぐわない場合には、再度、映像
検出条件を入力して空撮映像処理システム１０に送信
し、上記と同様の操作を繰り返す。その後の処理は任意
であるが、例えば、所望の映像情報が得られた場合に
は、その映像を購入する旨を空撮映像処理システム１０
に送信し（Ｓ９）、空撮映像処理システム１０におい
て、当該ユーザに対する映像情報提供に対する対価を課
金する（Ｓ１０）。

【００３２】また、検出手段１２３においては、例え
ば、入力された映像検出条件との類似性の高いものから
順に複数の映像情報を検出し、配信手段１２４を介して
ユーザに複数の映像情報を提供することも可能である。
そして、この場合には、ユーザは複数の映像情報を順に
閲覧した上で、購入を希望する映像情報を特定し、その
情報を空撮映像処理システム１０にフィードバックする
構成とすることもできる。なお、検出手段１２３によっ
て、複数の映像情報が提供された場合に、絞り込み検索
のため、ユーザがさらなる映像検出条件を入力し、絞り
込み用の条件データとして空撮映像処理システム１０に
送信できる構成とすることももちろん可能である。

【００３３】本発明は上記した実施形態に何ら限定され
るものではない。上記した説明では、飛行体１には、基
本的に、カメラ２と、飛行体１及び／又はカメラ２の各
種撮影条件情報を検知するためのセンサと、必要な通信
手段しか搭載していないが、飛行体１に、空撮映像処理
システム１０そのものを搭載した構成とすることもでき
る。この場合の空撮映像処理システム１０は、空撮映像
記憶部１２１のみを備えたものであってもよいし、検出
手段１２３あるいは必要に応じて条件データ加工手段１
２３ａを含む検出手段１２３をも備えたものであっても
よい。さらに、配信手段１２４も具備した構成とするこ
ともできる。

【００３４】空撮映像記憶部１２１を備えたものの場合
には、地上設備に設定するコンピュータとして、必要な
通信手段のほかに、検出手段１２３及び配信手段１２４
を設定するだけで済み、さらに、検出手段１２３を備え
たものの場合には、地上設備のコンピュータとしては、
配信手段１２４を備えていればよく、いずれにしても、
地上設備に設定するコンピュータの構成の簡素化、省力
化に資する。また、配信手段１２４をも搭載している場
合には、飛行体１とユーザの端末装置との間で直接情報
交換が可能となるため、地上に設置するサーバの役割を
果たすコンピュータとしては、バックアップ用程度のも
のでよく、場合によっては、地上に設置するコンピュー
タ自体を不要とすることもできる。

【００３５】

【発明の効果】本発明の空撮映像処理システムは、飛行
体に搭載されたカメラにより撮影された映像を、撮影条
件情報関連付け手段により、飛行体の飛行位置情報、飛
行高度情報、飛行方向情報、三次元の飛行姿勢情報、カ
メラの三次元の姿勢情報、カメラの撮影画角情報、カメ
ラの撮影高度情報、撮影時間情報のうち少なくとも一つ
を含んで構成される撮影条件情報と関連付けて空撮映像
記憶部に記憶する構成である。従って、その後に、種々
のユーザによって、この撮影条件情報をもとに、所望の
映像を検出することが効率的かつ極めて容易に行うこと
ができ、映像を種々の形態で利用することができる。ま
た、検出手段により検出された映像を、通信手段を介し
て配信可能とすることで、空撮映像のさらなる利用の便
宜を図ることができる

【００３６】また、本発明の無線式の無人飛行体によれ
ば、火山や被災地上空などを飛行することも可能であ
り、種々のシーンの撮影が可能となる。また、空撮映像
処理システムを搭載しているため、地上においてその空
撮影上処理システムにより既に処理された情報を受信す
ることにより、その後の情報加工処理が容易となり、地
上設備の簡素化、省力化に資する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の一の実施形態に係る空撮映像
処理システム、飛行体、ユーザとの関係を示す概念図で
ある。

【図２】図２は、上記実施形態に係る空撮映像処理シス
テムの構成図である。

【図３】図３は、上記実施形態に係る空撮映像処理シス
テムを用いて、蓄積した映像をユーザに配信する方法の
一例を説明するためのフローチャートである。

【符号の説明】

１飛行体２カメラ１０空撮映像処理システム１２記憶手段１２１空撮映像記憶部１２２撮影条件情報関連付け手段１２３検出手段１２３ａ条件データ加工手段１２４配信手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｈ０４Ｎ 7/18 Ｈ０４Ｎ 5/91 ＬＦターム(参考） 5B050 BA11 GA08 5C022 AA01 AB65 AC69 5C052 AA01 AB03 AB04 AC08 DD04 5C053 LA01 LA06 LA11 LA14 5C054 AA01 AA05 CA04 CC02 CE01 CF01 CH02 DA07 DA08 EA01 EA03 EA05 EA07 FA09 GB02 HA38

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】飛行体に搭載されたカメラによって撮影
された映像を記憶する空撮映像記憶部を備えた空撮映像
処理システムであって、前記空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記飛行体の
飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の
飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮
影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のう
ち少なくとも一つを含んで構成される撮影条件情報と関
連付けて記憶させる撮影条件情報関連付け手段を具備す
ることを特徴とする空撮映像処理システム。
【請求項２】飛行体に搭載されたカメラによって撮影
された映像を記憶する空撮映像記憶部を備えた空撮映像
処理システムであって、前記空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記飛行体の
飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の
飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮
影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のう
ち少なくとも一つを含んで構成される撮影条件情報と関
連付けて記憶させる撮影条件情報関連付け手段と、入力された映像検出条件と前記撮影条件情報とを比較
し、前記空撮映像記憶部から、入力された映像検出条件
に適合する映像を検出する検出手段とを具備することを
特徴とする空撮映像処理システム。
【請求項３】飛行体に搭載されたカメラによって撮影
された映像を記憶する空撮映像記憶部を備えた空撮映像
処理システムであって、前記空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記飛行体の
飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の
飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮
影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のう
ち少なくとも一つを含んで構成される撮影条件情報と関
連付けて記憶させる撮影条件情報関連付け手段と、入力された映像検出条件と前記撮影条件情報とを比較
し、前記空撮映像記憶部から、入力された映像検出条件
に適合する映像を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された映像を、通信手段を介し
てユーザに配信する配信手段とを具備することを特徴と
する空撮映像処理システム。
【請求項４】通信手段を介してユーザによって入力さ
れた前記映像検出条件を受信する受信手段を具備し、前
記検出手段は、この受信手段を介して取得した映像検出
条件に適合する映像を撮影条件情報と比較して検出する
構成であることを特徴とする請求項６記載の空撮映像処
理システム。
【請求項５】入力される映像検出条件が、飛行体の飛
行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、三次元の飛
行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カメラの撮影
画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間情報のうち
少なくとも一つを含む撮影条件情報に対応する条件デー
タであり、前記検出手段は、映像検出条件として入力された前記条
件データと前記撮影条件情報とを比較して、入力された
映像検出条件に適合する映像を検出する構成であること
を特徴とする請求項２〜４のいずれか１に記載の空撮映
像処理システム。
【請求項６】入力される映像検出条件が、想定する映
像の少なくとも一部を文字、画像あるいは音声などで表
現した任意の条件データであり、前記検出手段は、映像検出条件として入力された前記条
件データと前記撮影条件情報とを比較して、入力された
映像検出条件に適合する映像を検出する構成であること
を特徴とする請求項２〜４のいずれか１に記載の空撮映
像処理システム。
【請求項７】前記検出手段は、前記条件データを、前
記撮影条件情報と対比可能な情報に加工する条件データ
加工手段を具備し、この条件データ加工手段により加工
された条件データと前記撮影条件情報とを比較して、入
力された映像検出条件に適合する映像を検出する構成で
あることを特徴とする請求項６記載の空撮映像処理シス
テム。
【請求項８】外部撮影用のカメラと、前記カメラの三次元の姿勢を検知するセンサと、前記カメラによって撮影された映像を記憶する空撮映像
記憶部、及び前記空撮映像記憶部に記憶される映像を、
前記飛行体の飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情
報、三次元の飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情
報、カメラの撮影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮
影時間情報のうち少なくとも一つを含んで構成される撮
影条件情報と関連付けて記憶させる撮影条件情報関連付
け手段を備えた空撮映像処理システムとを具備すること
を特徴とする無線式の小型無人飛行体。
【請求項９】外部撮影用のカメラと、前記カメラの三次元の姿勢を検知するセンサと、前記カメラによって撮影された映像を記憶する空撮映像
記憶部、前記空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記
飛行体の飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、
三次元の飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カ
メラの撮影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間
情報のうち少なくとも一つを含んで構成される撮影条件
情報と関連付けて記憶させる撮影条件情報関連付け手
段、及び入力された映像検出条件と前記撮影条件情報と
を比較し、前記空撮映像記憶部から、入力された映像検
出条件に適合する映像を検出する検出手段を備えた空撮
映像処理システムとを具備することを特徴とする無線式
の小型無人飛行体。
【請求項１０】外部撮影用のカメラと、前記カメラの三次元の姿勢を検知するセンサと、前記カメラによって撮影された映像を記憶する空撮映像
記憶部、前記空撮映像記憶部に記憶される映像を、前記
飛行体の飛行位置情報、飛行高度情報、飛行方向情報、
三次元の飛行姿勢情報、カメラの三次元の姿勢情報、カ
メラの撮影画角情報、カメラの撮影高度情報、撮影時間
情報のうち少なくとも一つを含んで構成される撮影条件
情報と関連付けて記憶させる撮影条件情報関連付け手
段、入力された映像検出条件と前記撮影条件情報とを比
較し、前記空撮映像記憶部から、入力された映像検出条
件に適合する映像を検出する検出手段、及び前記検出手
段により検出された映像を、通信手段を介してユーザに
配信する配信手段を備えた空撮映像処理システムとを具
備することを特徴とする無線式の小型無人飛行体。
【請求項１１】ヘリコプター型であることを特徴とす
る請求項８〜１０記載の無線式の小型無人飛行体。