JP2003110156A - 熱電変換モジュールおよびそれに用いる接着剤 - Google Patents

熱電変換モジュールおよびそれに用いる接着剤

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Hideo Yomo
英雄 四方
Hiroyoshi Chiyoda
博宜 千代田
Mitsuru Kanbe
満 神戸
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Hitachi Powdered Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力に対応可能でありながら信頼性を高め
ることができる熱電変換モジュールを提供する。 【解決手段】 熱電変換素子1の両側に、冷却ダクト4
および加熱ダクト5を熱応力緩和パッド7を介して接合
し、応力緩和パッド7と熱電変換素子1との接合のため
の接合介在層6を、主として炭素系物質と結着剤物質と
からなる炭素系接合材とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、熱エネルギーを
電気エネルギーに変換するための熱電変換モジュールに
係り、特に、高出力に対応可能でありながら信頼性を高
める技術に関する。また、本発明は、上記のような熱電
変換モジュールに適用して好適な接着剤に関するもので
もある。
【0002】
【従来の技術】熱電変換素子を用いた熱電変換モジュー
ルによる直接発電システムは、構造が簡単で可動部分が
ないため、信頼性が高く保守点検が容易であるという利
点があるが、現状の出力密度およびエネルギー変換効率
は未だ低いため、宇宙用など特殊な用途でしかも低い出
力規模に限って開発が行われてきた。しかしながら、昨
今の環境対策の観点から、ゴミ焼却炉などの廃熱を利用
した発電システムへの適用が期待を集めており、発電単
価の低減や熱電変換モジュールシステムの耐久性の向上
などが望まれている。
【0003】熱電変換素子には、BiTe系、BiSn
系、FeSi系、SiGe系などがあり、それぞれ熱電
変換の目的や用途、設置環境によって素子を使い分けて
いる。図3に従来の熱電変換モジュールの一例を示す。
この図に示す熱電変換モジュールは、たとえばBiTe
等からなる熱電変換素子1の両側に、銅等からなる電極
2を積層し、電極2の一面に、雲母等からなる電気絶縁
層3を介して冷却ダクト4および加熱ダクト5をそれぞ
れ積層して構成されている。このような熱電変換モジュ
ールでは、冷却ダクト4に送風するとともに加熱ダクト
5に高温の廃ガス等を供給することにより、熱電変換素
子1に熱伝導を発生させて発電し、発生した電気を電極
2から取り出すことができる。
【0004】上記のような熱電変換モジュールでは、熱
電変換素子1、電極2、電気絶縁層3および冷却、加熱
ダクト4、5の各部材は、加圧して圧着状態にしたりハ
ンダなどのロウ材を用いて接合し、一体化するのが一般
的であった。しかしながら、圧着による一体化では、各
部材の接触界面における接触熱抵抗により熱電変換モジ
ュールの温度落差が大きく、熱電変換素子1の出力が損
なわれるという欠点があった。なお、圧着の加圧力を増
加すると接触熱抵抗をいくらか緩和できるが、その加圧
力に熱電変換素子1の熱応力が加わり、熱履歴により脆
弱な熱電変換素子1が破損するという懸念があった。
【0005】一方、ハンダなどのロウ材により各部材ど
うしを接合した場合には、接合のためにロウ材を溶解状
態とするため、200〜300℃程度に加熱する必要が
あり、その加熱温度によっては熱電変換素子1を劣化さ
せてしまうおそれがある。また、ロウ材の溶解温度以上
の環境下に熱電変換モジュールを設置すると、ロウ材が
溶解・流出してしまうので、設置場所が制限され、熱電
変換モジュールの用途に制限を受けるという欠点があっ
た。
【0006】また、ハンダは鉛を含むため、環境保護の
観点で既に製造および使用が禁止されている国や地域も
あり、将来、我が国においてもハンダが使えなくなる可
能性がある。この対策として鉛を含まない接合材(Lead
Free Solder)の開発が各国で行われているが、接合強
度およびコストの点で従来のハンダを凌ぐものはまだ得
られていないのが現状である。したがって、将来、ハン
ダの生産および使用が中止になった場合には、熱電変換
モジュールの組立にも重大な支障をきたすおそれがあ
る。
【0007】熱電変換素子から大きな出力を取り出すに
は、熱電変換素子の両面にできるだけ大きい温度差を与
える必要がある。そのためには、図3に示すように、熱
電変換素子を加熱および冷却ダクトではさみ、伝導によ
り熱を伝える方式(Conduction Coupling)が効果的で
ある。しかしながら、熱電変換素子の上下面の温度差が
あまりに大きいと、熱電変換素子に永久歪が生じたり破
損するおそれがある。そのため、熱電変換素子の破損を
予防するために、熱電変換素子と加熱、冷却ダクトの間
に、熱伝導性が良好で熱応力の緩和の作用を有する熱応
力緩和パッドを介在させて接合する技術が提案されてい
る。
【0008】具体的には、特開平8−186295号
(特許 第3056047号)公報に開示されているよ
うに、熱伝導率が大きく弾性定数の小さい材料と電気絶
縁材料とを接合せずに、両者の組成を徐々に変化させた
傾斜機能材料を採用した熱応力緩和パッドがある。この
熱応力緩和パッドと熱電変換素子および加熱、冷却ダク
トを接合すると、従来の圧着型に比べ接触熱抵抗を格段
に低減することができる。また熱応力緩和パッドがクッ
ションの役割をするため、加熱、冷却ダクトの熱膨張差
に起因する熱応力を緩和することができ、熱電変換素子
の破壊を防止することができる。
【0009】
【発明が解決すべき課題】前述したように、熱電変換モ
ジュールシステムを広く普及させるためには、熱電変換
特性に優れながら、環境依存が少なく、しかも環境影響
へも配慮した接合形態とした熱電変換モジュールシステ
ムを提供する必要がある。この場合、当然ながら、熱電
変換素子等の各部材を一体化する際の工程で、熱電変換
素子に悪影響を及ぼさないことも考慮しなければならな
い。しかしながら、そのような技術は未だ提供されてい
ないのが実情である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の熱電変換モジュ
ールは、熱電変換素子の両側に、冷却手段および加熱手
段を中間部材を介して接合し、一体化した熱変換モジュ
ールにおいて、中間部材と熱電変換素子との接合のため
の接合介在層を、主として炭素系物質と結着剤物質とか
らなる炭素系接合材としたことを特徴としている。
【0011】上記構成の熱電変換モジュールにあって
は、熱電変換素子と中間部材とを接合する接合介在層を
主として炭素系物質と結着剤物質とからなる炭素系接合
材としているので、ハンダ材料において懸念された設置
環境温度によって接合介在層が溶解したりすることがな
く、環境依存がなく広範な用途に用いることができると
ともに、環境への影響がなく、しかも、各部材の一体化
に際して熱電変換素子への悪影響も防止することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について説明する。熱電変換素子には、BiTe系、B
iSn系、FeSi系、SiGe系など、任意のものを
用いることができる。中間部材は、熱電変換素子側へ向
かうに従って熱伝導率が徐々に大きくなるとともに弾性
定数および電気絶縁性が徐々に小さくなる熱応力緩和パ
ッドであることが望ましい。このような熱応力緩和パッ
ドは、熱伝導率が大きく弾性定数の小さい材料と電気絶
縁材料とを接合せずに、両者の組成を徐々に変化させた
傾斜機能材料であり、接触熱抵抗を格段に低減するとと
もに、加熱、冷却手段の熱膨張差に起因する熱応力を緩
和することを可能とする。また、熱応力緩和パッドの熱
電変換素子側の端部は電気電導率が高いから、その部分
を電極として用いることができる。あるいは、接合介在
層も炭素系物質を含み電気伝導率が高いから、その部分
を電極として用いることも可能である。
【0013】上記のような熱応力緩和パッドは、電極と
絶縁層とを兼ね備えたものであるが、それに代えて電極
と電気絶縁層をそれぞれ設けることができる。この場
合、電極と熱電変換素子との間に接合介在層を設けるこ
とが必須となるが、電極と電気絶縁層、あるいは電気絶
縁層と冷却、加熱手段との間にも接合介在層を設けるこ
とができる。また、電極や電気絶縁層以外の中間部材を
設ける場合にも、それら中間部材の間または中間部材と
冷却、加熱手段との間に接合介在層を設けることができ
る。さらに、熱応力緩和パッドと冷却、加熱パッドとの
間に接合介在層を設けることもできる。なお、冷却手段
および加熱手段の代表的なものとしては、内部に気体を
流通させるダクトがあるが、本発明では他の任意の手段
を用いることができる。なお、接合介在層を設けない部
材どうしの接合には、たとえば熱電変換モジュールの両
側から加圧して圧着状態にする等任意の手段を用いるこ
とができる。
【0014】接合介在層のシート抵抗値は、1〜100
Ω/□であることが望ましい。シート抵抗値(R)は
被膜の導電性を表すものであり、値が小さいものほど電
気伝導性に優れている。このシート抵抗値は以下の式に
より算出することができる。
【0015】
【数1】
【0016】ここで、シート抵抗値が100Ω/□を越
えると電気伝導性が高くなり、熱電変換モジュールのシ
ステム全体としてみると、従来の技術で挙げたレベル
(電気抵抗)と変わらないものとなってしまう。一方、
シート抵抗値が低い、すなわち電気伝導度に優れたもの
であれば、熱電変換のロスが少ないものとなり望ましい
ものとなるが、接合介在層を本発明のような炭素系接合
材とした場合には、1Ω/□が下限と考えられる。
【0017】この発明における熱電変換モジュールの接
合介在層は、主として炭素系物質と結着剤物質から構成
される炭素系接合材である。炭素系物質としては、天然
黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛、カーボンブラック、メ
ソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)および
メソフェーズカーボンファイバー(MCF)のいずれか
1つ以上を単体あるいは混合物とした形態で用いること
ができる。なかでもリン状またはリン片状の天然黒鉛と
導電性カーボンブラックとを混合したものが好適であ
る。また、炭素系物質として、現在はまだ高価であるた
め商用性の観点で実用的ではないが、カーボンナノチュ
ーブ、フラーレンなどの炭素系ナノ材料も使用できると
考える。また、電気伝導性をさらに向上させるために、
Ni、Al、Cu、Agなどの金属粒子を添加しても良
い。この場合、シート抵抗値は0.01〜0.1Ω/□
程度となる。
【0018】なお、炭素系物質は、固定炭素分が90%
以上、すなわちできる限り純度の高いものが望ましく、
平均粒子径は0.02〜100μmの範囲のものが良
い。また、材料単体の電気伝導特性を示す指標の粉体抵
抗値が0.001〜1Ω・cmの範囲のものが良い。な
お、この粉体抵抗値は、黒鉛材料では圧縮密度が2.0
g/cm程度の場合であり、カーボンブラックでは圧
縮密度が1.2g/cm 程度の場合である。
【0019】接合介在層を構成する結着剤物質は、樹脂
系材料またはアルカリ物質含有ケイ酸塩化合物であるこ
とが望ましい。樹脂系材料としては、フェノール樹脂、
フタル酸樹脂、アルキッド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂
等を適用することができる。このような樹脂系材料を結
着剤物質として使用することができるのは、熱電変換素
子がBiTe系のように耐熱温度が240℃程度の場合
や、熱電変換素子が耐熱性のある場合であっても、熱電
変化モジュールを使用する環境が300℃程度までの場
合である。
【0020】結着剤物質としてのアルカリ物質含有ケイ
酸塩化合物としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウ
ム、ケイ酸カリウムが挙げられる。結着剤物質としてア
ルカリ物質含有ケイ酸塩化合物を結着剤を選択するの
は、熱電変換モジュールの使用環境温度が300〜75
0℃になる場合である。このような高温環境下ではロウ
材や本件発明の樹脂系材料による炭素系結合材では、接
合介在層が熱変化してしまうが、アルカリ物質含有ケイ
酸塩化合物とした場合には熱変化が起こらないので、安
定した性能を提供できる熱電変換モジュールとなる。し
たがって、アルカリ物質含有ケイ酸塩化合物にこだわら
ず、高温環境下で熱変化しない材料、例えば、コロイダ
ルシリカ、コロイダルアルミナ、エチルシリケート、重
リン酸カリウム、重リン酸アルミニウムおよび低融点ガ
ラスなども使用することができる。このように、この発
明による熱電変換モジュールの接合介在層は、ハンダ材
料のように鉛を含んだ材料ではない炭素系接合材である
ので、環境に及ぼす影響が少ない。
【0021】この発明では、上記した炭素系物質並びに
結着剤物質を主たる構成とした炭素系接合材で熱電変換
モジュールの接合介在層を達成するが、この接合介在層
は、これら主構成物質を含んだ接着剤を塗布・熱処理す
ることで形成することができる。熱電変換モジュールに
適用する接着剤としては、炭素系物質および結着剤物質
を適当な溶媒中に分散させたものが好ましい。溶媒は、
結着剤物質が樹脂系材料の場合は樹脂系材料と相溶性の
ある有機溶剤を用い、結着剤物質がアルカリ物質含有ケ
イ酸塩化合物の場合は水またはエチルアルコール、好ま
しくはイオン純水または蒸留水を用いる。また、接着剤
中に炭素系物質を安定的に分散させるため、セルロース
類やアクリル樹脂、天然樹脂などの分散剤、カップリン
グ剤や界面活性剤などの分散助剤、防腐剤、粘性調整剤
などの添加剤を適宜添加することが望ましい。これらの
材料を投入して、分散処理により塗料化することで熱電
変換モジュールに適用する接着剤が得られる。
【0022】この接着剤を熱電変換素子、電極、電気絶
縁層および周辺構造材の接合すべき面に塗布し、熱処理
または自然乾燥により接着剤中の溶媒を蒸発または揮発
させることで、個々の部材を炭素系接合材とした接合介
在層を介して接合し、一体化することで熱電変換モジュ
ールとする。なお、接着剤の各部材への塗布は、接着剤
の形態により適宜選ぶことができ、例えば、スクリーン
印刷、ヘラや刷毛塗り、ローラー塗布、ディッピング、
シリンジ注入等の手法で行うことができる。
【0023】なお、本発明は、上記のような熱電変換モ
ジュールに適用する接合介在層を形成する接着剤であっ
て、主として溶媒、炭素系物質および結着剤物質からな
ることを特徴とするものでもある。
【0024】次に、図1および図2を参照して本発明の
具体的な構成を説明する。図1に示す熱電変換モジュー
ルは、熱電変換素子1の両側に、電極2を接合介在層6
を介して接合し、電極2の一面に、電気絶縁層(中間部
材)3を介して冷却ダクト(冷却手段)4および加熱ダ
クト(加熱手段)5をそれぞれ積層したものであり、熱
電変換素子1および電極(中間部材)2どうし以外の部
材どうしは、熱電変換モジュールの両側から加圧して圧
着状態にすることで接合されている。このような熱電変
換モジュールでは、冷却ダクト4に送風するとともに加
熱ダクト5に高温の廃ガス等を供給することにより、熱
電変換素子1に熱伝導を発生させて発電し、発生した電
気を電極2から取り出すことができる。
【0025】次に、図2に示す熱電変換モジュールは、
熱電変換素子1の両側に、熱応力緩和パッド7を接合介
在層6を介して接合し、熱応力緩和パッド(中間部材)
7の一面に、接合介在層6を介して冷却ダクト4および
加熱ダクト5をそれぞれ積層したものである。ここで、
熱応力緩和パッド7は、熱電変換素子1側へ向かうに従
って熱伝導率が徐々に大きくなるとともに弾性定数およ
び電気絶縁性が徐々に小さくなる傾斜機能材料(Functi
onally Graded Material)で構成されている。このよう
な熱電変換モジュールにおいても、冷却ダクト4に送風
するとともに加熱ダクト5に高温の廃ガス等を供給する
ことにより、熱電変換素子1に熱伝導を発生させて発電
し、発生した電気を電極2から取り出すことができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明は以下の実施例で限定されるものではない。 [実施例1] 〔接着剤の調整〕炭素系物質を天然のリン状黒鉛(日立
粉末冶金製)とアセチレンカーボンブラック(東海カー
ボン製)を50/50の配合割合で混合物とし、結着剤
物質をレゾール型フェノール樹脂(昭和高分子製)、溶
媒をブチルカルビトールアセテート(試薬)とし、これ
ら材料を混合・分散処理して接着剤Aとした。
【0027】炭素系物質をメソフェーズカーボンファイ
バー(ペトカ製)、結着剤物質をケイ酸カリウム(日産
化学製)とし、カルボキシメチルセルロースを含んだ蒸
留水中に分散処理して、接着剤Bとした。
【0028】〔熱電変換モジュールの組立て〕熱電変換
素子をBiTe系として図1〜図3に示す熱電変換モジ
ュールを組み立てた。ここで、図1のモジュールでは、
加熱ダクト5および冷却ダクト5と熱電変換素子1の間
に、各々厚さ0.1mmの銅電極(Cu)および厚さ
0.12mmの電気絶縁層(雲母)を介在させ、熱電変
換素子と電極の接合に接着剤Bを使用した。また、それ
ら部材どうし以外では、部材どうしを加圧により圧着し
た。
【0029】図2のモジュールでは、熱電変換素子1、
熱応力緩和パッド7、加熱ダクト5および冷却ダクト4
どうしの接合部に接着剤Aを塗布して、一体化させた。
また、図3のモジュールは比較例として従来技術であ
り、図1の熱電変換モジュールと基本的な構成は同じで
あるが、熱電変換素子1と電極2間の接合に本発明の接
合介在層は使用せずに、すべての部材どうしを加圧によ
り圧着したものである。
【0030】〔評価結果〕図3の従来技術による熱電変
換モジュールでは、合計6カ所の圧着部分があり、これ
ららの接触熱抵抗により熱電素子本体に負荷される温度
落差は、熱電変換モジュール全体の温度落差の32%で
あった。図1に示す熱電変換モジュールでは、接着剤B
の採用により接触熱抵抗が低減し、熱電変換素子1に負
荷される温度落差は熱電変換モジュール全体の温度落差
の39%となった。さらに、図2の熱応力緩和パッド7
を設けた熱電変換モジュールでは、合計4カ所の界面が
接着剤Aで接合されている。この熱電変換モジュールで
は、熱応力緩和パッド7の採用による改善効果と炭素系
結合材による熱伝達係数(Gap Conductance)の向上に
より、熱電変換モジュール全体の温度落差の84%が熱
電素子1に負荷されることが分かった。
【0031】すなわち、図2に示す熱電変換モジュール
は、図3に示した従来のものと比べ、熱電素子1に2.
6倍の温度落差を負荷することができ、2.6倍の熱流
速を流せることになる。したがって、熱電変換素子1の
変換効率が同一であると仮定すると、図2の熱電変換モ
ジュールは、従来のものと対比すると2.6倍の出力が
期待できる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、中
間部材と熱電変換素子との接合のための接合介在層を、
主として炭素系物質と結着剤物質とからなる炭素系接合
材としているから、ハンダ材料において懸念された設置
環境温度によって接合介在層が溶解したりすることがな
く、環境依存がなく広範な用途に用いることができると
ともに、環境への影響がなく、しかも、各部材の一体化
に際して熱電変換素子への悪影響も防止することができ
る等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の熱電変換モジュールを示
す側面図である。
【図2】 本発明の他の実施形態の熱電変換モジュール
を示す側面図である。
【図3】 従来の熱電変換モジュールを示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 熱電変換素子 2 電極(中間部材) 3 電気絶縁層(中間部材) 4 冷却ダクト(冷却手段) 5 加熱ダクト(加熱手段) 6 接合介在層 7 熱応力緩和パッド(中間部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千代田 博宜 千葉県香取郡多古町水戸1番地 日立粉末 冶金株式会社香取工場内 (72)発明者 神戸 満 東京都狛江市岩戸北2−11−1 財団法人 電力中央研究所狛江研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電変換素子の両側に、冷却手段および
    加熱手段を中間部材を介して接合し、一体化した熱電変
    換モジュールにおいて、 上記中間部材と上記熱電変換素子との接合のための接合
    介在層を、主として炭素系物質と結着剤物質とからなる
    炭素系接合材としたことを特徴とする熱電変換モジュー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記中間部材は、上記熱電変換素子側へ
    向かうに従って熱伝導率が徐々に大きくなるとともに弾
    性定数および電気絶縁性が徐々に小さくなる熱応力緩和
    パッドであることを特徴とする請求項1に記載の熱電変
    換モジュール。
  3. 【請求項3】 前記接合介在層のシート抵抗値が1〜1
    00Ω/□であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の熱電変換モジュール。
  4. 【請求項4】 前記接合介在層を構成する前記結着剤物
    質が、樹脂系材料またはアルカリ物質含有ケイ酸塩化合
    物である請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換モジ
    ュール。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の熱電変換モジュー
    ルに適用する接合介在層を形成する接着剤であって、主
    として溶媒、炭素系物質および結着剤物質からなること
    を特徴とする熱電変換モジュール用接着剤。
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