JP2003103072A - せん断刃 - Google Patents

せん断刃

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JP2003103072A JP2001303598A JP2001303598A JP2003103072A JP 2003103072 A JP2003103072 A JP 2003103072A JP 2001303598 A JP2001303598 A JP 2001303598A JP 2001303598 A JP2001303598 A JP 2001303598A JP 2003103072 A JP2003103072 A JP 2003103072A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛髪を確実、かつ適切に切断できるせん断刃
を得る。 【解決手段】 せん断刃は、多数の櫛状刃15を左右方
向に配列した固定刃12と、多数の櫛状刃20を左右方
向に配列した可動刃13とからなる。可動刃13が固定
刃12に対して左右方向に往復摺動して、毛髪9を切断
する。それぞれエッチング法によって形成された固定刃
12及び可動刃13の摺動面の少なくともいずれか一方
に、摺動相手との摺接を避ける凹部17が形成され、こ
の凹部17に貫通孔45を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定刃と可動刃と
が面接触状に摺接するせん断刃に関する。固定刃と可動
刃とはエッチング法によって形成され、まゆ毛カッタ
ー、電気かみそりのきわぞり刃、うぶ毛カッター、バリ
カン刃などに適用される。
【0002】
【従来の技術】例えば電気かみそりのきわぞり刃におい
て、せん断刃をエッチング法で形成することは公知であ
る(特公昭36−19556号公報)。特開平1−25
9891号公報には、固定刃と可動刃とをそれぞれフォ
トエッチング法で形成する旨の記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エッチング法で形成し
た刃体は、プレス加工で形成した刃体に比べて、厚み寸
法を薄くできるうえ、加工時の歪が残らないので高い面
精度が得られる。従って、固定刃と可動刃の刃面どうし
を密着させて、せん断時の切れ味を向上できる。問題
は、固定刃と可動刃の双方をエッチング法で平板状に形
成すると、両者の接触面積が大きくなり、その分だけ摩
擦抵抗が増える点にある。こうした事態を避けるため
に、以前、出願人は、固定刃若しくは可動刃の摺動面側
に、エッチング法によって凹部を形成するという提案を
行った。
【0004】エッチング素材である平板状の鋼材は、硬
度を確保するため予め焼き入れされている。焼き入れ後
の鋼材は、鋼材内に曲げ応力が働いている。 そこに、
エッチング法によって凹部を形成した場合、多数の櫛状
刃部分も含めた固定刃全体が湾曲(図16参照)してし
まい、可動刃の櫛状刃部との摺接が局部的となり、毛の
せん断を能率的に行うことができない。また、局部的な
摺接による発熱によって、使用者に不快感を感じさせて
しまう虞れがあった。
【0005】本発明の目的は、固定刃と可動刃に形成さ
れる櫛状刃部分を均等に密着し得るように成し毛を確実
かつ適切に切断できるせん断刃を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とするせん
断刃は、多数の櫛状刃15が左右方向に配列された固定
刃12と、多数の櫛状刃20が左右方向に配列されて固
定刃12に対して左右方向に往復摺動する可動刃13と
を有する。ここでのせん断刃は、バリカンのせん断刃
や、電気かみそりのきわぞり刃や、うぶ毛カッターや、
まゆ毛カッターなどが該当する。
【0007】本発明は、かかるせん断刃において、図1
(a)(b)に示すごとく、それぞれエッチング法によ
って形成された固定刃12及び可動刃13の摺動面12
a、13aの少なくともいずれか一方に、摺動相手との
摺接を避ける凹部17を形成するとともに、この凹部1
7に貫通孔45を形成している。
【0008】更に具体的に説明すると、貫通孔45を左
右方向に列状に配している。
【0009】また、固定刃12の摺動面12a側に形成
した凹部17内に、突起18を挿通する貫通孔12cが
配置されており、可動刃13には、左右方向に延びる案
内溝22aを有する案内体22を固定してあり、案内溝
22aに突起18が嵌入することにより、固定刃12に
対して可動刃13が左右方向にのみ往復動するよう案内
されている。
【0010】また、突起18を挿通する貫通孔12cを
基準に貫通孔45を左右方向に列状に配している。
【0011】また、可動刃13が固定刃12側に向けて
湾曲或いは屈曲して成る。
【0012】
【発明の作用効果】本発明に係るせん断刃は、それぞれ
エッチング法によって形成された固定刃12及び可動刃
13の摺動面12a、13aの少なくともいずれか一方
に、摺動相手との摺接を避ける凹部17を形成するとと
もに、この凹部17に貫通孔45を形成していることに
より、左右方向と直交する方向の軸線に沿う軸を中心に
湾曲しようとする曲げ応力を減少することができ、固定
刃12と可動刃13を左右方向に均等に密着した状態で
摺接させることができる。この結果、固定刃12、可動
刃13に形成される櫛状刃15、20部分も均等に密着
して摺動できるので、切断対象物である毛を確実かつ適
切に切断することができる。
【0013】また、貫通孔45を左右方向に列状に配し
ているので、左右方向に配列された櫛状刃15、20に
対して効率的かつ均等な曲げ応力の防止を図ることがで
きる。
【0014】また、固定刃12の摺動面12a側に形成
した凹部17内に、突起18を挿通する貫通孔12cが
配置されており、可動刃13には、左右方向に延びる案
内溝22aを有する案内体22を固定してあり、案内溝
22aに突起18が嵌入することにより、固定刃12に
対して可動刃13が左右方向にのみ往復動するよう案内
されているので、案内体22が可動刃13側から固定刃
12側へ突出していても、これが固定刃12の凹部17
内に入り込むことで、案内体22と固定刃12との接触
が防止されているので、これらの接触による磨耗などを
よく防止できる。また、案内溝22aに突起18が嵌入
することで、可動刃13の左右方向の往復動が案内され
て、可動刃13が正確な往復動を行うことができて、せ
ん断刃の切れ味を向上させることができる。しかも、前
記凹部17が固定刃12の摺動面12a側に形成されて
いると、固定刃12と可動刃13との接触面積が減るた
め、固定刃12と可動刃13とを互いに押圧接触させる
ためのばねの付勢力を小さくしても、全面接触のばね圧
設定時と変わらない接触圧を得ることができるので、摩
擦抵抗を減らすことができ消費電力を低減することがで
きる。さらに、貫通孔12cにおいても、曲げ応力防止
用の貫通孔45として機能させることができるので、強
度確保の面で有利である。
【0015】また、突起18を挿通する貫通孔12cを
基準に貫通孔45を左右方向に列状に配したことによ
り、貫通孔12cを含めた一直線状の貫通孔45が形成
されるので、左右方向に配列された櫛状刃15に対して
効率的かつ均等な曲げ応力の防止を図ることができる。
【0016】また、可動刃13を固定刃12側に向けて
湾曲或いは屈曲して成ることにより、可動刃13の強度
を向上させることができ、櫛状刃15、20部分に隙間
が生じることがないので、切断対象物である毛を確実か
つ適切に切断することができる。しかも、左右方向と直
交する方向の軸線に沿う軸を中心に湾曲しようとする曲
げ応力が生じても、それを可及的に防止することができ
るので、、固定刃と可動刃の左右方向の接触を均一に行
うことができる。これにより、偏摩耗や切断不良を確実
に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】図面は本発明に係るせん断刃の実
施例を示す。図2において、筒状の本体ケース1の内部
には、モータ3および電池4などが配置されている。本
体ケース1のヘッド部2には、本発明が対象とするせん
断刃5が配置されている。本体ケース1の前面には、図
3に示すごとくモータ3への通電をオンオフする起動ス
イッチ6を有する。
【0018】本体ケース1内には、モータ3の回転駆動
力を左右方向への往復動作に変換してせん断刃5へ伝え
るための駆動機構を有する。この駆動機構は、モータ3
の出力軸に連結される偏心カム7と、せん断刃5に連結
される振動子8などで構成されており、振動子8が偏心
カム7の偏心位置に突設したクランクピン7aによって
左右方向へ往復動する。
【0019】せん断刃5は、合成樹脂などからなるホル
ダー16を介して本体ケース1のヘッド部2に固定支持
される固定刃12と、ホルダー16の上面内部の可動刃
固定台21を介して前記振動子8で左右方向に往復駆動
される可動刃13とからなる。可動刃13は、左右一対
のねじりコイルばね14・14で固定刃12側へ常に押
圧付勢されている。可動刃固定台21は、合成樹脂など
からなり、前記振動子8の往復動を受ける受動部21a
が設けられている。ホルダー16、固定刃12、ねじり
コイルばね14・14、可動刃固定台21および可動刃
13は、一体的に組み付けられてユニット化されてお
り、このユニット化されたせん断刃5がヘッド部2に着
脱自在に取り付けられる。
【0020】固定刃12と可動刃13とは、それぞれ焼
入れ済みの鋼板材、より好ましくは焼入れ済みのマルテ
ンサイト系のステンレス鋼板材などを素材にして、エッ
チング法により形成する。つまり、例えば先の板材の上
下表面に、フォトマスクを介してフィルム状感光膜を焼
付現像し、図7および図8に示すごとく、パターニング
形成された耐蝕性のレジスト膜25を用いたフォトエッ
チング法により形成する。この場合のエッチング溶液と
しては、例えば塩化第二鉄を使用する。なお、パターニ
ング形成されたレジスト膜25は、フォトマスクを用い
ずにレーザ光を感光膜に直接照射して硬化形成する手法
などの種々のレジスト膜25の形成手法が考えられる。
【0021】固定刃12は、その全厚寸法が例えば0.8
mmの板体からなり、図4に示すごとく、ホルダー16に
突設した4個のかしめ用突起16aを、固定刃12に設
けた4個の貫通孔12dにそれぞれ通してかしめること
で、ホルダー16に固定される。
【0022】図1(a)(b)乃至図4において、固定
刃12の前端には、先端側に向かうに従って幅が次第に
狭くなる複数の櫛状刃15が左右方向に配列されてい
る。固定刃12が固定されるホルダー16には、前記ね
じりコイルばね14が取り付けられている。固定刃12
と可動刃13との摺動時の摩擦を軽減するために、固定
刃12の摺動面12a側に凹部17を形成する。この凹
部17は、固定刃12の外郭線を形成するのに並行して
形成される。つまり、摺動面側のみをエッチング液でエ
ッチング素材であるステンレス板材の板厚方向へ溶解さ
せ、他方の板面はレジスト膜で被膜しておくのである。
このように、片面からの触刻を行と、固定刃12の外郭
線が完成した時点で、その板厚の半分前後を溶解させ
て、浅い凹みからなる凹部17が得られる。この実施例
における凹部17の深さは、約0.5mmとした。この
凹部17内に、ホルダー16に突設した一対の突起18
が固定刃12の貫通孔12cを介して突出している。貫
通孔12cは、その対応する部分の表裏、レジスト膜2
5が存在しないパターン部分から板厚方向へ触刻を行う
ことで形成される。なお、図1(a)は、本実施例の固
定刃12の摺動面12a側からみた平面図であり、図1
(b)は図1(a)のB-B矢視断面図である。
【0023】凹部17には、貫通孔12cと同じ手法で
形成された貫通孔45を有する。この貫通孔45は、図
1、図4に示すごとく、貫通孔12cを基準にして左右
方向に列状に形成されている。つまり、貫通孔12cと
貫通孔45とが、一直線状に配列されている。 これに
よって、固定刃12に凹部17を形成した際に生じる、
左右方向と直交する方向の軸線に沿う軸を中心に湾曲し
ようとする曲げ応力(図16矢印)を減少することでき
るので、固定刃12と可動刃13との局部的摺接を防止
でき、この結果、対象物である毛髪を確実かつ適切に切
断することができる。
【0024】また、貫通孔12cを曲げ応力防止用の貫
通孔45として利用しているので、強度確保の面で有利
である。すなわち、突起18用に凹部17以外の部位に
通孔12cを形成することは、各貫通孔の総面積が多く
なり、強度低下が避けられなかったが、貫通孔12cを
凹部17内に形成することで、各貫通孔の総面積を減ら
すことができるからである。また、貫通孔12cと貫通
孔45とが、一直線状に配列されているので、左右方向
に配列された櫛状刃15に対して効率的かつ均等な曲げ
応力の防止を図ることができる。
【0025】可動刃13は、その全厚寸法が例えば0.4
57mmの板体からなり、図5に示すごとくその前端に、
先端側に向かうに従って幅が次第に狭くなる複数の櫛状
刃20が左右方向に配列されている。可動刃13は、可
動刃固定台21に突設したかしめ用突起21bを、可動
刃13に設けた貫通孔13cを通してかしめることで、
可動刃固定台21に固定される。可動刃固定台21に
は、前記ねじりコイルばね14の一端部が係止されてい
る(図2参照)。そして、ねじりコイルばね14の押圧
付勢力が、可動刃固定台21を介して可動刃13に伝わ
る。
【0026】可動刃13には、合成樹脂製のスライドピ
ース(案内体)22用の逃げ穴47が設けられており、
スライドピース22が、例えばアウトサート成形によっ
て逃げ穴47内に形成される。スライドピース22に
は、前記突起18の先端部がそれぞれ嵌入する左右一対
の横長のガイド溝22aが設けられている。可動刃13
においても、固定刃12と同様、外郭線や貫通孔13
c、逃げ穴47はエッチング法によって形成される。
【0027】ガイド溝22aおよび前記突起18によ
り、可動刃13は左右方向にのみ往復動可能に案内支持
される。また、突起18が固定刃12の貫通孔12cを
介して突出していることで、固定刃12が突起18によ
ってホルダー16によりしっかりと固定される。更に突
起18は、かしめ用突起21bをかしめる際の位置ずれ
防止の効果を有する。
【0028】スライドピース22は、可動刃13に溶着
固定してあってもよい。ガイド溝22aは、貫通孔であ
ってもよい。またスライドピース22を設けずに、可動
刃固定台21にガイド溝22aを直接設けて、これに突
起18を、可動刃13の逃げ穴を介して嵌入させてもよ
い。突起18・18は、固定刃12に設けてもよい。
【0029】スライドピース22の下面は、図6に示す
ごとく、可動刃13における固定刃12との摺動面13
a側から固定刃12側へ僅かに突出しているが、スライ
ドピース22の下面は固定刃12の凹部17内に入り込
んでおり、スライドピース22と固定刃12との接触が
防止されている。
【0030】貫通孔12cと貫通孔45は、貫通孔12
cのかしめの際の用途を考えなければ、互いが連通して
いてもよい。その方が、曲げ応力防止に効果的である。
【0031】上記具体的数値に示されるように可動刃1
3は固定刃12よりも薄く形成している。その理由は、
可動側部材の軽量化によって往復運動時の振動を可及的
に減少するためである。また、薄く形成することによっ
て可動刃13がしなやかになり固定刃12に密着し易い
という利点もある。
【0032】可動刃13は、エッチング法によって形成
された後、前後方向の中途箇所に、湾曲部或いは屈曲部
がプレス加工によって形成される。具体的には、図15
(a)に示すように、円弧面を有する固定された受け治
具48(可動刃13に屈曲部を形成する場合は勿論屈曲
面を有する受け治具を使用する)と、矢印方向に可動す
る断面コの字型の押し治具49とによって上下からプレ
スすることで、前後方向断面が上向き凸となるように可
動刃13が加工される。図5における一点鎖線部分に受
け治具48の稜線が位置する。図15(b)はプレス後
の可動刃13を模式的に示す断面図である。図中、Xは
可動刃13の前後長であり実施例においては、約30m
mである。図中、Yは可動刃13の前端と後端を結ぶ基
準線に対し、上向き凸部分の最大湾曲点(又は屈曲点)
までの距離を示すものであり、実施例においては10μ
m〜20μmに設定してある。
【0033】従来の可動刃の問題点は、可動刃13を固
定刃12側に装着し、ばね14によって可動刃13を押
圧した状態において、先に述べたように必然的に可動刃
13は薄く形成せざるを得ないものであるがゆえに、押
圧付勢力によって、可動刃13は下向き凸となるように
湾曲してしまい、櫛状刃15側に僅かではあるが隙間が
生じ切断能力が低下することにあった。かといって、ば
ね圧を小さくすれば、下向き凸の湾曲は少なくなるもの
の、櫛状刃15、20にかかる押圧力が低下し、切断能
力が低下する。そこで、上記したように可動刃13に、
可動刃13の左右方向に沿う軸と同じ方向の折れ線部
(図5における一点鎖線の稜線部)を有する上向き凸の
湾曲部或いは屈曲部を設けることで、撓みに抗する強度
が増し、ばねによる押圧付勢力がかかっても、変形しに
くいので、櫛状刃15側の浮き上がり現象がなく常に適
切な押圧力をかけることができ、切断力の低下をなくす
ことができる。また、櫛状刃15、20における接触圧
を上げることもできるので、さらに切断能力は向上する
ことになる。勿論、押圧付勢力がかかれば多少は変形す
るが、その場合、少なくとも水平位置までの湾曲度合い
を維持するようプレス加工での湾曲の値(図15(b)
のY値)或いはばねの押圧力を設定しなければならな
い。刃ユニットの組み付け後の断面図を示す図6は、ば
ね14の押圧付勢力によって可動刃13が撓み、前後方
向において可動刃13が水平を保っている状態を示して
いる。勿論、若干上向き凸に湾曲或いは屈曲していても
よく、そうすれば櫛状刃15、20部分の接触圧は高ま
り都合が良い。
【0034】前記エッチング法により、固定刃12の各
櫛状刃15の左右側面には、図14に示すごとく、固定
刃12の厚み方向の中間であって、肌が触れる開放面1
2bまでの寸法よりも摺動面12aまでの寸法の方が短
くなる位置に、エッジ部27がそれぞれ突出形成されて
いる。各櫛状刃15の左右側面は、摺動面12aとエッ
ジ部27との間、およびエッジ部27と開放面12bと
の間が、それぞれ凹曲状に形成されている。
【0035】つまり、固定刃12の櫛状刃15を形成す
るレジスト膜25は、例えば図7に示すごとく、開放面
12b側の隣合う櫛状刃15間の間隔L1が、摺動面1
2a側の隣合う櫛状刃15間の間隔L2の1.5倍になっ
ている。このレジスト膜25を形成した板材にエッチン
グ溶液を噴射すると、開放面12b側および摺動面12
a側の双方から同時にすり鉢状に凹入しながら蝕刻が進
行する。
【0036】この際、前記開放面12b側の間隔L1が
摺動面12a側の間隔L2よりも大きい分だけ、開放面
12b側の蝕刻の進行度合いが摺動面12a側と比べて
大きくなり、開放面12b側から形成された凹曲面と、
摺動面12a側から形成された凹曲面との境界が摺動面
12a寄りの位置になる。この境界位置が前記エッジ部
27の形成位置になる。
【0037】このエッチングによって、固定刃12の各
櫛状刃15には、摺動面12a側の左右に鋭角状の刃先
28がそれぞれ形成される。櫛状刃15は、図1に示す
ごとく、エッジ部27の形成位置の幅と刃先28の形成
位置の幅とが実質的に等しくなり、あるいはエッジ部2
7の形成位置の幅よりも刃先28の形成位置の幅がわず
かに狭くなっている。
【0038】可動刃13の櫛状刃20を形成するレジス
ト膜25は、例えば図8に示すごとく、固定刃12との
摺動面13aの反対側の面である開放面13b側の隣合
う櫛状刃20間の間隔L3が、摺動面13a側の隣合う
櫛状刃15間の間隔L4の3倍に設定されている。この
レジスト膜25を形成した板材にエッチング溶液を噴射
すると、櫛状刃20の左右側面はそれぞれ凹曲状に形成
されるが、開放面13b側の蝕刻の進行度合いが摺動面
13a側と比べてかなり大きいため、開放面13b側か
ら形成される凹曲面と、摺動面13a側から形成される
凹曲面との境界がほぼ摺動面13a側の位置になる。尤
も、ここでの境界にはエッジが立たない状態になってい
る。
【0039】このエッチングによって、可動刃13の各
櫛状刃20には、摺動面13a側の左右に鋭角状の刃先
29が形成される。図9に示すごとく、この刃先29の
角度αは、例えば60°になっており、固定刃12の櫛
状刃15の刃先28の角度βよりも小さい。櫛状刃15
の刃先28の角度βは、例えば80°になっている。
【0040】固定刃12の各櫛状刃15の先端部は、図
10に示すごとく、開放面12b側から摺動面12a側
へ向けて傾斜状に研磨あるいはエッチングされており、
図11に示すごとく、櫛状刃15の開放面12b側の幅
W1の細くなる度合いが、エッジ部27の形成位置の幅
W2の細くなる度合いよりも大きくなっている。これに
より、肌に触れる側、すなわち櫛状刃15の開放面12
b側の先端のエッジが肌へ引っ掛かることを防止して、
スムーズに毛髪9を掻き分けることができ、毛髪9をよ
り確実かつ適切に切断できる。
【0041】可動刃13の各櫛状刃20の先端部は、図
10に示すごとく、開放面13b側から摺動面13a側
へ向けて傾斜状に研磨あるいはエッチングされる。ま
た、図5および図12に示すごとく、櫛状刃20の摺動
面13a側の先端部20aは、その左右の幅が等しくな
って左右の刃先29がほぼ平行になっている。これによ
り、隣合う櫛状刃20間に入り込んだ毛髪が、刃先29
に沿って斜めに抜け出ることを防止している。
【0042】固定刃12および可動刃13の各摺動面1
2a・13a側における櫛状刃15・20の基端部に
は、図4および図5に示すごとく、油溜め凹部10・1
1がそれぞれ形成されている。これらの油溜め凹部10
・11は、固定刃12および可動刃13の外郭線を形成
する際にエッチング法で形成する。また、固定刃12お
よび可動刃13は、各櫛状刃15・20のみならず、外
郭線や各貫通孔や凹みなどもエッチング法で形成する。
つまり、固定刃12および可動刃13の全体が、前述の
ように平板状のステンレス鋼板材などをエッチング法で
形成することによって加工され、これらをプレス加工で
形成する場合よりも薄型化が図れ、歪みも少ない。この
結果、コンパクトなせん断刃5を提供することができ
る。
【0043】図1及び図4において、摺動面12a上に
大小点在する微小な凹み50、51(貫通孔ではない)
は、さらに摺動抵抗を少なくするために設けられたもの
である。
【0044】そして、可動刃13が固定刃12に対して
左右に往復摺動することで、図13に示すごとく、毛髪
9が固定刃12の櫛状刃15の刃先28と、可動刃13
の櫛状刃20の刃先29とによって挟み込まれつつ切断
される。この際、毛髪9は固定刃12の櫛状刃15の刃
先28とエッジ部27とによってほぼまっすぐな状態に
支持されるため、可動刃13および固定刃12が毛髪9
に対してほぼ直角に喰い込む。従って、毛髪9が斜めに
なって隣合う固定刃12間から逃げることがなく、毛髪
9を確実に切断できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる固定刃を示す図
【図2】本発明のせん断刃が適用されるバリカンの全体
の横断平面図
【図3】バリカンの全体の縦断側面図
【図4】ホルダーに固定刃を取り付けた状態を摺動面側
から見た平面図
【図5】可動刃固定台に可動刃を取り付けた状態で摺動
面側から見た底面図
【図6】主に固定刃側の突起と可動刃側のスライドピー
スとの関係を示す縦断面図
【図7】固定刃のエッチング加工を説明するための断面
【図8】可動刃のエッチング加工を説明するための断面
【図9】固定刃および可動刃の刃先の角度を示す断面図
【図10】固定刃および可動刃の先端部を示す側面図
【図11】固定刃の櫛状刃を開放面側から見た拡大図
【図12】可動刃の櫛状刃を開放面側から見た拡大図
【図13】毛髪の切断状態を説明する断面図
【図14】図2におけるA−A線矢視断面図
【図15】可動刃のプレス工程を示す模式図
【図16】板状刃の曲げ応力を示す図
【符号の説明】
5 せん断刃 9 毛髪 12 固定刃 12a 摺動面 12b 開放面 12c 貫通孔 13 可動刃 13a 摺動面 13b 開放面 15 固定刃の櫛状刃 17 凹部 18 突起 20 可動刃の櫛状刃 22 スライドピース 27 エッジ部 28 固定刃の刃先 29 可動刃の刃先 45 貫通孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の櫛状刃15が左右方向に配列され
    た固定刃12と、多数の櫛状刃20が左右方向に配列さ
    れて固定刃12に対し左右方向に往復摺動する可動刃1
    3とを有するせん断刃において、 固定刃12及び可動刃13はそれぞれエッチング法によ
    って形成されており、両刃12・13の摺動面の少なく
    ともいずれか一方に、摺動相手との摺接を避ける凹部1
    7を形成するとともに、この凹部17に貫通孔45を形
    成したことを特徴とするせん断刃。
  2. 【請求項2】 貫通孔45を左右方向に列状に配したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のせん断刃。
  3. 【請求項3】 固定刃12の摺動面12a側に形成した
    凹部17内に、突起18を挿通する貫通孔12cが配置
    されており、 可動刃13には、左右方向に延びる案内溝22aを有す
    る案内体22を固定してあり、 案内溝22aに突起18が嵌入することにより、固定刃
    12に対して可動刃13が左右方向にのみ往復動するよ
    う案内されていることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載のせん断刃。
  4. 【請求項4】 突起18を挿通する貫通孔12cを基準
    に貫通孔45を左右方向に列状に配したことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のせん断刃。
  5. 【請求項5】 可動刃13が固定刃12側に向けて湾曲
    或いは屈曲して成ることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載のせん断刃。
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