JPH10323461A - 往復動式切断手工具の内刃とその製造方法 - Google Patents

往復動式切断手工具の内刃とその製造方法

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JPH10323461A
JPH10323461A JP15225897A JP15225897A JPH10323461A JP H10323461 A JPH10323461 A JP H10323461A JP 15225897 A JP15225897 A JP 15225897A JP 15225897 A JP15225897 A JP 15225897A JP H10323461 A JPH10323461 A JP H10323461A
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inner blade
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curved
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JP15225897A
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Toshiyuki Yoshida
敏之 吉田
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TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造が容易であると共に、軽量で、かつ、外刃
とのなじみが良く、しかも、使用時に切断音を出し易い
往復動式電気かみそりの内刃を得ることにある。 【解決手段】多数の刃孔を有して湾曲された板状の外刃
の内面を摺動して前記刃孔に通されたものを切断する往
復動式電気かみそりの内刃51を前提とする。前記摺動
の方向と直交する方向に湾曲された一枚の金属製平板で
形成されて、外刃の内面に沿う湾曲部54と、この湾曲
部の両側に夫々設けられた一対の刃板ベース部55とを
具備する。湾曲部54が、前記摺動の方向と交差する方
向に延びて両端が刃板ベース部55に一体につなげられ
るとともに外周縁両側が刃先58をなした互いに平行な
多数の刃部56と、これら刃部56相互間に設けられて
湾曲部54の内外を連通する隙間57とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の刃孔を有し
て湾曲された板状の外刃の内面を摺動して前記刃孔に通
されるひげや毛玉等を切断する往復動式電気かみそりや
毛玉取り等の往復動式切断手工具が備える内刃とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図21に示されるように従来の往復動式
電気かみそりは、モータ1を内蔵した本体ケース2の上
端部にトップカバー3をねじ止めするとともに、このカ
バー3と本体ケース2の上端との間の空間に、モータ1
により偏心回転される駆動軸4に嵌合して、この駆動軸
4の偏心回転に伴い本体ケース2の幅方向に往復動され
る内刃駆動子5を収容している。この駆動子5の中央部
からトップカバー3外に突出された内刃取付け軸6には
内刃ホルダ7が着脱可能に挿着されている。
【0003】本体ケース2にはトップカバー3を覆って
フレーム体8が取付けられている。このフレーム体8
は、トップカバー3に対して掛止解除ボタン9を介して
上方に着脱可能な下部フレーム8aと、このフレーム8
aの上側に連結された上部フレーム8bとで形成されて
いる。上部フレーム8bには多数の刃孔を有して湾曲さ
れた板状の外刃10が取付けられている。図21に示し
た例では外刃10は一対設けられ、これらは、一側部を
上部フレーム8bに掛合される中央縁部材10aに固定
するとともに、他端部に取付けた縁部材10bを上部フ
レーム8bの内面の凹み部に引っ掛けて上方に凸となる
湾曲状態に保持されている。
【0004】前記内刃ホルダ7には各外刃10に個別に
対応する一対の内刃12が上下方向に移動可能に支持さ
れている。図22に示すように各内刃12は、本体ケー
ス2の幅方向に延びる中心管13と、内刃台14と、刃
部をなす多数枚の内刃板15とを備えている。
【0005】中心管13は金属製であり、内刃台14は
合成樹脂又は軽金属製であり、又、各内刃板15は刃物
用ステンレス製である。各内刃板15は略半円形状をな
し、その略中央部に設けた十字状の孔15cを中心管1
3の外周に嵌合させて、中心管13の軸方向に所定間隔
で取付けられている。内刃台14は、中心管13全体及
び各内刃板15の下部を埋設して、これら中心管13と
各内刃板15とを一体的に連結している。
【0006】内刃12はその下方に配置されたばね16
で押し上げられ、その内刃板15の外周端面が外刃10
の内面に押付けられている。したがって、この電気かみ
そりにおいて、モータ1を運転して内刃駆動子5を往復
移動させると、内刃12が外刃10の内面を摺動するか
ら、外刃10の刃孔を通るひげを、内刃12の内刃板1
5と外刃10の刃孔との間で切断して、ひげそりをする
ことができる。
【0007】又、図22に示された前記構成の内刃12
は次の手順で製造される。まず、各内刃板15の円弧状
外周縁両側に刃先17を形成する。この刃先形成工程は
内刃板15の外周部に対してプレス加工又はエッチング
加工を施して実施する。なお、図22〜図24中18は
前記加工により内刃板15の両面に形成された断面略V
字状の凹みであって、その外周側の斜状面18a(図2
4参照)と、これに連なる内刃板15の外周端面15a
とで鋭角をなす刃先17が形成される。又、各内刃板1
5は前記刃先17の形成後に焼き入れ処理を施される。
【0008】次に、所定間隔の内刃板セット溝を有した
図示しない治具に、所定枚数の内刃板15を前記セット
溝に夫々嵌めてから、これら位置決めされた所定枚数の
内刃板15の相対向する十字状の孔に中心管13を挿通
して、この中心管13を基準に所定枚数の内刃板15の
高さ位置を揃える。
【0009】この後、中心管13とともにこれに保持さ
れた所定枚数の内刃板15を前記治具から取出して図示
しないインサート成形型内にセットし、次に型締めして
インサート成形を行う。
【0010】更に、インサート成形で得た一体物(これ
は図23(A)に示される)を研磨機にかけて、図23
(A)(B)中一点鎖線で示す研磨ラインAまで内刃板
15の外周部を研磨する。なお、この刃先研磨加工にお
ける削り込み深さBは凹み18の幅Cの約1/4であ
る。以上の手順で内刃12が製造される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の内刃12の製造
方法では、前記のように多数枚の内刃板15に対して個
別に凹み18を設ける手間が必要であるとともに、これ
らの内刃板15をインサート成形する手間も必要であ
り、特に、この成形においては前記治具に各内刃板15
のそれぞれを一枚一枚セットしなければならない。この
ように数多くの手間が必要であるから、内刃12の製造
が面倒であるとともに、コスト高でもあるという問題が
ある。
【0012】その上、内刃12のインサート成形後にお
ける各内刃板15の高さにはばらつきがあるので、内刃
12の不良率が高い。すなわち、内刃板15の板厚が
0.3mm、凹み18の最大深さが1.0mmで、か
つ、刃先17の角度α(図23(A)参照)が60度の
場合について具体的に説明する。
【0013】こうした内刃板15において刃先角度αが
60度となる条件は、計算上外周端面15aから0.1
27mmであるので、この範囲内に前記研磨ラインAが
定められなければならない。しかし、凹み18の深さの
ばらつきや、インサート成形型内にセットされた各内刃
板15の高さのばらつき等により、研磨する前の状態に
おいて各内刃板15の外周端面15aの高さ位置がばら
つくので、実際に研磨が可能な部分は前記0.127m
mよりも更に少ない。
【0014】こうした事情から、例えば図24(A)に
示すように外周端面15aの高さ位置に例えば0.1m
mのばらつきDが発生した状態で、高さが低い方の外刃
板15a1に合わせて最大で0.127mmの研磨ライ
ンAまで研磨したとすると、図24(B)のようにな
り、この図中真ん中の内刃板15a2(これはもっとも
高い内刃板である。)には刃先がほとんど形成されず、
不良となってしまう。
【0015】そこで、このような不良の発生を極力少な
くするために、各内刃板15を位置決めする中心管13
を必要とするだけではなく、インサート成形型の補修を
こまめにする必要があるので、この点からも製造コスト
が高くなるという問題がある。
【0016】したがって、本発明が解決しようとする第
1の課題は、内刃を容易かつ安価に製造できる往復動式
切断手工具の内刃製造方法を得ることにある。
【0017】又、従来の製造方法では、鋭角な刃先17
を得る前提としてV字状の凹み18を内刃板15に形成
するが、板厚が0.3mm程度の内刃板15の両面に形
成される凹み18の深さは当然に浅くならざるを得ない
から、それに従い刃先17の角度α(図23(A)参
照)も大きく、現状では略60度より小さな鋭角の刃先
17を設けることはできなかった。
【0018】したがって、本発明が解決しようとする第
2の課題は、前記第1の課題を解決しつつ、刃先角度を
小さくできる往復動式切断手工具の内刃製造方法を得る
ことにある。
【0019】又、本発明が解決しようとする第3の課題
は、前記第1又は第2の課題を解決するにあたり、製造
性をより高めることができる往復動式切断手工具の内刃
製造方法を得ることにある。
【0020】更に、内刃板15の外周端面15aととも
に前記刃先17をなす凹み18の斜状面18aが既述の
ようにエッチング加工で設けられる場合には、斜状面1
8aの仕上げ精度が悪いために、そこに切断したひげ屑
等が付着し易く、切れ味が良くないという問題がある。
【0021】したがって、本発明が解決しようとする第
4の課題は、前記第1又は第3の課題を解決しつつ、切
れ味を向上できる内刃を製造できる往復動式切断手工具
の内刃製造方法を得ることにある。
【0022】又、従来の内刃12は、中心管13と、内
刃台14と、多数の内刃板15とを必要としているため
に、既述のように製造に手間が掛かる他、構造が複雑で
あって重量が重いという問題がある。その上、各内刃板
15は外刃10に対して直角に設けられている。言い換
えれば、外刃10を変形させようとする力の方向に沿っ
て配設されているから、外刃10の一部が局部的に押さ
れて凹み変形する場合等において、前記凹み変形をした
外刃部分の内面に追従して変形することができない。そ
のため、外刃10とのなじみ状態を常に最適な状態に維
持できないという問題がある。しかも、前記のように外
刃10に対して直角であって、中央部を内刃台14に支
持されている内刃板15は撓みずらいので、切断の際に
おける切断音が出ずらい。そのため、ひげ等を切断して
いるという実感を得ずらいという問題もある。
【0023】したがって、本発明が解決しようとする第
5の課題は、製造が容易であるとともに、軽量で、か
つ、外刃とのなじみが良く、しかも、使用時に切断音を
出し易い往復動式切断手工具の内刃を得ることにある。
【0024】又、本発明が解決しようとする第6の課題
は、前記第5の課題を解決するにあたり、品質をより向
上できる往復動式切断手工具の内刃を得ることにある。
【0025】又、本発明が解決しようとする第7の課題
は、前記第5の課題を解決するにあたり、コンパクトに
できる往復動式切断手工具の内刃を得ることにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために、請求項1の発明方法は、内刃台と、この内刃
台に連結された内刃板とを備え、かつ、多数の刃孔を有
して湾曲された外刃の内面を摺動して前記刃孔に通され
たものを切断する往復動式切断手工具の内刃の製造方法
であって、平板状の金属製ブランクの少なくとも一面に
前記摺動の方向と交差する方向に延びる多数の凸条部と
これらに隣接する凹条部とを交互に形成する凹凸付与工
程と、前記一面を内側に位置させて前記ブランクを前記
摺動の方向と直交する方向に湾曲する曲げ工程と、前記
ブランクの湾曲部外面を研磨して、前記湾曲部の内側に
突出した前記凸条部からなる刃部を互いに分離させると
ともに、これら刃部の外周縁両側に夫々刃先を形成する
研磨工程と、研磨された前記ブランクからなる前記内刃
板を前記摺動の方向と直交する方向に湾曲させて前記内
刃台に取付ける組み立て工程と、を具備したものであ
る。この発明方法において、湾曲部の内側となる一面に
凹凸付与工程により形成される凹条部は、底を有する細
長い切り込み溝又は底がない細長い切り込み孔からなる
切り込み部であってもよく、或いはプレス成形により波
形に成形された部分の凹みからなる凹条部であってもよ
い。
【0027】この請求項1の発明方法においては、平板
状の金属製ブランクをそれに多数の凸条部と凹条部と交
互に形成してから湾曲させ、次に、湾曲部の外面を研磨
することにより、湾曲部の内側に突出した前記凸条部か
らなる刃部を互いに分離させると同時にこれら刃部の外
周縁両側に刃先を形成するから、一つ一つの刃部に対し
て個別に刃先形成用の凹みを設ける加工を必要としない
とともに、インサート成形を要することもなく、この成
形にまつわる各種の手間(成形型への個々のセット作
業、成形作業、成形型の補修作業等)を省略できる。し
たがって、従来より少ない工数で内刃を製造できる。そ
の上、一枚の板を湾曲して得た湾曲部は、その研磨前に
おける各刃部の先端位置のばらつきがないか、あっても
極小であるから、刃先を得るにあたって研磨可能な厚み
を大きく確保できる。
【0028】前記第2の課題を解決するために、請求項
1に従属する請求項2の発明方法は、前記凹凸付与工程
が、前記凸条部につらなって前記刃部の外周縁両側を鋭
角とする斜状面を前記凹条部に形成するものであり、か
つ、前記研磨工程が前記斜状面に達する深さまで研磨す
ることを特徴とするものである。
【0029】この請求項2の発明方法は、請求項1の発
明の作用に加えて、凹凸付与工程で凸条部につらなるよ
うに設けられる凹条部の斜状面は刃部の幅方向外側に位
置されるから、刃部の幅に制約されることなく斜状面の
角度を自由に設定できる。そのため、刃先を刃部の外周
縁両側から突出させて、その刃先角度を従来より鋭い鋭
角にできる。
【0030】又、前記第1の課題を解決するために、請
求項1又は2に従属する請求項3の発明方法は、前記凹
凸付与工程が、前記金属製ブランクの一面に前記摺動の
方向と交差する方向に延びる切り込み溝又は切り込み孔
からなる多数の切り込み部と、これらに隣接する凸条と
を交互に形成する切り込み工程であることを特徴とする
ものである。
【0031】この請求項3の発明方法においても、平板
状の金属製ブランクをそれに多数の凹条部としての切り
込み部と凸条部としての凸条とを交互に形成してから湾
曲させ、次に、湾曲部の外面を研磨することにより、切
り込み部間の凸条からなる刃部を分離させるとともに、
これらの刃部の外周縁両側に刃先を同時に形成するか
ら、請求項1の発明方法と同様に、一つ一つの刃部に対
して個別に刃先形成用の凹みを設ける加工を必要としな
いとともに、インサート成形を要することがなく、この
成形にまつわる各種の手間(成形型への個々の刃部のセ
ット作業、成形作業、成形型の補修作業等)を省略でき
る。したがって、従来より少ない工数で内刃を製造でき
る。又、この請求項3の発明方法において前記切り込み
部が前記凸条につらなる斜状面を有していて、この斜状
面に達するまで前記湾曲部が外面から研磨される場合に
は、請求項2の発明方法と同様に、刃先を前記凸条から
なる刃部の外周縁両側から突出させて、その刃先角度を
従来より鋭い鋭角にできる。その上、一枚の板を湾曲し
て得た湾曲部は、その研磨前における各刃部の先端位置
のばらつきがないか、あっても極小であるから、刃先を
得るための研磨可能な厚みを多く確保できる前記第3の
課題を解決するために、請求項1又は2に従属する請求
項4の発明方法は、前記凹凸付与工程が、前記金属製ブ
ランクの一面に前記摺動の方向と交差する方向に延びる
多数の切り込み溝と、これらに隣接する凸条とを交互に
形成する切り込み工程であることを特徴とするものであ
る。
【0032】この請求項4の発明方法においても、平板
状の金属製ブランクをそれに多数の凹条部としての切り
込み溝と凸条部としての凸条とを交互に形成してから湾
曲させ、次に、湾曲部の外面を研磨することにより、切
り込み溝間の凸条からなる刃部を分離させるとともに、
これらの刃部の外周縁両側に刃先を同時に形成するか
ら、請求項1の発明方法と同様に、一つ一つの刃部に対
して個別に刃先形成用の凹みを設ける加工を必要としな
いとともに、インサート成形を要することがなく、この
成形にまつわる各種の手間(成形型への個々の刃部のセ
ット作業、成形作業、成形型の補修作業等)を省略でき
る。したがって、従来より少ない工数で内刃を製造でき
る。又、この請求項4の発明方法において前記切り込み
溝が前記凸条につらなる斜状面を有していて、この斜状
面に達するまで前記湾曲部が外面から研磨される場合に
は、請求項2の発明方法と同様に、刃先を前記凸条から
なる刃部の外周縁両側から突出させて、その刃先角度を
従来より鋭い鋭角にできる。その上、一枚の板を湾曲し
て得た湾曲部は、その研磨前における各刃部の先端位置
のばらつきがないか、あっても極小であるから、刃先を
得るための研磨可能な厚みを多く確保できるとともに、
研磨工程までは、切り込み溝の溝底で隣接した刃部同志
が一体につながっていて、湾曲された各刃部の曲げ加減
をばらつくことなく均一に保持できるので、研磨量をよ
り少なくできる。その上、凹凸付与工程においてブラン
クには切り込み孔を有さない切り込み溝を形成すること
により同時に凸条を形成するので、簡単に凹条部として
の切り込み溝及び凸条部としての凸条を設けることがで
きる。
【0033】前記第4の課題を解決するために、請求項
3又は4の発明に従属する請求項5の発明方法は、前記
切り込み部又は前記切り込み溝の形成を研削砥石を用い
て行うことを特徴とするものである。
【0034】この請求項5の発明方法においては、前記
第3または4の発明の作用に加えて、次の作用がある。
すなわち、切り込み部又は切り込み溝を研削砥石で加工
することにより、各刃部の研磨された外周端面につらな
る刃部の外周縁側面を研磨して仕上げることができる。
そのため、各刃部の刃先を構成する互いに連続した二つ
の面、言い換えれば、刃部の外周端面と刃部の外周縁側
面とはいずれも仕上げ精度が良いから、切れ味を向上で
きる刃先を作ることができる。
【0035】又、前記第3の課題を解決するために請求
項1又は2に従属する請求項6の発明に方法は、前記凹
凸付与工程が、前記金属製ブランクを波形状に成形して
前記凸条部と前記凹条部とを交互に形成するプレス加工
工程であることを特徴とするものである。
【0036】この請求項6の発明方法においては、平板
状の金属製ブランクをプレス加工することにより、その
両面に多数の凸条部と凹条部とを交互に形成してから湾
曲させ、次に、湾曲部の外面を研磨することにより、湾
曲部の内側に突出した凸条部からなる刃部を分離させる
とともに、これらの刃部の外周縁両側に刃先を同時に形
成するから、請求項1の発明方法と同様に、一つ一つの
刃部に対して個別に刃先形成用の凹みを設ける加工を必
要としないとともに、インサート成形を要することがな
く、この成形にまつわる各種の手間(成形型への個々の
刃部のセット作業、成形作業、成形型の補修作業等)を
省略できる。したがって、従来より少ない工数で内刃を
製造できる。又、この請求項6の発明方法においては前
記波形成形により凸条部とこれに隣接する凹条部とは斜
状面を介してつながっているので、この斜状面に達する
まで前記湾曲部が外面から研磨されることにより、請求
項2の発明方法と同様に、刃先を前記凸条からなる刃部
の外周縁両側に突出させて、その刃先角度を従来より鋭
い鋭角にできる。その上、一枚の板を湾曲して得た湾曲
部は、その研磨前における各刃部の先端位置のばらつき
がないか、あっても極小であるから、刃先を得るための
研磨可能な厚みを多く確保できるとともに、研磨工程ま
では隣接した刃部同志が一体につながっていて、湾曲さ
れた各刃部の曲げ加減をばらつくことなく均一に保持で
きるので、研磨量をより少なくできる。その上、既述の
ように凹凸付与工程においてはプレス加工により凸条部
と凹条部とを形成できるので、その加工性がよいととも
に、研磨されるまでは湾曲部の外面も凹凸構造となって
いるので、研磨工程において研磨される材料の量が少な
い。
【0037】前記第5の課題を解決するために、請求項
7の発明に係る内刃は、多数の刃孔を有して湾曲された
板状の外刃の内面を摺動して前記刃孔に通されたものを
切断する往復動式切断手工具の内刃において、前記摺動
の方向と直交する方向に湾曲された一枚の金属製平板で
形成されて、前記外刃の内面に倣って湾曲された湾曲部
と、この湾曲部の両側に夫々設けられた一対の刃板ベー
ス部とを具備し、前記湾曲部が、前記摺動の方向と交差
する方向に延びて前記刃板ベース部に一体につなげられ
るとともに外周縁両側が刃先をなした多数の刃部と、こ
れら刃部相互間に設けられて前記湾曲部の内外を連通す
る隙間とを有してなることを特徴とするものである。
【0038】この請求項7の発明においては、内刃を一
枚の金属製平板で形成したから、部品点数が少なく、構
造を簡単にできるとともに、軽量にできる。そして、一
枚の金属製平板に、多数の刃部と、これら相互間に隙間
を設けてなる湾曲部の両側に一体につながった刃板ベー
ス部とを設けた構成であるので、従来のような面倒なイ
ンサート成形等を要することもなく例えば請求項1ない
し6のいずれかの発明方法により簡単に製造できる。更
に、刃部は、その板厚の端面を外刃に対し直角になるよ
うに接するものではなく、外刃に湾曲に倣って湾曲され
て外刃の内面に接触するから、容易に撓むことができ
る。それにより、外刃の変形に容易に追従できるととも
に、外刃の刃孔との間でひげ等を切る時に切断音を出し
易いものである。
【0039】前記第6の課題を解決するために、請求項
7に従属する請求項8の発明に係る内刃は、前記各刃部
にその内周縁に開放する複数の切り欠きを間隔的に設け
たことを特徴とするものである。
【0040】この請求項8に記載の発明によれば、請求
項7の発明の作用に加えて、刃部の切り欠きによって、
この内刃の製造において湾曲部を形成する際に金属製平
板を曲げ易くして、各刃部の曲げ加減のばらつきを少な
くできる。そのため、湾曲部外面の研磨もより浅く容易
にできるとともに、刃部を外刃内面に良くなじませて接
触させ得る。
【0041】前記第7の課題を解決するために、請求項
7の発明に従属する請求項9の発明に係る内刃は、前記
一対の刃板ベース部が平らな板部であることを特徴とす
るものである。
【0042】この請求項9に記載の発明によれば、請求
項7の発明の作用に加えて、湾曲された内刃板の一対の
刃板ベース部は、内刃台への連結部として使用されるも
のであり、これらが平らな板部で形成されていることに
より、内刃板における湾曲部の内側に突出した凸条部の
影響を受けることなく、内刃台の側面からの外刃ベース
部の突出寸法を極小として、内刃台回りの幅寸法をコン
パクトにできる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を参照して本発
明の第1の実施の形態を説明する。
【0044】図1及び図2は往復動式切断手工具として
の往復動式電気かみそりの切断ヘッドまわりの構成を示
す縦断正面図及び縦断側面図であって、これらの図中2
1は本体ケースで、この内部にはモータ22の他、蓄電
池、各種の電気部品を搭載した回路基板等が収容されて
いる。本体ケース21の前面(正面)には図2に示すス
イッチつまみ23が設けられ、このつまみ23をオン・
オフ操作することでモータ22の運転が制御されるよう
になっている。更に、本体ケース21はその上端部にね
じ止めされたトップカバー24を有している。
【0045】このカバー24と本体ケース21の上端壁
との間の空間には内刃駆動子25が収容されている。こ
の駆動子25は両側部に薄板状の可撓変形部を有してお
り、これら変形部間の硬質部分には駆動軸26が嵌合さ
れている。駆動軸26は、モータ22の回転軸22aに
接続されて、この回転軸22aに対してモータ22の動
力で偏心回転されるものである。この駆動軸26の偏心
回転に伴い内刃駆動子25はその可撓変形部の撓みを伴
って本体ケース21の幅方向に往復動されるようになっ
ている。
【0046】内刃駆動子25の硬質部分の中央部にはト
ップカバー24外に突出する上向きの内刃取付け軸27
が突設され、この軸27には内刃ホルダ28が着脱可能
に挿着されている。なお、図1及び図2中29は、内刃
駆動子25の往復動を許すとともに、切断されたひげ屑
が本体ケース21内に入り込むことを防止するためのゴ
ム製のシールパッキンである。
【0047】本体ケース21にはトップカバー24を周
囲から覆ってフレーム体31が取り外し可能に取付けら
れている。フレーム体31は、トップカバー24に対し
て左右一対の掛止解除ボタン32を介して上方に着脱可
能な下部フレーム31aと、このフレーム31aの上側
に連結された上部フレーム31bとで形成されている。
なお、図1中33はばねであって、そのばね力に抗して
前記ボタン32が押し込まれ、それによって、フレーム
体31を取り外し得るようになっている。
【0048】上部フレーム31bには外刃34が取付け
られている。図示の外刃34は、多数の刃孔(図示しな
い)を有して上向きに凸となるアーチ状に湾曲された一
対の金属の薄板製の外刃板35の一側部を、合成樹脂製
の共通縁部材36に夫々かしめて固定するとともに、他
側部を合成樹脂製の端部縁部材37に夫々かしめて固定
して形成されている。この外刃34は、共通縁部材36
の長手方向両端を夫々上部フレーム31bの内側に引っ
掛けるとともに、左右の端部縁部材37を上部フレーム
31bの内面の凹み部38に夫々引っ掛けて上方に凸と
なる湾曲状態に保持されている。端部縁部材37は凹み
部38内に上下方向の遊びをもって掛合され、それによ
って外刃板35は多少上下方向に動くことができるよう
に設けられている。
【0049】前記内刃ホルダ28には上向きの軸41を
有した一対の内刃支えベース42が取付けられ、これら
のベース42上には軸41をガイドとして昇降可能な内
刃台支え43が組合わされている。内刃台支え43は、
軸41に巻装されたばね44で上方向に付勢されてお
り、後述の内刃が押されたときに、この内刃とともに内
刃ベース42側に逃げることができるようになってい
る。各内刃台支え43の上部側面には枢軸45が夫々一
体に突設されている。
【0050】これら一対の内刃台支え43上には夫々内
刃51が個々に支持されている。各内刃51は合成樹脂
や軽金属からなる内刃台52と、刃物用ステンレス等の
焼き入れができる金属薄板を後述のように加工して形成
されて内刃台52に連結された一枚構造の内刃板53と
から形成されている。
【0051】内刃台52は略はしご状をなし、その長手
方向中央部に設けた軸受け孔を枢軸45に嵌合させて取
付けられている。そのため、内刃51は枢軸45を中心
としてシーソー運動ができるように支持されているとと
もに、前記ばね44の力に抗して上下方向にも移動し得
るように設けられている。
【0052】内刃板53は、外刃34の内面を摺動する
方向、言い換えれば、本体ケース21の幅方向と直交す
る方向に湾曲されて上に凸となるアーチ状をなす一枚の
金属製平板で形成されている。詳しくは、図3等に示さ
れるように外刃板35の内面に倣う湾曲部54と、この
湾曲部54の両側に夫々設けられた一対の刃板ベース部
55とを具備している。
【0053】湾曲部54は、互いに平行な多数の刃部5
6と、これら刃部56間に設けられた隙間57とを有し
ている。隙間57は湾曲部54の内側と外側とを連通し
て、刃部56と平行に設けられている。多数の刃部56
は、前記摺動の方向と例えば直角に交差する方向に延び
ており、その両端は刃板ベース部55に一体につなげら
れている。なお、本発明において刃部56は前記摺動の
方向に対して交差する関係にあれば良く、必ずしも直角
には制約されない。そして、各刃部56の外周縁両側に
は夫々刃先58が形成されており、この第1の実施の形
態では隣接した隙間54方向に突出する刃先58として
ある。
【0054】この刃先58は、刃部56の外周端面56
a(図3参照)と、これに連なる刃部56の側面(この
第1の実施の形態では外周端面56aと挟む角度、言い
換えれば、図7(A)に示すように刃先角度θが鋭角を
なして連なる斜状面56b)とで形取られている。刃先
角度θは直角以下に設定すればよいが、この第1の実施
の形態においては60度未満の鋭い角度、例えば30度
に設定されている。前記外周端面56aと斜状面56b
とはいずれも研磨仕上げされた面で形成されている。
【0055】前記両側の刃板ベース部55の縁部側には
図6(A)の展開図に示されるように複数の取付け孔5
9が開けられている。そして、内刃板53は、その外周
端面56aが表に出るように上方に凸となるアーチ形状
に曲げられた状態を保持するために、内刃板53が備え
る一対の刃板ベース部55を内刃台52の両側面に固定
している。この連結は、内刃台52の側面に一体に突設
されたかしめ用突起を前記取付け孔59に通してかしめ
付けることにより行われている。
【0056】前記のように内刃支えベース42上に支持
された内刃51は、その下方からばね44で押し上げら
れるので、その内刃板53の外周端面56aは外刃板3
5の内面に押付けられている。したがって、この往復動
式電気かみそりにおいて、モータ22を運転して内刃駆
動子25を左右方向に往復移動させると、内刃板53が
外刃板35の内面を摺動するから、外刃板35の刃孔を
通るひげを、内刃51の内刃板53の刃部56と外刃板
35の刃孔との間で切断して、ひげそりをすることがで
きる。
【0057】このようにして剃られたひげの屑は隙間5
7を通って下方へ落下される。この場合、内刃51はそ
の幅方向中央部に長手方向に連続して延びる構造物(従
来においては中心管及びそれを埋め込んだ内刃台)を有
していないから、ひげ屑は、はしご状の内刃台52のブ
リッジ部52a(図1参照)に僅かに付着するだけであ
る。したがって、ひげ屑の内刃台52への付着を少なく
できるとともに、付着したひげ屑を内刃台52の裏側か
ら除去する掃除においても、掃除空間が多く、しかも、
内刃板53が邪魔になることが少ないから、ひげ屑の掃
除を内刃台52の裏側から容易に行うことができる。
【0058】又、前記構成の内刃51によれば外刃34
の刃孔に導入されたひげの切れ味がよい。
【0059】すなわち、内刃51の各刃部56がその外
周縁両側に有する刃先58は、外刃板35の内面に摺接
する外周端面56aとこれに連なった斜状面56bとで
形成されて30度の鋭角をなしている。そのため、ひげ
を切る際の切断抵抗が小さく、切れ味を向上できる。こ
のように切断抵抗が少ないことにより、ひげの切断面が
斜めになることが少なく、ひげをその軸方向に対して略
直角な方向から切断できるので、深剃りができる。
【0060】加えて、斜状面56bは外周端面56aと
ともに研磨されており、その仕上げ精度が良いから、切
断したひげの屑が斜状面56bに付着することが少な
く、速やかに排出される。この理由によっても切れ味を
向上できる。
【0061】更に、内刃51の内刃板53が有する多数
の刃部56は、内刃板53の板厚の端面を外刃板35に
接するものではなく、外刃板35の湾曲に倣って湾曲さ
れた金属製平板の一側面であった部分で外刃板35の内
面に接触するから、容易に撓むことができる。それによ
り、外刃板35の変形に容易に追従できる。したがっ
て、外刃板35に対する内刃板53の刃部56のなじみ
状態を常に最適な状態に維持できるとともに、外刃板3
5の刃孔との間でひげ等を切る時に切断音を出し易いた
め、ひげ等を切断しているという実感を得やすい。
【0062】しかも、内刃51は、内刃台52と一枚の
内刃板53との2部材のみで形成されているため、部品
点数が少なく、構造が簡単であるとともに、既述のよう
に幅方向中央部に長手方向に連続して延びる構造物(従
来においては中心管及びそれを埋め込んだ内刃台)を有
していないので、軽量である。そして、この軽量化とあ
いまって既述のように切れ味がよいため、内刃51を往
復移動させるための駆動力を少なくでき、それに応じた
節電ができる。
【0063】前記構成の内刃51は、以下説明する凹凸
加工工程としての切り込み工程と、切除工程と、曲げ工
程と、研磨工程と、焼き入れ工程と、組み立て工程と
を、この記載順に経て製造される。
【0064】図4は切り込み工程を説明する図であっ
て、この図中61は刃物用ステンレス製のブランクであ
り、これには長方形の平板を用いる。又、図4(A)中
62は図示しない研削機が備える研削砥石の一部を示し
ている。研削砥石62には、その円形周面に一定間隔毎
に並ぶとともに夫々が周方向に連続する切り込み凸条部
62aと、これら凸条部62a間に位置する溝条62b
とが形成された総型の研削砥石が用いられる。
【0065】研削砥石62は研削機にセットされて回転
され、この回転下において送り込まれるブランク61の
上面を研磨する。それにより、ブランク61の一面に対
する切り込み加工が実施される。この加工によって、内
刃板53が使用時に外刃板35の内面を摺動方向と直角
に交差する方向、言い換えれば、ブランク61の幅方向
に延びる多数の凹条部と凸条部とが交互にかつ互いに平
行に形成される。この第1の実施の形態において前記凹
条部をなす切り込み部は、切り込み凸条部62aの形状
に対応した形状の切り込み溝63として形成される。こ
の溝63はブランク61の図4(B)中点線で囲まれる
部分が研磨により除去されることで形成される。又、前
記凸条部は切り込み溝63に隣接して設けられ、これら
は凸条64として形成される。こうして凹凸加工を施さ
れたブランク61の構造は図5に示されている。
【0066】この切り込み加工において、前記切り込み
凸条部62aは、図4(A)に示すように平坦面62a
1と、その両側に連なる斜状面62a2とを有している
ので、切り込み溝63の底部は、図5(B)に示される
ように前記平坦面62a1に対応する溝底面63aと、
その両側につらなって前記斜状面62a2に対応する斜
状面56bとを有して形成される。そして、斜状面56
bは隣接した凸条64の根元につながっている。
【0067】切除工程は、図5に示されたブランク61
に対して刃板ベース部55及び取付け孔59を形成する
工程である。この工程は、フライス盤及びボーリング盤
を用いて実施される。すなわち、多数の切り込み溝63
及び凸条64を有するブランク61を図示しないフライ
ス盤にセットして、その左右両側部、つまり図5(A)
中Sの範囲を長手方向にフライスにより切除する。この
切除は切り込み溝63に隣接された互いに平行な凸条6
4に対して施される。また、取付け孔59は図示しない
ボーリング盤に前記ブランク61をセットして、このブ
ランク61の左右両側部に夫々所定間隔毎にドリルで孔
開けを行うことにより設けられる。このボーリング加工
とフライス加工と順序はどちらが先でも良い。こうした
切除工程を経て形成されたブランク61は図6に示され
る。
【0068】曲げ工程は、図6に示されたブランク61
を図示しない治具に取付けて湾曲形状例えば馬蹄形状に
保持する工程である。この工程において、ブランク61
は、前記切り込み側の一面を内側に位置させて幅方向、
つまり、前記摺動の方向と直角に交差する方向に湾曲さ
れる。このブランク61の湾曲状態は図7に示されてい
る。なお、この湾曲形状を保持するにあたって前記取付
け孔59が利用される。つまり、前記治具は、両側面に
軸部を有する固定治具部と、これら軸部の外側に嵌合す
る穴部を有した左右一対の可動治具部とを有し、これら
両治具部が開いた状態において軸部に取付け孔59を嵌
合した後、可動治具部を閉じて、両治具部間にブランク
61の長手方向の縁部を夫々挟持するものであり、それ
によって、ブランク61が湾曲形状に保持されるように
なっている。
【0069】研磨工程は、図示しない研磨機に前記治具
をセットしてブランク61の湾曲部54の外面を研磨す
る工程である。図7中Qは前記切り込み溝63の溝底の
深さOの厚みより深い位置、言い換えれば、切り込み溝
63の斜状面63bに達する深さに設定される研磨ライ
ンであり、この位置に達する研磨深さPまで湾曲部54
の外面が研磨される。この研磨工程によって、湾曲部5
4においてその内側に突出された凸条64、言い換えれ
ば、切り込み溝63間の刃部56が、ブランク61の長
手方向、言い換えれば、前記摺動の方向に夫々分離され
て、これら刃部56間に隙間57が形成されるととも
に、前記刃部56の外周縁両側に夫々刃先58が形成さ
れる。
【0070】この第1の実施の形態にあっては、前記の
ように切り込み溝63が刃先58の一面を形取る斜状面
56bを有しているから、約30度の鋭い刃先角度θを
持つ刃先58が形成されるとともに、この刃先58は、
いずれも研磨された面、つまり、外周端面56aと斜状
面56bとで形成される。こうして研磨加工された内刃
板53の状態は図3に示されている。
【0071】この後、内刃板53に対して焼き入れ工程
により焼き入れ処理が施されて、内刃板53の硬度を増
大させる。
【0072】最後に実施される組み立て工程は、前記の
ように研磨され焼き入れされた後のブランク61を、湾
曲状態を保って内刃台52に取付ける工程である。ブラ
ンク61の内刃台52への固定は、前記のように内刃台
52の側面に一体に突設されたかしめ用突起に取付け孔
59を嵌合した後、前記突起をかしめることにより実施
される。以上の手順で内刃51が製造される。
【0073】前記のような内刃51の製造方法により、
その内刃板53は、平板状の金属製ブランク61をそれ
に多数の切り込み溝63及びこれらに隣接する凸条64
を設けてから湾曲させ、次に、湾曲部54の外面を切り
込み溝63の溝底の厚み以上の深さで斜状面56bに達
する研磨ラインQまで研磨することにより、切り込み溝
63に隣接した凸条64を刃部56として分離させると
ともに、これらの刃部56の外周縁両側に刃先58を形
成して製造される。
【0074】そのため、多数の刃部56とその刃先5
8、及び隙間57とを一度に作ることができ、一つ一つ
の刃部56に対して個別に刃先形成用の凹みを設ける加
工を必要としないとともに、インサート成形を要するこ
とがなく、この成形にまつわる各種の手間(成形型への
個々の刃部のセット作業、成形作業、成形型の補修作業
等)を省略できる。したがって、従来より少ない工数で
内刃板53、ひいては内刃51を製造できる。
【0075】その上、曲げ工程において一枚の平板から
なるブランク61を湾曲して得た湾曲部54は、その研
磨前における各刃部56予定部の先端位置のばらつきが
ないか、あっても極小であるから、刃先58を得るため
の研磨深さを浅くできる。つまり、刃部56の刃先角度
θが30度の場合を例として研磨可能範囲について説明
すれば、刃先角度θが30度となる範囲は図7中寸法L
で示す0.208mmであって、図23(A)中に示す
従来の刃先角度αが60度の場合の研磨加工範囲M、つ
まり0.127mmよりも厚い。言い換えれば、研磨可
能な加工寸法の余裕が大きく、それに応じて研磨加工の
精度が低くても良いので、容易に研磨作業を行える。
【0076】さらに、切り込み部を切り込み溝63で形
成したので、この溝63を設ける加工をフライス盤等を
用いる研磨加工で簡単に行うことができる。それだけで
はなく、湾曲部54の外面への研磨工程の際には、切り
込み溝63の溝底で隣接した刃部56の予定部、つまり
凸条64同志が一体につながっているので、曲げ工程に
おいて湾曲された各刃部56の曲げ加減をばらつくこと
なく均一に保持できる。
【0077】なお、後述の第3の実施の形態のように切
り込み部が切り込み孔を有する場合には、溝を切り込む
加工の他に、この溝の中央部に孔(予め隙間57をなす
切り込み孔)を設けるフライス加工が必要であり、加工
上手間が掛かるとともに、曲げ工程の際に既に各刃部が
隙間57により分離されているので、湾曲された各刃部
56の曲げ加減にばらつきを生じる恐れがある。したが
って、こうした問題がないことにより、湾曲部54の外
面に対する研磨量をより少なくすることができる。
【0078】又、切り込み工程において刃部56となる
凸条64に連なる斜状面56bを切り込み溝63に設け
て、この斜状面56bを刃部56の幅方向外側に位置さ
せるから、切り込み溝63を設けるにあたり刃部56の
幅に制約されることなく斜状面56bの角度を自由に設
定できる。そのため、刃先58を刃部56の外周縁両側
から突出させて設けることができ、その刃先角度θを従
来より鋭い鋭角にすることができる。したがって、切れ
味を向上させることができる。
【0079】更に、切り込み溝63を研削砥石62で加
工したから、互いに連続して各刃部56の刃先58を構
成する二つの面、言い換えれば、刃部56の外周端面5
6aと刃部56の外周縁側面をなす斜状面56bとはい
ずれも研磨されていて、その仕上げ精度が良い。したが
って、ひげ屑等が斜状面56b等に引っ掛かり付着する
ことを少なくできるから、切れ味を良くすることができ
る。
【0080】図8から図14は本発明の第2の実施の形
態を示している。この第2の実施の形態は基本的には前
記第1の実施の形態と同様な構成であるので、同様構成
部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付して、そ
の構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分につ
いて説明する。第2の実施の形態が前記第1の実施の形
態と異なる部分は、刃部56に切り欠きを設けた構成
と、切除工程と、製造効率を向上させた点である。
【0081】すなわち、この第2の実施の形態におい
て、刃部56には図9及び図14等に示されるように複
数の切り欠き71が間隔的に設けられ、これらは刃部5
6の内周縁に夫々開放されている。これらの切り欠き7
1は、切り込み溝63が加工されたブランク61に対し
て板ベース部55を作る切除工程において、フライスに
よって突条64の一部を間隔的に切削して除くことによ
り形成される。
【0082】なお、以上の点以外の構成は、図示されな
い部分を含めて前記第1の実施の形態と同じであり、し
たがって、この第2の実施の形態に係る往復動式電気か
みそりの内刃とその製造方法においても、前記第1の実
施の形態と同様の作用を得て、本発明の第1〜第5、及
び第7の課題を解決できる。
【0083】しかも、前記のように刃部56に切り欠き
71を設けたことによって、この内刃51の製造におい
て湾曲部54を形成する際にブランク61を曲げ易くで
きるとともに、各刃部56の曲げ加減のばらつきを少な
くできる。そのため、湾曲部54の外面に対する研磨を
より浅く容易にできる点で優れており、しかも、刃部5
6がより撓み易くなって外刃板35の内面に良くなじん
で接触するようになるので、切れ味をより向上できる点
でも優れている。
【0084】又、この第2の実施の形態においては、ブ
ランク一枚ずつに対する加工で内刃板53を得るもので
はなく、図10から図12に示されるように複数枚のブ
ランクを合わせた大きさに相当する材料板161を加工
して、複数枚の内刃板53を同時に得て、製造能率を向
上させている。
【0085】すなわち、図10は切り込み工程で加工さ
れた刃物用ステンレス製の材料板161を示しており、
例えば6枚分のブランクに相当する大きさである。切り
込み工程では、総型の研削砥石によって材料板161の
上面を、その長手方向両端部の固定縁162を夫々残し
て研磨する。
【0086】図11は多数の互いに平行な切り込み溝6
3及び凸条64が交互に加工された材料板161を切除
工程で加工された材料板161を示している。この切除
工程において、刃板ベース部55を形成する加工は、フ
ライス盤及びボーリング盤を用いて実施される。すなわ
ち、切り込み溝63を有する材料板161を図示しない
フライス盤にセットして、その長手方向に沿って複数組
の刃板ベース板55に相当する部分及び切り欠き71に
相当する部分を同時にフライスにより切除する。この加
工においてフライス盤への材料板161のセットは、そ
の固定縁162を利用して行われる。こうして加工され
た材料板161は図11に示され、この図11(A)中
71aは固定縁162に切り込まれた切り欠きを示して
いる。もちろん、切除工程では、次に、図11に示され
た材料板161に対して取付け孔59を設けるボーリン
グ加工が施されれる。
【0087】更に、切除工程では、図11(A)に示さ
れた材料板161を、フライス盤等を用いて図11
(A)の一点鎖線で示す境界線で切り離す。それによ
り、図12に示されるように6枚のブランク61を得
る。これらブランク61の詳細は図12に示されてお
り、それらは第1の実施の形態中図6に記載のものと同
じである。
【0088】そして、この後、曲げ工程、研磨工程、焼
き入れ工程、組み立て工程を、この記載順に経て内刃板
53を製造する。
【0089】このように、その内刃板53を、複数枚の
内刃板53が得られる大きさの材料板161に対して、
複数枚の内刃板53の夫々に相当する凸凹を切り込み加
工及び切除加工により設けた後に、材料板161を所定
の大きさに切り離すことで、複数枚の内刃板53を同時
に製造できるので、量産性が向上されて、製造コストを
低減できる利点がある。
【0090】なお、この第2の実施の形態に示された複
数枚の内刃板53を同時に製造する考え方は、前記第1
の実施の形態に示された内刃板53(これは刃部56に
切り欠きを有していない。)の製造、及び後述の第3、
第4の実施の形態に係る内刃の製造に適用できる。
【0091】図15及び図16は本発明の第3の実施の
形態を示している。この第3の実施の形態は基本的には
前記第2の実施の形態と同様な構成であるので、同様構
成部分には前記第2の実施の形態と同じ符号を付して、
その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分に
ついて説明する。第3の実施の形態が前記第2の実施の
形態と異なる部分は、ブランク61に形成される切り込
み部の構成である。
【0092】すなわち、この第3の実施の形態におい
て、凹条部としての切り込み部163はスロット状の切
り込み孔164を有している。この切り込み部163
は、ブランクの幅方向に総型研削砥石で、はじめに切り
込み溝を切り込み加工した後、スロット加工用の研削砥
石又はフライスを用いて前記切り込み部163の溝底に
細長い切り込み孔164を加工することによって形成さ
れる。
【0093】なお、以上の点以外の構成は、図示されな
い部分を含めて前記第2の実施の形態と同じであり、し
たがって、この第3の実施の形態に係る往復動式電気か
みそりの内刃とその製造方法においても、前記第2の実
施の形態と同様に本発明の第1〜第5、及び第7の課題
を解決できる。
【0094】図17〜図20は本発明の第4の実施の形
態を示している。この第4の実施の形態は基本的には前
記第1の実施の形態と同様な構成であるので、同様構成
部分には前記第1の実施の形態と同じ符号を付して、そ
の構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分につ
いて説明する。第4の実施の形態が前記第1の実施の形
態と異なる部分は、ブランクに対する凹凸付与工程とそ
れによって形成された凸条部及び凹条部等である。
【0095】すなわち、この第4の実施の形態におい
て、長方形の平板からなる刃物用ステンレス製のブラン
ク61に対する凹凸付与工程は、プレス加工工程によっ
て実施している。このプレス加工工程では、ブランク6
1の幅方向両端側部分を除いた中央部分が、互いに噛み
合うような波形状の成形面を有するプレス金型を備えた
プレス機でプレス加工される。
【0096】それにより、図19に示されるように前記
中央部分の両面には、ブランク61の幅方向に延びる多
数の凹条部63と凸条部64とが交互に形成されて、前
記中央部分は波形状に成形される。このように凹凸付与
工程においてプレス加工により凸条部64と凹条部63
とを形成できるので、その加工性がよい。
【0097】そして、隣接する凹条部63と凸条部64
とは斜状面56b(図20(A)参照)を介して一体に
につながっている。前記斜状面56bの角度、ひいては
研磨された外周端面56aと斜状面56bとがなす刃先
58の角度θは、60°未満の任意角度に設定できる
が、第4の実施の形態では図20(A)に示されるよう
に45°の角度としてある。
【0098】又、前記プレス加工が施されない前記幅方
向両側部分は、平らな板部であって内刃台52の両側面
に連結される刃板ベース部55をなすものであり、これ
ら一対の刃板ベース部55には夫々取付け孔59(図1
9(A)参照)が複数設けられている。これらの取付け
孔59は前記プレス加工工程の際に、同プレス機による
打ち抜き加工で刃板べース部55に対して設けられるも
のである。このように金属製ブランク61に対する凹凸
加工と同時に、プレス加工されたブランク61からなる
内刃板53を内刃台52に連結するための取付け孔59
を加工することにより、内刃板53に対する加工作業性
を向上できるとともにコストダウンを図ることができ
る。
【0099】なお、その他の構成及び内刃製造方法にお
ける曲げ工程、研磨工程、焼き入れ工程、及び組立て工
程等は、図示されない部分を含めて前記第1の実施の形
態と同じである。したがって、この第4の実施の形態に
係る往復動式電気かみそりの内刃とその製造方法におい
ても、前記第1の実施の形態と同様の作用を得て、本発
明の第1〜第4、及び第7の課題を解決できる。
【0100】その上、前記プレス加工により成形されて
波形状をなす凸条部64とこれに隣接する凹条部63は
斜状面56bを介してつながっており、曲げ工程により
湾曲されたブランク61の湾曲部54を研磨工程におい
て前記斜状面56bに達するまで湾曲部54が外面から
研磨することにより、刃先58を湾曲部54の内側に突
出した凸条部64からなる刃部56の外周縁両側に突出
するようにして、その刃先角度θを従来より鋭い鋭角に
できる。又、前記プレス加工によりブランク61に形成
された前記波形は、ブランク61の両面に形成されるの
で、曲げ工程においては、ブランク61のいずれか一方
の面を内側にして曲げ加工をすればよく、方向性を考慮
する必要がなくなり、取扱いの勝手がよい。
【0101】しかも、一枚の板を湾曲して得た湾曲部5
4は、その研磨前における各刃部56の先端位置のばら
つきがないか、あっても極小であるから、刃先58を得
るための研磨可能な厚みを多く確保できる。ちなみに、
第4の実施の形態のように刃先角度θが45度の場合に
は、図20(A)中Jで示す寸法範囲(0.226m
m)が研磨可能な厚みであるので、研磨作業を容易に行
うことができる。
【0102】更に、研磨工程までは、刃部56となる
(湾曲部54の内側に突出した)凸条部64同志は一体
につながっていて、湾曲された各刃部56の曲げ加減を
ばらつくことなく均一に保持できるので、研磨量をより
少なくできる。その上、研磨されるまでは前記湾曲部5
4の外面も凹凸構造となっているので、その外面に対す
る研磨工程において研磨される材料の量を少なくでき
る。従って、研磨作業をより容易に実施できる。
【0103】なお、本発明は前記各実施の形態には制約
されない。例えば、第3の実施の形態のように切り込み
孔164を設ける場合には、この切り込み孔164を研
削砥石で加工して隙間57を兼ねる、つまり、凹条部を
兼ねる構成とし、この切り込み孔164の研磨された側
面と刃部56の研磨された外周端面56aとで直角をな
す刃先58を形成するとともに、この刃先58を刃部5
6の外周縁両側に形成して実施することもできる。
【0104】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0105】請求項1、3に記載の発明方法によれば、
従来より少ない工数で内刃を製造できるとともに、刃先
を作るための研磨可能な厚み範囲が大きいから、容易か
つ安価に製造できる。
【0106】請求項1に従属する請求項2に記載の発明
方法によれば、請求項1の発明の効果に加えて、刃部の
外周縁両側から刃先を突出して設けて、この刃先の刃先
角度を従来より小さくして製造できる。
【0107】請求項1又は2に従属する請求項4に記載
の発明方法によれば、請求項1に記載の発明方法と同様
に従来より少ない工数で内刃を製造できるとともに、刃
先を作るための研磨可能な厚み範囲が大きいから、容易
かつ安価に製造することができることに加えて、ブラン
クに対する切り込み加工が簡単であるだけではなく、刃
先を作るために湾曲部外面に施す研磨深さをより浅くで
きるから、製造性をより高めることができる。
【0108】請求項3又は4に従属する請求項5に記載
の発明方法によれば、請求項3又は4の発明の効果に加
えて、各刃部の刃先を構成する互いに連続した二つの面
をいずれも研磨するから、切れ味のよい刃先を形成でき
る。
【0109】請求項1に従属する請求項6に記載の発明
方法によれば、請求項1に記載の発明方法と同様に従来
より少ない工数で内刃を製造できるとともに、刃先を作
るための研磨可能な厚み範囲が大きいから、容易かつ安
価に製造することができることに加えて、金属製ブラン
クに対する凹凸加工をプレス加工により容易に行うこと
ができるだけではなく、刃先を作るために湾曲部外面に
施す研磨深さをより浅くできるから、製造性をより高め
ることができる。
【0110】請求項7に記載の発明に係る内刃によれ
ば、従来のような面倒なインサート成形を要しないから
製造が容易であって、かつ、一枚の金属製平板で形成さ
れて部品点数が少ないから、構造が簡単で軽量にでき、
しかも、外刃の湾曲に倣って湾曲された刃部は容易に撓
むことができるから、外刃とのなじみが良いとともに、
使用時に切断音を出し易く良好な使用感を与えることが
できる。
【0111】請求項7に従属する請求項8に記載の発明
に係る内刃によれば、請求項7の発明の効果に加えて、
その製造において金属製平板を湾曲させる際の作業を容
易にできるとともに、各刃部の曲げ加減のばらつきが少
なく外刃内面との接触性を良くできるから、より高い品
質の往復動式切断手工具の内刃を提供できる。
【0112】請求項7に従属する請求項9に記載の発明
に係る内刃によれば、請求項7の発明の効果に加えて、
内刃板における湾曲部の内側に突出した凸条部の影響を
受けることなく、内刃台の側面からの外刃ベース部の突
出寸法を極小として、内刃台の回りの幅寸法をコンパク
トにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内刃を備えた
往復動式電気かみそりの切断ヘッドまわりの構成を示す
縦断正面図。
【図2】図1に示された切断ヘッドまわりの構成を示す
縦断側面図。
【図3】(A)は第1の実施の形態に係る内刃が備える
内刃板の一部の構成を示す縦断正面図。(B)は図3
(A)中Z−Z線に沿って示す縦断側面図。
【図4】(A)は第1の実施の形態に係る内刃の内刃板
をなすブランクとこれに切り込み溝を加工する研削砥石
の一部との関係を示す断面図。(B)は研削砥石の切り
込み予定部を示すブランクの断面図。
【図5】(A)は第1の実施の形態に係る内刃の内刃板
をなすブランクを切り込み溝が形成された状態で示す平
面図。(B)は図5(A)に示されたブランクの正面
図。(C)は図5(A)に示されたブランクの側面図。
【図6】(A)は第1の実施の形態に係る内刃の内刃板
をなすブランクを刃板ベース部等が形成された状態で示
す平面図。(B)は図6(A)に示されたブランクの正
面図。(C)は図6(A)に示されたブランクの側面
図。
【図7】(A)は第1の実施の形態に係る内刃の内刃板
をなすブランクの一部の構成を曲げ加工された状態で示
す縦断正面図。(B)は図7(A)中Y−Y線に沿って
示す縦断断面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る内刃を備えた
往復動式電気かみそりの切断ヘッドまわりの構成を示す
縦断側面図。
【図9】(A)は第2の実施の形態に係る内刃が備える
内刃板の一部の構成を示す縦断正面図。(B)は図9
(A)中X−X線に沿って示す縦断側面図。
【図10】(A)は第2の実施の形態に係る内刃の内刃
板を複数作る材料板を切り込み溝が形成された状態で示
す平面図。(B)は図10(A)に示された材料板の正
面図。(C)は図10(A)に示された材料板の側面
図。
【図11】(A)は第2の実施の形態に係る内刃の内刃
板を複数作る材料板を刃板ベース部等が形成された状態
で示す平面図。(B)は図11(A)に示された材料板
の正面図。(C)は図11(A)に示された材料板の側
面図。
【図12】第2の実施の形態に係る内刃の材料板が複数
枚のブランクに分離された状態を示す平面図。
【図13】(A)は図12で分離して得た第2の実施の
形態に係る内刃の内刃板をなすブランクの構成を拡大し
て示す平面図。(B)は図12(A)に示されたブラン
クの正面図。(C)は図12(A)に示されたブランク
の側面図。
【図14】(A)は第2の実施の形態に係る内刃の内刃
板をなすブランクの一部の構成を曲げ加工された状態で
示す縦断正面図。(B)は図14(A)中W−W線に沿
って示す縦断断面図。
【図15】(A)は本発明の第3の実施の形態に係る内
刃の内刃板をなすブランクの一部の構成を曲げ加工され
た状態で示す縦断正面図。(B)は図15(A)中V−
V線に沿って示す縦断断面図。
【図16】第3の実施の形態に係る内刃の内刃板をなす
ブランクを刃板ベース部等が形成された状態で示す平面
図。
【図17】(A)は本発明の第4の実施の形態に係る内
刃を備えた往復動式電気かみそりの切断ヘッドまわりの
構成を示す縦断正面図。(B)は図17(A)に示され
た切断ヘッドまわりの構成を示す縦断側面図。
【図18】(A)は第4の実施の形態に係る内刃が備え
る内刃板の一部の構成を示す縦断正面図。(B)は図1
8(A)中U−U線に沿って示す縦断側面図。
【図19】(A)は第4の実施の形態に係る内刃の内刃
板をなすブランクをプレス加工が施された状態で示す平
面図。(B)は図19(A)中E−E線に沿って示す断
面図。(C)は図19(A)中F−F線に沿って示す断
面図。
【図20】(A)は第4の実施の形態に係る内刃の内刃
板をなすブランクの一部の構成を曲げ加工された状態で
示す縦断正面図。(B)は図20(A)中G−G線に沿
って示す縦断断面図。
【図21】(A)は従来例に係る内刃を備えた往復動式
電気かみそりの切断ヘッドまわりの構成を示す縦断正面
図。(B)は図21(A)に示された切断ヘッドまわり
の構成を示す縦断側面図。
【図22】(A)は従来例に係る内刃の一部の構成を示
す縦断正面図。(B)は図22(A)中H−H線に沿っ
て示す縦断断面図。
【図23】(A)は従来例に係る内刃の一部の構成を研
磨加工前の状態で示す縦断正面図。(B)は図23
(A)中I−I線に沿って示す縦断断面図。
【図24】(A)は従来例に係る内刃において内刃板の
高さが不揃いになった状態を研磨加工前の状態で示す縦
断正面図。(B)は図24(A)に示された内刃の研磨
後の状態を示す縦断正面図。
【符号の説明】
34…外刃、 35…外刃板、 51…内刃、 52…内刃台、 53…内刃板、 54…湾曲部、 55…刃板ベース部、 56…刃部、 56a…刃部の外周端面、 56b…刃部の斜状面(凹条部の斜状面)、 57…隙間、 58…刃先、 θ…刃先角度、 61…ブランク、 62…研削砥石、 63…切り込み溝(凹条部、切り込み部)、 64…凸条(凸条部) 71…切り欠き、 163…切り込み部、 164…切り込み孔(切り込み部) Q…研磨ライン、 O…切り込み溝の溝底の深さ。 63…凹条部、 64…凸条部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内刃台と、この内刃台に連結された内刃板
    とを備え、かつ、多数の刃孔を有して湾曲された外刃の
    内面を摺動して前記刃孔に通されたものを切断する往復
    動式切断手工具の内刃の製造方法であって、 平板状の金属製ブランクの少なくとも一面に前記摺動の
    方向と交差する方向に延びる多数の凸条部とこれらに隣
    接する凹条部とを交互に形成する凹凸付与工程と、 前記一面を内側に位置させて前記ブランクを前記摺動の
    方向と直交する方向に湾曲する曲げ工程と、 前記ブランクの湾曲部外面を研磨して、前記湾曲部の内
    側に突出した前記凸条部からなる刃部を互いに分離させ
    るとともに、これら刃部の外周縁両側に夫々刃先を形成
    する研磨工程と、 研磨された前記ブランクからなる前記内刃板を前記摺動
    の方向と直交する方向に湾曲させて前記内刃台に取付け
    る組み立て工程と、を具備した往復動式切断手工具の内
    刃製造方法。
  2. 【請求項2】前記凹凸付与工程が、前記凸条部につらな
    って前記刃部の外周縁両側を鋭角とする斜状面を前記凹
    条部に形成するものであり、かつ、前記研磨工程が前記
    斜状面に達する深さまで研磨することを特徴とする請求
    項1に記載の往復動式切断手工具の内刃製造方法。
  3. 【請求項3】前記凹凸付与工程が、前記金属製ブランク
    の一面に前記摺動の方向と交差する方向に延びる切り込
    み溝又は切り込み孔からなる多数の切り込み部と、これ
    らに隣接する凸条とを交互に形成する切り込み工程であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の往復動式切
    断手工具の内刃製造方法。
  4. 【請求項4】前記凹凸付与工程が、前記金属製ブランク
    の一面に前記摺動の方向と交差する方向に延びる多数の
    切り込み溝と、これらに隣接する凸条とを交互に形成す
    る切り込み工程であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の往復動式切断手工具の内刃製造方法。
  5. 【請求項5】前記切り込み部又は前記切り込み溝の形成
    を研削砥石を用いて行うことを特徴とする請求項3又は
    4に記載の往復動式切断手工具の内刃製造方法。
  6. 【請求項6】前記凹凸付与工程が、前記金属製ブランク
    を波形状に成形して前記凸条部と前記凹条部とを交互に
    形成するプレス加工工程であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の往復動式切断手工具の内刃製造方法。
  7. 【請求項7】内刃台と、この内刃台に連結された内刃板
    とを備え、かつ、多数の刃孔を有して湾曲された外刃の
    内面を摺動して前記刃孔に通されたものを切断する往復
    動式切断手工具の内刃において、 前記内刃板が、前記摺動の方向と直交する方向に湾曲さ
    れた一枚の金属製平板で形成されて、前記外刃の内面に
    倣って湾曲された湾曲部と、この湾曲部の両側に夫々設
    けられて前記内刃台に連結された一対の刃板ベース部と
    を具備し、 前記湾曲部が、前記摺動の方向と交差する方向に延びて
    前記刃板ベース部に一体につなげられるとともに外周縁
    両側が刃先をなした多数の刃部と、これら刃部相互間に
    設けられて前記湾曲部の内外を連通する隙間とを有して
    なることを特徴とする往復動式切断手工具の内刃。
  8. 【請求項8】前記各刃部にその内周縁に開放する複数の
    切り欠きを間隔的に設けたことを特徴とする請求項7に
    記載の往復動式切断手工具の内刃。
  9. 【請求項9】前記一対の刃板ベース部が平らな板部であ
    ることを特徴とする請求項7に記載の往復動式切断手工
    具の内刃。
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