JP2003094276A - 工作機械、工具、工具ホルダおよびこれを用いた加工方法 - Google Patents

工作機械、工具、工具ホルダおよびこれを用いた加工方法

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JP2003094276A
JP2003094276A JP2001297728A JP2001297728A JP2003094276A JP 2003094276 A JP2003094276 A JP 2003094276A JP 2001297728 A JP2001297728 A JP 2001297728A JP 2001297728 A JP2001297728 A JP 2001297728A JP 2003094276 A JP2003094276 A JP 2003094276A
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孝一 加藤
Shingo Goto
慎吾 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マシニングセンタ等の工作機械による加工にお
いて、工作機械への負担を軽減させることが可能な工具
および工具ホルダを提供する。 【解決手段】主軸46に装着される装着部材62と、ワ
ークを加工する加工具としての刃具100と、刃具10
0を回転させるエアモータ80と、装着部材62から伝
達される回転力を利用して刃具100に所定のストロー
クで往復運動をさせるカム機構を構成するカム部材10
1および案内ローラ121とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具、工具ホル
ダ、工作機械およびこれを用いた加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタは、面削り、穴あけ、
中ぐり、タッピング等の様々な加工を複合的に行うこと
ができる複合工作機械である。マシニングセンタにおけ
るワークの加工は、たとえば、主軸に装着された回転工
具と可動テーブルに固定されたワークとを相対移動させ
ることにより行われる。たとえば、基板や耐熱用鋼板等
のワークへ直径が1mm以下のような小径の穴を加工す
る場合には、回転する主軸の先端に装着されたドリル等
の刃具のワークへの切り込みとワークからの退避を繰り
返し行って穴あけすることが知られている。このよう
に、刃具の切り込みと退避を繰り返すことにより、刃具
の発熱による折損を抑制するとともに、加工される穴内
から切削屑を効果的に排出することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな刃具の切り込みと退避を繰り返し行うためには、主
軸を繰り返し往復動作させる必要がある。一方、穴あけ
加工を効率良く行うためには、主軸の往復動作を高速に
行う必要がある。主軸の往復動作を高速に繰り返し行う
とマシニングセンタにかかる衝撃が大きく、マシニング
センタの性能や寿命に悪影響を及ぼす可能性がある。ま
た、上記したような刃具の切り込みと退避を繰り返し行
いながら穴あけ加工するための加工プログラムを作成す
るには、かなりの労力を必要とするという不利益も存在
した。
【0004】本発明は、上述の問題に鑑みて成されたも
のであって、その目的は、マシニングセンタ等の工作機
械による加工において、工作機械への負担を軽減させる
ことが可能な工具を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、比較的小径の穴あけ加工に用いられるド
リル等の加工具の折損を抑制可能な工具および加工方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の工具は、工作機
械の主軸に着脱可能に装着される工具であって、前記主
軸に装着される装着部と、ワークを加工する加工具と、
前記加工具を回転させる駆動モータと、前記装着部から
伝達される回転力を利用して前記加工具に所定の運動を
させる変換手段とを有する。
【0006】好適には、前記変換手段は、前記加工具を
当該加工具の回転軸方向に所定のストロークで往復動さ
せるカム機構である。
【0007】また、本発明の工具は、前記加工具を保持
し、前記装着部からの回転が伝達され、かつ、当該装着
部に対して当該加工具の回転軸方向に移動自在に設けら
れた可動部と、前記工作機械の非回転部分に接続され、
かつ、前記装着部を回転自在に保持する非回転部とをさ
らに有し、前記カム機構は、前記非回転部と前記可動部
との間に設けられている。
【0008】さらに好適には、前記駆動モータは、前記
主軸および前記装着部の内部に形成された管路を通じて
供給される圧縮空気により駆動されるエアモータであ
る。
【0009】本発明の工具ホルダは、ワークを加工する
加工具を回転自在に保持し、工作機械本体の主軸に着脱
可能に装着される工具ホルダであって、前記主軸に装着
される装着部と、ワークを加工する加工具を保持し、前
記装着部に対して移動可能に設けられた可動部と、前記
装着部から伝達される回転力を利用して前記可動部に所
定の運動をさせる変換手段とを有する。
【0010】本発明の工作機械は、主軸と、前記主軸を
駆動する駆動手段と、前記主軸とワークとの相対位置を
変更する少なくとも一の制御軸とを備える工作機械本体
と、前記駆動手段および制御軸を加工プログラムにした
がって駆動制御する制御装置と、前記工作機械本体の主
軸に着脱可能に装着される工具と、を有し、前記工具
は、前記主軸に装着される装着部と、ワークを加工する
加工具と、前記加工具を回転させる駆動モータと、前記
装着部から伝達される回転力を利用して前記加工具に所
定の運動をさせる変換手段とを有する。
【0011】本発明の加工方法は、工作機械の主軸に着
脱可能に装着される装着部と、ワークを加工する加工具
と、前記加工具を回転させる駆動モータとを前記装着部
から伝達される回転力を利用して前記加工具を当該加工
具の回転軸方向に往復運動をさせるカム機構とを有する
工具を工作機械の主軸に装着し、前記主軸および前記駆
動モータを駆動させ、回転する前記加工具をワークに対
して切り込みながら当該加工具を往復運動させてワーク
に穴あけ加工する。
【0012】好適には、前記主軸の回転数を制御するこ
とにより、回転する前記加工具の往復運動の速度を制御
する。
【0013】本発明では、加工具は駆動モータによって
回転されるとともに、変換手段によって所定の運動が与
えられる。このため、加工具に当該所定の運動を与える
ために主軸やワークを保持するテーブルを移動させる必
要がなく、工作機械の負担が軽減される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用され
る工作機械の一例としてのマシニングセンタの構成図で
ある。なお、マシニングセンタはいわゆる複合加工の可
能な数値制御工作機械である。
【0015】図1においてマシニングセンタ1は、門型
のコラム38の各軸によって両端部を移動可能に支持さ
れたクロスレール37を備えており、このクロスレール
37上を移動可能に支持されたサドル44を介してラム
45が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられてい
る。
【0016】サドル44には、水平方向にクロスレール
37内を通じて図示しないねじ部が形成されており、こ
れに外周にねじ部が形成された送り軸41が螺合してい
る。送り軸41の一端部には、サーボモータ19が接続
されており、送り軸41はサーボモータ19によって回
転駆動される。
【0017】送り軸41の回転駆動によって、サドル4
4はY軸方向に移動可能となり、これによってラム45
のY軸方向の移動および位置決めが行われる。さらに、
サドル44には、鉛直方向に方向に図示しないねじ部が
形成されており、これに外周にねじ部が形成された送り
軸42がねじ込まれている。送り軸42の端部には、サ
ーボモータ20が接続されている。
【0018】サーボモータ20によって送り軸42が回
転駆動され、これによりサドル44に移動可能に設けら
れたラム45のZ軸方向の移動および位置決めが行われ
る。ラム45内には、主軸モータ31が内蔵され、この
主軸モータ31はラム45に回転自在に保持された主軸
46を回転駆動する。主軸46の先端には、エンドミル
などの工具Tが装着され主軸46の回転によって工具T
が駆動される。
【0019】ラム45の下方には、テーブル35がX軸
方向に移動可能に設けられている。テーブル35には、
図示しないねじ部が形成されており、これにX軸方向に
沿って設けられた図示しない送り軸が螺合しており、こ
の図示しない送り軸にサーボモータ18が接続されてい
る。
【0020】テーブル35は、サーボモータ18の回転
駆動によってX軸方向の移動および位置決めが行われ
る。また、2本の門型コラム38には、図示しないねじ
部がそれぞれ形成されており、これに螺合する送り軸3
2aをクロスレール昇降用モータ32によって回転駆動
することによりクロスレール37は昇降する。
【0021】自動工具交換装置(ATC)39は、主軸
46に対して各種工具Tを自動交換する。この自動工具
交換装置39は、たとえば、図示しないマガジンに工具
ホルダによって保持された各種工具Tを収納しており、
主軸46に装着された工具Tを図示しない工具交換アー
ムによってマガジンに収納し、必要な工具Tを主軸46
に工具交換アームによって装着する。
【0022】数値制御(NC)装置51は、上記のサー
ボモータ18,19,20、クロスレール昇降用モータ
32および主軸モータ31の駆動制御を行う。NC装置
51は、具体的には、予め加工プログラムで規定された
ワークの加工手順にしたがって、サーボモータ18,1
9,20による工具Tとワークとの間の位置および速度
制御を行う。また、NC装置51は、加工プログラムに
おいて、たとえば、Sコードで規定された主軸31の回
転数を解読することにより主軸46の回転数の制御を行
う。
【0023】さらに、NC装置51は、加工プログラム
において、たとえば、Mコードで規定れた工具Tの交換
を動作を解読することにより、各種工具Tの自動交換を
実行する。
【0024】エア源300は、主軸46の内部に形成さ
れた圧縮空気を供給するための管路に接続されており、
主軸46内の管路を通じて後述する工具に内蔵されてい
るエアモータに圧縮空気を供給する。
【0025】図2は、本発明の一実施形態に係る工具の
構成を示す正面図である。図3は、図2に示す工具のA
−A線方向の断面図である。なお、本実施形態に係る工
具60は、たとえば、穴あけ加工に使用される。
【0026】図2に示すように、工具60は、刃具10
0と、この刃具100を保持する工具ホルダ61とから
構成される。なお、刃具100は本発明の加工具の一実
施態様である。なお、刃具100は、たとえば、ドリル
である。
【0027】工具ホルダ61は、装着部材62と、非回
転部材66と、保持部材70と、カム部材101を備え
ている。
【0028】装着部材62は、図2に示すように、把持
される把持部62aと、上記の主軸46の先端部に形成
されたテーパスリーブ46aに装着されるテーパシャン
ク62bと、このテーパシャンク62bの先端部に形成
されたプルスタッド62cとを備えている。
【0029】装着部材62の把持部62aは、上記した
自動工具交換装置39の工具交換アームによって、自動
工具交換装置39のマガジンから主軸46に装着される
際および主軸46から自動工具交換装置39のマガジン
へ搬送される際に把持される。装着部材62のテーパシ
ャンク62bは、主軸46のテーパスリーブ46aに装
着されることによって、中心軸が主軸46の中心軸と同
心になる。装着部材62のプルスタッド62cは、装着
部材62が主軸46のテーパスリーブ46aに装着され
ると、主軸46に内蔵された図示しないクランプ機構の
コレットによってクランプされる。なお、主軸46に内
蔵されたクランプ機構は周知技術であるので詳細につい
ては省略する。
【0030】また、装着部材62は、図3に示すよう
に、中心部に管路62dが形成されている。この管路6
2dに連通するように管路62dの内径よりも拡径され
た接続孔62eが形成されている。さらに、装着部材6
2内には、接続孔62eから下端部に向かって挿入穴6
2fが形成されている。管路62dには、上記した主軸
46の内部に形成された管路46bを通じてエア源30
0から供給される圧縮空気CAが供給される。さらに、
装着部62は、環状の非回転部材66の内周に軸受67
を介して回転自在に保持されている。
【0031】非回転部材66は、図2に示すように、主
軸46側の側面に当該主軸46側に向かって突出するよ
うに固定された回り止めピン69を備えている。この回
り止めピン69は、装着部62が主軸46のテーパスリ
ーブ46aに装着されることにより、主軸46側の、た
とえば、ラム45等の非回転部47に形成された嵌合穴
47aに挿入される。この回り止めピン69が嵌合穴4
7aに挿入されることにより、非回転部材66は主軸4
6の回転に関わらず回転が規制される。
【0032】保持部材70は、円筒状の部材からなり、
内部に収容孔70aを備えている。この収容孔70a
に、エアモータ80が挿入されている。エアモータ80
は、保持部材70に固定されている。保持部材70は、
外周面が上記した装着部材62に形成された挿入穴62
fの内周に嵌合している。保持部材70の外周部には、
キー71が軸方向に沿って固定されており、このキー7
1は装着部材62の挿入穴62fの内周に軸方向に沿っ
て形成された一条のキー溝62gに嵌合している。この
ため、保持部材70は、装着部材46に対して図2に示
す回転軸方向A1およびA2に移動自在となっており、
かつ、装着部材46に対して回転が規制されている。し
たがって、装着部材46が回転すると、保持部材70も
装着部材46とともに回転する。
【0033】保持部材70の下端部側には、収容孔70
aと連通するように支持孔70bが形成されている。こ
の支持孔70bは、保持部材70の下端部側で開口して
いる。支持孔70bの内周には、軸受92を介してエア
モータ80の駆動軸81が回転自在に支持されている。
【0034】エアモータ80は、上端側に接続管82を
備え、この接続管82は、装着部材62の接続孔62e
に嵌合しており、接続管82が接続孔62e内を軸方向
に移動可能となっている。また、接続管82と接続孔6
2eとの間には、OリングORが設けられており、この
OリングORは接続管82と接続孔62eとの間をシー
ルしている。エアモータ80は、管路62dを通じて供
給される圧縮空気CAの圧力に応じた回転数で駆動軸8
1を駆動する。駆動軸81の先端には、チャッキング部
材95が設けられており、このチャッキング部材95に
ドリル等の刃具100が着脱される。
【0035】カム部材101は、円筒状の部材からな
り、保持部材70の外周に嵌合し、保持部材70に固定
されている。カム部材101の外周には、所定形状のカ
ム溝102が形成されている。このカム溝102に、案
内ローラ101が嵌合している。案内ローラ101は、
上記した非回転部材66の下面側に固定された連結部材
120の先端部に回転自在に保持されている。
【0036】カム溝102は、案内ローラ101が嵌合
し、かつ、保持部材70が回転することにより、保持部
材70を回転軸方向A1およびA2に所定のストローク
で往復動作させるように形成されている。カム溝102
の形状は特に限定されないが、本実施形態では、保持部
材70の一回転毎に保持部材70が回転軸方向A1およ
びA2に2往復するようになっている。
【0037】次に、上記構成の工具60の動作の一例に
ついて説明する。まず、図2に示したように、主軸46
に工具60を装着し、エア源300から所望の圧力に調
整された圧縮空気CAを主軸46内の管路46bに供給
する。管路46bを通じて、工具60内のエアモータ8
0には圧縮空気CAが供給され、駆動軸81が回転す
る。これによって、刃具100は、図2に示す矢印R2
の向きに、たとえば、数万rpmで回転する。
【0038】一方、図2に示したように、主軸46を矢
印R1の向きに回転させる。主軸46の回転は、そのま
ま保持部材70に伝達され、カム溝102が案内ローラ
121に対して移動する。これにより、保持部材70と
ともに刃具100も回転軸方向A1およびA2の向きに
往復運動する。
【0039】たとえば、図2に示した状態において、カ
ム溝102と案内ローラ121との関係が、保持部材7
0を装着部材62に対して最下点に位置させる関係にあ
るとする。図4は、カム溝102と案内ローラ121と
の関係が、保持部材70を装着部材62に対して最上点
に位置させる関係に変化した状態を示す図であり、図5
は図4に示す状態におけるA−A線方向の断面図であ
る。図4に示すように、刃具100が最下点からストロ
ークSTだけ上昇すると、工具60の内部では、図5に
示すよう保持部材70およびエアモータ80も装着部材
62に向かって移動する。
【0040】主軸46が連続的に回転すると、刃具10
0はストロークSTの往復運動を繰り返す。カム部材1
01のカム溝102は、ストロークSTの往復運動が主
軸46の1回転あたり2回発生するように形成されてい
るため、たとえば、主軸46の回転数が1000rpm
である場合には、刃具100は1分間あたり2000往
復する。
【0041】次に、上記構成の工具60を使用した穴あ
け加工の一例について説明する。工具60に使用する刃
具100に、たとえば、直径0.1mmのドリルを使用
し、工具60における刃具100が往復するストローク
STを1mmとし、ワークとして板厚10mmの耐熱用
鋼板に貫通孔を加工する場合を例に挙げて説明する。ま
ず、テーブル上にワークを固定し、さらに、工具60を
自動工具交換装置39によって、マシニングセンタ1の
主軸46に装着する。次いで、圧縮空気CAを工具60
に供給して、刃具100を、たとえば、40000rp
mで回転させる。
【0042】次いで、回転する刃具100をワークWの
上方の所定の位置に位置決めしたのち、主軸46を所定
の回転数、たとえば、500rpmで回転させる。これ
により、主軸46の回転数に応じた速度で刃具100が
1分間当たり1000回の往復運動を開始する。
【0043】次いで、主軸46をZ軸方向に所定の速
度、たとえば、200mm/minの速度で下降させ
る。これにより、刃具100は、1mmのストロークS
Tで往復運動を繰り返しながら、徐々にZ軸方向に下降
し、ワークに切り込む。ワークに切り込んだ刃具100
は、繰り返し往復運動を行うため、切削屑は加工された
穴から効率良く排出される。また、切り込み動作と退避
動作が繰り返されるため、刃具100の発熱による折損
を抑制することができる。
【0044】本実施形態では、刃具100をワークに対
して切り込んでいく際に、たとえば、図6に示すよう
に、ワークWの板厚Hの方向を3つの領域に分けて、各
領域毎に刃具100の往復速度をコントロールしながら
穴あけ加工を行う。
【0045】具体的には、図6(a)に示すワークWの
表面付近の加工領域(1)と、図6(b)に示すワーク
Wの内部である加工領域(2)と、図6(c)に示すワ
ークWの裏面付近の加工領域(3)に分ける。加工領域
(1)の深さは、板厚Hが10mmの場合、たとえば、
1mm程度とする。加工領域(2)の深さは、たとえ
ば、8mm程度とし、残りを加工領域(3)とする。
【0046】加工領域(1)は、刃具100がワークW
に食いつきを開始する領域であり、加工領域(3)は刃
具100がワークWを貫通する領域であり、これらの領
域はドリルが折損しやすい領域である。
【0047】たとえば、加工領域(1)においては、主
軸46の回転数を500rpmにし、加工領域(1)の
加工が完了したのち、主軸46の回転数を1000rp
mに上昇させて加工領域(2)の加工を行い、加工領域
(2)の加工が完了したのち、再び主軸46の回転数を
500rpmに減速して加工領域(3)の加工を行う。
このように、加工領域(1)および(3)においては、
刃具100の往復速度を比較的小さな値にし、加工領域
(2)においては加工領域(1)および(3)よりも大
きな値になるようにコントロールすることにより、刃具
100の折損を抑制することができるとともに、効率の
よい穴あけ加工を行うことが可能となる。
【0048】以上のように、本実施形態によれば、工具
60を用いて穴あけ加工を行う際に、刃具100を工具
60に内蔵したエアモータ80で回転させるとともに、
主軸46の回転を利用して刃具100を回転軸方向に往
復運動させながら主軸46をワークに対して所定の送り
速度で下降させて穴あけ加工を行う。たとえば、刃具1
00の下降および往復動作の双方を主軸46の移動のみ
で行なった場合には、マシニングセンタ1に大きな負担
がかかるが、本実施形態では、往復動作を主軸46の回
転を利用してカム部材101によって行わせるため、マ
シニングセンタ1の負担を大幅に軽減することができ
る。また、エアモータ80を使用して主軸46を通じて
圧縮空気を供給する構成とすることにより、電源供給の
ための配線等が不要となるため、工具60の自動工具交
換装置39による交換が可能となる。
【0049】本発明は上述した実施形態に限定されな
い。上述した実施形態では、エアモータ80により刃具
100を回転させる構成としたが、たとえば、工具60
内に発電機および電動モータを内蔵させて刃具100を
回転させる構成とすることも可能である。この場合に
は、主軸の回転力をカム機構および発電機の双方に伝達
する構成とし、発電機の発生する電力によって電動モー
タを回転させ、この電動モータの回転によって刃具10
0を回転させる構成とすればよい。また、上述した実施
形態では、加工具としてドリル等の刃具100の場合に
ついて説明したが、たとえば、研削、研磨砥石等の他の
加工具にも本発明は適用可能である。さらに、上述した
実施形態では、カム機構によって刃具100を往復運動
させる場合について説明したが、往復運動に限らず、た
とえば、旋回運動等の他の運動を行わせることも可能で
ある。また、上述した実施形態では、刃具100の運動
をカム機構によって生成したが、カム機構に限らず他の
機構を用いて主軸46の回転を利用して所定の運動をさ
せることも可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、マシニングセンタ等の
工作機械による加工において、工作機械への負担を軽減
させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される工作機械の一例としてのマ
シニングセンタの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る工具の構成を示す正
面図である。
【図3】図2に示す工具のA−A線方向の断面図であ
る。
【図4】主軸を回転させたときの工具の動作を説明する
ための正面図である。
【図5】図4に示す工具のA−A線方向の断面図であ
る。
【図6】穴あけ加工の手順を説明するための図である。
【符号の説明】
1…マシニングセンタ 31…主軸モータ 39…自動工具交換装置 46…主軸 60…工具 61…工具ホルダ 62…装着部材 66…非回転部材 67…軸受 69…回り止めピン 70…保持部材 80…エアモータ 95…チャッキング部材 100…刃具 101…カム部材 102…カム溝 250…NC装置 300…エア源

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工作機械の主軸に着脱可能に装着される工
    具であって、 前記主軸に装着される装着部と、 ワークを加工する加工具と、 前記加工具を回転させる駆動モータと、 前記装着部から伝達される回転力を利用して前記加工具
    に所定の運動をさせる変換手段とを有する工具。
  2. 【請求項2】前記変換手段は、前記加工具を当該加工具
    の回転軸方向に所定のストロークで往復動させるカム機
    構である請求項1に記載の工具。
  3. 【請求項3】前記加工具を保持し、前記装着部からの回
    転が伝達され、かつ、当該装着部に対して当該加工具の
    回転軸方向に移動自在に設けられた可動部と、 前記工作機械の非回転部分に接続され、かつ、前記装着
    部を回転自在に保持する非回転部とをさらに有し、 前記カム機構は、前記非回転部と前記可動部との間に設
    けられている請求項2に記載の工具。
  4. 【請求項4】前記駆動モータは、前記主軸および前記装
    着部の内部に形成された管路を通じて供給される圧縮空
    気により駆動されるエアモータである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の工具。
  5. 【請求項5】ワークを加工する加工具を回転自在に保持
    し、工作機械本体の主軸に着脱可能に装着される工具ホ
    ルダであって、 前記主軸に装着される装着部と、 ワークを加工する加工具を保持し、前記装着部に対して
    移動可能に設けられた可動部と、 前記装着部から伝達される回転力を利用して前記可動部
    に所定の運動をさせる変換手段とを有する工具ホルダ。
  6. 【請求項6】前記変換手段は、前記可動部を前記加工具
    の回転軸方向に往復動させるカム機構である請求項5に
    記載の工具ホルダ。
  7. 【請求項7】前記可動部は、前記装着部からの回転が伝
    達され、かつ、当該装着部に対して当該加工具の回転軸
    方向に移動自在に設けられており、 前記工作機械の非回転部分に接続され、かつ、前記装着
    部を回転自在に保持する非回転部をさらに有し、 前記カム機構は、前記非回転部と前記可動部との間に設
    けられている請求項6に記載の工具ホルダ。
  8. 【請求項8】前記駆動モータは、前記主軸および前記装
    着部の内部に形成された管路を通じて供給される圧縮空
    気により駆動されるエアモータである請求項5〜7のい
    ずれかに記載の工具ホルダ。
  9. 【請求項9】主軸と、前記主軸を駆動する駆動手段と、
    前記主軸とワークとの相対位置を変更する少なくとも一
    の制御軸とを備える工作機械本体と、 前記駆動手段および制御軸を加工プログラムにしたがっ
    て駆動制御する制御装置と、 前記工作機械本体の主軸に着脱可能に装着される工具
    と、を有し、 前記工具は、前記主軸に装着される装着部と、 ワークを加工する加工具と、 前記加工具を回転させる駆動モータと、 前記装着部から伝達される回転力を利用して前記加工具
    に所定の運動をさせる変換手段とを有する工作機械。
  10. 【請求項10】前記変換手段は、前記加工具を当該加工
    具の回転軸方向に往復動させるカム機構である請求項9
    に記載の工作機械。
  11. 【請求項11】前記主軸は、前記工具に圧縮空気を供給
    するための管路を内部に備えており、 前記駆動モータは、前記装着部の内部に形成された管路
    を通じて供給される圧縮空気により駆動されるエアモー
    タである請求項9または10に記載の工作機械。
  12. 【請求項12】工作機械の主軸に着脱可能に装着される
    装着部と、ワークを加工する加工具と、前記加工具を回
    転させる駆動モータとを前記装着部から伝達される回転
    力を利用して前記加工具を当該加工具の回転軸方向に往
    復運動をさせるカム機構とを有する工具を工作機械の主
    軸に装着し、 前記主軸および前記駆動モータを駆動させ、 回転する前記加工具をワークに対して切り込みながら当
    該加工具を往復運動させてワークに穴あけ加工する加工
    方法。
  13. 【請求項13】前記主軸の回転数を制御することによ
    り、回転する前記加工具の往復運動の速度を制御する請
    求項12に記載の加工方法。
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