JP7479910B2 - 摩擦攪拌接合アタッチメント、摩擦攪拌接合ヘッド、摩擦攪拌接合装置、および摩擦攪拌接合方法 - Google Patents
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Description
摩擦攪拌接合においては、十分な摩擦熱を得るために、接合ツールの回転に高トルクが必要であり、従来は専用の摩擦攪拌接合装置が用いられてきた。一方、高トルクが得られるものであれば、汎用の工作機械を摩擦攪拌接合装置として用いることができる(特許文献1参照)。
特許文献1においては、摩擦攪拌接合における流動化部分の溢れを防止するために、工作機械の位置制御により接合ツールを昇降させている。
しかし、前述した特許文献1では、工作機械の位置制御により接合ツールを昇降させており、その速度は数Hzないし数十Hz程度であって、摩擦熱が得られる速度には達していなかった。
その結果、回転による摩擦熱に加えて往復移動による摩擦熱が得られる摩擦攪拌接合アタッチメントを提供することができる。
このような本発明では、往復部に対して回転部が回転した際に、カムフォロワがカム面に摺動または転動することで、簡単な構造で効率よく往復部を主軸の軸線方向へ往復移動させることができる。
このような本発明では、カムフォロワからカム面に加えられる押圧部材による圧接力が、主軸の軸線を中心に点対称つまり周方向に均等となるため、このような押圧力の影響で往復部ないし接合ツールが傾くことを回避できる。
このような本発明では、回転駆動部の動力源の確保が容易にできる。また、外部から往復部に接続される動力配管や配線が必要なく、周辺構造の簡素化も図れる。
なお、回転駆動部は、主軸ヘッドから固定部を経て電力供給される電動モータであってもよい。
このような本発明では、主軸に近い部位にエアモータを設置でき、主軸からのエアの供給ラインも簡素化できる。一方、エアモータと回転軸とを、軸方向に変位可能な回転伝達機構を介して接続するので、加工軸が往復部とともに往復した際でも、エアモータに往復移動が伝達されることがない。
なお、エアモータは往復部に設置してもよい。この場合、軸方向に変位可能な回転伝達機構を省略できる。ただし、主軸からのエアを回転部で受け入れたのち、往復部まで導入する経路において往復移動を許容させる必要がある。
このような本発明では、前述した本発明の摩擦攪拌接合アタッチメントと同様な効果を得ることができる。
このような本発明では、回転駆動部によりツールを回転させてワークに対する摩擦攪拌接合を行うとともに、主軸の回転によりツールを主軸の軸線に沿って往復移動させることで、ツールとワークとの摩擦を増加させ、摩擦攪拌接合を促進させることができる。
このような本発明では、ツールが主軸の軸線まわりに回転しつつ、主軸の軸線に沿って往復移動することで、ツールとワークとの摩擦を増加させ、摩擦攪拌接合を促進させることができる。
図1において、本実施形態の摩擦攪拌接合装置1は、縦型主軸を有する汎用の工作機械2に、本発明に基づく摩擦攪拌接合アタッチメント10と、摩擦攪拌接合用の汎用の接合ツール20と、を装着して構成される。
移動機構6は、水平なガイドバー61に支持されたスライダ62を有し、主軸ヘッド5はスライダ62から下向きに支持されている。従って、スライダ62に対して主軸ヘッド5を昇降させることで、主軸4の先端をZ軸方向の指定された位置に移動可能である。また、ガイドバー61に沿ってスライダ62を移動させることで、主軸4の先端をX軸方向の指定された位置に移動可能である。
テーブル3は、ベッド7に設置された駆動機構により、垂直な軸線廻り(C軸方向)に回転可能、かつ指定された角度位置に停止可能である。
これらのテーブル3、主軸4、主軸ヘッド5および移動機構6は、それぞれベッド7の上面に設置され、全体を開閉自在なカバー8で囲うことができる。
さらに、摩擦攪拌接合アタッチメント10は、往復部13に回転自在に支持されて先端に接合ツール20を装着可能な加工軸14と、加工軸14を回転駆動する回転駆動部15と、回転部11と往復部13とを接続しかつ往復部13に対して回転部11が回転した際に往復部13を往復移動させるカム機構16と、を有する。
固定部12は、回転部11のテーパーシャンク111とは反対側の端部の外周に装着され、軸受121を介して互いに回転可能である。
固定部12の主軸4とは反対側の端部には、円筒状のガイドスリーブ123が形成され、ガイドスリーブ123には往復部13が保持されている。
往復部13とガイドスリーブ123との間には、ボールスプラインなどを用いた回転規制機構131が形成され、往復部13とガイドスリーブ123とは軸線R廻りに回転規制されている。
加工軸14は、軸受141を介して往復部13に回転自在に支持されている。軸受141は、軸線R方向へは変位を規制されており、加工軸14は往復部13に従って軸線R方向へ往復移動可能である。
加工軸14の一方の端部(図中下端)は、往復部13の端面から露出され、その先端に接合ツール20を装着される。
回転駆動部15は、回転部11に収容されたエアモータ151と、エアモータ151のシャフトと加工軸14とを接続するジョイント152とを有する。
エアモータ151は、回転部11のセンタースルーホール112に接続され、ここから供給される主軸4からのセンタースルーエアを受けて回転可能である。
ジョイント152は、ボールスプラインなどを用いて形成された軸方向に変位可能な回転伝達機構であり、エアモータ151からの回転力を加工軸14に伝達しつつ、加工軸14とエアモータ151との軸方向変位を吸収可能である。これにより、加工軸14が往復部13とともに往復した際でも、エアモータ151に往復移動が伝達されることがない。
往復部13には、ローラを用いた転動式のカムフォロワ163が設置されるとともに、固定部12のガイドスリーブ123との間に圧縮ばねなどの押圧部材164が設置されている。このため、押圧部材164により往復部13が回転部11側へ付勢され、カムフォロワ163がカム面162に常時押圧されている。
本実施形態では、カム機構16のカムフォロワ163は計4つが周方向に均等配置され、往復部13とガイドスリーブ123との間の回転規制機構131は一対が直径方向に対抗配置され、それぞれ軸線Rに対して点対称に形成されている。
先ず、ワーク9として、摩擦攪拌接合する2部材を、接合線を介して突き合わせた状態でテーブル3に固定する。
次に、摩擦攪拌接合アタッチメント10の加工軸14の先端に接合ツール20を装着して摩擦攪拌接合ヘッド19を形成し、この摩擦攪拌接合ヘッド19をツールチェンジャなどにより主軸4に装着する。この装着動作により、回転部11が主軸4に接続され、固定部12が主軸ヘッド5に接続される。
すなわち、主軸4からセンタースルーエアを供給すると、回転駆動部15により加工軸14および接合ツール20が回転駆動され、接合ツール20の回転によりワーク9との間に摩擦熱が生じる。
さらに、主軸4を回転させることにより、カム機構16を介して往復部13および加工軸14が往復駆動され、接合ツール20の往復移動によりワーク9との間に摩擦熱が生じる。
この状態で接合ツール20をワーク9の表面の接合線に沿って移動させることで、先端ピン21の進行方向前側(図中右側)で新たな軟化部分91が形成され、進行方向後側(図中左側)には再凝固部分92が形成され、接合線で突き合わされた2部材の摩擦攪拌接合が行われてゆく。
さらに、本実施形態では、接合ツール20の回転による摩擦に加え、接合ツール20の軸線R方向に沿った往復移動による摩擦熱が先端ピン21の周面22に生じる。接合ツール20の往復移動は、主軸4の回転速度に基づいて数百Hzないし数千Hz程度の速度とすることができ、回転による摩擦熱を補助するのに十分な摩擦熱が得られ、これにより摩擦攪拌接合を促進させることができる。
その結果、回転による摩擦熱に加えて往復移動による摩擦熱が得られる摩擦攪拌接合アタッチメント10ないし摩擦攪拌接合ヘッド19を提供することができる。
本実施形態では、エアモータ151を回転部11に設置したので、主軸4に近い部位にエアモータ151を設置でき、主軸4からのエアの供給ラインも簡素化できる。一方、エアモータ151と加工軸14を、軸方向に変位可能な回転伝達機構であるジョイント152を介して接続したので、加工軸14が往復部13とともに往復した際でも、エアモータ151に往復移動が伝達されることがない。
前記実施形態では、回転駆動部15は、主軸4の軸心を通して供給されるエアで回転するエアモータ151であるとした。これに対し、回転駆動部15は、主軸ヘッド5から固定部12を経て電力供給される電動モータであるとしてもよい。
また、エアモータ151は往復部13に設置してもよい。この場合、軸方向に変位可能な回転伝達機構としてのジョイント152を省略できる。ただし、主軸4からのエアを回転部11で受け入れたのち、往復部13まで導入する経路において往復移動を許容させる必要がある。
カム機構16としては、往復部13に向けて配置されたカム面162およびローラ式のカムフォロワ163を用いるものに限らず、カムフォロワ163は摺動式であってもよく、カム面162に変えてカム部材161の内周面に形成されたカム溝を用いてもよい。
Claims (7)
- 工作機械の主軸に装着される回転部と、
前記工作機械の主軸ヘッドに接続される固定部と、
前記固定部に支持されて前記主軸の軸線方向に往復移動可能かつ前記主軸の軸線廻りに回転規制された往復部と、
前記往復部に回転自在に支持されて先端に接合ツールを装着可能な加工軸と、
前記加工軸を回転駆動する回転駆動部と、
前記回転部と前記往復部とを接続しかつ前記往復部に対して前記回転部が回転した際に前記往復部を往復移動させるカム機構と、を有し、
前記カム機構は、
前記回転部または前記往復部のいずれか一方に同軸配置されて前記主軸の軸線方向と交差するカム面を有するカム部材と、
前記回転部または前記往復部のいずれか他方に設置されて前記カム面に摺動または転動するカムフォロワと、
前記カムフォロワを前記カム面に押し付ける押圧部材と、を有することを特徴とする摩擦攪拌接合アタッチメント。 - 請求項1に記載の摩擦攪拌接合アタッチメントにおいて、
前記カム機構は、複数の前記カムフォロワが、前記主軸の軸線を中心に点対称に配置されていることを特徴とする摩擦攪拌接合アタッチメント。 - 請求項1または請求項2に記載の摩擦攪拌接合アタッチメントにおいて、
前記回転駆動部は、前記主軸の軸心を通して供給されるエアで回転するエアモータであることを特徴とする摩擦攪拌接合アタッチメント。 - 請求項3に記載の摩擦攪拌接合アタッチメントにおいて、
前記エアモータは、前記回転部に設置され、軸方向に変位可能な回転伝達機構を介して加工軸に接続されることを特徴とする摩擦攪拌接合アタッチメント。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の摩擦攪拌接合アタッチメントと、
前記摩擦攪拌接合アタッチメントに装着された前記接合ツールと、を有することを特徴とする摩擦攪拌接合ヘッド。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の摩擦攪拌接合アタッチメントと、
前記摩擦攪拌接合アタッチメントに装着された前記接合ツールと、
前記摩擦攪拌接合アタッチメントが装着された工作機械と、を有することを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 請求項6に記載の摩擦攪拌接合装置を用い、
前記回転駆動部により前記接合ツールを回転させてワークに対する摩擦攪拌接合を行うとともに、
前記主軸の回転により前記接合ツールを前記主軸の軸線方向へ往復移動させることを特徴とする摩擦攪拌接合方法。
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JP2019126810A (ja) | 2018-01-22 | 2019-08-01 | 電元社トーア株式会社 | 加圧装置及び溶接装置 |
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