JP2003068199A - 表示パネルの製造方法および製造装置 - Google Patents
表示パネルの製造方法および製造装置Info
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Abstract
目的とする。 【解決手段】 基板の脱バイ過程を含む熱処理工程で不
純ガスをあらかじめ十分除去するとともに、その後の封
着工程や排気工程においてさらに付着する不純ガスの付
着を防止し、さらには表示パネルの接合に関する信頼性
を損なわない熱処理方法を提供するもので、表示パネル
の封着部材の熱処理工程において、第一昇温過程で脱バ
イを行い、第二昇温過程で封着温度までに発生するガス
をあらかじめ除去するものである。
Description
どの表示パネルにおいて、特に封着部材の熱処理工程に
特徴を備えた表示パネルの製造方法および製造装置に関
する。
は、例えば前面基板と背面基板の二つの基板の周辺を封
着部材を用いて封着する封着工程を経て作成される。こ
こで封着工程について詳細に説明する。
ースト状である。このペーストは、低融点ガラス(Pb
Oを主成分とする低融点ガラス成分とセラミック粉末と
の混合物)からなる粉状のフリットに溶剤と樹脂成分を
含む液体を混ぜ、ペースト状にしたもので、溶剤には酢
酸イソアミル、樹脂はニトロセルロースが一般に使われ
る。
サ等であらかじめ一方の基板の周端縁部に塗布され、1
10℃の温度で約10分間乾燥工程を行い、封着部材の
溶剤成分を除去した後、次に図5に示すように365℃
にて約30分間加熱し、ペースト化に用いた樹脂成分を
熱酸化させて封着部材から除去する。この工程を一般に
脱バイ過程と言う。これは、表示パネル点灯時の微小な
不純物ガスに起因する放電の際にちらつきや、蛍光体の
輝度が低下を防止するために、不純物ガスになりやすい
樹脂成分をできるだけ有効に排除するために実施され
る。
もう一方の基板とのアライメントを実施して組み立てた
後、450℃に加熱され、封着部材を溶融して2枚の基
板を封着する。その後フィールドエミッション型パネル
や蛍光表示管は真空排気後封止し、またプラズマディス
プレイにおいては真空排気後ガス封入を行い表示パネル
を完成させる。
うにして封着したパネルは使用中に異常発光現象が生じ
るという問題がある。
ので、表示パネルの異常発光現象を解決することを目的
とする。
を重ねた結果、脱バイ過程の処理温度より封着温度のほ
うが高いため、封着工程で脱バイ処理温度から封着温度
までの間に封着部材から放出される水、あるいは炭酸ガ
ス等の有機成分が分解したガスがパネルの内部に閉じ込
められ、不純ガスとして残留し表示特性を劣化させるこ
と、また脱バイ処理等の熱処理過程の後、冷却して室温
に戻した際に大気中の水等が封着部材のみならず基板全
体に付着し、やはり封着時にパネル内に閉じ込められる
こと、また単に脱バイ処理の温度を封着温度近傍まで上
げると有機成分が封着部材の中に気泡として閉じ込めら
れ、封着した際封着層内に気泡を残留させ真空排気時に
リークするなどパネル強度の信頼性を大きく損なうこと
などの知見を得た。
工程で不純ガスをあらかじめ十分除去するとともに、そ
の後の封着工程や排気工程においてさらに付着する不純
ガスの付着を防止し、さらには表示パネルの接合に関す
る信頼性を損なわない熱処理方法を提供するもので、表
示パネルの封着部材の熱処理工程において、第一昇温過
程とそれに続く第二昇温過程の少なくとも2つ以上の昇
温過程を有するものである。
載の発明は、表示パネルを構成する基板の周辺部を封着
する封着部材の熱処理工程において、第一昇温過程とそ
れに続く第二昇温過程の少なくとも2つ以上の昇温過程
を有する表示パネルの製造方法である。
表示パネルを構成する基板の周辺部を封着する封着部材
の熱処理工程と、この熱処理工程に続く表示パネルの組
立工程、封着工程および排気工程とを有する表示装置の
製造方法において、封着部材の熱処理工程は第一昇温過
程とそれに続く第二昇温過程の少なくとも2つ以上の昇
温過程を有し、かつ熱処理工程に続く表示パネルの組立
工程、封着工程および排気工程までをドライエアー雰囲
気で実施することを特徴とする表示パネルの製造方法で
ある。なお、ドライエアー雰囲気に代えて、窒素雰囲気
で実施することも特徴としている。これにより熱処理工
程以降に基板に吸着するガスとして特に水の吸着を防止
することができる。
封着部材のペースト化に用いられるバインダー成分の熱
酸化分解温度以上でかつ封着部材に含まれる低融点ガラ
スの熱収縮温度以下であり、前記の脱バイ過程に相当す
るものであり、第二昇温過程は封着部材の封着温度以上
で、かつ他の構成部材の軟化温度以下まで加熱昇温する
ものである。これにより封着部材のペーストに含まれて
いた有機物を除去するとともに、封着温度までに発生す
るガスを十本除去することができる。
基板の封着部材を形成した側とは反対の側から加熱する
ことにより、封着部材は表面より基板に接する内側から
温度が上昇し、封着部材の表面の低融点ガラスが熱収縮
し、一部溶融して表層を覆う前に内部に存在する有機成
分が熱分解したガスを有効に除去できる。
で行うことにより、熱処理中に封着部材およびその他の
基板等に水分が吸着することを防止できる。また、熱処
理工程において第一昇温過程まではドライエアー雰囲気
で熱処理を実施し、それに続く第二昇温過程において真
空排気処理を複数回実施することにより、脱バイ過程ま
では酸素を有する雰囲気下で有効に脱バイ処理した後、
第2昇温過程で真空排気し、有効に不純ガスを除去でき
る。
まではドライエアー雰囲気で熱処理を実施し、それに続
く第二昇温過程の降温は窒素雰囲気下で実施することに
より、降温過程で吸着するガスのうち特に表示劣化に影
響を及ぼす水が吸着しなくなる。
り、封着した後の表示パネルの封着部材において、水平
断面における気泡を5%以下の面積とすることができ、
これにより封着部材の封着強度を信頼性を満足する強度
とすることができる。
封着部材を塗布した基板の裏面側から加熱する第一加熱
手段と、基板表面もしくは基板全体を加熱する第二加熱
手段を備えた構成とすることより、封着部材を有効に内
部から昇温することができる。
を説明する。
造方法において封着部材を形成したガラス基板の熱処理
工程の温度プロファイルを簡略化して示したものであ
る。
程について説明する。上述した封着部材のペーストをデ
ィスペンサ等で基板の周辺部に塗布する。塗布方法はス
クリーン印刷や凹版印刷などの印刷手法を用いても良い
し、あらかじめ成型したものを基板周辺に配置しても良
い。あらかじめ成型したものを用いる場合は、次に述べ
る乾燥工程を省略できる。
0℃から150℃程度の温度で10分から15分加熱
し、ペーストに含まれる溶剤成分を除去する。次に乾燥
処理を経た基板を炉内にセットし熱処理工程を実施す
る。このとき炉はIRヒータ炉でも良いし、熱風循環式
の炉でも良いし、図1のプロファイルを実現できるもの
であれば他の方式の炉でもかまわない。
過程と第二昇温過程の少なくとも2つの過程からなる。
まず第一昇温過程を行う。第一昇温過程は封着部材のペ
ーストに含有した樹脂成分を熱酸化分解することが主目
的である。毎分2℃から10℃の昇温速度で350℃か
ら370℃程度まで昇温する。
ニトロセルロース等の熱分解温度(ここではTG分析に
おいて重量が急激に変化する温度を用いる)として20
0℃から300℃よりも高く、かつ低融点ガラスの熱収
縮温度(低融点ガラスの軟化点近傍を用いる)である3
50℃から410℃よりも低い温度として設定する。昇
温後350℃から370℃で保温する。このとき大半の
樹脂成分は熱酸化分解されてガスとなり放出される。
ほど行われる封着工程の封着温度よりも高い温度まで毎
分2℃から10℃の昇温速度で420℃から500℃近
傍まで上昇させる。第二昇温過程は脱バイ過程のピーク
温度から封着工程のピーク温度までに封着部材や基板の
構成部材(例えば基板のガラスやプラズマディスプレイ
における蛍光体やリブ材)から放出されるガスを封着工
程に先立って除去するものであるから、第二昇温過程の
ピーク温度は封着温度の410℃から480℃よりも高
い温度に設定する。約10分から30分の間ピーク温度
で保温した後、ゆっくり冷却を実施し、第二昇温過程を
終了する。ここでは冷却も含めて第二昇温過程と称して
いる。
置としての炉の一例を示す。1は基板、2は封着部材、
3は炉体、4はホットプレート、5はヒータである。
る樹脂成分を熱酸化分解することを記したが、十分な熱
酸化を実施するためにはピーク温度はできるだけ高いこ
とが望ましい。しかしながら、通常電気炉(たとえばI
Rヒータ炉や熱風循環炉)等で加熱する場合、封着部材
の表面が早く温度が上昇し、基板に接する側と表面とで
は温度差があり、基板と接する側の温度を十分に上昇さ
せようとすると表面はさらに温度が上昇し、溶融を開始
してしまう。表面が溶融すると、基板に接する側の有機
成分がガス化したときにガスが放出できなくなり、封着
部材中に気泡として残留した。
方法を説明する。炉体3は2種類の加熱手段を有してい
る。1つは基板1の裏面側から加熱できるものであり、
図2ではホットプレート4が相当する。このほかIRヒ
ータでも良いし、ハロゲン等の加熱用ランプ、あるいは
レーザー光線等でも良い。
を加熱しながら、基板1の表面または全体を加熱するも
のである。ここではヒータ5が相当する。他にIRヒー
タでも良いし、ガス加熱でも良いし、熱風循環式の加熱
手段でも良い。
ート4を用いて第一昇温過程を実施し、所定の温度まで
加熱する。第一昇温過程が終了するまでホットプレート
4のみで加熱を実施しても良いし、第一昇温過程の温度
キープ後半からヒータ5を併用しても良い。こうして基
板1の裏面側から積極的に加熱することによって、封着
部材2の基板1と接する部分の温度を左記に上昇させる
ため、封着部材2の表面が溶融し、内部のガスが有効に
除去できる。
板端部を示し、10は背面板、11は前面板、12はリ
ブ、13はフリットである。図4にフリット13の水平
断面における不良(気泡が多い例)を示し、図中、白い
部分が気泡である。これは図1における第一昇温過程な
しに、第二昇温過程のみの熱処理を行ったものである。
水平断面の約6%が気泡である。
いてリークを生じた。一方、図1に示した熱処理工程の
第一昇温過程と第二昇温過程を実施したパネルは気泡が
平均5%以下となり、パネルのリークも生じなかった。
程の雰囲気制御について説明する。
目的であるため、熱酸化に必要な酸素を有する雰囲気が
必要である。一方、パネル化後に不純ガスとして問題に
なるものとして水がある。従って、熱処理工程の開始時
点からドライエアー雰囲気で実施することが有効であ
る。
のドライエアーを導入しながら熱処理する。また炉をド
ライルーム内に設置することは一層有効である。さらに
は、熱処理工程後の基板の組立工程、封着部材を溶融し
て基板を封着する封着工程、表示パネル内の真空排気を
行う排気工程までを搬送も含めて一貫してドライエアー
雰囲気で行うことにより、さらに不純ガス付着防止に有
効である。また脱バイ工程以外を窒素雰囲気下で行う
と、ドライエアーと同等の効果が得られる。
施するには、脱バイ後温度が高い状態で基板を真空排気
することが有効である。ただし、封着部材が溶融した状
態で真空排気を継続して実施すると、封着部材が発泡す
る問題が生じるため、排気による減圧と減圧を開放して
大気圧に戻すことを繰り返し行うか、第二昇温過程の降
温時に真空排気を実施することが有効である。
51(日本電気硝子(株)製)を用い、ニトロセルロー
ス1%を酢酸イソアミル98%に溶かしたビークルC
(東京応化(株)製)でペースト化したものを使用し
た。このペーストをディスペンサにてプラズマディスプ
レイのガラス基板の周辺に塗布し、110℃にて10分
乾燥した。
式循環炉にて6℃/分で昇温し、360℃にて20分保
温した後、さらに第二昇温工程として4℃/分で455
℃まで昇温し15分の保温の後、4℃/分で徐冷した。
少した。
と同様の封着部材および基板を用い、熱処理工程を露点
−30℃のドライエアー雰囲気化で実施した。この結果
パネル化後の異常放電は発生しなかった。
し、その下部にハロゲンランプを設置した熱風循環炉
で、実施例1と同様の封着部材および基板を用い、第一
昇温過程として8℃/分にて基板の裏面から加熱した。
続いて4℃/分で450℃まで加熱し30分保温した
後、4℃/分で徐冷した。
の占める割合は平均2%以下に抑えることができた。ま
た同様に熱処理工程を経てパネル化したものは、リーク
等の不良は発生しなかった。
ネルの製造方法は、基板の熱処理工程で封着部材の脱バ
イ過程である第一昇温過程と封着温度までに発生するガ
スをあらかじめ除去する第二昇温過程とを実施すること
により、不純ガスをあらかじめ十分に除去することがで
き、また搬送も含めた雰囲気をドライな環境にすること
により、その後の封着工程や排気工程においてさらに付
着する不純ガスの付着を防止することができ、さらには
表示パネルの接合に関する信頼性を損なわない熱処理方
法を提供することができる。
理工程の温度プロファイルを示す特性図
実施する炉の断面図
たプラズマディスプレイの端部を示す断面図
不良の例を示す拡大図
ロファイルを示す特性図
Claims (12)
- 【請求項1】 表示パネルを構成する基板の周辺部を封
着する封着部材の熱処理工程において、第一昇温過程と
それに続く第二昇温過程の少なくとも2つ以上の昇温過
程を有する表示パネルの製造方法。 - 【請求項2】 表示パネルを構成する基板の周辺部を封
着する封着部材の熱処理工程と、この熱処理工程に続く
表示パネルの組立工程、封着工程および排気工程とを有
する表示装置の製造方法において、封着部材の熱処理工
程は第一昇温過程とそれに続く第二昇温過程の少なくと
も2つ以上の昇温過程を有し、かつ熱処理工程に続く表
示パネルの組立工程、封着工程および排気工程までをド
ライエアー雰囲気で実施することを特徴とする表示パネ
ルの製造方法。 - 【請求項3】 ドライエアー雰囲気に代えて、窒素雰囲
気で実施することを特徴とする請求項2に記載の表示パ
ネルの製造方法。 - 【請求項4】 第一昇温過程は封着部材のペースト化に
用いられるバインダー成分の熱酸化分解温度以上で、か
つ封着部材に含まれる低融点ガラスの熱収縮温度以下ま
で加熱昇温することを特徴とする請求項1〜請求項3の
いずれかに記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項5】 第二昇温過程は封着部材の封着温度以上
で、かつ他の構成部材の軟化温度以下まで加熱昇温する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
の表示パネルの製造方法。 - 【請求項6】 第一昇温過程は基板の封着部材を形成し
た側とは反対の側から加熱することを特徴とする請求項
1〜請求項3のいずれかに記載の表示パネルの製造方
法。 - 【請求項7】 封着部材の熱処理工程はドライエアー雰
囲気で行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいず
れかに記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項8】 第一昇温過程まではドライエアー雰囲気
で熱処理を実施し、それに続く第二昇温過程において真
空排気処理を複数回実施することを特徴とする請求項1
〜請求項3のいずれかに記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項9】 第一昇温過程まではドライエアー雰囲気
で熱処理を実施し、それに続く第二昇温過程の降温時に
封着温度以下で真空排気処理を実施することを特徴とす
る請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表示パネルの
製造方法。 - 【請求項10】 第一昇温過程まではドライエアー雰囲
気で熱処理を実施し、それに続く第二昇温過程の降温は
窒素雰囲気下で実施することを特徴とする請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項11】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載
の表示パネルの製造方法に使用する製造装置において、
基板を裏面側から加熱する第一加熱手段と、基板表面も
しくは基板全体を加熱する第二加熱手段とを備えた表示
パネルの製造装置。 - 【請求項12】 第一加熱手段は光線による加熱手段で
あることを特徴とする請求項11に記載の表示パネルの
製造装置。
Priority Applications (1)
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JP2001260760A JP4734802B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 表示パネルの製造方法および製造装置 |
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JP2003068199A true JP2003068199A (ja) | 2003-03-07 |
JP4734802B2 JP4734802B2 (ja) | 2011-07-27 |
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-
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- 2001-08-30 JP JP2001260760A patent/JP4734802B2/ja not_active Expired - Fee Related
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