JP3841172B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電空間を挟んで一対の基板が周辺を封止されてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法に係り、特に放電空間を形成するための封止方法に関する。
【0002】
放電空間は、一対の基板の周辺をシール材で封止して形成した気密空間で、排気と浄化処理を行って不純物のない安定した状態にされた後放電ガスが封入される。量産化に伴って、このような放電空間を迅速且つ確実に得ることのできる方法が求められている。
【0003】
【従来の技術】
まず、プラズマディスプレイパネル(以下PDPと称する)の代表例としてAC駆動の3電極面放電型PDPの構造を説明する。図19は、PDPの一部を切り出した状態の斜視図である。
【0004】
図19に示すように、前面ガラス基板50の内面には、基板面に沿った面放電を生じさせるための表示電極(サスティン電極とも称される)X,Yが、マトリクス表示のラインL毎に一対ずつ配列されている。表示電極対X,Yは、フォトリソグラフィ技術によって形成されるもので、それぞれがITO(Indium Tin Oxide)薄膜からなる幅の広い直線状の透明電極52と多層構造の金属薄膜からなる幅の狭い直線状のバス電極53とから構成されている。
【0005】
また、表示電極X,Yを放電空間に対して被覆するように、AC(交流)駆動のための誘電体層54がスクリーン印刷により設けられている。そして、誘電体層54の表面にはMgO(酸化マグネシウム)からなる保護膜55が蒸着されている。
【0006】
一方、背面ガラス基板51の内面には、アドレス放電を発生させるためのアドレス電極56が表示電極X,Yと直交するように一定ピッチで配列されている。このアドレス電極56もフォトリソグラフィ技術によって形成されるもので、バス電極53同様に多層構造の金属膜により形成される。
【0007】
このアドレス電極56上を含む背面ガラス基板51の全面には、スクリーン印刷により誘電体層57が形成され、その上層には、高さが150μm程度の直線状の複数の隔壁58が、各アドレス電極56の間に一つずつ設けられている。
【0008】
そして、アドレス電極56の上部を含めて、誘電体層57の表面及び隔壁58の側面を被覆するように、フルカラー表示のためのR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の蛍光体60がやはりスクリーン印刷により設けられている。
【0009】
また、放電空間59中には、放電時に紫外線を照射して蛍光体を励起するNe−Xe(NeとXeの混合ガス)等の放電ガスが数百torr程度の圧力で封入されている。そして放電空間59を封止するためのシール材(シールガラス層)61が基板周辺部に設けられている。
【0010】
前面ガラス基板50と背面ガラス基板51とはそれぞれ個別に形成され、最終的に両基板を放電空間を有するようにシール材61により貼り合わせてPDPは完成される。
【0011】
上記シール材61により外部と遮蔽される放電空間を形成する工程を含めた従来のPDPの製造方法を図20及び図21を参照しながら説明する。図20及び図21は従来技術を説明するための図であり、図20は封止工程時のPDP状態を示す断面図及び平面図、図21は時間経過に伴う加熱や排気の処理サイクルを示す図である。
【0012】
図19に示すシール材61は、ペースト状のガラス材を塗布した後、これを固化することで背面ガラス基板51側に形成されており、封止工程においてこのシールガラス層(シール材)を一旦溶融して再度固化させることにより前面ガラス基板50側との接合を行なうものである。
【0013】
図20に示すように、従来の封止工程におけるPDP71は、前面ガラス基板72と背面ガラス基板73とがシール材74を介在した状態で重ね合わされてその周辺を多数のクリップ77により固定されている。このクリップ77は、前面ガラス基板72と背面ガラス基板73を挟持固定するとともに、シール材74を溶融する際に所定の圧力をシール部分に加えるためのものである。
【0014】
つまり、シール材74により封止を行なう工程において、所望の放電空間76を得るには、一対のガラス基板72,73間に介在するシール材74を加熱により溶融させてから隔壁で規定される所定の高さまで押し潰す(圧縮させる)必要があり、そのためにはシール材74の溶融時に一対のガラス72,73が相互に近づく方向に所定の圧力を加えなければならない。この圧力を得るために、多数のクリップ77が必要であった。
【0015】
なお、背面ガラス基板73の周辺部には、導通管(ガラス管)75が放電空間76と連通するように設けられており、これを通して放電空間を排気しかつ放電ガスが充填される。
【0016】
このように多数のクリップ77を用いてガラス基板対72,73を挟持固定した状態で封止処理を行なう従来の方法においては、3mm程度の薄いガラス基板が直接クリップで挟持されるわけであるから、そのストレスによりガラス基板を損傷させる可能性がある。従って、弱い圧力で比較的長い時間をかけて封止を行なう必要がある。
【0017】
以上のような従来の処理サイクルを図21に示し、さらに詳しく説明する。
【0018】
図20に示すように複数のクリップ77で固定されたガラス基板対72,73は、加熱炉内に搬入され、導通管75にはシールヘッドが装着される。シールヘッドは、排気ポンプやガスボンベに接続されており、導通管75に密閉状態で装着される。
【0019】
このような状態において、まず加熱用のヒーターを動作させて加熱炉内の温度をシール材74の溶融温度に達するまで徐々に高める(温度上昇期間T1)。その後、加熱炉内をシール材74の溶融温度に一定時間保持させる(温度保持期間T2)。この温度保持期間において、シール材74が溶融してクリップ77の圧力によって前面ガラス基板72と背面ガラス基板73とを隔壁58(図19参照)で規定される間隙になるまで近接させる。
【0020】
この工程は、前述したように弱い圧力のクリップを挟持した状態でゆっくりと行なう必要があるため、温度保持期間T2は比較的長い時間を要する。
【0021】
しかして前面ガラス基板72と背面ガラス基板73との間隙が隔壁で規定される所定間隙になったところで、加熱炉内の温度をシール材74の固化温度まで低下させる(温度降下期間T3)。ここまでの期間では、放電空間76内の排気及びガス導入は実施されない。
【0022】
次に、温度降下期間T3において降下させた温度を一定時間保持させる(温度保持期間T4)。この温度は、シール材74が溶融することのないレベルで比較的高い温度に設定している。この温度保持期間T4の開始と同時に、放電空間76内は導通管75を介して排気される。
【0023】
この排気は、放電空間76内に存在する不純物を除去するために行なうものであり、誘電体層や保護膜等に吸着した不純なガスの離脱を促進するため、前記した高温状態の温度保持期間T4において行われる。従って、温度保持期間T4は、その不純なガスの離脱が終了する時間を基にして設定されている。
【0024】
この後、加熱炉を加熱するヒーターの動作を停止することで、加熱炉内の温度を低下させる(温度降下期間T5)。この間も排気は実施されて更なる不純物の除去が行なわれる。
【0025】
放電空間76内の不純物が除去され、加熱炉内が常温で安定したところ(常温期間T6)で、排気に替えて導通管75より放電ガスを導入する。放電ガスは、例えばネオン−キセノン混合ガスであり、配管に備えられるバルブの切替えにより導入を行なうことができる。
【0026】
以上説明した処理サイクルを経ることによって、前面ガラス基板72と背面ガラス基板73とがシール材により接着され、それら基板間に所定の放電空間76が形成される。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では、多数のクリップ77でPDP71の周辺を挟持することによって、封止時の圧力を得ているため、直接ガラス基板72,73に接触するクリップ77がストレスとなって、ガラス基板72,73を損傷させる恐れがある。そのため、弱い圧力で比較的長い時間をかけて封止を行なっている。
【0028】
従って、封止工程、即ち温度保持期間T2に多くの時間が必要となり、処理効率を悪くしている。また、クリップ圧力のばらつきにより局部的なストレスが加わったり、十分な圧力が得られない部分が生ずることで、ガラス基板が損傷したり不完全な封止部が形成されることになる。
【0029】
このような問題に対するものとして、特開昭50−3570には、一対の基板を封じ用フリットを介して配置、加熱し、このフリットが溶融状態となったときにパネル容器内を排気減圧して両基板を所定のギャップを隔てて封じるパネル容器の封止方法が開示されている。しかしながら、この特開昭50−3570では、放電空間内の不純物の除去を導通管75に相当するガラス管を介してのみ行っているので、不純物の除去に長時間掛かり、また不十分な除去となる恐れがある。
【0030】
本発明は、上記課題を解決して、効率良く、しかも確実な封止と不純物除去を行なうことのできる工程を含む量産に適したプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、シール材が溶融した時に基板対の内と外に圧力差を付与し、それによってシール材に加わる押圧力を利用して周辺シールを遂行する考え方を骨子とするものである。さらに具体的に述べると、本発明によるプラズマディスプレイパネルの製造方法は、一対の基板を間に枠状のシール材を挟んで重ね合わせる工程と、一対の基板間の当該シール材が溶融するまでの加熱条件のもとで当該シール材で囲まれた空間内を排気し、さらに排気を継続しするとともに、当該シール材を加熱溶融させることにより、前記シール材を圧縮し基板対の間隙を規定する工程と、一旦溶融したシール材を固化させることにより、一対の基板を接着固定しそれら基板間に放電空間を形成する工程を順次行なうことを特徴とするものである。
【0032】
上記本発明によれば、一対の基板間を減圧にした状態で、シール材を溶融させるため、内外の圧力差によって、一対の基板がシール材を押し潰しながら引き寄せられる。そのため、外部から基板に加える圧力を最小にでき、従来のような局所的ストレスがなくなると共に、シール材により一対の基板が封止される時間を大幅に短縮するとともに、排気をシール材が融着する以前から開始するので、放電空間内の不純物除去を促進させることが可能となる。また、このように外部押圧力を不要とすることにより多数枚のパネルを1枚のガラス基板から切り出す製造プロセスにおけるシールプロセスに適用して量産効率を上げるうえで都合が良い。
【0033】
さらに、本発明は上述したような3電極型の面放電パネルにおいては、基板内面に放電空間を仕切るための所定パターンの多数の隔壁またはリブが設けられていて、この隔壁によって放電空間のギャップが保持される点に着目し、あらかじめ枠状のシール材の高さを放電空間に配置される隔壁の高さより高く形成し、基板対の組立体を真空加熱炉中に設置して基板対の周囲から排気を行うと共に、シール材の溶融時には基板間を直接排気することにより前記隔壁の高さで定まる所定の放電空間を隔てて周辺シールを行うことを特徴とするものである。
【0034】
かくして上記の本発明によれば、放電空間内に残留する固体状または気体状の不純物をシール材と基板間のリーク間隙を介してシール材が溶融する前の段階で排出除去できるので、プラズマディスプレイパネルの動作特性や表示特性を改善することが可能となる。
【0035】
また、本発明の対象とするプラズマディスプレイパネルでは、一方の基板、とくに背面側の基板に上述の隔壁とともに蛍光体が付設されており、従来その発光特性がシール時に劣化する傾向が見られたが、本発明によればシール材溶融時の加熱が真空雰囲気中で行なわれ、しかも内外の圧力差を利用した十分な清浄化が行われるので蛍光体の発光色の色温度を改善することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明の製造方法における時間経過に伴う基本的な処理サイクルを示す図であり、図2は本発明の製造方法における封止工程のPDPの状態を示す図である。
【0038】
まず、これら図1及び図2を参照して本発明の原理を説明する。
【0039】
本発明では、封止時において溶融するシール材(シールガラス層)を押し潰すための押圧力を、一対のガラス基板間の放電空間となる空間内部とその外部との間に圧力差を発生させることで得るように構成している。つまり、放電空間を排気することで空間内部を減圧状態とし、各ガラス基板に相互に近づく方向の圧力を加えることでシール材を押圧するものである。
【0040】
従って、外部から圧力を加えるために従来用いていた多数のクリップが不要となり、ガラス基板対の位置ずれを防止するための僅かなクリップで基板対を仮固定した状態で封止を行なうことが可能となる。
【0041】
図2(A)(B)は、この封止工程時のPDPの状態を断面図及び平面図で示している。
【0042】
PDP1は、図2(A)に示すように、前面ガラス基板2と背面ガラス基板3とからなり、その間にシール材4が介在された状態でクリップ7にて挟持されている。前面ガラス基板2及び背面ガラス基板3の内面には、電極や誘電体層、隔壁等が形成されているが、図2では便宜上省略している。
【0043】
背面ガラス基板3には、放電空間6内に対して排気及びガス導入を行なうための導通管(ガラス管)5が上方に突出するように設けられており、シールヘッド10を介して配管9に接続されている。導通管5は、背面ガラス基板3に予め形成される貫通穴に接続されている。
【0044】
ここで注目すべき点は、図2(B)から明らかなように、クリップ7はPDP1の周辺部に位置ずれを防止する程度の僅かな数だけ配設しており、その挟持力も従来例に比べ弱いもので良い点である。
【0045】
このような状態でPDP1は、加熱炉8内に入れられて加熱や排気、ガス導入等の処理が施される。図では示していないが、実際には加熱炉8内には上下左右に並ぶ複数の載置棚が設けられていて、複数のPDP1が以下に説明する図1の処理サイクルに従って同時に処理される。
【0046】
図1に示すように、まず、加熱炉8内の温度をシール材(シールガラス層)4の溶融温度に達するまで徐々に高める(温度上昇期間T1)。その後、加熱炉内をシール材4の溶融温度に一定時間保持させる(温度保持期間T2)。この温度保持期間T2において排気を開始する。
【0047】
固化していたシール材(シールガラス層)4は、温度保持期間T2において溶融されて基板に接着するようになり、基板との間で間隙がなくなるので、この時に排気を実施することで、放電空間6の内部が減圧となって、前面ガラス基板2及び背面ガラス基板3に相互に近づく方向の圧力が加わり、溶融するシール材4が押し潰されることにより、放電空間6が隔壁で規定される所定の間隙となる。
【0048】
上記のようにガラス基板対2,3の間隙が所定間隙になったところで、加熱炉8内の温度をシール材4の固化温度まで降下させる(温度降下期間T3)。この間も排気は継続して行なっている。
【0049】
次に、温度降下期間T3において降下させた温度を一定時間保持させる(温度保持期間T4)。この温度は、シール材4が溶融することのないレベルで比較的高い温度に設定している。温度保持期間T4も更に排気は継続している。
【0050】
温度降下期間T3以降における排気は、放電空間6内に存在する不純物を除去するために行なうものであり、誘電体層や保護膜、隔壁ならびにシール材等に吸着した不純なガス(炭化水素など)や水分の離脱が高温下であれば促進されるため、比較的高い温度を継続させる温度保持期間T4を設けている。
【0051】
温度保持期間T4は、前記保護層等から離脱する不純なガス等が表示等に影響がない程度に微量になるまでの時間を基にして設定されている。その後加熱炉8におけるヒーターの動作を停止することで、加熱炉8内の温度を低下させる(温度降下期間T5)。このT5期間も排気は実施されて更なる不純物の除去が行なわれている。
【0052】
放電空間6内の不純物が除去され、加熱炉8内が常温で安定したところ(常温期間T6)で、排気に替えて導通管5より放電用のガスを導入する。放電ガスは例えばネオン−キセノン混合ガスであり、配管9に備えられるバルブを開くことで導入を行なうことができる。この時、排気ポンプの動作は停止されると共に、排気側のバルブは閉められる。
【0053】
この後、放電空間6内の気密状態を解くことなく、導通管5を除去すると共に導通管5の部分に形成されていた背面ガラス基板3の貫通穴を塞ぐことによりPDP1を完成させる。
【0054】
以上説明した本発明に係る処理サイクルによれば、ガラス基板対2,3に外部から圧力を加えることなく、放電空間内の圧力調整によって、シール材4を押し潰すことが可能となる。従って、ガラス基板2,3に直接接触するようなストレスがないため、放電空間6内が所定の圧力になるようにある程度急激に排気することで短時間での封止が可能となる。しかも、排気によって放電空間内の不純物を除去し清浄化できる。
【0055】
図3〜図5は、本発明の第1の実施形態を説明するための図であり、図3は封止がされるまでのPDP内部の状態を示す断面図、図4はシール材が形成された背面ガラス基板の斜視図、図5は処理サイクルを示す図である。
【0056】
図3(A)に示すように、前面ガラス基板12には、表示電極15と誘電体層16及び保護膜17が形成されている。一方背面ガラス基板13には、アドレス電極18と誘電体層19、及び放電領域と放電間隙を規定する隔壁20と隔壁20の間に配設される蛍光体21、更にシール材14とシール材14の内側への侵入を防止する障壁22が形成されている。
【0057】
前記電極、誘電体層、隔壁や蛍光体等のパネル構成部材の形成は、フォトリソグラフィやスクリーン印刷等の一般的なプロセスにより実施する。
【0058】
図4の斜視図は、シール材14と障壁22の構成をより明確に示している。すなわち、シール材(シールガラス層)14は背面ガラス基板13の周辺部に枠状に形成されており、障壁22はシール材14の僅かに内側に所定の間隔を介して断続的に形成されている。この障壁22は、排気する際にシール材14が表示領域に侵入することを防止するものであり、シール材14近傍に対する排気経路を確保するために間隔を有している。
【0059】
なお、図4においては、説明の便宜上、アドレス電極や誘電体層や隔壁等を省略し、シール材14と障壁22だけを示している
このような構造の前面ガラス基板12と背面ガラス基板13とを重ね合わせ、図3(B)の状態とする。この重ね合わせた状態の基板対を、当該基板にストレスを与えない程度の弱いバネ力を有した位置ずれ防止用のクリップにより固定する。この状態では、図3(B)から明らかなように、背面ガラス基板13に形成されるシール材14が前面ガラス基板12を支持しており、隔壁20と前面ガラス基板12(保護膜17)との間には間隙が空けられている。またシール材14の上端部の全てが平坦でないために、該シール材14と前面ガラス基板12との間には小さな間隙が形成されている。
【0060】
このようにして仮固定された前面ガラス基板12と背面ガラス基板13は、加熱炉内に搬入され加熱及び排気処理が開始される。(加熱炉内での状態は図2参照)
図5はこの処理サイクルを説明するための図で、(A)は加熱炉内の温度プロファイル、(B)は放電空間内の圧力プロファイルを示す。図5(A)で示されるように、加熱炉内ではまず、ヒーターを作動させることで、炉内温度を常温から徐々に上昇させる(温度上昇期間T1)。本実施形態で使用するシール材14は低融点ガラスを主成分とするものであり、その溶融温度はほぼ400℃であるため、温度上昇期間T1においては、400℃まで加熱炉内の温度を上昇させる。
【0061】
炉内温度が400℃付近になると、シール材14が溶融され、溶融状態のシール材上端面は、前面ガラス基板12に接着するので、シール材と前面ガラス基板12との間には、間隙が無くなる。この結果、前面ガラス基板12と背面ガラス基板13間の間隙(放電空間)は密閉状態となる。
【0062】
この後、シール材14を溶融する温度(400℃)を一定時間保持させる(温度保持期間T2)。この温度保持期間T2において、図5(B)で示すように排気を開始して、密閉状態の放電空間内部の圧力を所定の減圧、例えば50,000〜70,000Pa(パスカル)程度にする。この圧力は、溶融するシール材14を押し潰して前面ガラス基板12と背面ガラス基板13とを引き寄せるために必要な圧力であり、シール材14の材料や放電空間内の容積等に合わせて適宜選定するものである。
【0063】
放電空間内が所望の圧力(50,000〜70,000Pa)になったところで、一旦排気を停止して圧力を保持する。この時、シール材14は溶融しており、かつ放電空間内部が減圧状態になっているので、前面ガラス基板12と背面ガラス基板13とはシール材14を押し潰しながら引き寄せられる。一方、前記排気を途中で停止したことで、溶融状態のシール材は放電空間内に流出しない。
【0064】
所定の時間経過後、前面ガラス基板12と背面ガラス基板13とは、図3(c)に示す如く、隔壁20で支持される位置まで引き寄せられる。本実施形態では、温度保持期間T2を10分に設定しており、この設定時間により、所望の放電空間を得ることができた。
【0065】
その後、加熱炉内の温度をシール材14の固化温度まで降下させ(温度降下期間T3)、シール材14による封止を完了させる。
【0066】
次に、温度降下期間T3において降下させた温度を一定時間保持させる(温度保持期間T4)。この温度は、シール材14が溶融することのないレベルで比較的高い温度である350℃に設定している。
【0067】
温度保持期間T4の前半において、排気を再開し放電空間内の圧力を従来例同様の10-3Pa程度の高真空にしてから、導通管より放電用ガスであるネオン−キセノン混合ガスを放電空間内に導入し、その後、再度排気を開始する。ここで行なうガス導入は、放電空間内部の不純物を洗い出すためのものであり、空間内の隅々まで放電用ガスを送り込んだ後、これを排気することで、より確実な不純物除去を可能としている。
【0068】
この後、温度保持期間T4は所定の時間継続しているが、これは高温下にしておくことにより、誘電体層16,19や保護膜17等からの不純物ガスの発生を促進させて、これを除去するためである。
【0069】
また、温度保持期間T4のガス導入直後の排気時には、アドレス電極に所定電圧を印加することでエージング処理を行なっている。このエージング処理は、アドレス電極の安定化を図るものである。
【0070】
温度保持期間T4は、パネル構成部材からのガスの発生がなくなる時間で設定されており、その後加熱炉におけるヒーターの動作を停止することで、加熱炉内の温度を降下させる(温度降下期間T5)。この期間も排気は実施されて更なる不純物の除去が行なわれている。
【0071】
放電空間内の不純物が除去され、加熱炉内が常温で安定したところ(常温期間T6)で、排気に替えて導通管より放電ガス、すなわちネオン−キセノン混合ガスを導入する。
【0072】
このような処理サイクルを経ることによって、ガラス基板対12,13が貼り合わされてその間に隔壁で規定される所望の放電空間が形成され、放電空間には放電ガスが封入されれる。
【0073】
本実施形態によれば、従来数時間要していた封止工程、つまり温度保持期間T2を、数十分程度とすることが可能となる。また、多数のクリップを取り付ける工数も必要としないため、製造効率を大幅に向上させることとなる。
【0074】
また、本実施形態において製造したPDPについて、そのシール部分の厚みを複数箇所で測定したところ、予め設定した基準値とほぼ同等であり、所望の封止が実施されたことが確認された。
【0075】
更に、輝度や蛍光体の色温度が、従来のクリップ圧力で封止する場合に比べ向上し、色温度の場合20%弱向上することが確認されており、さらに電流値も安定していた。これは放電空間が精度良く形成されたことと、不純なガスが十分に排気されたこと、シール時における大気中の高温処理を回避したことによるものと思われる。
【0076】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る障壁の変形例を説明するための平面図である。この変形例における障壁はシール材の表示領域への侵入をより確実に防止するものである。
【0077】
すなわち、図6に示すように、背面ガラス基板13’のシール材14の内側には、シール材14が延びている方向に対して傾斜する方向に排気経路を有する障壁22’が形成されている。このような形状の障壁22’であると、排気経路を確保しながら、シール材14の侵入を確実に防止することが可能となる。
【0078】
なお、本実施形態における障壁は、放電空間を排気する際に溶融するシール材が表示領域に侵入することを防ぐものであるが、排気力や排気時間を選定すればシール材は内方に引き込まれることはなく、その位置を保持させることができるため、障壁は必ずしも必要ではない。
【0079】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るPDPを示す図であり、図7(A)は平面図、図7(B)は断面図である。本実施形態は、本発明が特に好適となる複数パネルの同時形成を行うものである。
【0080】
量産化に伴い、効率の良い製造を行なうために、1枚(対向する一対)のガラス基板から複数のPDPパネル基板を得る方法が採用され始めている。この方法は、大型のガラス基板上に電極や誘電体層、隔壁等の構成部材を複数のパネル相当数分同時に形成した後、その大型ガラス基板を1枚のパネル分毎に切断し分割することにより、最終的に複数のPDPを得る製造技術であり、製造効率を向上することができる。
【0081】
図7に示すPDP31(ここでは2枚が一体となっている状態もPDPと称する)は、上述したように電極や誘電体層等がそのパターンを変更することで、2枚分のPDPが同時に形成されている。
【0082】
2枚分の大きさを有する大型の前面ガラス基板32と背面ガラス基板33との間には、2組の枠状のシール材34a,34bが並列するように介在されており、また背面ガラス基板33には各シール材34a,34bで囲まれる領域に2組の導通管35a,35bが設けられている。
【0083】
このように2組のシール材34a,34bを形成した場合、基板の周辺部のみにシール材を形成する1枚の場合と異なり、ガラス基板の中央部にもシール材が配設されることになる。従って、クリップによってシール材に対する押圧力を得る従来の技術であると、中央部のシール材に圧力を加えることができない。そのため、上下からガラス基板の中央部に位置するシール材に押圧力を加えるための治具(大型クリップ等)が必要となり、その装置は大掛かりなものとなる。
【0084】
これに対して本発明は、放電空間内を減圧することによってシール材に対する押圧力を得る構成であるため、そのようなクリップ(大型クリップを含む)を必要としない。従って、本実施形態の如くガラス基板の中央部にシール材が存在する場合であっても、簡単且つ確実に封止を行なうことが可能となる。
【0085】
図7に示すPDP31は、この状態で加熱炉内に搬入され、封止及び排気処理が施される。
【0086】
加熱炉内においてPDP31は、導通管35a,35bにそれぞれ異なるシールヘッドが装着され、別系統の配管を介して放電空間の排気及び放電用ガスの導入が行なわれる。
【0087】
この後の処理サイクルは、図5に示す第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。この処理サイクルを経て、第1の実施形態と同様、放電用ガスを導入し、導通管35a,35bを除去した後、PDP31を加熱炉より搬出して、前面ガラス基板32及び背面ガラス基板33を中央の切断線36に沿って切断することで、2枚のPDPを同時に完成させる。
【0088】
以上説明した本実施形態によれば、量産性を高めるためにPDPを2枚同時に形成する場合に、ガラスの中央部についても、外部から圧力を加えることなく、確実に封止することが可能となる。
【0089】
図8は、本発明の第3の実施形態に係るPDPを示す図であり、図8(A)は平面図、図8(B)は断面図である。本実施形態は、第2の実施形態に比して更に量産性を高めるために、4枚のPDPを同時に形成するものである。
【0090】
図8に示すPDP41(ここでは4枚が一体となっている状態もPDPと称する)は、上述したように電極や誘電体層等がそのパターンを変更することで、PDP4枚分同時に形成されている。
【0091】
この実施形態では、大型のガラス基板を切断線に沿った4つの領域に区画し、その各区画領域にそれぞれ枠状のシール材44a,44b,44c,44dを配置するとともに、背面ガラス基板43の各シール材で囲まれた領域内に4組の導通管45a,45b,45c,45dを配設している。
【0092】
ここで、4組の導通管45a,45b,45c,45dは、背面ガラス基板43上の4つの領域が互いに隣接している基板中心部において近接して設けられ、そうすることで共通の配管により同時に排気、放電ガスの導入が行えるように工夫されている。
【0093】
すなわち本実施形態のPDP41は、加熱炉内において図8(B)に示すように、4組の導通管45a,45b、45c、45dがシールヘッドを介して1本の配管47に接続されることになる。従って、矢印で示すように、配管47を介して排気及び放電ガスの導入を行なうと、それぞれ個別に形成される放電空間内に同時に処理がなされる。
【0094】
加熱炉内に搬入されたPDP41の処理は、図5に示す第1の実施形態と同様な処理サイクルであるため、その説明は省略するが、シール材44a,44b,44c,44dを溶融させた状態でそれぞれの放電空間内を減圧にするので、外部から圧力を加えることなく、容易に封止を行なうことができる。
【0095】
本実施形態においても、第2の実施形態と同様、ガラス基板の周辺部以外の領域(中央部)にもシール材が配設されているが、上述したように放電空間を減圧にすることにより、シール材を押圧する圧力を得て封止を行なうため、この部分の封止も確実に実施できる。
【0096】
このように封止を行なった後、放電空間内の不純物の除去、放電ガスの導入を行ない、更に導通管45a,45b,45c,45dを除去する。その後、PDP41を加熱炉より搬出して、前面ガラス基板42及び背面ガラス基板43を切断線46に沿って切断することで、4枚のPDPを同時に完成させる。
【0097】
以上説明した本実施形態によれば、量産性を高めるためにPDPを4枚同時に形成する場合に、ガラスの中央部についても、外部から圧力を加えることなく、確実に封止することが可能となる。
【0098】
また、導通管45a,45b,45c,45dを背面ガラス基板43の中央部に近接して設け、共通の配管47を介して、排気及び放電ガスの導入を行なうため、排気系の構造が簡単になり、その制御も容易となる。
【0099】
上記の実施形態において、放電空間中の不純物を洗い出すために温度保持期間T4中に放電空間にガスを導入したが、このガス導入時期は、図5に示したT2の温度保持期間を長く設定し、T2開始後10分程度経過した後に導通管より放電ガス、窒素ガスまたはアルゴンなどを放電空間内に導入して、その後、再度排気を開始しても同様の効果を得ることができる。
【0100】
また、上記実施形態において、排気は加熱炉内温度がシール材を溶融する温度に達してから開始させていたが、この排気開始はシール材溶融温度以下の状態で行ってもよい。
【0101】
第4の実施形態は、排気開始を加熱炉内の加熱処理の開始に同期させた例であり、図9(A)、(B)はその処理サイクルにおける炉内の温度プロファイルと放電空間内の圧力プロファイルを示す。
【0102】
この実施形態では、図9(A)に示す如く温度上昇開始時に排気を開始し、温度保持期間T2の半ばで排気を一時停止させている。このように、温度上昇と同時に導通管からの排気を開始すると、図9(B)に示すように、当初は放電空間内の圧力に変化はなく、シール材の溶融温度である400℃付近から放電空間内の圧力が低下し始める。
【0103】
つまり、炉内の温度がシール材の溶融温度に達するまでは、未溶融状態のシール材と前面ガラス基板との間に存在する間隙を介して、炉内のガス(空気)が放電空間内に引き込まれるために、放電空間内の圧力は変化しない。この時に、基板周辺部から放電空間に引き込まれる気流によって、放電空間内の不純物(炭化水素など)が導通管を介して放電空間の外部に排出される。従って、不純物除去をより一層向上できる。
【0104】
その後、シール材の溶融温度に達すると、シール材が前面ガラス基板と密着し始め、放電空間が密閉されていくため、排気を継続すると放電空間内の圧力が低下し、排気を停止した時点で圧力が一定となる。
【0105】
このように、本実施形態においては、排気をシール材が融着する以前から開始するので、放電空間内の不純物除去を促進させることができる。また、この場合に炉内の雰囲気を窒素などの清浄ガスにしておくと、更に効果的である。
【0106】
なお、圧力保持後の処理は、第1の実施形態と実質的に同様であるため、その説明は省略する。
【0107】
図10〜図12は、本発明の第5の実施形態を説明するための図であり、図10はガラス基板対101、102を重ね合わせた状態を示す断面図、図11はこの基板対101、102の封止工程を示す図、図12は処理サイクルを示す図である。前面ガラス基板101および背面ガラス基板102には、第1の実施形態と同様に、各種電極、誘電体層、保護膜、隔壁、蛍光体などが配置されている。
【0108】
この第5の実施例が上記第1〜4の実施形態と大きく異なる点は、シール材の封着前に当該シール材と基板との間に微小の間隙を形成し、この状態で基板対をシール材が溶融しない温度で加熱しながら真空排気することによって基板対周囲の間隙を通して基板対間内の不純ガスを排気することにある。
【0109】
前面ガラス基板101と背面ガラス基板102は、重ね合わされ、ニッケル/クローム/モリブデン鋼等の耐熱性で弾性力に富む材料で作られた複数のクリップ7で固定される。この時に、クリップ7の締めつけ位置は、前面ガラス基板101と背面ガラス基板102で形成される放電空間103のシール材104に直近の隔壁20に近い場所となるようにクリップ7を取り付ける。クリップ7を取り付けた状態で、隔壁20の頂部は、前面ガラス基板101のMgO保護膜(図示せず)と密着する程度にクリップ7の締めつけ力を調整する。この締めつけ力の調整は、予め用意してある各種の締めつけ力のクリップ7から最も好ましいクリップ7を選んでもよい。
【0110】
ここで、前面ガラス基板101と背面ガラス基板102の重ね合わせ工程が完了するが、このとき隔壁の高さよりもシール材の高さが大きいことと、クリップ7の締めつけ力によって基板対の周辺には図10に示すような反りが生じる。この工程で重要な点は、この基板対の反りと、シール材104自身の形成バラツキによるシール頂部の凹凸とによって、重ね合わせた前面ガラス基板101と背面ガラス基板102上のシール材104の頂部との間に、気体が自由に移動できる間隙105を形成することである。
【0111】
このように重ね合わせた基板対101、102(以下、PDP100と称する)の貫通穴115に、予め形成された成形ガラスフリット119を配置する(図11参照)。この成形フリットガラス119は、PDP100を次工程に搬送する際に、移動しない(位置ズレしない)程度に背面ガラス基板102に、低温加熱で分解する樹脂によって固定されている。
【0112】
つぎに、このPDP100は、加熱しながら真空排気可能な真空加熱炉110に投入される。この真空加熱炉110は、図示していないヒーターによって加熱され、排気口111を経由して接続されている真空ポンプ(図示せず)によって炉内を排気して、炉内を高真空状態にされることが可能である。また、後に説明する様に,放電空間103内のみの排気や、放電空間103への放電ガスの充填を行うための昇降型シールヘッド112がベローズ113を介して真空加熱炉110に設置されている。
【0113】
この真空加熱炉110でPDP100は、図12に示す処理サイクルを受ける。真空加熱炉110は、加熱を開始するとともに、炉内の真空排気を開始する。本実施例で使用するシール材104は、軟化点温度が420°C〜440°C程度の特性を有したものであり、溶融開始温度はおよそ370°〜390°Cである。この溶融開始温度の直前の350°〜370°C付近では、シール材104の頂部と基板との間の間隙105はまだ維持されている。したがって、この真空排気の温度領域では、PDP100の周囲から,この間隙105を介してPDP100の空間に残留している不純ガスを排気することが可能であり、この温度領域は最も効率よく不純ガスを除去できる温度領域である。このために、不純ガスが除去できるまで一時的に基板温度を維持する(図12のT2期間)。
【0114】
つぎに、温度を400°〜410°C程度まで上昇させ(図12のT3期間)、シール材104を軟化させる。この時に、クリップ7の締め付け力による前面ガラス基板101、背面ガラス基板102の応力によって、シール材104は変形し出すが、この応力がなければ変形しない程度の粘度となっている。この変形が進み,シール材104の高さが隔壁20と同じ高さまで変形した時点で、この変形は停止する。
【0115】
また、シール材104内には、このシール材104を成形および仮焼成する際に内在した微小気泡が存在する。PDP100の周囲を真空排気して低圧状態にした場合に、シール材104の粘度低下に伴ってこの微小気泡が巨大気泡となる恐れがある。この巨大気泡が存在すると、プラズマディスプレイパネルの放電空間103を気密維持するというシール材104の目的が維持出来ずに、このパネルの信頼性が低下する可能性がある。このために、基板対温度を370°Cから410°Cに昇温させる過程(図12のT3期間)で、PDP100の周囲の圧力を一時的に上昇させる。この操作によって、微小気泡が存在しても、気泡の極端な巨大化は起きることなく信頼性は確保できる。
【0116】
この圧力の一時的上昇は、Arなどの不活性ガスあるいは放電用ガスを真空加熱炉110に導入することによって達成できる。この時の炉内圧力は、シール材104の粘度とのバランスにより最適値が存在する。シール材の温度がシール材の軟化点より低く、粘度が中粘度範囲であれば、数10KPa程度まで減圧しても気泡の発生は見られず、さらに粘度の高い軟化開始温度付近であれば数10Pa以下の高真空であっても気泡の発生は見られない。このように、シール材の温度によって、気泡発生を抑圧する圧力は異なり、種々の処理温度を選択できる。本実施形態では、シール材104の軟化点の温度は420℃〜440℃のものを使用しており、このシール材104を最高410℃程度以下で処理する様にした。従って、基板対周囲の圧力を、大気圧よりもやや減圧状態である数10kPa程度で、気泡の発生を抑えることが可能となる。また、温度上昇と時間により脱ガスで圧力が上昇するので、常に真空加熱炉110の炉内圧力を減圧状態を保つように、排気口111に接続されている真空ポンプを制御する。
【0117】
さらに、シール材104の気密維持の信頼性を高めるためには、仮焼成されたシール材104中に存在する微小気泡の存在率を極小に形成しておくことが重要である。このためには、シール材104を仮焼成する際に、脱バインダプロファイル等の最適化を行うほかに、高温焼成や焼成雰囲気制御による脱泡焼成を予め処理しておくことが有効である。
【0118】
つぎに、シール材104をさらに軟化させるために、PDP100を温度400°〜410°C付近で保持する(図12のT4期間)。この時間T4は、シール材104の変形に要する時間のみであり、本実施例では数分〜数十分程度である。
【0119】
つぎに、PDP100の冷却工程(図12のT5〜T6の期間)に移り、シール材104が固化する350°〜400°C程度で炉内を再度排気し、高真空を維持したまま常温まで降温する。
【0120】
つぎに、貫通穴115および成形ガラスフリット119全体を覆う状態に昇降型シールヘッド112を装着する。
【0121】
この昇降型シールヘッド112の構造を図11を参照して説明する。昇降型シールヘッド112と背面ガラス基板102とが接触する部分には、真空を維持するために真空シール114が設けられている。この真空シール114によって、昇降型シールヘッド112を背面ガラス基板102に加圧密着することで真空加熱炉110は、気密を保てる構造になっている。また、この昇降型シールヘッド112には、排気および放電ガスの充填のための排気/ガス導入配管116が設けられている。この排気/ガス導入配管116には、図示しない真空ポンプや放電空間103に充填する放電ガスを構成する各気体のボンベが切り換え弁を経由して接続されている。またこの昇降型シールヘッド112には、石英ガラス窓118が設けてあり、この石英ガラス窓118越しに赤外線照射ランプ117からの赤外線光を成形ガラスフリット119に向けて照射することが可能となっている。
【0122】
真空シール114が背面ガラス基板102に密着するまで、この昇降型シールヘッド112を降ろした状態で、好ましくは排気/ガス導入配管116を経由して、一旦放電空間103内を排気する。その後、所定の放電ガスをこの放電空間103内に充填する。つぎに、赤外線吸収率の高い材料を使用している成形ガラスフリット119に向けて、石英ガラス窓118越しに赤外線照射ランプ117から赤外線光を照射し、成形ガラスフリット119を溶融して、貫通穴115を封止する。
【0123】
本第5の実施形態では、シール材104の高さが隔壁20よりも高いことを利用し、ガラス基板101、102を重ね合わせた際に、一方の基板とシール材104間に間隙105を生ぜしめ、この間隙105内の不純物をシール材104の溶融前まで基板対周囲を真空排気によって排気除去する工程を付加したので、シール材104に付着する乃至は含まれる不純物を放電空間103を経由することなく排除できるので、放電空間103を汚染することを防止できる。また、まだ密閉構造となっていない段階の放電空間103内の不純物をも除去することが可能となる。
【0124】
また、シール材104に、軟化点温度の高いものを使用し、シール材104が融着する前の不純ガスの除去を可能な限り高温まで実施可能とし、不純物の除去がより確実なものになり、プラズマディスプレイパネルの動作特性の改善が可能となる。
【0125】
さらに、不純物を効率的に除去することが可能になるので、高温下での排気時間を短縮することが可能となる。また、本実施例では導通管を使用せずに放電空間103内の排気や放電ガスの充填を行うようにしたので、導通管の破損に注意を払う必要がない分、製造工程でのPDP100の搬送、取扱、設置が容易である効果も有す。
【0126】
つぎに、図13、14に第6の実施形態を示す。この第6の実施形態は、量産製造方法として、より容易に設備化が可能な方法である。図13は、基板対101、102を含むPDP130の処理工程の状態を示す図、図14は処理サイクルを示す図である。実施形態1〜5と同じ機能を果たす部材には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0127】
この第6の実施形態は、一連の工程中において、設備的に大規模となる真空加熱炉の適用が極一部期間に限定することが可能であり、また、貫通穴封着法にも従来と同じ手法を採用できるため、比較的容易な設備で対応できる特徴を有している。
【0128】
前面ガラス基板101および背面ガラス基板102は、第5の実施形態と同様に形成する。第5の実施形態と同様に、前面ガラス基板101と背面ガラス基板102は重ね合わされて、複数のクリップ7で固定される。クリップ7の締め付け位置についても第5の実施形態と同様に行う。
【0129】
使用する真空加熱炉140は、図示していないヒータによって加熱され、排気口141を経由して接続される真空ポンプ(図示せず)によって炉内が排気され、高真空状態にされることが可能である。
【0130】
つぎに、貫通穴を有する成形ガラスフリット131およびフレア加工を施した導通管132は、クリップ7’でこのフレア加工部を押圧することにより固定される。このクリップ7’のクリップ先端は、導通管132の管状部分を回避してフレア加工部を押圧するために、U字状の切り欠が設けられている。導通管132のフレア加工を施されていない先端には、シールヘッド133を装着する。ここで使用するシールヘッド133には、導通管132を周囲から締め付ける方向に加圧密着することで真空を維持できる樹脂が設けられている。この樹脂の耐熱性は、200°C程度であり、この樹脂全体を冷却するために、冷却水を循環させる冷却水配管135をシールヘッド133に設けてある。
【0131】
さらに、背面ガラス基板102の貫通穴115は、成形ガラスフリット131の孔、導通管132を介して、排気/ガス導入配管134に接続されている。この排気/ガス導入配管134は、図示していない切り換え弁を介して、真空設備と放電ガスを供給する設備に接続されている。
【0132】
真空加熱炉140に投入された重ね合わせた基板対は、不純ガスの影響による基板性能の変化が起きにくい350°C程度まで基板破損が発生しない程度の急激な昇温レートで昇温する(図14のT1)。
【0133】
つぎに、真空加熱炉140内を排気することによって、重ね合わせた基板対の周囲全体を真空排気し、かつ基板温度を350°〜370°C程度に維持しておく(図14のT2)。
【0134】
この時、シール材104、未溶融であるために、第5の実施形態と同様に基板から発生する不純ガスをシール材104と前面ガラス基板101との間隙105(図10を参照)から、効率良く除去することが可能となる。この不純ガスの除去が完了するまで、基板温度の維持を継続する。
【0135】
つぎに、重ね合わせ基板の温度を370°〜410°Cに昇温する(図14のT3)。この時、第5の実施形態と同様に、シール材104の溶融および融着が順次おこなわれ、同時に成形ガラスフリット131の溶融および背面ガラス基板102と導通管132のフレア部の融着も順次おこなわれる。シール材104および成形ガラスフリット131による融着が完了すると、重ね合わせた基板対によって形成された放電空間103と導通管132は、シールヘッド133を介して排気/ガス導入配管134に対して、閉じた系となりシールヘッド133を介して真空排気が可能となる。
【0136】
ここで、真空加熱炉140内の圧力に対して、閉じた系となった放電空間103内の圧力を負圧に制御し、炉内圧力を基板に対して常時加圧状態とし、この加圧力を利用して溶融したシール材104の変形を行う。
【0137】
この第6の実施形態では、第1〜4の実施形態と同様に、重ね合わせた基板を締め付け固定するクリップ7は、締め付け力を前面ガラス基板101、背面ガラス基板102が位置ズレしない程度に弱めたり、取り付け個数を減らしたりすることが可能となる。
【0138】
また、シール材104が完全に溶融するまでに、重ね合わせ基板の周囲を大気圧レベルまで戻す。この操作によって、第4の実施形態と同様にシール材104に内在する微小泡が巨大化することによる不具合を対策することが可能となる。本第6の実施形態では、重ね合わせ基板が閉じた系となった状態では、その内部は不純ガスによって汚染されないために、炉内を大気圧に戻すために導入するガスには、大気を用いることが可能となる。また、純度の高い不活性ガスや放電用ガスは重ね合わせ基板内部に充填する極僅かな量で処理することが可能となる。さらに、大気リーク後の工程(図14のT4〜T6)は、従来プロセスと同様に大気加熱炉内での処理が可能となる。
【0139】
つぎに、重ね合わせ基板内部の排気を継続し、不純ガスの残留が無い様に一定時間保持(図14のT4)するが、基板から発生する不純ガスの大半はシール材104の融着以前の周囲からの真空排気で除去されているために、従来方法よりも短時間で降温工程(図14のT5)に移行することが可能になる。
【0140】
また、第5の実施形態の様に、重ね合わせ基板内に真空加熱炉140内を経由する不活性ガスなどの導入を行わないために、不活性ガスの汚染による問題も少なく、歩留りも有利になる。
【0141】
つぎに、第5の実施形態と同様に重ね合わせ基板が常温となるまで降温(図14のT6)し、放電用ガスをシールヘッド133および導通管132を介して充填する。ついで、導通管132を切り取り、パネルを完成する。
【0142】
本第6の実施形態によれば、ガラス基板を弱い挟持で保持でき、かつ放電空間103内の不純物を十分に除去することができる。さらに、一連の工程中において、設備的に大規模となる真空加熱炉の適用が350°〜410°C程度の極一部期間(図14のT2〜T3)に限定することが可能であり、また、貫通穴115の封着法にも従来と同じ手法を採用できるため、比較的容易な設備で対応でき且つ、信頼性も向上する。
【0143】
次に第7の実施形態を図15〜18に示す。本実施形態では、第6の実施形態で使用したPDP130を使用する。図15は、基板対101、102を含むPDP130の処理工程の状態を示す図、図16は処理サイクルを示す図である。図17はシールヘッドの詳細を示し、図18はこのシールヘッドの動作を示す。第1〜6の実施形態の部材と同じ機能を果たす部材には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0144】
第7の実施形態では、第6の実施形態の様に導通管132にシールヘッド150を常時、取り付けて置く必要が無い点と、同実施形態の様に、必要とする期間のみ基板対の周囲を高真空にすればよい点の両方を満足させた製造方法である。
【0145】
前面ガラス基板101および背面ガラス基板102は、第5の実施形態と同様に形成する。第5の実施形態と同様に、前面ガラス基板101と背面ガラス基板102は重ね合わされて、複数のクリップ7で固定される。クリップ7の締め付け位置についても第5の実施形態と同様に行う。
【0146】
つぎに、第6の実施形態と同様に、成形ガラスフリット131およびフレア加工を施した導通管132は、クリップ7’で固定される。導通管132のフレア加工が施されていない先端部は、第5の実施形態と異なり開放状態となっている。
【0147】
つぎに、重ね合わされた基板対は,真空加熱炉160に投入され、昇温される(図16のT1)。不純ガスの影響による基板性能の変化が起きにくい350°C程度までは基板破損が発生しない程度の急激な昇温レートで昇温する。
【0148】
つぎに、重ね合わせ基板の周囲全体を真空排気する。重ね合わせ基板の温度は、350°〜370°C程度に維持して置く(図16のT2)。
【0149】
この時に、シール材104は未溶融であるために、第5、6の実施形態と同様に前面および背面ガラス基板101、102などから発生する不純ガスを効率良く除去することが可能となる。不純ガスの除去が完了するまで、基板温度の維持を継続する(図16のT2)。
【0150】
つぎに、重ね合わせ基板の温度を、370°〜410°Cに昇温する(図16のT3)。この時に、第6の実施形態と同様に、シール材104の溶融および融着が順次行われると同時に、成形ガラスフリット131の溶融および背面ガラス基板102と導通管132のフレア部の融着も順次行われる。
【0151】
つぎに、第6の実施形態と同様にシール材104が完全に溶融するまでに、重ね合わせ基板の周囲の圧力を、排気/ガス導入配管151を介して導入する不活性ガスまたは放電ガスで上昇させる。これによって、第4、5の実施形態と同様にシール材104に内在する微小泡が巨大化することによる不具合を対策することが可能となる。
【0152】
つぎに、シール材104が固化する温度まで降温させるとともに(図16のT5)、再度重ね合わせ基板の周囲からの排気を開始する。この排気によって、図16のT4の期間に発生した僅かな不純ガスは、より確実に除去される。また、必要に応じて、図16のT5では温度を一定に保持してさらに確実な不純ガス除去を行う。
つぎに、冷却を行うが(図16のT6)、冷却効率を向上させる目的で、不純ガスを含まない放電ガスなどを排気/ガス導入配管151を介して、真空加熱炉160内に充填してもよい。
【0153】
つぎに、重ね合わせ基板が常温となるまで降温したのちに、シールヘッド150を図示しない昇降機構によって降下させ、導通管132に装着する。このシールヘッド150の詳細を図17、18を参照して説明する。
【0154】
シールヘッド150の駆動用エアー配管170には、図示していないエアー供給源から、バルブを介して高圧エアーが供給されている。この高圧エアーは、内部配管によって,円筒部171の側壁に設けられたOリング172に供給され、このOリング172の内径を可変にすることが可能となっている。また、円筒部171の頂部壁には、排気/ガス導入配管173が設けられている。一方、シールヘッド150の下部のL字状部先端には、導通管132の一部を融着し、封止するためのヒータ174が設けられている。
【0155】
つぎに、図18を参照してシールヘッドの動作を説明する。図18の(A)は、シールヘッド150が降下する前の状態を示し、同図の(B)は、シールヘッド150が導通管132に装着したときの状態を示し、同図の(C)はシールヘッド150を介して、放電空間に所定のガスを充填して、さらに導通管132をヒータ174で封着した後に,シールヘッド150が(A)の位置に戻った状態を示す。
【0156】
このシールヘッド150を下降させた位置で,Oリング172にエアーを供給して、Oリング172の内径部分と導通管132とを密着させる(図18の(B))。この密着によって、放電空間103は円筒部171を介して、排気/ガス導入配管173と接続される。つぎに、冷却時に導入したガスを排気/ガス導入配管173に接続した真空ポンプ(図示せず)により排気した後に、放電用ガスを排気/ガス導入配管173、シールヘッド150および導通管132を経由して規定の圧力になるまで、放電空間103内に充填する。ここで、冷却用ガスに放電用ガスを使用した場合には、放電用ガスの充填圧力の調整のみを行う。
【0157】
この充填後に,ヒータ174に通電して,前記したように導通管132の一部を融着し,封止し,シールヘッド150を上昇させる(図18の(C))。このヒータ174で導通管132の一部を溶融する際に点溶融箇所が管径内側方向に容易に変形する様に、一対の基板の外周囲または溶融箇所の近傍を放電空間内圧よりも高圧に保持してもよい。
【0158】
本実施形態では、第5、6の実施形態の不純物排除の効果に加え、第6の実施形態の様に導通管132にシールヘッド133を常時、取り付けて置く必要が無いので、重ね合わせ基板の搬送などが容易になり、またシールヘッドを常温付近のみで使用するので、シールヘッドからの不純ガスの発生を回避でき、また耐高温性の部材等を使用せずに済み比較的容易な設備で対応でき且つ、信頼性も向上する。
【0159】
また、本第7の実施形態で使用したシールヘッド150は、耐熱性部品を使用したり、冷却水を循環する構造とすることによって第6の実施形態でも使用でき、本第7の実施形態と同様に常時、取り付けて置く必要が無いので、重ね合わせ基板の搬送などが容易になる効果がある。
【0160】
【発明の効果】
本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法によれば、一対の基板間を減圧にした状態で、シール材を溶融させるため、その内外の圧力差によって、一対の基板がシール材を押し潰しながら引き寄せられることで封止が行なわれる。そのた外部から基板に圧力を加える必要がなくストレスのない状態で封止可能となると共に、シール材により一対の基板が封止される時間を大幅に短縮することが可能となる。また、外部から圧力を加えるための治具の設置時間も短縮され、量産性を向上させることができる。
【0161】
更に、1枚の基板から複数のPDPを得る場合には、基板の中央部のシール材が配設されるが、この中央部の封止も治具を用いることなく確実に実施することが可能となる。
【0162】
更に本発明によれば、放電空間内の不純物をシール材と基板間の間隙を介して除去するのでより確実に放電空間内の不純物を除去することと、シール材から発生する不純物がこの放電空間に残留することを軽減でき、蛍光体の発光特性(色温度)を含めてプラズマディスプレイパネルの動作特性や表示特性改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な処理サイクルを示す図である。
【図2】 本発明に係る封止工程時の状態を示す図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る封止工程を示すPDP断面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態に係る背面ガラス基板の斜視図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態に係る処理サイクルを示す図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態に係る障壁の変形例を示す図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態に係るPDPを示す図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態に係るPDPを示す図である。
【図9】 本発明の第4の実施形態に係る処理サイクルを示す図である。
【図10】 本発明の第5の実施形態に係るガラス基板対を重ね合わせた状態を示す図である。
【図11】 本発明の第5の実施形態に係る封止工程時の状態を示す図である。
【図12】 本発明の第5の実施形態に係る処理サイクルを示す図である。
【図13】 本発明の第6の実施形態に係る封止工程時の状態を示す図である。
【図14】 本発明の第6の実施形態に係る処理サイクルを示す図である。
【図15】 本発明の第7の実施形態に係る封止工程時の状態を示す図である。
【図16】 本発明の第7の実施形態に係る処理サイクルを示す図である。
【図17】 本発明の第7の実施形態に係るシールヘッドの詳細を示す図である。
【図18】 本発明の第7の実施形態に係るシールヘッドの動作を示す図である。
【図19】 PDPの構造を説明するための斜視図である。
【図20】 従来技術に係る封止工程時の状態を示す図である。
【図21】 従来の処理サイクルを示す図である。
【符号の説明】
1,11,31,41,100,130 PDP
2,12,32,42,101 前面ガラス基板
3,13,33,43,102 背面ガラス基板
4,14,34,44,104 シール材
5,35,45,132 導通管
6,103 放電空間
7 クリップ
8 加熱炉
9 配管
10,133,150 シールヘッド
22 障壁
110,140,160 真空加熱炉

Claims (20)

  1. 一対の基板の間にシール材で封止された放電空間を有してなるプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    少なくとも一方の基板に枠状のシール材を形成した後、該シール材を介して他方の基板を一方の基板に重ね合わせる第1の工程と、
    前記重ね合わせた一対の基板を加熱炉内に配置して、前記シール材が溶融するまでの加熱条件のもとで一対の基板間に存在している空間内を排気し、さらに排気を継続して前記空間内を減圧すると共に、前記加熱炉を所定温度に加熱して前記シール材を溶融させる第2の工程と、
    前記シール材を固化させることにより、前記一対の基板を固着させると共に、規定の放電空間を形成する第3の工程と、
    前記放電空間内を排気して、不純物を除去する第4の工程と、
    前記放電空間内に放電用ガスを充填する第5の工程とを含んでなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記基板間の空間内を減圧にするための排気処理と、シール材を溶融させる加熱処理とを同時に開始することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記第2の工程において溶融状態になる前記シール材の内方への侵入を防止する障壁を予め前記シール材の内側の近傍位置に設けることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記第1の工程において前記枠状のシール材は基板上に複数並べて形成され、該複数のシール材及び該複数のシール材によりそれぞれ形成される複数の空間に対して、前記第2〜第5の工程を実施することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記第1の工程において、前記一対の基板は周辺部を仮固定用のクリップにより挟持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第4の工程で前記放電空間内に清浄ガスを導入して放電空間内の不純物を洗い出すことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 内面に隣接電極間での放電を発生させるための複数の電極を備えた一方の基板と、内面に前記放電によって蛍光を発する複数色の蛍光体およびそれら蛍光体を区分けするように設けられた所定パターンの隔壁を有する他方の基板とを対向配置して周辺を封じてなるプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記一対の基板の周辺を封止する工程が、前記他方の基板周辺にその上の前記隔壁よりも高さの高いシール材を配置するプロセスと、
    前記一対の基板を加熱炉内に配置して前記シール材が溶融するまでの加熱条件のもとで前記対向した基板間の間隙を排気するプロセスと、
    引き続き前記基板間の間隙を排気減圧した状態でシール材が溶融する温度まで前記加熱炉を加熱するプロセスとを含んでなることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 一対の基板の少なくとも一方に放電空間を維持する隔壁とシール材とを有し、前記シール材によって前記一対の基板を融着するプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    少なくとも一方の前記基板に枠状の前記シール材を形成し、前記一対のガラス基板を重ね合わせる第1の工程と、
    前記重ね合わせた前記一対の基板を加熱昇温するとともに前記一対の基板の外周囲を真空排気し、基板間の不純物を除去する第2の工程と、
    前記シール材を溶融させるとともに、あらかじめ前記一対の基板のいずれかに設けた貫通穴を介して前記一対の基板間の対向空間を減圧することにより、前記一対の基板間に介在する溶融した前記シール材を押圧して変形させ、前記隔壁の高さで定まる所定の放電空間を形成する第3の工程と、
    前記一対の基板を冷却し、前記シール材を固化させる第4の工程と、
    前記放電空間内に放電用ガスを充填する第5の工程と、
    放電用ガスの充填に使用した貫通穴を封着する第6の工程とを含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第1の工程で、前記シール材の高さを前記隔壁の高さより高く形成し、前記一対の基板を挟み固定するクリップが前記一対の基板を押圧する位置を、前記隔壁の形成されている範囲に置き、基板を反らせてシール材に基板の反りによる応力が加えられている状態で、前記第1から第3の工程を行い、前記放電空間を形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第3の工程で、前記一対の基板周囲の圧力を前記放電空間内の圧力よりも高くすることにより、前記一対の基板周囲から前記放電空間にむけて押圧することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第3の工程において、前記放電空間と前記一対の基板の外周囲とを連通する箇所を塞ぐことにより、前記放電空間と前記一対の基板の外周囲との圧力差を均一にすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  12. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第2の工程において、前記一対の基板からの脱ガスが活発化する温度付近からシール材が前記基板に融着するまでの期間のみ前記一対の基板の外周囲から排気を行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  13. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    あらかじめ孔を有するガラスフリットを前記貫通穴と前記孔が連通する用に配置し前記第6の工程で前記孔を封着することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記基板の貫通穴と連通する導通管を設けるとともに該導通管を介して排気が可能なシールヘッドを配置し、前記第3の工程で前記貫通管と前記シールヘッドとを介して前記放電空間内を排気して減圧することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  15. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第3の工程で、一対の基板対周囲の温度を前記シール材の軟化点度よりも低い温度にして、シール材中に存在する気泡が拡大しない程度に前記一対の基板周囲の圧力を上昇させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  16. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記シール材の融着後に、一対の基板対周囲の温度を前記シール材の軟化点温度よりも低い温度にして、シール材中に存在する気泡が拡大しない程度に前記一対の基板周囲の圧力を上昇させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  17. 請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第3の工程を前記シール材の軟化開始温度よりも高い温度で実施して、前記シール材中に存在する気泡を拡大させないことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  18. 請求項14に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記第5の工程において、前記導通管と前記シールヘッドとを介して放電用ガスを前記放電空間に導入することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  19. 請求項18に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記シールヘッドは前記導通管を加熱し溶融するヒータを有し、前記導通管を介して前記放電空間に放電ガスを導入した後に、前記ヒータで前記導通管を加熱し前記導通管の一部を溶融することにより、前記放電空間を密閉することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  20. 請求項19に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記導通管の一部を溶融する際に、前記一対の基板周囲または前記溶融箇所の近傍を前記放電空間内の圧力よりも高くすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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