JP2003053353A - Pcb含有廃液・排水の処理方法及びその装置 - Google Patents

Pcb含有廃液・排水の処理方法及びその装置

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JP2003053353A
JP2003053353A JP2001248756A JP2001248756A JP2003053353A JP 2003053353 A JP2003053353 A JP 2003053353A JP 2001248756 A JP2001248756 A JP 2001248756A JP 2001248756 A JP2001248756 A JP 2001248756A JP 2003053353 A JP2003053353 A JP 2003053353A
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pcb
waste liquid
amorphous
treatment
porous ceramics
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JP2001248756A
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Shunichi Kumaoka
俊一 隈岡
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SANWA KANKYO GIJUTSU KENKYUSHO
SANWA KANKYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
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SANWA KANKYO GIJUTSU KENKYUSHO
SANWA KANKYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在その処理が問題になっているPCBを含
有する廃液・排水からPCBを、我が国の水質環境基準
を達成しうる程度まで除去しうる実用的な処理方法及び
処理装置を提供することにある。 【解決手段】 PCBを含有する廃液・排水を、気孔表
面が非晶質であるポーラスセラミックスと活性炭との混
合物、望ましくは50:50の混合割合(重量比)のも
のからなる処理剤が充填されたカラムに通気循環処理を
施し、次いで同じ処理剤が充填されたカラムに通液処理
し、PCB含有廃液・排水を処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポーラス(多孔
質)セラミックス及び活性炭を利用した、現在その処理
の確実な方法がないといわれているPCBを含有する廃
液・排水の処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PCB(ポリ塩化ビフェニール)は、化
学的に不活性で、酸、アルカリ水と反応せず、水に難溶
であるが、有機溶剤にはよく溶け、低塩素化合物を除き
不燃性であり、薄膜状にしても乾燥しない、高温でも殆
どの金属・合金を腐蝕しない、耐熱性、絶縁性が良いな
どの特徴を有しており、トランス油、コンデンサー油、
木材、金属などの保護被膜、合成接着剤、潤滑油、熱媒
体、感圧複写紙などきわめて幅広くかつ多方面に用いら
れていたが、環境に排出された後における残留性と食物
連鎖を通じての生物濃縮等、PCBによる環境汚染が大
きな問題となり、我が国においても1972年以降PC
Bの生産は中止され、その使用も規制されてきた。
【0003】そして、1973年10月に「化学物質の
審査及び製造等の規制に関する法律」が公布され、19
74年6月にPCBが特定化学物質の第1号として指定
を受け、一部の密閉系で使用が認められているだけで、
使用・廃棄が厳しく規制されているが、この間、世界で
生産されたPCB総量は約100万トン(日本では約5
万8千トン)といわれており、今後とも長期にわたる汚
染が予想される。
【0004】PCBは化学的に極めて安定であることか
ら、化学的な処理ができず、また蓄積性の物質であるこ
とから、排水基準も0.003ppmと極めて厳しいレ
ベルで定められており、排水基準の他、PCBに係る規
制としては、食品衛生法に基づく食品規格基準の暫定基
準で、沿岸魚3ppm、遠洋魚0.5ppmとなってい
る。
【0005】従来、これらのPCBを含有する廃液・排
水の化学的な処理等で直接的に除去する方法がないのが
現状であるが、一応、凝集剤を用いて浮遊物とともに沈
殿させる凝集沈殿法、塩素数3以上のものは活性汚泥菌
により生化学的に分解することは期待できないが最終沈
殿池で浮遊物とともに沈殿させる活性汚泥法、微量汚染
物質の吸着除去に適用される活性炭吸着法、紫外線やガ
ンマ線のPCB含有アルコール溶液に対する紫外線やガ
ンマ線による照射・分解法、1500℃以上の高温での
分解法等の処理方法が報告されているが、いずれもPC
Bの処理方法として満足できるものではなかった。
【0006】他方、従来からポーラス(多孔質)セラミ
ックスを利用した各種廃液・排水の処理方法は知られて
いる。例えば、本発明者らによる特開昭58−2055
16号公報には、ケイ石−粘土の混合物に長石及びアル
ミナ粉末を加えたものに、おがくずと水を加え混練した
泥状物の成型品を1100〜1200℃で焼成してなる
化学薬品、重金属等の選択除去に優れたチューブ型のセ
ラミック系カートリッジフィルターが記載されている。
【0007】本発明者らによる特公平1−60317号
公報には、処理槽の底部に砂や砂利の層からなる濾過層
を設け、その上にポーラス状のセラミックス粒状物を積
層させた処理層を設け、該処理層の上面と該濾過層の下
面に散気管を配してなる下水等の排水処理装置が記載さ
れている。
【0008】本発明者らによる特開昭61−13649
0号公報には、曝気槽内の廃液・排水の流れの方向を横
断する位置に、間隔をあけて網体等の有孔材料内に充填
してなるポーラス状のセラミックス粒状物からなる濾材
を立設してなる曝気式廃液・排水処理装置が記載されて
いる。
【0009】本発明者らによる特公平1−42758号
公報には、曝気槽内の廃水の流れの方向を横断する位置
に、間隔をあけて網体等の有孔材料内に充填してなるポ
ーラス状のセラミックス粒状物からなる濾材を立設して
なる曝気槽とこの曝気槽と管体にて連通した、その底部
に砂や砂利の層からなる濾過層を設け、その上にポーラ
ス状のセラミックス粒状物を積層させた処理層を設け、
該処理層の上面と該濾過層の下面に散気管を配してなる
処理槽からなる曝気式高度廃水処理装置が記載されてい
る。
【0010】特公平2−1558号公報には、主として
家庭用雑排水、産業廃水、食品加工廃水等の廃液・排水
を、多孔質セラミックスと木質細片を主成分とする処理
媒質中で生物学的に処理する方法が記載されている。
【0011】本発明者らによる特公昭63−66247
号公報には、ポーラスなセラミックスと活性炭との混合
物を濾材として円筒体に充填しフィルター装置とした乳
化性の含油廃液・排水の処理法が記載されている。
【0012】本発明者らによる特開昭60−26158
6号公報には、ポーラスなセラミックスの層の間に活性
炭の層からなる中間層を設けたものを濾材として、水道
水等の飲料水中から、金属、金属イオン及び有機塩素化
合物を除去する方法が記載されている。
【0013】また、本願発明者らによる特開昭61−2
91473号公報には、これら排水・廃液処理に用いら
れる多孔質セラミックスの製造法として、「粘土鉱物粉
末に水を添加混合したスラリーに気孔形成材料を含有さ
せ、乾燥、焼成して多孔質セラミックスを製造する方法
において、前記気孔形成材料は、金属粉末又は有機金属
結合物を気孔表面に結合させる前処理を施し、焼成は空
気中又は窒素雰囲気下で行うことを特徴とする多孔質セ
ラミックスの製造法」が記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在そ
の処理が問題になっているPCBを含有する廃液・排水
の処理に、上記従来のPCBの処理方法や従来から知ら
れているポーラスセラミックスを適用しても、実用レベ
ルで廃液・排水中のPCBを除去することはできなかっ
た。
【0015】また、前記特開昭61−291473号公
報には、その実施例の記載によると、乾燥成型体を昇温
し、1200〜1500℃程度で1時間焼成して多孔質
セラミックスを製造しているが、かかる1200〜15
00℃までの電気炉による短時間での昇温と1時間程度
の焼成では、得られるセラミックスは全体的に均質なも
のとなり、その気孔表面は非晶質とはなっておらず、そ
の圧縮強度においてバラツキが大きく、圧縮強度の小さ
いセラミックスは微粉化しやすく、排水・廃液処理用カ
ラムに充填して用いた場合、目詰まりが生じて長時間の
使用が難しく、また、各種排水・廃液の処理に用いた場
合、有害・汚染成分の除去性能が不十分でかつ長期使用
に難があり、実用的といい得るものではなかった。
【0016】本発明の課題は、現在その処理が問題にな
っているPCBを含有する廃液・排水からPCBを、我
が国の水質環境基準を達成しうる程度まで除去しうる実
用的な処理方法及び処理装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポーラス
セラミックスを利用した、廃液・排水中の各種有害汚染
物質の除去について長年研究をし、気孔表面が非晶質で
あるポーラスセラミックス(特開平10−101452
号公報)を開発した。そして、PCB含有廃液・排水の
処理に、かかる気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
ックスを、特にエアレーション下で用いると、現在その
処理が問題になっているPCBが分解され、効率よく廃
液・排水中の有害汚染物質PCBを除去しうることを見
い出し、加えてかかる気孔表面が非晶質であるポーラス
セラミックスをPCB含有廃液・排水の処理に適用する
際の実用的な最適条件及び最適処理装置を開発すべく鋭
意研究し、本発明を完成した。
【0018】すなわち本発明は、PCBを含有する廃液
・排水を、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミック
スを含有する処理剤で処理することを特徴とするPCB
含有廃液・排水の処理方法に関する。
【0019】また、本発明は、PCBを含有する廃液・
排水を、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックス
を含有する処理剤が充填されたカラムに通気循環処理を
施し、次いで気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスを含有する処理剤が充填されたカラムに通液処理す
ることを特徴とするPCB含有廃液・排水の処理方法に
関する。
【0020】本発明は、また、PCBを含有する廃液・
排水を、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックス
と活性炭との混合物、望ましくは50:50の混合割合
(重量比)のものからなる処理剤が充填されたカラムに
通液処理することを特徴とするPCB含有廃液・排水の
処理方法に関する。
【0021】本発明は、また、粘土と気孔形成材料と水
を混合し、適宜形状に成形後、乾燥させ、該乾燥成型体
の品温を成型体中の気孔形成材料の自燃により5〜15
時間かけて、常温から600〜800℃まで昇温させ、
600〜800℃で3〜7時間保持した後、1200〜
1500℃まで昇温させ、1200〜1500℃で4〜
8時間焼成した後クラッシャー処理して得られる気孔表
面が非晶質であるポーラスセラミックスを用いた、上記
PCB含有廃液・排水の処理方法に関する。
【0022】そしてまた、本発明は、トランスオイル廃
液等のPCB含有廃液・排水の前処理として、すなわち
トランスオイル廃液等のPCB含有廃液・排水にあらか
じめ過酸化水素水を加えておくことを特徴とするPCB
含有廃液・排水の処理方法に関する。
【0023】さらに、本発明は、気孔表面が非晶質であ
るポーラスセラミックスを含む処理剤、望ましくは活性
炭との等重量混合物が充填されたカラムに通気しながら
PCBを含有する廃液・排水を循環させる手段と、気孔
表面が非晶質であるポーラスセラミックスを含む処理
剤、望ましくは活性炭との等重量混合物が充填されたカ
ラムにPCB含有廃液・排水を通液させる手段とを備え
たPCB含有廃液・排水の処理装置に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のPCB含有廃液・排水の
処理方法としては、気孔表面が非晶質であるポーラスセ
ラミックス、例えば、粘土と気孔形成材料と水を混合
し、適宜形状に成形後、乾燥させ、該乾燥成型体の品温
を成型体中の気孔形成材料の自燃により5〜15時間か
けて、常温から600〜800℃まで昇温させ、600
〜800℃で3〜7時間保持した後、1200〜150
0℃まで昇温させ、1200〜1500℃で4〜8時間
焼成した後クラッシャー処理した、気孔表面が非晶質で
あるポーラスセラミックスを含有する処理剤で、PCB
を含有する廃液・排水を処理する方法であれば特に制限
されるものではなく、上記PCBを含有する廃液・排水
としては、トランスオイル等電気機械器具等の絶縁油由
来の廃液の他、熱媒体、古紙再生業からのPCB含有廃
液・排水を例示することができる。
【0025】次に本発明において用いられる、気孔表面
が非晶質であるポーラスセラミックスの製法について述
べる。気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックスの
製法に用いられる「粘土」とは、水分を加えると粘着性
と可塑性を示し、乾くと硬くなる性質を有し、その大部
分が、ケイ酸塩鉱物を主成分とする粘土鉱物から構成さ
れているものをいうが、必要に応じてカルシウム、マグ
ネシウム、ナトリウム、カリウム等他の無機成分等を含
有していてもよい。
【0026】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法に用いられる「気孔形成材料」とは、オガク
ズ、木屑、モミガラ、麦ワラ、フスマ、バーク(木の
皮)等植物に由来するもの、プラスチック屑、粒状吸収
性高分子、炭酸水素ナトリウム等、加熱によってガスを
発生するものであればどのようなものでも用いることが
できるが、オガクズ、木屑が自然段階における急激なガ
ス発生がなく、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
ックスの構造を安定的に形成するという観点から望まし
い。
【0027】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法に用いられる「水」としては、通常水道水が
用いられるが、その他粘土鉱物中にアルカリ分が少ない
場合には海水も使用できる。また、他の原料である粘
土、気孔形成材料に水分が含まれている場合は、その水
分でもって代用することもできる。
【0028】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法において、粘土と気孔形成材料と水との「混
練」は、これら3者を適宜順序で、モルタルセメントミ
キサー等の混練機で均一になるまで混練することにより
行われ、また、これら成分の混合割合は、本発明に用い
られる気孔表面非晶質ポーラスセラミックスが得られる
ならばどのような割合でもよいが、連続気孔部に非晶質
部を多く形成させ、処理対象物質をその他の非平滑部に
吸着させる目的の観点からして、粘土2:水3.2:気
孔形成材料6.76(重量部、以下同じ)の割合の混合
物が望ましいが、これに限定されるものではない。混合
後は、焼成の便なるように、煉瓦状、円盤状等適宜形状
に成型される。
【0029】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法における成型後の「乾燥」は、通常室温で含
水率40%になるまで静置することにより行われるが、
バーナー等を用いた通風乾燥等により実施することもで
き、上記静置乾燥に限定されるものではない。
【0030】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法における「昇温」及び「焼成」は、電気炉、
耐火煉瓦からなる窯業釜又はキルン等上記乾燥後の成型
体を加温・焼成することができるものであればいかなる
ものでも使用しうるが、均一なセラミックス製品を一度
に大量生産することが出来るという観点からは窯業釜又
はキルンが望ましい。
【0031】気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスの製法において、焼成後の成型体は、これをそのま
まブロックタイプやカートリッジタイプのフィルターと
して使用することができるが、これをカラム等に充填し
て用いる場合には通常クラッシャー(粉砕)処理が施さ
れる。このクラッシャー処理には、ロール型等通常の粉
砕機であればどのようなタイプのものでも使用できる
が、カラム等における使用に適さない粉状のセラミック
スの生じる割合を減ずるために、本発明者らが改良した
ロールとロールの最狭部が10〜30mmに調整された
ロール型クラッシャーを用いることが望ましい。
【0032】次に気孔表面が非晶質であるポーラスセラ
ミックスを製造する上で、最も重要な「昇温」及び「焼
成」工程について説明する。まず、成型後乾燥させた成
型体の品温を、徐々に常温から600〜800℃、望ま
しくは800℃まで昇温させる。かかる緩慢な昇温工程
を採用することにより、焼結後のセラミックスの性状が
成型体製造時とほぼ同様の形状を保つことにより、充分
な連続気孔を形成しつつ、充分な処理対象物との反応部
を有するものとなる。
【0033】他方、この緩慢な昇温工程を採用しない従
来の昇温方法、例えば前記特開昭61−291473号
公報に記載されている多孔質セラミックスを製造する場
合のように、電気炉等を用いて急激な昇温過程をたどる
昇温方法を採用すると、焼結後のセラミックスが結晶成
分間の結合が不十分でもろく、同時にセラミックスに形
成された気孔表面の大部分が結晶質で覆われ、被処理成
分が気孔中を通過する際の抵抗が大きくなり、被処理成
分が気孔中へ充分浸透することができないという性質・
性状を有するものとなり、これを排水・廃液中の汚染・
有害成分の除去に適用した場合、その除去が不十分なも
のとなり、かつ長期の使用に耐えうるものが得られな
い。
【0034】かかる緩慢な常温から600〜800℃ま
での昇温に要する時間は、成型物の大きさや量にもよる
が、通常5〜15時間程度、望ましくはおよそ10時間
かけて行う。このような昇温を制御するには、電気炉や
窯業釜およびキルンの加熱加温を調節することによって
実施することができるが、気孔形成材料がオガクズ等可
燃性である場合は、むしろ乾燥成型体の一隅を、例えば
バーナー等により点火し、成型体中のオガクズ等の可燃
性気孔形成材料自体の燃焼(自燃)により行うことが特
に望ましい。この自燃による品温の制御方法は、ポーラ
スセラミックスを調製する上で本発明者らにより初めて
見いだされた画期的な方法であり、この方法を採用する
ことにより、PCB含有廃液・排水等の処理に特に優れ
た気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックス製品が
得られることが確かめられた。
【0035】このように、5〜15時間かけて乾燥成型
体の品温が600〜800℃に達した段階で、成型体中
のオガクズ等の可燃物は灰化する。この段階で、追い焚
き等によりこの600〜800℃の温度を3〜7時間、
望ましくはおよそ5時間保持する。この工程は気孔表面
が非晶質のポーラスセラミックスを製造する上で不可欠
な工程である。
【0036】この工程を採用することにより、粘土中の
アルカリ成分が徐々に溶けだし、その結果、ポーラスな
セラミックスの連続気孔表面が非晶質となり、焼結後の
ポーラスセラミックスの強度が増大する。この工程を採
用することなく、従来行われているように常温から12
00〜1500℃まで一気に加温すると、焼成後のセラ
ミックスの品質にバラツキが生じるばかりか、有害・汚
染物質の除去性能においても不十分なものとなる。
【0037】例えば、その圧縮強度が大きいものから小
さいものまで種々の強度のものが生じ、強度の小さいも
のは、焼成後のクラッシャー処理において粉状になり、
この粉状セラミックスをカラムに充填後、排水・廃液処
理に供すると、流体抵抗が大きく、すぐに目詰まりを生
じ、到底実用に供することはできないものである。
【0038】次に、この600〜800℃で3〜7時間
加熱された成型体は、4時間程度かけて1200〜15
00℃まで昇温させる。本発明において、1200〜1
500℃とその焼成温度に幅があるのは、粘土中の二酸
化ケイ素およびアルカリ分の量を制御し、焼成結果とし
て異なる活性表面を得るためという理由による。すなわ
ち、粘土中のアルカリ分が比較的多く、焼結が容易な場
合については1200℃程度でよいが、ケイ素分が多く
焼結が困難な場合には1500℃での焼成がよく、幅広
い用途に用いることが可能なセラミックスを得るという
理由でおよそ1250℃での焼成が特に好ましい。
【0039】成型体の品温が、1200〜1500℃に
達したならば、この温度で4〜8時間、望ましくは6時
間程度焼成する。この温度での焼成時間が、前記特開昭
61−291473号公報に記載されているように1時
間程度であると、連続気孔形成部の表面非晶質化が不充
分で周囲の粒子との充分な焼結強度が得られないという
理由から、破壊しやすいという欠点を有するセラミック
スしか得られない。
【0040】本発明において、「気孔表面が非晶質」と
は、セラミックス内部に形成される連続気孔の表面が、
ケイ酸ソーダを主成分とする非晶質と、ケイ酸ソーダや
酸化カルシウムなどの結晶質(結晶性粒子)を合わせも
ったものをいう。結晶質(結晶性粒子)の部分は、廃液
・排水中の処理対象成分と反応するが、非晶質の部分は
反応に寄与しない。しかし、連続気孔表面を株式会社日
立製作所製の電界放射型走査電子顕微鏡S−4200型
により加速電圧10KV(二次電子像)及び20KV
(反射電子像)、撮影倍率3000倍の条件下で観察し
たところ、例えば前記特開昭61−291473号公報
に記載されている従来の多孔質セラミックスでは、図1
に示すように、セラミックス粒子の表面1ばかりでな
く、連続気孔2の表面の大部分が結晶性粒子3に覆われ
ており、処理対象成分の流れ4がセラミックス粒子に到
達し、連続気孔2中を通過しようとしても、抵抗が大き
く、処理対象成分が気孔2中へ充分流入・浸透すること
ができず、処理対象成分との反応に寄与するのは、殆ど
セラミックス粒子の表面1であるのに対し、本発明に用
いられる表面非晶質ポーラスセラミックスでは、図2に
示すように、連続気孔2の表面に平滑な非晶質部分5が
存在し、処理対象成分の流れ4がセラミックス粒子に到
達し、連続気孔2中を通過する際の抵抗が少なく、処理
対象成分が気孔2中へ充分流入・浸透することができ、
これにより、セラミックス粒子の表面1のみならず、気
孔2中に存在する結晶性粒子3が処理対象成分と反応
し、その結果優れた廃液・排水処理効果を達成しうると
考えられる。
【0041】本発明のPCB含有廃液・排水の処理方法
における好ましい態様として、PCBを含有する廃液・
排水を、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミックス
を含有する処理剤が充填されたカラムに、通気循環処理
を施し、次いで気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
ックスを含有する処理剤が充填されたカラムに通液処理
する方法を挙げることができる。上記通気循環処理とし
ては、1〜10時間、好ましくは2〜5時間カラムの下
方から通気しながらの送液・循環処理を挙げることがで
きる。
【0042】上記ポーラスセラミックスを含有する処理
剤としては、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミッ
クスと活性炭との混合物、好ましくは等量混合物を具体
的に例示することができる。用いられる活性炭として
は、木炭、ヤシ殻、石炭チャーその他動物の骨や血液等
の原料を十分に炭化して製造されるものであればどのよ
うなものでもよく、大きな比表面積と吸着能をもつ多孔
質の炭素質からなる物質であれば、現在市販されている
ものに限定されるものではない。
【0043】本発明のPCB含有廃液・排水の処理方法
においては、PCBを含有する廃液・排水にあらかじめ
過酸化水素水を加えておくことが好ましく、過酸化水素
水を加えておくと、上記通気循環処理により分解したP
CBを酸化することができ、上記通液処理においてPC
Bの分解酸化物を効率よく除去することができる。
【0044】本発明のPCB含有廃液・排水の処理装置
としては、気孔表面が非晶質であるポーラスセラミック
スを含む処理剤が充填されたカラムに通気しながらPC
Bを含有する廃液・排水を循環させる手段と、気孔表面
が非晶質であるポーラスセラミックスを含む処理剤が充
填されたカラムにPCB含有廃液・排水を通液させる手
段とを備えたPCB含有廃液・排水の処理装置であれば
特に制限されるものではなく、用いられるカラムとして
は、通常の吸着処理に用いられるカラムであればよく、
垂直に配設されたものを例示することができるが、本発
明の効果を達成しうる範囲で、傾斜を設けて配設するこ
ともできる。また、複数本のカラムを直列に連接する代
わりに、1本の長いカラムを用いることや、並列に配設
したものを用いる等、適宜変更することができる。ま
た、カラムでの通気循環処理やカラムへの通液処理は下
方から上方へ行うことが望ましい。
【0045】
【実施例】本発明の特徴を明瞭にするため次に実施例・
参考例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。なお、実施例・参考例中の部数は重量部
を表す。
【0046】参考例1:気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスの製造 粘土(瀬戸地方から採取した)2部と水3.2部とオガ
クズ6.76部とを、混練機を用いてよく混練し、縦と
横と高さがそれぞれ250mm×130mm×110m
mの煉瓦状に成型し、その含水率が40%になるまで、
常温で3昼夜乾燥させた。この乾燥煉瓦状成型体を、容
積10m3の窯業釜に入れ、その一隅にバーナーで点火
した。およそ10時間後、該成型体中のオガクズが自燃
により灰化し、品温はおよそ800℃に達していた。こ
の品温800℃程度の灰化成型体を加熱(追い焚き)
し、5時間程度その品温をおよそ800℃に保持した。
【0047】次いで、およそ4時間かけて、成型体の温
度がおよそ1250℃になるまで加熱し、この温度でお
よそ6時間焼成した。焼成後の成型体が冷却した後、釜
から取り出した。
【0048】この時点で成型体の圧縮強度を株式会社島
津製作所製の圧縮強度試験機で測定したところ、6.0
〜9.5Kg/cm2という高圧縮強度範囲のものが得
られた。次に、このものをクラッシャーにかけ粉砕した
ところ、その径が10mm以上のものが20%、6〜1
0mmのものが30%、2〜6mmのものが20%、2
mm以下の粉状のものが30%の割合で得られた。
【0049】参考例1で得られたポーラスセラミックス
の物性は以下のとおりであった。 カサ比重 0.36〜0.40 気孔率 86.7% 比表面積 23m2/g
【0050】上記ポーラスセラミックスの組成を、KE
VEX社製のエネルギー分散型X線分光機SIGMA2
型により加速電圧15KV、測定時間100秒の条件下
で測定したところ、セラミックス全体の組成は、酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化カルシウム、酸
化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム等から
なり、粒子表面と気孔表面の活性部分の組成は、ケイ酸
ソーダ、ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム等の結晶質であり、また、気孔表面の非活性部
分の組成は、ケイ酸ソーダ、酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム等の非晶質であっ
た。
【0051】また、本発明に用いられるポーラスセラミ
ックスは、セラミックスの全体及びその外部表面の組成
に比べて、その気孔表面の組成としてケイ素系成分が多
く、また前記電子顕微鏡写真による表面状態からして、
本発明のポーラスセラミックスは、その気孔表面が非晶
質であるポーラスセラミックスであることがわかる。
【0052】比較例1:従来法によるポーラスセラミッ
クスの製造 次の昇温・焼成工程を採用する以外は参考例1と同様に
行った。すなわち参考例1と同様に調整した乾燥煉瓦状
成型体を電気炉に入れ、その品温がほぼ直線的に125
0℃まで上昇するまで4時間加熱し、1250℃でおよ
そ1時間焼成した。
【0053】焼成後の成型体の圧縮強度を、参考例1同
様、株式会社島津製作所製の圧縮強度測定機で測定した
ところ、2.1〜9.6Kg/cm2であり、圧縮強度
の範囲にバラツキがみられ、また低圧縮強度のものの占
める割合が高かった。次に、このものをクラッシャーに
かけ粉砕したところ、その径が10mm以上のものが5
%、6〜10mmのものが10%、2〜6mmのものが
20%、2mm以下のものが65%の割合で得られ、参
考例1に比べて、粉状のものの占める割合が非常に高か
った。
【0054】比較例1で得られたポーラスセラミックス
の物性は以下のとおりであった。 カサ比重 0.4〜0.52 気孔率 85.6〜87.1% 比表面積 18〜38m2/g
【0055】このポーラスセラミックスの組成を、参考
例1と同様に測定したところ、セラミックス全体の組
成、粒子表面と気孔表面の活性部分の組成及び気孔表面
の非活性部分の組成においては大差はなかった。
【0056】上記の各種物性値を参考例1のものと比べ
ると、組成全体や外部表面の組成には差異はないが、そ
の電子顕微鏡写真による気孔表面の状態からして、本発
明に用いられる気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
ックスと異なり、その気孔表面は大部分が酸化ケイ素、
酸化カルシウム等からなる均質な結晶質であり、結晶粒
子が大きく、また結晶粒子間の結合が不十分で、参考例
1のものに比べ活性な結晶粒子が適量配置された構造と
はなっていない(前記図1及び図2参照)。
【0057】実施例1:気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスを用いたPCB含有トランスオイル廃液の処
理(その1) 参考例1で得られたその径が6〜10mmの気孔表面が
非晶質のポーラスセラミックスと活性炭(武田薬品株式
会社製)の50:50の混合物を用いて、PCBを25
0mg/Kg含有するトランスオイル30L(リッタ
ー)の処理を図3の処理装置により行った。なお、PC
Bは、昭和46年12月環境庁告示第59号「水質汚濁
に係る環境基準について」の付表5に掲げる方法により
定量した。
【0058】図3に示す処理装置は、PCB含有被処理
液であるトランスオイル廃液を収容する被処理液収容槽
11と、該被処理液収容槽11とその上下で連通し、垂
直に配設され、参考例1で得られた気孔表面が非晶質の
ポーラスセラミックス約4kgと活性炭4kgとの混合
物が充填されている通気循環カラム(直径200mm、
長さ500mm、容積15.7L)12と、該通気循環
カラム12の下方に設けられた空気導入用のコンプレッ
サーCと、前記被処理液収容槽11と連通し、3つの凝
集剤タンク13、14、15が上部に配設され、モータ
ーM等による攪拌機構を備えた凝集沈殿槽16と、該凝
集沈殿槽16と連通し、垂直に配設され、かつ直列に連
設し、参考例1で得られた気孔表面が非晶質のポーラス
セラミックス490gと活性炭490gとの混合物が充
填されている3本の通液カラム(直径50mm、長さ
1,000mm、容積1,962.5ml)17、1
8、19と、前記被処理液収容槽11と連通し、垂直に
配設され、かつ直列に連設した3本の通液カラム20、
21、22と、これらを連結する通液パイプ23と、該
通液パイプ23の随所に設けられた通液の駆動源である
ポンプPから構成されている。
【0059】まず、被処理液収容槽11に収容されたト
ランスオイル30Lに、濃度30%の過酸化水素水を同
量加え、コンプレッサーCから空気を15L/分で導入
しながら、上記充填剤10が充填された通気循環カラム
12の下方から上方へ、通気循環カラム12の上方出口
から被処理液収容槽11へ、被処理液収容槽11から通
気循環カラム12の下方入口へと、2時間順次循環させ
た。この間、かなりの流速で通気循環させていることか
ら、被処理液収容槽11内の油水混濁液は水層と油層と
に分離することはないが、循環の停止後、被処理液収容
槽11内の油水混濁液は自然に水層と油層とに分離し
た。
【0060】水層部分は、凝集沈殿槽16に送られ、凝
集剤タンク13から塩化第二鉄の45%溶液を投入し、
よく攪拌してpHを3以下とした後、凝集剤タンク14
から水酸化カルシウムの10%混濁液を投入してよく攪
拌してpHを7.0に調整した。次いで、凝集剤タンク
15から、高分子凝集剤として、三共化成工業株式会社
製の商品名「サンポリー A−715」の0.05%溶
液を0.5〜1.0%の濃度となるように投入してよく
攪拌し、浮遊粒子等をフロックとして凝集・沈殿させ
た。
【0061】凝集沈殿後の上澄部分は、凝集沈殿槽16
に連通し、直列に連設された3本の通液カラム17、1
8、19を順次6cm/分の流速で下方から上方へと通
液させて処理した。処理後この水槽部分のPCB含量
は、0.001mg/L未満であった。また、上記凝集
・沈殿により生じたフロックについても、PCB含量を
調べたところ、2.0mg/Kgであった。
【0062】他方、被処理液収容槽11内の油層部分に
ついては、凝集・沈殿処理をすることなく、該被処理液
収容槽11に連通し、直列に連設された3本の通液カラ
ム20、21、22を順次6cm/分の流速で下方から
上方へと通液させて処理した。処理後この油層部分のP
CB含量は、6.0mg/Kgであり、おおよそ224
mg/KgのPCBが処理されていることがわかった。
【0063】実施例2:気孔表面が非晶質のポーラスセ
ラミックスを用いたPCB含有トランスオイル廃液の処
理(その2) 実施例1の結果を踏まえ、水層部分についての凝集・沈
殿処理工程を省く他は概ね実施例1と同様にPCB含有
トランスオイル廃液の処理を行った。
【0064】図4に示す処理装置は、図3に示す処理装
置から凝集剤タンク13、14、15と凝集沈殿槽16
とが除かれたもので、PCB含有被処理液であるトラン
スオイルを収容する被処理液収容槽11と、該被処理液
収容槽11とその上下で連通し、垂直に配設された通気
循環カラム12と、該通気循環カラム12の下方に設け
られた空気導入用のコンプレッサーCと、該被処理液収
容槽11と連通し、垂直に配設され、かつ直列に連設し
た3本の通液カラム17、18、19と、該3本の通液
カラム17、18、19と同様に被処理液収容槽11と
連通し、垂直に配設され、かつ直列に連設した3本の通
液カラム20、21、22と、これらを連結する通液パ
イプ23と、該通液パイプ23の随所に設けられた通液
の駆動源であるポンプPから構成されている。
【0065】まず、被処理液収容槽11に収容された、
PCBを250mg/Kg含有するトランスオイル30
Lに、濃度30%の過酸化水素水を同量加え、コンプレ
ッサーCから空気を15L/分で導入しながら、上記充
填剤10が充填された通気循環カラム12の下方から上
方へ、通気循環カラム12の上方出口から被処理液収容
槽11へ、被処理液収容槽11から通気循環カラム12
の下方入口へと、5時間順次循環させた。
【0066】循環の停止後、被処理液収容槽11内の油
水混濁液は自然に水層と油層とに分離した。この時点
で、水層及び油層とのPCB含有量を調べたところ、そ
れぞれ0.0056mg/L及び12mg/Lであっ
た。
【0067】次に、水層部分を、直列に連設された3本
の通液カラム17、18、19を順次6cm/分の流速
で下方から上方へと通液させて処理した。処理後この水
層部分のPCB含量を調べたところ、0.0053mg
/Lであった。
【0068】他方、油層部分についても、直列に連設さ
れた3本の通液カラム20、21、22を順次6cm/
分の流速で下方から上方へと通液させて処理した。処理
後この油層部分のPCB含量を調べたところ、9.6m
g/Lであった。
【0069】また、実施例2において使用したそれぞれ
のカラムの充填物10中のPCB含有量について調べた
ところ、通気循環カラム12に充填されていたものは
1.4mg/Kg、水層部分を通液処理した通液カラム
17、18及び19は、それぞれ0.24mg/Kg、
0.0334mg/Kg及び0.071mg/Kgであ
り、油層部分を通液処理した通液カラム20、21及び
22は、それぞれ1.6mg/Kg、1.7mg/Kg
及び1.2mg/Kgであった。
【0070】これらの結果及びカラムの充填物10中に
微生物の生育が認められなかったことからすると、作用
機作は明らかではないが何らかの理由により、トランス
オイル廃液中のPCBは、気孔表面が非晶質であるポー
ラスセラミックスにより分解されていることがわかる。
【0071】比較例2:活性炭のみを使用した有機塩素
含有廃液の処理 充填剤として、実施例2における気孔表面が非晶質のポ
ーラスセラミックスと活性炭の混合物からなる充填剤に
代えて、活性炭のみを用いる以外は実施例2と同様に行
った。その結果、活性炭のみを用いた場合は、気孔表面
が非晶質のポーラスセラミックスと活性炭の混合物から
なる充填剤を用いた場合に比して、PCBの除去能が大
幅に劣っていた。
【0072】比較例3:従来法によるポーラスセラミッ
クスを使用した有機塩素含有廃液の処理 比較例1により製造されたポーラスセラミックスを用い
る以外は実施例2と同様に行った。その結果、比較例1
により製造されたポーラスセラミックスと活性炭の混合
物からなる充填剤による処理は、上記比較例2における
活性炭単独処理と大差なく、PCBの吸着・除去能及び
その活性持続力において、本発明に用いられる気孔表面
が非晶質のポーラスセラミックスと活性炭を用いた場合
に比べて劣っていた。
【0073】
【発明の効果】本発明に用いられる気孔表面が非晶質の
ポーラスセラミックスを用いると、現在その処理が問題
となっている排水・廃液中のPCBの除去・分解が可能
となり、また、その除去・分解作用が長時間持続するこ
とから、極めて実用的であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のポーラスセラミックスの気孔表面の状態
を示す模式図である。
【図2】本発明の表面非晶質ポーラスセラミックスの気
孔表面の状態を示す模式図である。
【図3】本発明のPCB含有廃液の処理装置の縦断面図
である。
【図4】本発明の他の態様のPCB含有廃液の処理装置
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ポーラスセラミックス粒子の表面 2 ポーラスセラミックス粒子の連続気孔 3 ポーラスセラミックス粒子における結晶性粒子 4 処理対象物の流れ 5 ポーラスセラミックス粒子の気孔表面の非晶質部分 10 気孔表面非晶質ポーラスセラミックスと活性炭と
の混合物からなる充填剤 11 被処理液収容槽 12 通気循環カラム 13、14、15 凝集剤タンク 16 凝集剤沈殿槽 17、18、19 通液カラム 20、21、22 通液カラム 23 通液パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 38/00 303 C04B 38/00 303Z 38/06 38/06 C Fターム(参考) 2E191 BA13 BD11 4D024 AA04 AB11 BA02 BA06 BA07 BC01 CA01 DB23 4D038 AA08 AB14 BB06 BB16 4D050 AA12 AB19 BB09 CA06 4G019 FA01 FA11 KA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PCBを含有する廃液・排水を、気孔表
    面が非晶質であるポーラスセラミックスを含有する処理
    剤で処理することを特徴とするPCB含有廃液・排水の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 PCBを含有する廃液・排水を、気孔表
    面が非晶質であるポーラスセラミックスを含有する処理
    剤が充填されたカラムに通気循環処理を施し、次いで気
    孔表面が非晶質であるポーラスセラミックスを含有する
    処理剤が充填されたカラムに通液処理することを特徴と
    するPCB含有廃液・排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
    ックスを含む処理剤が、気孔表面が非晶質であるポーラ
    スセラミックスと活性炭との混合物であることを特徴と
    する請求項1又は2記載のPCB含有廃液・排水の処理
    方法。
  4. 【請求項4】 気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
    ックスと活性炭との混合物が、50:50の混合割合
    (重量比)のものであることを特徴とする請求項3記載
    のPCB含有廃液・排水の処理方法。
  5. 【請求項5】 気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
    ックスが、粘土と気孔形成材料と水を混合し、適宜形状
    に成形後、乾燥させ、該乾燥成型体の品温を成型体中の
    気孔形成材料の自燃により5〜15時間かけて、常温か
    ら600〜800℃まで昇温させ、600〜800℃で
    3〜7時間保持した後、1200〜1500℃まで昇温
    させ、1200〜1500℃で4〜8時間焼成した後ク
    ラッシャー処理したものであることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか記載のPCB含有廃液・排水の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 PCBを含有する廃液・排水が、トラン
    スオイル廃液であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか記載のPCB含有廃液・排水の処理方法。
  7. 【請求項7】 PCBを含有する廃液・排水にあらかじ
    め過酸化水素水を加えておくことを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか記載のPCB含有廃液・排水の処理方
    法。
  8. 【請求項8】 気孔表面が非晶質であるポーラスセラミ
    ックスを含む処理剤が充填されたカラムに通気しながら
    PCBを含有する廃液・排水を循環させる手段と、気孔
    表面が非晶質であるポーラスセラミックスを含む処理剤
    が充填されたカラムにPCB含有廃液・排水を通液させ
    る手段とを備えたPCB含有廃液・排水の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112110511A (zh) * 2020-08-25 2020-12-22 深圳务本材料科技有限公司 纳米晶石

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