JP2003038942A - 分離膜 - Google Patents

分離膜

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JP2003038942A
JP2003038942A JP2001231607A JP2001231607A JP2003038942A JP 2003038942 A JP2003038942 A JP 2003038942A JP 2001231607 A JP2001231607 A JP 2001231607A JP 2001231607 A JP2001231607 A JP 2001231607A JP 2003038942 A JP2003038942 A JP 2003038942A
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Hirotomo Nagata
寛知 永田
Tetsuo Takada
哲生 高田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】酸素/窒素分離に優れた気体分離性能、透過特
性を維持しつつ、加工性に優れ、かつ優れた力学的強
度、特に引張り強度を有する分離膜を提供すること。 【解決手段】繰り返し単位aとbからなる縮合系高分子
cからなる分離膜であり、aが、ジカルボン酸、テトラ
カルボン酸又はそれらの誘導体と、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン又はジヒドラジドとを重縮合して得ら
れる単位であって、該単位aのみからなる分離膜であ
り、bが、ジカルボン酸、テトラカルボン酸又はそれら
の誘導体と、ジアミン又はジヒドラジドとを重縮合して
得られる単位であって、該単位bのみから形成された分
離膜であり、前記繰り返し単位aとbとの割合がモル比
で99:1〜70:30で、7以上の酸素/窒素の分離
係数を有し、かつ35〜100(MPa)の引張り強度
を有することを特徴とする分離膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離性能と透過性
能のバランスが良好で力学的強度にも優れる分離膜に関
する。
【0002】
【従来の技術】膜による物質の分離は、他の分離方法と
比較してエネルギー的に有利であり、小型軽量な装置、
簡単な機構、かつ、メンテナンスフリー等の特徴を有す
るため、各種産業分野に活発に応用されている。分離膜
の基本要求性能は、(1)分離の目的とする物質と他の
成分との分離性能、(2)物質透過特性、(3)膜の加
工性、力学的強度、耐熱、耐久、耐溶剤等の性能であ
る。膜の物質透過特性は必要膜面積、膜モジュール及び
装置の大きさ、すなわち、イニシャルコストを主に支配
する特性であり、物質透過特性の高い素材の開発、及
び、分離活性層(緻密層)の薄膜化により工業的に実用
可能な性能が実現される。一方、膜の物質分離特性は緻
密な膜の場合、本質的に膜素材固有の特性であり、主に
分離物質の収率を支配する特性であり、すなわち、ラン
ニングコストを支配する特性である。
【0003】一般に、膜の物質分離特性と物質透過特性
は相反の関係にあり、両特性のバランスに優れる膜素材
の開発が盛んになされている。特に、気体分離の分野で
は芳香族系高分子素材が物質分離特性と物質透過特性に
優れていることが良く知られているため、様々な芳香族
系高分子素材を用いた研究が積極的に行われている。
【0004】例えば、高分子加工,Vol.41,16
(1992)、高分子,Vol.42,682(199
3)、ポリマ−(Polymer),Vol.35,4
970(1994)、ジャ−ナル・オブ・メンブレン・
サイエンス(Journalof Membrane
Science),88,37(1994)、高分子学
会予稿集,Vol.43,2273(1994)、表
面,Vol.33,308(1995)、ジャ−ナル・
オブ・メンブレン・サイエンス(Journal of
Membrane Science),111,16
9(1996)等の報文、総説等に、ポリイミド、ポリ
イミダゾピロロン等を中心とした多くの研究例が報告さ
れている。
【0005】このように、近年、数ある高分子素材の中
で芳香族系高分子素材が特に気体分離特性と物質透過特
性のバランスが良好で、かつ、耐久性、耐熱性、耐溶剤
性等の性能にも優れていることが発見され、芳香族系高
分子の非多孔質緻密層を有する気体分離膜やパーベイパ
レーション膜の研究が盛んに行われている。
【0006】しかしながら、従来、例えば、深冷分離や
吸着法(PSA)などの競合技術がカバーする高純度ガ
スを含む領域では、7以上の酸素/窒素の気体分離係数
が必要であるが、優れた気体分離特性と気体透過特性を
有するものは硬く脆いため、実用的にも満足する分離膜
がないのが現状である。すなわち、気体分離特性、気体
透過特性の優れた素材では実用に耐え得る力学的強度、
特に引張り強度が得られず、例えば、中空糸膜のモジュ
ール化工程で、該中空糸に張力を与えると割れが生じや
すく取り扱いが難しかった。このため実用に耐えうる引
張り強度を得ようとするならば、5〜6程度の酸素/窒
素の分離係数を有する分離膜を用いるしか方法がなかっ
た。
【0007】また、加工性、力学的強度等を支配する原
因の1つとして高分子の重合度も挙げられるが、物質分
離特性、物質透過特性の優れた芳香族系高分子のモノマ
ーが必ずしも高い重合反応性を示すとは限らず、これま
で容易には高重合度のものが得られず、得られた高分子
素材は実用上充分な加工性、力学的強度(特に引張り強
度)等に欠けており、そのため、高重合度化を図るべ
く、様々な溶媒、重合促進剤等が試みられているが、決
定的な解決方法は見出されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は酸素/窒素分離係数が7以上、酸素透過係数
が1×10−10[cm/cm・sec・cmH
g]以下の優れた気体分離性能、気体透過特性を維持し
つつ、加工性に優れ、かつ優れた力学的強度、特に引張
り強度を有する分離膜を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】我々は、上記課題を解決
するため鋭意研究を重ねた結果、非常に透過性が低く、
分離性が比較的良好であり、かつ、反応性に富んだモノ
マー成分をポリイミドやポリヒドラジドイミド等に部分
的に共重合して得られる縮合系高分子が、力学的特性、
加工性等に優れ、しかも、元の素材と比較しても分離性
能を実用上損なわないことを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0010】すなわち、本発明は、繰り返し単位(a)
と繰り返し単位(b)からなる縮合系高分子(c)から
形成された分離膜であり、前記繰り返し単位(a)が、
ジカルボン酸、テトラカルボン酸又はそれらの誘導体
と、ジアミン、トリアミン、テトラアミン又はジヒドラ
ジドとを重縮合して得られる単位であって、該単位
(a)のみから形成された分離膜(a')は酸素/窒素
の分離係数α7以上で、酸素透過係数1×10−10
[cm/cm・sec・cmHg]以下であり、
【0011】前記繰り返し単位(b)が、ジカルボン
酸、テトラカルボン酸又はそれらの誘導体と、ジアミン
又はジヒドラジドとを重縮合して得られる単位であっ
て、該単位(b)のみから形成された分離膜(b')は
酸素/窒素の分離係数αがαとの差が2以内で、酸
素透過係数1×10−10[cm/cm・sec・
cmHg]以下で、引張り強度100〜300(MP
a)であり、前記繰り返し単位(a)と前記繰り返し単
位(b)との割合がモル比で99:1〜70:30で、
7以上の酸素/窒素の分離係数を有し、かつ35〜10
0(MPa)の引張り強度を有することを特徴とする分
離膜を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】繰り返し単位(a)と繰り返し単
位(b)からなる縮合系高分子(c)から形成された分
離膜であり、前記繰り返し単位(a)が、ジカルボン
酸、テトラカルボン酸又はそれらの誘導体と、ジアミ
ン、トリアミン、テトラアミン又はジヒドラジドとを重
縮合して得られる単位であって、該単位(a)のみから
形成された分離膜(a')は酸素/窒素の分離係数α
7以上で、酸素透過係数1×10−10[cm/cm
・sec・cmHg]以下であり、
【0013】前記繰り返し単位(b)が、ジカルボン
酸、テトラカルボン酸又はそれらの誘導体と、ジアミン
又はジヒドラジドとを重縮合して得られる単位であっ
て、該単位(b)のみから形成された分離膜(b')は
酸素/窒素の分離係数αがαとの差が2以内で、酸
素透過係数1×10−10[cm/cm・sec・
cmHg]以下で、引張り強度100〜300(MP
a)であり、前記繰り返し単位(a)と前記繰り返し単
位(b)との割合がモル比で99:1〜70:30で、
7以上の酸素/窒素の分離係数を有し、かつ35〜10
0(MPa)の引張り強度を有することを特徴とする分
離膜について説明する。
【0014】本発明で用いる縮合系高分子(c)は、繰
り返し単位(a)と繰り返し単位(b)から成る。繰り
返し単位(a)はジカルボン酸、テトラカルボン酸又は
それらの誘導体とジアミン、トリアミン、テトラアミ
ン、又はジヒドラジドとを重縮合して得られる単位であ
って、縮合高分子単位(a)のみから形成された分離膜
(a')が7以上、好ましくは7〜20、さらに好まし
くは7〜10の酸素/窒素の分離係数αを有し、1×
10−10[cm/cm・sec・cmHg]以
下、好ましくは1×10−8〜1×10−10[cm
/cm・sec・cmHg]の酸素透過係数を有する
ものであれば特に制限はなく、例えば、アミド、ヒドラ
ジド、イミド、イソイミド、ヒドラジドイミド、イミダ
ゾピロロン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾー
ル、ベンゾチアゾール、オキサジアゾール、エステル等
の構造単位を有する縮合系高分子単位が挙げられ、この
うちヒドラジドイミド、イミドを有する縮合系高分子単
位が好ましく挙げられる。さらに具体的には下記一般式
(a1)
【0015】
【化15】
【0016】[但し、式中R
【0017】
【化16】
【0018】(式中、R
【0019】
【化17】
【0020】のいずれか一つで表される基である。)の
いずれか一つで表わされる基であり、R
【0021】
【化18】
【0022】(但し、式中R
【0023】
【化19】
【0024】のいずれか一つで表される基である。)の
いずれか一つで表される基である。]で表される繰り返
し単位のヒドラジドイミド、又は下記一般式(a2)
【0025】
【化20】
【0026】で表される繰り返し単位のアミドがより好
ましく挙げられる。
【0027】また、さらに上記一般式(a1)において
が下記式
【0028】
【化21】
【0029】で表される基であり、かつR
【0030】
【化22】
【0031】で表される基であるヒドラジドイミドがさ
らに好ましく挙げられる。
【0032】繰り返し単位(a)を構成するカルボン酸
又はその誘導体成分としては、ジカルボン酸、テトラカ
ルボン酸、及び、それらの誘導体としては、特に制限は
ないが、なかでも、それぞれ芳香環、複素環、脂環等の
環を有する、ジカルボン酸、ジカルボン酸二塩化物、ジ
カルボン酸ジエステル、テトラカルボン酸、テトラカル
ボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル、テトラ
カルボン酸ジエステル二塩化物等が好ましく、それぞれ
単独または二種以上混合して使用される。
【0033】これらカルボン酸類の中でも、テトラカル
ボン酸二無水物類、例えば、ピロメリット酸二無水物
(以下、PMDAと略記する)、ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ヘキサ
フルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、ビス
(ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、ビス(ジ
カルボキシフェニル)エタン酸二無水物、
【0034】ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン酸
二無水物、アゾベンゼンテトラカルボン酸二無水物、ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、アントラセンテト
ラカルボン酸二無水物、ペリレンテトラカルボン酸二無
水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;ピリジンテ
トラカルボン酸二無水物、チオフェンテトラカルボン酸
二無水物、フランテトラカルボン酸二無水物等の複素環
式テトラカルボン酸二無水物;シクロブタンテトラカル
ボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシ
クロオクテンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式テト
ラカルボン酸二無水物等が好ましく、特に芳香族テトラ
カルボン酸二無水物が好ましい。
【0035】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物の具
体例としては、PMDA、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカ
ルボン酸二無水物、4,4′−(ヘキサフルオロイソプ
ロピリデン)ジフタル酸二無水物(以下、6FDAと略
記する)、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボ
ン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸二無水物等が挙げられ、なかでも6FDAが優
れた気体透過選択特性と良好な溶解特性を与えるため最
も好ましい。
【0036】一方、繰り返し単位(a)を構成するジア
ミン、トリアミン、テトラアミン又はジヒドラジドとし
ては、例えば、m−フェニレンジアミン、3,5−ジア
ミノ安息香酸、2,4−ジアミノフェノール、2,4−
ジアミノアニソール、3,3′−ジヒドロキシベンジジ
ン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフ
ェニル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジカルボキシ
ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−(4−アミノフ
ェノキシ)−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、2,7−ジアミノフルオレ
ン、ジアミノカルバゾール、1,2,4−トリアミノベ
ンゼン、3,4,4′−トリアミノビフェニルエーテ
ル、
【0037】1,2,4,5−テトラアミノベンゼン、
3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル等のアミ
ン類、フタル酸ジヒドラジド、ナフタレンジカルボン酸
ジヒドラジド、ヒドロキシイソフタル酸ジヒドラジド、
ジメチルテレフタル酸ジヒドラジド、ビフェニルジカル
ボン酸ジヒドラジド、ベンゾフェノンジカルボン酸ジヒ
ドラジド、ジフェニルエーテルジカルボン酸ジヒドラジ
ド、ジフェニルスルホンジカルボン酸ジヒドラジド、ヘ
キサフルオロイソプロピリデンジフタル酸ジヒドラジド
等のジヒドラジドが挙げられ、イソフタル酸ジヒドラジ
ド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸ジヒドラジドが好ましく挙げられる。
【0038】本発明に用いる繰り返し単位(b)は、繰
り返し単位(a)の気体分離特性、気体透過特性を損な
わず、かつ力学的強度を付与する単位である。該繰り返
し単位(b)はジカルボン酸、テトラカルボン酸又はそ
れらの誘導体と、ジアミン、又ジヒドラジドとを重縮合
して得られる単位であって、かつ該繰り返し単位(b)
のみから形成された分離膜(b')は酸素/窒素の分離
係数αがαとの差が2以内で、かつ酸素透過係数が
1×10−10[cm/cm・sec・cmHg]
以下、好ましくは1×10−8〜1×10−10[cm
/cm・sec・cmHg]であり、100〜30
0(MPa)の引張り強度を有するものであれば特に制
限は無いが、具体的には下記一般式(b1)
【0039】
【化23】
【0040】[但し、式中Rは、
【0041】
【化24】
【0042】(但し、式中R
【0043】
【化25】
【0044】のいずれか一つの基を表わす。)のいずれ
か一つで表わされる基を表し、R
【0045】
【化26】
【0046】のいずれか一つで表わされる基を表わ
す。]のいずれか一つで表わされるヒドラジドイミド構
造又はイミド構造を有するものであることが好ましく、
さらに、一般式(b1)においてR
【0047】
【化27】
【0048】で表される基であり、かつR
【0049】
【化28】
【0050】のいずれか一つで表される基であるヒドラ
ジドイミド又はアミドであるものがより好ましく挙げら
れる。
【0051】繰り返し単位(b)を構成するカルボン酸
又はその誘導体成分としては、繰り返し単位(a)で挙
げたものと同様のものが挙げられる。
【0052】一方、繰り返し単位(b)を構成するジア
ミン、ジヒドラジドとしてはビス[4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル]スルフォン、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸ジヒドラジド、トリメチレンビス(4−ア
ミノベンゾアート)または1,1’−オキシベンジジン
等が挙げられ、このうちビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル]スルフォン、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸ジヒドラジドが好ましく挙げられる。
【0053】本発明に用いる縮合系高分子(c)は、例
えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の適当な
溶媒中で、ジカルボン酸、テトラカルボン酸、又は、そ
れらの誘導体と繰り返し単位(a)を構成するジアミ
ン、トリアミン、テトラアミン又はジヒドラジドとを重
合させた後、繰り返し単位(b)を構成するジアミン又
はジヒドラジドと重縮合させることにより得られる。こ
の際、繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)との割
合がモル換算で99:1〜70:30となるように、繰
り返し単位(a)を構成するジアミン、トリアミン、テ
トラアミン又はジヒドラジドと繰り返し単位(b)を構
成するジアミン又はジヒドラジドとをモル換算で99:
1〜70:30の割合で仕込むことが好ましい。縮合系
高分子(c)中の繰り返し単位(a)と繰り返し単位
(b)との割合がモル換算で99:1〜70:30であ
れば、優れた気体分離特性及び気体透過特性を維持しつ
つ、加工性、引張り強度に優れた分離膜を得ることがで
きる。
【0054】繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)
とに各々由来するアミン成分、カルボン酸成分を仕込み
重縮合させる際、更に必要に応じて、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリヒドラジド等の重合時に用いる反応助剤、
例えば安息香酸、ピリジン、トリエチルアミン、亜リン
酸トリフェニル、テトラエチルアンモニウム塩等を加え
ても良い。
【0055】この様にして製造された本発明に用いる縮
合系高分子(c)は、0.5〜3.0dL/g、好まし
くは0.5〜2.0dL/g、より好ましくは0.5〜
1.5dL/gのインヘレント粘度値を有するものであ
る。
【0056】本発明の分離膜のタイプには特に制限はな
く、例えば、均質膜、多孔質膜、不均質膜(縮合系高分
子(c)からなる分離活性層と、支持層とを有する
膜)、複合膜(縮合系高分子(c)からなる分離活性層
と、該活性層を構成する樹脂とは異なる構造単位の樹脂
からなる支持層とを有する膜)等が挙げられるが、なか
でも物質分離特性、物質透過特性に優れる膜が得られる
ことから縮合系高分子(c)からなる分離活性層を有す
る均質膜、不均質膜、複合膜が好ましい。また、膜の形
状は任意であり、例えば、平膜、中空糸膜、管状膜、モ
ノリス膜(複数の芯孔を有する管状膜)であって良い。
【0057】本発明に用いられる縮合系高分子(c)か
らなる分離活性層は表面が緻密で非多孔質の樹脂層であ
る。このため、該層に僅かなピンホール(微細孔)が発
生したとしてもそれを塞ぐために、シリコーンやポリア
セチレン等の気体透過特性の高い素材で該樹脂層表面を
コーティングまたは目止め処理を行っても良いし、他の
樹脂、例えば、ポリイミド樹脂やポリスルホン樹脂等で
目止め処理を行っても良い。更に、気体の選択性を高め
るために該樹脂層に、例えば、塩素、フッ素ガスによる
表面処理、プラズマ処理、紫外線処理等の表面処理を施
しても良い。
【0058】本発明の分離膜は、気体分離膜やパーベイ
パレーション膜等の、ヒドラジドイミド系樹脂からなる
樹脂層を分離活性層とする膜の場合に特に有用である。
以下、これらを気体分離膜で代表させて説明する。
【0059】ここで言う気体分離活性層とは、膜の気体
の透過機構が気体の膜素材への溶解拡散が律速となる実
質的に非多孔質である緻密な層のことを言う。尚、膜が
気体分離活性層を有することは、膜の気体分離係数が、
気体分離活性層の厚さに依らず、気体分離活性層を形成
する素材の本来の気体分離係数と特性変動の範囲内で一
致することにより、容易に確認できる。
【0060】気体分離膜は、ピンホールが無く、気体分
離活性層が充分薄膜化されていることが好ましい。膜形
状、膜形態に制限はなく、例えば、均質膜、不均質膜、
多孔複合膜等が挙げられる。膜形状も平膜や中空糸状膜
を提供できるが、コンパクトに大きな膜面積を得ること
のできる中空糸膜が最も好ましい。
【0061】これらの気体分離膜に求められる気体分離
特性と気体透過特性、及び力学的強度は、実際の使用に
おける分離膜の形状、形態、使用方法によって異なり、
さらに、同じ高分子素材を用いても、加工方法による高
分子鎖の配向性等によって異なるため、膜素材の強度を
一概に規定することはできないが、例えば、本発明の縮
合系高分子(c)からなる分離膜を25μmのフィルム
状の均質膜とした場合、繰り返し単位(a)のみから形
成された分離膜(a')の気体分離特性及び気体透過特
性を維持しつつ、さらに引張り強度を向上させることが
でき、35MPa以上、好ましくは35〜100MP
a、より好ましくは50〜100MPaの引張り強度を
示す。
【0062】縮合系高分子(c)から形成される中空糸
膜の製造方法は公知慣用の方法であれば良く、例えば、
以下の製造方法が挙げられる。縮合系高分子(c)のド
ープ(樹脂の紡糸用溶液)を、中空糸形状の保持や中空
糸内層の多孔質化促進のための芯剤を芯として、円環ノ
ズルから一旦気相中に押し出し、次いで、凝固液(樹脂
が不溶で、ドープに使用された有機溶剤と混和する液
体)に浸漬してドープを凝固させる、いわゆる乾湿式法
により中空糸不均質膜を製造することができる。
【0063】また、例えば、縮合系高分子(c)からな
る樹脂層を形成するための縮合系高分子(c)のドープ
(α)と、支持層を形成するための重合体ドープ(β)
とを、多重円環ノズルを用い、内側から芯剤、ドープ
(β)、ドープ(α)の順の多層構造の中空糸状に一旦
気相中に共押し出し、次いで、凝固液に浸漬してドープ
を凝固させることにより中空糸複合膜を製造できる。
【0064】ドープに使用する溶剤としては、縮合系高
分子(c)を溶解するものであって、凝固液と相溶性を
有するものであれば良く、例えば、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲ
ン化アルキル系溶剤;o−クロロフェノール、p−クロ
ロフェノール、ジクロロフェノール等のハロゲン化フェ
ノール系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のア
ミド系溶剤;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫
黄含有系溶剤;ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブ
チロラクトン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメ
チルエーテルなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独
または2種以上混合して使用される。なかでも、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等の水溶性の有機溶剤が好ま
しい。
【0065】また、ドープの安定性や可紡性の向上や生
成される膜の気体選択透過性の向上等を目的として、必
要に応じて、上記ドープ液にその他の添加成分を加える
ことも可能である。その他の添加成分としては、例え
ば、低分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン等のポリマー;アセトン、テトラヒドロフラン等
の揮発性成分;トルエン、キシレン等の貧溶剤;酢酸、
プロピオン酸、酪酸等の酸;エチレングリコール、グリ
セリン等の水溶性多価アルコール類;塩化リチウム、臭
化リチウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化カルシ
ウム、塩化マグネシウム等の無機塩類などを挙げること
ができる。
【0066】中空糸状にドープを押し出す時の芯剤とし
て使用する流体としては、気体でも液体でも良く、例え
ば、窒素、空気等の気体;水、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、グリセリン、及び、これらの混合液
体等の液体が使用できる。また、必要に応じて、これら
の芯材に、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化
カリウム等の無機塩類;N−メチルピロリドン、N,N
−ジメチルアセトアミド等の該樹脂の溶剤;アセトン、
メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、酢酸、プロ
ピオン酸等のドープ樹脂の貧溶剤などを適宜添加するこ
とができる。
【0067】ドープを押し出す雰囲気は、例えば空気雰
囲気、窒素雰囲気、溶剤等の蒸気雰囲気などの気相であ
っても良いし、水などの液相であっても良いが、気相で
あることが好ましい。雰囲気は、適宜、気流の調整、ま
た、必要に応じて温度、湿度等を調整することができ
る。
【0068】多重円環ノズルから中空糸状に押し出され
た単層もしくは多層構造のドープは、凝固液との接触に
より凝固する。凝固液は、中空糸膜を形成する樹脂が不
溶で、ドープに使用された溶剤と混和する液体であれば
任意のものが使用できる。例えば、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール等の低級ア
ルコール類;アセトアルデヒド、アセトン等のアルデヒ
ドまたはケトン類;水またはこれらの混合液体などが使
用できる。凝固液は、有機溶剤、塩、酸、アルカリ等の
物質を含有していて良く、なかでも水または水と他の有
機溶剤の混合液体が好ましい。
【0069】本発明の分離膜が複合膜の場合、すなわ
ち、縮合系高分子(c)からなる樹脂層を構成する素材
と支持層を構成する素材が異なる場合、支持層の素材は
任意であり、縮合系高分子(c)からなる樹脂層と充分
に接着し、膜の実際の使用に耐え得る充分な機械的強
度、耐熱性、耐薬品性、耐候性等を有するものであれ
ば、縮合系高分子(c)以外の構造単位からなる樹脂で
あって良く、1種以上からなる混合物または共重合体で
も良い。
【0070】上記支持層の形成に好ましい樹脂として
は、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポ
リエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポ
リスルホン系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、ポ
リベンゾオキサゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系
樹脂、ポリキノキザリン系樹脂、ポリピペラジン系樹脂
等が挙げられ、これらは単独または2種以上混合して使
用できる。上記ポリスルホン系樹脂としては、例えば、
ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリル
スルフォン、ポリフェニルスルフォンとして上市されて
いる。
【0071】中空糸不均質膜においては、例えば、ドー
プの組成、濃度、温度、凝固液の組成、内管流体の組
成、紡糸条件等を適切に選ぶことにより、また、中空糸
複合膜においては、前記ドープ(α)とドープ(β)の
芯剤側からの順序を変えることにより、縮合系高分子
(c)からなる樹脂層は中空糸の内側表面、または外側
表面いずれにも形成可能である。このうち中空糸の外側
表面に緻密層を形成した複合膜が、量産性と、得られる
膜の気体の透過選択特性に優れ、好ましい。中空糸膜の
寸法は任意であり、実用用途に適した外径、内径等に適
宜調整できる。具体的には、ドープの組成、濃度、温
度、凝固液の組成、内管流体の組成、紡糸条件(ドープ
の押し出し速度、形成された中空糸の巻き取り速度等)
等を制御することにより、例えば、外径1500μm以
下、膜厚500μm以下の中空糸を製造することが可能
である。
【0072】以上のようにして得られた膜に残存する有
機溶剤は、実質的に除去されることが好ましく、除去は
例えば、温水洗浄、残留溶剤を可溶する低沸点溶剤、例
えば、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノー
ル、エタノール等で洗浄及び置換した後、真空加熱乾燥
を行う等の公知の方法で実施できる。
【0073】また、本発明の分離膜の製造方法として
は、縮合系高分子(c)からなる樹脂層形成ドープとし
て該縮合系高分子(c)の前駆体を用い、上記の製造方
法と同様にして縮合系高分子(c)の前駆体からなる樹
脂層を有する膜を作製し、加熱処理することにより、該
縮合系高分子(c)の前駆体を目的の構造へと変化させ
る方法を採用することもできる。
【0074】この方法は、縮合系高分子(c)が有機溶
剤に不溶または難溶でドープを形成できない場合に特に
有用である。尚、繰り返し単位(a)と繰り返し単位
(b)は同時に加熱により、最終的な目的の構造へと変
化される。
【0075】加熱処理条件は、該前駆体の樹脂層が実質
的に目的の化学構造に変化し、好ましくは繰り返し単位
(a)及び(b)の両者が最終目的構造に変化する条件
であり、且つ、複合膜の場合には、支持層を形成する重
合体の多孔質構造が加熱により破壊されない条件であれ
ば良く、例えば、減圧下及び/または不活性ガス雰囲気
下で150〜450℃、好ましくは150〜350℃
で、20〜720分間、好ましくは20〜480分間が
挙げられる。ここで言う減圧下とは、膜を構成する樹脂
が熱処理中酸化劣化の影響を受けない程度であれば良
く、30kPa以下、好ましくは3kPa以下の減圧雰
囲気が挙げられる。不活性ガスとしては、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム等が好適に挙げられる。減圧された不活性
ガス雰囲気であることも好ましい。
【0076】加熱処理による、前駆体から最終目的の化
学構造への変化は赤外吸収スペクトルにより容易に確認
できる。例えば、前駆体からのヒドラジドイミド化への
変化の場合、約1700〜1780cm−1の領域及び
1790〜1800cm−1付近にイミド環の特性吸収
帯と、1690cm−1付近にアミド結合の特性吸収帯
が同時に認められることにより容易に確認できる。
【0077】本製造方法には、ドープ用有機溶剤の除去
は最終目的の化学構造への変化のための加熱処理行程の
前に行うことが好ましい。
【0078】本発明の分離膜は、例えば、空気の酸素/
窒素分離、プラットフォーミング法のオフガスからの水
素の分離回収、アンモニア合成時の水素の回収、火力発
電やゴミ焼却の廃ガスからの二酸化炭素の回収や窒素酸
化物や硫黄酸化物の除去、油田のオフガスからの二酸化
炭素の回収、天然ガスからの硫化水素、二酸化炭素等の
酸性ガスの除去、ランドフィルガスからの二酸化炭素の
除去やヘリウムの分離等の気体分離、空気及び有機蒸気
の除湿などの気体−蒸気または蒸気−蒸気分離、さらに
は水とアルコールの分離、エステル化反応系からの水の
除去等の揮発性物質混合液体のパーベイパレーション分
離、液体に溶解している気体の除去、液体中への特定気
体の溶解等に好適に利用される。むろん、本発明の分離
膜の用途は、これらに限定されるものではない。
【0079】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して、本発明を
更に詳しく説明する。 (実施例1)窒素雰囲気下、室温でイソフタル酸ジヒド
ラジド(IPDH)18.448g(0.095モル)
及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルフォン(BAPS−M)2.1625g(0.005
モル)を脱水処理したジメチルスルホキシド(DMS
O)350gに溶解させ、次いで、この溶液にテトラカ
ルボン酸類である4,4’−(ヘキサフルオロイソプロ
ピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)44.42
4g(0.1モル)を数度に分けて固体のまま添加し
た。重合反応の進行とともに、この溶液の粘度は向上
し、そのまま4時間撹拌して反応を続けた。得られた反
応溶液を多量の2−プロパノ−ルに滴下し、よく撹拌し
た後、沈澱物を多量の水で数度洗浄し、100℃の熱風
で粗乾燥した後、100℃で真空乾燥することにより前
駆体ポリマーを得た。この固形物を250℃で8時間真
空下で熱処理して、熱閉環したヒドラジドイミド系共重
合体の固形物を得た。
【0080】得られたヒドラジドイミド系共重合体の一
部を濃度が1.0重量%となるようNMPに溶解し、オ
ストワルド粘度計を用いて、30℃で溶液の滴下時間を
測定し、NMPの粘度に対する比粘度を算出した。結果
を表1に示す。
【0081】得られたヒドラジドイミド系共重合体の一
部を濃度が20重量%となるようN−メチルピロリドン
(NMP)に溶解し、次いでガラス板上に流延し、10
0℃で乾燥してフィルム状に固化させた後、250℃で
8時間真空乾燥を行い、ヒドラジドイミド系共重合体か
らなる厚さ25μmのフィルム状の均質膜を得た。得ら
れた均質膜の酸素と窒素の気体透過係数をそれぞれ純ガ
スを使用し、25℃雰囲気、圧力差0.2MPaの条件
でASTM D1434に準じて測定し、酸素/窒素の
分離係数を算出した。結果を表1に示す。
【0082】また、得られた均質膜から10mm×15
0mmの長方形状の試験片(タイプ2)を切り出し、J
IS K7127に基づいて、50mm/minの速度
で引張り強度を測定し、結果を表1に示した。
【0083】尚、膜の気体分離係数が、気体分離活性層
の厚さに依らず、気体分離活性層を形成する素材の本来
の分離係数と特性変動の範囲内で一致することから、上
記ヒドラジドイミド系共重合体からなる非多孔で緻密な
薄層を気体分離活性層として有する複合膜の気体分離係
数も、上記均質膜の気体分離係数とほぼ一致することが
判る。このことは、以下の実施例についても同様であ
る。
【0084】(実施例2)IPDHを18.934g
(0.0975モル)、BAPS−Mを1.0812g
(0.0025モル)用いた以外は実施例1と同様にし
て、比粘度を算出し、ヒドラジドイミド系共重合体から
なる厚さ25μmのフィルム状の均質膜を得、次いで、
同様の方法で、酸素と窒素の気体透過係数の測定、酸素
/窒素の分離係数の算出、及び、引張り強度の測定を行
った。結果を表1に示す。
【0085】(実施例3)BAPS−Mの代わりに2,
6−ナフタレンジカルボン酸ジヒドラジド(NDH)
1.221g(0.005モル)を用いた以外は実施例
1と同様にして、比粘度を算出し、ヒドラジドイミド系
共重合体からなる厚さ25μmのフィルム状の均質膜を
得、次いで、同様の方法で、酸素と窒素の気体透過係数
の測定、酸素/窒素の分離係数の算出、及び、引張り強
度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0086】(実施例4)窒素雰囲気下、室温で3,
3’−ジヒドロキシベンジジン(DHBZ)10.17
8g(0.0475モル)とIPDH9.225g
(0.0475モル)を脱水処理したNMP500gに
溶解させ、次いで、この溶液にスルホラン300gを添
加し、均一になった後、44.424g(0.1モル)
の6FDAを数度に分けて固体のまま添加した。重合反
応の進行とともに、この溶液は徐々に均一化し、ほぼ透
明になったのを目視で確認した後、2.1625g
(0.05モル)のBAPS−Mを添加し、そのまま1
時間撹拌して反応させた。得られた反応溶液を多量の2
−プロパノールに滴下し、沈澱した固形物を多量の水で
数度洗浄し、次いで、2−プロパノールで充分に置換
し、100℃で真空乾燥して精製されたイミダゾピロロ
ン−ヒドラジドイミド−イミド共重合体の前駆体ポリマ
ーを得た。
【0087】得られたイミダゾピロロン−ヒドラジドイ
ミド−イミド共重合体の前駆体ポリマーの一部を濃度が
1.0重量%となるようNMPに溶解し、オストワルド
粘度計を用いて、30℃で溶液の滴下時間を測定し、N
MPの粘度に対する比粘度を算出した。結果を表1に示
す。
【0088】得られたイミダゾピロロン−ヒドラジドイ
ミド−イミド共重合体の前駆体ポリマーの一部を濃度が
12.5重量%となるようNMPに溶解し、次いでガラ
ス板上に流延し、100℃で乾燥してフィルム状に固化
させた後、320℃で8時間真空乾燥を行い、イミド系
共重合体からなる厚さ25μmのフィルム状の均質膜を
得た。次いで、同様の方法で、酸素と窒素の気体透過係
数の測定、酸素/窒素の分離係数の算出、及び、引張り
強度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0089】(比較例1)窒素雰囲気下、室温でジヒド
ラジドとしてイソフタル酸ジヒドラジド19.419g
(0.1モル)を脱水処理した350gのNMPに懸濁
させ、次いで、この溶液に44.424g(0.1モ
ル)の6FDAを数度に分けて固体のまま添加した。重
合反応の進行とともに、この溶液は徐々に均一化し、ほ
ぼ透明になったのを目視で確認した後、反応助剤として
安息香酸24.424g(0.2モル)を添加した。そ
のまま1時間撹拌して反応させた後、更に反応助剤とし
てピリジン15.820g(0.2モル)を添加し、1
時間撹拌して反応を続けた。得られた反応溶液を多量の
水に滴下し、沈澱した固形物を多量の水で数度洗浄し、
100℃の熱風で粗乾燥した後、100℃で真空乾燥す
ることによりポリヒドラジドイミドの前駆体ポリマーを
得た。この固形物を250℃で8時間真下で熱処理し
て、熱閉環したポリヒドラジドイミド固形物を得た。
【0090】得られたヒドラジドイミド系共重合体の一
部を濃度が1.0重量%となるようNMPに溶解し、オ
ストワルド粘度計を用いて、30℃で溶液の滴下時間を
測定し、NMPの粘度に対する比粘度を算出した。結果
を表1に示す。
【0091】得られたポリヒドラジドイミドの一部を濃
度が20重量%となるようNMPに溶解し、次いでガラ
ス板上に流延し、100℃で乾燥してフィルム状に固化
させた後、250℃で8時間真空乾燥を行い、ポリヒド
ラジドイミドからなる厚さ25μmのフィルム状の均質
膜を得た。次いで、同様の方法で、酸素と窒素の気体透
過係数の測定、酸素/窒素の分離係数の算出、及び、引
張り強度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0092】このポリヒドラジドイミドは、実施例1、
2及び3のBAPS−MまたはNDHを含まないホモポ
リマ−である。表1に示したように実施例1、2及び3
の気体分離特性は比較例1とはほぼ同等かそれ以上であ
り、実施例1、2及び3がBAPS−MまたはNDHと
の共重合によって分離性の低下を引き起こされていない
ことが明白である。
【0093】また、比較例1のポリマーは比粘度0.4
3、膜の引張り強度13MPaであり、この程度のポリ
マーは、フィルム状の均質膜を調製し、気体透過測定を
行うのには、問題がないが、不均質膜、または、中空糸
均質膜のような構造を有する膜を調製する場合、素材そ
のものの強度が低下してしまうため、好適な加工条件、
使用条件の範囲が非常に狭くなってしまう。それに対
し、実施例1〜3では、BAPS−MまたはNDHを共
重合することにより、比粘度及び膜の引張り強度が大き
く増加しているので、充分に高分子量化されるため加工
性も向上し、かつ、耐久性も向上する。
【0094】(比較例2)窒素雰囲気下、室温で43.
249g(0.1モル)のBAPS−Mを脱水処理した
NMP350gに溶解させ、次いで、この溶液に44.
424g(0.1モル)の6FDAを数度に分けて固体
のまま添加した。重合反応の進行とともに、この溶液は
徐々に均一化し、そのまま4時間撹拌して反応を続け
た。続いて、NMP300gを追加して反応溶液を希釈
した後、反応助剤としてピリジン31.640g及び無
水酢酸40.836gを添加し、1時間撹拌し、次いで
55℃まで加熱し、1時間撹拌して反応させた。以降、
実施例4と同様にして比粘度を算出し、さらに、ポリイ
ミドからなる厚さ25μmの均一なフィルム状の均質膜
を得、次いで、同様の方法で、酸素と窒素の気体透過係
数の測定、酸素/窒素の分離係数の算出、及び、引張り
強度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0095】このポリイミドは、実施例1、2及び4の
繰り返し単位(b)の6FDA及びBAPS−Mのみか
ら成るホモポリマーである。表1に示したようにこのポ
リイミドの気体分離性は比較例1よりも劣っていること
は明白であり、それにも関わらず、実施例1、2及び4
が高い気体分離性を有していることが分かる。
【0096】(比較例3)窒素雰囲気下、室温で24.
425g(0.1モル)のNDHを脱水処理した350
gのNMPに懸濁させ、次いで、この溶液に44.42
4g(0.1モル)の6FDAを数度に分けて固体のま
ま添加した。続いて、50℃に加熱し、重合反応の進行
とともに、反応溶液が徐々に均一化し、ほぼ透明になっ
たのを目視で確認した後、室温で3時間撹拌して反応を
続けた。得られた反応溶液を多量の2−プロパノ−ルに
滴下し、沈澱した固形物を多量の水で数度洗浄し、2−
プロパノ−ルで充分に置換した後、100℃で真空乾燥
することによりポリヒドラジドイミドの前駆体ポリマー
を得た。
【0097】得られたヒドラジドイミド系共重合体の一
部を濃度が1.0重量%となるようNMPに溶解し、オ
ストワルド粘度計を用いて、30℃で溶液の滴下時間を
測定し、NMPの粘度に対する比粘度を算出した。結果
を表1に示す。
【0098】得られたポリヒドラジドイミドの前駆体ポ
リマ−の一部を濃度が20重量%となるようNMPに溶
解し、次いでガラス板上に流延し、100℃で乾燥して
フィルム状に固化させた後、250℃で8時間真空乾燥
を行い、ポリヒドラジドイミドからなる厚さ25μmの
フィルム状の均質膜を得た。次いで、同様の方法で、酸
素と窒素の気体透過係数の測定、酸素/窒素の分離係数
の算出、及び、引張り強度の測定を行った。結果を表1
に示す。
【0099】このポリヒドラジドイミドは、実施例3の
繰り返し単位(b)の6FDA及びNDHのみから成る
ホモポリヒドラジドイミドである。表1に示したように
このポリヒドラジドイミドの気体分離性は比較例1より
も劣っていることは明白であり、それにも関わらず、実
施例3が高い気体分離性を有していることが分かる。
【0100】(比較例4)窒素雰囲気下、室温で3,
3’−ジヒドロキシベンジジン(DHBZ)10.71
4g(0.05モル)とIPDH9.710g(0.0
5モル)を脱水処理したNMP500gに溶解させ、次
いで、この溶液にスルホラン300gを添加し、均一に
なった後、44.424g(0.1モル)の6FDAを
数度に分けて固体のまま添加した。重合反応の進行とと
もに、この溶液は徐々に均一化し、ほぼ透明になったの
を目視で確認した後、そのまま1時間撹拌して反応させ
た。得られた反応溶液を多量の2−プロパノールに滴下
し、沈澱した固形物を多量の水で数度洗浄し、次いで、
2−プロパノールで充分に置換し、100℃で真空乾燥
して精製されたイミダゾピロロン−ヒドラジドイミド共
重合体の前駆体ポリマーを得た。
【0101】得られたイミダゾピロロン−ヒドラジドイ
ミド共重合体の前駆体ポリマーの一部を濃度が1.0重
量%となるようNMPに溶解し、オストワルド粘度計を
用いて、30℃で溶液の滴下時間を測定し、NMPの粘
度に対する比粘度を算出した。結果を表1に示す。
【0102】得られたイミダゾピロロン−ヒドラジドイ
ミド共重合体の前駆体ポリマーの一部を濃度が12.5
重量%となるようNMPに溶解し、次いでガラス板上に
流延し、100℃で乾燥してフィルム状に固化させた
後、320℃で8時間真空乾燥を行い、イミド系共重合
体からなる厚さ25μmのフィルム状の均質膜を得た。
次いで、同様の方法で、酸素と窒素の気体透過係数の測
定、酸素/窒素の分離係数の算出、及び、引張り強度の
測定を行った。結果を表1に示す。
【0103】このポリイミドは、実施例4のBAPS−
Mを含まない共重合体である。表1に示したように実施
例4の特性と比較例4とはほぼ同等の気体分離特性を示
し、実施例4がBAPS−Mとの共重合によって分離性
に影響を及ぼされていないことが明白である。
【0104】また、比較例4のポリマーは比粘度0.5
8、膜の引張り強度34MPaであり、この程度のポリ
マーは、フィルム状の均質膜を調製し、気体透過測定を
行うのには、問題がないが、不均質膜、または、中空糸
均質膜のような構造を有する膜を調製する場合、素材そ
のものの強度が低下してしまうため、好適な加工条件、
使用条件の範囲が非常に狭くなってしまう。それに対
し、実施例4では、BAPS−Mを共重合することによ
り、比粘度及び膜の引張り強度が大きく増加しているの
で、充分に高分子量化されるため、自ずから加工性も向
上し、かつ、耐久性も向上する。
【0105】(比較例5)ジアミン成分としてトリメチ
レンビス(4−アミノベンゾアート)15.717g
(0.05モル)を用いた以外は実施例1と同様にして
比粘度を算出し、さらに、ポリイミドからなる厚さ25
μmの均一なフィルム状の均質膜を得、次いで、同様の
方法で、酸素と窒素の気体透過係数の測定、酸素/窒素
の分離係数の算出、及び、引張り強度の測定を行った。
結果を表1に示す。
【0106】このポリイミドは、実施例1及び3のBA
PS−MまたはNDHの代わりにトリメチレンビス(4
−アミノベンゾアート)を用いたヒドラジドイミド系共
重合体である。表1に示したように実施例1及び3の特
性と比較して明らかに比較例5の気体分離特性は低下し
ている。6FDAとトリメチレンビス(4−アミノベン
ゾア−ト)のみから成るポリイミドの気体透過分離特性
は酸素透過係数0.537barrer、酸素/窒素分
離係数5.91であり、実施例1〜4の有意性が指示さ
れる。
【0107】(比較例6)実施例1においてイソフタル
酸ジヒドラジド(IPDH)12.622g(0.06
5モル)及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル]スルフォン(BAPS−M)15.1375g
(0.035モル)を用いた以外は同様にしてヒドラジ
ドイミド系共重合体の固形物を得た。実施例1と同様に
して各試験を行った。結果を表1に示す。共重合体中の
BAPS−Mに由来する構造が30モル%を越えると、
分離係数が実施例1及び2と比べ明らかに低下した。
【0108】
【表1】
【0109】(実施例5)紡糸用ドープ(α)として、
実施例1で得られたヒドラジドイミド系共重合体/塩化
リチウム/NMP=20/5/80(重量換算)の比率
で溶解させ、約60℃で保温しながら濾過孔径20μm
のステンレスフィルターで濾過し、さらに減圧脱泡を行
うことにより調製された溶液を用いた。また、ポリアミ
ド(帝人製コーネックス)/塩化リチウム/NMP=2
0/5/75(重量換算)の比率で溶解し、約60℃で
保温しながら濾過孔径20μmのステンレスフィルター
で濾過し、さらに減圧脱泡を行い紡糸用ドープ(β)を
得た。
【0110】円管外径よりφ1.8−φ1.5−φ1.
1−φ0.4−φ0.2(mm)の多重円環ノズルを使
用し、中心部円管より水を流しつつ、内側の円管よりド
ープ(β)を約3g/minの吐出量で、外側の円管よ
り約70℃に加温したドープ(α)を約0.6g/mi
nの吐出量で同時に空気雰囲気中に吐出した後、連続し
て5℃に調整した水中に導入凝固させ、連続して約18
m/minの巻き取り速度でボビンに巻き取った。得ら
れた中空糸を約50℃の流水中へ浸漬し、充分に洗浄し
た後、水切り乾燥を行い、さらに約100℃で充分な真
空乾燥を行った。ついで、真空中250℃で8時間熱処
理を行った。
【0111】得られた中空糸複合膜は、内径約240μ
m、外径約480μmであり、中空糸断面の顕微鏡観察
により、中空糸内側の支持層の厚さと中空糸外側のヒド
ラジドイミド系共重合体からなる気体分離活性層の厚さ
の比が約6:1であり、中空糸外側のヒドラジドイミド
系共重合体からなる気体分離活性層が中空糸外表面に形
成された緻密層を形成しそれを多孔質層からなる支持層
で支える、非対称構造を有することを確認した。得られ
た中空糸複合膜の酸素と窒素の気体透過特性をそれぞれ
純ガスを使用し、25℃雰囲気、圧力差0.2MPaで
ASTMD1434に準じて中空糸内側を加圧する方法
で測定し、酸素/窒素の分離係数を算出した。結果を表
2に示す。
【0112】(実施例6)紡糸用ドープ(β)としてポ
リアミド(帝人製コーネックス)の代わりにポリイミド
(チバガイギー製マトリミド5218)を用いたこと以
外は、実施例10と同様の方法で中空糸複合膜を得、次
いで、同様にして酸素と窒素の気体透過特性を測定し
た。結果を表2に示す。
【0113】(実施例7)紡糸用ドープ(β)として塩
化リチウムを含むポリアミド(帝人製コーネックス)の
NMP溶液の代わりにポリイミドワニス(新日本理化製
リカコートSN20)/塩化リチウム=95/5を用い
たこと以外は、実施例10と同様の方法で中空糸複合膜
を得、次いで、酸素と窒素の気体透過特性を測定した。
結果を表2に示す。
【0114】(実施例8)紡糸用ドープ(β)としてポ
リイミド(チバガイギー製マトリミド5218)のNM
P溶液の代わりにマトリミド5218/ポリエーテルイ
ミド(GEプラスチック製ウルテム1000)/NMP
=17.5/7.5/75(重量換算)の比率で溶解さ
せた樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例10と同様の
方法で中空糸複合膜を得、次いで、同様にして酸素と窒
素の気体透過特性を測定した。結果を表2に示す。
【0115】(実施例9)紡糸用ドープ(β)としてポ
リイミド(チバガイギー製マトリミド5218)のNM
P溶液の代わりにマトリミド5218/ポリエーテルス
ルホン(テイジンアモコ製レーデルA100)/NMP
=20/5/75(重量換算)の比率で溶解させた樹脂
溶液を用いたこと以外は、実施例10と同様の方法で中
空糸複合膜を得、次いで、同様にして酸素と窒素の気体
透過特性を測定した。結果を表2に示す。
【0116】(実施例10)紡糸用ドープ(α)とし
て、実施例1で得られたポリヒドラジドイミド系樹脂の
代わりに、実施例2で得られたポリヒドラジドイミド系
樹脂を使用したこと、紡糸用ドープ(β)として、ポリ
イミド(チバガイギー製マトリミド5218)のNMP
溶液の代わりに、マトリミド5218/ポリベンゾイミ
ダゾール/NMP=10/15/75(重量換算)の比
率で溶解させた樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例1
0と同様の方法で中空糸複合膜を得、酸素と窒素の気体
透過特性を測定した。結果を表2に示す。
【0117】(実施例11)紡糸用ドープ(α)とし
て、実施例1で得られたポリヒドラジドイミド系樹脂の
代わりに、実施例3で得られたポリヒドラジドイミド系
樹脂を使用したこと、紡糸用ドープ(β)として、ポリ
イミド(チバガイギー製マトリミド5218)のNMP
溶液の代わりに、マトリミド5218/ポリエーテルイ
ミド(GEプラスチック製ウルテム1000)/NMP
=17.5/7.5/75(重量換算)の比率で溶解さ
せた樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例10と同様の
方法で中空糸複合膜を得、酸素と窒素の気体透過特性を
測定した。結果を表2に示す。
【0118】(実施例12)紡糸用ドープ(α)とし
て、実施例1で得られたポリヒドラジドイミド系樹脂の
代わりに、実施例7で得られたポリヒドラジドイミド系
樹脂の前駆体ポリマーを使用したこと、紡糸用ドープ
(β)として、ポリイミド(チバガイギー製マトリミド
5218)のNMP溶液の代わりに、マトリミド521
8/リカコートSN20=15/85(重量換算)の比
率で溶解させた樹脂溶液を用いたこと以外は、実施例1
0と同様の方法で中空糸複合膜を得た。さらに、真空中
350℃で4時間熱処理を行い、該共重合成分であるア
ミドアミノ酸体成分をイミダゾピロロン化した。次い
で、酸素と窒素の気体透過特性を測定した。結果を表2
に示す。
【0119】(実施例13)紡糸用ドープ(α)とし
て、実施例1で得られたポリヒドラジドイミド系樹脂の
代わりに、実施例9で得られたポリヒドラジドイミド系
樹脂を使用したこと、紡糸用ドープ(β)として、ポリ
イミド(チバガイギー製マトリミド5218)のNMP
溶液の代わりに、実施例11と同じ樹脂溶液を用いたこ
と以外は、実施例10と同様の方法で中空糸複合膜を
得、酸素と窒素の気体透過特性を測定した。結果を表2
に示す。
【0120】
【表2】
【0121】
【発明の効果】本発明により、酸素/窒素の分離係数が
7以上、酸素透過係数が1×10−1 [cm/cm
・sec・cmHg]以下の優れた気体分離性能を維
持しつつ、加工性に優れ、かつ優れた力学的強度、特に
引張り強度を有する分離膜を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/66 B01D 71/66 71/68 71/68 C08G 73/06 C08G 73/06 C08J 5/18 CFG C08J 5/18 CFG C08L 79/04 C08L 79/04 Fターム(参考) 4D006 GA25 GA41 MA01 MA02 MA03 MA04 MA06 MB03 MB04 MC54X MC57 MC58X MC59 MC62 NA04 NA12 NA13 NA51 NA63 PA01 PB17 PB62 PB63 PC71 4F071 AA60 AF08 AF15 AH02 BA02 BB02 BC02 4J002 CM031 CM041 GD05 4J043 PA04 QB31 QB32 QB33 QB36 QB38 QB39 QB41 RA01 RA08 RA15 RA33 RA35 RA37 SA06 SA07 SA08 SA39 SA53 SA54 SA71 SA81 TA22 TA23 TA32 TA33 TB02 UA121 UA131 UA132 UA152 UA261 UA341 UB051 UB121 UB301 XA16 XA19 ZA60 ZB13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位(a)と繰り返し単位
    (b)からなる縮合系高分子(c)から形成された分離
    膜であり、 前記繰り返し単位(a)が、ジカルボン酸、テトラカル
    ボン酸又はそれらの誘導体と、ジアミン、トリアミン、
    テトラアミン又はジヒドラジドとを重縮合して得られる
    単位であって、該単位(a)のみから形成された分離膜
    (a')は酸素/窒素の分離係数α7以上で、酸素透
    過係数1×10−10[cm/cm・sec・cm
    Hg]以下であり、 前記繰り返し単位(b)が、ジカルボン酸、テトラカル
    ボン酸又はそれらの誘導体と、ジアミン又はジヒドラジ
    ドとを重縮合して得られる単位であって、該単位(b)
    のみから形成された分離膜(b')は酸素/窒素の分離
    係数αがαとの差が2以内で、酸素透過係数1×1
    −10[cm/cm・sec・cmHg]以下
    で、引張り強度100〜300(MPa)であり、 前記繰り返し単位(a)と前記繰り返し単位(b)との
    割合がモル比で99:1〜70:30で、7以上の酸素
    /窒素の分離係数を有し、かつ35〜100(MPa)
    の引張り強度を有することを特徴とする分離膜。
  2. 【請求項2】 縮合系高分子(c)が、0.5〜3.0
    dL/gのインヘレント粘度値を有する請求項1に記載
    の分離膜。
  3. 【請求項3】 繰り返し単位(a)がヒドラジドイミド
    又はイミドである請求項1又は2に記載の分離膜。
  4. 【請求項4】 ヒドラジドイミドが下記一般式(a1) 【化1】 [但し、式中Rは 【化2】 (式中、Rは 【化3】 のいずれか一つで表される基である。)のいずれか一つ
    で表わされる基であり、Rは 【化4】 (但し、式中Rは 【化5】 のいずれか一つで表される基である。)のいずれか一つ
    で表される基である。]で表される繰り返し単位である
    請求項3に記載の分離膜。
  5. 【請求項5】 一般式(a1)において、Rが下記式 【化6】 で表される基であり、かつRが 【化7】 で表される基である請求項4に記載の分離膜。
  6. 【請求項6】 イミドが下記一般式(a2) 【化8】 で表される繰り返し単位である請求項3に記載の分離
    膜。
  7. 【請求項7】 繰り返し単位(b)が下記一般式(b
    1) 【化9】 [但し、式中Rは、 【化10】 (但し、式中Rは 【化11】 のいずれか一つの基を表わす。)のいずれか一つで表さ
    れる基を表わし、Rが 【化12】 のいずれか一つで表わされる基を表わす。]のいずれか
    一つで表される繰り返し単位を有する請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載の分離膜。
  8. 【請求項8】 一般式(b1)において、Rが 【化13】 で表される基であり、かつRが 【化14】 のいずれか一つで表される基である請求項7に記載の分
    離膜。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項に記載の繰
    り返し単位(a)及び繰り返し単位(b)からなる縮合
    系高分子(c)から形成され、7以上の酸素/窒素の分
    離係数を有し、かつ35〜100(MPa)の引張り強
    度を有する分離活性層と、 ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイ
    ミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリスルホン系
    樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、ポリベンゾオキ
    サゾール系樹脂、ポリベンゾチアゾール系樹脂、ポリキ
    ノキザリン系樹脂、およびポリピペラジン系樹脂からな
    る群から選ばれる1種以上の樹脂であって、該樹脂層と
    は異なる種類の樹脂(d)から形成された支持層とを有
    する分離膜。
  10. 【請求項10】 分離膜が気体分離膜である請求項1〜
    9のいずれか一項に記載の分離膜。
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