JP2001040089A - ポリイミド樹脂、その製造法及びこれからなる気体分離膜 - Google Patents

ポリイミド樹脂、その製造法及びこれからなる気体分離膜

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JP2001040089A
JP2001040089A JP11211913A JP21191399A JP2001040089A JP 2001040089 A JP2001040089 A JP 2001040089A JP 11211913 A JP11211913 A JP 11211913A JP 21191399 A JP21191399 A JP 21191399A JP 2001040089 A JP2001040089 A JP 2001040089A
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polyimide resin
gas
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separation membrane
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JP11211913A
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Masatoshi Maeda
政利 前田
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、製膜性などに優れ、かつ気体透過性
能、気体選択性(選択透過性)に優れたポリイミド気体分
離膜を得る。 【解決手段】 本発明は下記一般式(I) を繰り返し構造単位とする平均重合度50〜600のポ
リイミド樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は新規なポリイミド樹脂、その製
造法及びこれを用いた気体分離膜に関する。本発明の気
体分離膜は選択透過性能に優れているばかりではなく、
耐熱性、耐薬品性などがきわめて良好である。膜による
気体分離は、他の気体分離方法に比較すると所要エネル
ギーが少なく広い分野で有用である。本発明の気体分離
膜は、たとえばアンモニア合成時の水素の分離回収、火
力発電所およびゴミ焼却所からの廃ガスからの二酸化炭
素の回収や硫黄酸化物や窒素酸化物の除去、油田のオフ
ガスからの二酸化炭素の回収、天然ガスからの硫化水
素、二酸化炭素の除去やヘリウムの分離、ガソリン配給
所から洩れガソリンの回収、ガソリンからの微量ベンゼ
ンの回収、石油精製工程でのオレフィンとパラフィンの
分離、揮発性物質混合物液体の浸透気化分離、液体に溶
解している気体の除去、空気の酸素および窒素の分離な
どに用いることができる。
【0002】耐熱性、溶解性、低誘電率、成型性などに
優れた気体分離膜としては、従来、酢酸セルロース膜が
よく知られている。しかしながら、酢酸セルロース膜は
耐薬品性、耐熱性などが低く、実用上充分な性能を有す
るとはいえない。また、耐熱性を改善した分離膜とし
て、ポリスルホン半透膜が工業的に生産されているが、
その透過性能は充分ではない。また、酸素の選択透過膜
としてはシリコーン膜が知られているが、充分な機械的
強度が得られず工業的に満足すべきものではない。ま
た、最近では、強度、耐熱性が優れたポリイミド樹脂も
検討され始めているが製膜性に問題がある。
【0003】
【発明の目的及び概要】本発明の目的は、高い選択透過
性能を有すると共に優れた耐熱性、製膜性などを有する
気体分離膜を提供することにある。本発明者は、従来の
気体分離膜の欠点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、
新規なポリイミド樹脂を合成し、これから優れた気体分
離膜が得られるとの知見を得て、本発明を完成するに至
った。すなわち、本願の第1の発明は、一般式(I):
【0004】
【化4】 (式中、Sは4価の有機基を表す。Xは酸素原子、メチ
レン基、エチレン基、カルボニル基、アミド基、硫黄原
子、またはスルホニル基を表す。RおよびPはハロゲン
原子、またはハロゲン原子を含んでもよい炭素数1〜6
の炭化水素を表す。nおよびmは0〜4の整数を表す。
lは0〜3の整数を表す。)を繰り返し構造単位とする
平均重合度50〜600のポリイミド樹脂を提供するも
のである。また、本願の第2の発明は、一般式(II):
【0005】
【化5】 (式中、Sは4価の有機基を表す。)で示されるテトラカ
ルボン酸二無水物と、一般式(III):
【0006】
【化6】 (式中、Xは酸素原子、メチレン基、エチレン基、カル
ボニル基、アミド基、硫黄原子、またはスルホニル基を
表す。RおよびPはハロゲン原子、またはハロゲン原子
を含んでもよい炭素数1〜6の炭化水素基を表す。nお
よびmは0〜4の整数を表す。lは0〜3の整数を表
す。)で示されるジアミンとを縮重合させることを特徴
とする一般式(I):
【0007】
【化7】 (式中、S、X、R、P、n、m及びlは前記に同
じ。)を繰り返し構造単位とする平均重合度50〜60
0のポリイミド樹脂の製造方法に関する。さらに、本願
第3の発明は、前記ポリイミド樹脂からなる気体分離膜
を提供するものである。
【0008】
【発明の詳細な開示】前記式(I)において、Sは4価の
有機基であり、好ましくは、
【0009】
【化8】 である。この式中、Yは2価の二つの芳香族基を結合し
て4価の芳香族基を形成する有機基であって、具体例と
しては−C(CF)−、−C(CF)(C)−、−
C(CH)(C)−、−CH−、−C(CH)
−、−CO−、−SO −、−O−、−S−、−NH−、−
CONH−、−Si(CH)−、−O−C −C
(CH)−C−O−、−O−C−O−、−
O−CH−CH −O−、−CFCFCF−、−
CO−C−CO−、−O−C−S−C
−O−、−P(O)(C)−などを挙げることがで
きる。
【0010】また、式(I)において、RおよびPは、C
l、F、Br、I等のハロゲン原子;CH−、C
−、C−、C11−、C14−、C
17−、(CH)CH−、(CH)C−、(C)
CH−等の炭素数1〜6のアルキル基などの炭化水素
基;CF−、CFCH−、C−、C−、
(CF)CH−、(CF)C−等のハロゲン原子を
含む炭素数1〜6のアルキル基をはじめとする炭化水素
基などが挙げられる。
【0011】また、本発明のポリイミドは式(I)を繰り
返し構造単位とする平均重合度50〜600のポリマー
である。重合度がこれより少ないと、機械的強度が劣り
もろい樹脂となり、一方、大きいと高粘性のため加工性
に劣る。
【0012】(酸二無水物)本発明のポリイミド樹脂の
製造に用いられる一般式(II)のテトラカルボン酸二無水
物において、一般式(II)の中のSは前記式(I)の場合
と同様の意味を有する4価の有機基である。したがっ
て、式(II)の酸二無水物の具体例としては、ピロメリ
ット酸二無水物、メチルピロメリット酸二無水物、トリ
フォロロメチルピロメリット酸二無水物、フェニルピロ
メリット酸二無水物、ジフェニルピロメリット酸二無水
物、3,3'、4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、2,2'−ジフェニル−3,3'、4,4'−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、
【0013】2,2'−ジトリフォロロ−3,3'、4,4'
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'、3、
3'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'4,
4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,
2'3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、3,3',4,4'−ジフェニルスルフォンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3'、4,4'−ジフェニルヘキサフ
ルオロイソプロピリデンテトラカルボン酸二無水物、
1,1'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1−フ
ェニル−2,2,2−トリフォロロエタン二無水物、3,
3',4,4'−ジフェニルイソプロピリデンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルメタンテト
ラカルボン酸二無水物、3,3'4,4'−ベンゾスルフィ
ドテトラカルボン酸二無水物、2,2'3,3'−ベンゾス
ルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−
ジフェニルアミンテトラカルボン酸二無水物、3,3',
4,4'−ジフェニルアミドテトラカルボン酸二無水物、
【0014】2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェノキシ)エタン二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン二無水
物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジ
フェニルスルフィド二無水物、4,4'−オキシジフタル
酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フォ
スフィンオキサイド二無水物などが挙げられる。
【0015】(ジアミン化合物)また、一般式(III)の
ジアミン中、R、P、X、l、m及びnはいずれも前記
式(I)の場合と同様の意味を有する。したがって、式
(III)のジアミンとしては具体的には、3,3'−ジア
ミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニル
エーテル、
【0016】4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノ
ジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,3',5,5'−テトラブロモ−4,4'−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'
−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジ
フェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジ
アミノ−3,3'−ジメチルフェニルメタン、1,3−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−
アミノフェノキシ)ベンゼン、α,α'−ビス(4−アミノ
フェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α'−
ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベ
ンゼン、
【0017】3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'
−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフ
ェノン、3,3'−ジアミノベンズアニリド、3,4'−ジ
アミノベンズアニリド、4,4'−ジアミノベンズアニリ
ド、4,4'−メチレンビス(2,6−ジメチルアニリ
ン)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリ
ン)、4,4'−メチレンビス(2−エチル−6−メチルア
ニリン)、4,4'−メチレンビス(2−メチル−6−エ
チルアニリン)、4,4'−メチレンビス(2−イソプロピ
ル−6−メチルアニリン)、4,4'メチレンビス(2,6
−ジイソプロピルアニリン)、
【0018】4,4'−ジアミノ−2,2'−ジメチルジベ
ンジル、2,2'−エチレンジアニリン、2,5−ジター
シャルブチル−1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、2,5−ジターシャルブチル−1,4−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,5−ジターシャルブ
チル−1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、
2,3,5−トリメチル−1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、2,3,5−トリメチル−1,4−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
【0019】2,5−ジメチル−1,4−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、2,5−ジトリフロロメチル−
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,5−
ジメチル−1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、2,5−ジトリフロロメチル−1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、2,3,5,6−テトラメチル
−1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,
3,5,6−テトラメチル−1,4−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
【0020】(縮重合反応)本発明のポリイミド樹脂
は、前記のテトラカルボン酸二無水物と、ジアミンとを
等モル縮重合させることにより製造することができ、通
常、酸二無水物1モルに対してジアミンを0.95〜
1.05モル、好ましくは等モル用いる。重合方法は、
特に限定されるものではなく、従来公知のポリイミドの
重合方法がいずれも採用できる。
【0021】重合溶媒としては、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、ジグライム、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサ
メチルホスホルアミドなどを単独で、または混合して用
いることができる。原料に対する、これら溶媒の使用量
は特に制限されるものではないが、通常3〜30重量%
である。
【0022】縮重合反応にあたっては、前記ジアミン成
分とテトラカルボン酸二無水物成分を混合し、室温以下
の温度で通常3〜24時間反応を行い、ポリアミド酸を
得る。つぎに、この反応溶液に無水酢酸、ピリジンまた
はトリエチルアミン等の脱水閉環剤を添加し、さらに室
温で通常3〜24時間反応させてポリアミド酸をポリイ
ミド化する。または、該ポリアミド酸を180〜200
℃に加熱し、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等の水と共沸し得る炭化水素
または塩素系溶剤を添加しアミド酸の閉環により生成す
る水を共沸よって系外に除去しながら、5〜10時間反
応させて該ポリアミド酸をポリイミド化する。
【0023】これらから得られたポリイミドはN−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
ジメチルスルホキシド、ジグライム、N,N−ジメチル
ホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、ヘキサメチルホスホルアミド等に可溶である。
【0024】(ポリイミド気体分離膜)本願の第3の発
明である気体分離膜は、前記一般式(I)で示されるポリ
イミド樹脂からなる気体分離膜である。
【0025】本発明で用いられるポリイミド樹脂は、N
−メチル−2−ピロリドン、1デシリットルに0.5g
溶解した30℃の溶液における固有粘度が0.4〜2.0
であるのが好ましく、0.5〜1.5の範囲のものがより
好ましい。固有粘度がこれより小さいと気体分離膜とし
たときに自己支持性に劣り、機械的強度が不足する。一
方、固有粘度が大きすぎると均一な製膜液を得るのが困
難であり、製膜が難しくなる。
【0026】本発明の気体分離膜は、式(I)のポリイ
ミド樹脂から種々の方法によって製造することができ
る。例えば、一般式(I)で示されるポリイミドを製膜液
溶剤に溶解して均一な製膜液とし、これを適宜の支持基
材に流延塗布した後、加熱処理、又は減圧下に加熱処理
して溶剤を蒸発させて均質な膜とすることができる。実
用可能な気体透過性能、すなわち大きな透過速度にする
ためには充分薄膜化された膜が必要であるが、機械的強
度およびピンホールの発生の観点から膜厚は0.03〜
20μmが望ましい。したがって、製膜液の濃度はこの
薄膜形成のため20重量%以下、好ましくは10重量%
以下である。
【0027】製膜に用いられる溶剤としては、重合反応
溶剤と同様にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−
ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等の本発明の
ポリイミド樹脂を均一に良く溶解する有機溶剤が好まし
い。
【0028】気体分離膜の支持基材は特に限定されず、
例えば耐熱性ポリマー、ガラス、金属、セラミックス等
の材料からなる平滑な表面を有する部材が挙げられる。
製膜液を支持基材に塗布した後、加熱する温度は製膜液
溶剤にもよるが、上記有機溶剤の場合には80〜200
℃、好ましくは100〜150℃である。特に好ましく
はこのような温度範囲で溶剤のほとんどを蒸発させた
後、200〜300℃に昇温して完全に蒸発させ均質な
薄膜を得る。また、製膜液を支持基材に塗布後、すばや
く有機溶剤と完全混合する水または有機溶剤(ポリイミ
ドに対して貧溶媒)中に浸漬した後、上記の温度で乾燥
し、活性分離薄膜層を有する不均質膜を形成してもよ
い。これら膜形状、膜形態に制限はなく、複合膜でもよ
い。膜形状も平膜および中空糸状膜等がいずれも可能で
ある。
【0029】
【実施例】つぎに本発明を実施例、比較例によりさらに
具体的に説明する。なお、膜性能の評価は次のようにし
て行った。
【0030】(ガス透過係数)半透膜に対する気体の透
過速度を示す指数であり単位は次のとおり表される。B
arrer=10−10cm(STP)cm/cm/se
c/cmHg(式中、cm(STP)は標準温度と圧力
(0℃、1気圧)で透過する気体の体積であり、cmはフ
ィルム厚さ、cmはフィルムの面積、secは時間、
cmHgは圧力を示す。)
【0031】(選択性)半透膜の気体選択性は同一の膜
で個々の気体単独で測定された透過係数の比率(分離係
数:α)で表される。例えばCO/N=50は当該
分離膜がCOガスをNガスの50倍の速さで透過す
ることを示す。
【0032】[実施例1] (ポリイミド樹脂の製造)滴下漏斗を取り付けた1Lの
三口フラスコに2,5−ジターシャリーブチル−1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン15.0g(37.
1mmol)、N−メチル−2−ピロリドン283.5gを採
り、アルゴンガス雰囲気下にて撹拌溶解した。このフラ
スコを0〜10℃の水浴に浸漬後、3,3',4,4'−ジ
フェニルヘキサフルオロイソプロピリデンテトラカルボ
ン酸二無水物16.5g(37.1mmol)を3分割して1時
間かけて添加した。添加後、このフラスコを室温に戻し
て8時間撹拌反応させ、ポリアミック酸を得た。この重
合液に無水酢酸17.7g(173mmol)およびピリジン
13.7g(173mmol)を添加した。この反応液を室温
で15時間反応させた後、水−アルコール混合溶液中に
投入し、ポリイミド樹脂の沈澱を得た。さらに、数回、
アルコールで洗浄し、乾燥した。得られたポリイミド樹
脂は薄黄色フレーク状で、収量29.1g(収率96.4
%)であった。ポリイミド樹脂の固有粘度は1.60d
L/g(NMP、30℃)であった。分析の結果、このポ
リイミド樹脂は下記の構造の繰り返し単位からなる平均
重合度472のポリイミドであることを確認した。
【0033】
【化9】 得られたポリイミド樹脂は有機溶媒(N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホ
ルアミド)に可溶であった。
【0034】(気体分離膜の製造)前記のポリイミド樹
脂をN−メチル−2−ピロリドンに溶解(9重量%)
し、孔径5μmのステンレスフィルターでろ過した後、
減圧脱泡した。この溶液をガラス板上に流延塗布し、8
0℃×2時間、110℃×1時間、150℃×1時間、
200℃×1時間、脱溶剤した。ガラス板上の膜を剥離
した後、200℃真空乾燥器で72時間加熱処理した。
得られた膜は強靱で二つに折り曲げてもクラックが生じ
なかった。この膜のガラス転移温度は269.1℃であ
った。
【0035】また、この膜の窒素、二酸化炭素、酸素お
よびメタンの各気体単独の25℃における透過測定およ
び選択分離性をそれぞれ表1及び表2に示す。
【0036】[実施例2] (ポリイミド樹脂の製造)滴下漏斗を取り付けた1Lの
三口フラスコに2,3,5−トリメチル−1,4−ビス(4
−アミノフェノキシ)ベンゼン15.00g(44.9mmo
l)、N−メチル−2−ピロリドン314.6gを採り、
アルゴンガス雰囲気下で撹拌溶解した。このフラスコを
0〜10℃の水浴に浸漬後、3,3',4,4'−ジフェニ
ルヘキサフルオロイソプロピリデンテトラカルボン酸二
無水物19.9g(44.9mmol)を3分割して1時間かけ
て添加した。添加後、このフラスコを室温に戻して8時
間撹拌反応させ、ポリアミック酸を得た。この重合液に
無水酢酸16.0g(157mmol)およびピリジン12.4
g(157mmol)を添加した。室温で15時間反応させた
後、水−アルコール混合溶液中に投入し、ポリイミド樹
脂の沈澱を得た。さらに、数回、アルコールで洗浄し、
乾燥した。得られたポリイミド樹脂は黄色フレーク状
で、収量30.2g(収率90.7%)であった。ポリイミ
ド樹脂の固有粘度は1.10dL/g(NMP、30℃)
であった。分析の結果、このポリイミド樹脂は下記の構
造の繰り返し単位からなる平均重合度551のポリイミ
ドであることを確認した。
【0037】
【化10】 得られたポリイミド樹脂は有機溶媒(N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホ
ルアミド)に可溶であった。
【0038】(気体分離膜の製造)得られたポリイミド
樹脂から実施例1と同様にして気体分離膜を製造した。
得られた膜は強靱で二つ折りに曲げてもクラックが生じ
なかった。この膜のガラス転移温度266.3℃であっ
た。また、この膜の窒素、二酸化炭素、酸素およびメタ
ンの各気体単独の25℃における透過測定および選択分
離性をそれぞれ表1及び表2に示す。
【0039】 [表1] ガス透過係数 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ガス透過係数(Barrer) ガス圧力 CO CH (atm) ─────────────────────────── 1 68.2 2.57 14.4 1.92 実施例1 2.95 57.7 2.27 12.7 1.73 4.87 52.7 2.11 11.2 1.50 ─────────────────────────── 1 18.3 0.656 3.18 0.684 実施例2 2.94 17.3 0.648 3.12 0.632 4.87 16.4 0.638 2.95 0.525 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0040】 [表2] ガス選択分離性 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 分離係数α(−) ガス圧力 CO/CH CO/N O/N (atm) ───────────────────────────── 実施例1 1 35.5 26.6 5.60 2.95 33.4 25.4 5.59 4.87 35.1 25.0 5.30 ───────────────────────────── 実施例2 1 26.8 27.9 4.85 2.94 27.4 26.7 4.82 4.87 31.2 25.7 4.62 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0041】
【発明の効果】本発明のポリイミド樹脂からなる気体分
離膜は、耐熱性、製膜性などに優れ、広い分野において
気体分離膜として使用できる上、その気体透過性能、気
体選択性(選択透過性)に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1にて得られたポリイミドのH−N
MRスペクトルである。
【図2】 実施例1にて得られたポリイミドのIR吸収
スペクトルである。
【図3】 実施例2にて得られたポリイミドのH−N
MRスペクトルである。
【図4】 実施例2にて得られたポリイミドのIR吸収
スペクトルである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA41 MA01 MA03 MA06 MA31 MB03 MB04 MB11 MB15 MC58X MC87 MC88 MC89 NA03 NA10 NA14 NA46 NA64 PA01 PB17 PB19 PB62 PB63 PB64 PB66 PB68 PC71 4F071 AA16 AA81 AF07 AF45 BC01 BC02 4J043 PA02 PC135 PC136 QB26 QB31 RA34 RA35 SA06 SA43 SA44 SA47 SA51 SB01 TA22 TA47 TA67 TA71 TA78 TB01 UA122 UA131 UA132 UA141 UA142 UA151 UA152 UA161 UA662 UA672 UB011 UB021 UB062 UB121 UB122 UB132 UB151 UB152 UB221 UB222 UB242 UB281 UB282 UB291 UB302 UB312 VA021 VA022 VA031 VA041 VA061 VA062 VA102 ZB15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、Sは4価の有機基を表す。Xは酸素原子、メチ
    レン基、エチレン基、カルボニル基、アミド基、硫黄原
    子、またはスルホニル基を表す。RおよびPはハロゲン
    原子、またはハロゲン原子を含んでもよい炭素数1〜6
    の炭化水素基を表す。nおよびmは0〜4の整数を表
    す。lは0〜3の整数を表す。)を繰り返し構造単位と
    する平均重合度50〜600のポリイミド樹脂。
  2. 【請求項2】 下記一般式(II) 【化2】 (式中、Sは4価の有機基を表す。)で示されるテトラカ
    ルボン酸二無水物と、一般式(III) 【化3】 (式中、Xは酸素原子、メチレン基、エチレン基、カル
    ボニル基、アミド基、硫黄原子、またはスルホニル基を
    表す。RおよびPはハロゲン原子、またはハロゲン原子
    を含んでもよい炭素数1〜6の炭化水素基を表す。nお
    よびmは0〜4の整数を表す。lは0〜3の整数を表
    す。)で示されるジアミンとを縮重合させることを特徴
    とする請求項1のポリイミド樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリイミド樹脂からなる気体
    分離膜。
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