JP2003029229A - 基板搬送用治具およびそれを用いた液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

基板搬送用治具およびそれを用いた液晶表示素子の製造方法

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JP2003029229A
JP2003029229A JP2001212371A JP2001212371A JP2003029229A JP 2003029229 A JP2003029229 A JP 2003029229A JP 2001212371 A JP2001212371 A JP 2001212371A JP 2001212371 A JP2001212371 A JP 2001212371A JP 2003029229 A JP2003029229 A JP 2003029229A
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rubber
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crystal display
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Toru Sakuwa
徹 佐桑
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プラスチック基板などの剛性の弱い基板であ
っても歪みが生じないように保持して各製造工程に搬送
できる基板搬送用治具を提供すること。 【解決手段】 基板搬送用治具31は、加工されるべき
液晶表示素子用基板を支持するための支持体4と、前記
基板をローラーで貼り付けるために前記支持体上に設け
られた粘着剤層とを備え、粘着剤層2は前記基板を保持
するための粘着力が繰り返し使用してもほぼ一定に維持
される材料からなる2本の帯状体であって前記基板の搬
送方向と平行に配列されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基板搬送用治具
およびそれを用いた液晶表示素子の製造方法に関し、詳
しくは、プラスチック基板を保持および搬送するのに適
した基板搬送用治具およびそれを用いた液晶表示素子の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より液晶表示素子用のガラス基板
は、表示の二重像を解消するためや、軽量化を図るため
に薄型化が検討されている。しかしながら、ガラス基板
は脆くて割れ易いため、ガラス基板単体で製造工程を搬
送させる場合、量産レベルでは0.4mm程度の薄型化
が限界である。
【0003】そこで、ガラス基板に代わり、破損しずら
く軽量であるプラスチック基板を用いた液晶表示素子の
開発が進められている。しかしながら、プラスチック基
板は、剛性が低くていわゆる腰が無いので、製造工程に
おいて平坦に保持しながら搬送することが難しく、折り
曲げられると、成膜された透明電極、配向膜などに亀裂
が発生するという問題がある。
【0004】このような問題を考慮した製造方法とし
て、例えば、支持体の全面に粘着剤層が設けられた基板
搬送用治具にプラスチック基板を貼り付けて各製造工程
を搬送し、透明電極、配向膜などを成膜して一対の基板
を貼り合わせた後にプラスチック基板を基板搬送用治具
から剥離する方法が知られている(例えば、特開平8−
86993号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
基板搬送用治具にプラスチック基板を貼り付ける場合、
プラスチック基板をローラーで上から押さえつけながら
粘着剤層全面に貼り付けるので、プラスチック基板に歪
み(残留歪み)が残ったまま基板搬送用治具に貼り付け
られる。
【0006】この残留歪みは特に高精度なパターニング
が必要な透明導電膜のフォトパターニング工程(レジス
トを塗布、露光、透明導電膜のエッチング、レジスト剥
離)等で歪んだパターニングを行う原因となる。
【0007】この発明は以上のような事情を考慮してな
されたものであり、プラスチック基板に歪みが生じない
ように保持して各製造工程に搬送できる基板搬送用治具
と、その基板搬送用治具を用いた液晶表示素子の製造方
法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、加工される
べき液晶表示素子用基板を支持するための支持体と、前
記基板をローラーで貼り付けるために前記支持体上に設
けられた粘着剤層とを備え、粘着剤層は前記基板を保持
するための粘着力が繰り返し使用してもほぼ一定に維持
される材料からなる2本の帯状体であって前記基板の搬
送方向と平行に配列されている基板搬送用治具を提供す
るものである。
【0009】また、この発明は、加工されるべき液晶表
示素子用基板を支持するための支持体と、前記基板をロ
ーラーで貼り付けるために前記支持体上に設けられた粘
着剤層とを備え、粘着剤層は前記基板を保持するための
粘着力が繰り返し使用してもほぼ一定に維持される材料
からなり、支持体の周縁部に枠体状に設けられている基
板搬送用治具を提供するものでもある。
【0010】つまり、この発明による基板搬送用治具
は、液晶表示素子用基板の両縁部又は周縁部のみを粘着
剤層に貼り付けて保持するように構成される。従って、
基板の中央部は粘着剤層に貼り付けられず、基板全面が
粘着剤層に貼り付けられる場合よりも基板に加わる応力
が分散する。この結果、基板に歪みが生じないように保
持して各製造工程に搬送できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明において、液晶表示素子
用基板とはガラス基板やプラスチック基板を意味し、こ
の発明による基板搬送用治具は、ガラス基板およびプラ
スチック基板のいずれにも用いることができる。しか
し、この発明による基板搬送用治具は、基板を基板搬送
用治具にローラーの圧力で貼り付ける際に基板に加わる
応力を分散させることができる点から、プラスチック基
板用の基板搬送用治具として特に好ましいものである。
【0012】プラスチック基板としては、板状のプラス
チック基板や、フィルム状のプラスチック基板を挙げる
ことができる。板状のプラスチック基板としては、例え
ば、アクリル樹脂よりなる厚さ約0.4mm程度のもの
を挙げることができる。一方、フィルム状のプラスチッ
ク基板としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリ
レートまたはポリエーテルスルホンなどからなるベース
層の表裏両面にエチレンビニルアルコール、ポリビニル
アルコールまたはSiOxなどからなるガスバリヤ層
と、エポキシ樹脂などからなる表面層がそれぞれ形成さ
れた厚さ約0.1mm程度のものを挙げることができ
る。
【0013】また、支持体としては、例えば、ガラスや
樹脂からなる厚さ約1〜3mm程度ものを用いることが
できる。ガラスとしては、例えば、ソーダガラスを用い
ることができ、樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を
用いることができる。
【0014】また、この発明による基板搬送用治具にお
いて、粘着剤層は、基板の加工領域(有効エリア)の範
囲外を貼り付けて保持するように設けられていることが
好ましい。このように構成すると、基板の加工領域に対
する歪みの発生を極力防止できるようになり、これは特
に液晶表示素子の製造工程における透明導電膜のパター
ニング工程など高い位置精度が要求される工程において
有効である。
【0015】また、この発明による基板搬送用治具は、
粘着剤層がベースエラストマーと粘着付与剤からなって
いてもよい。ここで、ベースエラストマーとしては、シ
リコーンゲル、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴ
ム、ブチルゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、ブタジエン
ゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニ
トリルゴム、ニトリルイソプレンゴム、アクリルゴム、
フッ素ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化
ポリエチレン、又はエピクロルヒドリンゴムなどを用い
ることができる。なお、これらのベースエラストマーの
うち、粘着性、耐熱性、耐油薬品性、表面平坦性、耐光
性、耐オゾン性等を考慮するとブチルゴムまたはシリコ
ーンゴムが好適である。
【0016】一方、粘着付与剤としては、ロジン系タッ
キファイヤー樹脂又は炭化水素系タッキファイヤー樹脂
を用いることができる。ロジン系タッキファイヤー樹脂
としては、グリセリンロジンエステル、水添ペンタエリ
スリトルエステル、水添グリセリンエステル、変性トー
ル油樹脂、重合ロジン、ロジンエステルなどを挙げるこ
とができる。また、炭化水素系タッキファイヤー樹脂と
しては、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、
脂肪族/芳香族混合型樹脂、熱反応性炭化水素樹脂、テ
ルペン樹脂、変性樹脂、特殊樹脂などを挙げることがで
きる。
【0017】例えば、ベースエラストマーとしてシリコ
ーンゴムを用いる場合は、ポリジメチルシロキサン又は
ポリジメチルフェニルシロキサンなどのポリマーに低分
子量オルガノシロキサン重合体およびシリコーンなどの
タッキファイヤー樹脂を添加したものを用いることがで
きる。
【0018】また、ベースエラストマーとしてブチルゴ
ムを用いる場合は、ブチルゴムにポリテルペン、テルペ
ンフェノール、フェノールホルムアルデヒド樹脂、変性
ロジン、ロジンエステル、または炭化水素樹脂などのタ
ッキファイヤー樹脂を添加し、さらにキノイド加硫、硫
黄あるいは硫黄供与化合物による加硫、または樹脂架橋
したものを用いることができる。
【0019】キノイド加硫する場合には、p−キノンジ
オキシム又はジベンゾイルp−キノンジオキシムとMn
2、PbO2、Pb23又はベンゾチアジルジサルファ
イドなどの酸化剤とを組み合わせたものを加硫剤として
用いることができる。また、樹脂架橋する場合には、ブ
ロム化フェノール樹脂などを用いることができる。
【0020】粘着剤層の粘着力は、粘着剤層を構成する
上記材料の組成によって調整できるが、粘着剤層の表面
形状(平滑〜凹凸)や、粘着剤層の形成面積を増減する
ことによっても調整することができる。この発明におい
て、粘着剤層の粘着力は、10mm幅あたりの剥離力で
表した場合、約25〜400gの範囲内であることが好
ましい。
【0021】というのは、10mm幅あたりの剥離力が
約25g未満の場合、基板を粘着剤層から剥離する際の
作業性は良好となるが、製造工程の条件(加熱温度、洗
浄条件)によっては基板と粘着剤層との界面に気泡や洗
浄液が浸入したり、基板搬送用治具から基板が脱落した
りすることがあり、安定して搬送できなくなるからであ
る。
【0022】一方、10mm幅あたりの剥離力が約40
0gを越える場合、工程終了後に基板搬送用治具を剥離
しずらくなり、場合によっては剥離時のストレスにより
基板に割れ、変形等の不具合が発生することがあるから
である。
【0023】また、この発明による基板搬送用治具は、
粘着剤層と支持体の高低差を予め埋めて支持体の表面平
滑性を確保する充填材料をさらに備えていてもよい。な
お、充填材料としては、例えば、オレフィン系樹脂を用
いることができる。このように構成すると、基板搬送用
治具の粘着剤側表面が全体的に平坦な面となるため、基
板搬送用治具に基板を貼り付ける際に基板に加わる応力
分布が均一化し、基板に歪みが生じることを効果的に防
止できる。
【0024】この発明は、別の観点から見ると、この発
明による基板搬送用治具に基板を貼り付けて液晶表示素
子の製造を行う液晶表示素子の製造方法を提供するもの
でもある。
【0025】
【実施例】以下に図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。なお、この実施例によってこの発明が限定
されるものではない。また、以下に説明する複数の実施
例において共通する部材には同じ符号を用いて説明す
る。
【0026】実施例1 この発明の実施例1による基板搬送用治具について図1
〜6に基づいて説明する。図1は実施例1による基板搬
送用治具の平面図、図2は図1のA−A断面図、図3お
よび図4は図1および図2に示される基板搬送用治具を
用いて液晶表示素子を製造する工程を説明する工程図、
図5は実施例1による基板搬送用治具に基板を貼り付け
る工程を平面からみた説明図、図6は図5に示される工
程を横方向からみた説明図である。
【0027】図1及び図2に示されるように、この発明
の実施例1による基板搬送用治具11は、加工されるべ
きプラスチック基板1(図3(a)参照)を支持するた
めの支持体4と、前記基板1をローラー51(図5およ
び図6参照)で貼り付けるために前記支持体4上に設け
られた粘着剤層2とを備え、粘着剤層2は前記基板1を
保持するための粘着力が繰り返し使用してもほぼ一定に
維持される材料からなり、支持体4の周縁部に枠体状に
設けられている。
【0028】具体的には、支持体4は、寸法:約300
×324mm、厚さ:約1.6mmのソーダガラスから
なり、粘着剤層2は、表面が平滑な厚さ:約0.2mm
のシート状のシリコーンゴム(硬度40°のシリコーン
系粘着剤)からなっている。支持体4と粘着剤層2は、
一方の表面にアクリル系粘着剤を備え、他方の表面にシ
リコーン系粘着剤を備える両面テープ3によって永久接
着されている。粘着剤層2と両面テープ3は共に枠体状
の形状を有しており、図1に示す枠の幅W1は約10m
mである。
【0029】次に、基板搬送用治具11を用いて液晶表
示素子を製造する方法について図3〜図6に基づいて説
明する。まず、図3(a)並びに図5および図6に示さ
れるように、基板搬送用治具11の粘着剤層2の表面
に、寸法:約300×324mm、厚さ:約0.4mm
のアクリル樹脂よりなる基板1を載置し(図5では載置
された基板1の図示を省略した)、搬送方向Fへ搬送し
ながら基板1の表面を直径:約20mmのゴムローラー
51で圧力:約3kgf/cm2、押圧スピード:約2
0cm/sec.にて基板1の長辺方向から押圧して基
板1を基板搬送用治具11に貼り付けた。
【0030】なお、図5における基板1上の短線52
は、基板1上に生じた残留歪みの大きさとその方向を示
したものであり、実施例1による基板搬送治具11に貼
り付けられた基板1は、その有効エリアにおいて歪みの
発生がほとんど無く、また、有効エリアの範囲外におい
ても僅かな歪みしか認められなかった。
【0031】この際、粘着剤層2のほぼ中央には開口部
5が設けられているため、基板1の中央部は粘着剤層2
に貼り付けられない。この結果、後述の比較例のよう
に、基板全面を粘着剤層に貼り付ける場合よりも基板1
に加わる応力が分散し、基板1に歪みが生じない。ま
た、基板1の周縁部が粘着剤層2に貼り付けられるの
で、洗浄工程などで使用される洗浄水は基板1の周縁部
と粘着剤層2との接合部分で遮断される。この結果、洗
浄水は基板搬送用治具11と基板1との間に浸入せず、
基板搬送用治具11は基板1を以降の各製造工程に安定
して搬送できる。
【0032】次に、図3(b)に示されるように、基板
1が貼り付いた基板搬送用治具11を洗浄し、その後、
マグネトロンスパッタリング装置(図示せず)内に設置
し、80℃の温度にて基板1上に膜厚70nm(700
Å)のITO透明導電膜を形成し、さらにITO透明導
電膜を所定の電極パターンにパターニングするための微
細加工(レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジ
スト洗浄除去)を行って透明電極7を形成した。
【0033】次に、図3(c)に示されるように、オフ
セット印刷機(図示せず)で均一な塗布性が求められる
配向膜8を印刷し、印刷された配向膜8を約100℃、
約3分間に設定されたホットプレートで仮乾燥させ、次
いで、配向膜8の本焼成を約100℃で約3時間行った
後、ラビング処理と洗浄を行った。
【0034】次に、図4(d)に示されるように、上記
の各工程を経て作製された一対の基板1の一方にシール
材9を印刷し、他方にセルギャップ制御用ビーズ10を
散布した後、基板1どうしを互いに貼り合わせ、シール
材9を硬化させた。なお、上記各工程を通じての最高処
理温度は、配向膜8を本焼成する際の約100℃であっ
たが、基板搬送用治具11と基板1との貼り合わせ部分
を観察した結果、粘着剤層2と基板1との界面に薬液や
水の浸入はなく、また著しい気泡の発生も確認されなか
った。
【0035】その後、図4(e)に示すように、貼り合
わせた基板1の両側の基板搬送用治具11をそれぞれ剥
離した。この際に必要な剥離力は、10mm幅あたりの
値に換算して約150〜200gであり、その剥離性は
適度なものであった。
【0036】図示はしないが、基板搬送用治具11から
剥離された基板1は、その後所定の形状に分断し、液晶
注入、偏光板貼り付けを順次行って液晶表示素子を作製
した。この際、基板1は、互いに貼り合わせられること
によって全体の剛性が増していたため、上記の分断、液
晶注入、偏光板貼り付けの各工程を基板搬送用治具から
外した状態で搬送して行っても何ら問題は生じなかっ
た。
【0037】一方、基板1から剥離した基板搬送用治具
11は、その後、粘着剤層2の洗浄工程を経て再度、新
たな基板1の貼り付け工程に戻し、貼り付けられた基板
1に対する上記各製造工程の搬送に使用した。このよう
な再使用を3回繰り返したが、粘着剤層2の粘着力に著
しい低下は認められなかった。
【0038】比較例 ここで、従来の基板搬送用治具にプラスチック基板を貼
り付け、プラスチック基板に生じた歪みを測定した比較
例について図15〜18に基づいて説明する。図15は
比較例による従来の基板搬送用治具の平面図、図16は
図15のD−D断面図、図17は比較例による従来の基
板搬送用治具に基板を貼り付ける工程を平面からみた説
明図、図18は図17に示される工程を側面からみた説
明図である。
【0039】図15および図16に示されるように、比
較例による従来の基板搬送用治具41は、寸法:約30
0×324mm、厚さ:約1.6mmのソーダガラスか
らなる支持体4上に粘着剤層2として基板1と同一寸法
で厚さ:約0.2mmのシート状のシリコーンゴム(硬
度:約40°のシリコーン系粘着剤)をシリコーン系樹
脂の接着剤3aで接着したものである。
【0040】ここで、図9および図10に示されるよう
に、従来の基板搬送用治具41の粘着剤層2の表面に寸
法:約300×324mm、厚さ:約0.4mmのアク
リル樹脂よりなる基板1を載置し(図9では載置された
基板1の図示を省略した)、搬送方向Fへ搬送しながら
基板1の表面を直径:約20mmのゴムローラー51で
圧力:約3kgf/cm2、押圧スピード:約20cm
/sec.にて基板1の長辺方向から押圧して基板1を
基板搬送用治具41に貼り付けた。
【0041】このように基板1を貼り付けると、基板1
の全面を歪めながら貼り付けることとなり、基板1の全
長:約324mmに対して数十μmの歪み(残留歪み)
が発生した。なお、図17における基板1上の短線52
は、基板1に生じた残留歪みの大きさとその方向を示し
たものであり、比較例による基板搬送用治具41に貼り
付けられた基板1は、その全面にわたって大きな歪みが
認められた。この残留歪みは、特に高精度なパターニン
グが必要となる透明導電膜のパターニング工程(レジス
ト塗布、露光、透明導電膜のエッチング、レジスト剥
離)において歪んだパターニングを行う原因となる。
【0042】実施例2 次に、この発明の実施例2による基板搬送用治具につい
て、図7〜9に基づいて説明する。図7は実施例2によ
る基板搬送用治具の平面図、図8は図7のB−B断面
図、図9は図7および図8に示される基板搬送用治具に
基板を貼り付けた状態を示す断面図である。
【0043】図7および図8に示されるように、実施例
2による基板搬送用治具21は、上述の実施例1による
基板搬送用治具11の開口部5(図1および図2参照)
を粘着力のない樹脂材6(オレフィン系樹脂)で埋めた
ものであり、その他の構成は上述の実施例1による基板
搬送用治具11と同一である。
【0044】このように構成することにより、基板搬送
用治具21の粘着剤層2側が全体的に平坦な面となる。
このため、基板搬送用治具21に基板1を貼り付ける際
に基板1に加わる応力分布が均一化し、歪みの発生が効
果的に防止される。
【0045】この後、図9に示されるように、基板搬送
用治具21に基板1を貼り付け、上記各製造工程に搬送
して液晶表示素子を製造したが、これらの工程について
は上述の実施例1と同様であるので、その説明は省略す
る。
【0046】実施例3 この発明の実施例3による基板搬送用治具について図1
0〜14に基づいて説明する。図10はこの発明の実施
例3による基板搬送用治具の平面図、図11は図10の
C−C断面図、図12は図10および図11に示される
基板搬送用治具を用いて液晶表示素子を製造する工程を
説明する工程図、図13はこの発明の実施例3による基
板搬送用治具に基板を貼り付ける工程を平面からみた説
明図、図14は図13に示される工程を横方向からみた
説明図である。
【0047】図10および図11に示されるように、実
施例3による基板搬送用治具31は、加工されるべきプ
ラスチック基板1(図12(a)参照)を支持するため
の支持体4と、前記基板1をローラー51(図13およ
び図14参照)で貼り付けるために前記支持体4上に設
けられた粘着剤層2とを備え、粘着剤2層は前記基板1
を保持するための粘着力が繰り返し使用してもほぼ一定
に維持される材料からなる2本の帯状体であって前記基
板1の搬送方向F(図13および図14参照)と平行に
配列されている。
【0048】具体的には、支持体4は、寸法:約300
×324mm、厚さ:約1.6mmのソーダガラスから
なり、粘着剤層2は、表面が平滑な厚さ:約0.2mm
のシート状のシリコーンゴム(硬度40°のシリコーン
系粘着剤)からなっている。支持体4と粘着剤層2は、
一方の表面にアクリル系粘着剤を備え、他方の表面にシ
リコーン系粘着剤を備える両面テープ3によって永久接
着されている。粘着剤層2と両面テープ3は共に帯状の
形状を有しており、図10に示す帯の幅W2は約10m
mである。
【0049】次に、基板搬送用治具31を用いて液晶表
示素子を製造する方法について図12〜14に基づいて
説明する。まず、図12(a)並びに図13および図1
4に示されるように、基板搬送用治具31の粘着剤層2
の表面に寸法:約300×324mm、厚さ:約0.4
mmのアクリル樹脂よりなる基板1を載置し(図13で
は載置された基板1の図示を省略した)、搬送方向Fへ
搬送しながら基板1の表面を直径:約20mmのゴムロ
ーラー51で圧力:約3kgf/cm2、押圧スピー
ド:約20cm/sec.にて基板1の長辺方向から押
圧して基板1を基板搬送用治具31に貼り付けた。
【0050】なお、図13における基板1上の短線52
は、基板1上に生じた残留歪みの大きさとその方向を示
したものであり、実施例3による基板搬送治具31に貼
り付けられた基板1は、その有効エリアにおいて歪みの
発生がほとんど無く、また、有効エリアの範囲外におい
ても僅かな歪みしか認められなかった。その後、基板搬
送用治具31に貼り付けた状態の基板1を洗浄工程に通
し、基板搬送用治具31ごと洗浄し、基板1の表面を洗
浄した。
【0051】次に、図12(b)に示されるように、基
板1が基板搬送用治具31に貼り付けた状態のままIT
O透明導電膜を形成し、さらにITO透明導電膜を所定
の電極パターンにパターニングするための微細加工、つ
まり、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジス
ト洗浄除去といった一連の処理を行って透明電極7を形
成した後、図12(c)に示されるように基板1を基板
搬送用治具31から剥離した。
【0052】図示はしないが、その後、配向膜塗布、ラ
ビング処理、シール印刷、セルギャップ制御用ビーズを
散布した後に一対の基板を貼り合わせ、所定の形状に分
断後、液晶注入、偏光板貼り付けを順次行って液晶表示
素子を作製した。
【0053】以上、実施例1〜3について説明したが、
この発明による基板搬送用治具は粘着剤層が支持体の両
縁部又は周縁部にしかないため、基板を貼り付けた際に
基板の有効エリアに生じる残留歪みが極力防止される。
このため、この発明による基板搬送用治具は透明導電膜
に電極パターンをパターニングするような高精度を要求
する工程において特に有効なものとなる。なお、上述の
実施例1〜3において、基板として板状プラスチック基
板を用いたが、この発明による基板搬送用治具はガラス
基板やフィルム状プラスチック基板にも同様に用いるこ
とができる。
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、液晶表示素子用基板
を保持する粘着剤層が、2本の帯状体で構成され基板の
搬送方向と平行に配列されているので、プラスチック基
板などの剛性の弱い基板であっても歪みが生じないよう
に保持して各製造工程に搬送できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による基板搬送用治具の平
面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1および図2に示される基板搬送用治具を用
いて液晶表示素子を製造する工程を示す工程図である。
【図4】図1および図2に示される基板搬送用治具を用
いて液晶表示素子を製造する工程を示す工程図である。
【図5】図1および図2に示される基板搬送用治具に基
板を貼り付ける工程を平面からみた説明図である。
【図6】図5に示される工程を側面からみた説明図であ
る。
【図7】この発明の実施例2による基板搬送用治具の平
面図である。
【図8】図5のB−B断面図である。
【図9】図6および図7に示される基板搬送用治具にプ
ラスチック基板を貼り付けた状態を示す断面図である。
【図10】この発明の実施例3による基板搬送用治具の
平面図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】図10および図11に示される基板搬送用治
具を用いて液晶表示素子を製造する工程を示す工程図で
ある。
【図13】図10および図11に示される基板搬送用治
具に基板を貼り付ける工程を平面からみた説明図であ
る。
【図14】図13に示される工程を側面からみた説明図
である。
【図15】比較例による従来の基板搬送用治具の平面図
である。
【図16】図15のD−D断面図である。
【図17】図15および図16に示される従来の基板搬
送用治具に基板を貼り付ける工程を平面からみた説明図
である。
【図18】図17に示される工程を側面からみた説明図
である。
【符号の説明】
1・・・プラスチック基板 2・・・粘着剤層 3・・・両面テープ 4・・・支持体 5・・・開口部 11・・・基板搬送用治具

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工されるべき液晶表示素子用基板を支
    持するための支持体と、前記基板をローラーで貼り付け
    るために前記支持体上に設けられた粘着剤層とを備え、
    粘着剤層は前記基板を保持するための粘着力が繰り返し
    使用してもほぼ一定に維持される材料からなる2本の帯
    状体であって前記基板の搬送方向と平行に配列されてい
    る基板搬送用治具。
  2. 【請求項2】 加工されるべき液晶表示素子用基板を支
    持するための支持体と、前記基板をローラーで貼り付け
    るために前記支持体上に設けられた粘着剤層とを備え、
    粘着剤層は前記基板を保持するための粘着力が繰り返し
    使用してもほぼ一定に維持される材料からなり、支持体
    の周縁部に枠体状に設けられている基板搬送用治具。
  3. 【請求項3】 粘着剤層は、基板の加工領域の範囲外を
    貼り付けて保持するように設けられている請求項1又は
    2に記載の基板搬送用治具。
  4. 【請求項4】 粘着剤層と支持体の高低差を予め埋めて
    支持体の表面平滑性を確保する充填材料をさらに備える
    請求項1又は2に記載の基板搬送用治具。
  5. 【請求項5】 充填材料がオレフィン系樹脂である請求
    項4に記載の基板搬送用治具。
  6. 【請求項6】 粘着剤層は、ベースエラストマーと粘着
    付与剤からなる請求項1又は2に記載の基板搬送用治
    具。
  7. 【請求項7】 ベースエラストマーが、シリコーンゲ
    ル、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴ
    ム、ウレタンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、エチレ
    ンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、
    ニトリルイソプレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、
    クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレ
    ン、又はエピクロルヒドリンゴムである請求項6に記載
    の基板搬送用治具。
  8. 【請求項8】 粘着付与剤が、ロジン系タッキファイヤ
    ー樹脂又は炭化水素系タッキファイヤー樹脂である請求
    項6に記載の基板搬送用治具。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1つに記載の基
    板搬送用治具に基板を貼り付けて液晶表示素子の製造を
    行う液晶表示素子の製造方法。
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