JP2002528388A - 環改変された環状ペプチドアナログ - Google Patents

環改変された環状ペプチドアナログ

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JP2002528388A JP2000566295A JP2000566295A JP2002528388A JP 2002528388 A JP2002528388 A JP 2002528388A JP 2000566295 A JP2000566295 A JP 2000566295A JP 2000566295 A JP2000566295 A JP 2000566295A JP 2002528388 A JP2002528388 A JP 2002528388A
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Abstract

(57)【要約】 抗真菌活性を有する新規アナログを生成するための、Echinocandin型化合物の環状ペプチド環系を改変するための方法が提供される。特許性のあるプロセスは、環状ペプチド環を開き、末端オルニチン単位を切断し、少なくとの1つの新規のアミノ酸または他の合成単位を挿入し、そしてこの環を閉じ、新規の環状ペプチド環構造を生成する工程を包含する。このプロセスは、水溶性のような特徴をこの環状ペプチド環核(さらなる改変のための部位)に組み込み、この環核内のアミノ酸またはペプチド単位の数を増加または減少させ、そしてこの環内のメンバーの総数を増加または減少させる。本発明はさらに、新規のEchinocandin型化合物、ならびに抗真菌または抗寄生虫薬剤としてのそれらの使用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の相互参照) 本願は、US60/097,228(1998年8月20日出願)のコンバー
ジョン出願である。
【0002】 (技術分野) 本発明は、天然物またはそれらの半合成誘導体(特に、Echinocand
in型化合物)の環状ペプチド環核中のペプチド単位(単数または複数)を置換
することによる環改変された環状ペプチドアナログの調製法、およびそれによっ
て生成される新規の半合成環状ペプチド化合物に関する。
【0003】 (背景技術) EchinocandinBは、抗真菌活性を有する天然物であり、これは、
これまで種々の方法で改変されてきた。例えば、ジヒドロ−およびテトラヒドロ
−還元生成物ならびに環核からの活性基ペンダントの改変を含む単純な誘導体が
作製されてきた。最も一般的なアプローチは、N−アシル側鎖の置換である。例
えば、米国特許第4,293,489号;同第4,320,052号;同第5,
166,135号;および同第5,541,160号;ならびにEP35952
9;448353;447186;462531;および561639は、種々
のN−アシル誘導体化Echinocandin型化合物を記載し、これらは、
種々の程度の抗真菌および抗原生動物活性を提供する。
【0004】 他の改変には、ペンダントフェノール性基のヒドロキシル基のアシル化が挙げ
られる。例えば、GB2,242,194;およびEP448343;4483
54;503960および525889は、水溶性を与えるための、中性pHで
荷電基を有するアシル、ホスホノおよびスルホラジカルの導入を記載する。
【0005】 GB2,241,956およびEP448355は、シクロヘキサペプチド化
合物の水素還元生成物を記載する。
【0006】 Echinocandinファミリーおよびそれらの半合成アナログの総説は
、Turner,W.ら、Current Pharmaceutical D
esign,2、209−224(1996)に見出され得る。この総説は、E
chinocandin天然物およびそれらの半合成アナログのインビトロおよ
びインビボ活性を比較する。
【0007】 上記アプローチの各々は、活性基ペンダントとの反応が環状ペプチド環核に限
定される。いくつかは、全環状ペプチド核を合成的に構築するための試みがなさ
れてきた。(すなわち、米国特許第5,696,084号;J.Am.Chem
.Soc.、108、6041(1986);Evans,D.A.ら、J.A
m.Chem.Soc.、109、5151(1987);J.Med.Che
m.、35、2843(1992);およびKurokawa,N.ら、Tet
rahedron、49、6195(1993)を参照のこと)。しかし、この
アプローチは、コスト効果がなく、かつラセミ混合物に導き得る。従って、強力
な抗真菌性の候補物の範囲を広くする天然物の環状ヘキサペプチド核を改変する
ための、より柔軟でありそしてコスト効果のあるプロセスを提供する必要性が存
在する。
【0008】 数人の研究者らは、塩酸およびトリフルオロ酢酸のような酸を使用して非対称
ラクトンを提供するための、アミド結合に対してδおよびγ位にヒドロキシル基
を有する化合物におけるアミド結合の優先的切断を記載する;しかし、直鎖状ペ
プチドの末端アミノ酸基の切断へのプロセスは適用されてきていない。(すなわ
ち、K.Tanakaら、Tetrahedron Lett、26(10)、
1337(1985);N.Babaら、Chem Lett (5)、889
(1989);H.Yodaら、Chem Express、4(8)、515
(1989);およびY.Yamamotoら、J.Org Chem、56(
3)、112(1991)を参照のこと)。
【0009】 (発明の簡単な要旨) 本発明は、抗真菌活性を有する新規のアナログを生成するための、Echin
ocandin型化合物の環状ペプチド環系を改変するための方法を提供する。
特許性のあるプロセスによって、以前は可能ではなかった、天然および半合成の
生成物の環状ペプチド構造が可能となった。例えば、環状ペプチド環核(さらな
る改変のための部位)へ水溶性のような特徴を組み込み得、環核内のアミノ酸ま
たはペプチド単位の数を増加または減少させ得、そして環核中のメンバー(また
は原子)の総数を増大または減少させ得る。
【0010】 このプロセスは、以下の工程を包含する:(i)γ−ヒドロキシル基を有する
ペプチド単位を含有する環状ペプチド化合物を提供する工程;(ii)上記環状
ペプチド化合物の環を開き、第1の直鎖状ペプチドを提供する工程であって、こ
こで上記γ−ヒドロキシル基を有するペプチド単位が、上記第1の直鎖状ペプチ
ドのN−末端ペプチド単位である、工程;(iii)上記γ−ヒドロキシル基を
有するペプチド単位を切断し、第2の直鎖状ペプチドを提供する工程(好ましく
は、有機溶媒中、上記第1の直鎖状ペプチドにトリフルオロ酢酸または塩酸を添
加することによる);(iv)少なくとも1つのアミノ酸、ジペプチド単位また
は合成単位を、上記第2の直鎖状ペプチドに結合し、第3の直鎖状ペプチドを提
供する工程;(v)上記第3の直鎖状ペプチドを環化し、改変された環核を有す
る改変された環状ペプチド化合物を提供する工程。あるいは、第2のペプチド単
位は、工程(iv)においてアミノ酸、ジペプチド単位または合成単位(単数ま
たは複数)を結合させ、続く工程(v)における環化の前に、工程(iii)に
おいて生成された上記第2の直鎖状ペプチドが切断され得る。工程(iv)にお
ける2つ以上の単位の付加は、段階的様式で達成され得る(例えば、第1の1単
位が結合され、次いで、第2の単位が結合される)。とりわけ興味深いのは、新
規の環状ヘキサペプチドならびに真菌および寄生虫活性の阻害を示すヘキサペプ
チド化合物を生成するための、Echinocandin型化合物の改変である
。このプロセスはまた、以下の式IおよびIIを有する環状ペプチド化合物(そ
れらの薬学的に受容可能な塩、エステルおよび水和物を含む)を生成するための
、簡便な手段を提供する:
【0011】
【化12】 ここで、 Rが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ
アリール基であり; R2が、−Hまたは−CH3であり; R3が、−H、−CH3、−CH2CONH2または−CH2CH2NH2であり; R4が、−Hまたは−OHであり; R5が、−OH、−OPO32、または−OSO3Hであり; R6が、−Hまたは−OSO3Hであり; R7が、−CH3または−Hであり; (Y)が、以下の式によって表され:
【0012】
【化13】 ここで、 Aが、−(CH2a−(ここでa=1〜4)、−CHR’−CHR’’−(C
2b−(ここでR’およびR’’は独立して−H、−OH、C65O−、−S
H、−NH2、Cnn+2NH−、Cnn+2O−、Cnn+2S−または−Cnn+2
であり、ここでn=1〜4であり、そしてb=0〜1である)、−(CH2c
C(O)NH(CH2d−(ここでc=1〜2およびd=1〜2)、−N=CH
−(CH2e−(ここでe=0〜2)、−NR’’’(CH2f−(ここでR’
’’は−H、−C(O)(CH2)CH2NH2、−C(O)CH(NH2)CH2
NH2または−Cnn+2であり、ここでn=1〜4およびf=1〜3)、−(C
2g−SO2−(CH2h−(ここでg=1〜2およびh=1〜2)、
【0013】
【化14】 (ここでi=1または2)、あるいは
【0014】
【化15】 (ここでjは1または2であり、そしてZはアミノ基、アルキルアミノ基、
またはピペリジルアミノ基である)であり; Bは、置換または非置換のC1〜C6アルキル基(例えば、イソプロピル、p
−ヒドロキシベンジル、ヒドロキシメチル、またはα−ヒドロキシエチル)であ
り;そして Wは、水素またはC(O)R(ここでRは上記に定義される通りである)であ
る。
【0015】 本発明の別の実施態様において、式IおよびII(上記)を有する新規の環状
ペプチド化合物が提供され、ここで、 Aが、−(CH2a−(ここでa=1、2または4)、−CHR’−CHR’
’−(CH2b−(ここでR’およびR’’は独立して−H、−OH、C65
−、−SH、−NH2、Cnn+2NH−、Cnn+2O−、Cnn+2S−または−
nn+2であり、ここでn=1〜4であり、そしてb=0である)、−(CH2
c−C(O)NH(CH2d−(ここでc=1〜2およびd=1〜2)、−N
=CH−(CH2e−(ここでe=0〜2)、−NR’’’(CH2f−(ここ
でR’’’は−H、−C(O)CH2NH2、−C(O)CH(NH2)CH2NH 2 または−Cnn+2であり、ここでn=1〜4およびf=1〜3)、−(CH2 g −SO2−(CH2h−(ここでg=1〜2およびh=1〜2)、
【0016】
【化16】 (ここでi=1または2)、あるいは
【0017】
【化17】 (ここでjは1または2であり、そしてZはアミノ基、アルキルアミノ基、
またはピペリジルアミノ基である)である。
【0018】 本発明のなお別の実施態様において、薬学的組成物が、上記される新規の化合
物IおよびII(それらの薬学的に受容可能な塩、エステルおよび水和物を含む
)を薬学的に不活性なキャリア中に含有して提供される。真菌の増殖および寄生
虫の活性を阻害するための、上記される新規の化合物および薬学的組成物を使用
する方法がまた、提供される。ならびにヒトにおける真菌感染を処置する方法で
あって、このような処置の必要があるヒトに、治療学的に有効量の上記新規抗真
菌化合物を投与する工程を包含する方法が提供される。
【0019】 本明細書中で使用する場合には、用語「Echinocandin型化合物」
とは、以下の一般式を有する化合物(任意の簡単なその誘導体を含む)を表す:
【0020】
【化18】 ここで、Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、または
ヘテロアリール基であり;R1は、−Hまたは−OHであり;R2は、−Hまたは
−CH3であり;R3は、−H、−CH3、−CH2CONH2または−CH2CH2
NH2であり; R4は、−Hまたは−OHであり;R5は、−OH、−OPO32、または−OS
3Hであり;そしてR6は、−Hまたは−OSO3Hである。
【0021】 用語「アルキル」とは、他に示されない限り、1〜30個の炭素原子を含む一
般式Cn2n+1の炭化水素ラジカルを表す。このアルカンラジカルは、直鎖、分
枝鎖、環式または多環式であり得る。このアルカンラジカルは、置換または非置
換であり得る。同様に、アルコキシ基またはアルカノエートのアルキル部分は、
上記と同じ定義を有する。
【0022】 用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む非環式
炭化水素を表す。このアルケンラジカルは、直鎖、分枝鎖、環式、または多環式
であり得る。このアルケンラジカルは、置換または非置換であり得る。用語「ア
ルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む非環式炭化水素を
表す。このアルキンラジカルは、直鎖、または分枝鎖であり得る。このアルキン
ラジカルは、置換または非置換であり得る。
【0023】 用語「アリール」とは、単環系(例えば、フェニル)または縮合環系(例えば
、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンなど)を有する芳香族部分を表す
。このアリール基は、置換または非置換であり得る。置換アリール基は、芳香族
部分の鎖を含む(例えば、ビフェニル、ターフェニル、フェニルナフタニルなど
)。
【0024】 用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つのヘテロ原子を芳香環系内に含
む、芳香族部分を表す(例えば、ピロール、ピリジン、インドール、チオフェン
、フラン、ベンゾフラン、イミダゾール、ピリミジン、プリン、ベンズイミダゾ
ール、キノリンなど)。この芳香族部分は、単環系または縮合環系から構成され
得る。これらのヘテロアリール基は、置換または非置換であり得る。
【0025】 有機化学の分野内において、特に、有機生化学の分野内において、化合物のか
なりの置換が、許容されるか、または有用でさえあることが、広く理解される。
本発明において、例えば、用語、アルキル基は、古典的なアルキルである置換基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、イソオクチル、ドデシル、ス
テアリルなど)を考慮する。用語、基は、当該分野において通常のアルキル上の
置換(例えば、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、カルボニル、ケト、エステ
ル、カルバメート(carbamato)など)、ならびに非置換のアルキル部
分を含むことを、特に予測および考慮する。しかし、これらの置換基は、その化
合物の薬理学的特性に不利に影響を与えないように、または医薬の使用を不利に
妨害しないように、選択されるべきであることが、当業者によって一般的に理解
される。上で定義された基の任意のものについて適切な置換基には、アルキル、
アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール
オキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、モノ−およびジ−アルキル
アミノ、四級アンモニウム塩、アミノアルコキシ、ヒドロキシアルキルアミノ、
アミノアルキルチオ、カルバミル、カルボニル、カルボキシ、グリコリル、グリ
シル、ヒドラジノ、グアニル、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】 (発明の詳細な説明) 以下に概略される合成スキームは、Echinocandin型化合物の環状
ペプチド環系を、キラリティを維持しながら改変するための、一般的手順を示す
。任意のEchinocandin型の天然産物または半合成誘導体の、環状ペ
プチド環は開環され得、そしてオルニチンペプチド単位のγ−ヒドロキシル基が
存在し、ブロックされていない限り、末端オルニチンペプチド単位が切断され得
る。用語「天然産物」とは、天然の特定の供給源のより制限された分布でより特
徴的な、通常は比較的複雑な構造を有する、二次代謝物を表す。Echinoc
andin環状ペプチドファミリーに属する、適切な天然産物出発物質には、E
chinocandinB、EchinocandinC、アクレアシン(Ac
uleacin)Aγ、ムルンドカンジン(Mulundocandin)、ス
ポリオフンギン(Sporiofungin)A、ニューモカンジン(Pneu
mocandin)A0、WF11899A、およびニューモカンジンB0が挙げ
られる。例示の目的で、以下の合成スキームは、シロフンギン(Cilofun
gin)で開始する。
【0027】
【化19】
【0028】
【化20】 上に示すように、環状ヘキサペプチド環(1)は、初めに塩基性触媒を使用し
て開環され、次いで水素化ホウ素ナトリウムで還元されて、直鎖状ヘキサペプチ
ド(2)を与える。トリフルオロ酢酸(TFA)中のトリエチルシランで処置す
るとすぐに、ベンジルのヒドロキシルが除去され、そしてオルニチン単位が切断
されて、直鎖状ペンタペプチド(3)を与える。この直鎖状ペンタペプチド(3
)はここで、保護され得、そして一級アミドが活性化されて中間体(4)を生じ
得、この中間体は、新たなアミノ酸単位または他の合成単位を用いて再環化され
て、新たな環式化合物(5)を生成し得る。環式化合物(5)は、脱保護し、(
存在するならば)ペンダントアミノ基をアシル化することによってさらに改変さ
れて、N−アシル側鎖を有する改変された環式化合物(6)を与え得る。このN
−アシル側鎖は、当該分野で公知の様々な側鎖部分を包含することを、当業者は
理解する。適切な側鎖部分には、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基
、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基およびこれらの組合せが挙げら
れる。好ましくは、この側鎖は、直鎖の剛性セクションと可撓性のアルキルセク
ションとの両方を含み、抗真菌効力を最大にする。さらに、新たな官能基を有す
る新たなアミノ酸、ペプチドまたは合成単位(単数または複数)を組み込むこと
により導入された、任意のこのような新たな官能基に、さらなる改変がなされ得
る。
【0029】 あるいは、別のペプチド単位が中間体(3)から切断されて、テトラペプチド
(7)を与え得、このテトラペプチドは、新たなアミノ酸単位、ジペプチド単位
、または他の合成単位で再環化されて、新たな環式化合物(8)を生成し得る。
環式化合物(5)と同様に、化合物(8)もまた、脱保護し、そして(存在する
ならば)ペンダントアミノ基をアシル化してN−アシル側鎖を付着させることに
よるか、または新たなアミノ酸、ペプチドもしくは合成単位を組み込むことによ
り導入される任意の新たな官能基の改変によって、さらに改変され得る。
【0030】 上の合成スキームに示したように、これらの環核は、当業者に周知の標準的な
塩基性触媒を使用して、C末端L−プロリン、N末端R−オルニチン結合におい
て、選択的に開環される。一旦、環状ヘキサペプチドが開環すると、その末端オ
ルニチンアミノ酸が切断されて、新たなアミノ酸(または他の合成単位)が、当
業者に周知の標準的なペプチド形成プロセス(または縮合プロセス)を使用して
、付着され得る。末端オルニチン単位は、有機溶媒(例えば、塩化メチレン、ト
ルエン、またはジオキサン)中のトリフルオロ酢酸または塩酸を用いて、切断さ
れる。好ましい反応条件は、塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸である。
【0031】 任意のアミノ酸またはペプチド単位が、直鎖状ペプチドに付着され得る。理論
的には、他の合成単位を、環化可能なペプチドに縮合させることもまた可能であ
る。例えば、スルホンアミド結合が、直鎖状ペプチド上の末端アミノ基と、合成
単位のスルホニル基との間に形成され得る。多数の他の結合がまた、予測され得
る;しかし、このような化合物の薬学的活性は、現在のところ未知である。
【0032】 新たなアミノ酸、ジペプチド単位または他の合成単位を挿入することにより、
シクロペプチド環のサイズを変更することが可能となる。この環系内の原子の数
は、この環に挿入される特定の化合物(単数または複数)に依存して、もとの2
1員のEchinocandin環構造から増加または減少し得る。理論的には
、環のサイズは、直鎖状ペプチドの構造のみによって制限される。直鎖状ペプチ
ドが短すぎるか長すぎる場合には、それらの末端は、反応のために十分に近く接
近し得ず、そしてこれらの末端は、閉じて環を形成するよりむしろ、別の直鎖状
ペプチドと重合し得る。閉環のための直鎖状ペプチドの最適な構造は、そのペプ
チド構造を構成する特定のアミノ酸に依存して変化する。Echinocand
in型化合物については、好ましくは、最終的な環構造は、19〜22員の間を
含み、より好ましくは、最終環構造は21員環または22員環であり、最も好ま
しくは、最終環構造は21員環である。
【0033】 Echinocandin環構造からのアシル側鎖ペンダントは、天然産物お
よび半合成のEchinocandin型物質の両方の活性において、重要な役
割を果たすことが、周知である。結果として、任意のアミノ酸または合成単位が
、最終的な環化生成物がアシル化可能なアミノ基を少なくとも1つ含む限り、そ
の環への挿入に使用され得る。
【0034】 挿入された化合物が1つより多い単位を含む場合には、その単位は、一度に1
つ、直鎖状ペンタ−またはテトラ−ペプチドに付着され得るか、あるいは個々の
単位が、組み合わせられ、次いでブロック単位として、直鎖状ペンタ−またはテ
トラ−ペプチドに付加され得る。好ましくは、これらの単位は、ラセミ化を最小
化するために、ブロック単位として付加される。
【0035】 アミノ基のアシル化は、当業者に周知の様々な方法で達成され得る。例えば、
アミノ基は、適切に置換されたハロゲン化アシルとの、好ましくは、三級アミン
などの酸捕捉剤(例えば、トリエチルアミン)の存在下での反応によって、アシ
ル化され得る。この反応は、典型的に、約−20℃〜25℃の間の温度で実施さ
れる。適切な反応溶媒には、ジオキサンまたはジメチルホルムアミドなどの、極
性非プロトン性溶媒が挙げられる。溶媒の選択は、使用される溶媒が進行中の反
応に対して不活性であり、かつ反応物が所望の反応を起こすに十分に可溶化され
る限り、重要ではない。
【0036】 アミノ基はまた、適切に置換されたカルボン酸との、カップリング剤の存在下
での反応により、アシル化され得る。適切なカップリング剤には、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC)、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ビス(
2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−Cl)、
N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ
)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフ
ルオロホスフェート(PyBOP)などが挙げられる。
【0037】 あるいは、アミノ基は、カルボン酸の活性エステル(例えば、p−ニトロフェ
ニル、2,4,5−トリクロロフェニル、ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
(HOBT・H2O)、ペンタフルオロフェノール、およびN−ヒドロキシスク
シンイミドのカルボキシレートエステル)によって、アシル化され得る。好まし
いアシル化部分は、2,4,5−トリクロロフェニルおよびHOBTカルボキシ
レートエステルである。この反応は、典型的に、非プロトン性溶媒中、約0℃〜
30℃の温度で、1〜65時間実施される。この反応は、一般に、約15℃〜3
0℃の間の温度で実施すると、約24〜48時間後に完了する。適切な溶媒には
、テトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミド、またはこれらの混合物が挙
げられる。このアミノ基は一般に、活性エステルに対して等モルの割合で、また
はアミノ基がわずかに過剰に、存在する。
【0038】 本発明の化合物は、単離され得、そしてそれ自体で、またはその薬学的に受容
可能な塩もしくは水和物の形態で、使用され得る。用語「薬学的に受容可能な塩
」とは、無機酸または有機酸から誘導される、非毒性の酸付加塩を表す。適切な
塩誘導体には、ハロゲン化物、チオシアン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、
重亜硫酸塩、アリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ホスホン酸塩、一水素リ
ン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロホスホン酸塩(pyrophos
phonate)、アルカン酸塩、シクロアルキルアルカン酸塩、アリールアル
コネート(arylalkonate)、アジピン酸塩、アルギニン酸塩、アス
パラギン酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸
塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペク
チン酸塩、ピクリン酸塩、吉草酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、樟脳
酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、トリフルオロ酢酸塩などが挙
げられる。
【0039】 環改変化合物は、様々な薬学的処方物において使用され得る。典型的な処方物
は、環改変化合物(またはその薬学的に受容可能な塩、エステル、または水和物
)を、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤と組み合わせて、含有
する。活性成分は、典型的に、薬学的投薬形態に処方されて、薬物の容易に制御
可能な投薬を提供し、そして患者に、エレガントかつ容易に取り扱い可能な製品
を与える。処方物は、0.1重量%〜99.9重量%の活性成分、より一般的に
は、約10重量%〜約30重量%の活性成分を含有し得る。
【0040】 本明細書中で使用する場合には、用語「単位用量」または「単位投薬」とは、
所望の治療効果を提供するために計算された所定の量の活性成分を含有する、物
理的に分離された単位を表す。単位用量が経口的または非経口的に投与される場
合には、それは典型的に、錠剤、カプセル剤、丸薬、散剤、パケット(pack
et)、局所組成物、挫剤、オブラート(wafer)、アンプル中または多用
量容器中に量り取られた単位などの形態で提供される。あるいは、単位用量は、
乾燥エアロゾルまたは液体エアロゾルの形態(これらは、吸入または噴霧され得
る)で、投与され得る。
【0041】 投与されるべき投薬量は、患者の身体的特徴、患者の症状の重篤度、およびそ
の薬物の投与に使用される手段に依存して、変動し得る。所与の患者のための具
体的な用量は、通常、主治医の判断により設定される。
【0042】 適切なキャリア、希釈剤および賦形剤は、当業者に周知であり、そして炭水化
物、ロウ、水溶性および/または膨潤性のポリマー、親水性または疎水性の物質
、ゼラチン、オイル、溶媒、水などの物質が挙げられる。使用される具体的なキ
ャリア、希釈剤または賦形剤は、活性成分が適用される手段および目的に依存す
る。この処方物はまた、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、甘味料、安
定化剤、香料、矯味矯臭剤、およびこれらの組み合わせを含有し得る。
【0043】 薬学的組成物は、種々の方法を使用して投与され得る。適切な方法には、局所
的(例えば、軟膏または噴霧)、経口、注射および吸入が挙げられる。使用され
る特定の処置方法は、取り組まれる感染のタイプに依存する。
【0044】 Echinocandin型化合物は、Candida種(すなわち、C.A
lbicans、C.Parapsilosis、C.Krusei、C.Gl
abrata、C.Tropicalis、またはC.Lusitaniaw)
;Torulopus種(すなわち、T.Glabrata);Aspergi
llus種(すなわち、A.Fumigatus);Histoplasma種
(すなわち、H.Capsulatum);Cryptococcus種(すな
わち、C.Neoformans);Blastmyces種(すなわち、B.
Dermatitidis);Fusarium種;Trichophyton
種、Pseudallescheria boydii、Coccidioid
es immits、Sporothrix schenckiiなどを含む、
種々の感染性真菌についての増殖阻害のような抗真菌および抗寄生生物活性を示
すことが示されている。
【0045】 この種の化合物はまた、Pneumocystis carinii(AID
Sにおけるニューモシスティス肺炎(PCP)の原因生物)の増殖阻害のような
、免疫抑制された個体および他の免疫無防備状態の患者における日和見感染の主
な原因である特定の生物の増殖を阻害する。Echinocandin型化合物
によって阻害される他の原生動物には、Plasmodium種、Leishm
ania種、Trypanosoma種、Cryptosporidium種、
Isospora種、Cyclospora種、Trichomnas種、Mi
crosporidiosis種などが挙げられる。
【0046】 本発明の化合物は、全身性の真菌感染かまたは真菌の皮膚感染のいずれかと戦
うのに有用である。従って、式IまたはIIの化合物(あるいはそれらの薬学的
に受容可能な塩、エステル、または水和物)と真菌とを接触させる工程を包含す
る、真菌活性を阻害する方法が提供される。好ましい方法には、Candida
albicansまたはAspergillus fumigatis活性を
阻害することが挙げられる。「接触」という用語は、本発明の化合物と寄生生物
または真菌との結合(union)または連結(junction)または明ら
かな接触(touching)または相互接触(mutual tangenc
y)が挙げられる。この用語は、例えば、阻害の機構によるような、プロセスに
対するさらなる限定を何も含まない。この方法は、この化合物の作用ならびにそ
れらの固有な抗寄生生物性および抗真菌性による、寄生生物の活性および真菌の
活性の阻害を含むように規定される。
【0047】 式IまたはIIの化合物(あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステル
、または水和物)の有効量を真菌感染の処置を必要とする宿主に投与することを
含む、真菌感染を処置するための方法がまた、提供される。好ましい方法には、
Candida albicansまたはAspergillus fumig
atis感染を処置することが挙げられる。「有効量」という用語は、真菌活性
を阻害し得る活性な化合物の量を示す。投与される用量は、感染の性質および重
篤度、宿主の年齢および一般的健康状態、ならびに宿主の抗真菌剤への耐性のよ
うな因子に依存して変化する。特定の用量レジメンは、同様にこれらの因子に従
って変化し得る。この医薬品は、単回の1日用量またはその日の複数回用量で与
えられ得る。このレジメンは、約2〜3日から約2〜3週間以上まで続き得る。
典型的な1日用量(単回用量または分割された用量で投与される)は、体重1k
g当たり約0.01mg〜100mgの間の投薬レベルの活性化合物を含む。好
ましい1日用量は、一般的に約0.1mg/kg〜60mg/kgの間であり、
より好ましくは約2.5mg/kg〜40mg/kgの間である。
【0048】 本明細書中に記載される化合物は種々の環境(例えば、ヒト、動物、農業など
)において真菌および寄生生物の活性を阻害するために使用され得るが、好まし
くは、この使用方法は、薬物に対する耐性の発達の可能性を減少するために、ヒ
トの処置に限定される。
【0049】 (実施例) 他に示されない限り、全ての化学物質は、Aldrich Chemical
(Milwaukee,WI)、Sigma、および当業者に周知の他の市販の
供給源から得られ得る。以下の頭文字語は、対応する官能基または化合物を示す
: BOC=t−ブトキシカルボニル、(CH33C−O−C(O)− CBZ=ベンジルオキシカルボニル、C65CH2−O−C(O)− o−Cl−CBZ=オルト−クロロベンジルオキシカルボニル FMOC=フルオレニルメチルオキシカルボニル TBDMS=t−ブチルジメチルシリル TFA=トリフルオロ酢酸 AcN=アセトニトリル DMF=ジメチルホルムアミド THF=テトラヒドロフラン TDM=4,4’−テトラメチル−ジアミノ−ジフェニルメタン CAM=モリブデン酸アンモニウムセリウム 以下のセットの実施例は、シクロヘキサペプチド核を切断して新しい単位(単
数または複数)を挿入するための一般的な反応条件を示す。
【0050】 (重要な中間体の調製) (中間体I−2を与えるための、cilofungin(1)の開環および還
元)
【0051】
【化21】 55%アセトニトリル/45%水の350ml中のCilofungin(1
)(100g;96mmol)の攪拌溶液に、1N水酸化ナトリウム溶液(40
ml)を加えた。反応を、高速液体クロマトグラフィー(C−18カラム、50
%AcN/水、230nm)によってモニターした。1時間後、反応混合物は、
90%より多い中間体アルデヒドを含んだ。次に、水素化ホウ酸ナトリウム(1
.8g;48mmol)を加え、攪拌を20分間続けた。HPLCは、最終アル
コール生成物への完全な転換を示した。反応を、ガスの発生が完了するまで、酢
酸を滴下してクエンチした。アセトニトリルの大部分を、ロータリーエバポレー
ションによって除去し、続いて凍結乾燥して残りを除去し、固体生成物I−2お
よび無機塩の混合物98.1gを得た(HPLCにより93%純度)。
【0052】 (ペンタペプチド(I−3)を得るためのI−2のペプチド切断および脱酸素
化)
【0053】
【化22】 上記の未精製混合物の化合物I−2(98.1g)を、トリフルオロ酢酸(3
00ml)およびジクロロメタン(100ml)に溶解した。この混合物を氷浴
で冷却した。トリエチルシラン(32ml;0.2mol)を加え、反応物を0
℃で1時間攪拌した。氷浴を除き、反応物を、室温で18時間放置した。溶媒を
真空で除き、残渣をHPLC精製のためにメタノールに再び溶解させた。残渣を
、50%アセトニトリル/水;0.1%TFAを用いてC−18カラムを通して
精製し、より親油性の副生成物を除去した。極性のピークを、10%アセトニト
リル/水;0.1%TFAで精製した。凍結乾燥によって57.8g(収率98
%)の純粋なペンタペプチドトリフルオロ酢酸塩(I−3)を得た。FAB M
S=653.3(M+1)。
【0054】 (CBZペンタペプチド(I−4)の調製)
【0055】
【化23】 水(200ml)およびテトラヒドロフラン(100ml)中のI−3(50
.3g、66mmol)の氷浴で冷却した溶液に、過剰の固体重炭酸ナトリウム
を、さらなる泡立ちが生成しなくなり、pH>8となるまで加えた。カルボベン
ジルオキシクロリド(10ml、70mmol)を加え、反応をHPLC(25
%AcN/水、0.1%TFA、230nm)によってモニターした。pHをモ
ニターし、時々さらに重炭酸ナトリウムを加えて、溶液を塩基性に維持した。1
時間後、反応が完了し、溶媒を真空で除いた。残渣をメタノール中でスラリーに
し、固体無機物を、濾過により除去し、溶液を分取用HPLC(25%メタノー
ル/水)に通した。溶媒を除去し、白色泡状物として25.2g(収率49%)
のI−4を得た。FAB MS=787.38(M+1)。
【0056】 (シリルCBZペンタペプチド(I−5)の調製)
【0057】
【化24】 ジメチルホルムアミド(250ml)中の化合物I−4(25.2g、32m
mol)、イミダゾール(20.6g、303mmol)、およびt−ブチルジ
メチルシリルクロリド(45.6g、303mmol)を、TLC(25%酢酸
エチル/ヘキサン)によって反応を追いながら混合した。6時間後、溶媒を真空
で除き、残渣をスラリーにし、エーテル中で超音波処理した。エーテル溶液を1
N HClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、真空で減らして泡状物を得た。粗生
成物をフラッシュクロマトグラフィー(600gシリカ、25%酢酸エチル/ヘ
キサン)で精製し、32.9g(収率70%)の白色泡状物を得た。NMRデー
タは、構造I−5と一致した。FAB MS=1472.9(M)。
【0058】 (DiBOC CBZシリルペンタペプチド(I−6)の調製)
【0059】
【化25】 化合物I−5(32.9g、22.3mmol)をアセトニトリル(250m
l)およびテトラヒドロフラン(50ml)に溶解した。ジ−t−ブチルジカル
ボネート(16.1g、73.6mmol)およびジメチルアミノピリジン(2
99mg、2.2mmol)を攪拌しながら加えた。反応をTLC(20%酢酸
エチル/ヘキサン)によって追い、さらに3gのジ−t−ブチルジカルボネート
を、2時間後に加えた。さらに2.5時間後、数mlの酢酸を加え、ジメチルア
ミノピリジンをクエンチした。溶媒を、40℃未満の温度を保ちながら、真空で
除去した。残渣をクロマトグラフィー(500gシリカ、15%酢酸エチル/ヘ
キサン)にかけ、33.6g(収率89%)の白色泡状物を得た。NMRデータ
は、構造I−6と一致した。FAB MS=1672.0(M)。
【0060】 (中間体直鎖状テトラペプチド(I−7)の調製)
【0061】
【化26】 ペンタペプチド化合物I−3(5.75g、7.50mmol)の無水DMF
(200ml)溶液に、NaHCO3(690mg、8.25mmol)および
フェニルイソチオシアネート(0.99ml、8.25mmol)を加え、反応
物を室温で36時間攪拌した。固体を濾過により除き、濾液を真空で濃縮した。
得られたオイルをTFA(70ml)に溶解し、室温で1時間攪拌し、続いて溶
媒を真空で除去した。得られた固体を、水(150ml)で処理し、超音波処理
し、不溶性の物質を濾過によって除いた。濾液の逆相HPLC(4%AcN/0
.1%TFA/H2Oで溶出する)に続いて、凍結乾燥し、けば状の白色固体3
.20gを得た(収率64%)。1H NMR(300MHz)スペクトルは、
構造I−7と一致した。FAB MS(塩基の無いM+)=552。
【0062】 実施例1は、ペンタペプチド中間体(I−6)をEchinocandin型
化合物の環状ヘキサペプチドアナログに転換するための一般的な反応条件を示す
【0063】 (実施例1) (DiBOCシリルo−Cl−CBZヘキサペプチド(E1−1)の調製)
【0064】
【化27】 N−α−BOC−N−γ−(2−クロロ CBZ)−L−オルニチン(480
mg、1.2mmol)、N−ヒドロキシスクシンイミド(138mg、1.2
mmol)、およびジシクロヘキシルカルボジイミド(247mg、1.2mm
ol)のテトラヒドロフラン(4ml)溶液を、一晩攪拌し、活性化エステルを
形成した。I−6(1.0g、0.598mmol)のエタノール(5ml)溶
液をエタノール(5ml)中の10%Pd/C(250mg)のスラリーに加え
、続けて、10mlの氷酢酸を加えた。この混合物をH2のバルーン下に置き、
1時間後出発化合物は無くなった。触媒を濾過により除き、溶液を40℃未満の
温度に保ちながら高真空で注意深く減らした。得られたオイルをエーテルに溶解
し、先に調製した活性化エステルのテトラヒドロフラン溶液を加え、続けて溶液
がpH紙に対して塩基性になるまで過剰のトリエチルアミンを加えた。2時間の
攪拌後、溶液を飽和NaHCO3溶液で抽出し、続けて希HCL溶液で抽出し、
次いで別の飽和NaHCO3溶液の部分で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し
、真空で減少させ、0.85gの粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィ
ー(25%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、0.53gのカップリング
生成物E1−1を得た(収率47%)。NMRデータは構造E1−1と一致した
。 FAB MS=1922.2(M+1)。
【0065】 (E1−1のBOCシリルシクロヘキサペプチド(E1−2)への環化)
【0066】
【化28】 E1−1(0.53g、0.27mmol)のエタノール/酢酸溶液(それぞ
れ10ml)を10%Pd/C(200mg)とともに、水素のバルーン下に置
いた。2時間後、TLC(30%酢酸エチル/ヘキサン)は、完全な反応を示し
た。濾過により触媒を除き、溶媒を、残渣が濃い(thick)オイルになるま
で40℃で真空で減少させた。残渣をエチルエーテル(150ml)に溶解し、
過剰のトリエチルアミンを、溶液がpH紙に対して塩基性になるまで(約2ml
)加えた。18時間後、TLCは単一の生成物のスポットを示した。溶媒を真空
で除き、残渣をフラッシュカラムで精製し、343mgの白色固体を得た(収率
81%)。NMRデータは、構造E1−2と一致した。 FAB MS=1536.0(M+1)。
【0067】 (E1−3を得るための保護基の除去および側鎖の結合)
【0068】
【化29】 化合物E1−2(510mg、0.332mmol)を、0℃で5mlのトリ
フルオロ酢酸に溶解した。0.5時間後、水(0.5ml)を加え、混合物をさ
らに0.5時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、残渣を1N HCl(2ml)
およびテトラヒドロフラン(2ml)に溶解した。溶液を48時間冷蔵し、その
後HPLC分析(15%AcN/水、230nm)は単一の生成物のピークを示
した。溶媒を高真空で除去し、泡状残渣を得、これをジメチルホルムアミド(8
ml)に溶解した。テルフェニルヒドロキシベンゾトリアゾール活性化エステル
(191mg、0.4mmol)およびトリエチルアミン(0.2ml、1.4
mmol)を溶液に加えた。4時間後、HPLC(60% AcN/水、230
nm)が新規の生成物のピークへの完全な転換を示した。溶媒を高真空下で除き
、分析条件を使用して分取用HPLCによって精製した。純粋な画分から溶媒を
除いて、238mg(収率66%)の白色固体を得た。NMRデータは、構造E
1−3と一致した。FAB MS C5874714に対する計算値1092.
5294;実測値1092.5301(M)。
【0069】 以下の実施例は、鍵中間体(I−6)の環状ヘキサペプチドアナログへの転換
をさらなる説明を提供する。同様な方法で、I−6は、以下の環状ペプチドのそ
れぞれに転換された: Nα−BOC−Nδ−CBZ−D−オルニチンとのカップリングおよび引き続
く環化によって、63.9mgのE1−4(21員環)を得た。FAB MS
5874714に対する計算値1092.5294;実測値1092.528
0。
【0070】
【化30】 Nα−BOC−Nε−CBZ−L−リジンとのカップリングおよび引き続く環
化によって、44.1mgのE1−5(22員環)を得た。FAB MS C5976714に対する計算値1106.5450;実測値1106.5464。
【0071】
【化31】 Nα−FMOC−Nδ−CBZ−L−2,4−ジアミノ酪酸とのカップリング
および引き続く環化によって、65.0mgのE1−6(20員環)を得た。F
AB MS C5772714に対する計算値1078.5137;実測値10
78.5128。
【0072】
【化32】 Nα−BOC−Nβ−CBZ−L−2,3−ジアミノプロピオン酸とのカップ
リングおよび引き続く環化によって、25.5mgのE1−7(19員環)を得
た。FAB MS C5670714に対する計算値1064.4981;実測
値1064.4994。
【0073】
【化33】 表1は、インビトロおよびインビボの抗真菌活性が示されている以下の比較の
半合成Echinocandin化合物C1との比較における化合物E1−3〜
E1−7に対する活性データを要約する。器官回復のマウスモデルにおいて、化
合物C1は、腎臓から回収されるA.Fumigatusの数を有意に減少し、
mg/kg基準でアンホテリシンBと同じ有効性(両方が腹腔内に投与される場
合)であった。Pneumocystis cariniiモデルにおいて、化
合物C1は、4日間1日1度5mg/kgで経口的に投与した場合、重症感染し
た免疫抑制されたラットの肺の嚢胞の数を99%より多く減少した。4週間1日
につき2回の1mg/kgの予防経口投与は、全てのライフサイクル形態におけ
る90%より多い減少となった。(Turner、W.W.およびM.J.Ro
driguez、Current Pharmaceutial Design
、1996、2、p214を参照のこと)。
【0074】
【化34】 比較化合物および試験化合物の抗真菌活性は、標準的な寒天希釈試験またはディ
スク分散(disc−diffusion)試験を使用して、化合物の最小阻害
濃度(MIC)を得ることによってインビトロで決定された。
【0075】
【表1】 実施例2は、中間体I−6のEchinocandin型化合物のアザ環状ヘ
キサペプチドアナログへの転換を示す。
【0076】 (実施例2) (L−ホモセリン(E2−1)のN−BOC、ベンジル、アルデヒド誘導体の
調製)
【0077】
【化35】 Baldwin & Flinn,Tetrahedron Lett.,2
6(31),3605,(1987)に記載される以下の手順を、E2−1を調
製するために使用した。L−ホモセリン(5g、42mmol)の水の懸濁液(
20ml)を、固体の炭酸水素ナトリウム(3.5g、42mmol)で処理し
た。この混合物を、室温で約10分間攪拌した。ジ−t−ブチルジカーボネート
(BOC無水物)(13.75g、63mmol)のp−ジオキサン溶液(20
ml)を、混合物に添加し、次いで室温で約60時間、激しく攪拌した。得られ
た均一溶液を、減圧下で除去し、無色のオイル状物を得た。ベンジルブロミド(
10.8g、63mmol)のジメチルホルムアミド溶液(50ml)を、残渣
に添加した。別の固体の炭酸水素ナトリウム(1.8g、0.5当量)を反応物
に添加し、そしてこの混合物を、室温で一晩攪拌させた。この反応を薄層クトマ
トグラフィー(1:1クロロホルム/メタノールおよび1滴の氷酢酸、TDMス
テインを使用して展開する)によってモニターした。揮発物を減圧下で除去し、
そして酢酸エチルを得られた残渣に添加した。有機相を水(2回)、次いでブラ
インで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮し、1
4.7gの淡黄色のオイル状物を得た。残渣をジメチルスルホキシド(50ml
)で溶解した。トリエチルアミン(12.7g、126mmol)を添加し、そ
して混合物を氷浴で冷却した。三酸化硫黄/ピリジン複合体(20g、126m
mol)のジメチルスルホキシド(50ml)の懸濁液を、攪拌しながら添加し
た。氷浴を取り除き、そして混合物を室温まで昇温させた。約10分後、反応混
合物を、氷水(200ml)に注いだ。水相を酢酸エチルで2回抽出し、酢酸エ
チルの抽出物を、0.1Nの重硫酸ナトリウムで1回、水で1回、次いで最後に
ブラインで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下
で濃縮し、黄色のオイル状物を得た。フラッシュシリカゲルカラム精製クロマト
グラフィー(約250g、30%酢酸エチル/ヘキサン)により、11.1g(
86%)の淡黄色のオイル状物を得た。NMRおよび元素分析(C,H,N)デ
ータは、構造E2−1と一致した。MS(FD+)=308(M+H)。
【0078】 (化合物E2−1のジメチルアセタール(E2−2)の調製)
【0079】
【化36】 化合物E2−1(4g)をメタノール(50ml)に溶解し、次いで、氷浴で
冷却した。HClガスのわずかのブランケット(blanket)を攪拌溶液上
に導入し(約2〜3秒、ガスを与えた)、そしてこの溶液を冷却状態で攪拌させ
続けた。この反応をTLC(30%酢酸エチル/ヘキサン、CAMステイン)に
よってモニターした。さらなる量のHClガスを、反応を完了させるために必要
なだけ添加した。約2時間後、反応は完了したようであった。さらに冷却しなが
ら、反応を固体の炭酸水素ナトリウムを添加することでクエンチし、そしてわず
かにpHを塩基性側に保った。揮発物を減圧下で除去した。エーテルをこの残渣
に添加した。エーテル相を、飽和炭酸水素ナトリウムで1回洗浄した。水相をエ
ーテルで逆抽出した。次いで、合わせたエーテル抽出物をブラインで1回洗浄し
、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、4.6g(100%)の
透明で無色のオイル状物を得た。NMRおよび元素分析(CHN)データによる
と、構造E2−2と一致した。MS(FD+)=354(M+H)。
【0080】 (化合物E2−2の脱ベンジル化(E2−3))
【0081】
【化37】 化合物E2−2(4.2g、11.9mmol)を、酢酸エチル(50ml)
に溶解した。この溶液を脱気し/窒素で3回パージし、次いで、1.9gのチャ
コール担持5%パラジウム触媒を添加した。このフラスコから、もう1回気体を
抜き、次いで、水素をフラスコ中に導入した。この反応をTLC(40%酢酸エ
チル/ヘキサン)によりモニターし、そして約2時間後、この反応を完了した。
水素を減圧下で除去し、溶液を窒素でパージし、セライトフィルターエイド(a
id)を添加し、攪拌し、焼結ガラスロート上のセライトの小さなベット(be
d)通して濾過し、酢酸エチルでリンスし、そして濾液を減圧下で濃縮し、3.
1g(100%)の無色のオイル状物を得た。NMRデータは、構造E2−3と
一致した。MS(FD+)=264(M+H)。元素分析(CHN):理論値%
(C−50.18;H−8.04;N−5.32)。実測値%(C−51.14
;H−7.56;N−5.65)。
【0082】 (化合物2−3のジ−BOC−シリル−CBZ調製物(I−6)へのカップリ
ングにより(E2−4)を得る工程)
【0083】
【化38】 化合物I−6をエタノール(5ml)に溶解し、チャコール担持10%パラジ
ウムの200mgのスラリー(10mlのエタノール中)に添加した(全て窒素
雰囲気下)。氷酢酸(2ml)を添加し、次いでバルーンを介して水素雰囲気を
導入した。
【0084】 一方で、化合物E2−3(0.2g、0.76mmol)をテトラヒドロフラ
ン(2ml)(確実に密封したものかまたは水素化リチウムアルミニウムから新
しく蒸留したもの)に溶解し、96mg(0.84mmol)のN−ヒドロキシ
スクシンイミドを添加し、さらに172mg(0.84mmol)のジシクロヘ
キシルカルボジイミドを添加した。反応混合物を、室温で攪拌した。約10分後
、大量の沈殿物を確認した。両反応物を室温で約2〜3時間攪拌させ、そしてT
LC(25%の酢酸エチル/ヘキサン、CAMステイン)によってモニターした
【0085】 水素化反応の完了後、この混合物を窒素でパージし、セライトフィルターエイ
ドを添加し、攪拌し、次いで焼結ガラスロートのセライトのベットを通して濾過
した。この濾液を、両方の温度が45℃より高くならないように、減圧下で濃縮
した。残渣をテトラヒドロフラン(8ml)に溶解し、次いで、トリエチルアミ
ン(約2ml)を添加し、pHを6〜7の間にした。第2反応から新しく形成し
た活性エステルを、この容器に直接濾過し、そして十分なトリエチルアミンを添
加し、反応混合物を塩基性(約pH9〜10)に保った。この反応物を、室温で
一晩攪拌した。この反応を、TLC(25%の酢酸エチル/へキサン、CAMス
テイン)によってモニターした。
【0086】 揮発物を減圧下で除去し、クロロホルムを残渣に添加し、有機相を1Nの塩酸
で1回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で1回、1Nの塩酸でさらに1回、最後に
ブラインで1回洗浄した。この溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そし
て減圧下で濃縮し、1gのE2−4を白色泡状物として得た。この物質を、さら
なる精製なしで次の反応に使用した。しかし、精製は、フラッシュシリカゲル精
製クロマトグラフィー(約100gのシリカ、20%の酢酸エチル/へキサン)
を使用して達成され得る。収率=395mg(37%)の白色泡状物。NMRデ
ータは、構造E2−4と一致した。MS(FAB)=1726(M−t−ブチル
)。
【0087】 (化合物E2−4のアシルヒドラゾン(E2−5)の調製)
【0088】
【化39】 フラスコに化合物E2−4(374mg、0.21mmol)およびテトラヒ
ドロフラン(8ml)を充填した。ヒドラゾンハイドレート(13.6mg、0
.27mmol、13.6μl)を添加し、そして室温で攪拌した。この反応を
、TLC(25%の酢酸エチル/へキサン、CAMステイン)によってモニター
した。約15分後、揮発物を除去し、白色泡状物を得た。フラッシュシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(約25g、25%→50%酢酸エチル/へキサン)
により、250mg(75%)の白色泡状物を得た。NMRデータによると、構
造E2−5と一致した。MS(FAB)=1541(M−t−ブチル)。
【0089】 (化合物E2−5の環化(E2−6))
【0090】
【化40】 塩化すず(1.5g)および固体の炭酸水素ナトリウム(400mg)をメチ
レンクロリド(800ml)に懸濁した。この混合物を、約15分間室温で攪拌
した。化合物E2−5(3.2g)の溶液を、メチレンクロリド(100ml)
に添加した。化合物E2−5を含む容器を、別の溶媒(100ml)でリンスし
、そして反応容器に添加した。この反応物を、TLC(40%の酢酸エチル/へ
キサン、CAMステイン)によってモニターした。約3時間後、残渣の固体を濾
別し、そして濾液を減圧下で濃縮し、3g(100%)のE2−6を淡黄色の固
体として得た。精製のにおけるいずれの試みも、不安定性のために失敗した。M
S(FAB)=1534(親イオン)。
【0091】 (化合物E2−6のホウ化水素による還元(E2−7))
【0092】
【化41】 化合物E2−6(6g、3.9mmol)を、テトラヒドロフラン(400m
L)に溶解し、425mg(6.76mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウ
ムを添加し、続いて1mlの氷酢酸を添加した。TLC(40%の酢酸エチル/
へキサン、CAMステイン)によりモニターしながら混合物を室温で攪拌した。
約2時間後、揮発物を減圧下で除去し、酢酸エチルを残渣に添加し、水で2回、
ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮
し、5.2gの白色泡状物を得た。この固体をメタノール(125ml)に溶解
し、6日間、室温で攪拌させた。揮発物を、減圧下で除去し、4.8gの白色泡
状物を得た。フラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(約200g、2
5%→35%の酢酸エチル/へキサン)により2.2g(37%)の白色泡状物
を得た。NMRデータは、構造E2−7と一致した。MS(FAB+)=153
7(M+H)。
【0093】 (化合物E2−7のCBz保護(E2−8))
【0094】
【化42】 化合物E2−7(650mg、0.4mmol)のテトラヒドロフラン(15
ml)溶液および固体の炭酸水素ナトリウム(67mg)を、ラバーセプタムお
よび攪拌棒を備えた反応容器に添加した。この溶液を窒素でフラッシュし、そし
て攪拌した。この混合物を氷浴で冷却し、そしてベンジルクロロホルメート(1
44mg、0.8mmol、12μl)をシリンジを介して添加した。この混合
物を約1時間冷却状態で攪拌した。氷浴を除去し、そして混合物を約3時間室温
で攪拌させた。反応物をTLC(20%および40%の酢酸エチル/へキサン、
CAMステイン)によってモニターした。揮発物を、減圧下で除去した。この残
渣をエーテルに溶解し、水で2回、希釈塩酸ですばやく1回、飽和炭酸水素ナト
リウム溶液で1回、ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、
そして減圧下で濃縮し、700mgの白色泡状物を得た。フラッシュシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(35gのシリカ、20%の酢酸エチル/へキサン)
により460g(65%)の白色泡状物を得た。NMRデータは、構造E2−8
と一致した。MS(FAB)=1670(親イオン)。
【0095】 (化合物E2−8の脱保護(E2−9))
【0096】
【化43】 化合物E2−8(1.2g、0.72mmol)を冷トリフルオロ酢酸(10
ml)に溶解し、氷浴に配置し、そして約1.5時間攪拌した。冷水(5ml)
を添加し、水浴中で約1時間攪拌しつづけた。揮発物を、減圧下で除去し、テト
ラへドロフラン(5ml)および1Nの塩酸(5ml)を添加し、室温で一晩攪
拌した。
【0097】 揮発物を減圧下で除去し、トルエンを残渣に添加し、そしてエバポレートした
。この手順を過剰のトリフルオロ酢酸を除去するためにさらに2回繰り返した。
エーテルを残渣に添加し、次いで超音波処理し、白色固体を得た。エーテルを濾
別し、そして残渣をエーテルで数回リンスした。残渣を高減圧下で乾燥し、66
0mg(100%)の白色固体を得た。RP−HPLC(C−18Bondap
ak、70:20:10AcN/水/1%のTFA、230nm)による分析に
よると、物質が97%の純度であることが示された。NMRデータは、構造E2
−9と一致した。MS(FAB)=885.5(M+H)。
【0098】 (化合物(E2−10(b)の調製)
【0099】
【化44】 化合物E2−9(600mg、0.68mmol)をジメチルホルムアミド(
10ml)に溶解し、そして十分なジイソプロピルエチルアミンを添加し、この
溶液をpH紙に対して塩基性にした(約0.5ml)。テルフェニル側鎖のヒド
ロキシベンゾトリアゾール活性エステル(388mg、0.81mmol)を反
応容器に添加し、室温で一晩攪拌した。この反応を、RP−HPLC(60:4
0のAcN/水、230nm)によってモニターした。
【0100】 この溶媒を減圧下で除去し、そしてメタノール/アセトニトリルの1:1混合
物を、得られた残渣に添加し、続いて攪拌し、次いで濾過した。得られた白色固
体をエーテル中に懸濁し、攪拌し、濾過し、そしてこのプロセスを繰り返した。
同じ手順をメチレンクロリドを使用して実施し、次いで最後にエーテルでさらに
1回実施した。この残渣を減圧下で乾燥し、735mg(88%)の白色固体(
化合物E2−10(a)を得た。MS(FAB)=1227.6(親イオン)。
【0101】 白色固体(632mg、0.5mmol)を氷酢酸(100ml)中に懸濁し
、水素のバルーン下で触媒的水素化に一晩供した(100mgのチャコール担持
10%パラジウム)。この反応物を逆相HPLC(C−18Bondapak、
60:30:10のAcN/水/1%TFA、230nm)によってモニターし
た。この反応容器を窒素でパージし、セライトフィルターエイドを添加し、攪拌
し、焼結ガラスロートのセライトのベットを通して濾過し、この触媒をメタノー
ル/AcN/水の1:1:1混合物で洗浄し、そして濾液を濃縮し乾固させた。
トルエンを添加し、次いで乾固するまでエバポレートし、440mg(81%)
の白色固体(化合物E2−10(b))を得た。MS(FAB)=1093.5
(親イオン)。
【0102】 (脱保護したアシルヒドラジド核E2−10(b)のアルキル化(E2−11
)(ここでRはメチル、エチルまたはn−プロピルである))
【0103】
【化45】 以下の手順は、アルキル化のための典型的な調製を例示する。化合物E2−1
0(b)(100mg、0.086mmol)を、ジメチルホルムアミド(10
ml)に溶解するか、または懸濁した。2当量の対応するアルデヒド(ホルムア
ルデヒドでは5.2mg(15μl)を使用し、アセトアルデヒドでは7.6m
g(10μl)を使用し、そしてプロピオンアルデヒドでは10mg(12.5
μl)を使用する(全ては0.173mmolである))を添加し、続いて、十
分な氷酢酸(約3〜4滴)を添加し、混合物を酸性にする。シアノ水素化ホウ素
ナトリウム(11mg、0.173mmol)を添加し、そして混合物を一晩室
温で攪拌した。この反応物を、逆相HPLC(C−18Bondapak、Ac
N/水/1%TFA(55:35:10)、280nm)によってモニターした
。この反応物を、水でクエンチし、透明な溶液およびフラスコの底に白色のガム
状の物質を得た。この溶媒を、減圧下で除去し、アセトニトリルを添加し、濾過
し、エーテルで洗浄し、白色粉末(150mg(メチル)、250g(エチル)
、および250mg(プロピル)を得た。全てのアルキル化物質を分取RP−H
PLC(メチルおよびエチルでは50:40:10のAcN/水/1%のHCl
、230nm、プロピルでは55:35:10のAcN/水/1%のHCl、2
30nm)を使用して単離した。 (収率:)64mg(メチル誘導体E2−11(a))(MS(FAB)=11
07.54(正確な質量)。 (収率:)59mg(エチル誘導体E2−11(b))(MS(FAB)=11
21.55(正確な質量)。 (収率:)73mg(プロピル誘導体E2−11(c))(MS(FAB)=1
135.57(正確な質量)。
【0104】 (化合物E2−7へのグリシンのカップリンからの生成物(E2−12)の調
製)
【0105】
【化46】 CBz−グリシン(2g、9.6mmol)を、25mlのテトラヒドロフラ
ンに溶解し、ペンタフルオロフェノール(2.2g、11.9mmol)を添加
し、続いて1−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミ
ドヒドロクロリド(EDAC)(2.2g、11.5mmol)を添加した。こ
の混合物を、窒素下、室温で攪拌した。この反応を、TLC(40%エチル酢酸
/ヘキサン、UVおよびCAM染色)によってモニターした。約1時間後、この
溶媒を真空下で除去し、残渣を塩化メチレンに溶解し、この有機層を、1M硫酸
水素ナトリウム溶液で1回、1N水酸化ナトリウムで3回、そして最終的にブラ
インで1回洗浄した。この有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして
真空下で濃縮して、3.3g(92%)の淡紅色固体を得た。この物質は、NM
Rデータと一致した。
【0106】 化合物E2−7(700mg、0.45mmol)を、15mlのテトラヒド
ロフランに溶解した。上記(504mg、1.3mmol)からの活性エステル
を添加し、数滴のトリエチルアミンをプラスした。この混合物を、還流温度付近
で約4時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、そして一晩攪拌した。この揮発物
を真空下で除去し、エーテルを残渣に添加し、1N水酸化ナトリウムで2回、ブ
ラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして真空下で濃縮し
て、1.1gの白色泡状物を得た。フラッシュシリカゲルカラム浄化(20 3
0%酢酸エチル/ヘキサン)によって、0.75g(95%)の白色泡状物を得
た。この物質は、満足なNMRデータを有した。MS(FAB):1727.9
(親イオン)。
【0107】 シリル保護基およびBOC保護基を、化合物E2−9の調製のための上記の手
順に従って、除去した。この反応を、RP−HPLC(25:65:10 Ac
N/水/1%TFA、230nm)によってモニターした。収量=490mgの
白色粉末。
【0108】 テルフェニル側鎖を、化合物E2−10(b)の調製のための方法に従って、
上記の生成物へカップリングした。反応量:490mgの上記の化合物、260
mg(0.544mmol)のテルフェニル活性エステル、10mlのジメチル
ホルムアミド、およびこの反応物を塩基性にするために十分なジイソプロピルエ
チルアミン。この反応を、RP−HPLC(出発物質について、25:65:1
0 AcN/水/1%TFA、230nm;生成物について、60:30:10
AcN/水/1%TFA、280nm)によってモニターした。この溶媒を、
高真空下で除去し、白色の粘着性残渣を得た。エーテルからの粉末化(2回洗浄
)によって、800mgの淡黄色粉末を得た。
【0109】 上記の生成物を、化合物E2−10(a)につていの条件と同一の水素化分解
に供した。試薬量:400mgの10%チャコール担持パラジウム、100ml
の氷酢酸。一晩の反応によって、600mgのオフホワイト色固体を得た。この
生成物を、RP−HPLC(AcN/水/1%TFA(50:40:10)、2
80nm)を使用して単離した。 収量=188mgの白色粉末。NMRデータは、構造E2−12と一致した。M
S(FAB)=1150.54(正確な質量)。
【0110】 (化合物E2−7へのジアミノプロピオン酸のカップリンからの生成物(E2
−13)の調製)
【0111】
【化47】 化合物E2−12の調製のための上記の手順に従って、L−ジ−CBz−ジア
ミノ−プロピオン酸の活性エステルを調製した。反応化学量論は以下であった:
L−ジ−CBz−ジアミノ−プロピオン酸−581mg(1.56mmol)、
ペンタフルオロフェノール−344mg(1.87mmol)、1−[3−(ジ
メチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDA
C)−360mg(1.87mmol)、テトラヒドロフラン−12ml。TL
Cシステム:クロロホルム/メタノール/氷酢酸、75:25:微量(出発物質
じついて);40%酢酸エチル/ヘキサン、TDM染色(生成物について)。同
一の後処理によって、720mg(86%)の白色固体を得た。この物質は、満
足なNMRデータを有した。
【0112】 再度、上記の活性エステル(710mg、1.32mmol)を化合物E2−
7(800mg、0.52mmol)へカップリングするための上記の手順に従
って、2日間還流し、標準の後処理によって、1.1gの白色泡状物を得た。フ
ラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100gのシリカ、20%酢酸
エチル/ヘキサン)によって、0.56g(収率57%)の白色泡状物を得た。
MS(FAB)=1891(親イオン)。
【0113】 シリル保護基およびBOC保護基を、化合物E2−9の調製のための上記の手
順に従って、除去した。この反応を、RP−HPLC(50:40:10 Ac
N/水/1%TFA、230nm)によってモニターした。収量=550mg。
【0114】 テルフェニル側鎖を、化合物E2−10(b)の調製のための方法に従って、
上記の生成物へカップリングした。反応量:550mgの上記の化合物。239
mg(0.5mmol)のテルフェニル活性エステル、10mlのジメチルホル
ムアミド、およびこの反応物を塩基性にするために十分なジイソプロピルエチル
アミン。この反応を、RP−HPLC(出発物質について、70:20:10
AcN/水/1%TFA、230nm;生成物について、40:50:10 A
cN/水/1%TFA、280nm)によってモニターした。この溶媒を、高真
空下で除去し、白色の粘着性残渣を得た。エーテルからの粉末化(2回洗浄)に
よって、850mgのオフホワイト色粉末を得た。
【0115】 上記の生成物を、化合物E2−10(a)につていの条件と同一の水素化分解
に供した。試薬量:400mgの10%チャコール担持パラジウム、100ml
の氷酢酸。一晩の反応によって、580mgのオフホワイト色固体を得た。この
生成物を、RP−HPLC(勾配AcN/水/1%TFA(45/45/10→
55/10)溶出スキーム、280nm)を使用して単離した。2つの個々の生
成物を単離し、両方は同一の分子量を有した。この相対的化学量論の2つの化合
物が何であるかは決定されていない。E2−13異性体の一方の収量は、76m
gであり、E2−13異性体の他方の収量は、116mgであった。 両方についてMS(FAB)=1179.6(親イオン)。
【0116】 表2は、比較の半合成Echinocadin化合物C1と比較しての、E2
−9〜E2−13についての活性データを要約する。上の実施例1において説明
したのと同一の試験手順を使用した。
【0117】
【表2】 実施例3は、Echinocandin型化合物のアナログを生成する、新規
の単位の挿入をさらに示す。
【0118】 (実施例3) CbzNHCH2CH2SHを、I.Shinkai,T.Liu.R.Rea
mer,M.Sletzinger,Synthesis,924,1980に
おいて記載されるように調製した。
【0119】 N−BOC−O−トルエンスルホニルセリンメチルエステルを、N.A.Sa
saki,C.Hashimoto,P.A.Potier,Tetrahed
ron Lett.,28,6069〜6072,1987において記載される
ように調製した。
【0120】 ((R)−2[(tert−ブトキシ−カルボニル)アミノ]−3−[(2’
−N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)エタンチオ]メチルプロピオレート(
E3−1)の調製)
【0121】
【化48】 水素化ナトリウム(72mg、1.8mmol、鉱油中60%懸濁液)を、3
口丸底フラスコ中、窒素雰囲気下で、ヘキサンを用いて粉末化した。このフラス
コを0℃浴中に配置し、そしてDMF(5ml)中のCbzNHCH2CH2SH
(470mg、1.87mmol、85%純度)の溶液を添加した。得られた混
合物を0℃で20分間攪拌し、無色溶液が生じた。N−BOC−O−トルエンス
ルホニルセリンメチルエステル(671mg、1.8mmol)を、固体として
添加し、そして上記のフラスコ中で、さらなる2mlのDMFで洗浄した。得ら
れた混合物を、0℃で3時間攪拌し、次いで、水中へ注ぎ、そして酢酸エチルで
2回抽出した。合わせた有機抽出物を、水、1N水酸化ナトリウム溶液、水、お
よびブラインで洗浄し、次いで、MgSO4で乾燥し、そして真空下で濃縮して
、900mgのオイルを得た。ヘキサン中25%→50%の酢酸エチルで溶出す
る円形クロマトグラフィーによって、570mg、76%の所望の(R)−2[
(tert−ブトキシ−カルボニル)アミノ]−3−[(2’−N−ベンジルオ
キシカルボニルアミノ)エタンチオ]メチルプロピオレートを得た。C1928 26Sについての、分析計算値 C:55.32、H:6.84、N:6.79
;実測値 C:55.26、H:6.95、N:6.94。[α]D−1.9°
(c=10)。
【0122】 ((R)−2[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[(2’−
N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)エタンチオ]プロピオール酸(E3−2
)の調製)
【0123】
【化49】 ジオキサン(3ml)中の化合物E3−1(520mg、1.26mmol)
を、0.5M LiOH溶液(3ml)で処理し、そして一晩室温で攪拌した。
このジオキサンを真空下で除去し、そして残渣を1N塩化水素酸溶液と酢酸エチ
ルとの間に分配した。この有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し
、そして真空下で濃縮して、化合物E3−2に対応する500mgの無色オイル
を得た。C182626S+0.4H2Oについての、分析計算値 C:53.
29、H:6.65、N:6.90;実測値 C:53.61、H:6.82、
N:6.85。[α]D−0.9°(c=10)。MS:(m+1)399。
【0124】 ((R)−2[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−[(2’−
N−ベンジルオキシカルボニルアミノ)エタンスルホニル]プロピオール酸(E
3−3)の調製)
【0125】
【化50】 化合物E3−2(0.95g、2.38mmol)を、MeOH(15ml)
に溶解し、そして0℃まで冷却した。水(15ml)中のOxone(登録商標
)(1.77g、5.7mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を0
℃で1時間攪拌し、次いで室温で一晩攪拌した。このMeOHを真空下で除去し
、そして残渣を、酢酸エチルと水との間に分配した。この水層を、酢酸エチルで
数回以上抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥
し、そして真空下で濃縮して、化合物E3−3に対応する800mg(78%)
の無色泡状物を得た。C182628Sについての、分析計算値 C:50.2
2、H:6.09、N:6.51;実測値 C:50.13、H:5.86、N
:6.45。[α]D−7°(c=10)。MS:(m+1)431。
【0126】 (化合物E3−4の調製)
【0127】
【化51】 乾燥THF(5ml)中の化合物E3−3(160mg、0.37mmol)
およびN−ヒドロキシスクシンイミド(43mg、0.37mmol)の溶液へ
、ジシクロヘキシルカルボジイミド(76mg、0.37mmol)およびさら
なる2mlのTHFを添加した。この混合物を室温で3時間攪拌し、次いで、0
℃まで冷却して、ジシクロヘキシル尿素を沈殿させるのを助けた。その間、Di
BOC CBZシリルペンタペプチドI−6(565mg、0.337mmol
)を、無水エタノール(10ml)および氷酢酸(95ml)に溶解し、脱気し
、次いで10%Pd/C(160mg)をこの混合物に添加した。この混合物を
2の雰囲気(バルーン圧)下で3時間攪拌した。触媒を濾過によって除去し、
そして濾液を真空下で濃厚なオイルまで濃縮した。THF(10ml)および酢
酸(1ml)を添加し、そしてこれらの溶媒を、再度、真空下で除去し、全ての
残存エタノールを除去した。上で調製した化合物E3−3のNHS活性エステル
を、焼結したガラス漏斗を通して、脱ブロックしたペンタペプチドを含むフラス
コ中へ直接濾過し、この沈殿させたDCUをさらなる3mlのTHFで洗浄した
。得られた溶液を、トリエチルアミンの滴下によって、リトマス紙へ、塩基性に
した。この混合物を室温でさらに3時間攪拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、飽
和炭酸水素ナトリウム溶液、およびブラインで洗浄し、次いでMgSO4で乾燥
させて、そして真空下で濃縮した。7:2:1のヘキサン:酢酸エチル:塩化メ
チレンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって、所望のカップリング
化合物E3−4を異性体の混合物として得た。より極性の低い方の異性体が、1
40mg生成し、MS=1950.9(m+)を有した。混合画分:224mg
。より極性の高い方の異性体は、155mg生成し、MS=1951.9(m+
1)を有した。合計519mg、78%生成した。
【0128】 この反応を、0.6mmolスケールで繰り返し、400mgの所望の生成物
を異性体の混合物として得た。C93168822SSi6についての、分析計算
値 C:57.25、H:8.68、N:5.75;実測値 C:57.55、
H:8.63、N:5.79。酸E3−3のステレオ中心(stereocen
ter)は、このカップリング反応においてラセミ化した)。
【0129】 (化合物E3−5の調製)
【0130】
【化52】 無水エタノール(10ml)および氷酢酸(10ml)中の化合物E3−4(
390mg、0.2mmol、ジアステレオマーの混合物)の溶液を、脱気し、
次いで10%Pd/C(390mg)で処理した。この混合物をH2の雰囲気下
(バルーン圧)で2時間攪拌した。触媒をセライトを通しての濾過によって除去
し、そしていくらかの酢酸が存在したままにするように気を付けながらこの濾液
を真空下で濃縮した。残渣をジエチルエーテル(175ml)で希釈し、そして
この混合物がリトマス紙で塩基性になるまで(約1mlを要する)トリエチルア
ミンを添加した。得られた溶液を室温で一晩攪拌し、次いで、0.1N塩酸溶液
、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮して、泡状物
を得た。ヘキサン中30%酢酸エチルで溶出するシリカゲルのフラッシュクロマ
トグラフィーによって、所望の環が閉じた物質E3−5を得た。より極性の低い
方の異性体は、105mgの泡状物を生成し、MS:(m+)=1599.9を
有した。より極性の高い方の異性体は、110mgの泡状物を生成し、MS=1
599.8(m+)を有した。総収量は214mg、67%であった。
【0131】 (化合物E3−6の調製)
【0132】
【化53】 化合物E3−5のより極性の高い異性体(160mg、0.1mmol)を、
0℃まで冷却しておいたトリフルオロ酢酸(5ml)中に溶解した。30分後、
水(0.5ml)を添加し、そしてこの混合物をさらに30分間0℃で攪拌した
。この混合物を真空下で濃縮し、残渣をTHFに溶解し、そして真空下で濃縮し
た。残渣をTHF(3ml)に溶解し、1N塩酸溶液(1ml)を添加し、そし
てこの混合物を冷蔵庫に一晩配置した。この溶媒を真空下で除去し、次いでさら
なるTHFを添加し、そしてこの混合物を濃縮して、水を共沸除去した。この処
理によって、白色固体を得た。この白色固体をDMF(5ml)に溶解し、そし
てテルフェニルヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステル(58mg、0.1
2mmol)、続いてトリエチルアミン(60ml、0.4mmol)を添加し
た。得られた溶液を室温で一晩攪拌し、次いでこの溶媒を真空下で除去した。残
渣を分取RP−HPLC(水中の段階勾配50%−70%AcN、45分にわた
って)によって精製した。主なピークをHPLC(C−18 u−bondpa
kカラム、60%AcN、0.1%TFA(水中))によって分析し、そして4
分で抽出された物質を含む分画を合わせて、凍結乾燥し、MS=1156.6(
m+)を有する65mg(収率56%)のE3−6を白色粉末として得た。
【0133】
【化54】 類似の様式で、より極性の低い方の異性体をE3−7(上述の分析条件下で7
分で溶出した物質)へ変換し、13mg(収率11%)の所望のE3−7を得た
。 FAB MS(M)、C5874716Sについての、計算値1156.491
3;実測値=1156.4924。
【0134】 以下の一連の実施例は、テトラペプチドへの直鎖ペンタペプチドのさらなる切
断、および閉鎖前にこの直鎖ペプチド上への新規の単位の引き続く挿入を示す。
【0135】 (実施例4)
【0136】
【化55】 無水THF(25ml)中の化合物I−7(732mg、1.1mmol)の
溶液に、PyBOP(登録商標)(572mg、1.1mmol)、N−Cbz
−L−バリン(304mg、1.21mmol)、ジイソプロピルエチルアミン
(0.57ml、3.3mmol)、および無水DMF(1.0ml)を添加し
て、残りの固体を溶解した。この溶液を室温で2時間撹拌し、続いて溶媒を真空
下で除去した。残渣を無水THF(40ml)に溶解し、続いてt−ブチルジメ
チルシリルクロリド(1.66g、11.0mmol)およびイミダゾール(7
50mg、11.0mmol)を添加した。この溶液を室温で18時間撹拌した
。反応物を真空下で濃縮し、そして残渣をEt2Oに溶解し、0.1N HCl
で2回洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして真空下で溶媒を除去した。フラッシ
ュクロマトグラフィー(35%EtOAc/ヘキサンで溶離)により、生成物を
得た(690mg、収率46%)。1H NMR(300MHz)スペクトルは
、構造E4−1と一致した。FAB MS(M+)=1356。
【0137】
【化56】 無水THF(0.6ml)およびアセトニトリル(4ml)中の化合物E4−
1(700mg、0.51mmol)の溶液に、N−t−Boc無水物(0.2
4ml、1.03mmol)およびジメチルアミノピリジン(7mg、0.05
mmol)を添加した。この溶液を3時間撹拌した。真空下での溶媒の除去に続
いて、フラッシュクロマトグラフィー(17%EtOAc/ヘキサンで溶離)に
より、生成物を得た(307mg、収率38%)。1H NMR(300MHz
)スペクトルは、構造E4−2と一致した。FAB MS(遊離塩基のM+)=
1556。
【0138】
【化57】 EtOH(15ml)およびAcOH(15ml)中の5%Pd/C(150
mg)の溶液に、N2雰囲気下で、化合物E4−2(307mg、0.20mm
ol)を添加した。この溶液をH2で8回パージ/充填し、一定のH2圧に2時間
供し、次いでセライトを通して濾過して触媒を除去した。この溶液を真空下で濃
縮して溶媒を除去し、残渣を無水THF(30ml)に溶解し、続いて、α−N
−t−Boc−γ−N−Cbz−L−オルニチン(80mg、0.22mmol
)、PyBOP(登録商標)(103mg、0.20mmol)、およびジイソ
プロピルエチルアミン(0.10ml、0.59mmol)を添加した。この反
応物を室温で18時間撹拌し、続いて、真空下で溶媒を除去した。フラッシュク
ロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサンで溶離)により白色固体を得た
(284mg、収率81%)。1H NMR(300MHz)スペクトルは、構
造E4−3と一致した。FAB MS(遊離塩基のM+)=1771。
【0139】
【化58】 EtOH(13ml)およびAcOH(12ml)中の化合物E4−3(27
9mg、0.16mmol)のN2パージした溶液に、5%Pd/C(150m
g)を添加した。この反応物をH2で10回パージ/充填し、一定のH2圧下で2
時間放置し、続いて、セライトを通して濾過することにより触媒を除去し、溶媒
を真空下で除去した。得られた油状物をEt2O(75ml)に溶解し、続いて
、トリエチルアミン(5ml、35.9mmol)を添加した。18時間後、こ
の反応物を真空下で濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(34%Et
OAc/ヘキサンで溶離)により生成物を得た(96mg、収率43%)。1
NMR(300MHz)スペクトルは、構造E4−4と一致した。FAB M
S(遊離塩基のM+)=1420。
【0140】
【化59】 氷冷TFA(2ml)中の化合物E4−4(93mg、0.07mmol)の
溶液を0℃の冷凍庫に2時間静置し、続いて、氷冷水(2ml)を添加し、次い
で氷浴中で2時間撹拌した。この溶液を真空下で濃縮し、収量66mgの白色固
体を得、これをTHF(1.5ml)およびHCl(1.5ml、1.0N)に
溶解し、そして室温で16時間撹拌した。トルエンを添加し、この溶液を真空下
で3回濃縮して、TFAの除去を助け、オフホワイトの固体を得た(44.5m
g、収率91%)。1H NMR(300MHz)スペクトルは、構造E4−5
と一致した。FAB MS(遊離塩基のM+)=748。
【0141】
【化60】 無水DMF(2ml)中の化合物E4−5(44mg、0.06mmol)の
溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.03ml、0.18mmol)、お
よびテルフェニル側鎖のヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステル(34mg
、0.07mmol)を添加した。この溶液を室温で40時間撹拌した。溶媒を
真空下で除去し、そして残渣をEt2O(10ml)で処理し、超音波処理し、
そして褐色の固体を濾過により単離した。RP−HPLC(30−70%ACN
/0.1%TFA/H2Oで溶離)および凍結乾燥により、白色固体を得た(1
8.7mg、収率29%)。1H NMR(300MHz)スペクトルは、構造
E4−6と一致した。FAB MS(遊離塩基のM+)=1090。
【0142】 (実施例5) 実施例5はさらに、新しい単位のテトラペプチド鎖への挿入、続く閉環を例示
し、新しい環状ペプチドEchinocandin型構造を生成する。
【0143】
【化61】 無水THF(20ml)中のテトラペプチドI−7(700mg、1.05m
mol)の溶液に、PyBOP(登録商標)(547mg、1.05mmol)
、N−Cbz−L−チロシン(364mg、1.16mmol)、N,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン(0.55ml、3.15mmol)を添加した。この
溶液を室温で3時間撹拌し、続いて、真空下で溶媒を除去した。これを次の反応
に直接使用した。
【0144】
【化62】 上記残渣E5−1を無水DMF(10ml)に溶解し、続いて、t−Bu−ジ
メチルシリルクロリド(1.90g、12.6mmol)およびイミダゾール(
860mg、12.6mmol)を添加し、そしてこの溶液を室温で18時間撹
拌した。反応物を真空下で濃縮し、残渣をEt2Oに溶解し、0.1Nの冷HC
lで2回、H2O、10%炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで1回洗浄し、
MgSO4で乾燥し、濾過し、そして真空下で溶媒を除去して、2.0gの粗油
状物を得た。円形クロマトグラフィー(35%EtOAc/ヘキサンで溶離)に
より精製して、生成物を得た(700mg、収率43%)。1H NMR(30
0MHz)スペクトルは、構造E5−2と一致した。FAB MS(M+)=1
534。
【0145】
【化63】 無水THF(10ml)中の化合物E5−2(700mg、0.46mmol
)の溶液に、N−t−Boc無水物(0.41ml、1.78mmol)を滴下
し、ジメチルアミノピリジン(7mg、0.05mmol)を添加し、そしてこ
の溶液を周囲温度で3時間撹拌した。真空下での溶媒の除去に続いて、円形クロ
マトグラフィー(20%EtOAc/ヘキサンで溶離)によって精製して、生成
物を得た(460mg、収率58%)。1H NMR(300MHz)スペクト
ルは、構造E5−3と一致した。FAB MS(遊離塩基のM+)=1735。
【0146】
【化64】 EtOH(10ml)およびAcOH(10ml)中の10%Pd/C(27
0mg)の溶液に、N2雰囲気下で、化合物E5−3(460mg、0.27m
mol)を添加した。この溶液をH2で4回パージ/充填し、周囲温度で、一定
のH2圧に2時間供し、次いでセライトを通して濾過して触媒を除去した。この
溶液を真空下で濃縮して溶媒を除去し、残渣を無水THF(30ml)に溶解し
、続いて、α−N−t−Boc−γ−N−Cbz−L−オルニチン−N−ヒドロ
キシスクシンイミドエステル(172mg、0.37mmol)を添加し、そし
てpHが8(約5ml)になるまでトリエチルアミンを添加した。この反応物を
室温で3時間撹拌した。この反応物をエーテルで希釈し、そして飽和炭酸水素ナ
トリウム、0.1N HCl、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、そして硫酸マ
グネシウムで乾燥した。濾過し、そして真空下で濃縮した。円形クロマトグラフ
ィー(30%EtOAc/ヘキサンで溶離)により白色固体を得た(280mg
、収率54%)。1H NMR(300MHz)スペクトルは、構造E5−4と
一致した。FAB MS(遊離塩基のM+)=1949。
【0147】
【化65】 EtOH(10ml)およびAcOH(5ml)中の化合物E5−4(280
mg、0.14mmol)のN2パージした溶液に、10%Pd/C(200m
g)を添加した。この反応物をH2で4回パージ/充填し、一定のH2圧下で2時
間放置し、続いて、セライトを通して濾過することにより触媒を除去した。得ら
れた油状物をEt2O(10ml)に溶解し、続いて、トリエチルアミン(4m
l、28.7mmol)を添加した。18時間後、この反応物を真空下で濃縮し
、そして円形クロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサンで溶離)により
精製して、生成物を得た(130mg、収率57%)。1H NMR(300M
Hz)スペクトルは、構造E5−5と一致した。FAB MS(遊離塩基のM+
)=1597。
【0148】
【化66】 氷冷TFA(2ml)中の化合物E5−5(128mg、0.08mmol)
の溶液を0℃の冷凍庫に2時間静置し、続いて、氷冷水(2ml)を添加し、次
いで氷浴中で2時間撹拌した。この溶液を真空下で濃縮し、次いでTHF(1.
5ml)および1N HCl(1.5ml)に溶解し、室温で16時間撹拌した
。トルエンを添加し、この溶液を真空下で3回濃縮して、ジヒドロクロリドの白
色固体を得た(70mg、収率100%)。1H NMR(300MHz)スペ
クトルは、構造E5−6と一致した。FAB MS:M+H C3954712
の計算値=812.3830;実測値=812.3837。
【0149】
【化67】 無水DMF(5ml)中の化合物E5−6(65mg、0.08mmol)の
溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.0ml、11.5mmol
)、およびテルフェニル側鎖のヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステル(5
0mg、0.11mmol)を添加し、この溶液を室温で18時間撹拌した。溶
液を真空下で除去し、そして残渣をEt2O(10ml)で処理し、超音波処理
し、そしてベージュの固体を単離した。メタノール溶解性部分をRP HPLC
(Waters Bondapak C−18、58%AcN/0.1%TFA
/H2O、流量20ml/分で溶離)により精製し、そして凍結乾燥して、白色
固体を得た(35mg、収率38%)。1H NMR(300MHz)スペクト
ルは、構造E5−7と一致した。FAB MS:M+H C6376714の計
算値=1154.5450;実測値=1154.5458。
【0150】 実施例6は、環化の前の、水溶性基のテトラペプチド中間体への導入を例示す
る。
【0151】 (実施例6)
【0152】
【化68】 N−α−Boc−L−α,β−ジアミノプロピオン酸(0.5g、2.45m
mol)(Bachemから入手可能)および1,3−ビス(ベンジルオキシカ
ルボニル)−2−メチル−2−チオプソイドウレア(0.88g、2.45mm
ol)を、15mlの無水DMF中で合わせた。トリエチルアミン(1.0ml
、73mmol)を添加し、そして周囲温度で3日間撹拌した。この反応物を0
.1N NaOH(100ml)で希釈し、そしてエーテルに抽出した。次いで
、水層を、冷飽和クエン酸で酸性化し、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した
。合わせた有機物をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、濃い無色の
油状物を定量的な収率で得た。1H NMR(300MHz)スペクトルは、構
造E6−1と一致した。FAB MS(遊離塩基のM+)=515。
【0153】
【化69】 無水THF(10ml)中の上記酸E6−1(310mg、0.60mmol
)に、N−ヒドロキシスクシンイミド(69mg、0.60mmol)およびD
CC(123mg、0.60mmol)を添加した。約1時間後に、白色の沈澱
物が形成し始めた。この反応物を、周囲温度で一晩撹拌した。反応物を濾過し、
そして粗溶液を直接次のカップリングに使用した。
【0154】
【化70】 無水THF(10ml)およびエーテル(10ml)中の上記活性化エステル
E6−2(366mg、0.60mmol)の溶液に、化合物E5−3(920
mg、0.60mmol)およびトリエチルアミン(3ml)を添加した。この
溶液を周囲温度で一晩(18時間)撹拌した。この反応物をエーテルで希釈し、
そして飽和炭酸水素ナトリウム(1×250ml)、0.1N HCl(1×2
50ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(1×250ml)で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濾過し、そして1.0gの粗白色固体になるまで濃縮した。こ
の生成物を、円形クロマトグラフィー(30/70 酢酸エチル/ヘキサンで溶
離)により精製して、白色固体を得た(550mg、収率46%)。1H NM
R(300MHz)スペクトルは、構造E6−3と一致した。FAB MS(遊
離塩基のM+)=2036。
【0155】
【化71】 EtOH(15ml)およびAcOH(15ml)中の5%Pd/C(150
mg)の溶液に、N2雰囲気下で、化合物E6−3(550mg、0.27mm
ol)を添加した。この溶液をH2で4回パージ/充填し、一定のH2圧に2時間
供し、次いでセライトを通して濾過して触媒を除去した。この溶液を真空下で濃
縮して溶媒を除去し、残渣をアセトニトリル(10ml)およびエーテル(3m
l)に溶解し、続いてトリエチルアミン(2ml)を添加した。この混合物を4
時間超音波処理し、温度を40℃まで到達させた。この反応混合物を濃縮し、そ
して円形クロマトグラフィー(40/60 酢酸エチル/ヘキサンで溶離)によ
り精製して、所望の化合物を得た(57mg、収率14%)。1H NMR(3
00MHz)スペクトルは、構造E6−4と一致した。FAB MS(遊離塩基
のM+)=1549。
【0156】
【化72】 上記化合物E6−4(77mg、0.05mmol)に、0℃に冷却しながら
ニートなトリフルオロ酢酸(3ml)を添加した。45分後、反応系を0℃に維
持したまま水(0.5ml)を添加した。30分後、この混合物を、無色の油状
物になるまで濃縮した。この油状物に、THF(2ml)および1N HCl(
2ml)を添加し、一晩冷却した。トルエンをこの混合物からストリップして、
遊離アミンをトリヒドロクロリド塩として定量的な収率で得た。1H NMR(
300MHz)スペクトルは、構造E6−5と一致した。FAB MS(遊離塩
基のM+)=764。
【0157】
【化73】 無水DMF(5ml)中の化合物E6−5(50mg、0.06mmol)の
溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2ml)およびテルフェニル側
鎖のヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステル(44mg、0.09mmol
)を添加し、この溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、そし
て残渣をアセトニトリルとエーテルの混合物で粉末化した。この固体を、25m
gの粗白色固体になるまで乾燥した。生成物ををRP HPLC(Waters
Bondapak C−18カラム、55%AcN/0.1%TFA/H2
、流量20ml/分で溶離)により精製した。適切な画分を凍結乾燥して、白色
固体を得た(10.0mg、収率18%)。1H NMR(300MHz)スペ
クトルは、構造E6−6と一致した。FAB MS:(M+H)C577291 4 の計算値=1106.5199;実測値=1106.5185。
【0158】 表3は、化合物E3−6、E4−6、E5−7およびE6−6の活性データを
、比較用半合成Echinocandin化合物C1と比較して、まとめる。上
記実施例1に記載されたものと同一の試験手順を使用した。
【0159】
【表3】 (実施例7) 実施例7は、中間体の直鎖ペンタペプチド(I−6)からの環状ヘプタペプチ
ドの形成を例示する。
【0160】 (N−α−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸(E7−1)の調製)
【0161】
【化74】 [ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼン(12.89g、32.
29mmol、1.5当量)の1:1ジメチルホルムアミド:水溶液(170m
l)に、N−α−BOC−D−アスパラギン(5g、21.53mmol、1当
量)を添加した。この溶液を室温で0.5時間撹拌し、その後ピリジン(3.4
g、43.06mmol、2当量)を添加した。18時間後、この反応物を真空
下で濃縮し、そして残渣を水に再溶解し、その後ジエチルエーテル(2×,50
ml)で洗浄した。水層を真空下で濃縮し、そして粗生成物を熱アセトニトリル
から再結晶して、E7−1を得た(1.10g、収率25%)。
【0162】 (N−α−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−N−CBZ−グリシ
ンジペプチド(E7−2)の調製)
【0163】
【化75】 N−α−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸E7−1(1.114g
、5.45mmol、1当量)およびNaHCO3(0.458g、5.45m
mol、1当量)の水溶液(12ml)を、完全に溶解するまで15分間急速に
撹拌した。これに、N−CBZ−O−N−ヒドロキシスクシンイミドグリシンエ
ステルの1,2−ジメトキシエタン溶液(22ml)を添加した。室温で18時
間撹拌した後、この反応物を真空下で濃縮した。残渣を水に再溶解し、1Nの水
性HClでpH3まで酸性化し、そして酢酸エチルと水との間で分配した。水層
を、追加の水で3回洗浄し、その後、有機物を合わせ、MgSO4で乾燥し、そ
して濃縮した。粗白色泡状物を逆相C18カラムの、分取用HPLC(勾配5:
95 AcN/0.01%TFA〜100%AcNの溶離スキーム)で精製して
、E7−2を得た(1.46g、3.69mmol、収率68%)。
【0164】 (N−α−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−N−CBZ−グリシ
ンジペプチド−O−NHS活性エステル(E7−3)の調製)
【0165】
【化76】 E7−2(1.40g、3.54mmol、1当量)およびN−ヒドロキシス
クシンイミド(0.448g、3.89mmol、1.1当量)の0℃に冷却し
た1,2−ジメトキシエタン溶液(40ml)にジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(0.804g、3.89mmol、1.1当量)を添加した。0℃で1時間
攪拌した後、これを18時間、冷蔵庫に入れた。次いで溶液を濾過し、そして濾
液を乾固するまで除去し、そして高真空下に2時間晒し、約2gの生成物(少量
のDCU副生成物を含む)を得、これをさらに精製することなく使用した。
【0166】 (ジBOCシリルN(α)−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−グ
リシン−CBZ−ヘプタペプチド(E7−4))
【0167】
【化77】 直鎖ペプチド中間体I−6(1.0g、0.598mmol)のエタノール(
5ml)溶液を、5mlのエタノール中、10% Pd/C(250mg)のス
ラリーに添加し、続いて10mlの氷酢酸を添加した。この混合物をH2のバル
ーン下に置き、そして1時間後、出発物質は消失した(TLC25%酢酸エチル
/ヘキサン)。触媒をセライトプラグを通して濾過することによって除去し、そ
してその溶液を、高真空下で40℃未満の温度を保ちながら、注意深く濃縮した
(乾固には至らない)。得られたオイルを25mlのエーテル中に溶解し、そし
て、ジペプチド活性エステルE7−3(O−Suc−Nα−BOC−D−2,3
−ジアミノプロピオン酸−N−CBZ−グリシン)のテロラヒドロフラン(10
ml)溶液を添加し、続いて、過剰のトリエチルアミンをこの溶液がpH試験紙
で塩基性になるまで添加した。16時間攪拌した後、この溶液を飽和NaHCO 3 溶液で抽出し、続いて、希HCl溶液、次いで、もう一回、飽和NaHCO3
液で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、そして真空下で濃縮し、1.19
4gの粗生成物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(30%酢酸エチル/ヘ
キサン)によって精製し、0.674g(59%収率)のカップリング生成物E
7−4を得た。FAB MS=1916.5(M+1)。
【0168】 (E−74からBOCシリルシクロヘプタペプチド(E7−5)への環化)
【0169】
【化78】 E7−4(0.665g、0.34mmol)と10% Pd/C(200m
g)のエタノール/酢酸(それぞれ10ml)溶液を水素バルーン下に配置した
。1.5時間後、TLC(30%酢酸エチル/ヘキサン)は、反応の完了を示し
た。触媒をセライトプラグを通して濾過することによって除去し、そして溶媒を
真空下、40℃で、残渣が濃厚オイルとなるまで、濃縮した(乾固までには至ら
ない)。この物質をエチルエーテル(150ml)に溶解し、そして過剰のトリ
エチルアミン(約8ml)を添加した。18時間後、TLC(30%酢酸エチル
/ヘキサン)は、1つの主生成物のスポットを示した。溶媒を真空下で除去し、
そして残渣を酢酸エチルに再溶解し、数回水で洗浄した。有機層を合せ、そして
MgSO4で乾燥し、そして溶媒を真空下で除去し、0.800gの粗生成物を
得た。これをフラッシュカラム(シリカゲル、30%酢酸エチル/ヘキサンで溶
出した)で精製し、293mg(54%収率)のE7−5を白色固体として得た
。FAB MS=1564.9。
【0170】 (E7−6を得るための保護基の除去および側鎖のカップリング)
【0171】
【化79】 化合物E7−5(288mg、0.181mmol)をトリフルオロ酢酸(3
ml)中に溶解し、そして0℃に冷却した。0.5時間後、水(0.5ml)を
添加し、そしてその混合物を0.6時間以上攪拌した。溶媒を真空下で除去し、
その残渣を1NのHCl(2ml)およびテトラヒドロフラン(3ml)に溶解
した。この溶液を室温で1.5時間攪拌し、その時間の後、溶液を一晩冷蔵庫に
入れた。溶媒を高真空下で除去し、泡状残渣を得た。この泡状残渣を無水ジメチ
ルホルムアミド(3ml)に溶解した。テルフェニルヒドロキシベンゾトリアゾ
ール活性エステル(108mg、0.276mmol)およびトリエチルアミン
(0.11ml、0.78mmol)をこの溶液に添加した。室温で一晩攪拌後
、溶媒を高真空下で除去し、そして粗製物質(380mg)を分取RP−HPL
C(C−18カラム、50%AcN/0.01%TFA水溶液で溶出した)によ
って精製した。純粋な画分を凍結乾燥し、97mg(48%収率)のE7−6(
a)を白色固体として得た。FAB MS=1121.5(M)計算値C5872815=1121.21。
【0172】 (E7−6(b)の調製) 同様の方法で、N−α−BOC−L−アスパラギンをE7−6(b)に転換し
た。
【0173】
【化80】 H−NMRデータは、E7−6(b)と一致した。MS(FAB)=1121
(M+)。
【0174】 (N−α−CBZ−D−2,3−ジアミノプロピオン酸(E7−7)の調製)
【0175】
【化81】 化合物E7−7をN−α−BOC−ジアミノプロピオン酸E7−1と同様の方
法で調製した。MS FAB(M+1)=239。
【0176】 (N−α−CBZ−N−β−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸(E
7−8)の調製)
【0177】
【化82】 水酸化ナトリウム(148mg、3.69mmol、1.1当量)の攪拌水(
5ml)溶液に、N−α−CBZ−ジアミノプロピオン酸E7−7を添加した。
反応系を10分間攪拌し、その後、tert−ブチルアルコール(4ml)を添
加した。反応系を0℃に冷却し、そしてジ−tert−ブチルジカルボネート(
807mg、3.69mmol、1.1当量)を0.5時間かけてゆっくり添加
した。一晩室温で攪拌した後、反応系を水(5ml)で希釈し、そして10ml
のエチルエーテルで3回洗浄した。次いで有機層をあわせ、そして飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で数回洗浄した。水層を合せ、0℃に冷却し、そして硫酸水素
カリウム水溶液(200mlストック溶液中、30g)でpH3まで酸性化した
。この濁った溶液を、次いで、酢酸エチルで数回抽出した。有機層を合せ、Mg
SO4で乾燥し、そして真空下で濃縮し、高真空で一晩後、0.990g(2.
9mmol、87%収率)のE7−8を得た。1H NMRは、構造E7−8と
一致した。MS FAB(M+1)=339。
【0178】 (N−β−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸(E7−9)の調製)
【0179】
【化83】 N−α−CBZ−N−β−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸E7−
8のエチルアルコール溶液(20ml)に、10%の炭素担持パラジウム触媒(
約200mg)を添加した。この混合物をH2雰囲気下に配置し、そして激しく
攪拌した。ゲル様物が形成するので、攪拌を容易にするために、この反応系には
追加のエチルアルコール(全容量、75ml)が必要であった。数時間の後、反
応物をセライトプラグを通して濾過し、次いで真空下で濃縮し、259mg(1
.27mmol、32%収率)のE7−9を得た。
【0180】 (N−β−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−N−CBZ−グリシ
ンジペプチド(E7−10)の調製)
【0181】
【化84】 化合物E7−10をN−α−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−N
−CBZ−グリシンジペプチドE7−2と同様の方法で調製した。1H NMR
は、構造E7−10と一致した。
【0182】 (N−β−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−N−CBZ−グリシ
ンジペプチド−O−NHS活性エステル(E7−11)の調製)
【0183】
【化85】 化合物E7−11をN−α−BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−N
−CBZ−グリシンジペプチド−O−NHS活性エステルE7−3と同様の方法
で調製した。
【0184】 (ジBOCシリルN(β)BOC−D−2,3−ジアミノプロピオン酸−グリ
シン−CBZヘプタペプチド(E7−12)の調製)
【0185】
【化86】 化合物E7−12をジBOCシリルN(α)BOC−D−2,3−ジアミノプ
ロピオン酸−グリシン−CBZヘプタペプチドE7−4と同様の方法で調製した
。MS FAB(M+1)=1917。
【0186】 (BOCシリルシクロヘプタペプチド(E7−13)の調製)
【0187】
【化87】 化合物E7−13をBOCシリルシクロヘプタペプチドE7−5と同様の方法
で調製した。
【0188】 (シクロヘプタペプチドE7−14(a)の調製)
【0189】
【化88】 化合物E7−14をシクロヘプタペプチドE7−6と同様の方法で調製した。
MS FAB(M)=1121.6。
【0190】 (シクロヘプタペプチドE7−14(b)の調製) E7−14(a)と同様の方法で、E7−14(b)を、N−α−CBZ−L
−2,3−ジアミノプロピオン酸から調製した。
【0191】
【化89】 1H−NMRデータは、構造E7−14(b)と一致した。MS(FAB)=
1121(M+)。
【0192】 (実施例8) ((−L−)−(α)−N−CBZ−(β)−N−トリフルオロアセチル2,
3−ジアミノプロピオン酸(E8−1)の調製)
【0193】
【化90】 Curpheyら、J.Org.Chem.,44,2805,(1979)
の手順を以下のように利用した。(−L−)−(α)−N−CBZ−2,3−ジ
アミノプロピオン酸(2.0g、8.39mmol)およびトリエチルアミン(
0.84g、8.39mmol)のメタノール(10ml)懸濁液を周囲温度で
、エチルトリフルオロアセテート(1.49g、10.49mmol)を用いて
処理し、そして、この混合物を48時間攪拌した。得られた溶液をメタノール(
5ml)で希釈し、0℃に冷却し、そしてDowex 50W樹脂(3.30g
)で処理した。10分間の攪拌後、この懸濁液を濾過し、そして濾液を真空下で
濃縮し、2.74gの白色固体(98%収率)を得た。この固体をさらに精製す
ることなく使用した。H1 NMRデータは、構造E8−1と一致した。MS(
FD)=334(M+)。
【0194】 (E8−1からのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル(E8−2)の調製
【0195】
【化91】 0℃の1,2−ジメトキシエタン(20ml)中、E8−1(1.20g、3
.59mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(0.45g、3.95
mmol)の溶液にN,N'−ジシクロへキシルカルボジイミド(0.81g、
3.95mmol)を添加した。この混合物を低い浴温で2時間攪拌し、続いて
冷蔵庫で一晩保存した。懸濁液の濾過、続く濾液の濃縮によって、固体粗成生物
を得た。これを酢酸エチル/へキサンから再結晶し、0.78gの結晶性固体(
50%収率、ワンクロップ)を得た。H1 NMRデータは、構造E8−2と一
致した。MS(FD)=431(M+)。
【0196】 (アミノ酸活性エステルE8−2からのジペプチド(E8−3)の調製)
【0197】
【化92】 (−L−)−(α)−N−BOC−2,3−ジアミノプロピオン酸(0.52
g、2.55mmol)を炭酸水素ナトリウム水溶液(10mlの水中に、0.
22g、2.55mmolの炭酸水素ナトリウムを溶解して調製した)に溶解し
た。この溶液を、1,2−ジメトキシエタン(23ml)中の活性エステルE8
−2(1.1g、2.55mmol)の溶液に添加し、その混合物を24時間攪
拌した。1,2−ジメトキシエタンを除去するために真空下での濃縮後、残渣懸
濁液を1Nのクエン酸水溶液でpH5に調整し、次いで、酢酸エチルで抽出した
(2×)。合わせた有機抽出液を水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSO 4 で乾燥し,そして真空下で濃縮し、1.4gの粗製の泡状物を得た。塩化メチ
レンで粉末化し、1.05gの綿状固体(75%収率)を得た。母液中のさらな
る生成物は回収しなかった。 H1 NMRデータは、構造E8−3と一致した。MS(負イオンエレクトロス
プレー)=519(M−H)。
【0198】 (ジペプチドE8−3からのジペプチド活性エステル(E8−4)の調製)
【0199】
【化93】 0℃のテトラヒドロフラン(5ml)中、E8−3(0.65g、1.24m
mol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(0.16g、1.37mmol
)の溶液にN,N'−ジシクロへキシルカルボジイミド(0.28g、1.37
mmol)を添加した。この混合物を低い浴温で2時間攪拌し、続いて冷蔵庫で
一晩保存した。懸濁液の濾過、続く濾液の濃縮によって、0.70gの粗製泡状
物(89%収率)を得た。H1 NMRデータは、構造E8−4と一致した。M
S(FD)=631(M+)。
【0200】 (ジBOCシリル(−L−)−(α)−N−BOC−2,3−ジアミノプロピ
オン酸−(−L−)−(α)−N−CBZ−(β)−N−トリフルオロアセチル
2,3−ジアミノプロピオン酸直鎖ヘプタペプチド(E8−5)の調製)
【0201】
【化94】 酢酸エチル(10ml)中の直鎖ペプチド中間体I−6(2.0g,1.19
mmol)の溶液を酢酸エチル(15ml)中の10%Pd/C(400mg)
のスラリーに添加し、続いて20mlの氷酢酸を添加した。この混合物をH2
ルーン下に置き、そして1時間後、出発物質は消失した。触媒を濾過によって除
去し、そして溶液を注意深く、高真空下で40℃未満の温度を維持しながら濃縮
した。残渣のオイルをTHF(15ml)に溶解し、そしてジペプチド活性エス
テル、N−(−L−)−(α)−CBZ−N−(β)−トリフルオロアセチル2
,3−ジアミノプロピオン酸−N−(L)−(α)−BOC2,3−ジアミノプ
ロピオン酸−Osu(E8−4)、を添加し、続いて過剰のトリエチルアミンを
、この溶液がpH試験紙で塩基性となるまで添加した。18時間攪拌後、溶液を
真空下で濃縮し、そして残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。エーテル層を
飽和NaHCO3溶液で洗浄し、続いて水、1Nのクエン酸水溶液、水、飽和N
aHCO3、ブラインで連続的に洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、真空下
で濃縮し、2.36gの粗生成物を得た。シリカフラッシュクロマトグラフィー
(25%酢酸エチル/へキサン)により精製し、1.22gのカップリング生成
物E8−5を泡状物として得た(56%収率)。H1 NMRデータは、構造E
8−5と一致した。MS(FAB)=2041.5(M+)。
【0202】 (E8−5からBOCシリルシクロへプタペプチド(E8−6)への環化)
【0203】
【化95】 E8−5(1.20g、0.58mmol)と10%Pd/C(290mg)
の酢酸エチル/酢酸溶液(各20ml)を水素バルーン下に配置した。1.5時
間後、TLCは脱保護が完了したことを示した。触媒を濾過によって除去し、そ
して濾液を真空化で濃厚スラリーまで濃縮した。この物質をエチルエーテル(1
20ml)に溶解し、そして過剰のトリエチルアミンを、溶液がpH試験紙で塩
基性となるまで添加した(約5ml)。36時間後、TLCは1つの主生成物を
示した。溶液を、水、1Nのクエン酸水溶液、水、そしてブラインで連続的に洗
浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、そして真空下で濃縮し、1.14gの粗
生成物を得た。シリカフラッシュクロマトグラフィー(25%酢酸エチル/へキ
サン)によって精製し、0.69gのE8−6を泡状物として得た(70%収率
)。H1 NMRデータは、構造E8−6と一致した。MS(FAB)=169
0.0(M+H)。
【0204】 (E8−7を生成するための保護基の除去および側鎖のカップリング)
【0205】
【化96】 トリフルオロ酢酸(23ml)中のE8−6(0.69g、0.40mmol
)の溶液を0℃で0.5時間攪拌し、その時間の後、水(2ml)を添加し、そ
してさらに0.75時間、0℃で攪拌を続けた。溶媒を真空化で除去し、そして
残渣をテトラヒドロフラン(9ml)に溶解し、そして1NのHCl(4ml)
を用いて処理した。この溶液を周囲温度で1.25時間攪拌し、次いで、18時
間冷蔵した。HPLCは、1つの主生成物のピークを示した。真空化での濃縮に
より、残渣泡状物を得、これを、ジメチルホルムアミド(12ml)中に溶解し
た後、テルフェニルヒドロキシベンゾトリアゾール活性エステル(0.25g、
0.52mmol)およびトリエチルアミン(0.28ml、2.0mmol)
で処理した。周囲温度で17時間攪拌した後、溶媒を高真空下で除去し、そして
粗製の残渣を分取RP−HPLC(直線勾配60%〜100%、AcN/0.1
%TFA溶出スキーム)によって精製し、0.37gの白色固体を得た(75%
収率)。H1 NMRデータは、構造E8−7と一致した。MS(FAB)=1
246.7(M+)。
【0206】 (E8−8を生成するためのE8−7の最終脱保護)
【0207】
【化97】 メタノール(12ml)中のE8−7(250mg、0.20mmol)の溶
液に、炭酸カリウム(138mg、1.0mmol)の水(6ml)溶液を添加
し、そして得られた混合物を周囲温度で20時間攪拌した。溶媒を真空下で除去
し、続いて分取RP−HPLC(直線勾配60〜100%、AcN/0.1%T
FA溶出スキーム)による精製によって、218mgの白色固体を得た(94%
収率)。H1 NMRデータは、構造E8−8と一致した。MS(FAB)=1
150.6(M+)。
【0208】 (E8−9を生成するためのE8−8の還元的アルキル化)
【0209】
【化98】 周囲温度でメタノ−ル(2ml)中のE8−8(40mg、0.0347mm
ol)の溶液に1−メチル−4−ピペリドン(7.85mg、0.0694mm
ol)および氷酢酸(2μl、0.0347mmol)を添加した。この溶液を
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.27mg、0.0520mmol)で処理
し、その混合物を16時間攪拌した。真空化での濃縮後、粗生成物を分取RP−
HPLC(段階勾配40%〜100%、AcN/0.1%TFA溶出スキーム)
によって精製し、収量19mgの白色固体を得た(45%収率)。H1 NMR
データは、構造E8−9と一致した。MS(FAB)=1247.6(M+)。
【0210】 表4は、比較の半合成Echinocandin化合物C1およびアンホテリ
シンBと比較した、化合物E7−6(a)、E7−6(b)、E7−14(a)
、E7−14(b)、E8−8およびE8−9に関する活性データを要約する。
上記実施例1の記載と同一の試験手順を使用した。
【0211】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 33/00 C07K 1/06 ZNA C07K 1/06 ZNA 7/54 7/54 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 グレゴリー, ジョージ スチュアート アメリカ合衆国 インディアナ 46038, フィッシャーズ, バレービュー ドラ イブ 6295 (72)発明者 ヘンルー, ステイシー ケイ アメリカ合衆国 インディアナ 46202, インディアナポリス, イースト ポー ク ストリート 1220 (72)発明者 ヒッチコック, スティーブン アンドリ ュー アメリカ合衆国 インディアナ 46032, カーメル, ストーミー リッジ コー ト 1484 (72)発明者 ユングイム, ルイス ニコラス アメリカ合衆国 インディアナ 46240, インディアナポリス, メドーブルック ドライブ 8218 (72)発明者 メイヒュー, ダニエル レイ アメリカ合衆国 インディアナ 46032, カーメル, トルーン コート 9681 (72)発明者 シェパード, ティモシー アラン アメリカ合衆国 インディアナ 46227, インディアナポリス, スリッパリー エルム コート 8463 (72)発明者 ターナー, ウイリアム ウィルソン ジ ュニア アメリカ合衆国 インディアナ 47408, ブルーミントン, サラトガ ドライブ 4000 Fターム(参考) 4C076 AA11 AA93 BB01 BB11 CC31 CC34 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA08 BA17 BA24 CA59 MA17 MA52 MA66 MA70 NA14 ZB35 ZB37 4H045 AA10 AA30 BA14 BA35 EA29 FA30 FA57 FA61 GA25

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状ペプチド環核を改変するためのプロセスであって、以下
    の工程(i)〜(v): (i) γ−ヒドロキシル基を有するペプチド単位を含有する環状ペプチド化
    合物を提供する工程; (ii) 該環状ペプチド化合物の環を開き、第1の直鎖状ペプチドを提供す
    る工程であって、ここで該γ−ヒドロキシル基を有するペプチド単位が、該第1
    の直鎖状ペプチドのN−末端ペプチド単位である、工程; (iii) 該γ−ヒドロキシル基を有するペプチド単位を切断し、第2の直
    鎖状ペプチドを提供する工程; (iv) 少なくとも1つのアミノ酸、ジペプチド単位または合成単位を、該
    第2の直鎖状ペプチドに結合し、第3の直鎖状ペプチドを提供する工程; (v) 該第3の直鎖状ペプチドを環化し、改変された環核を有する改変され
    た環状ペプチド化合物を提供する工程、を包含するプロセス。
  2. 【請求項2】 工程(iv)の前記アミノ酸、前記ジペプチド単位または前
    記合成単位が、保護されたアミノ基を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 以下の工程(vi)および(vii): (vi) 前記保護されたアミノ基を脱保護し、脱保護されたアミノ基を提供
    する工程; (vii) 該脱保護されたアミノ基をアシル化する工程、をさらに包含する
    、請求項2に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 工程(iv)において前記少なくとも1つのアミノ酸、ジペ
    プチド単位または合成単位を結合する前に、工程(iii)における前記第2の
    直鎖状ペプチドから別のペプチドを切断する工程を、さらに包含する、請求項1
    または請求項2に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 工程(iii)が、有機溶媒中、前記第1の直鎖状ペプチド
    にトリフルオロ酢酸または塩酸を添加することによって行われる、請求項1に記
    載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記有機溶媒が、塩化メチレン、トルエンおよびジオキサン
    からなる群から選択される、請求項5に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 第2のアミノ酸、ジペプチドまたは合成単位が、工程(v)
    における環化の前に、工程(iv)における前記第3の直鎖状ペプチドに結合さ
    れる、請求項1または2に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 第2のアミノ酸、ジペプチドまたは合成単位が、工程(v)
    における環化の前に、工程(iv)における前記第3の直鎖状ペプチドに結合さ
    れる、請求項4に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 前記環状ペプチド化合物が環式ヘキサペプチドである、請求
    項1に記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のプロセスであって、前記環状ペプチド化
    合物が、以下の構造: 【化1】 によって表され、ここで、Rが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
    リール基、またはヘテロアリール基であり;R1が、−Hまたは−OHであり;
    2が、−Hまたは−CH3であり;R3が、−H、−CH3、−CH2CONH2
    たは−CH2CH2NH2であり;R4が、−Hまたは−OHであり;R5が、−O
    H、−OPO32、または−OSO3Hであり;そしてR6が、−Hまたは−OS
    3Hである、プロセス。
  11. 【請求項11】 前記改変された環状ペプチド化合物が、19−、20−、
    21−、または22−員の環状化合物である、請求項1に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載のプロセスによって調製される化合物、
    ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルまたは水和物であって、以下
    の式IまたはIIによって表され: 【化2】 ここで、 Rが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ
    アリール基であり; R2が、−Hまたは−CH3であり; R3が、−H、−CH3、−CH2CONH2または−CH2CH2NH2であり; R4が、−Hまたは−OHであり; R5が、−OH、−OPO32、または−OSO3Hであり; R6が、−Hまたは−OSO3Hであり; R7が、−CH3または−Hであり; (Y)が、以下の式によって表され: 【化3】 ここで、 Aが、−(CH2a−(ここでa=1〜4)、−CHR’−CHR’’−(C
    2b−(ここでR’およびR’’は独立して−H、−OH、C65O−、−S
    H、−NH2、Cnn+2NH−、Cnn+2O−、Cnn+2S−または−Cnn+2
    であり、ここでn=1〜4であり、そしてb=0〜1である)、−(CH2c
    C(O)NH(CH2d−(ここでc=1〜2およびd=1〜2)、−N=CH
    −(CH2e−(ここでe=0〜2)、−NR’’’(CH2f−(ここでR’
    ’’は−H、−C(O)CH2NH2、−C(O)CH(NH2)CH2NH2また
    は−Cnn+2であり、ここでn=1〜4およびf=1〜3)、−(CH2g−S
    2−(CH2h−(ここでg=1〜2およびh=1〜2)、 【化4】 (ここでi=1または2)、あるいは 【化5】 (ここでjは1または2であり、そしてZはアミノ基、アルキルアミノ基、
    またはピペリジルアミノ基である)であり;そして Bは、置換または非置換のC1〜C6アルキル基であり; Wは、水素またはC(O)R(ここでRは上記に定義される通りである)であ
    る、化合物。
  13. 【請求項13】 以下の式IまたはIIによって表される化合物、ならびに
    それらの薬学的に受容可能な塩、エステルまたは水和物であって: 【化6】 【化7】 ここで、 Rが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテロ
    アリール基であり; R2が、−Hまたは−CH3であり; R3が、−H、−CH3、−CH2CONH2または−CH2CH2NH2であり; R4が、−Hまたは−OHであり; R5が、−OH、−OPO32、または−OSO3Hであり; R6が、−Hまたは−OSO3Hであり; R7が、−CH3または−Hであり; (Y)が、以下の式によって表され: 【化8】 ここで、 Aが、−(CH2a−(ここでa=1、2または4)、−CHR’−CHR’
    ’−(CH2b−(ここでR’およびR’’は独立して−H、−OH、C65
    −、−SH、−NH2、Cnn+2NH−、Cnn+2O−、Cnn+2S−または−
    nn+2であり、ここでn=1〜4であり、そしてb=0である)、−(CH2
    c−C(O)NH(CH2d−(ここでc=1〜2およびd=1〜2)、−N
    =CH−(CH2e−(ここでe=0〜2)、−NR’’’(CH2f−(ここ
    でR’’’は−H、−C(O)CH2NH2、−C(O)CH(NH2)CH2NH 2 または−Cnn+2であり、ここでn=1〜4およびf=1〜3)、−(CH2 g −SO2−(CH2h−(ここでg=1〜2およびh=1〜2)、 【化9】 (ここでi=1または2)、あるいは 【化10】 (ここでjは1または2であり、そしてZはアミノ基、アルキルアミノ基、
    またはピペリジルアミノ基である)であり;そして Bは、置換または非置換のC1〜C6アルキル基であり; Wは、水素またはC(O)R(ここでRは上記に定義される通りである)であ
    る、化合物。
  14. 【請求項14】 Rが以下の構造: 【化11】 によって表されるテルフェニル基である、請求項12または13に記載の化合物
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の化合物および薬学的に不活性のキャリ
    アを含有する、薬学的組成物。
  16. 【請求項16】 湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤、甘味料、安定
    剤、香料剤、風味剤、またはそれらの組み合わせをさらに含有する、請求項15
    に記載の薬学的組成物。
  17. 【請求項17】 真菌の活性を阻害する方法であって、請求項13に記載の
    化合物を真菌と接触させる工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 ヒトにおける真菌感染を処置する方法であって、このよう
    な処置の必要があるヒトに、治療学的に有効量の請求項13に記載の化合物を投
    与する工程を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 前記化合物が前記ヒトに局所的に、経口的に、注射によっ
    て、吸入によって、またはそれらの組み合わせで投与される、請求項18に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 寄生虫活性を阻害する方法であって、請求項13に記載の
    化合物を寄生虫に接触させる工程を包含する、方法。
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