JP2002520221A - 液圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、コントローラケーシング（１８）内に配置された電子制御装置および電子調整装置と、コントローラケーシング（１８）に連結された弁ブロック（１０）とを備え、少なくとも１個の圧力発生要素（１５）のための少なくとも１個の駆動手段（１２）が弁ブロックに配置され、圧力発生要素（１５）に付設された中空室（１７）が圧力発生要素（１５）の漏洩液を収容し、中空室（１７）に接続された排出通路（１６）が弁ブロック（１７）内に設けられている、液圧式制御装置およびまたは調整装置、特にアンチロックコントロール式およびまたはアンチスリップコントロール式ブレーキ装置のための液圧装置に関する。本発明に従い、排出通路（１６）への液体の侵入を防止する手段（２３）が排出通路（１６）に付設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、コントローラケーシング内に配置された電子制御装置および電子調
整装置と、コントローラケーシングに連結された弁ブロックとを備え、少なくと
も１個の圧力発生要素のための少なくとも１個の駆動手段が弁ブロックに配置さ
れ、圧力発生要素に付設された中空室が圧力発生要素の漏洩液を収容し、中空室
に接続された排出通路が設けられている、液圧式制御装置およびまたは調整装置
、特にアンチロックコントロール式およびまたはアンチスリップコントロール式
ブレーキ装置のための液圧装置に関する。本発明は更に、コントローラケーシン
グと、液圧装置の排出通路のための延長要素に関する。

【０００２】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４２３４０１３号公報により、上記種類の液
圧装置が知られている。新しい世代の液圧装置はモジュール式に形成され、実質
的に液圧構成要素であるポンプと、低圧アキュムレータと、電磁弁と、ポンプ用
駆動手段からなっている。電子コントローラケーシング内に配置された一体化さ
れたコイルは、電磁弁に直接嵌め込まれ、弁ブロックに固定されている。その際
、弁ブロックには、駆動手段の駆動軸によって駆動される偏心体が設けられてい
る。この偏心体を介して圧力発生要素が操作される。圧力発生要素は弾性的なシ
ールを介して偏心体の中空室に対してシールされている。しかし、２５０バール
に達する圧力の場合、漏洩が必ずしも回避されるとは限らない。従って、圧力発
生要素の漏洩液を排出するために、排出通路が弁ブロックに設けられている。漏
洩液は排出通路を経て、コントローラケーシングを固定した弁ブロックの外壁ま
で流れる。ブレーキ装置の機能性に関する仕様規定、例えば跳ねかけ水試験に関
する仕様規定を満足するような組み込み場所におよび組み込み姿勢で、液圧装置
を設置すべきである。しかし、これは、自動車全体の複雑な機器配置構造と、自
動車のシステムに高度な集積密度のために、必ずしも満足されるとは限らない。
弁室、ポンプ室、モータ室および圧力発生室内に侵入する塩または水は、中空室
内に溜まり、場合によっては中空室から溢れる。その際、誤動作を確実に閉め出
すことができない。この機能を満足するために、特別な手段が必要である。この
手段は一般的に装置のコストを高める。

【０００３】 これに対処するために、シールを用いて弁ブロックに対してコントローラケー
シングをシールすることが知られている。その際、このシールは通常のごとく、
コントローラ壁の凹部内に固定されている。

【０００４】 その際、弁ブロックの全体寸法にわたって延びるシール面が生じる。後の日常
の要求の際、このシール面の機能を保証するためには多大なコストがかかる。更
に、このような装置は通気および換気しなければならない。これは機器を更に高
価にする。

【０００５】 そこで、本発明の課題は、排出通路への液体の侵入を確実にかつ低コストで防
止し、同時に、排出通路とコントローラケーシングからの漏洩液の流出を可能に
する、液圧装置を提供することである。

【０００６】 この課題は本発明に従い、請求項１記載の特徴によって解決される。

【０００７】 本発明は、コントローラケーシングを弁ブロックに簡単にかつ低コストで固定
するために、弁ブロックとコントローラケーシングを、その間にシールを設けな
いで連結し、ケーシング室内の漏洩液のための排出通路に付設された手段が、排
出通路への液体、例えば水の侵入を阻止するという思想に基づいている。

【０００８】 本発明の他の思想は請求項２記載の特徴から明らかである。請求項２によれば
、手段が排出通路の少なくとも一部を取り囲む保護要素を備え、この保護要素が
排出通路から液体をそらす。これにより、必要な手段を製作するためにきわめて
簡単な２つの製作方法が生じる。この場合、非常に信頼性があって容易に組み立
て可能である低コストの既存の問題の解決策は、請求項３記載の特徴を有する。
この場合、手段が合成樹脂からなるコントローラケーシングに一体的に連結され
ている。ルーフ状の手段は、液体の侵入方向において排出通路の開口の手前で、
弁ブロックの壁に付勢されて当てられ、液体をコントローラケーシング内に案内
する。この構造の場合、コントローラケーシングの製作時に、手段は射出成形法
によって形成可能である。

【０００９】 請求項４は手段の代替的な形成を示している。この場合、手段は弁ブロックに
取外し可能に連結されている。請求項５記載の特徴によれば、手段は管状に形成
され、排出通路をコントローラケーシングの内室に接続している。このコントロ
ーラケーシング内にはブレーキ装置のコイルが配置されている。管状の手段は、
漏洩液をコントローラケーシングの内室に案内し、液体の侵入を防止することに
より、２つの機能を発揮する。というのは、管状の手段の開口がコントローラケ
ーシング内に配置され、液体がコントローラケーシングと弁ブロックの間を流れ
るからである。

【００１０】 必要に応じて、排出通路は手段を介して溜めに接続される。この溜めには漏洩
液が貯蔵される。その際、液体を収容するために、特別な媒体が使用される。こ
の媒体の表面は低粘性の液体の侵入を防止する。

【００１１】 この手段により、後の日常の要求が運転中考慮される。というのは、漏洩液が
自動車のエンジン室を経て排出されないからである。これは自動車の使用者によ
って誤解釈され得る。

【００１２】 手段のきわめて簡単な組み立ておよび分解は請求項７に従い、手段が排出通路
内に配置されていることによって達成される。これは特に手段の管状の形成の場
合に、手段の直径が排出通路の直径に一致しているときに、非常に簡単かつ低コ
ストで実現される。これは排出通路に差込み可能な合成樹脂管によってきわめて
低コストで達成可能である。

【００１３】 他の有利な特徴は請求項８〜１０に記載されている。この場合、弁を備えた手
段は必要に応じて、液体の侵入を確実に防止する。手段に設けられた滴下エッジ
は、液体を所定の個所に導き、従って所定の液体流れを保証する。角度をなして
延びる手段の区間によって、漏洩液の排出は、コントローラケーシング内の所定
の個所で定めて行うことができ、液圧装置の組み込み姿勢に応じて液体の流入を
確実に防止する。前述の種類のコントローラケーシングは好ましくはそれに一体
に連結された手段を備えている。この手段は弁ブロックの排出通路内への液体の
侵入を防止する。管状に形成された、液圧装置の排出通路用手段は、好ましくは
別個の単一部品として製作され、追加購入部品として組み立て可能である。

【００１４】 本発明の他の目的、特徴、効果および用途は、実施の形態の次の説明から明ら
かになる。その際、記載およびまたは図示したすべての特徴は、特許請求の範囲
または特許請求の範囲の従属関係によるその組み合わせに関係なく、単独でも任
意の組み合わせでも本発明の対象を形成する。

【００１５】 図１は、駆動手段１２、弁要素１３およびポンプの詳しく示していない圧力発
生要素１５を収納するための断面図で示した弁ブロック１０を備えた液圧装置を
示している。駆動手段１２は直流モータからなっている。この直流モータのロー
タはカップ状ケーシング内で軸端部に軸受され、他の軸受は弁ブロック１０の止
り穴内に挿入されている。駆動手段１２の軸のためのこの軸受は、軸偏心ピン１
４の近くに設けられている。この軸偏心ピンは少なくとも１個のピストン状の圧
力発生要素１５を操作するために、ニードルベアリングを備えている。直径が小
さな排出通路１６が弁ブロック１０内の駆動要素２の支承個所に接続している。
中空室１７に侵入した圧力発生要素１５の漏洩液は、この排出通路１６を経て、
弁ブロック１０の表面２６まで排出される。弁ブロック１０のこの表面２６には
コントローラケーシング１８が連結されている。このコントローラケーシングは
弁要素１３を通気可能に取り囲んでいる。電気部品または電子部品を収容するた
めに、内室１９が分割されている。弁要素１３を収容する内室は、槽状に形成さ
れ、壁２１の平らでない固定面２０を経て周囲媒体に連通している。電気部品ま
たは電子部品を収容する室２７は、内室１９に対して液体を通さないので、あら
ゆる運転状態で、湿気や汚染に敏感なコントローラケーシングの範囲内への液体
の侵入が防止される。中空室１７から流出する漏洩液は内室１９に収容され、コ
ントローラケーシング１８と弁ブロック１０の間の封止的でない固定面２０から
流出可能である。

【００１６】 特に、液圧装置がモータ軸に対して水平にまたは斜めに組み込まれている場合
、液圧装置の表面は捕集要素として作用する。この捕集要素は水または添加物を
有する水のような液体を、固定面２０に直接導く。その際、大きな液体流れが発
生し得る。この流れは弁ブロックの表面に沿って内室１９に流れ、そして好まし
くは表面に対して垂直に延びる排出通路１６の方に流れる。

【００１７】 内室１９内にウェブとして形成された手段２３は、コントローラケーシングと
一体に連結されている。壁状またはルーフ状に形成されたウェブは、表面２６に
対して斜めに延びる区間２８を備えている。この区間は弁ブロック１０の表面２
６に接触している。手段２３の厚さが適切に選定されていることにより、手段２
３の長手軸線にわたって弾性が生じる。この弾性は、コントローラケーシングを
表面に固定する際に、区間２８がコントローラケーシング１８の壁２１から突出
する場合、手段２３の初期応力（付勢力）を生じることになる。その際、手段２
３は区間２８によって弁ブロック１０の表面２６に固定接触し、流れ方向２４に
流れる液体を弁ブロック１０の表面２６から、手段２３内に設けられた開口２５
に案内する。液体はこの開口２５を通って壁２１の反対側の固定面２０に流れ、
そして固定面２０から周囲に流れる。

【００１８】 排出ホースのような図示していない排出要素に接続された特別な排出口は、漏
洩液を自動車の所定の個所まで搬送することを可能にする。

【００１９】 手段２３により、液体は漏洩液用排出通路１６内に侵入しない。なぜなら、液
体が手段２３を経て導き出されるからである。排出通路１６は手段２３によって
表面２６に対して垂直に弁ブロック１０内に配置可能である。

【００２０】 図１に示した壁状のウェブ２３は、図示していない実施の形態に従って、排出
通路１６を管状に取り囲むことができる。それによって、液圧装置の組み込み姿
勢に関係なく、排出通路１６への液体の侵入が防止される。この液体は流れ方向
２４と関係なく常に確実に導き出される。

【００２１】 図１の部分Ａが図２〜８に拡大して示してあり、手段２３の代替的な実施の形
態を概略的に示している。

【００２２】 図２は、図１の代替的な実施形として、手段２３の変形を示している。しかし
、弁ブロック１０の機能はほぼ同じである。図１と異なり、図２では管状の手段
２３が排出通路１６内に取外し可能に形状補完的に位置決めされている。それに
よって、排出通路１６がコントローラケーシング１８の内室１９内に延長される
ので有利である。当て要素３８を有する管として形成された手段２３は、漏洩液
を排出通路１６から内室１９に案内し、排出通路１６内への液体の侵入を防止す
る。なぜなら、表面２６に沿って流れる液体が、手段２３の当て要素３８と突出
区間によって、排出通路１６から方向を転じ、管の周りを経てコントローラケー
シング１８の固定面２０に流れるからである。当てフランジと表面２６の間には
必要に応じて、シール要素を設けることができ、また当て要素３８自体をシール
要素として形成することができる。シール要素としての形成は例えば表面２６と
当て面３８と間の適当な表面圧力によって行うことができる。管状の手段２３は
プレス嵌めによって排出通路１６に連結されるかまたは排出通路内に接着される
。

【００２３】 図３は図２に対応する管状の手段２３を示しているがしかし、内室１９に開口
する出口２９が角度をなして、特に表面２６に対して平行に延びている点が異な
っている。直角に曲げられた出口２９によって、漏洩液はコントローラケーシン
グ１８の内室１９の区間に所定の方法で供給され、特に流れ方向が液圧装置の組
み込み姿勢に依存する場合に液体に侵入を確実に防止する。なぜなら、大きな液
量の場合にも、液体が管状の手段２３の周りを案内され、出口２９のエッジから
流れ落ちるからである。

【００２４】 図４には、図２に示した管状の手段が滴下エッジ３０，３１を備えている。こ
の滴下エッジは好ましくは所定の間隔をおいて管状の手段２３の外周に円環状に
配置されている。滴下エッジ３０，３１により、液体は手段２３から適切に流れ
落ちる。

【００２５】 図５には、図２の代替的な実施の形態が示してある。この実施の形態は出口２
９に遮断機構が設けられている点が、図２に示した構造と異なっている。遮断機
構３２は、出口２９の横断面を縮小し、それによって液体の侵入を防止する漸縮
管として形成されている。

【００２６】 図６では、出口が隙間またはラビリンスとして形成されている。この隙間また
はラビリンスは角度をなして、特に表面２６に対して平行に延びる出口を有する
ように形成されている。

【００２７】 図７は図１の他の代替的な実施の形態を示している。この実施の形態の場合、
管状手段２３は弁として形成された遮断機構３２を備えている。この遮断機構３
２は好ましくは逆止弁として形成され、内室１９への漏洩液の流出を可能にする
と同時に、表面２６に沿って流れる液体の侵入を防止する。

【００２８】 図８では、管状の手段２３が漏洩液を収容するための溜めに接続されている。
液体を収容するために、特に吸収性媒体（フェルト等）が役立つ。液体はそれと
反対側に向けて外側へこの吸収性媒体の表面に滲み込む。

【図面の簡単な説明】

【図１】 弁ブロック内に設けられ、コントローラケーシングの内室に開口する排出通路
を示す図である。この排出通路には、コントローラケーシングに一体連結された
、液体の方向を変えるための手段が付設されている。

【図２】 排出通路内に配置された管状手段を備えた代替的な実施の形態を示す図である
。

【図３】 直角に曲がった管状手段を備えた、図２の実施の形態の代替的な実施の形態を
示す図である。

【図４】 滴下エッジを有する管状手段を備えた、図２の実施の形態の代替的な実施の形
態を示す図である。

【図５】 漸縮管を有する手段を備えた、図１の実施の形態の代替的な実施の形態を示す
図である。

【図６】 角度をなして延びる管状手段を備えた、図１の実施の形態の代替的な実施の形
態を示す図である。

【図７】 手段の中に配置された弁を有する、図２の実施の形態の代替的な実施の形態を
示す図である。

【図８】 手段に設けられた溜めを有する、図２の実施の形態の代替的な実施の形態を示
す図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＪＰ，ＵＳ (72)発明者 リシュ・シュテファン ドイツ連邦共和国、64331 ヴァイターシ ュタット、バッハグルント、３ Ｆターム(参考） 3D046 BB28 CC02 EE01 KK12 LL23 LL37 LL41 LL55

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コントローラケーシング内に配置された電子制御装置および
   電子調整装置と、コントローラケーシングに連結された弁ブロックとを備え、少
   なくとも１個の圧力発生要素のための少なくとも１個の駆動手段が弁ブロックに
   配置され、圧力発生要素に付設された中空室が圧力発生要素の漏洩液を収容し、
   中空室に接続された排出通路が設けられている、液圧式制御装置およびまたは調
   整装置、特にアンチロックコントロール式およびまたはアンチスリップコントロ
   ール式ブレーキ装置のための液圧装置において、排出通路への液体の侵入を防止
   する手段（２３）が排出通路（１６）に付設されていることを特徴とする液圧装
   置。
2. 【請求項２】 手段（２３）が排出通路（１６）の少なくとも一部を取り囲
   む保護要素を備え、この保護要素が排出通路（１６）から液体をそらすことを特
   徴とする請求項１記載の液圧装置。
3. 【請求項３】 手段（２３）がコントローラケーシング（１８）に一体的に
   連結されていることを特徴とする請求項１または２記載の液圧装置。
4. 【請求項４】 手段（２３）が弁ブロック（１０）に取外し可能に連結され
   ていることを特徴とする請求項１または２記載の液圧装置。
5. 【請求項５】 手段（２３）が管状に形成され、排出通路（１６）をコント
   ローラケーシングの内室（１９）に接続していることを特徴とする請求項１〜４
   のいずれか一つに記載の液圧装置。
6. 【請求項６】 排出通路（１６）が手段（２３）を介して溜め（３３）に接
   続されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一つに記載の液圧装置。
7. 【請求項７】 手段（２３）が排出通路（１６）内に配置されていることを
   特徴とする請求項１〜６のいずれか一つに記載の液圧装置。
8. 【請求項８】 手段が遮断機構（３２）を備えていることを特徴とする請求
   項１〜７のいずれか一つに記載の液圧装置。
9. 【請求項９】 手段（２３）が少なくとも１つの滴下エッジ（３０，３１）
   を備えていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか一つに記載の液圧装置。
10. 【請求項１０】 手段（２３）が角度をなして延びる区間を備えていること
    を特徴とする請求項１〜９のいずれか一つに記載の液圧装置。
11. 【請求項１１】 特にコントローラケーシングに一体的に連結され、ブレー
    キ装置の弁ブロック（１０）の方に向き、そして弁ブロック（１０）の漏洩液用
    の排出通路（１６）内への液体の侵入を防止する手段（２３）を備えているコン
    トローラケーシング。
12. 【請求項１２】 液圧式制御装置およびまたは調整装置、特にアンチロック
    コントロール式およびまたはアンチスリップコントロール式ブレーキ装置のため
    の液圧装置の排出通路のための延長要素において、延長要素（２３）が管状に形
    成されていることを特徴とする延長要素。