JP3663639B2 - 車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この出願の発明は、車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両のブレーキマスタシリンダから車輪ブレーキに至る液圧経路に介挿される車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータであって、車輪ブレーキへのブレーキ液の流出入を制御する電磁操作式の液圧制御弁と、この液圧制御弁により車輪ブレーキから流出させたブレーキ液を貯溜する低圧リザーバと、この低圧リザーバ内のブレーキ液を前記液圧経路に戻す容積形ポンプと、この容積形ポンプを駆動する電動機とを1つのアクチュエータボデーに組付けてなる車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータは周知であり、例えばトヨタ・クラウン・ハードトップ新型車解説書(1993年8月17日トヨタ自動車株式会社サービス部発行)の3−2頁〜3−9頁に記載されている。
【0003】
上記の容積形ポンプは一般的にプランジャ形ポンプであり、その駆動軸はアクチュエータボデー内を水平方向に延びる穴内に配置され、この穴と直角に且つ水平方向にアクチュエータボデー内を延びる穴にプランジャが液圧に且つ摺動可能に嵌入されている。プランジャと穴との摺動部を液密化するシール部材の損傷によりブレーキ液が漏出しても漏出ブレーキ液を外部に排出して電動機の故障を防ぐため、一般的に、駆動軸を配置した穴から下方へ延在してアクチュエータ下面に開口する漏出ブレーキ液排出穴がアクチュエータボデーに設けられている。
【0004】
また、アクチュエータボデーに取付けられた電動機や液圧制御弁の電磁駆動部は防水構造になっているが、電動機のハウジングや電磁駆動部のカバーとアクチュエータボデーとの突き合わせ部から呼吸作用により水分が浸入する可能性があり、この呼吸作用による水の浸入と浸入水分を外部へ排出して電動機や電磁駆動部の故障を防ぐため、一般的に、電動機のハウジングや電磁駆動部のカバーの最下部に呼吸穴が設けられている。この呼吸穴は、電動機ハウジングや電磁駆動部のカバーが薄肉であって単純な穴の場合には水の浸入口となってしまうので、迷路状に形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如く漏出ブレーキ液排出穴を設けた上で更に電動機のハウジングと電磁駆動部のカバーに別々に呼吸穴を設けることは、アクチュエータ全体として見た場合に水の浸入の可能性が高くなり、浸水による故障の可能性を高めることになる。
【0006】
この出願の発明は、容積形ポンプの駆動軸を配置した穴に漏出したブレーキ液を外部に排出でき、電動機のハウジングや電磁駆動部のカバーの内部空間に呼吸作用による水の浸入を防ぎ、水が浸入した場合にはそれを外部に排出でき、それらブレーキ液や水の排出路から水が浸入する可能性が従来装置よりも低いところの車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に従うこの出願の発明の車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータは、車両のブレーキマスタシリンダから車輪ブレーキに至る液圧経路に介挿されているものであり、車輪ブレーキへのブレーキ液の流出入を制御する電磁操作式の液圧制御弁と、この液圧制御弁により車輪ブレーキから流出させたブレーキ液を貯溜する低圧リザーバと、この低圧リザーバ内のブレーキ液を前記液圧経路に戻す容積形ポンプと、この容積形ポンプを駆動する電動機とを1つのアクチュエータボデーに組付けてなる車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータであって、
前記アクチュエータボデーに水平方向に延びるよう形成された穴内に前記容積形ポンプの駆動軸が回転自在に配置されており、この駆動軸を駆動する前記電動機が前記アクチュエータボデーの側面に取付けられており、前記穴から下方に延びる漏出ブレーキ液排出穴が前記アクチュエータボデーに形成されており、前記液圧制御弁の電磁駆動部とこの電磁駆動部を被覆するカバーが前記アクチュエータボデーの側面に取付けられており、このカバーの内部空間の最下部または前記電動機のハウジングの内部空間の最下部の少なくとも一方が前記漏出ブレーキ液排出穴の上端よりも下方に配置されていて前記アクチュエータボデーに形成された水平方向の呼吸穴により前記漏出ブレーキ液排出穴に連通されているものである。
【0008】
【作用】
上記の如き構成のブレーキ液圧制御アクチュエータにおいては、容積形ポンプの駆動軸が配置されている穴に漏出したブレーキ液は漏出ブレーキ液排出穴により外部へ排出されるものである。そして、電磁駆動部のカバーの内部空間の最下部または電動機のハウジングの内部空間の最下部の少なくとも一方が呼吸穴と漏出ブレーキ液排出穴を順次介して外気と連通していることにより呼吸作用による水の浸入が防止され、水が浸入した場合にはその浸入水は呼吸穴と漏出ブレーキ液排出穴を順次通して外部へ排出されるものである。
【0009】
このように、漏出ブレーキ液排出穴を電磁駆動部のカバーの内部空間の最下部または電動機のハウジングの内部空間の最下部の少なくとも一方の呼吸穴の外気側部分として利用することにより、浸水の可能性がある開口が減少し、浸水による故障の可能性が低くなるものである。加えて、アクチュエータボデーは電磁駆動部のカバーや電動機ハウジングに比べて遥かに肉厚であり、呼吸穴の長さが自ずと長いものとなり、浸水の可能性がより低減するものである。
【0010】
【実施例】
この出願の発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、左前車輪ブレーキおよび右後車輪ブレーキをマスタシリンダの2つの圧力室のうちの一方圧力室に、また右前車輪ブレーキおよび左後車輪ブレーキをマスタシリンダの2つの圧力室のうちの他方圧力室にそれぞれ接続したFF車(フロントエンジン・フロントドライブ車)用液圧ブレーキ装置に適用されるブレーキ液圧制御用アクチュエータの概略液圧経路を示すものである。図1において、ブレーキペダル10に加えられたブレーキ操作力は負圧式倍力装置11により倍加されてタンデム型のマスタシリンダ12に加えられる。マスタシリンダ12は、周知のように、2つの圧力室を有している。前後左右の4つの車輪ブレーキ13,14,16,17のうち、左前車輪ブレーキ13および右後車輪ブレーキ14はアクチュエータ15を介してマスタシリンダの2つの圧力室のうちの一方圧力室に接続され、また右前車輪ブレーキ16および左後車輪ブレーキ17はアクチュエータ18を介してマスタシリンダの2つの圧力室のうちの他方圧力室に接続される。
【0012】
アクチュエータ15は、左前車輪ブレーキ13をマスタシリンダ12の一方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁19と、右後車輪ブレーキ14をマスタシリンダ12の一方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁20と、電磁遮断弁19および20と並列に配設されていて車輪ブレーキ側からマスタシリンダ側へのブレーキ液流れのみを許容する逆止弁21および22と、左前車輪ブレーキ13を単一の低圧リザーバ23に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁24と、右後車輪ブレーキ14を低圧リザーバ23に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁25と、低圧リザーバ23内のブレーキ液を一定容積のダンパ室26およびオリフィス27を順次通して電磁遮断弁19,20とマスタシリンダ12との間の液圧経路に圧送する電動機駆動の容積形ポンプとしてのプランジャ形ポンプ28とで構成されている。
【0013】
アクチュエータ18は、右前車輪ブレーキ16をマスタシリンダ12の他方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁29と、左後車輪ブレーキ17をマスタシリンダ12の他方圧力室から遮断可能な2ポート2位置の常開型の電磁遮断弁30と、電磁遮断弁29および30と並列に配設されていて車輪ブレーキ側からマスタシリンダ側へのブレーキ液流れのみを許容する逆止弁31および32と、右前車輪ブレーキ16を単一の低圧リザーバ33に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁34と、左後車輪ブレーキ17を低圧リザーバ33に接続可能な2ポート2位置の常閉型の電磁遮断弁35と、低圧リザーバ33内のブレーキ液を一定容積のダンパ室36およびオリフィス37を順次通して電磁遮断弁29,30とマスタシリンダ12との間の液圧経路に圧送する電動機駆動のプランジャ形ポンプ38とで構成されている。
【0014】
単一の電動機39は両プランジャ形ポンプ28,38を駆動する。
【0015】
電磁遮断弁19,20,24,25,29,30,34,35は液圧制御弁を構成する。
【0016】
図1に示すアクチュエータ15,18および電動機39の組立体(ブレーキ液圧制御用アクチュエータ)の詳細構造が図2〜図6に示されている。図2は組立体の下面図、図3は左側面図、図4は図3中のG−G線に沿う断面図、図5は図3中のH−H線に沿う一部省略断面図、図6は図3中のJ−J線に沿う一部省略断面図である。車両への取付用ゴムマウント101を下方部の左側面に2個、右側面に1個それぞれ有するアクチュエータボデー(以下、単にボデーと称する)102は、マスタシリンダ12から車輪ブレーキ13,14,16および17に至る液圧経路、つまり図1の点Aで示す箇所から点B,Cで示す箇所に至る液圧経路と、点Dで示す箇所から点E,Fで示す箇所に至る液圧経路を形成する。このボデー102の上部には、図1の点A〜Fで示す箇所に該当する6個のポートが配置されており、点A,Bで示す箇所に該当するポート103,104が図6で現れている。
【0017】
図4および図5で示されるように、ボデー102に形成されていてボデー102の左側面に開口している穴105には、ボデー102の左側面に結合された電動機39により駆動されるプランジャ形ポンプ28,38に共通の駆動軸106と、この駆動軸106の両端をボデー102に回転自在に支承させるための2個の球軸受107と、駆動軸104の両端間の偏心部に嵌合された球軸受108とが組み込まれている。球軸受108の外周側において穴105と直交する方向に形成された穴にはプランジャ形ポンプ28,38のポンププランジャ109,110が液密に且つ摺動可能に組み込まれている。これらポンププランジャ109,110は駆動軸106の偏心部の外周に球軸受108を介して係合している。
【0018】
図5に示されるように、ボデー102の正面に開口する穴にプラグ111が嵌入・固定されてダンパ室26が形成され、またボデー102の背面に開口する穴にプラグ112が嵌入・固定されてダンパ室36が形成されている。図5において、符号39aは電動機の出力軸を示す。
【0019】
図6に示されるように、ボデー102の右側面には、電磁遮断弁19,20,24,25,29,30,34および35の電磁駆動部とそれらを被覆するカバー113が取付けられている。そして、それら電磁駆動部により駆動される弁部がボデー102内に組み込まれている。図6においては、電磁遮断弁19,24の電磁駆動部19a,24aと弁部19b,24bが現れている。カバー113は、電磁駆動部を囲繞する電気絶縁材料製の枠部材113Aと電気絶縁材料製の蓋部材113Bとで構成されており、枠部材113Aは図3に示されるコネクタ部113Aaを有している。このコネクタ部113Aa内に位置する多数のコネクタ端子と、電磁遮断弁19,20,24,25,29,30,34および35の電磁駆動部の端子に電気的に接続する接続端子と、電動機39の端子39a,39b(図4参照)が電気的に接続する接続端子とを有したバスバー114がカバー113内に配置されている。図4に示されるように、電動機39の端子39a,39bは、ボデー102の左側面から右側面に達する貫通穴115,116および枠部材113Aの貫通穴を通っている導電部材117,118によりバスバー114の接続端子に電気的に接続している。プラス側の導電部材117がボデー102に短絡しないように電気絶縁材料製のパイプ119が穴115内に配置されている。
【0020】
図4において、ボデー102の下方部には低圧リザーバ23が配置されている。この低圧リザーバ23は、ボデー102の下面に開口するようにボデー102に形成された穴内に液密に且つ摺動可能に嵌入されていて穴の底との間にブレーキ液室120を形成しているピストン121と、ボデー102内に嵌入されていて止め輪によりボデー102に係止され実質的に固定されているピストンストッパ122と、このピストンストッパ122とピストン120との間に張設されている圧縮コイルスプリング123とで構成されている。ピストンストッパ122とピストン120との間は空気室であり、ピストンストッパ122に形成された穴と同穴を利用してピストンストッパ122に取付けられたダストカバー124の呼吸孔を介して大気に接続している。
【0021】
図6において、ボデー102には、ポンププランジャ109,110の摺動部の液密状態が崩壊したことで穴105内に漏出したブレーキ液をボデー外へ排出するため穴105の下部から下方へ延びボデー下面に開口する漏出ブレーキ液排出穴125が形成されている。漏出ブレーキ液排出穴125は穴116のクロスしており、穴116よりも上方の部分の径は穴116よりも下方の部分の径よりも小さくなっている。カバー113の枠部材113Aとボデー102の接合部にはシール部材126が、また枠部材113Aと蓋部材113Bの接合部にはシール部材127がそれぞれ介在されている。カバー113の内部空間の最下部は穴116のやや下方に位置しており、ボデー102に形成された水平方向の呼吸穴128により漏出ブレーキ液排出穴125に連通している。
【0022】
電動機39のハウジングの最下部には図2および図4に示される突部129が設けられており、この突部129内に迷路状の呼吸穴が形成されている。電動機39のハウジングとボデー102の接合部にはシール部材130が介在されている。図7の第2実施例のように、電動機39のハウジングの内部空間の最下部を穴116のやや下方に位置させ、ボデー102に形成した水平方向の呼吸穴131により漏出ブレーキ液排出穴125に連通させてもよい。図7では、第1実施例の突部129は廃止されている。
【0023】
図1において、電磁遮断弁19,20,24,25,29,30,34,35と電動機39は図示しない電子制御装置により車両制動中の車輪の挙動に応じて車輪のロックを回避するように電気的に操作されるものである。周知のように、電子制御装置は各車輪に装備された回転センサーからの信号により各車輪の挙動を検出し各車輪ブレーキのブレーキ液圧の減圧,増圧の必要性を判定して電磁遮断弁および電動機39を操作する。車両が走行している場合においては、電磁遮断弁19,20,24,25,29,30,34,35は作動されておらず図1に示す位置を占めており、電動機39も作動されていない。
【0024】
走行している車両を制動するために運転者がブレーキペダル10にブレーキ操作力を加えた場合、マスタシリンダ12の一方圧力室から左前車輪ブレーキ13および右後車輪ブレーキ14に、またマスタシリンダ12の他方圧力室から右前車輪ブレーキ16および左後車輪ブレーキ17にそれぞれブレーキ液が圧送され、それら車輪ブレーキ13,14,16および17のブレーキ液圧がブレーキ操作力に対応した液圧に増圧し、車輪ブレーキ13,14,16および17により左前車輪,右後車輪,右前車輪および左後車輪にそれぞれブレーキ操作力に対応した制動力が加えられる。
【0025】
車両制動中に電子制御装置が前後左右の4つの車輪の何れか1つ、例えば右後車輪がロック傾向になり、右後車輪ブレーキ14のブレーキ液圧の減圧が必要と判定したときは、電子制御装置により電磁遮断弁21,25および電動機39が作動される。これにより、右後車輪ブレーキ14がマスタシリンダ12の一方圧力室から遮断され且つ低圧リザーバ23に接続され、右後車輪ブレーキ14のブレーキ液が低圧リサーバ23へ流出することにより同車輪ブレーキ14のブレーキ液圧が急減圧される。低圧リザーバ23に流入したブレーキ液は電動機39により駆動されるプランジャ形ポンプ28によりダンパ室26とオリフィス27を通してマスタシリンダ12側へ戻され、その際プランジャ形ポンプの吐出脈動がダンパ室26とオリフィス27とで減衰される。電子制御装置が電磁遮断弁20を作動させ続けると同時に電磁遮断弁25の作動解除および作動を所定周期で繰り返すと、左後車輪ブレーキ14のブレーキ液がパルス状に低圧リザーバ23へ流出して、同車輪ブレーキ14のブレーキ液圧が階段状に緩減圧される。電子制御装置が右後車輪のロック傾向が解消したと判定して電磁遮断弁20,25の作動を解除すると、右後車輪ブレーキ14から低圧リザーバ23へのブレーキ液の流出が止まり、マスタシリンダ12側のブレーキ液が電磁遮断弁20を通して右後車輪ブレーキ14へ圧送され、右後車輪ブレーキ14のブレーキ液圧が急増圧される。電子制御装置が右後車輪がロック傾向となる前兆と判定して電磁遮断弁20の作動および作動解除を所定周期で繰り返すと、マスタシリンダ12側のブレーキ液がパルス状に右後車輪ブレーキ14に流入し、同車輪ブレーキ14のブレーキ液圧が階段状に緩増圧される。
【0026】
尚、電動機39は全車輪についてのアンチロック制御の終了により初めて停止されるものである。
【0027】
車両制動中に電子制御装置が左後車輪もロック傾向になり、左後車輪ブレーキ17のブレーキ液圧の減圧が必要と判定したときは、電子制御装置により電磁遮断弁30,35が作動される。これにより、左後車輪ブレーキ17がマスタシリンダ12の他方圧力室から遮断され且つ低圧リザーバ33に接続され、左後車輪ブレーキ17のブレーキ液が低圧リサーバ33へ流出することにより同車輪ブレーキ17のブレーキ液圧が急減圧される。低圧リザーバ33に流入したブレーキ液は電動機39により駆動されるプランジャ形ポンプ38によりダンパ室36とオリフィス37を通してマスタシリンダ12側へ戻され、その際プランジャ形ポンプの吐出脈動がダンパ室36とオリフィス37とで減衰される。電子制御装置が電磁遮断弁30を作動させ続けると同時に電磁遮断弁35の作動解除および作動を所定周期で繰り返すと、右後車輪ブレーキ17のブレーキ液がパルス状に低圧リザーバ33へ流出して、同車輪ブレーキ17のブレーキ液圧が階段状に緩減圧される。電子制御装置が左後車輪のロック傾向が解消したと判定して電磁遮断弁30,35の作動を解除すると、左後車輪ブレーキ17から低圧リザーバ33へのブレーキ液の流出が止まり、マスタシリンダ12側のブレーキ液が電磁遮断弁30を通して左後車輪ブレーキ17へ圧送され、右後車輪ブレーキ17のブレーキ液圧が急増圧される。電子制御装置が左後車輪がロック傾向となる前兆と判定して電磁遮断弁30の作動および作動解除を所定周期で繰り返すと、マスタシリンダ12側のブレーキ液がパルス状に左後車輪ブレーキ17に流入し、同車輪ブレーキ17のブレーキ液圧が階段状に緩増圧される。
【0028】
左前車輪ブレーキ13および右前車輪ブレーキ16のブレーキ液圧についても電子制御装置により電磁遮断弁19,24,29,34が作動および作動解除されて急減圧,緩減圧,急増圧,緩増圧されるものである。
【0029】
尚、車輪ブレーキへのブレーキ液の流出入を制御する液圧制御弁の具体的構成は第1実施例の構成に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更できるものである。
【0030】
【発明の効果】
この出願の発明に係る車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータは、以上に説明したように、漏出ブレーキ液排出穴を電磁駆動部のカバーの内部空間の最下部または電動機のハウジングの内部空間の最下部の少なくとも一方の呼吸穴の外気側部分として利用することにより、浸水の可能性がある開口が減少し、浸水による故障の可能性が低くなるものである。加えて、アクチュエータボデーは電磁駆動部のカバーや電動機ハウジングに比べて遥かに肉厚であり、呼吸穴の長さが自ずと長いものとなり、浸水の可能性がより低減するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の第1実施例の液圧経路の概略を示す図である。
【図2】図1に示したブレーキ液圧制御アクチュエータの下面図である。
【図3】図1に示したブレーキ液圧制御アクチュエータの左側面である。
【図4】図3中のG−G線に沿う断面図である。
【図5】図3中のH−H線に沿う一部省略断面図である。
【図6】図3中のJ−J線に沿う一部省略断面図である。
【図7】この出願の発明の第2実施例を示す図である。
【符号の説明】
12・・・マスタシリンダ
13・・・左前車輪ブレーキ
14・・・右後車輪ブレーキ
15,115・・・アクチュエータ
16・・・右前車輪ブレーキ
17・・・左後車輪ブレーキ
18,118・・・アクチュエータ
19,20,24,25,29,30,34,35・・・液圧制御弁を構成する電磁遮断弁
23,33・・・低圧リザーバ
28,38・・・プランジャ形ポンプ
39・・・電動機
102・・・アクチュエータボデー
105・・・穴
106・・・プランジャ形ポンプの駆動軸
113・・・カバー
125・・・漏出ブレーキ液排出穴
128,131・・・呼吸穴
Claims (1)
- 車両のブレーキマスタシリンダから車輪ブレーキに至る液圧経路に介挿されているものであり、車輪ブレーキへのブレーキ液の流出入を制御する電磁操作式の液圧制御弁と、この液圧制御弁により車輪ブレーキから流出させたブレーキ液を貯溜する低圧リザーバと、この低圧リザーバ内のブレーキ液を前記液圧経路に戻す容積形ポンプと、この容積形ポンプを駆動する電動機とを1つのアクチュエータボデーに組付けてなる車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータにおいて、前記アクチュエータボデーに水平方向に延びるよう形成された穴内に前記容積形ポンプの駆動軸が回転自在に配置されており、この駆動軸を駆動する前記電動機が前記アクチュエータボデーの側面に取付けられており、前記穴から下方に延びる漏出ブレーキ液排出穴が前記アクチュエータボデーに形成されており、前記液圧制御弁の電磁駆動部とこの電磁駆動部を被覆するカバーが前記アクチュエータボデーの側面に取付けられており、このカバーの内部空間の最下部または前記電動機のハウジングの内部空間の最下部の少なくとも一方が前記漏出ブレーキ液排出穴の上端よりも下方に配置されていて前記アクチュエータボデーに形成された水平方向の呼吸穴により前記漏出ブレーキ液排出穴に連通されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御アクチュエータ。
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