JP2002508844A - 炭水化物を含まないトランスフェリンの分析方法 - Google Patents

炭水化物を含まないトランスフェリンの分析方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アルコールの体内摂取の評価において使用するための体液中の炭水化物を含まないトランスフェリンの測定方法であって、(a)前記体液のサンプルを炭水化物結合配位子と接触させて、前記サンプル中の炭水化物又は炭水化物含有部分を前記配位子に結合させること、(b)前記配位子に結合しない画分を分離すること、及び(c)前記画分中のトランスフェリンの含有量を測定すること、含む方法を提供する。また、そのような方法を行なうためのキットも提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 炭水化物を含まないトランスフェリンの分析方法 本発明は、アルコール症の診断と監視のために炭水化物を含まないトランスフ ェリン(CFT)を評価するための分析方法、及びその分析を行なうためのキッ トと装置に関する。 多くの生物蛋白質は、しばしば蛋白質の糖化の程度において又は炭水化物の組 成それ自身において異なる、2つ以上の変異体形態で存在する。与えられた人体 組織又は液体中のそのような変異体の相対濃度は一般的に一定であるが、病気又 は病的状態において、または人体に対するその他の障害の結果として、乱される ことがある。例えば、糖化ヘモグロビンの非糖化ヘモグロビンに対する比率は、 糖尿病を患っている患者の血清中において増加することが知られている。同様に 、幾つかの構造蛋白質、例えば、ミオグロビンは、異なる器官においてはわずか な構造上の相違を有することがあり、また、病気や怪我による細胞のダメージに 続いて血流中に放出されることがある。 従って、関心のある血液又は体液中の蛋白質の異なる変異体の濃度を測定する ことによって、病気又は細胞のダメージの診断又は評価を行なうことができる。 血清のトランスフェリンは約80kDの分子量を有する糖蛋白質であり、単一 のペプチド鎖を2つのN−結合された多糖鎖と共に含む。これらの多糖鎖は枝分 れしており、各々の鎖は2本又は3本の角で終わることができ、各々の角が末端 シアル酸残基を有する。 Wong及びRegoecziは、Int.J.PeptideRes.(1977)9:241-248において、ヒトのト ランスフェリンは、異なる水準のシアリル化(sialylation)を有する変異体形 態で存在して、生来異質性であると報告した。最近まで、6種のそのような変異 体、ペンタシアロ、テトラシアロ、トリシアロ、ジシアロ、モノシアロ、及びア シアロトランスフェリンが存在すると一般的に信じられていた。モノシアロ形態 の存在は今日何人かの研究者によって異議を唱えられている。 アシアロ、モノシアロ、ジシアロ、及びトリシアロ変異体は、しばしば本技術 分野においてひとまとめにして炭水化物欠乏トランスフェリン(carbohydrate-d ehcient transferrin)又はCDTと呼ばれる。 正常の健康な個人において、テトラシアロ変異体が優勢であるらしい。しかし ながら、アシアロ、モノシアロ、ジシアロ、及びある程度までトリシアロ変異体 、即ち、CDTが、アルコール症者の血液中において上昇した濃度で存在するこ とが報告されている(van Eijk et al.(1983)Clin Chim Acta 132:167-171,Stib ler(1991)Chin Chim 37:2029-2037及びStibler et al.“Carbohydrate-defic ient transfferin(CDT)in serum as a marker of high alcohol consumption ”,Advances in the Biosciences,(Ed Normann et al),Pergamon,1988,Vol.71 ,353-357を参照のこと)。 CDTは、アルコールの体内摂取のための、特に慢性のアルコールの体内摂取 を検出及び監視するための、有効なマーカーであることが示されている。血液の アルコールの濃度の監視は、血液がアルコールの体内摂取から24時間以内にサ ンプリングされる場合にのみ信頼でき、そして従来的試験(例えば、γ−グルタ ミルトランスフェラーゼの定量又は平均血球体積の測定)は、肝臓病を有する患 者の多量のアルコールの摂取を検査するのに信頼をもって使用することはできな い。 初期の研究は、シアル酸残基の損失は、トランスフェリン分子の等電点(pI )の変化と関連することを示したが、例えば、アシアロトランスフェリンは5. 9のpIを示し、ジシアロトランスフェリンは5.7のpIを示す等である。ア ルコール乱用者のCDTプロファイルが禁酒者又は正常の利用者のものと異なる という事実を、pIに基づく各々のCDTのイソフォームの相対量の確認と組合 わせて認識することによって、特許及び科学文献に記載されている幾つかのCD T用の診断分析法の発展がもたらされた。 米国特許第4626355号(Joustra)において、Pharmacia ABはクロマト グラフィー的分析法を開示しており、この方法においては、希薄血清サンプルが アニオン性イオン交換カラムに通され、サンプル及びカラムのpH及びイオン含 有量は、アシアロ、モノシアロ、及びジシアロCDTが定組成溶離法において溶 出し、一方、トリシアロ及び「正常の」テトラ及びペンタシアロ変異体がカラ ム上に保持されるようにバランスが取られる。溶出液のCDT含有量は、その後 、固体相を携える抗体上でのCDTと放射線同位元素標識トランスフェリンの競 合固相化により決定される。この方法の後の修飾において、5.7より大きいp IのCDTイソフォームが回収され、定量化される。 “Rate nephelemetrics determination of Carbohydrate-deficient transfer rin”という標題のポスターにおいて、Laboratoire de Biochimie CHU Trouseau ,Tours,Centre Louis Sevestre,La Membrolle sur Choisille and Beckman Fra nce,Gagny,FranceのSchellenberg,Martin,B6nard,Circaud及びWeillは、同様な 定組成溶離クロマトグラフィー的分離を記載しているが、そこでは、希薄血清が アニオン性イオン化交換カラムに通され、正常のトランスフェリン変異体は保持 され、CDTは溶出される。その後、溶出液はポリエチレングリコールと混合さ れ遠心され、抗トランスフェリン抗体が上澄に添加され、そしてCDT含有量は 比濁法により評価される。 Heilらは、Anaesthetist(1994)43:447-453において、CDT測定のためのさら なる定組成溶離クロマトグラフ法を報告した。かれらの方法においては、希薄血 清サンプルがアニオン性イオン交換樹脂に通され、ここでも正常のトランスフェ リン変異体が保持され、一方、CDTは通過させられる。溶出液のCDT含有量 は、免疫比濁分析方法(immunoturbidimetric assay procedure)においてCD T濃度のラテックス粒子増強により決定される。 CDTのためのさらなる検出系がAXIS Research ASによりWO91/1998 3(Sundrehagen)において開示されたが、ここでは、全てのトランスフェリン 変異体と反応性である標識抗体が、抗体−被栓体複合体を形成している変異体に 結合させられた。これらの複合体は、例えば、等電点フォーカシング又はクロマ ト・フォーカシングにより、電荷又はpIの相違に基づく分別に供され、その後 、各々の画分中の標識の量が、例えば、蛍光測定法により、定量された。この分 析法は、異なる変異体:標識抗体複合体では溶出速度が異なることに基づく。 WO96/26444(Sundrehagen)において、AXIS Biochemicals ASは、 異なる変異体間に存在するpIにおける相違に基づくCDTの評価のためのもう 1つの方法を開示している。この方法においては、トランスフェリン含有サンプ ルは、アニオン性イオン交換樹脂と、全てのCDT変異体が保持されるようなp Hにおいて接触させられる。その後、CDTをカラムから溶出させるために溶離 液が加えられる。このようにして回収されたCDTは、「正常な」テトラ及びペ ンタシアロトランスフェリンを実質的に含んでいない。回収されたCDTはその 後分析され、そこに含まれる変異体が定量される。 最近になって、Dumonらにより、Clin.Biochem.(1996)29(6):549-553において 、異なるCDT変異体の中で、診断と評価の観点から最も有益なのはジシアロト ランスフェリンであり、ジシアロトランスフェリンの等電点フォーカシング及び 免疫固定に基づく分析法が提案されていることが報告された。 CDT分析のためのそのような従来的方法の全てが、異なるトランスフェリン イソフォームのpI又は電荷の相違に依存する。そのような分析方法は、アルコ ールの体内摂取の測定において、有用性及び実際に幾らかの商業的成功を見出し たが、それらは比較的複雑な手順に依存する傾向があり、そのような手順は診断 検査室によって一般的に使用されている自動化されたマルチタスク診断機の多く に直接的に使用できないか、又は実施するのに時間がかかるか又はコストがかか る可能性がある。 特に、従来技術のpI又は電荷に基づく方法は、主に、イオン交換クロマトグ ラフィーを含む手順に集中している。異なるトランスフェリン変異体間のpIの 相違は非常に狭く、pH単位の1/10まで下がり、従って、CDT変異体の分 離を行なうために、非常に良好な分離が必要とされる。イオン交換クロマトグラ フィーの場合、この制約は実際上はカラム様式(column format)が使用されな ければならないことを意味し;回分式濾過に基づくイオン交換手順は十分な分離 又は分割を与えない。しかしながら、カラム様式は、時間のかかる労働集約的な 操作であること、貯蔵及び輸送の問題、一般的に使用される装置と互換性がない ことなどにより、臨床化学又は診断手順においてはあまり好ましくない。 従って、しっかりとしており、簡単で速く行なえ、そして容易に自動化するこ とができるか又は既存の決まりきった臨床的診断検査手順と互換性である、CD T分析方法に対する継続的な要望が存在する。本発明は、この要望を扱うことに 努める。 伝統的に、CDTは炭水化物側鎖の末端シアル酸残基の損失から生じ、そして 様々な従来技術のpI又は電荷に基づく分析方法はこれに基づかせられていた( 即ち、荷電した糖部分の損失が全体としてのイソフォームの電荷及びpHを変え るのだろう)と考えられていた。 しかしながら、最近の研究(例えば、Landbergらによる(1995)Biochem.Biophy s.Res.Comm.210(2):267-274)は、この理解とは反対に、N−グリカンをトラン スフェリンの各々のイソフォームから遊離させ、そしてそれらを高pHアニオン 交換クロマトグラフィーによって分析することによって、ジシアロ及びアシアロ トランスフェリンの存在が、それぞれトランスフェリンポリペプチドからの炭水 化物鎖全体の1つ又は両方の損失とかなり関連しているようであることを示した 。この「脱グリコシル化(deglycosylation)」はまだ十分に理解されていない 。 炭水化物鎖は2本又は3本角であることができ、従って、各々の炭水化物鎖は その正常な状態において2又は3個のシアル酸残基を有し、各々の角の末端にお いて1個ずつである。炭水化物鎖は、単一工程のプロセスにおいて、それらの塩 基部分で、即ち、蛋白質のアミノ酸主鎖中のアスパラギン分子において、その特 定のグリコシル化部位において糖残基を残さないでトランスフェリン分子から切 断されるかもしれない。或いは、個々の又は複数の糖残基は、トランスフェリン 分子から継続的に失われ、炭水化物含有量が徐々に失われていくことになるかも しれない。また、異常な酵素によるグリコシル化プロセスのために、CDTトラ ンスフェリン分子が、そもそも適切にグリコシル化されないこともあり得る。 今日まで、従来技術は、全てのCDT変異体、即ち、アシアロ、モノシアロ、 ジシアロ、及びトリシアロトランスフェリン、又は少なくとも2種又はそれ以上 のCDT変異体の測定が意味のある臨床的評価を行なうために必要であるという 考え、又はジシアロトランスフェリン単独の測定が必要であるという考えを支持 していた。 Biolin Medicalの最近の特許出願WO95/04932は、アシアロ、モノシ アロ、及びジシアロトランスフェリンをひとまとめにしてアルコール症のマーカ ーとして同定しており、そしてHegghらは、Alcohol and Alcoholism(1996)31: 381-348において、トリシアロトランスフェリンをCDT%の測定に含ませるこ とによって、慢性的に高められたアルコールの摂取を測定できる精度が高められ ることを見出した。 本発明者らは、炭水化物を完全に含まないトランスフェリンイソフォーム、即 ち、炭水化物を含まないトランスフェリン(hydrocarbon free transferrin)C FTの存在は、その他のCDT変異体(即ち、モノシアロ、ジシアロ、又はトリ シアロトランスフェリン変異体)が有勢であるという知見がない場合に、アルコ ール症の強力な指標であることを発見した。 驚くべきことに、全てのCDT変異体、アシアロ、モノシアロ、ジシアロ、及 びトリシアロトランスフェリンの測定は、臨床的に価値のあるアルコール症の評 価に対して不必要であること、及び炭水化物を含まないトランスフェリン、即ち 、CFTの測定で十分であることが示された。 従って、1つの面によれば、本発明は、アルコールの体内摂取の評価において 使用するために体液中の炭水化物を含まないトランスフェリンを測定する方法で あって、 (a)前記体液のサンプルを炭水化物結合配位子と接触させて、前記サンプル 中の炭水化物又は炭水化物含有部分を前記配位子と結合させること; (b)前記配位子に結合しない画分を分離すること;及び (c)前記画分中のトランスフェリンの含有量を測定すること、 を含む方法を提供する。 「炭水化物を含まない」によって、その炭水化物側鎖の両方を失って、残留の N−結合されたオリゴ糖部分を実質的に含まないトランスフェリン分子を意味す る。炭水化物の実質的な不存在は、特に、レクチン類、又はその他の炭水化物結 合蛋白質、例えば、RCA−I(Ricinus communis agglutinin)又はRCA− Iとシアル酸結合レクチンとの組合わせに対する検出可能な結合を欠いているこ とによって決定できる。一般的に述べると、少なくとも60%又は、より好まし くは、少なくとも70又は80%のトランスフェリン分子が炭水化物鎖又はそれ らの残渣を有していないトランスフェリン試料は、CFTと見なすことができる 。CFT試料は、例えば90又は95%の炭水化物鎖又はそれらの残渣を有して い ないトランスフェリン分子を含むことができる。 本発明の分析方法において使用される体液は、任意のトランスフェリン含有体 液でよく、例えば、滑液、羊膜液又は脳脊髄液でよいが、一般には血液又は血液 に由来するサンプルである。その場合、分析に使用されるサンプルは細胞を含ま ないのが好ましく、従って、血清又は血漿を使用することができる。サンプルは 、本発明の分析方法において使用される前に処理されることができ、例えば、緩 衝液又はその他の水性媒体を添加することによって希釈されることができる。 本発明の方法の実施において、サンプルは、炭水化物結合配位子に結合する1 つ以上の画分と結合しない画分とに本質的に分離される。この「非結合」画分は 、従って、炭水化物を本質的に含まない(即ち、少なくとも60%のトランスフ ェリン分子が炭水化物を含まず、例えば、少なくとも70、80、90、又は9 5%が炭水化物を含まない)と見なすことができる。 これに関して、科学的及び分析的検査手順及び生物学的材料の本質は、挙動の 絶対的な正確さや単一性が決して保証できないようなものであり、そして100 %の分離が常に達成できるものではないことは、熟練した読者には理解されるだ ろう。そのような系においては、幾らかの許容度を考慮に入れなければならず、 これは本技術分野において受け入れられている原理である。本発明の分離系にお いて、分離は100%完全ではないかもしれないが、臨床的な有用性は保たれる 。 従って、この実質的に炭水化物を含まない画分中に含まれるトランスフェリン は全てCFTであり、この画分のトランスフェリン含有量の評価又は測定は、サ ンプルのCFT含有量の評価又は測定を提供する。 本発明の分析方法は、従って、体液中、好ましくは血液に由来する体液中のC FTを分析することによる、アルコールの体内摂取の測定のための簡便な方法を 提供し、そして特にアルコール症又はアルコール乱用の診断及び監視において有 用性を見出すことができる。 上述したように、本発明によれば、CFTはアルコール症又はアルコール乱用 の良好な指標又はマーカーであることが示され、そして体液サンプル中のCFT 含有量の分析によって、アルコール依存者及びアルコール乱用者と非アルコール 乱用者又は社会的酒飲者との間の相違を見出すことができる。 本明細書中において使用されるとき、「測定(determining)」又は「評価(a ssessing)」という用語は、サンプル中のCFTの量又は濃度に対する絶対値を 得るという意味での定量、及びまた半定量的及び定性的評価又は測定の両方を包 含する。例えば、全トランスフェリン(即ち、全てのトランスフェリン変異体) に対して、CFTの濃度又は量の指数、比、パーセンテージ、又は類似の指標を 得ることができる。 CFTの量は、炭水化物結合配位子によって結合されないトランスフェリンを 測定することによって、即ち、分離された「炭水化物を含まない」「非結合性」 の画分中のトランスフェリン含有量を測定することによって、直接的に測定する ことができる。或いは、炭水化物結合配位子に結合したトランスフェリンの量を 測定し、サンプル中に存在するトランスフェリンの全量からこれを引くことによ って間接的に測定することができる。一般的に、直接的方法が好ましい。 任意の炭水化物結合配位子又はそれらの組合わせを使用して、CFTをその他 のトランスフェリン変異体から分離することができる。これは、炭水化物又はオ リゴ糖又は糖構造体に結合することができる任意の配位子を含む。1種以上の炭 水化物結合配位子を本発明の方法において使用することができる。一般的に、炭 水化物結合配位子は蛋白質であり、そして非常に多くのそのような炭水化物結合 蛋白質が本技術分野において知られており、そして文献中に広く記載されている 。炭水化物結合蛋白質は、例えば、ポリクローナル又はモノクローナル抗体でよ く、又は抗体の断片、例えば、F(ab)、F(ab')2、又はF(v)断片で よい。抗体又は抗体の断片は一価又は二価でよく、そしてそれらは、組換えDN A技術又は化学的合成を経由して、ハイブリドーマ技術によって製造でき又は合 成由来のものでよい。例えば、単一鎖抗体を使用することができる。抗体は、グ リコシル化されたトランスフェリン変異体の炭水化物成分又は炭水化物鎖を構成 している構造に対して指し向けられ又は高められ得る。従って、例えば、シアル 酸残基と反応性であるか又はシアル酸残基に対して選択的な抗体を使用できるか もしれない。そのような抗体は、ドイツ国シュツッツガルトのMedichemから入手 可能でありかつWO97/19355に記載されている、シアル酸欠乏酵素免疫 検定 法(Siahc Acid Deficient Enzyme Immunoassay)(SDT−EIA)において 使用されている。 より好ましくは、炭水化物結合蛋白質はレクチンでよく、これは単独で又はそ の他のレクチンと組合わせて、又はその他の種類の炭水化物結合蛋白質、例えば 、抗体、と組合わせて使用されるものである。本技術分野で公知の任意のレクチ ンを本発明の分析方法において使用することができ、それは植物、動物、微生物 、又はその他の任意の由来のものでよい。文献中には使用できるかもしれない様 々なレクチンが多数記載されており、多くは、例えば、Sigma社から、商業的に 得られる。 従って、本明細書中において使用される「レクチン」という一般的用語の範囲 内に含まれるものは、コンカナバリンA(Con A)のような伝統的植物性レ クチンに加えて、微生物からの炭水化物結合蛋白質(例えば、ウイルス性赤血球 凝集素)及び、無脊椎動物及び哺乳類を含む、より高級な有機体からの炭水化物 結合蛋白質である。そのような哺乳類の炭水化物結合蛋白質は、セレクチン及び その他の哺乳類のレクチン又は細胞接着分子を含む(例えば、Verki(1992)Cur rent Opinion in Cell Biology 4:257-266を参照のこと)。 炭水化物結合配位子を本発明の分析方法において使用するのに適するものにす る、炭水化物結合配位子の機能的な要件は、それらが、完全な又は劣化した形態 において、CFTを1本又は2本のオリゴ糖鎖を有するその他のトランスフェリ ン変異体から分離できるということである。 単一種の炭水化物結合配位子を本発明にしたがって使用することができるが、 好都合なことには1種より多くのそのような結合配位子を使用することができ、 そしてさらに好都合なことには、各々が異なる糖又はオリゴ糖結合能力を有する 多数の異なる炭水化物結合配位子を使用することができる。従って、1つの好ま しい態様において、異なる選択性及び特異性を有する異なる配位子のパネルが使 用される。 異なる炭水化物配位子の組合わせは、2種以上の配位子によって提供され得る 増加した結合能力とそれによるトランスフェリン・イソフォームのより良好な分 離のために、好ましい。多くの炭水化物結合配位子、例えばレクチン、は、それ らの糖又はオリゴ糖パートナーに対して低い結合親和性を有し、1つより多くの 配位子によって提供される相乗的な結合能力は有利である。 適するレクチンの例は、末端ガラクトースを結合するRCA−I(トウゴマ属 凝集素(Ricinus communis agglutinin)(Kornfeldら(1981)J.Biol.Chem.256:66 33)又はマンノースに富んだアスパラギン結合されたオリゴ糖を結合することが 知られているCon−A(コンカナバリンA)である。その他の可能性は、ガラ クトース残基を結合することが知られているCrotalaria junctaeレクチン(Erss on)(1977)Biochim.Biophys.Acta 494:51-60)、シアル酸を結合する小麦麦芽中 の凝集素又はカブトガニ(Limulus polyphenus)レクチン(Mandal及びMandal、 (1990)Experientia 46:433-441)又はNeu5Ac/(∝2−6)Gal/Ga lNAcを結合するセイヨウニワトコ(Sambucus nigra)凝集素(Shibuyaら、( 1987)J.Biol.Chem.262:1596)である。微生物に由来するレクチンの一例として 、シアル酸特異性レクチンが、最近、消化管居住性微生物ヘリコバクター・ピロ リ(Helicobacter pylori)から精製された(Lelwala-Gurugeら、(1993)APMIS 1 01:695-702)。 様々な選択性と特異性のレクチンが知られている。幾つかのレクチンは、オリ ゴ糖鎖上の特定の場所において単一の糖残基に結合することができ、例えば、( トウゴマからの)RCA−Iは末端ガラクトース残基にのみ結合するが、幾つか のレクチンは、複合オリゴ糖決定基に結合することができ、例えば、それは、N eu5Ac/(∝2−6)Gal/GalNAcに結合するSambucus nigraLで ある。これらは全て本発明の範囲内である。 シアル酸結合レクチン及びその他の蛋白質は、本発明において特別の有用性を 有する炭水化物結合蛋白質の1群を代表する(例えば、適切なレクチン及びそれ らの源については、Mandal及びMandal、(1990)Experientia 46:433-441;Zeng、 (1992)Z.Natudorsch,47c:641-653及びReuter及びSchauer、Methods in Enzy mology,Vol.230,Chapter 10,196-198頁を参照のこと)。 これに関して、Sambucus nigraLレクチン、Sambucus sielbodianaレクチン、 小麦麦芽中の凝集素、Maackia amurensisレクチン、及びE.coli K99レクチンを 特に挙げることができる。S.nigra Lレクチンは、単独で使用されるとき特 に有効であるが、その他のレクチン、例えば、Con Aと組み合わされて等し く有効に使用することができる。 本発明の性能に対して有用な炭水化物結合配位子の幾つかの特別の組合わせは 、Helicobacter pylori及びRicinus communis由来のレクチン;Ricinus communis 及びSambucus nigra由来のレクチン;Crotalaria juncea及びSambucus nigra由 来のレクチン;Crotalaria juncea及びHehcobacter pylori由来のレクチン、及 びRicinus communis由来のレクチン及び抗シアル酸抗体である。組合わせの中で 最も好ましいものは、ガラクトース結合配位子及びシアル酸結合配位子を組み入 れたものである。 104以上のkDを有するトランスフェリン炭水化物側鎖のモノ−及びオリゴ 糖配列に結合するレクチンを使用するのが好ましい。より低い結合親和性を有す るレクチンも使用できるが、より高い密度で使用されるのが好ましい。 トランスフェリン変異体を含む体液が炭水化物結合配位子と接触させられると 、炭水化物側鎖又はそれらの残渣を有する変異体の実質的に全てが炭水化物結合 配位子によって保持され、炭水化物を含まないトランスフェリンのみが配位子に 結合されない。結合されていない、炭水化物を含まないトランスフェリンを含む 画分(即ち、実質的に炭水化物を含まない画分)を、その後、任意の適する方法 によってその他の変異体から分離し回収することができる。 その最も一般的な意味において、本発明の方法は、サンプルを炭水化物結合配 位子(1種以上)と単に接触させ、そして結合しない画分を分離することを含む 。1種より多くの配位子が使用される場合、これらは一緒に使用することができ 、又はそれらは個々に、例えば、順番に使用することができる。結合工程(1つ 以上)に続いて、結合せずそしてCFTを含む画分を都合よく回収することがで きる。上述したように、回収は任意の適する方法、例えば、沈殿、遠心分離、濾 過、クロマトグラフ法、その他によることができる。異なる複数の炭水化物結合 配位子が個々に使用される場合、各々の個々の結合工程に対して異なる分離/回 収方式を使用することができる。 サンプル中の炭水化物含有部分の沈殿は、公知の「沈殿」特性を有するレクチ ン、即ち、それらが結合する炭水化物含有部分の沈殿を引き起こすことができる レクチンを使用して達成できる。レクチンの組合わせをそのような沈殿法に有利 に使用することができる。なぜならば、異なる様々なレクチンの特異性は、利用 可能な結合部位の数を増加させるからである。非結合性(「炭水化物を含まない」) 画分はその後、例えば、沈殿物を分離するための遠心分離又は濾過によって、容 易に回収することができる。 別の態様において、炭水化物を含まない、非結合性の画分の分離と回収を容易 にするために、炭水化物結合配位子を都合よく固相化することができる。レクチ ンのような炭水化物結合配位子を、分離の目的のために例えばクロマトグラフの カラム中において固相化することは本技術分野においてよく知られており、本技 術分野において公知の任意のレクチン親和性クロマトグラフ法を例えば使用する ことができた(例えば、Cummings(1994)Methods in Enzymology 230:66-86を参 照のこと)。 炭水化物結合配位子は、固相化又は分離その他のために現在広く使用されてい るか又は提案されている公知の固体担体又はマトリックスのいずれかに結合又は カップリングさせることによって、固相化することができる。これらは、粒子、 シート、ゲル、フィルター、膜、繊維又はキャピラリー又はミクロタイター・ス トリップ(microtitre strips)、管又は板又はウェル(wells)その他の形態を 取ることができ、そして、ガラス、シリカ、ラテックス、又はポリマー材料から 都合よく製造することができる。配位子を固体担体に結合する技術も、まったく よく知られており、かつ文献中に広く記載されている。例えば、使用される炭水 化物結合配位子は、所望により、前記配位子上の炭水化物結合部位を保護するた めの低分子量ハプテンの存在下に、CNBr−活性化セファロース又はN−ヒド ロキシスクシンイミド活性化担体に都台よく共有結合でカップリングさせること ができる。蛋白質用のその他のカップリング方法も、本技術分野においてよく知 られている。 固相化された炭水化物結合配位子を使用する回分分離を、本技術分野において 公知のある範囲内の異なる様々な様式を使用して行なうことができる。 別の態様においては、これはあまり好ましくはないが、固相化された炭水化物 結合配位子をカラム中に充填又は配列させることができる。トランスフェリンを 含む体液がカラムに加えられ、トランスフェリン変異体はその中で炭水化物結合 配位子と接触させられる。CFTを含む結合されない画分は、結合された画分か ら分離され回収される。 そのようなカラムの形状と幾何学的配置は、使用される炭水化物結合配位子に 応じて変わり得る。例えば、レクチンが炭水化物結合配位子として使用される場 合、低いレクチン濃度において、固相化されたレクチンの長く細いカラムが好ま しい。高いレクチン濃度においては、カラムの幾何学的形状は重要性が比較的小 さい。 カラムは、本技術分野において公知の任意の方法を使用して構築することがで きる。レクチンが炭水化物結合配位子として使用される場合、カラムは、所望の 容積を有するガラス管又は好ましくは使い捨てのプラスチック製ピペット中にお いて構築することができる。しかしながら、経済的な配慮によりより小さい体積 が好ましい。カラムは使用の前に約4℃で貯蔵されるのが好ましい。 結合されない画分の回収を可能にするか又は容易にするために、カラムを溶離 液で洗い流すことができ、その場合、確実に正確な体積で投与されるように較正 されたマイクロピペットを使用して溶離液を投与するのが好ましい。投与される 体積は、所望の(即ち、較正)体積の3%以内であるのが好ましく、1又は2% 以内であるのがより好ましい。オリゴ糖への結合の速度は比較的遅く、特に植物 性のレシチンの場合そうなので、レクチン/炭水化物の相互作用を最大化するた めに遅い流速を使用するのが好ましい。溶離液は所望の(較正)値、例えば25 ℃、の5℃以内の温度であるのが一般的であり、より好ましくは1℃以内であろ う。 炭水化物結合配位子の組合わせをカラム様式において使用する場合、異なる配 位子を使用する連続的な複数のカラムを使用することができ、或いは異なる複数 の配位子を同じカラム材中において、混合物としてか又は異なる層を含むカラム において(各々の層は異なる配位子を有する)、使用することができる。 別の態様においては、炭水化物結合配位子を粒状固体相、例えば、ラテックス 、シリカ、又はポリマー・ビーズ上に固相化することができる。操作と分離を助 けるために、磁性ビーズを使用することができる。本明細書中において使用され るとき、「磁性」という用語は、担体が、磁場中に置かれたとき、付与された磁 気 モーメントを有することができることを意味する。即ち、磁性粒子を含む担体は 、磁気的凝集によって容易に除去されることができ、これは炭水化物結合工程に 続く画分の分離の、急速で、簡単で、そして効率的な方法を提供する。 従って、本発明の方法を使用して、結合された炭水化物又は炭水化物含有部分 を有する磁性粒子は、例えば、永久磁石を使用する磁場の適用によって、適当な 表面上に除去することができる。容器の壁に磁性粒子を凝集させ、サンプルの残 り(これは「非結合性の、CFT含有画分」を含み、この画分はその後の分析の ために戻すことができる)を回収するためには、サンプル混合物を含む容器の側 面に磁石を適用することで通常は十分である。 特に好ましいのは超常磁性粒子であり、これは例えば欧州特許公開公報第10 6873号においてSintefによって記載されているものを含むが、それは反応中 の磁性凝集及び粒子の塊状化を防ぐことができるからである。磁性粒子は、例え ば、Advanced Magnetics Inc.(米国)、Amersham(英国)、BangParticles(米 国)、及びDynal AS(ノルウェー、オスロ)を含む多数の源から市販されている 。 本発明において使用するための機能化されたコーティングされた粒子を、例え ば、米国特許第4,336,173号、第4,459,378号、及び第4,654, 267号に従って、ビーズの改質により調製することができる。従って、所望の 炭水化物結合配位子の結合のために、異なる種類の機能化された表面を有するビ ーズ又はその他の担体を調製することができる。 遠心分離及び/又は濾過に基づく分離は都合がよい。好ましい態様において、 遠心管(例えば、エッペンドルフ管)及び「濾過カップ(fiter cup)」様式を 使用することができ、そのような様式は、例えば、Milleporeから、容易に商業 的に入手できる。従って、サンプル及び炭水化物結合配位子を管中のカップに添 加し、結合させることができる。管(及びカップ)をその後回転させ、そして非 結合性の上澄を管中に集めることができる。炭水化物結合配位子は、結合された 炭水化物部分の沈殿を引き起こすようなものでもよく、或いは例えば、ゲルその 他のスラリーとして又は粒子上に、固相化されてもよい。いずれの場合において も、結合された炭水化物結合画分はカップ中に保持される。 そのような「管及びカップ」の取り合わせの1つの変種として、固相化された 炭水化物結合配位子を有する1つ以上の「円盤」又はフィルターを取り付けたカ ップを提供することができる。 本発明の選択的な態様において、特定の炭水化物含有(グリコシル化された) トランスフェリン・イソフォームをその他の分離方法によって除去又は涸渇させ る追加の工程を、炭水化物結合配位子結合工程、即ち、工程(a)の前に、行な うことができる。これは、例えば、高価なレクチンが使用されることとなってい る場合、例えば工程(a)において必要な結合配位子の量を制限できるという経 済的理由のために、望ましいかもしれない。都合のよいことには、そのような除 去又は涸渇は、イオン交換クロマトグラフィーによって達成されることができ、 例えば、ヘキサー、ペンター、テトラー、及びトリ−シアロトランスフェリンの 全て又は実質的全てを、そして好ましくはジシアロトランスフェリン成分の幾ら か又はほとんども、除去することができる。上述したように、様々なイソトラン スフェリン成分を分離するための手段としてのイオン交換は周知であり、例えば 、米国特許第4626355号、Schellenbergら、(上述のもの)、Heilら、( 上述のもの)、及びWO96/26444に記載されている。有利なことには、 アニオン交換クロマトグラフィー工程を、所望のトランスフェリン変異体(例え ば、ヘキサー、ペンター、テトラー、及びトリ−シアロトランスフェリン、及び 所望によりジシアロ画分の幾らか又は全て)の保持を可能にするように選択され たクロマトグラフィー条件(例えば、pH及びイオン結合強度)で使用すること ができる。 適切な条件、例えば、樹脂の緩衝能力、サンプル/平衡/溶離緩衝pH及び/ 又はイオン強度は、本技術分野で公知の技術に従って、及び達成されるべき所望 の分離(即ち、どの及びどれだけのグリコシル化トランスフェリン変異体が分離 されるのが望ましいかということ、これは選択による)に従って、容易に決定す ることができる。本技術分野において知られているように、イオン交換の前に、 サンプルを鉄含有緩衝剤で処理してサンプル中のトランスフェリン分子中の鉄結 合部位を飽和させることができる。 都合のよいことには、所望の分離を達成するために、本技術分野において公知 の技術に従って、塩素をイオン交換手順における対イオンとして使用することが できる。従って、所望のトランスフェリン変異体の保持を達成するのに必要なク ロマトグラフィー手順において存在する塩素イオンの適切な量は、日常的な実験 によって決定することができ、そして正確な条件、クロマトグラフィー媒体のバ ッチ、その他に依存する可能性がある。この手順は、再び本技術分野において公 知の標準的技術に従って、等電点フォーカシング又はHPLC分析によって監視 することができる。異なるグリコシル化されたトランスフェリン変異体の間で得 られる分割は、手順、クロマトグラフィーの様式(即ち、バッチスラリー形態又 はカラム様式、その他)の精密な性質に依存する可能性があり、そしてこれは選 択、利便性、その他に従って選択できる。 イオン交換クロマトグラフィー工程は、例えば、バッチ又はカラム様式におけ る選択に従って、本技術分野において公知の都合のよい方法において行なうこと ができる。同様に、例えば、本発明の方法の工程(a)に供する前に、除去する ことが望ましいイソトランスフェリン変異体を保持することによって、又は「望 ましくない」グリコシル化された変異体が媒体を吸収せず、そしてサンプルの残 りが分離されそしてその後イオン交換媒体から溶離するようにイオン交換によっ てサンプルを前処理することによって、条件は任意の所望の方法において分離( 即ち、涸渇又は除去)を達成するように選択することができる。 しかしながら、クロマトグラフィー条件は「望ましくない」グリコシル化変異 体の保持を可能にするように設定されるのが有利である。また、グリコシル化変 異体を結合するためにイオン交換媒体が単にサンプルに添加され、それに続いて 炭水化物結合配位子がサンプルに添加されるのがさらに有利であり;炭水化物結 合配位子は、イオン交換媒体中に保持されている変異体と結合する前に、溶液中 のトランスフェリン変異体分子と初めに反応するだろう。 使用できるイオン交換条件の例として、pH6.3に緩衝されたWhatman QAS Lアニオン交換樹脂を挙げることができ、これはヘキサー、ペンター、テトラー 、及びトリシアロトランスフェリン及びジシアロトランスフェリンの大部分を結 合するために使用することができる。 簡単なバッチ様式を使用すると、CFT画分の幾らかも分離することなく、全 てのジシアロトランスフェリン画分の分離を達成することは難しい可能性がある ことが判明した。しかしながら、ジシアロ画分の一部のみを分離することによっ て、有利で効果的な分析系が依然として達成され得る。 結合及び分離工程に続いて、「非結合性」画分中のトランスフェリン含有量が 測定される。上述したように、最も好都合には、CFT変異体を含む分離された 画分がCFT含有量に関して評価される。しかしながら、別の方法として、初期 サンプルのトランスフェリン含有量、及び炭水化物結合配位子に結合する画分( 1つ以上)を測定し、「非結合性の」画分のトランスフェリン含有量を引き算に よって決定することができる。これは、トランスフェリンの分析法に関して本技 術分野において公知の標準的方法のいずれかによって、例えば、ELISA又は 放射性同位元素標識免疫測定技術のような標準的免疫測定技術によって、行なう ことができる。トランスフェリンを測定する方法は例えば米国特許第4,625, 355号(Joustra)に記載されている。 トランスフェリン用の多くの商業的アッセイが入手可能であり、文献中に記載 されている。例えば、Manciniの方法に基づくRID(放射性同位元素標識免疫 拡散)アッセイがHoechstから入手できる(Manciniら、Immunochemistry,2:235- 254(1965)を参照のこと)。ロケット免疫電気泳動法がLaurellによってScand.J. Clin.Lab.Invest.29(Suppl.124):21-37(1972)に記載されている。 げることができる。これは、濁度シグナルを使用するが伝統的な濁度測定法より も感度の高い改善された濁度測定法に基づく非常に感度の高い技術である。 本発明の分析方法の重要な利点は、さらなる分離工程を必要としないトランス フェリンの検出方法(例えば、比濁法)を使用できるようにすることであり、そ して特に、CFT含有量の濁度測定による決定を可能にすることである。比濁法 は、一般に流体サンプルにおける不透明性に関して濁度測定よりも感度の高い分 析法であるが、この技術は検出装置に非直線的光路を必要とし、従って、サンプ ルを通過する光路が直線的である、既存のマルチタスク光吸収測定法に基づく診 断分析装置の中に容易に組み入れられないので、これは重要である。 濁度測定又は比濁法のいずれによるCFTの測定についても、不透明性は、分 離された画分又はそのアリコートを、抗トランスフェリン抗体又は抗体断片、例 えば、デンマーク、コペンハーゲンのDakoから市販されているもののようなウサ ギ抗ヒトトランスフェリン抗体、と接触させることによって一般的に発生させら れる。Dakoの抗体はトランスフェリンに対して特異的であり、溶出液中に存在す る可能性のあるその他の血液蛋白質と交差反応しない。使用される抗体の量は、 もちろん、トランスフェリン含有標準サンプルに対して最適化されなければなら ない。なぜならば、複数のトランスフェリン結合が不透明化中心を生じるフック 効果(hook effect)から不透明化が生じるからである。 例えば、上述の「管とカップ」の態様の場合、抗トランスフェリン抗体は、遠 心の後ただ単に管に添加されることができる。 通常の濁度測定及び比濁分析法の場合と同様に、ポリエチレングリコールのよ うな、ポリマー性不透明化強化剤を溶出液に添加するのも好ましい。 そのような測定技術を使用するCFT含有量の測定において、もちろん速度論 的読み取りモード(kinetic reading mode)を使用することができる。 比濁法又は濁度測定による測定を行なう前に、画分、抗体、及び強化剤を短時 間、例えば、エンドポイント測定に対して5分乃至1時間、好ましくは約10分 間、インキュベートすることができる。 不透明化の測定において使用される光は、適切な波長を有していなければなら ない。これに関して、本発明者らは、405nmのフィルター、又はより好まし くは340nmのフィルターの使用が特に良好な結果を生じることを発見した。 一般に、評価されるサンプル以外に、既知のトランスフェリン含有量を有する 較正サンプルも、本発明の分析方法の実施において評価される。そのような測定 は較正曲線をプロットするために使用することができ、その較正曲線から評価さ れるサンプルのCFT含有量を決定することができる。0.05mg/mLまで (例えば、0.002、0.01、0.02、及び0.03mg/mL)のトランス フェリン含有量を有する較正サンプルを使用するのが好ましい。(これらは、も ちろん、炭水化物含有変異体を分離するための炭水化物結合配位子には通されな い。) さらに、本発明の分析方法においては、同じ分析手順(即ち、濁度測定その他 ) を使用して、サンプルの全トランスフェリン含有量を測定するのが好ましい。こ のようにして、CFT含有量が、全トランスフェリンの百分率(%CFT)とし て決定できる。%CFTは、全CFTよりもより正確なアルコールの体内摂取に 対するマーカーであり、閾値、例えば、1%を設定することができる。しかしな がら、診断的見地から、どんなCFTの存在もアルコールの乱用を示すものであ ると合理的に仮定することができる。 或いは、CFTは実際の濃度(即ち、単位体積当たりの質量)として評価する ことができる。 さらなる面から見て、本発明は、本発明に従う診断分析法のためのキットを提 供し、前記キットは、 1種以上の炭水化物結合配位子、及び トランスフェリンの検出のための手段 を含む。 都合のよいことには、このようなキットは、対照用の1種以上のトランスフェ リン標準サンプルも含み、そして好ましくは、トランスフェリンを検出するため の手段はトランスフェリンの濁度測定である。従って、1つの好ましい態様にお いて、本発明のキットは、 好ましくは、既知濃度のトランスフェリン溶液、そしてより好ましくはある範 囲のトランスフェリン濃度を有するそのような溶液の組; 所望により固体担体上に固相化された、1種以上の炭水化物結合配位子; 好ましくは光透過性溶出液受取り容器; 好ましくは、抗トランスフェリン抗体又は抗体断片;そして好ましくは不透明 化強化剤、 を含むことができる。 望ましい場合、トランスフェリン含有体液サンプルを受け取り、サンプルを1 種以上の炭水化物結合配位子を有する固体担体に加え、CFT含有画分を回収し 、不透明化抗トランスフェリン抗体又は抗体断片を加え、そして溶出液中のCF T含有量を決定するように、自動化された装置を配置することができる。そのよ うな装置も本発明の範囲内にあると考えられる。 従来技術よりも優れた本発明の特別の利点は、CDT測定について従来技術に おいて記載されているようなイオン交換法において使用されるサンプルは全て、 良好なイオン交換分離を容易にするために希釈されることを必要とするというこ とである。本発明において使用されるサンプルは希釈を必要とせず、従って、よ り少ない材料しか消費されず、そしてサンプルの調製においてより少ない準備工 程しか必要とされない。 現在商業的に開発されているものを含めて、従来技術の全ての方法及びアッセ イは、異なる変異体の電荷及び従ってpIにおける相違に基づく異なるトランス フェリン変異体の同定と定量に基づいている。一次構造、即ち、トランスフェリ ン変異体のアミノ酸配列が一定である場合、電荷におけるこれらの相違は負に荷 電したシアル酸残基の損失によって生じ、これはトランスフェリン変異体のpI を失われた各々のシアル酸残基ごとに増加させる。 しかしながら、トランスフェリン・ポリペプチドの一次構造は、多形性である ことが知られており、特定のアミノ酸配列のイソフォームの優勢さの程度は人種 によって異なる。例えば、白人において優勢な「正常の」トランスフェリンに対 して、トランスフェリンD変異体は、ポリペプチド主鎖中に単一の、非保存的ア ミノ酸置換基を有し、これはトランスフェリン変異体の等電点に影響する。D変 異体は、日本人及びアフリカ系黒人において一般的にである。非保存的アミノ酸 置換基は、トランスフェリン主鎖の正味の電荷及び従ってpIを変化させ、それ は、等電点フォーカシング又は同等の研究において、日本人及びアフリカ系黒人 の人に関して多くの誤った陽性の結果を生じさせるという結果を伴う。明らかに 、これは許容できず、トランスフェリンD変異体が一般的である人種においては 、どの変異体が研究される個人によって発現されているかを確かめるために第2 の試験を行なわれなければならないことを意味する。これは、アルコール症の評 価の全体的コスト、かかる時間、及び複雑さを大きく増加させる。 本発明の分析方法は、トランスフェリンのポリペプチド主鎖に結合した炭水化 物部分の存在又は不存在のみに依存する。それはアミノ酸配列における多形性に よって影響されないので、この方法は、診断的評価を受ける個人によって発現さ れる変異体の多形性の理由による誤った陽性や陰性の影響を受けない。従って、 本発明は、人種的な影響を受けない点で特に有利である。 本発明は、ここで、以下の非限定的な実施例と添付の図面によって説明される 。 図1は、固相化されたCon A及びSNAレクチンを含むカラムのグリコシ ル化トランスフェリン結合能力を示す。画分1はCFTを含む。 図2は、ノイラミニダーゼ処理されたトランスフェリン(シアル酸残基を除去 する)(黒丸)及び非アルコール症の人からの血清(白丸)のSNAレクチンカ ラムの溶出プロファイルを示す。1.5mlと2.5mlの間の画分がシアル酸残 基を欠いたトランスフェリンを含む。実施例1 固相化されたセイヨウニワトコ(Sambuccus Nigra)由来のレクチンによるCF Tの定量 a.10μlの血清サンプルを、0.5mlの、150mMの塩化ナトリウムを 含む20mMトリス緩衝液pH=7.5と混合する。 b.0.5mlのアガロース・ニワトコ果実皮(agarose elderberry bark)(Sa mbuccus Nigra)レクチン(米国、BurlingameのVector Laboratoriesによって 供給されたもの)を、0.5mlの、150mMの塩化ナトリウムを含む20 mMトリス緩衝液pH=7.5中に懸濁させ、その後、トリス緩衝液中の血清 サンプル(上記のaを参照のこと)各々と混合する。 c.懸濁液をUltra-free MC Minipore UFC3OHV(0.45μm)フィルター・カ ップに移し、遠心する。 d.200μlの濾液を、0.27Mのトリス、4.%のポリエチレングリコール 8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、Dako抗ヒトトランスフェリン抗体 Q0327の1:10希釈物、及びpH=7.4になる量の塩酸を含む抗トラ ンスフェリン抗体溶液200μlと混合する。 e.濁度/比濁信号を読み取る。実施例2 ヘリコバクター・ピロリ(Hericobacter pylori)上の表面レクチンによるCF Tの定量 a.Lelwalaらによる“Isolation of a sialic acid-specified surface haemaglutinin of Hehcobacterpylori strain NCTC11637”,Zblatt 280:93-19 6,1993に従って、ヘリコバクター・ピロリを培養し、単離する。 b.25μlの血清サンプルを、0.5mlの、150mMの塩化ナトリウムを 含むpH7.5の20mMトリス塩酸緩衝液と混合する。 c.血清サンプルの全糖蛋白質濃度を越える結合能力を有するヘリコバクター・ ピロリの懸濁液を添加する。 d.懸濁液をUltra-free MC Millipore UFC3 OHV(0.45μm)フィルター・ カップに移し、遠心する。 e.200μLの濾液を、0.27Mのトリス、4.5%のポリエチレングリコー ル8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、Dako抗ヒトトランスフェリン抗 体Q0327の1:10希釈物、及びpH=7.4となる量の塩酸を含む抗ト ランスフェリン抗体溶液200μlと混合する。実施例3 固相化されたヘリコバクター・ピロリ由来のレクチンによるCFTの定量 a.10μLの血清サンプルを、0.5mlの、150mMの塩化ナトリウムを 含む50mMトリス緩衝液pH=7.5と混合する。 b.“Recti-Gel2の製造業者の箱の折込み部分の記載に従ってアガロース上に 固相化された、Lelwalaらの“Isolation of a siahc acid-specified surface haemaglutinin of Hehcobacter pylori strain NCTC11637”,Zblatt 280:93-1 96,1993に従って単離されたヘリコバクター・コムニス(Hehcobacter commun is)由来レクチンを有するアガロース(米国、Pierce Chemical Companyから のRecti-Gel)0.5mlを、150mMの塩化ナトリウムを含む20mMトリ ス緩衝液pH=7.5中に懸濁させ、その後、トリス緩衝液中の血清サンプル (上記のaを参照のこと)各々と混合する。 c.懸濁液をUltra-free MC Millipore UFC3 OHV(0.45μm)フィルター・ カップに移し、遠心する。 d.200μlの濾液を、0.27Mのトリス、4.5%のポリエチレングリコー ル8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、Dako抗ヒトトランスフェリン抗 体Q0327の1:10希釈物、及びpH=7.4となる量の塩酸を含む抗ト ラ ンスフェリン抗体溶液200μlと混合する。 e.濁度/比濁信号を読み取る。実施例4 カラム様式での固相化されたセイヨウニワトコ由来のレクチンによるCFTの定 量 a.10μlの血清サンプルを、0.5mlの、150mMの塩化ナトリウムを 含むpH=7.5の結合緩衝液20mMトリス塩酸緩衝液と混合する。 b.各々の希釈された血清サンプルを、0.5mlのアガロース・ニワトコ果実 皮(Sambuccus Nigra)レクチン(米国、BurlingameのVector Laboratoriesに よって供給されたもの)が150mMの塩化ナトリウムを含む20mMトリス 塩酸緩衝液pH=7.5中に懸濁されているカラムに通し、その後、さらに1 .0mlの同じ緩衝液がカラムに通される。 c.200μlの溶出溶液を、0.27Mのトリス、4.5%のポリエチレングリ コール8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、Dako抗ヒトトランスフェリ ン抗体Q0327の1:10希釈物、及びpH=7.4となる量の塩酸を含む 抗トランスフェリン抗体溶液200μLと混合する。 d.濁度/比濁信号を読み取る。実施例5 固相化されたトウゴマ(Ricinus communis)及びセイヨウ・ニワトコ由来のレク チンによるCFTの定量 a.10μlの血清サンプルを、0.5ml結合緩衝液、0.5mlの、150m Mの塩化ナトリウムを含むpH=7.5の20mMトリス緩衝液と混合する。 b.0.5mlのアガロース・ニワトコ果実皮(Sambuccus Nigra)レクチン(米 国、BurlingameのVector Laboratoriesによって供給されたもの)及び0.5m lのEY Laboratories(米国)からのアガロース結合トウゴマレクチンを、0. 5mlの、150mMの塩化ナトリウムを含む20mMトリス緩衝液pH=7 .5と混合し、その後、(a)からの希釈された血清サンプル混合した。ガラ クトース結合レクチンとシアル酸結合レクチンの両者の組合わせでの使用は、 全ての炭水化物結合トランスフェリン分子の良好な結合を確実にする。 c.懸濁液をUltra-free MC Millipore UFC3 OHV(0.45μm)フィルター・ カップに移し、遠心する。 d.200μlの濾液を、0.27Mのトリス、4.5%のポリエチレングリコー ル8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、Dako抗ヒトトランスフェリン抗 体Q0327の1:10希釈物、及びpH=7.4となる量の塩酸を含む抗ト ランスフェリン抗体溶液200μlと混合する。 e.濁度/比濁信号を読み取る。実施例6 アニオン交換前処理工程 20μlの血清サンプルを、20mMのビス(2−ヒドロキシ)アミノ−トリ ス(ヒドロキシメチル)メタンpH=6.3中に懸濁された25%の予め膨潤さ せられたWhatmanQA52アニオン交換樹脂0.5mlと混合する。媒体の塩化物 含有量は、所望のイソトランスフェリン画分を分離するように注意深く調整され 、そしてこれはHPLC又は等電点フォーカシングによって監視することができ る。その後、0.5mlのアガロース・ニワトコ果実皮レクチン(Vector Laborato ries)を添加し、そして懸濁液を穏やかに混合する。懸濁液を、その後、Millipo re Ultra-free MC UFC3 OHVフィルター・カップ中において遠心することにより濾 過し、そして濾液を回収する。200μlの濾液を、0.27Mのトリス、4.5 %のポリエチレングリコール8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、pH= 7.4中において1:10に希釈されたトランスフェリン抗体(Dako)溶液20 0μlと混合し、そして、比濁シグナルを読み、既知濃度のヒトのトランスフェ リンの標準サンプルから作図された標準曲線に内挿する。実施例7 固相化されたレクチンによるCFTの定量 a.アルコール症患者からの血清サンプル10μlを、0.5mlの結合緩衝液 (150mMの塩化ナトリウムを含む、25mMトリス、1mM CaCl2 、1mM MnCl2、緩衝液、pH=7.5)と混合した。 b.400μlのセファロースCon Aレクチン(Pharmacia Sweden)及び1 00μlのアガロース・ニワトコ果実皮(Sambuccus Nigra)レクチン(米 国、BurlingameのVector Laboratoriesによって供給されたもの)を含む0.5 mlの固相化されたレクチン混合物を、ここでサンプル/結合緩衝液混合物( 上記のa参照)中で懸濁させた。 c.懸濁液をUltra-free MC Millipore UFC3 OHV(0.45μm)フィルター・ カップに移し、遠心した。 d.200μlの濾液(画分1)を、0.27Mのトリス、4.5%のポリエチレ ングリコール8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、Dako抗ヒトトランス フェリン抗体Q0327の1:10希釈物、及びpH=7.4となる量の塩酸 を含む抗トランスフェリン抗体溶液100μlと混合した。 e.500μlの溶離緩衝液(50mMトリス緩衝化食塩水+SNAから溶離を 生じさせる0.25Mのラクトース及びCon Aから溶離を生じさせる20 0mMのα−D−メチル−dグリコシド)を(レクチンを含む)フィルター・ カップに添加し、遠心した。この濾液(画分2)200μlを、工程dに記載 の抗トランスフェリン抗体溶液の100μlと混合した。グリカン鎖を含むト ランスフェリンに対する結合特性を試験するために、この工程を合計で9個の 画分が生成するまで繰り返した。 f.濁度免疫測定(Turbidmetric Immuno Assay)(TIA)法を使用して、各々 の画分について濁度シグナルを読んだ。結果を添付の図1に示す。実施例8 カラム様式中の固相化されたセイヨウニワトコ由来のレクチンによるCFTの定 量−分析の原理の予備的証明 a.50μlの非アルコール症の人からの血清サンプル又はトランスフェリンが ノイラミニダーゼ(これは、この実験の目的のために、末端シアル酸残基をグ リカン鎖から切断し、それによってアルコール症の人のものをシミュレートす るトランスフェリン分子を生成する)で酵素的に処理されているサンプルから の血清サンプルを、0.5mlの結合緩衝液(150mMの塩化ナトリウムを 含むpH=7.5の50mMトリス塩酸緩衝液)と混合した。 b.各々の希釈された血清サンプルを、150mMの塩化ナトリウムを含むpH =7.5の50mMのトリス塩酸緩衝液中に懸濁されているアガロース・ニワト コ果実皮(Sambuccus Nigra)レクチン(米国、BurlingameのVector Laborato riesによって供給されたもの)1.0mlのカラムに通した。さらに1.0ml の同じ緩衝液をカラムに通した。この時点でカラムから回収された液体を捨て た。 c.さらに結合緩衝液を添加し、カラムを通過する液体を0.25ml容ずつ回 収した。0.25mlの画分を18個回収した後、溶離緩衝液(50mMトリス 緩衝化食塩水+0.25Mラクトース)をカラムに添加して、SNAレクチン に結合したトランスフェリン分子を溶離させた。 d.200μlの各々の回収画分を、0.27Mのトリス、4.5%のポリエチレ ングリコール8000、4.3mMのアジ化ナトリウム、Dako抗ヒトトランス フェリン抗体Q0327の1:10希釈物、及びpH=7.4となる量の塩酸 を含む抗トランスフェリン抗体溶液100μlと混合した。 e.濁度免疫測定(TIA)法を使用して、各々の画分について濁度シグナルを 読んだ。この実施例の結果を添付の図2に示す。矢印は、(シアル酸残基を有 するグリカン鎖を含む)吸着されたトランスフェリンを溶離させるために、溶 離緩衝液が添加されたところを示している。1.5mlと2.5mlの間の画分 は、シアル酸残基を欠いているトランスフェリンを含む。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.アルコールの体内摂取の評価において使用するための体液中の炭水化物を含 まないトランスフェリンの測定方法であって、 (a)前記体液のサンプルを炭水化物結合配位子と接触させて、前記サンプル 中の炭水化物又は炭水化物含有部分を前記配位子に結合させること、 (b)前記配位子に結合しない画分を分離すること、及び (c)前記画分中のトランスフェリンの含有量を測定すること、 含む方法。 2.サンプルが血液であるか又は血液に由来するサンプルである、請求項1の方 法。 3.炭水化物結合配位子が、抗体又はそれらの断片、レクチン及び哺乳類又は微 生物の炭水化物結合蛋白質、又はそれらの混合物から選択される、請求項1又 は請求項2の方法。 4.工程(a)において異なる複数のレクチンのパネルが使用される、請求項1 乃至3のいずれか1請求項の方法。 5.炭水化物結合配位子が、Sambucus nigraレクチン、Sambucus sielbodianaレ クチン、小麦麦芽中の凝集素、Maackia amurensisレクチン、E.coli K99レク チン、ヘリコバクター・ピロリ・レクチン、Ricinus communisレクチン、及び Crotalaria junctaeレクチン、及び抗シアル酸抗体、及びそれらの混合物から 選択される、請求項1乃至4のいずれか1請求項の方法。 6.分離工程(b)が、沈殿、遠心分離、濾過、又はクロマトグラフ法による、 請求項1乃至5のいずれか1請求項の方法。 7.炭水化物結合配位子が固相化される、請求項1乃至6のいずれか1請求項の 方法。 8.サンプル中の炭水化物含有トランスフェリンを除去するか又は涸渇させるた めのイオン交換工程を工程(a)の前に行なう、請求項1乃至7のいずれか1 請求項の方法。 9.工程(c)のトランスフェリン含有量の測定が、濁度又は比濁測定方法によ って行なわれる、請求項1乃至8のいずれか1請求項の方法。 10.請求項1乃至9のいずれか1請求項の方法において使用するためのキットで あって、 1種以上の炭水化物結合配位子、及び トランスフェリンを検出するための手段 を含むキット。 11.トランスフェリンを検出するための前記手段が、抗トランスフェリン抗体又 は抗体断片、及び、好ましくは、不透明化強化剤を含む、請求項10のキット 。 12.既知濃度の1つのトランスフェリン溶液又はある範囲のトランスフェリン濃 度を有するそのような溶液のセットをさらに含む、請求項10又は請求項11 のキット。
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