JP2002373403A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP2002373403A JP2001181141A JP2001181141A JP2002373403A JP 2002373403 A JP2002373403 A JP 2002373403A JP 2001181141 A JP2001181141 A JP 2001181141A JP 2001181141 A JP2001181141 A JP 2001181141A JP 2002373403 A JP2002373403 A JP 2002373403A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3層以上の多層膜を用いてめっき用のフレー
ムを形成する方法を利用して、微小な磁極幅の磁極を安
定して形成する。 【解決手段】 先端部と接続部を有するトラック幅規定
層はフレームめっき法によって形成される。フレームを
形成する工程は、第1の層31、第2の層、第3の層3
3を形成する工程と、フォトリソグラフィによって、第
3の層33に、接続部に対応した形状の第1の開口部3
3Aを形成する工程と、第3の層33をマスクとして第
2の層をエッチングして、第2の層に、開口部33Aに
対応した形状の第2の開口部32Aを形成する工程と、
集束イオンビームを用いて第2の層をエッチングして、
第2の層に、先端部に対応した形状の第3の開口部32
Bを形成する工程と、第2の層をマスクとして第1の層
31をエッチングして、第1の層31によってフレーム
を形成する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも誘導型
電磁変換素子を有する薄膜磁気ヘッドおよびその製造方
法、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
電磁変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗効果素子(以下、MR(Magneto-resistive)素子と
も記す。)を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合
型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】記録ヘッドは、それぞれエアベアリング面
側において互いに対向する磁極部分を含む下部磁極層お
よび上部磁極層と、下部磁極層の磁極部分と上部磁極層
の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層と、少な
くとも一部が下部磁極層および上部磁極層に対して絶縁
された状態で設けられた薄膜コイルとを備えている。
【0004】ところで、高記録密度化のために記録ヘッ
ドに要求されることの一つに、記録トラック幅を規定す
る磁極幅の縮小がある。磁極幅としては、例えば0.5
μm以下の寸法が要求されてきている。
【0005】記録トラック幅を規定する磁極を形成する
方法としては、例えば、特開平7−262519号公報
に示されるように、フレームめっき法が用いられる。フ
レームめっき法では、下地の上に、例えばスパッタリン
グ法によって、めっき用の電極となる下地膜を形成し、
この下地膜の上にフォトレジスト層を形成し、このフォ
トレジスト層をフォトリソグラフィ工程によりパターニ
ングして、めっき用のフレーム(外枠)を形成する。こ
のフレームは、磁極を形成すべき位置に開口部を有す
る。そして、このフレームを用い、先に形成した下地膜
を電極として電解めっきを行って、下地膜の上に、磁極
となるめっき層を形成する。その後、フレームを除去
し、下地膜のうち、めっき層の下に存在する部分以外の
不要な部分をイオンミリング等のドライエッチングを用
いて除去する。
【0006】フレームめっき法によって磁極幅の小さな
磁極を形成するためには、幅の狭い開口部を有するフレ
ームを形成する必要がある。幅の狭い開口部を有するフ
レームを形成する方法としては、例えば特開平10−3
613号公報、特開平11−175915号公報および
特開2000−132812号公報に示されるように、
3層以上の多層膜を用いてフレームを形成する方法が知
られている。
【0007】ここで、3層の多層膜を用いてフレームを
形成する従来の方法について簡単に説明する。この方法
では、まず、3層の多層膜を形成する。この多層膜の最
上層は薄いフォトレジスト層であり、その下の層は、金
属、セラミック等よりなる中間層であり、最下層は実際
にめっき用のフレームとなる厚いフォトレジスト層であ
る。この方法では、フォトリソグラフィによって最上層
のフォトレジスト層をパターニングして、開口部を有す
るマスクを形成する。次に、このマスクを用いて、反応
性イオンエッチングによって中間層をパターニングす
る。次に、パターニングされた中間層をマスクとして、
反応性イオンエッチングによって最下層のフォトレジス
ト層をパターニングする。この方法では、最上層のフォ
トレジスト層は薄いため、この最上層のフォトレジスト
層をフォトリソグラフィによって微細にパターニングす
ることが可能である。従って、最上層のフォトレジスト
層によって、幅の狭い開口部を有するマスクを形成する
ことができる。そして、このマスクの開口部のパターン
を、複数回の反応性イオンエッチングによって、中間層
と最下層のフォトレジスト層に順に転写していくこと
で、最下層のフォトレジスト層に、幅の狭い開口部を形
成することができる。
【0008】なお、3層以上の多層膜を用いてめっき用
のフレームを形成する方法における多層膜は、上記の3
層の他に、特開平11−175915号公報に示される
ようなエッチングストッパ膜等の他の層を有していても
よい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような3層以上の多層膜を用いてめっき用のフレームを
形成する方法を利用しても、例えば0.5μm以下のよ
うな微小な磁極幅の磁極を形成できるように、最上層の
フォトレジスト層をフォトリソグラフィによって微細に
パターニングすることは難しい。
【0010】また、最上層のフォトレジスト層によるマ
スクの開口部のパターンを、反応性イオンエッチングに
よって中間層に転写するには、反応性イオンエッチング
によるオーバーエッチングが必要になる。そのため、た
とえ、最上層のフォトレジスト層を微細にパターニング
できたとしても、中間層によるマスクの開口部の寸法に
はばらつきが生じる。
【0011】以上のことから、従来は、3層以上の多層
膜を用いてめっき用のフレームを形成する方法を利用し
ても、例えば0.5μm以下のような微小な磁極幅の磁
極を、安定して形成することは困難であった。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、3層以上の多層膜を用いてめっき用
のフレームを形成する方法を利用して、微小な磁極幅の
磁極を、安定して形成することができるようにした薄膜
磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
の製造方法は、記録媒体に対向する媒体対向面と、互い
に磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向
する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含
む第1および第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分
と第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ
層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間
に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で
設けられた薄膜コイルとを備え、第1の磁性層と第2の
磁性層の少なくとも一方は、記録トラック幅を規定する
第1の部分と他の第2の部分とを含むトラック幅規定層
を有する薄膜磁気ヘッドを製造する方法である。
【0014】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、第
1の磁性層を形成する工程と、第1の磁性層の上にギャ
ップ層を形成する工程と、ギャップ層の上に第2の磁性
層を形成する工程と、薄膜コイルを形成する工程とを備
え、第1の磁性層を形成する工程と第2の磁性層を形成
する工程の少なくとも一方は、トラック幅規定層の下地
の上に、トラック幅規定層に対応した形状の開口部を有
するフレームを形成する工程と、めっき法によって、フ
レームの開口部内に、トラック幅規定層を形成する工程
とを含み、フレームを形成する工程は、トラック幅規定
層の下地の上に、少なくとも第1の層、第2の層および
第3の層を、この順に形成する工程と、フォトリソグラ
フィによって、第3の層に、トラック幅規定層の第2の
部分に対応した形状の第1の開口部を形成する工程と、
第1の開口部が形成された第3の層をエッチングマスク
として第2の層をエッチングして、第2の層に、第3の
層における第1の開口部に対応した形状の第2の開口部
を形成する工程と、エッチングマスクを使用しない局部
的なエッチング方法を用いて第2の層をエッチングし
て、第2の層に、トラック幅規定層の第1の部分に対応
した形状の第3の開口部を形成する工程と、第1の層に
よってフレームが形成されるように、第2の開口部と第
3の開口部とが形成された第2の層をエッチングマスク
として第1の層をエッチングして、第1の層に、トラッ
ク幅規定層に対応した形状の第4の開口部を形成する工
程とを含むものである。
【0015】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
めっき法によってトラック幅規定層を形成するために用
いられるフレームは、以下のようにして形成される。す
なわち、まず、トラック幅規定層の下地の上に、少なく
とも第1の層、第2の層および第3の層が、この順に形
成される。次に、フォトリソグラフィによって、第3の
層に、トラック幅規定層の第2の部分に対応した形状の
第1の開口部が形成される。次に、第1の開口部が形成
された第3の層をエッチングマスクとして第2の層をエ
ッチングすることによって、第2の層に、第3の層にお
ける第1の開口部に対応した形状の第2の開口部が形成
される。次に、エッチングマスクを使用しない局部的な
エッチング方法を用いて第2の層をエッチングすること
によって、第2の層に、トラック幅規定層の第1の部分
に対応した形状の第3の開口部が形成される。次に、第
2の開口部と第3の開口部とが形成された第2の層をエ
ッチングマスクとして第1の層をエッチングすることに
よって、第1の層に、トラック幅規定層に対応した形状
の第4の開口部が形成され、この第1の層によってフレ
ームが形成される。
【0016】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法におい
て、第2の開口部を形成する工程は反応性イオンエッチ
ングを用いてもよい。
【0017】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、エッチングマスクを使用しない局部的なエッ
チング方法は、集束イオンビームを用いたエッチング方
法であってもよい。
【0018】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、第4の開口部を形成する工程は反応性イオン
エッチングを用いてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。まず、図1ないし図
6を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法の概略について説明する。なお、図1な
いし図6において、(a)はエアベアリング面に垂直な
断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平
行な断面を示している。
【0020】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、まず、図1に示したように、アルティック
(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板
1の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ(A
23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2を、例えば1〜
5μmの厚みに形成する。次に、絶縁層2の上に、スパ
ッタリング法またはめっき法等によって、パーマロイ
(NiFe)等の磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部
シールド層3を、例えば約3μmの厚みに形成する。
【0021】次に、下部シールド層3の上に、スパッタ
リング法等によって、アルミナ等の絶縁材料よりなる下
部シールドギャップ膜4を、例えば10〜200nmの
厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上
に、スパッタリング法等によって、再生用のMR素子5
を、例えば数十nmの厚みに形成する。MR素子5に
は、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大
磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗
効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子
を用いることができる。
【0022】次に、下部シールドギャップ膜4の上に、
スパッタリング法等によって、MR素子5に電気的に接
続される一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成す
る。次に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5
の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶
縁材料よりなる上部シールドギャップ膜7を、例えば1
0〜200nmの厚みに形成する。
【0023】なお、上記の再生ヘッドを構成する各層
は、レジストパターンを用いた一般的なエッチング方法
やリフトオフ法やこれらを併用した方法によってパター
ニングされる。
【0024】次に、上部シールドギャップ膜7の上に、
磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用
いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極
層と記す。)8を、例えば3〜4μmの厚みに形成す
る。なお、下部磁極層8に用いる磁性材料は、NiF
e、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料で
ある。下部磁極層8は、スパッタリング法またはめっき
法等によって形成される。
【0025】なお、下部磁極層8の代わりに、上部シー
ルド層と、この上部シールド層の上にスパッタリング法
等によって形成されたアルミナ等の非磁性材料よりなる
分離層と、この分離層の上に形成された下部磁性層とを
設けてもよい。
【0026】次に、図2に示したように、下部磁極層8
の上に、スパッタリング法等によって、アルミナ等の絶
縁材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば50〜30
0nmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、後
述する薄膜コイルの中心部分において、記録ギャップ層
9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを形
成する。
【0027】次に、記録ギャップ層9の上に、例えば銅
(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例え
ば2〜3μmの厚みに形成する。なお、図2(a)にお
いて、符号10aは、第1層部分10のうち、後述する
薄膜コイルの第2層部分15に接続される接続部を表し
ている。第1層部分10は、コンタクトホール9aの周
囲に巻回される。
【0028】次に、図3に示したように、薄膜コイルの
第1層部分10およびその周辺の記録ギャップ層9を覆
うように、フォトレジスト等の、加熱時に流動性を有す
る有機絶縁材料よりなる絶縁層11を所定のパターンに
形成する。次に、絶縁層11の表面を平坦にするために
所定の温度で熱処理する。この熱処理により、絶縁層1
1の外周および内周の各端縁部分は、丸みを帯びた斜面
形状となる。
【0029】次に、絶縁層11のうちの後述するエアベ
アリング面20側(図3(a)における左側)の斜面部
分からエアベアリング面20側にかけての領域におい
て、記録ギャップ層9および絶縁層11の上に、記録ヘ
ッド用の磁性材料によって、上部磁極層12のトラック
幅規定層12aを形成する。上部磁極層12は、このト
ラック幅規定層12aと、後述する連結部分層12bお
よびヨーク部分層12cとで構成される。トラック幅規
定層12aは、後で詳しく説明するように、めっき法に
よって形成される。
【0030】トラック幅規定層12aは、記録ギャップ
層9の上に形成され、上部磁極層12の磁極部分となる
先端部12a1と、絶縁層11のエアベアリング面20
側の斜面部分の上に形成され、ヨーク部分層12cに接
続される接続部12a2とを有している。先端部12a1
の幅は記録トラック幅と等しくなっている。すなわち、
先端部12a1は記録トラック幅を規定している。接続
部12a2の幅は、先端部12a1の幅よりも大きくなっ
ている。先端部12a1は本発明における第1の部分に
対応し、接続部12a2は本発明における第2の部分に
対応する。
【0031】トラック幅規定層12aを形成する際に
は、同時に、コンタクトホール9aの上に磁性材料より
なる連結部分層12bを形成すると共に、接続部10a
の上に磁性材料よりなる接続層13を形成する。連結部
分層12bは、上部磁極層12のうち、下部磁極層8に
磁気的に連結される部分を構成する。
【0032】次に、トラック幅規定層12aの周辺にお
いて、トラック幅規定層12aをマスクとして、記録ギ
ャップ層9および下部磁極層8の磁極部分における記録
ギャップ層9側の少なくとも一部をエッチングする。記
録ギャップ層9のエッチングには例えば反応性イオンエ
ッチングが用いられ、下部磁極層8のエッチングには例
えばイオンミリングが用いられる。図3(b)に示した
ように、上部磁極層12の磁極部分(トラック幅規定層
12aの先端部12a1)、記録ギャップ層9および下
部磁極層8の磁極部分の少なくとも一部の各側壁が垂直
に自己整合的に形成された構造は、トリム(Trim)構造
と呼ばれる。
【0033】次に、図4に示したように、全体に、アル
ミナ等の無機絶縁材料よりなる絶縁層14を、例えば3
〜4μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層14を、
例えば化学機械研磨によって、トラック幅規定層12
a、連結部分層12bおよび接続層13の表面に至るま
で研磨して平坦化する。
【0034】次に、図5に示したように、平坦化された
絶縁層14の上に、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイ
ルの第2層部分15を、例えば2〜3μmの厚みに形成
する。なお、図5(a)において、符号15aは、第2
層部分15のうち、接続層13を介して薄膜コイルの第
1層部分10の接続部10aに接続される接続部を表し
ている。第2層部分15は、連結部分層12bの周囲に
巻回される。
【0035】次に、薄膜コイルの第2層部分15および
その周辺の絶縁層14を覆うように、フォトレジスト等
の、加熱時に流動性を有する有機絶縁材料よりなる絶縁
層16を所定のパターンに形成する。次に、絶縁層16
の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。こ
の熱処理により、絶縁層16の外周および内周の各端縁
部分は、丸みを帯びた斜面形状となる。
【0036】次に、図6に示したように、トラック幅規
定層12a、絶縁層14,16および連結部分層12b
の上に、パーマロイ等の記録ヘッド用の磁性材料によっ
て、上部磁極層12のヨーク部分を構成するヨーク部分
層12cを形成する。ヨーク部分層12cのエアベアリ
ング面20側の端部は、エアベアリング面20から離れ
た位置に配置されている。また、ヨーク部分層12c
は、連結部分層12bを介して下部磁極層8に接続され
ている。
【0037】次に、全体を覆うように、例えばアルミナ
よりなるオーバーコート層17を形成する。最後に、上
記各層を含むスライダの機械加工を行って、記録ヘッド
および再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドのエアベアリン
グ面20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0038】このようにして製造される本実施の形態に
係る薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面
(エアベアリング面20)と再生ヘッドと記録ヘッド
(誘導型電磁変換素子)とを備えている。再生ヘッド
は、MR素子5と、エアベアリング面20側の一部がM
R素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子
5をシールドするための下部シールド層3および上部シ
ールド層(下部磁極層8)とを有している。
【0039】記録ヘッドは、互いに磁気的に連結され、
エアベアリング面20側において互いに対向する磁極部
分を含み、それぞれ少なくとも1つの層を含む下部磁極
層8および上部磁極層12と、この下部磁極層8の磁極
部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられた記
録ギャップ層9と、少なくとも一部が下部磁極層8およ
び上部磁極層12の間に、これらに対して絶縁された状
態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、図6(a)に
示したように、エアベアリング面20から、絶縁層11
のエアベアリング面20側の端部までの長さが、スロー
トハイトTHとなる。なお、スロートハイトとは、2つ
の磁極層が記録ギャップ層を介して対向する部分の、エ
アベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ
(高さ)をいう。
【0040】本実施の形態において、下部磁極層8は本
発明における第1の磁性層に対応し、上部磁極層12は
本発明における第2の磁性層に対応する。
【0041】次に、図7ないし図27を参照して、本実
施の形態における上部磁極層12のトラック幅規定層1
2aの形成方法について詳しく説明する。図7ないし図
9、図10ないし図12、図13ないし図15、図16
ないし図18、図19ないし図21、図22ないし図2
4、図25ないし図27の各組は、それぞれ、同じ工程
に対応している。また、図9、図12、図15、図1
8、図21、図24および図27は、トラック幅規定層
12aの形成方法の各工程中の積層体の上面を表してい
る。図7、図10、図13、図16、図19、図22お
よび図25は、上記積層体における接続部12a2に対
応する部分の断面、すなわち図9におけるA−A線を通
る断面を表している。図8、図11、図14、図17、
図20、図23および図26は、上記積層体における先
端部12a1に対応する部分の断面、すなわち図9にお
けるB−B線を通る断面を表している。なお、図9に
は、先端部12a1および接続部12a2を含むめっき層
が形成される領域を二点鎖線で示している。図9等にお
いて、符号12a3は、めっき層のうち、エアベアリン
グ面20を形成するためのスライダの機械加工の際に除
去される除去予定部を示している。
【0042】本実施の形態では、フレームめっき法によ
ってトラック幅規定層12aを形成する。また、本実施
の形態では、3層以上の多層膜を用いてめっき用のフレ
ームを形成する。
【0043】本実施の形態におけるトラック幅規定層1
2aの形成方法では、まず、図7ないし図9に示したよ
うに、記録ギャップ層9の上に、めっき法によってトラ
ック幅規定層12aを形成する際に用いられ、トラック
幅規定層12aの下地となる導電性の下地膜30を、例
えばスパッタリング法によって形成する。下地膜30の
材料は、例えばNiFeでもよいし、FeCo、CoN
iFe、FeN等の高飽和磁束密度材料でもよい。ま
た、下地膜30を、異なる複数の材料よりなる複数の層
で構成してもよい。この場合、下地膜30の最下層は、
その上の層と記録ギャップ層9との密着性を向上させる
ための接着層であってもよい。接着層を構成する材料と
しては,例えばTiが用いられる。
【0044】次に、下地膜30の上に、第1の層31、
第2の層32および第3の層33を、この順に形成す
る。第1の層31は、めっき用のフレームとなるように
パターニングされる層であり、比較的厚く形成される。
これに対し、第2の層32および第3の層33は、第1
の層31に転写するパターンが形成される層であり、第
1の層31よりも薄く形成される。第1の層31の厚み
は1.5〜8.0μmが好ましい。第2の層32の厚み
は0.05〜0.5μmが好ましい。第3の層33の厚
みは0.2〜2.0μmが好ましい。
【0045】第1の層31の材料としては、例えば、フ
ォトレジスト、ポリイミド等の有機材料が用いられる。
【0046】第2の層32の材料としては、例えば、金
属、金属酸化物、セラミックが用いられる。具体的に
は、第2の層32の材料としては、Al23、Si
2、ポリシンコン、窒化シリコン等が用いられる。ま
た、第2の層32を、金属と金属酸化物、あるいは2種
類のセラミック等の異なる複数の材料よりなる複数の層
で構成してもよい。例えば、第2の層32を下層と上層
の2層構造とし、下層をAl 23、SiO2等の金属酸
化物で形成し、上層をTa、Ti、Cr、Ni等の金属
で形成してもよい。
【0047】図10ないし図12は次の工程を表してい
る。この工程では、図10および図12に示したよう
に、接続部12a2および除去予定部12a3に対応する
部分において、フォトリソグラフィによって、第3の層
33に、接続部12a2および除去予定部12a3に対応
した形状の第1の開口部33Aを形成する。この時点で
は、図11に示したように、先端部12a1に対応する
部分において、第3の層33に開口部は形成されていな
い。
【0048】図13ないし図15は次の工程を表してい
る。この工程では、図13および図15に示したよう
に、第1の開口部33Aが形成された第3の層33をエ
ッチングマスクとして第2の層32をエッチングして、
第2の層32に、第3の層33における第1の開口部3
3Aに対応した形状の第2の開口部32Aを形成する。
この時点では、図14に示したように、先端部12a1
に対応する部分では、第2の層32および第3の層33
に開口部は形成されていない。
【0049】第2の開口部32Aを形成するための第2
の層32のエッチングには、例えば反応性イオンエッチ
ングが用いられる。このときの反応性イオンエッチング
では、反応性ガスとして、例えば、O2を含む酸素系ガ
ス、Cl2、BCl3等の塩素系ガスまたはCF4、SF6
等のフッ素系ガスが用いられる。
【0050】図16ないし図18は次の工程を表してい
る。この工程では、図17および図18に示したよう
に、エッチングマスクを使用しない局部的なエッチング
方法を用いて第3の層33および第2の層32をエッチ
ングして、第3の層33および第2の層32に、それぞ
れ、先端部12a1に対応した形状の第3の開口部33
B,32Bを形成する。エッチングマスクを使用しない
局部的なエッチング方法としては、集束イオンビーム
(Focused Ion Beam;以下、FIBとも記す。)を用い
たエッチング方法が用いられる。この場合、エッチング
する領域におけるFIBの走査回数は、例えば3回以下
とする。FIBの走査を複数回行う場合には、同一線上
を複数回走査してもよいし、少しずつ位置をずらしなが
ら複数回走査してもよい。
【0051】図19ないし図21は次の工程を表してい
る。この工程では、まず、第3の層33を剥離する。次
に、第2の開口部32Aと第3の開口部32Bとが形成
された第2の層32をエッチングマスクとして第1の層
31をエッチングして、第1の層31に、トラック幅規
定層12aに対応した形状の第4の開口部31A,31
Bを形成する。なお、第4の開口部31Aの形状は第2
の開口部32Aの形状に対応しており、第4の開口部3
1Bの形状は第3の開口部32Bの形状に対応してい
る。このようにして、第1の層31によって、めっき用
のフレームが形成される。
【0052】第4の開口部31A,31Bを形成するた
めの第1の層31のエッチングには、例えば反応性イオ
ンエッチングが用いられる。このときの反応性イオンエ
ッチングでは、反応性ガスとして、例えば、前述の酸素
系ガス、塩素系ガスまたはフッ素系ガスが用いられる。
【0053】図22ないし図24は次の工程を表してい
る。この工程では、下地膜30を電極として電解めっき
を行って、第1の層31の第4の開口部31A,31B
内にトラック幅規定層12aを形成する。なお、第4の
開口部31A内にはトラック幅規定層12aの接続部1
2a2および除去予定部12a3が形成され、第4の開口
部31B内にはトラック幅規定層12aの先端部12a
1が形成される。
【0054】図25ないし図27は次の工程を表してい
る。この工程では、まず、第1の層31および第2の層
32を除去する。次に、下地膜30のうち、トラック幅
規定層12aの下に存在する部分以外の不要な部分をイ
オンミリング等のドライエッチングを用いて除去する。
【0055】なお、本実施の形態において、めっき用の
フレームを形成するために用いられる多層膜は、第1な
いし第3の層31,32,33の他に、エッチングスト
ッパ膜等の他の層を有していてもよい。
【0056】以上説明したように、本実施の形態では、
FIBを用いたエッチング方法を用いて第2の層32を
エッチングすることによって、第2の層32に、トラッ
ク幅規定層12aの先端部12a1に対応した形状の第
3の開口部32Bを形成する。FIBを用いて第2の層
32のエッチングを行えば、エッチングマスクを用いて
反応性イオンエッチングによって第2の層32をエッチ
ングする場合に比べて、微細に且つ精度よく第2の層3
2をエッチングすることが可能になる。従って、本実施
の形態によれば、先端部12a1に対応した形状の第3
の開口部32Bを微細に且つ精度よく形成することがで
きる。その結果、本実施の形態によれば、フレームとし
ての第1の層31の開口部31A,31Bのうち、トラ
ック幅規定層12aの先端部12a1に対応した開口部
31Bの幅を微小に且つ精度よく形成することが可能に
なる。従って、本実施の形態によれば、3層以上の多層
膜を用いてめっき用のフレームを形成する方法を利用し
て、例えば0.5μm以下の微小な磁極幅の磁極を、安
定して形成することができる。
【0057】ところで、FIBを用いたエッチングは、
エッチングマスクを用いて行う反応性イオンエッチング
に比べて、微細に且つ精度よくエッチングを行うことが
できるが、多くの時間を要する。そのため、第2の層3
2に形成される開口部を全てFIBを用いたエッチング
によって形成すると、エッチングに時間がかかりすぎ
て、薄膜磁気ヘッドの製造効率が低下する。これに対
し、本実施の形態では、第2の層32に形成される開口
部のうち、トラック幅規定層12aの先端部12a 1
対応する第3の開口部32Bは、FIBを用いたエッチ
ングによって形成するが、接続部12a1および除去予
定部12a3に対応する第3の開口部32Aは、第3の
層33をエッチングマスクとして反応性イオンエッチン
グによって形成する。従って、本実施の形態によれば、
薄膜磁気ヘッドの製造効率をあまり低下させることな
く、微小な磁極幅の磁極を、安定して形成することがで
きる。
【0058】なお、本実施の形態において、FIBを用
いたエッチングによって形成する開口部32Bの好まし
い形状は矩形であり、開口部32Bの好ましい大きさの
範囲は、幅が0.1〜2.0μm、長さが1.0〜8.
0μmの範囲である。また、本実施の形態において、反
応性イオンエッチングによって形成する開口部32Aに
関しては、形状は問わないが、各孤立領域が2μm
上となる大きさが好ましい。例えば、孤立領域の形状が
矩形の場合には、孤立領域の大きさとしては、幅が1μ
m以上、長さが2μm以上となる大きさが好ましい。
【0059】ところで、めっき用のフレームを形成する
際には、基板に設けられた位置決め用のマークを基準に
してフレームのパターニングを行う必要がある。そのた
め、3層以上の多層膜を用いてめっき用のフレームを形
成する場合には、各層が光を透過させる層である必要が
ある。ここで、光を透過させる第2の層32を形成する
場合、第2の層32の材料としてはアルミナ(Al
23)を用いることが考えられる。
【0060】しかし、アルミナは吸湿性が大きいため、
第3の層33の材料であるフォトレジストとの密着性が
悪い。そのため、アルミナよりなる第2の層32の上に
直接、フォトレジストよりなる第3の層33を形成する
と、第3の層33を微細にパターニングすることが難し
くなる。
【0061】そこで、光を透過させる第2の層32を形
成し、且つ第3の層33の微細なパターニングを可能に
するためには、第2の層32を以下のような構成とする
のが好ましい。すなわち、第2の層32を下層と上層の
2層構造とし、下層を、Al 23、SiO2等の金属酸
化物よりなり、厚みが0.02〜0.3μmの層とし、
上層をTa、Ti、Cr、Ni等の金属よりなり、厚み
が0.03μm以下の層とするのが好ましい。これによ
り、下層と上層の双方が光を透過させる層となり、第2
の層32全体としても光を透過させる層となる。また、
上記の構成とすることにより、第3の層33はアルミナ
ではなく金属よりなる上層の上に形成されるため、第2
の層32と第3の層33との密着性がよくなり、第3の
層33を微細にパターニングすることが可能になる。
【0062】以下、本実施の形態における薄膜磁気ヘッ
ドが適用されるヘッドジンバルアセンブリおよびハード
ディスク装置について説明する。まず、図28を参照し
て、ヘッドジンバルアセンブリに含まれるスライダ21
0について説明する。ハードディスク装置において、ス
ライダ210は、回転駆動される円盤状の記録媒体であ
るハードディスクに対向するように配置される。このス
ライダ210は、主に図6における基板1およびオーバ
ーコート層17からなる基体211を備えている。基体
211は、ほぼ六面体形状をなしている。基体211の
六面のうちの一面は、ハードディスクに対向するように
なっている。この一面には、表面がエアベアリング面と
なるレール部212が形成されている。レール部212
の空気流入側の端部(図28における右上の端部)の近
傍にはテーパ部またはステップ部が形成されている。ハ
ードディスクが図28におけるz方向に回転すると、テ
ーパ部またはステップ部より流入し、ハードディスクと
スライダ210との間を通過する空気流によって、スラ
イダ210に、図28におけるy方向の下方に揚力が生
じる。スライダ210は、この揚力によってハードディ
スクの表面から浮上するようになっている。なお、図2
8におけるx方向は、ハードディスクのトラック横断方
向である。スライダ210の空気流出側の端部(図28
における左下の端部)の近傍には、本実施の形態におけ
る薄膜磁気ヘッド100が形成されている。
【0063】次に、図29を参照して、本実施の形態に
おけるヘッドジンバルアセンブリ220について説明す
る。ヘッド・ジンバル・アッセンブリ220は、スライ
ダ210と、このスライダ210を弾性的に支持するサ
スペンション221とを備えている。サスペンション2
21は、例えばステンレス鋼によって形成された板ばね
状のロードビーム222、このロードビーム222の一
端部に設けられると共にスライダ210が接合され、ス
ライダ210に適度な自由度を与えるフレクシャ223
と、ロードビーム222の他端部に設けられたベースプ
レート224とを有している。ベースプレート224
は、スライダ210をハードディスク300のトラック
横断方向xに移動させるためのアクチュエータのアーム
230に取り付けられるようになっている。アクチュエ
ータは、アーム230と、このアーム230を駆動する
ボイスコイルモータとを有している。フレクシャ223
において、スライダ210が取り付けられる部分には、
スライダ210の姿勢を一定に保つためのジンバル部が
設けられている。
【0064】ヘッドジンバルアセンブリ220は、アク
チュエータのアーム230に取り付けられる。1つのア
ーム230にヘッドジンバルアセンブリ220を取り付
けたものはヘッドアームアセンブリと呼ばれる。また、
複数のアームを有するキャリッジの各アームにヘッドジ
ンバルアセンブリ220を取り付けたものはヘッドスタ
ックアセンブリと呼ばれる。
【0065】図29は、ヘッドアームアセンブリの一例
を示している。このヘッドアームアセンブリでは、アー
ム230の一端部にヘッドジンバルアセンブリ220が
取り付けられている。アーム230の他端部には、ボイ
スコイルモータの一部となるコイル231が取り付けら
れている。アーム230の中間部には、アーム230を
回動自在に支持するための軸234に取り付けられる軸
受け部233が設けられている。
【0066】次に、図30および図31を参照して、ヘ
ッドスタックアセンブリの一例と本実施の形態における
ハードディスク装置について説明する。図30はハード
ディスク装置の要部を示す説明図、図31はハードディ
スク装置の平面図である。ヘッドスタックアセンブリ2
50は、複数のアーム252を有するキャリッジ251
を有している。複数のアーム252には、複数のヘッド
ジンバルアセンブリ220が、互いに間隔を開けて垂直
方向に並ぶように取り付けられている。キャリッジ25
1においてアーム252とは反対側には、ボイスコイル
モータの一部となるコイル253が取り付けられてい
る。ヘッドスタックアセンブリ250は、ハードディス
ク装置に組み込まれる。ハードディスク装置は、スピン
ドルモータ261に取り付けられた複数枚のハードディ
スク262を有している。各ハードディスク262毎
に、ハードディスク262を挟んで対向するように2つ
のスライダ210が配置される。また、ボイスコイルモ
ータは、ヘッドスタックアセンブリ250のコイル25
3を挟んで対向する位置に配置された永久磁石263を
有している。
【0067】スライダ210を除くヘッドスタックアセ
ンブリ250およびアクチュエータは、スライダ210
を支持すると共にハードディスク262に対して位置決
めする。
【0068】本実施の形態におけるハードディスク装置
では、アクチュエータによって、スライダ210をハー
ドディスク262のトラック横断方向に移動させて、ス
ライダ210をハードディスク262に対して位置決め
する。スライダ210に含まれる薄膜磁気ヘッドは、記
録ヘッドによって、ハードディスク262に情報を記録
し、再生ヘッドによって、ハードディスク262に記録
されている情報を再生する。
【0069】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、種々の変更が可能である。例えば、実施の形態で
は、上部磁極層12のみがトラック幅規定層12aを有
しているが、下部磁極層8のみがトラック幅規定層を有
していてもよいし、下部磁極層8と上部磁極層12の双
方がトラック幅規定層を有していてもよい。
【0070】また、実施の形態では、上部磁極層12
が、トラック幅規定層12a、連結部分層12bおよび
ヨーク部分層12cで構成されているが、本発明は、上
部磁極層12が1つの層で構成される場合にも適用する
ことができる。この場合には、上部磁極層12を構成す
る1つの層が、本発明におけるトラック幅規定層とな
る。
【0071】また、上記実施の形態では、基体側に読み
取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘
導型電磁変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドにつ
いて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0072】つまり、基体側に書き込み用の誘導型電磁
変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を
形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施
の形態に示した上部磁極層の機能を有する磁性膜を下部
磁極層として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介し
て、それに対向するように上記実施の形態に示した下部
磁極層の機能を有する磁性膜を上部磁極層として形成す
ることにより実現できる。
【0073】また、本発明は、誘導型電磁変換素子のみ
を備えた記録専用の薄膜磁気ヘッドや、誘導型電磁変換
素子によって記録と再生を行う薄膜磁気ヘッドにも適用
することができる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし4
のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、ト
ラック幅規定層を形成するために用いられるフレームを
形成する工程は、トラック幅規定層の下地の上に、少な
くとも第1の層、第2の層および第3の層を、この順に
形成する工程と、フォトリソグラフィによって、第3の
層に、トラック幅規定層の第2の部分に対応した形状の
第1の開口部を形成する工程と、第1の開口部が形成さ
れた第3の層をエッチングマスクとして第2の層をエッ
チングして、第2の層に、第3の層における第1の開口
部に対応した形状の第2の開口部を形成する工程と、エ
ッチングマスクを使用しない局部的なエッチング方法を
用いて第2の層をエッチングして、第2の層に、トラッ
ク幅規定層の第1の部分に対応した形状の第3の開口部
を形成する工程と、第1の層によってフレームが形成さ
れるように、第2の開口部と第3の開口部とが形成され
た第2の層をエッチングマスクとして第1の層をエッチ
ングして、第1の層に、トラック幅規定層に対応した形
状の第4の開口部を形成する工程とを含む。本発明によ
れば、エッチングマスクを使用しない局部的なエッチン
グ方法を用いて第2の層をエッチングすることによっ
て、第2の層に、トラック幅規定層の第1の部分に対応
した形状の第3の開口部を形成するようにしたので、フ
レームの開口部のうち、トラック幅規定層の第1の部分
に対応した部分の幅を微小に且つ精度よく形成すること
が可能になる。従って、本発明によれば、3層以上の多
層膜を用いてめっき用のフレームを形成する方法を利用
して、微小な磁極幅の磁極を、安定して形成することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの
製造方法の概略を説明するための断面図である。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図7】本発明の一実施の形態におけるトラック幅規定
層の形成方法の一工程中の積層体の断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態におけるトラック幅規定
層の形成方法の一工程中の積層体の他の断面図である。
【図9】本発明の一実施の形態におけるトラック幅規定
層の形成方法の一工程中の積層体の平面図である。
【図10】図7に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図11】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図12】図9に続く工程を説明するための平面図であ
る。
【図13】図10に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図14】図11に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図15】図12に続く工程を説明するための平面図で
ある。
【図16】図13に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図17】図14に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図18】図15に続く工程を説明するための平面図で
ある。
【図19】図16に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図20】図17に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図21】図18に続く工程を説明するための平面図で
ある。
【図22】図19に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図23】図20に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図24】図21に続く工程を説明するための平面図で
ある。
【図25】図22に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図26】図23に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図27】図24に続く工程を説明するための平面図で
ある。
【図28】本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバ
ルアセンブリに含まれるスライダを示す斜視図である。
【図29】本発明の一実施の形態におけるヘッドジンバ
ルアセンブリを含むヘッドアームアセンブリを示す斜視
図である。
【図30】本発明の一実施の形態におけるハードディス
ク装置の要部を示す説明図である。
【図31】本発明の一実施の形態におけるハードディス
ク装置の平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…MR
素子、8…下部磁極層、9…記録ギャップ層、10…薄
膜コイルの第1層部分、12…上部磁極層、12a…ト
ラック幅規定層、12a1…先端部、12a2…接続部、
12b…連結部分層、12c…ヨーク部分層、15…薄
膜コイルの第2層部分、30…下地膜、31…第1の
層、32…第2の層、33…第3の層、33A…第1の
開口部、32A…第2の開口部、32B…第3の開口
部、31A,31B…第4の開口部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する媒体対向面と、互い
    に磁気的に連結され、前記媒体対向面側において互いに
    対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層
    を含む第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の
    磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けら
    れたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第
    2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対し
    て絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備え、前
    記第1の磁性層と前記第2の磁性層の少なくとも一方
    は、記録トラック幅を規定する第1の部分と他の第2の
    部分とを含むトラック幅規定層を有する薄膜磁気ヘッド
    の製造方法であって、 前記第1の磁性層を形成する工程と、 前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程
    と、 前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程
    と、 前記薄膜コイルを形成する工程とを備え、 前記第1の磁性層を形成する工程と前記第2の磁性層を
    形成する工程の少なくとも一方は、前記トラック幅規定
    層の下地の上に、前記トラック幅規定層に対応した形状
    の開口部を有するフレームを形成する工程と、めっき法
    によって、前記フレームの開口部内に、前記トラック幅
    規定層を形成する工程とを含み、 前記フレームを形成する工程は、 前記トラック幅規定層の下地の上に、少なくとも第1の
    層、第2の層および第3の層を、この順に形成する工程
    と、 フォトリソグラフィによって、前記第3の層に、前記ト
    ラック幅規定層の前記第2の部分に対応した形状の第1
    の開口部を形成する工程と、 前記第1の開口部が形成された前記第3の層をエッチン
    グマスクとして前記第2の層をエッチングして、前記第
    2の層に、前記第3の層における第1の開口部に対応し
    た形状の第2の開口部を形成する工程と、 エッチングマスクを使用しない局部的なエッチング方法
    を用いて前記第2の層をエッチングして、前記第2の層
    に、前記トラック幅規定層の前記第1の部分に対応した
    形状の第3の開口部を形成する工程と、 前記第1の層によって前記フレームが形成されるよう
    に、前記第2の開口部と前記第3の開口部とが形成され
    た前記第2の層をエッチングマスクとして前記第1の層
    をエッチングして、前記第1の層に、前記トラック幅規
    定層に対応した形状の第4の開口部を形成する工程とを
    含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の開口部を形成する工程は、反
    応性イオンエッチングを用いることを特徴とする請求項
    1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチングマスクを使用しない局部
    的なエッチング方法は、集束イオンビームを用いたエッ
    チング方法であることを特徴とする請求項1または2記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第4の開口部を形成する工程は、反
    応性イオンエッチングを用いることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
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