JP2002363824A - 吸湿性に優れたポリエステル繊維 - Google Patents

吸湿性に優れたポリエステル繊維

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Abstract

(57)【要約】 【課題】生産性に優れ、吸湿性が高く、織編物等として
下着、スポーツウェア、裏地等の快適素材として用いる
ことができるポリエステル繊維を得ることを課題とす
る。 【解決手段】シリカ系無機粒子と該粒子とは表面電位の
相反する無機粒子を含有したポリエステル繊維であって
吸湿性、生産性に優れたポリエステル繊維によって解決
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸湿性、粒子分散性
に優れたポリエステル繊維に関する。より詳しくは、吸
湿性、粒子分散性に優れたポリエステル繊維を均一かつ
安定して生産化できるため、粗大粒子による紡糸時の糸
切れが少なく、生産性に優れるばかりか着用快適性を有
する合成繊維用途や帯電防止性を有するポリエステル繊
維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートを始めとす
るいわいるポリエステルは、強度や熱安定性、耐薬品性
などに優れるため、繊維やフィルム、組成物などの用途
に広く用いられている。しかし、ポリエチレンテレフタ
レートは本質的に疎水性であるため、きわめて吸放湿性
に乏しく、衣服として用いられる場合には、高湿時にお
いて“むれ感”を生じたり、冬場の低湿時には静電気を
生じたりと、着用快適性においては好ましい素材とはい
えない。
【0003】この欠点を解消するため、例えば特開昭48
-8270号公報に提案されているように、側鎖にオキシア
ルキレングリコールを有するジオールの共重合、特開平
2-26985号公報におけるスルホン酸金属塩含有ジカルボ
ン酸の共重合など、吸湿性能を有する化合物をポリエス
テルに共重合する方法が提案されている。しかし吸湿成
分を共重合することによってポリマー全体が改質されて
しまい、耐候性が低下したり、優れた機械的特性という
ポリエステルの持つ本来の利点が失われてしまうという
大きな問題を抱えている。
【0004】また、特開昭52-74020号公報にみられるよ
うに、ポリエステル繊維にアクリル酸やメタアクリル酸
をグラフト重合して、それらのカルボキシル基をアルカ
リ金属で置換することにより吸湿性を付与する方法が知
られている。しかし、耐光性の低下、吸湿部分が組成物
あるいは繊維表層に付着していることによるぬめりの発
生や経時的な強度低下の問題を有していることから、実
用化には至っていない。
【0005】これらの問題を解決するため、繊維用途に
おいては高い吸湿性を有する吸湿性樹脂を芯部とし、ポ
リエステルの鞘部で覆った芯鞘型複合繊維が特開平2-99
612号公報、特開平4-361616号公報、特開平4-341617号
公報、特開平9-132871号公報等に提案されている。しか
しながら、これら芯鞘型複合繊維の場合、精練や染色な
どの熱水処理時に芯部の吸湿性樹脂が水を含んで大きく
膨潤するため、繊維表面にひび割れ(鞘割れ)が発生
し、吸湿性樹脂の外部への流出や、染色堅牢性の著しい
悪化など布帛品位が低下する欠点があった。この鞘割れ
を抑制する目的で、前もって溶融紡糸の段階から吸湿性
の芯成分に隣接する中空部を設けておく方法が、特開平
9-111579号公報また特開昭52-55721号公報により提案さ
れているが、たとえ中空部を有する形状に繊維化した場
合にも繊維に撚糸加工や仮撚加工を施した場合には中空
部の潰れが生じ、その後の熱水処理によって前述の場合
と同じく吸湿ポリマーの膨潤に起因する鞘割れが生じて
しまう欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を克服して、ポリエステルの優れた特
性を維持しながら、高い吸湿特性能、粒子分散性に優れ
たポリエステル繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題は、細孔容
積が0.5ml/g以上、比表面積が500m2/g以
上のシリカ系無機粒子を1〜20重量%と、該シリカ系
無機粒子とは粒子表面の電位が相反する無機粒子を含有
してなる吸湿性に優れたポリエステル繊維で解決するこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を具体的に説
明する。
【0009】本発明に於いて細孔容積が0.5ml/g
以上、比表面積が500m2/g以上のシリカ系無機粒
子は繊維に吸湿性を付与するための必須成分であり、具
体的には粒子の50%以上がSiO2で構成される粒子
であり、ホワイトカーボン、シリカゾル、シリカゲル等
が挙げられ、好ましくはSiO2含有量が95%以上の
シリカ、さらに好ましくは湿式シリカである。
【0010】本発明で用いられるシリカ系無機粒子はそ
の比表面積が500m2/g以上であることが好まし
い。この比表面積が小さい場合には吸湿性能が不十分な
ものしか得られない。
【0011】本発明で用いられるシリカ系無機粒子はそ
の細孔容積が0.5(ml/g)以上であることが好ま
しい。この細孔容積が小さい場合には吸湿性能が不十分
なものしかえられない。
【0012】本発明において用いられるシリカ系無機粒
子の平均粒径は重合時の増粘性、溶融成型性から0.0
1〜10μmが好ましい。より好ましいシリカ系無機微
粒子の平均粒径は0.1〜5μmである。
【0013】また本発明で用いるシリカ系無機粒子に
は、吸湿性という観点から3個/nm 2 以上のシラノー
ル基が粒子表面に存在することが好ましい。
【0014】また、シリカ系無機粒子の標準状態での吸
湿率は、これを用いた合成繊維の吸湿性を高めるため、
高ければ高い方が好ましいが、20%以上であることが
好ましく、さらに好ましくは25%以上である。
【0015】本発明のシリカ系無機粒子には該粒子と相
反する表面電位を有する無機粒子を含有する必要があ
る。両者を併用することで吸湿性能を維持できるばかり
か、粒子分散性に優れたポリエステル繊維とすることが
できる。表面電位は、ζ−電位として測定でき、純水中
に無機粒子を添加して稀薄スラリーとし、通常の電気泳
動法によって測定した値である。無機粒子の濃度は、ζ
−電位に直接関係ないが無機粒子を純水中に分散させる
に際して、通常、無機粒子を純水に対して1〜100p
pmの濃度とするのが好ましい。
【0016】表面電位の相反する無機粒子としては特に
限定されないが、細孔容積が0.5ml/g以上、比表
面積が500m2/g以上のシリカ系無機粒子がマイナ
スの電位であればプラス帯電の無機粒子を用いる。ζ−
電位がマイナスの無機粒子としては、酸化珪素、酸化チ
タンなどが挙げられるが、好ましくは酸化珪素である。
ζ−電位がプラスの無機粒子としては、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニ
ウムなどおよびこれらの複合酸化物や、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、フッカカルシウム
の少なくとも1種を挙げることができる。これらの無機
粒子のうち、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化ジ
ルコニウム、フッカカルシウムはポリエステル合成時の
溶融粘度を上昇を抑制でき生産安定性が良好となり好ま
しい。特に好ましくは、酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ムである。
【0017】本発明におけるポリエステルは、優れた強
度という観点から、その80モル%以上がアルキレンテ
レフタレート繰り返し単位からなるものであり、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,3−プロ
ピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レンジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等が
挙げられ、中でも繊維とした場合の強度、耐光性などの
点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,3−
プロピレンテレフタレートが好ましい。
【0018】このエチレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とするポリエステルは、本発明の目的を損なわ
ない範囲で他の第3成分が共重合されていてもよい。例
えば、テレフタル酸の代わりに用いうる化合物として
は、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸等の、芳香族、脂肪族、脂環
族ジカルボン酸及びそれらの誘導体を挙げることが出来
る。エチレングリコールの代わりに用いうるジオール化
合物としては、プロピレングリコール、テトラメチレン
グリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキ
レングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS
のような芳香族、脂肪族、脂環族のジオール化合物を挙
げることができる。なお、これらのポリマーには必要に
応じてたとえば艶消し剤、制電剤、消臭剤、微細孔形成
剤等を含有せしめても良い。
【0019】また、ポリマー自体の吸湿性を向上させる
目的から、スルホイソフタル酸金属塩を0.5〜20モ
ル%共重合することが好ましい。これらの共重合比率
は、十分な吸放湿性、強度という観点から、より好まし
くは1〜10モル%である。
【0020】さらに同様な目的から分子量600〜20
000のポリオキシアルキレングリコールを0.5〜1
5重量%共重合することが好ましく、より好ましくは2
〜10重量%である。また、用いるポリオキシアルキレ
ングリコールとして具体的にはポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール、ポリエチレンオキシド・ポリプロピレンオキ
シドブロック共重合体、ポリエチレンオキシド・ポリテ
トラメチレンオキシドブロック共重合体、ポリプロピレ
ンオキシド・ポリテトラメチレンオキシドブロック共重
合体等が挙げられるが、好ましくはポリエチレングリコ
ールである。
【0021】本発明で用いられるシリカ系無機粒子の添
加量は1〜20重量%である。添加量が1重量%に満た
ないとポリエステル組成物の吸放湿性が不十分となり、
また、20重量%を超えると組成物の溶融粘度が著しく
高くなるため成形が困難となる。より好ましい添加量は
5〜15重量%である。また、該粒子と相反する表面電
位を有する無機粒子の添加量としてはポリエステル組成
物の溶融粘度上昇抑制効果、耐熱性の観点から該粒子に
対して0.1〜20重量%が好ましい。より好ましい添
加量は0.5〜10重量%である。
【0022】実用上の着用快適性を得るためには合成繊
維の標準状態での吸湿率は1.0%以上が好ましく、さ
らに好ましくは1.5%以上である。
【0023】本発明においてポリエステルに無機粒子お
よび表面電位の相反する無機粒子を含有させる方法とし
ては、ポリエステルのエステル化あるいはエステル交換
反応時、重縮合反応時、重縮合反応後溶融成形前のいず
れかの段階において混合させればよく、予め混合した無
機粒子を合成段階に添加してもよいし、個別に添加して
反応缶内で混合してもよい。また、無機粒子を溶媒に分
散、粉砕させる段階で両者を共存させても勿論構わな
い。
【0024】本発明のポリエステルを用いる繊維の製法
としては従来公知の方法で製造することができ、以下に
製造法を示す。無機粒子含有ポリエステルを溶融し、紡
糸パックに導き口金吐出孔から紡出する。
【0025】紡出したフィラメント糸を所定の速度で引
取った後、一旦パッケージに巻上げ、得られた未延伸糸
を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸
を引取った後巻取ることなく連続して行い巻上げてもよ
いし、4000m/分以上の高速で引取り実質的に延伸
することなく一挙に所望の繊維性能を得る方法をとって
もよい。
【0026】直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸
を1000〜5000m/分で引取り、引続いて300
0〜6000m/分で延伸・熱固定する方法が挙げられ
る。
【0027】本発明の合成繊維の断面形状は丸ばかりで
なく、三角、偏平、多葉型などの異形断面でも良い。ま
た、該合成繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープ
ルのどちらでも良く、用途によって適宜選定される。布
帛形態としては、織物、編物、不織布など目的に応じて
適宜選択できる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法によって
求めた。
【0029】A.ポリエステルの極限粘度 [η] オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0030】B.粒子およびそれを含有した繊維の吸湿
率 吸湿率は粒子の場合、粒子1gを用い、また繊維の場合
には原糸または布帛1〜3gを用い、絶乾時の重量と標
準状態(20℃×65%RH)の雰囲気下、恒温恒湿器
(タバイ製PR−2G)中に24時間放置後の重量との
重量変化から、次式で求めた。 吸湿率(%)=(吸湿後の重量 − 絶乾時の重量)/
絶乾時の重量 ×100 C.粒子の平均粒径 粒子の平均粒径はHORIBA製粒径分析装置(LA−
700)にて測定を行った。
【0031】D.粒子の比表面積、細孔容積 窒素吸着法により、温度77Kで測定し、比表面積につ
いてはBET法、細孔容積についてはDH法で解析し
た。
【0032】E.表面のシラノール基の定量 微粉末シリカを圧力0.1kPa以下、温度120℃で乾燥し
た後ジオキサン中で水素化リチウムアルミニウムと反応させ水素量
を測定して求めた。
【0033】F.無機粒子の表面電位(ζ−電位) 無機粒子を純水中に均一に分散した後、PENKEM社
LASERZEETMModel501を用いて測定し
た。
【0034】G.ポリエステルチップのチップ化率 重合反応終了後に得られたチップ量を計量し次式で求め
た。80%以上を合格とした。 (チップ量/理論ポリマ量)×100 H.ポリエステル中の粒子分散性 ポリエステルチップをカバーガラス上で溶融し、光学顕
微鏡(300倍)で観察し1視野あたりの凝集粒子の個
数で判定した。
【0035】凝集粒子なし ○ 凝集粒子20個以下 △ 凝集粒子21個以上 × I.強度、伸度 東洋ボールドウィン社製テンシロン引張り試験機を用い
て試長20cm、引張り速度10cm/分の条件で応力−歪み曲
線から値を求めた。
【0036】実施例1 シリカ系無機粒子としてSiO2が95%以上、平均粒
径2.8μm、細孔容積1.10ml/g、比表面積が
610m2/g、シラノール基を3個/nm2有する湿式
シリカ粒子6.4重量部(ζ−電位が−18)にエチレ
ングリコール58重量部、粒子表面の電位が相反する無
機粒子としてζ−電位が+58の酸化アルミニウムをシ
リカ粒子に対して5重量部加えエチレングリコールスラ
リーとした。
【0037】ポリエステルとして、ジメチルテレフタル
酸194部、エチレングリコール124部、酢酸カルシ
ウム0.07部を加え、140〜230℃でメタノール
を留出しつつエステル交換反応を行った後、リン酸トリ
メチル0.05部のエチレングリコール溶液、上記の粒
子含有エチレングリコールスラリー、および三酸化アン
チモン0.03部を加え、0.1kPaの減圧下290
℃に昇温した条件下で重合を行いポリエステルを得た。
このポリエステルの特性を表2に示した。
【0038】該ポリエステルを溶融し、同心円口金から
吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理することに
より 83デシテックス24フィラメントのポリエステ
ル繊維を得た。この繊維を筒編み後、精練、染色し、吸
湿率を測定したところ1.3%であり、強伸度特性も良
好であった。
【0039】実施例2〜8、比較例1 実施例1においてポリエステル中のシリカ系無機粒子の
種類、添加量、該粒子と粒子表面の電位が相反する無機
粒子の種類、添加量を変更する以外は同様な方法により
ポリエステル繊維を得た。比較例1においてはシリカ系
無機粒子と粒子表面電位を同じとしたためポリエステル
合成時の粘度上昇が激しくチップ化率、粒子分散性が悪
く品位の劣る物であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】 実施例9 ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸194部、
エチレングリコール135部、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジメチル26.6部、酢酸カルシウム0.0
6部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつ
つエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.
04部のエチレングリコール溶液、実施例1記載の粒子
含有エチレングリコールスラリー、および三酸化アンチ
モン0.03部を加え、0.1kPaの減圧下290℃
に昇温した条件下で重合を行いポリエステルを得た。こ
のポリエステルのシリカ粒子の含有量は6重量%、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合量は5mol%で
あった。
【0042】該ポリエステルを溶融し、同心円口金から
吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理することに
より 83デシテックス24フィラメントのポリエステ
ル繊維を得た。この繊維を筒編み後、精練、染色し、吸
湿率を測定したところ吸湿率2.5%であり、強伸度特
性も強度3.3CN/dtex、伸度39.5%で良好であっ
た。
【0043】実施例10 ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸194部、
エチレングリコール124部、酢酸カルシウム0.07
部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつ
エステル交換反応を行った後、分子量2000のポリエ
チレングリコール20部、リン酸トリメチル0.05部
のエチレングリコール溶液、実施例1記載の粒子含有エ
チレングリコールスラリー、および三酸化アンチモン
0.02部を加え、0.1kPaの減圧下290℃に昇
温した条件下で重合を行いポリエステルを得た。このポ
リエステルのシリカ粒子の含有量は6重量%、ポリエチ
レングリコールの共重合量は10重量%であった。
【0044】該ポリエステルを溶融し、同心円口金から
吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理することに
より 83デシテックス24フィラメントのポリエステ
ル繊維を得た。この繊維を筒編み後、精練、染色し、吸
湿率を測定したところ2.4%であり、強伸度特性も強
度3.4CN/dtex、伸度37.1%で良好であった。
【0045】実施例11 シリカ系無機粒子としてSiO2が95%以上、平均粒
径2.8μm、細孔容積1.10ml/g、比表面積が
610m2/g、シラノール基を3個/nm2有する湿式
シリカ粒子6.4重量部(ζ−電位が−18)に1,3
−プロパンジオール58重量部、粒子表面の電位が相反
する無機粒子としてζ−電位が+58の酸化アルミニウ
ムをシリカ粒子に対して5重量部加え1,3−プロパン
ジオールスラリーとた。
【0046】ポリエステルとして、ジメチルテレフタル
酸194部、1,3−プロパンジオール152部、テト
ラブチルチタネート0.1部を加え、140〜230℃
でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った
後、リン酸トリメチル0.02部の1,3−プロパンジ
オール溶液、上記の粒子含有1,3−プロパンジオール
スラリーを加え、0.1kPaの減圧下250℃温度一
定の条件下で重合を行いポリエステルを得た。このポリ
エステルの特性を表2に示した。
【0047】該ポリエステルを溶融し、同心円口金から
吐出して未延伸糸を得、次いで延伸、熱処理することに
より 83デシテックス24フィラメントのポリエステ
ル繊維を得た。この繊維を筒編み後、精練、染色し、吸
湿率を測定したところ1.4%であり、強伸度特性も強
度3.0CN/dtex、伸度35.1%で良好であった。
【0048】
【発明の効果】本発明によって得られた合成繊維は着用
快適性を得るのに十分な吸湿性を有するばかりか、生産
性にも優れるものである。また、ドライタッチな風合い
と高い染色堅牢性や耐光性を有している。本発明の合成
繊維は下着、シャツ、ブラウス類、中衣、スポーツウェ
ア、スラックス類、外衣、裏地、カーテン、壁紙、さら
には、シーツ、フトンカバー、詰め綿等の寝装用に適し
ており、極めて実用性の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 D01F 6/84 305 D01F 6/84 305A 305B 6/86 301 6/86 301D Fターム(参考) 4J002 CF06 CF10 CF14 DJ01 FB07 GK01 4J029 AA03 AB04 AC02 AD01 AE02 BA03 BF25 CB05 CB06 CH02 DB01 HA01 HB01 HB02 JA29 4L035 AA05 BB31 EE05 EE07 EE20 FF04 FF10 HH01 JJ05 JJ06 JJ07 KK01 KK03 KK05 KK08 KK10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細孔容積が0.5ml/g以上、比表面積
    が500m2/g以上のシリカ系無機粒子1〜20重量
    %と、該シリカ系無機粒子とは粒子表面の電位が相反す
    る無機粒子を含有してなる吸湿性に優れたポリエステル
    繊維。
  2. 【請求項2】シリカ系無機粒子が湿式法で得られたシリ
    カ粒子である請求項1記載のポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】シリカ系無機粒子とは粒子表面の電位が相
    反する無機粒子が酸化アルミニウム、フッ化カルシウ
    ム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウムの少なくとも一種
    の中から選ばれた請求項1または2に記載のポリエステ
    ル繊維。
  4. 【請求項4】ポリエステル繊維の吸湿率が1.0%以上
    である請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸湿性に優
    れたポリエステル繊維。
  5. 【請求項5】ポリエステルとして、その80モル%以上
    がアルキレンテレフタレート繰り返し単位からなるポリ
    エステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の吸湿性に優れたポリエステル繊維。
  6. 【請求項6】ポリエステルの全酸成分に対して0.5〜
    20モル%のスルホイソフタル酸金属塩成分を共重合し
    たことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の吸湿性に優れたポリエステル繊維。
  7. 【請求項7】ポリエステルに対し分子量600〜200
    00のポリオキシアルキレングリコールを0.5〜15
    重量%共重合したことを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の吸湿性に優れたポリエステル繊維。
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