JP2002353421A - 強誘電体メモリ素子及びそれを備えた電子機器 - Google Patents

強誘電体メモリ素子及びそれを備えた電子機器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 50nm以下の薄い膜厚領域において、高い
分極モーメント及び高いキュリー温度を有する強誘電体
メモリ素子及びこの素子を備えた電子機器を提供するこ
と。 【解決手段】三方晶のBaTiO3を擬立方晶<111>
に配向させて記録層3とする。このBaTiO3の結晶
構造を擬立方晶<111>方向に、バルクに比べて2%以
上ひきのばすことで、分極モーメント及びキュリー温度
を高める。記録層3の結晶構造をひずませるためには下
地層となる電極層2に対するエピタキシャル成長を用い
る。このような記録層を備えた強誘電体メモリ素子。こ
のような強誘電体メモリ素子を備えた電子機器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い分極モーメン
ト及び高いキュリー温度を有する強誘電体メモリ素子、
特に強誘電体からなる記録層の膜厚が50nm以下の薄
い領域において、高い分極モーメント及び高いキュリー
温度を有する強誘電体メモリ素子、及びこの強誘電体メ
モリ素子を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】現在PbZr1-XTiX3(PZT)や
SrBi2Ta23(SBT)に代表される遷移金属酸
化物からなる強誘電体が、大容量で低消費電力を実現し
た不揮発性メモリ素子の記録材料として実用化されてい
る。代表的な素子構造では、Pt、Irなどの下部電極
の上に強誘電体であるPZTやSBTを積層し、更にP
t、Irなどの上部電極を積層してキャパシタを構成す
る。素子特性としては高い分極モーメント及びキュリー
温度が望まれる。センスアンプの感度からの要請として
分極モーメントは少なくとも10μC/cm2以上が求
められる。また記録データの信頼性の観点からキュリー
温度は200℃以上が好ましい。更に使用温度範囲内
(例えば−10℃〜+100℃)で構造相転移が現れな
いことが必要である。
【0003】一方最近では、将来のギガビットメモリを
めざして素子構造のさらなる微細化が進められている。
これは同時に強誘電体材料の薄膜化を要求する。例えば
デザインルール0.35μmでは150nmの厚みで良
かったものが、デザインルール0.10μmを切るあた
りから50nm、更には20nmの厚みが求められてい
る。そこでこのように薄い膜厚領域であっても高い特性
を有する強誘電体材料が必要となってきた。
【0004】50nm以下の薄い膜厚領域においては、
下部電極に対して強誘電体膜をエピタキシャル成長させ
ることが可能になる。Japanese Journal of Applied Ph
ysics Vol.38(1999)pp.5305によると、<001>方向
に配向した正方晶のBaTiO3をエピタキシャル成長
させて記録層とし、バルクのBaTiO3に比べて高い
分極モーメント及び高いキュリー温度を得ている。この
時のBaTiO3の膜厚は12nmである。また下部電極
は(001)面のSrTiO3基板の上に積層されたS
rRuO3である。そこではBaTiO3の正方晶でのa
軸長が、エピタキシャル成長によりSrTiO3のa軸長
391pmに一致するように圧縮される。このときポア
ソン比を維持するためにBaTiO3のc軸長は437
pmにまで引き伸ばされる。この引き伸ばされた結晶構
造をもつBaTiO3における分極モーメントは約35
μC/cm2であり、またキュリー温度は350℃以上
とみつもられている。一方でバルクのBaTiO3では
分極モーメントが29μC/cm2、キュリー温度が1
20℃である。従って薄い膜厚領域でのエピタキシャル
成長を用いた結晶格子の引き伸ばしは、分極モーメント
及びキュリー温度を上げるうえで大変有効な手段であ
る。特にキュリー温度の飛躍的な増大は、BaTiO3
を強誘電体メモリ材料の有力な候補の一つにせしめたと
いえる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし強誘電体メモリ
素子に求められる高密度大容量化の流れは、従来技術よ
りも更に高い分極モーメントを必要としている。その理
由は、素子が微細化してキャパシタの面積が低下する
と、センスアンプに入る電荷量を確保するために記憶層
を構成する強誘電体により高い分極モーメントが求めら
れるからである。そこで本発明の第1の目的は、高い分
極モーメントを有しかつ高いキュリー温度を持つ強誘電
体記録層を持つ強誘電体メモリ素子を提供することであ
る。
【0006】次に、エピタキシャル成長を用いてBaT
iO3の特性を上げようとしたとき、従来の技術で述べ
たようにまず配向したペロブスカイト型酸化物の下部電
極を形成することが必要である。しかし強誘電体メモリ
素子は通常アモルファスの酸化物、特にSiO2の上に
形成されるため、配向したペロブスカイト型酸化物の下
部電極を形成することが難しかった。このためアモルフ
ァスのSiO2あるいはSiOFなどの酸化物上であっ
てもペロブスカイト型酸化物の配向膜を得る方法を見い
だすことが課題となっていた。更に、バルクにおいて正
方晶よりも大きな分極モーメント及び高いキュリー点を
有する三方晶のBaTiO3を、薄膜である記録層に用
いることも課題となっていた。そこで、本発明の第2の
目的は、アモルファスの酸化物上であっても形成される
ペロブスカイト型酸化物の配向膜からなる電極と、その
上にエピタキシャル成長させて形成された三方晶のBa
TiO3記録層とを有し、前記エピタキシャル成長によ
って生じる巨大な応力に起因する、高い分極モーメント
と高いキュリー温度を持つ強誘電体記録層を有する強誘
電体メモリ素子を提供することである。
【0007】更に、メモリ素子としての信頼性、特に1
12回以上の繰り返し記録再生を保証することが望まし
い。そこで、本発明の第3の目的は、アモルファスの酸
化物上であっても形成されるペロブスカイト型酸化物の
配向膜からなる電極と、その上にエピタキシャル成長さ
せて形成された三方晶のBaTiO3記録層とを有し、
前記エピタキシャル成長によって生じる巨大な応力に起
因する、高い分極モーメントと高いキュリー温度を持
ち、かつ繰り返し記録再生に関して信頼性の高い強誘電
体メモリ素子を提供することを目的とする。
【0008】本願発明の第4の目的は、上記のような強
誘電体メモリ素子を備えた電子機器を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
三方晶のBaTiO3を擬立方晶<111>方向に配向さ
せて記録層とし、前記擬立方晶<111>方向の分極モー
メントを信号の記録読み出しに利用することを特徴とす
る強誘電体メモリ素子である。これによって前記記録層
に高い分極モーメント及び高いキュリー温度を得ること
ができる。
【0010】前記強誘電体メモリ素子において、前記記
録層の厚みを50nm以下とすることが好ましい。これ
によってデザインルール約0.10μm以下の微細なメ
モリ素子が要求する強誘電体記録層の薄膜化要求に応え
ることができる。
【0011】前記BaTiO3の結晶構造における単位
格子が、バルクの最安定状態である三方晶の結晶構造に
比べて前記擬立方晶<111>方向に引き伸ばされている
ことが好ましい。これによって、前記記録層に高い分極
モーメント及び高いキュリー温度を得ることができる。
【0012】前記強誘電体メモリ素子において、前記引
き伸ばし量は2%以上であることが好ましい。これによ
って、前記記録層に高い分極モーメント及び高いキュリ
ー温度を確実に得ることができる。また、前記強誘電体
メモリ素子において、前記記録層の厚みは50nm以下
であることが好ましい。これによってデザインルール約
0.10μm以下の微細なメモリ素子が要求する強誘電
体記録層の薄膜化要求に応えることができる。
【0013】本発明の第2の態様は、第1の電極層の上
に、三方晶のBaTiO3を擬立方晶<111>方向に配
向させて記録層とし、前記BaTiO3の結晶構造にお
ける単位格子を、バルクの最安定状態である三方晶の結
晶構造に比べて前記擬立方晶<111>方向に引き伸ば
し、前記引き伸ばし量を2%以上とし、前記記録層の上
に第2の電極層を積層し、前記擬立方晶<111>方向の
分極モーメントを信号の記録読み出しに利用することを
特徴とする強誘電体メモリ素子である。これによって、
前記記録層に高い分極モーメント及び高いキュリー温度
を得ることができる。
【0014】前記強誘電体メモリ素子において、前記記
録層の厚みを50nm以下とすることが好ましい。これ
によってデザインルール約0.10μm以下の微細なメ
モリ素子が要求する強誘電体記録層の薄膜化要求に応え
ることができる。
【0015】前記第1の電極層及び前記第2の電極層は
SrRuO3とするとよい。また前記第1の電極層及び
前記第2の電極層を導体化したSrTiO3としてもよ
い。これによって、前記BaTiO3の結晶構造におけ
る単位格子を、バルクの最安定状態である三方晶の結晶
構造に比べて前記擬立方晶<111>方向に引き伸ばすこ
とが可能であり、更に、前記引き伸ばし量を2%以上と
することが可能になる。
【0016】本発明の第3の態様は、立方晶系の構造を
有しかつ<111>方向に配向した金属からなる第1の
電極層と、前記第1の電極層の上に積層され、かつ擬立
方晶<111>配向したペロブスカイト型構造からなる第
2の電極層と、前記第2の電極層の上に積層され、かつ
擬立方晶<111>方向に配向した三方晶のBaTiO 3
からなる記録層と、前記記録層の上に積層され、前記記
録層における擬立方晶<111>方向の分極モーメントを
信号の記録読み出しに利用するための第3の電極層、と
を有すること特徴とする強誘電体メモリ素子である。上
記構成によれば、アモルファスの酸化物上であってもペ
ロブスカイト型酸化物の配向膜からなる電極を形成で
き、その上に高い分極モーメントと高いキュリー温度を
有する記録層を形成した強誘電体メモリ素子を提供する
ことができる。特に記録層として、より分極モーメント
の大きな三方晶のBaTiO3を用いることができるよ
うになる。
【0017】前記擬立方晶<111>方向に配向した三方
晶のBaTiO3からなる記録層のBaTiO3の結晶構
造における単位格子が、前記BaTiO3のバルクの最
安定状態である三方晶の結晶構造に比べて前記擬立方晶
<111>方向に引き伸ばされたものであることが好まし
い。上記構成によれば、アモルファスの酸化物上であっ
てもペロブスカイト型酸化物の配向膜からなる電極を形
成でき、その上にエピタキシャル成長による巨大な応力
を用いて高い分極モーメントと高いキュリー温度を有す
る記録層を形成した強誘電体メモリ素子を提供すること
ができる。特に記録層として、より分極モーメントの大
きな三方晶のBaTiO3を用いることができるように
なる。
【0018】前記第1の電極層を面心立方構造のPtと
することが好ましい。その上に、擬立方晶<111>配向
した良好なペロブスカイト型構造からなる第2の電極層
を形成することが容易であるからである。また、前記第
1の電極層をPtとし、前記第2の電極層をSrRuO
3とすることが好ましい。この場合には、良好なSrR
uO3第2電極層を形成することができ、このSrRu
3電極層の上に、良好な、擬立方晶<111>方向に配
向した三方晶のBaTiO3からなる記録層を形成する
ことができるからである。また、前記第1の電極層をP
tとし、前記第2の電極層を導体化したSrTiO3
することも好ましい。この場合にも、良好な第2のSr
TiO3電極層を形成することができ、このSrTiO3
電極層の上に、良好な、擬立方晶<111>方向に配向し
た三方晶のBaTiO3からなる記録層を形成すること
ができるからである。
【0019】また、前記第1の電極層をアモルファス酸
化物の上に積層するとよい。第3の態様によれば、アモ
ルファス酸化物の上に前記立方晶系の構造を有しかつ<
111>方向に配向した金属からなる第1の電極層を形
成することができ、その上に前記擬立方晶<111>配向
したペロブスカイト型構造からなる第2の電極を、更に
その上に擬立方晶<111>方向に配向した三方晶のBa
TiO3からなる記録層を、又は擬立方晶<111>方向
に配向し、かつ擬立方晶<111>方向に引き伸ばされ
た、三方晶のBaTiO3からなる記録層を形成するこ
とができ、このようにして得られた強誘電体メモリ素子
が提供されるからである。
【0020】本発明の第4の態様は、IrあるいはIr
の酸化物からなる第1の電極層と、第1の電極の上に積
層された面心立方構造を有しかつ<111>方向に配向
したPtからなる第2の電極層と、第2の電極の上に積
層された擬立方晶<111>配向したペロブスカイト型構
造からなる第3の電極層と、第3の電極の上に積層され
た擬立方晶<111>方向に配向した三方晶のBaTiO
3からなる記録層と、記録層の上に積層された擬立方晶<
111>配向したペロブスカイト型構造からなる第4の
電極層からなり、前記BaTiO3の結晶構造における
単位格子が、前記BaTiO3のバルクの最安定状態で
ある三方晶の結晶構造に比べて前記擬立方晶<111>方
向に引き伸ばされており、前記記録層における擬立方晶
<111>方向の分極モーメントが信号の記録読み出しに
利用される強誘電体メモリ素子である。
【0021】上記構成によれば、アモルファスの酸化物
上であってもペロブスカイト型酸化物の配向膜からなる
電極を形成でき、その上に高い分極モーメントと高いキ
ュリー温度を有する記録層を形成した強誘電体メモリ素
子を提供することができる。特に記録層として、より分
極モーメントの大きな三方晶のBaTiO3を用いるこ
とができるようになる。またIrからなる電極層は酸素
拡散に対するバリア層として働くので繰り返し記録再生
に関する信頼性が高まる。
【0022】前記第3の電極層をSrRuO3とするこ
とが好ましい。この場合には、良好なSrRuO3第3
電極層を形成することができ、このSrRuO3電極層
の上に、良好な、擬立方晶<111>方向に配向し、擬立
方晶<111>方向に引き伸ばされた三方晶のBaTiO
3からなる記録層を形成することができるからである。
また、前記第3の電極層を導体化したSrTiO3とす
ることも好ましい。この場合にも、良好な第3のSrT
iO3電極層を形成することができ、このSrTiO3
極層の上に、良好な、擬立方晶<111>方向に配向し、
擬立方晶<111>方向に引き伸ばされた三方晶のBaT
iO3からなる記録層を形成することができるからであ
る。
【0023】また、IrあるいはIrの酸化物からなる
前記第1の電極層をアモルファス酸化物の上に積層する
とよい。第4の態様によれば、アモルファス酸化物の上
にIrあるいはIrの酸化物からなる前記第1の電極層
を形成することができ、その上に前記面心立方構造を有
しかつ<111>方向に配向したPtからなる第2の電
極層を、その上に前記擬立方晶<111>配向したペロブ
スカイト型構造からなる第3の電極層を、更にその上に
擬立方晶<111>方向に配向し、かつ擬立方晶<111>
方向に引き伸ばされた、三方晶のBaTiO3からなる
記録層を、更にその上に擬立方晶<111>配向したペロ
ブスカイト型構造からなる第4の電極層を形成すること
ができ、このようにして得られた強誘電体メモリ素子が
提供されるからである。さらに前記第4の電極層の上に
IrあるいはIrの酸化物からなる第5の電極層を積層
するとよい。これによって、記録層の耐還元性が高まり
半導体プロセスにおける製造マージンが広がる。
【0024】本願発明の第5の態様は、上記強誘電体メ
モリ素子を備えた電子機器である。この電子機器は、上
述のような優れたメモリ素子を備える故に、コンパクト
で記録データの信頼性の高い電子機器を提供することが
できる。
【0025】
【発明の実施形態】〔実施形態1〕図1は、本実施形態
1の強誘電体メモリ素子の断面図である。この図におい
て、1は基板、2は基板1の上に積層された電極層、3
は電極層2の上に形成された記録層、4は記録層3の上
に形成された電極層である。基板1として、SrTiO
3、CaTiO3等のペロブスカイト構造を有する酸化物
を使用することができる。この層の配向方向は擬立方晶
<111>であることができる。電極層2として、SrR
uO3又はNb,La,等の不純物を約0.1〜5at
%(原子%)含有させて導体化したSrTiO3、又は
LaSrMnO3等を使用することができる。この層の
厚さは、10〜500nmが好ましく、更に好ましくは
20〜300nmである。この層の厚さが薄過ぎると、
この層の抵抗値が高くなり、そのためこの強誘電体メモ
リ素子を用いた電子機器の消費電力が増すので好ましく
ない。また、その上に積層するBaTiO3の格子を引
き伸ばすことができなくなる。この層の厚さが厚過ぎる
と、成膜時間が長くなってしまい、コスト上昇の原因と
なる。また、メモリ素子を微細化したときに、高さ方向
のアスペクト比が伸びてしまい、このメモリ素子を安定
して製造するのが困難となる。この層の配向方向は、擬
立方晶<111>であることができる。
【0026】記録層3は、擬立方晶<111>方向に配向
した三方晶のBaTiO3である。この層の厚さは、2
〜50nmである。この厚さが2nmより小さくなった
り、50nmより大きくなると、分極モーメントの値が
急速に小さくなるからである。この層の厚さは、更に好
ましくは5〜30nmである。ギガビットメモリにおけ
る強誘電体層の薄膜化の要求に応えることができるから
である。
【0027】また、この層は、擬立方晶<111>方向へ
結晶単位格子が引き伸ばされ、その引き伸ばし量が2%
以上であることが好ましい。この引き伸ばし量が、2%
より大きいと、分極モーメントがバルクの値よりも有意
に大きくなるからである。この引き伸ばし量が8%を超
えることは、製作上実現が困難となる。
【0028】電極層4として、SrRuO3、又はN
b,La等の不純物を含有させて導体化したSrTiO
3、又はLaSrMnO3等を使用することができる。こ
の層の厚さは、10〜500nmが好ましく、更に好ま
しくは20〜300nmである。この層の厚さが薄過ぎ
ると、この層の抵抗値が高くなり、そのためこの強誘電
体メモリ素子を用いた電子機器の消費電力が増すので好
ましくない。この層の厚さが厚過ぎると、成膜時間が長
くなってしまい、コスト上昇の原因となる。また、メモ
リ素子を微細化したときに、高さ方向のアスペクト比が
伸びてしまい、このメモリ素子を安定して製造するのが
困難となる。
【0029】上記各層の配向は、基板1が擬立方晶<1
11>方向のときは、電極層2の配向は擬立方晶<111
>方向となり、その上の記録層3の配向は、擬立方晶<1
11>方向となり、その上の電極層4の配向は、擬立方
晶<111>方向となる。これらの層は、レーザーアブレ
ーション法、スパッタ法、MBE法、CVD法等の方法
で形成することができる。このときの成膜温度は、50
0〜800℃が好ましい。
【0030】〔実施形態2〕図4は、本実施形態2の強
誘電体メモリ素子の断面図である。この図において、1
1は基板、12は基板1の上に積層されたアモルファス
層、13はアモルファス層12の上に積層された、<1
11>方向に配向した金属からなる第1の電極層、14
は第1の電極層13の上に積層された擬立方晶<111>
方向に配向したペロブスカイト型構造からなる第2の電
極層、15は第2の電極層の上に形成され、擬立方晶<
111>方向に配向した三方晶のBaTiO3からなる記
録層、16は記録層15の上に積層された擬立方晶<1
11>方向に配向したペロブスカイト型構造からなる第
3の電極層である。
【0031】基板11として、(001)面、(11
1)面、又は(110)面でカットされたSi単結晶、
Si−Ge結晶等を使用することができる。この層の配
向方向は<001>、<111>又は<110>である
ことができる。アモルファス層12として、SiO2
SiOF等を使用することができる。このアモルファス
層の厚さは、10〜200nmであることが好ましい。
基板11がSi単結晶の場合にはその表面を熱酸化する
ことにより、容易にSiO2アモルファス層12を形成
することができる。本発明では、このようにして形成さ
れたSiO2アモルファス層12も、それが積層されて
いると記述する。
【0032】<111>方向に配向した金属からなる第
1の電極層13として、Pt等を使用することができ
る。この第1の電極層13の厚さは、10〜500nm
であることが好ましい。更に、好ましくは、この厚さは
20〜300nmである。この電極は、スパッタリング
法等の方法により形成することができる。このときの成
膜温度は、0〜100℃が好ましい。
【0033】擬立方晶<111>方向に配向したペロブス
カイト型構造からなる第2の電極層14として、SrR
uO3又はNb,La等の不純物を含有させて導体化し
たSrTiO3、又はLaSrMnO3等を使用すること
ができる。この層の厚さは、10〜500nmが好まし
く、更に好ましくは20〜300nmである。この層の
厚さが薄過ぎると、この層の抵抗値が高くなり、そのた
めこの強誘電体メモリ素子を用いた電子機器の消費電力
が増すので好ましくない。また、その上に積層するBa
TiO3の格子を引き伸ばすことができなくなる。この
層の厚さが厚過ぎると、成膜時間が長くなってしまい、
コスト上昇の原因となる。また、メモリ素子を微細化し
たときに、高さ方向のアスペクト比が伸びてしまい、こ
のメモリ素子を安定して製造するのが困難となる。この
層14の配向方向はで擬立方晶<111>方向であること
ができる。
【0034】記録層15は、第2の電極層の上に形成さ
れ、擬立方晶<111>方向に配向した三方晶のBaTi
3からなる。この層15の厚さ及び擬立方晶<111>
方向へ結晶単位格子が引き伸ばされることに関しては、
上記第1の実施形態の場合と同じことが言える。
【0035】第3の電極層16は、記録層15の上に積
層された擬立方晶<111>方向に配向したペロブスカイ
ト型構造からなる。第3の電極層16として、SrRu
3又はNb,La等の不純物を含有させて導体化した
SrTiO3、又はLaSrMnO3等を使用することが
できる。この層の厚さは、10〜500nmが好まし
く、更に好ましくは20〜300nmである。この層の
厚さが薄過ぎると、この層の抵抗値が高くなり、そのた
めこの強誘電体メモリ素子を用いた電子機器の消費電力
が増すので好ましくない。この層の厚さが厚過ぎると、
成膜時間が長くなってしまい、コスト上昇の原因とな
る。また、メモリ素子を微細化したときに、高さ方向の
アスペクト比が伸びてしまい、このメモリ素子を安定し
て製造するのが困難となる。
【0036】第2の電極14、記録層15及び第3の電
極16の成膜方法としては、レーザーアブレーション
法、スパッタ法、MBE法、CVD法等がある。このと
きの成膜温度は、500〜800℃が好ましい。
【0037】〔実施形態3〕図6に、本実施形態3の断
面図を示す。この図において、21は基板、22は基板
21の上に形成されたアモルファス層、23はアモルフ
ァス層22の上に積層されたIr又はIr酸化物からな
る第1の電極層、24は第1の電極層23の上に積層さ
れ、面心立方構造を有しかつ<111>方向に配向した
Ptからなる第2の電極層、25は第2の電極層24の
上に積層され、擬立方晶<111>配向したペロブスカイ
ト型構造からなる第3の電極層、26は第3の電極層2
5の上に積層され、擬立方晶<111>方向に配向した三
方晶のBaTiO3からな記録層、27は記録層26の
上に積層され、擬立方晶<111>配向したペロブスカイ
ト型構造からなる第4の電極層である。前記記録層26
のBaTiO3の結晶構造における単位格子は、前記B
aTiO3のバルクの最安定状態である三方晶の結晶構
造に比べて前記擬立方晶<111>方向に引き伸ばされ、
前記記録層における擬立方晶<111>方向の分極モーメ
ントが信号の記録読み出しに利用される。
【0038】基板21として、(001)面、(11
1)面、又は(110)面でカットされたSi単結晶、
Si−Ge結晶等を使用することができる。この層の配
向方向は<001>、<111>又は<110>である
ことができる。アモルファス層22として、SiO2
SiOF等を使用することができる。このアモルファス
層の厚さは、10〜200nmであることが好ましい。
基板21がSi単結晶の場合にはその表面を熱酸化する
ことにより、容易にSiO2アモルファス層22を形成
することができる。本発明では、このようにして形成さ
れたSiO2アモルファス層22も、それが積層されて
いると記述する。
【0039】この第3の実施形態では、上記アモルファ
ス層の上に先ず、Ir又はIr酸化物の層23を形成す
る。この層が存在することにより、後述のように、アモ
ルファス層の上に直接Ptを積層する場合に較べて、繰
り返し記録再生特性の優れたメモリ素子を提供すること
ができる。この層の厚さは、10〜500nmが好まし
く、更に好ましくは20〜300nmである。
【0040】上記Ir又はIr酸化物の層23に積層さ
れる<111>方向に配向した金属からなる第2の電極
層24として、Pt等を使用することができる。この第
2の電極層の厚さは、10〜500nmであることが好
ましい。更に好ましくは、この厚さは20〜300nm
である。
【0041】これら第1及び第2の電極23、24は、
スパッタリング法等の方法により形成することができ
る。このときの成膜温度は、0〜100℃が好ましい。
【0042】擬立方晶<111>方向に配向したペロブス
カイト型構造からなる第3の電極層25として、SrR
uO3又はNb,La等の不純物を含有させて導体化し
たSrTiO3、LaSrMnO3等を使用することがで
きる。この層25の厚さは、10〜500nmが好まし
く、更に好ましくは20〜300nmである。この層の
厚さが薄過ぎると、この層の抵抗値が高くなり、そのた
めこの強誘電体メモリ素子を用いた電子機器の消費電力
が増すので好ましくない。また、その上に積層するBa
TiO3の格子を引き伸ばすことができなくなる。この
層の厚さが厚過ぎると、成膜時間が長くなってしまい、
コスト上昇の原因となる。また、メモリ素子を微細化し
たときに、高さ方向のアスペクト比が伸びてしまい、こ
のメモリ素子を安定して製造するのが困難となる。
【0043】記録層26は、第3の電極層25の上に形
成され、擬立方晶<111>方向に配向した三方晶のBa
TiO3からなる。この層の厚さ及び擬立方晶<111>
方向へ結晶単位格子が引き伸ばされることに関しては、
上記第1の実施形態の場合と同じことが言える。
【0044】第4の電極層27は、記録層26の上に積
層された擬立方晶<111>方向に配向したペロブスカイ
ト型構造からなる。第4の電極層27として、SrRu
3又はNb,La等の不純物を含有させて導体化した
SrTiO3、又はLaSrMnO3等を使用することが
できる。この層の厚さは、10〜500nmが好まし
く、更に好ましくは20〜300nmである。この層の
厚さが薄過ぎると、この層の抵抗値が高くなり、そのた
めこの強誘電体メモリ素子を用いた電子機器の消費電力
が増すので好ましくない。この層の厚さが厚過ぎると、
成膜時間が長くなってしまい、コスト上昇の原因とな
る。また、メモリ素子を微細化したときに、高さ方向の
アスペクト比が伸びてしまい、このメモリ素子を安定し
て製造するのが困難となる。
【0045】第3の電極25、記録層26及び第4の電
極27の成膜方法としては、レーザーアブレーション
法、スパッタ法、MBE法、CVD法等がある。このと
きの成膜温度は、500〜800℃が好ましい。
【0046】〔実施形態4〕本実施形態4は、上記実施
形態2の強誘電体メモリ素子と同様の強誘電体メモリ素
子を備えた強誘電体メモリ装置である。図7は本実施形
態4における強誘電体メモリ装置2000を模式的に示
す平面図である。また、図8は図7のA−Aに沿った一
部分を模式的に示す断面図である。これら図において、
100はマトリックス状のメモリセルアレイ、200は
メモリセルを選択するMOSトランジスタを含む周辺回
路である。周辺回路200の最上部は、保護層を兼ねた
層間絶縁膜のアモルファス層112である。113はア
モルファス層112の上に積層された、<111>方向
に配向した金属からなる第1の電極層、114は第1の
電極層113の上に積層された擬立方晶<111>方向に
配向したペロブスカイト型構造からなる第2の電極層、
115は第2の電極層の上に形成され、擬立方晶<11
1>方向に配向した三方晶のBaTiO3からなる記録
層、116は記録層115の上に積層された擬立方晶<
111>方向に配向したペロブスカイト型構造からなる
第3の電極層、117は記録層115及び第3の電極層
116の上に形成された保護層である。前記第1電極層
113、第2電極層114、記録層115、第3電極層
116は実施形態2の方法に準じて形成することができ
る。
【0047】記録層115及び第3の電極層116の上
に形成された保護層117は、SiO2から構成され得
る。これら保護層としての酸化物または窒化物からなる
薄膜は、レーザーアブレーション法、CVD法等の方法
で形成することができる。前記第2の電極と第3の電極
の交差する部分が上記実施形態2の強誘電体メモリ素子
に相当する。
【0048】〔実施形態5〕本実施形態5は、上記実施
形態3の強誘電体メモリ素子と同様の強誘電体メモリ素
子を備えた強誘電体メモリ装置である。図9は本実施形
態5における強誘電体メモリ装置3000を模式的に示
す平面図である。また、図10は図9のB−Bに沿った
一部分を模式的に示す断面図である。これら図におい
て、300はマトリックス状のメモリセルアレイ、40
0はメモリセルを選択するMOSトランジスタを含む周
辺回路である。周辺回路400の最上部は、保護層を兼
ねた層間絶縁膜のアモルファス層122である。123
はアモルファス層122の上に積層されたIr又はIr
酸化物からなる第1の電極層、124は第1の電極層1
23の上に積層され、面心立方構造を有しかつ<111
>方向に配向したPtからなる第2の電極層、125は
第2の電極層124の上に積層され、擬立方晶<111>
配向したペロブスカイト型構造からなる第3の電極層、
126は第3の電極層125の上に積層され、擬立方晶
<111>方向に配向した三方晶のBaTiO3からな記
録層、127は記録層126の上に積層され、擬立方晶
<111>配向したペロブスカイト型構造からなる第4の
電極層、128は記録層126及び第4の電極層127
の上に形成された保護層である。前記記録層126のB
aTiO3の結晶構造における単位格子は、前記BaT
iO3のバルクの最安定状態である三方晶の結晶構造に
比べて前記擬立方晶<111>方向に引き伸ばされ、前記
記録層における擬立方晶<111>方向の分極モーメント
が信号の記録読み出しに利用される。前記第1の電極層
123、第2の電極層124、第3の電極層125、記
録層126、第4の電極層127、保護層128は、実
施形態3の方法に準じて形成することができる。
【0049】記録層126及び第3の電極層127の上
に形成された保護層128は、SiO2から構成され得
る。これら保護層としての酸化物または窒化物からなる
薄膜は、レーザーアブレーション法、CVD法等の方法
で形成することができる。前記第3の電極と第4の電極
の交差する部分が上記実施形態3の強誘電体メモリ素子
に相当する。
【0050】〔実施形態6〕本実施形態6は、上記実施
の形態4又は5の強誘電体メモリ装置、従って上記実施
形態2又は3の強誘電体メモリ素子を備えた電子機器の
例である。図11(a)は、携帯電話の一例を示した斜
視図である。図11(a)において、符号1000は携
帯電話本体を示し、その内部には上記強誘電体メモリ装
置を用いたメモリ部1001が設けられている。
【0051】図11(b)は、腕時計型電子機器の一例
を示した斜視図である。図11(b)において、符号1
100は時計本体を示し、その内部には上記強誘電体メ
モリ装置を用いたメモリ部1101が設けられている。
【0052】図11(c)は、ワープロ、パソコンなど
の携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図
11(c)において、符号1200は情報処理装置、符
号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は
情報処理装置本体を示し、その内部には上記強誘電体メ
モリ装置を用いたメモリ部1206が設けられている。
【0053】また、他の電子機器の例としては、図示し
ていないものの、例えばカードに上記強誘電体メモリ装
置を用いたメモリ部が設けられた、いわゆるICカード
にも適用可能である。
【0054】図11(a)〜(c)に示す(ICカード
を含む)電子機器は、上記実施の形態で示した強誘電体
メモリ装置を備えているので、小型で、信頼性の高い電
子機器を実現することができる。
【0055】なお、本発明の技術範囲は、上記実施の形
態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0056】例えば、上記の強誘電体メモリ装置として
は、一個のMOSトランジスタと一個のキャパシタで構
成される、いわゆる1T1C型メモリセルや、二個のM
OSトランジスタと二個のキャパシタで構成される、い
わゆる2T2C型メモリセルにも適用可能である。
【0057】以下、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。 (実施例1)図1は本実施例1における強誘電体メモリ
素子の側面断面図である。(111)面でカットされた
SrTiO3基板1上にSrRuO3を積層し電極層2と
した。前記電極層2の上にBaTiO3を積層して記録
層3とした。更に前記記録層3の上にSrRuO3を積
層し電極層4とした。電極層2、記録層3及び電極層4
の膜厚は、それぞれ200nm、20nmと200nm
であった。電極層2、記録層3及び電極層4の成膜方法
はレーザーアブレーションによった。このときの成膜条
件はいずれも基板温度700℃、酸素分圧400mPa
(3mTorr)であった。
【0058】X線回折の解析によれば、記録層3のBa
TiO3は三方晶であり擬立方晶<111>方向に配向し
ていた。単位格子は、バルクの基底状態(極低温で最安
定な構造)である三方晶に比べて6%だけ擬立方晶<1
11>方向に引き伸ばされていた。ちなみにBaTiO3
のバルクにおける基底状態である三方晶では、格子定数
aは400pm、角度αは89°51'である。また電極
層2及び電極層4のSrRuO3の結晶構造は、擬立方
晶<111>方向に配向していた。
【0059】得られた分極モーメントは51μC/cm
2であった。キュリー温度は300℃以上であった。ま
た記録層3の分極モーメントは擬立方晶<111>方向を
向いていた。このことは得られた分極モーメントの値
が、後記する実施例3の計算で求めた結晶単位格子の引
き伸ばし量6%における分極モーメントの値55μC/
cm2とほぼ一致することからも結論づけられる。本実
施例1で得られた分極モーメントは、前記文献Japanese
Journal of Applied Physics Vol.38 (1999) pp.5305
において正方晶の結晶単位格子の引き伸ばしで得られる
値35μC/cm2よりも大きい。したがってBaTi
3においては、正方晶の結晶単位格子の引き伸ばしよ
りも、三方晶の引き伸ばしの方が分極モーメントの観点
から有利であるといえる。
【0060】また本実施例1のメモリ素子では−10℃
から+100℃の間で構造相転移は現れなかった。
【0061】本実施例1において、電極層2及び電極層
4はSrRuO3に限らない。不純物をドープして導体
化したSrTiO3であっても同様の効果を示す。Sr
TiO3に加える不純物としては0.1at%〜5.0
at%のNbあるいはLaが好ましい。ベースとなるS
rTiO3は格子定数391pmの立方晶であり、その
上に積層した記録層3のBaTiO3は電極層2がSr
RuO3のときとほぼ同等の格子ひずみ(引き伸ばし)
6〜7%を受ける。
【0062】本実施例1において、電極層2には粒界が
存在しても同等の効果を示す。その上の記録層3は、電
極層2の結晶格子定数をひきずって、格子ひずみを保っ
たまま成長するという意味においてエピタキシャル成長
をしたといえる。
【0063】(実施例2)本実施例2ではBaTiO3
膜厚と分極モーメントとの関係を示す。図1は本実施例
1における強誘電体メモリ素子の側面断面図である。
(111)面でカットされたSrTiO3基板1上に、
擬立方晶<111>方向に配向したSrRuO3を積層し
電極層2とした。その上に擬立方晶<111>配向した三
方晶のBaTiO3をエピタキシャル成長させて記録層
3とした。更にその上に擬立方晶<111>方向に配向し
たSrRuO3を積層し電極層4とした。電極層2、記
録層3及び電極層4の膜厚は、それぞれ、200nm、
X nmと200nmであった。本実施例2では記録層
の膜厚Xを5nmから80nmの間で変化させた。電極
層2、記録層3及び電極層4の成膜方法はレーザーアブ
レーションによった。このときの成膜条件はいずれも基
板温度700℃、酸素分圧400mPa(3mTor
r)であった。
【0064】図2は記録層3の膜厚Xと分極モーメント
の関係である。図2から記録層3の厚みが50nmを超
えるあたりから分極モーメントの値が急に低下すること
がわかる。これは記録層3の膜厚が50nmを超える
と、結晶格子緩和が起こりエピタキシャル成長を保てな
くなってしまうからである。つまりこれ以上の厚みでは
格子定数がバルクの値に戻ってしまうのである。このこ
とはX線回折パターンの鋭さが記録層3の膜厚50nm
以上で低下することから示された。従ってエピタキシャ
ル成長を維持する上では、即ち下地結晶の格子定数をひ
きずることで格子ひずみを保ちながら結晶成長させるた
めには、記録層3の膜厚は50nm以下が望ましい。
【0065】(実施例3)本実施例3では第一原理計算
手法に基づく電子状態シミュレーションを用いて、Ba
TiO3の結晶格子の分極軸方向への結晶単位格子の引
き伸ばし量hと分極モーメントとの関係を示す。
【0066】第一原理計算手法としては、局所密度近似
の範囲での密度汎関数法に基づき、一電子方程式はFull
-potential Linearized Augmented Plane Wave Method
(FLAPW法)により解かれ、全エネルギー及び原子
に働く力より構造最適化が実行される。また得られた波
動関数のベリー位相から自発分極が求められた。まず本
計算の精度を確認する一例として強誘電体であるNaN
3の分極モーメントを求めてみる。計算値は11.6
μC/cm2であり、一方実験値は11.9μC/cm2
であった。従って、本実施例3における計算方法は実験
で得られる強誘電体の分極モーメントを大変良くシミュ
レートすることがわかる。
【0067】三方晶のBaTiO3に関して、基底状態
の結晶構造(格子定数aは400pm、角度αは89°
51')を基準として、分極軸方向に対応する結晶軸擬
立方晶<111>方向へ圧縮及び引き伸ばしを行う。この
とき結晶単位格子の擬立方晶<111>方向への引き伸ば
し量hと、擬立方晶<111>方向に垂直な面内の引き伸
ばし量の関係は、酸化物で一般的に得られているポアソ
ン比0.3を仮定して決めた。各hにおいて、ユニット
セルに含まれる内部原子の位置は、各原子に働く力が最
小(0.001Ry/Bohr以下)になるように最適
化した。また内部原子位置の最適化は25Ryの平面波
カットオフと(4×4×4)のk点メッシュを、またベリ
ー位相を求めるときには15Ryのカットオフと(4×
4×20)のk点メッシュを用いた。
【0068】図3に擬立方晶<111>方向への結晶単位
格子の引き伸ばし量hと、ベリー位相から得られた分極
モーメントの関係を示した。横軸の原点はバルクの三方
晶の結晶構造に対応する。図3からhが大きくなるにつ
れて分極モーメントが増大することがわかる。特にSr
RuO3上にエピタキシャル成長させたときに予想され
るBaTiO3のhに対応する6%の点では、分極モー
メントは55μC/cm2にまで達しておりhが0%(バ
ルクに対応する)の値35μC/cm2の1.4倍とな
ることが示される。従って、エピタキシャル成長で得ら
れる巨大な結晶ひずみのもとでは、分極モーメントを4
0%近く増大させること可能であることがわかる。
【0069】また図3から結晶単位格子の格子引き伸ば
し量hが2%以上であればバルクの値よりも5μC/c
2ほど大きな分極モーメントが得られることがわか
る。このことはすなわち、hを2%以上とすれば分極モ
ーメントが実用上、有意に増大させることができること
を示している。
【0070】(実施例4)図4は本実施例4における強
誘電体メモリ素子の側面断面図である。(001)面で
カットされたSi基板11上にSiO2膜12を熱酸化
によって形成した。前記SiO2膜12の上にPt層を
積層し電極層13とした。前記電極層13の上にSrR
uO3を積層し電極層14とした。次に前記電極層14
の上にBaTiO3を積層して記録層15とした。さら
に前記記録層15の上にSrRuO3を積層し電極層1
6とした。電極層13、電極層14、記録層15および
電極層16の膜厚は、それぞれ200nm、100n
m、20nmと200nmであった。Ptからなる電極
層13の成膜方法はスパッタリングであった。電極層1
4、記録層15および電極層16の成膜方法はレーザー
アブレーションによった。電極層13の成膜条件は室温
で400mPa(3mTorr)のArガスを用いた。
電極層14、記録層15および電極層16の成膜条件は
いずれも基板温度700℃、酸素分圧400mPa(3
mTorr)であった。またSrRuO3、BaTiO3
はペロブスカイト型の酸化物であった。
【0071】X線回折の解析によれば、電極層13のP
tは面心立方構造の<111>配向をしていた。このP
tからなる電極層13はSiO2膜12上に自然配向し
たと考えられる。このとき面心立方構造の格子定数は3
91pmである。また記録層15のBaTiO3は三方
晶であり擬立方晶<111>方向に配向していた。単位格
子は、バルクの基底状態(極低温で最安定な構造)であ
る三方晶に比べて5%だけ擬立方晶<111>方向に引き
伸ばされていた。ちなみにBaTiO3のバルクにおけ
る基底状態である三方晶では、格子定数aは400p
m、角度αは89°51'である。電極層14および電
極層16のSrRuO3の結晶構造は、擬立方晶<111
>方向に配向していた。このとき擬立方晶での格子定数
はいずれも391pmであった。これらのことから、電
極層14、記録層15および電極層16の結晶構造が、
下地の構造である電極層13のPtが有する格子定数に
ひきずられていると考えられる。
【0072】電子顕微鏡観察によれば電極層13のPt
は多結晶構造をとっていた。そのために電極層13の上
に積層する電極層14、記録層15および電極層16も
多結晶となっていた。しかし多結晶におけるひとつひと
つの結晶粒内では、前記したX線回折の結果から、Pt
の格子定数がその上の層の構造の格子定数を決めてい
る。この意味において、本実施例における電極層14、
記録層15および電極層16は、電極層13に対してエ
ピタキシャル成長がなされているといえる。
【0073】メモリ素子として得られた分極モーメント
は48μC/cm2であった。またキュリー温度は30
0℃以上であった。これらの値は強誘電体メモリ素子の
特性として申し分ないといえる。さらに使用温度範囲内
(例えば−10℃〜+100℃)で構造相転移が現れな
かった。
【0074】本実施例4において、アモルファスのSi
2膜12はそれに代わり得る絶縁膜たとえばSiOF
であっても同等の効果を有する。また本実施例4におい
て各膜厚は、発明の効果を失わない範囲で可変である。
【0075】本実施例4において、電極層14および電
極層16はSrRuO3に限られない。例えば実施例5
で記すように、ペロブスカイト型の酸化物で導電性を有
するものであれば良い。一般にペロブスカイト型酸化物
は格子定数が擬立方晶でみたときおよそ390pmから
400pmの範囲にあり、面心立方のPtにおける格子
定数391pmに近い値をもつ。従って、面心立方構造
をとるPtの(111)面に対して、擬立方晶でみたペ
ロブスカイト型構造の(111)面は、エピタキシャル
成長しやすい面であるといえる。従って<111>方向
に配向したPtは、<111>方向に配向した擬立方晶
のSrRuO3を形成する上で大変有利である。さらに
擬立方晶<111>配向したSrRuO3の上には、擬立
方晶<111>配向した三方晶のBaTiO3が積層しや
すい。分極モーメントに関しては、擬立方晶<111>配
向した三方晶のBaTiO3(本実施例4では48μC
/cm2)は、擬立方晶<001>配向した正方晶のB
aTiO3(バルクでは29μC/cm2)に比べて大き
な値を有する。従って本発明の構成は高い分極モーメン
トを実現するうえで大変有効である。
【0076】本実施例4において、電極層13はPtに
限られない。面心立方構造でかつ<111>配向してい
る条件の下で、電極層14で用いるペロブスカイト型酸
化物に近い格子定数であればよい。従ってPtにIrな
ど原子半径の近い原子が合金化していたとしても本発明
と同等の効果を有する。
【0077】(比較例1)図5は本比較例1における強
誘電体メモリ素子の側面断面図である。(001)面で
カットされたSi基板11上にSiO2膜12を熱酸化
によって形成した。前記SiO2膜12の上にSrRu
3を積層し電極層14とした。次に前記電極層14の
上にBaTiO3をエピタキシャル成長させて記録層1
5とした。さらに前記記録層の上にSrRuO3を積層
し電極16とした。電極層14、記録層15および電極
層16の膜厚は、それぞれ100nm、20nmと20
0nmであった。電極層14、記録層15および電極層
16の成膜方法はレーザーアブレーションによった。電
極層14、記録層15および電極層16の成膜条件はい
ずれも基板温度700℃、酸素分圧400mPa(3m
Torr)であった。
【0078】X線回折の解析によれば、電極層14、記
録層15、電極層16ともにランダム配向となってい
た。また記録層のBaTiO3は正方晶であった。
【0079】メモリ素子として得られた分極モーメント
は13μC/cm2であった。またキュリー温度は12
0℃であった。これらの値は強誘電体メモリ素子の特性
として好ましくない。特にキュリー温度の低いことが使
用上の問題である。
【0080】(実施例5)図4は本実施例5における強
誘電体メモリ素子の側面断面図である。(001)面で
カットされたSi基板11上にSiO2膜12を熱酸化
によって形成した。前記SiO2膜12の上にPt層を
積層し電極層13とした。前記電極層13の上にNbを
ドープして導体化したSrTiO3を積層し電極層14
とした。Nbのドープ量は1 at%であった。次に前記
電極層14の上にBaTiO3を積層して記録層15と
した。さらに前記記録層15の上にNbをドープして導
体化したSrTiO3を積層し電極16とした。電極層
13、電極層14、記録層15および電極層16の膜厚
は、それぞれ200nm、100m、20nmと200
nmであった。Ptからなる電極層13の成膜方法はス
パッタリングであった。電極層14、記録層15および
電極層16の成膜方法はレーザーアブレーションによっ
た。電極層13の成膜条件は室温で400mPa(3m
Torr)のArガスを用いた。電極層14、記録層1
5および電極層16の成膜条件はいずれも基板温度70
0℃、酸素分圧400mPa(3mTorr)であっ
た。
【0081】X線回折の解析によれば、電極層13のP
tは面心立方構造の<111>配向をしていた。このP
tからなる電極層13はSiO2膜12上に自然配向し
たと考えられる。このとき面心立方構造の格子定数は3
91pmである。また記録層15のBaTiO3は三方
晶であり擬立方晶<111>方向に配向していた。単位格
子は、バルクの基底状態(極低温で最安定な構造)であ
る三方晶に比べて5%だけ擬立方晶<111>方向に引き
伸ばされていた。電極層14および電極層16のNbを
ドープしたSrTiO3の結晶構造は、擬立方晶<111
>方向に配向していた。このとき擬立方晶での格子定数
はいずれも391pmであった。
【0082】メモリ素子として得られた分極モーメント
は50μC/cm2であった。またキュリー温度は30
0℃以上であった。
【0083】本実施例5において、アモルファスのSi
2膜12はそれに代わり得る絶縁膜たとえばSiOF
であっても同等の効果を有する。また本実施例5におい
て各膜厚は、発明の効果を失わない範囲で可変である。
【0084】本実施例5において、電極層14および電
極層15は不純物をドープして導体化したSrTiO3
であれば同様の効果を示す。SrTiO3に加える不純
物としては0.1 at%〜5.0at%のNbあるい
はLaが好ましい。ベースとなるSrTiO3は格子定
数391pmの立方晶であり、その上に積層した記録層
13のBaTiO3は電極層12がSrRuO3のときと
ほぼ同等の格子ひずみ(引き伸ばし)5〜6%を受け
る。
【0085】(実施例6)図6は本実施例における強誘
電体メモリ素子の側面断面図である。(001)面でカ
ットされたSi基板21上にSiO2膜22を熱酸化に
よって形成した。前記SiO2膜22の上にIr層を積
層し電極層23とした。前記電極層23の上にPt層を
積層し電極層24とした。前記電極層24の上にSrR
uO3を積層し電極層25とした。次に前記電極層25
の上にBaTiO3を積層して記録層26とした。さら
に前記記録層26の上にSrRuO3を積層し電極層2
7とした。電極層23、電極層24、電極層25、記録
層26および電極層27の膜厚は、それぞれ100n
m、200nm、100nm、20nm及び200nm
であった。Irからなる電極層23およびPtからなる
電極層24の成膜方法はスパッタリングであった。電極
層25、記録層26および電極層27の成膜方法はレー
ザーアブレーションによった。電極層23および電極層
24の成膜条件は室温で400mPa(3mTorr)
のArガスを用いた。電極層25、記録層26および電
極層27の成膜条件はいずれも基板温度700℃、酸素
分圧400mPa(3mTorr)であった。またSr
RuO3、BaTiO3はペロブスカイト型の酸化物であ
った。
【0086】X線回折の解析によれば、電極層24のP
tは面心立方構造の<111>配向をしていた。このP
tからなる電極層24はIrからなる電極層23の上に
自然配向したと考えられる。このときPtの面心立方構
造における格子定数は391pmであった。また、記録
層26のBaTiO3は三方晶であり擬立方晶<111>
方向に配向していた。単位格子は、バルクの基底状態
(極低温で最安定な構造)である三方晶に比べて5%だ
け擬立方晶<111>方向に引き伸ばされていた。ちなみ
にBaTiO3のバルクにおける基底状態である三方晶
では、格子定数aは400pm、角度αは89°51'で
ある。電極層25および電極層27のSrRuO3の結
晶構造は、擬立方晶<111>方向に配向していた。この
とき擬立方晶での格子定数はいずれも391pmであっ
た。これらのことから、電極層25、記録層26および
電極層27の結晶構造が、下地の構造である電極層24
のPtが有する格子定数にひきずられていると考えられ
る。
【0087】電子顕微鏡観察によれば電極層24のPt
は多結晶構造をとっていた。そのために電極層24の上
に積層する電極層25、記録層26および電極層27も
多結晶となっていた。しかし多結晶におけるひとつひと
つの結晶粒内では、前記したX線回折の結果から、Pt
の格子定数がその上の層の構造の格子定数を決めてい
た。この意味において、本実施例における電極層25、
記録層26および電極層27は、電極層24に対してエ
ピタキシャル成長がなされているといえる。
【0088】メモリ素子として得られた分極モーメント
は48μC/cm2であった。またキュリー温度は30
0℃以上であった。これらの値は強誘電体メモリ素子の
特性として申し分ないといえる。
【0089】また1012回の繰り返し記録再生特性にお
いて、分極モーメントの劣化は発生しなかった。これは
Irからなる電極層23が酸素の拡散を押さえてくれる
ためであると考えられる。
【0090】さらに使用温度範囲内(例えば−10℃〜
+100℃)で構造相転移が現れなかった。
【0091】本実施例において、電極層23はIrでな
くてもIrO2などIrの酸化物であっても本発明と同
等の効果を持つ。Irの酸化物は導電性を有するため酸
素拡散のブロック層としてのみならず電極材料としても
適している。また本実施例におけるIrからなる電極層
23は、SiO2膜22あるいは電極層24との界面に
おいて、IrO2など酸化物を形成していても本発明と
同等の効果を持つ。またIrからなる電極層23は、そ
の内部に中間層として、IrO2など酸化物を形成して
いても本発明と同等の効果を持つ。
【0092】アモルファスのSiO2膜22はそれに代
わり得る絶縁膜、例えばSiOFであっても同等の効果
を示す。また本実施例において各膜厚は、発明の効果を
失わない範囲で可変である 本実施例において、電極層27の上にさらにIrあるい
はIrの酸化物を積層し、一連の半導体プロセスにおけ
る記録層26に対する還元雰囲気を遮断することは、記
録層26の特性を維持する上で有意義である。
【0093】一般にペロブスカイト型酸化物は格子定数
が擬立方晶でみたときおよそ390pmから410pm
の範囲にあり、面心立方のPtにおける格子定数391
pmに近い値を持つ。従って、面心立方構造をとるPt
の(111)面に対して、擬立方晶でみたペロブスカイ
ト型構造の(111)面は、エピタキシャル成長しやす
い面であるといえる。従って<111>方向に配向した
Ptは、<111>方向に配向した擬立方晶のSrRu
3を形成する上で大変有利である。さらに擬立方晶<1
11>配向したSrRuO3の上には、擬立方晶<111>
配向した三方晶のBaTiO3が積層しやすい。分極モ
ーメントに関しては、擬立方晶<111>配向した三方晶
のBaTiO3(本実施例では48μC/cm2)は、擬
立方晶<001>配向した正方晶のBaTiO3(バル
クでは29μC/cm2)に比べて大きな値を有する。
従って本発明の構成は高い分極モーメントを実現するう
えで大変有効である。
【0094】本実施例において、電極層25および電極
層27はSrRuO3に限ることはない。例えばNbを
ドープしたSrTiO3などペロブスカイト型の酸化物
でかつ導電性を有するものであれば良い。適切な不純物
をドープしたSrTiO3は導電性を示す。SrTiO3
に加える不純物としては0.1at%〜5.0at%の
NbあるいはLaが好ましい。ベースとなるSrTiO
3は格子定数391pmの立方晶であり、その上に積層
した記録層23のBaTiO3は電極層22がSrRu
3のときとほぼ同等の格子ひずみ(引き伸ばし)6〜
7%を受ける。
【0095】上記実施例4は、本実施例6においてIr
層23を用いない他は同じようにして強誘電体メモリ素
子を製造している。この実施例4で得られたメモリ素子
は、1012回の繰り返し記録再生特性において、分極モ
ーメントは50%低下していた。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、三方晶のBaTiO3
を擬立方晶<111>方向に配向させて記録層とし、前記
記録層における擬立方晶<111>方向の分極モーメント
を信号の記録読み出しに利用することができる。これに
よって、強誘電体からなる記録層の膜厚が50nm以下
の薄い領域において、高い分極モーメント及び高いキュ
リー温度を有する強誘電体メモリ素子、及びこの素子を
備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2における強誘電体メモリ素子の
側面断面図。
【図2】実施例2における記録層の厚みXと分極モーメ
ントの関係を示す図。
【図3】実施例3における記録層の擬立方晶<111>方
向への引き伸ばし量hと分極モーメントの関係を示す
図。
【図4】実施例4および5における強誘電体メモリ素子
の側面断面図。
【図5】比較例1における強誘電体メモリ素子の側面断
面図。
【図6】実施例6における強誘電体メモリ素子の側面断
面図。
【図7】実施形態4の強誘電体メモリ装置を模式的に示
す平面図。
【図8】図7のA−A断面図。
【図9】実施形態5の強誘電体メモリ装置を模式的に示
す平面図。
【図10】図9のB−B断面図。
【図11】実施形態6の諸電子機器の斜視図。
【符号の説明】
1,11,21…基板 2,4,13,14,16,23,24,25,27…
電極層 3,15,26…記録層 12,22…アモルファスの酸化物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩下 節也 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5F083 FR00 FR01 FR02 FR03 GA21 HA08 JA14 JA38 JA43 JA45 JA47 PR21 PR22 PR25

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三方晶のBaTiO3を擬立方晶<111>
    方向に配向させて記録層とし、前記記録層における擬立
    方晶<111>方向の分極モーメントを信号の記録読み出
    しに利用することを特徴とする強誘電体メモリ素子。
  2. 【請求項2】前記記録層の厚みが50nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の強誘電体メモリ素子。
  3. 【請求項3】前記BaTiO3の結晶構造における単位
    格子が、バルクの最安定状態である三方晶の結晶構造に
    比べて前記擬立方晶<111>方向に引き伸ばされている
    ことを特徴とする請求項1に記載の強誘電体メモリ素
    子。
  4. 【請求項4】前記記録層の厚みが50nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の強誘電体メモリ素子。
  5. 【請求項5】前記引き伸ばしの量が2%以上であること
    を特徴とする請求項3に記載の強誘電体メモリ素子。
  6. 【請求項6】第1の電極層の上に、三方晶のBaTiO
    3を擬立方晶<111>方向に配向させて形成してこれを
    記録層とし、前記BaTiO3の結晶構造における単位
    格子を、バルクの最安定状態である三方晶の結晶構造に
    比べて前記擬立方晶<111>方向に引き伸ばし、前記引
    き伸ばし量を2%以上とし、前記記録層の上に第2の電
    極層を積層し、前記記録層の擬立方晶<111>方向の分
    極モーメントを信号の記録読み出しに利用することを特
    徴とする強誘電体メモリ素子。
  7. 【請求項7】前記記録層の厚みが50nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の強誘電体メモリ素子。
  8. 【請求項8】前記第1の電極層及び前記第2の電極層が
    SrRuO3であることを特徴とする請求項6に記載の
    強誘電体メモリ素子。
  9. 【請求項9】前記第1の電極層及び前記第2の電極層が
    導体化したSrTiO3であることを特徴とする請求項
    6に記載の強誘電体メモリ素子。
  10. 【請求項10】立方晶系の構造を有しかつ<111>方
    向に配向した金属からなる第1の電極層と、前記第1の
    電極層の上に積層され、かつ擬立方晶<111>配向した
    ペロブスカイト型構造からなる第2の電極層と、前記第
    2の電極層の上に積層され、かつ擬立方晶<111>方向
    に配向した三方晶のBaTiO3からなる記録層と、前
    記記録層の上に積層され、前記記録層における擬立方晶
    <111>方向の分極モーメントを信号の記録読み出しに
    利用するための第3の電極層、とを有すること特徴とす
    る強誘電体メモリ素子。
  11. 【請求項11】前記第1の電極層を面心立方構造のPt
    とすることを特徴とする請求項10に記載の強誘電体メ
    モリ素子。
  12. 【請求項12】前記第1の電極層をPtとし、前記第2
    の電極層をSrRuO3とすることを特徴とする請求項
    10に記載の強誘電体メモリ素子。
  13. 【請求項13】前記第1の電極層をPtとし、前記第2
    の電極層を導体化したSrTiO3とすることを特徴と
    する請求項10に記載の強誘電体メモリ素子。
  14. 【請求項14】前記第1の電極層がアモルファスの酸化
    物層の上に積層されていることを特徴とする請求項10
    に記載の強誘電体メモリ素子。
  15. 【請求項15】前記BaTiO3記録層のBaTiO3
    結晶構造における単位格子が、前記BaTiO3のバル
    クの最安定状態である三方晶の結晶構造に比べて前記擬
    立方晶<111>方向に引き伸ばされていることを特徴と
    する請求項10に記載の強誘電体メモリ素子。
  16. 【請求項16】前記第1の電極層を面心立方構造のPt
    とすることを特徴とする請求項15に記載の強誘電体メ
    モリ素子。
  17. 【請求項17】前記第1の電極層をPtとし、前記第2
    の電極層をSrRuO3とすることを特徴とする請求項
    15に記載の強誘電体メモリ素子。
  18. 【請求項18】前記第1の電極層をPtとし、前記第2
    の電極層を導体化したSrTiO3とすることを特徴と
    する請求項15に記載の強誘電体メモリ素子。
  19. 【請求項19】前記第1の電極層をアモルファスの酸化
    物層の上に積層することを特徴とする請求項15に記載
    の強誘電体メモリ素子。
  20. 【請求項20】IrあるいはIrの酸化物からなる第1
    の電極層と、第1の電極層の上に積層され、面心立方構
    造を有しかつ<111>方向に配向したPtからなる第
    2の電極層と、第2の電極層の上に積層され、擬立方晶
    <111>配向したペロブスカイト型構造からなる第3の
    電極層と、第3の電極層の上に積層され、擬立方晶<1
    11>方向に配向した三方晶のBaTiO3からな記録層
    と、記録層の上に積層され、擬立方晶<111>配向した
    ペロブスカイト型構造からなる第4の電極層とを有し、
    前記記録層のBaTiO3の結晶構造における単位格子
    が、前記BaTiO3のバルクの最安定状態である三方
    晶の結晶構造に比べて前記擬立方晶<111>方向に引き
    伸ばされ、前記記録層における擬立方晶<111>方向の
    分極モーメントが信号の記録読み出しに利用されること
    を特徴とする強誘電体メモリ素子。
  21. 【請求項21】前記第3の電極層がSrRuO3である
    ことを特徴とする請求項20に記載の強誘電体メモリ素
    子。
  22. 【請求項22】前記第3の電極層が導体化したSrTi
    3であることを特徴とする請求項20に記載の強誘電
    体メモリ素子。
  23. 【請求項23】前記第1の電極層がアモルファスの酸化
    物の上に積層されていることを特徴とする請求項20に
    記載の強誘電体メモリ素子。
  24. 【請求項24】前記第4の電極層の上にIrあるいはI
    rの酸化物からなる第5の電極層を積層して有すること
    を特徴とする請求項20に記載の強誘電体メモリ素子。
  25. 【請求項25】請求項1〜24の何れか1項に記載の強
    誘電体メモリ素子を備えたことを特徴とする電子機器。
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