JP2002350665A - 空間反射型構造を有する光集積回路の製造方法および光集積回路 - Google Patents

空間反射型構造を有する光集積回路の製造方法および光集積回路

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JP2002350665A
JP2002350665A JP2001162539A JP2001162539A JP2002350665A JP 2002350665 A JP2002350665 A JP 2002350665A JP 2001162539 A JP2001162539 A JP 2001162539A JP 2001162539 A JP2001162539 A JP 2001162539A JP 2002350665 A JP2002350665 A JP 2002350665A
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slope
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optical waveguide
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Kohei Shibata
康平 柴田
Yutaka Ishigami
豊 石上
Koji Suzuki
浩二 鈴木
Hiroyuki Nobuhara
裕之 延原
Hidehiko Nakada
英彦 中田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空間反射型構造を有する光集積回路に関し、基
板上の光導波路に対して端面および斜面を高い精度で効
率良く形成できる製造方法を提供する。 【解決手段】本発明による光集積回路の製造方法は、基
板1上に形成された光導波路2に対し、端面3を形成す
るための第1マスク3Mを形成する工程と、斜面4を形
成するための第2マスク4Mを形成する工程と、各マス
ク3M,4Mおよび光導波路2をRIE法によりエッチ
ングすることによって、端面3および斜面4を同時に形
成する工程とを含んでなり、第1マスク3Mには、その
形成工程完了後の物性が第2マスク4Mの物性とは異な
るものになるマスク材料を使用し、第2マスクの形成工
程で行われる処理の第1マスク3Mに与える影響が、第
2マスク4Mに与える影響に比べて相対的に小さくなる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等に用いる
光集積回路の製造技術に関し、特に、光導波路と光アク
ティブ素子の間の光結合を空間反射型構造により実現す
る光集積回路の製造方法およびその構造自体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の爆発的な通信需要の拡大に応える
べく、通信網に対する光ファイバを用いた高速化、さら
には光波長多重(Wavelength Division Multiplexing:
WDM)を用いた大容量化が全世界レベルで推し進めら
れている。このようなWDM光通信での中継やスイッチ
ングなどに必要な光機能素子の多くはバルク部品等で構
成され、高速なシステムになる程より高度な光路長調整
等が必要になる。そのため高価な部品となることが多
く、光通信システムを非常に高コストなものにする一因
となっている。
【0003】このような背景のもと、より細かな光路長
設計が可能で、かつ、一括プロセスを用いた大量生産が
可能な光導波路(Planner Lightwave Circuit:PL
C)型機能集積素子が、高機能化、小型低コスト化に対
して有望視されており、現在、活発な研究開発が世界的
に進められている。また、上記のようなPLC型WDM
用デバイスの制御と、該デバイスからの光信号の取り出
しまたは送り込みに必要な光アクティブ素子に対する結
合とを簡易かつ高密度、低コストで行うことができる構
造およびその製造技術が極めて重要になってきている。
【0004】PLC型デバイスの光導波路と光アクティ
ブ素子との結合構造としては、例えば、光導波路に対し
45°前後の斜面を有するミラーを用いて、光導波路と
光アクティブ素子を結合する構造が、簡易な光実装構造
として多く提案されている。ここで、上記のような光導
波路と光アクティブ素子の結合に用いられる斜面ミラー
の従来の形成方法について詳しく説明する。
【0005】例えば、ハイブリッド斜面ミラー構造によ
る形成方法(以下、従来の形成方法とする)は、Si
結晶等の異方性エッチングを用いて斜面ミラーを個別部
品として作成し、その斜面ミラー部品を光導波路に対し
てハイブリッド集積する方法である。この従来の形成方
法は、後述する他の方法が提案されるまで一般的に用
いられてきた方法である。
【0006】斜面ダイシングによる形成方法(以下、従
来の形成方法とする)は、光導波路付基板に対してV
字の刃先をもつダイシングブレードを用い、ウェハを斜
めにしてダイシングを行い、ダイシング面の一方を斜面
とし、他方を垂直端面とする方法である。この従来の形
成方法は、プロセスとして最も簡易性が高く、製品の
品種が限定されている場合にメリットを有する。
【0007】レーザ加工による形成方法(以下、従来の
形成方法とする)は、例えば米国特許第5,894,538号
明細書等で公知の方法であって、光導波路に対して45
°方向よりレーザを照射することによりSiO2を蒸発
させる方法、または、レーザのスイープによりSiO2
の蒸発量を照射時間で制御し45°エッチングを行う方
法である。この従来の形成方法は、基本的に、ウェハ
上のマスク形成を必要とせず、斜面の形成位置がウェハ
毎に変えることができるので、多品種少量生産に対して
メリットを有する。
【0008】異種レートウェットエッチングによる形成
方法(以下、従来の形成方法とする)は、例えば米国
特許第5,135,605号明細書や特開平11-326662号公報等で
公知の方法であって、斜面を形成する領域に対して、光
導波路材よりもエッチングレートの高い物質を蒸着し、
その上よりエッチングマスクを形成して、ウェットエッ
チングを行う方法である。この従来の形成方法では、
エッチングマスク下のアンダーエッチが、上記物質を蒸
着した領域の方が他の領域よりも速く進行するため、そ
の結果、非対称な斜面形成(例えば垂直端面と斜面の形
成)が可能となっている。このような従来の形成方法
は、ウェハ毎の一括プロセスのため、少品種大量生産に
対してメリットを有する。
【0009】斜めRIE(Reactive Ion Etching:反応
性イオンエッチング)加工による形成方法(以下、従来
の形成方法とする)は、例えば特開2000-199827号公
報や特開2000-235128号公報等で公知の方法であって、
メタルマスク等の膜厚の薄いマスク材を用いてパターニ
ングを行い、加工される基板をRIE電極に対して45
°前後(所望の斜面角度)にセットしてRIE加工を行
う方法である。この従来の形成方法は、RIEを用い
ているため、斜面の平滑性という点に対してメリットを
有する。
【0010】グレーマスクおよびRIEによる形成方法
(以下、従来の形成方法とする)は、例えば米国特許
第5,310,623号明細書や特開平6-265738号公報等で公知
の方法であって、露光強度をサブピクセルサイズでの開
口面積で近似したグレースケールのマスクを用い、1回
の露光および現像で感光性マスク材料に斜面の原型を形
成し、その後RIEにて斜面の原型を転写する方法であ
る。この従来の形成方法では、感光性マスク材料をR
IEにかけると、マスク表面が加熱されて、RIE装置
内部でのマスク形状の劣化が生じる。このため、感光性
マスク材料で形成された原型をRIEで転写するプロセ
スにおいては、露光現像後のマスク材料を、RIE装置
内部で加熱される温度よりも高い温度に加熱して硬化さ
せ、RIE時における軟化を防止し、再加熱されてもマ
スク形状が変形しないようにする必要がある。このよう
な従来の形成方法は、RIEによる転写に用いるフォ
トレジストの3次元(斜面等)の原型を、グレースケー
ルを構成するサブピクセルサイズでの露光強度平均に基
づいて3次元形状を近似することにより、1枚の露光マ
スクを用いた1回の露光で形成するため、複数の露光マ
スクを用いた多重露光で3次元原型を形成する場合に比
べて、原型形成時におけるマスクの位置合わせずれによ
る形状劣化の防止という点に対してメリットを有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、PLC型デ
バイスの光導波路と光アクティブ素子との斜面ミラーを
用いた結合形態は、例えば図8および図9に示すような
2通りの構造に大別することができる。図8の導波路端
面反射型の構造(以下、構造aとする)は、例えば米国
特許第5,966,478号明細書等で公知の結合形態であっ
て、光導波路端面を45°前後の斜面に加工し、斜面加
工された端面にて全反射させる構造である。この構造a
では、端面で光を全反射させるために、光導波路よりも
屈折率の低い材料を端面近傍に充填するか、または、端
面に金属膜を形成する必要がある。一方、図9の空間反
射型の構造(以下、構造bとする)は、光導波路端面か
ら出射した光を向かい合う45°前後の斜面にて全反射
させる結合形態である。
【0012】上記構造a,bのような結合形態の選択
は、光アクティブ素子の封止構造を考慮する必要があ
る。すなわち、光集積回路に実装される光アクティブ素
子は、水分等から保護するための封止構造が必須であ
る。従来、光アクティブ素子は気密のとれたパッケージ
に実装され、外部(例えば光ファイバ等)との光結合は
ガラス窓を介しレンズ等を利用して行われていた。これ
と同様にして、光集積回路においても、光アクティブ素
子が実装された光集積回路全体を気密パッケージなどで
保護することが考えられる。この場合には、基本的には
上記構造a,bに優劣はないが、光集積回路が大規模化
すると光ファイバ等との接続個所が多くなるので、パッ
ケージ外部との光結合のための構造が複雑になり、非常
に高価なものとなってしまう。したがって、光集積回路
全体を気密パッケージなどで保護する方式は、PLC型
光集積回路のメリットを大幅に損ねることになる。
【0013】そこで、光アクティブ素子の周辺部に局所
的に樹脂等を用いて封止することにより、光接続部に簡
易なバットジョイントなどの接続方法が採用でき、光集
積回路の大規模化に対応が可能となる。この場合、上記
構造aにおいては、封止材料が斜面側に流れ込む事が考
えられる。封止に用いる樹脂等は、一般に空気に比べ高
い屈折率を有する。そのため、斜面に流れ込んだ樹脂に
より斜面での反射率が大幅に落ち込むので、金属膜等を
斜面にコーティングする必要がある。このようなコーテ
ィング加工を行う場合、斜面が光集積回路の端等に位置
して外部に露出している必要がある。このため斜面ミラ
ーの形成場所について大幅な制限がついてしまい、光集
積回路の設計において非常に不利となる。
【0014】一方、構造bにおいては、光アクティブ素
子搭載前に透明な樹脂等を予め充填する等の対策が容易
に可能であり、上記のような光集積回路設計に対して制
限を加えることがない。上記のように光集積回路全体の
封止構造を考慮した場合に有利と考えられる空間反射型
の構造に関しては、その形成方法について、次のような
課題が想定される。なお、以下の課題は、斜面ミラーの
実用に耐えうる性能、信頼性、小型低コスト性などを満
足するためのものであり、光集積回路での光アクティブ
集積の将来的発展に不可欠の課題である。
【0015】第1の課題は、光導波路の垂直端面と斜面
ミラーとのモノリシック構造についての課題である。こ
の第1の課題は、ミラー構造部の信頼性に寄与する。例
えば、空間反射型構造を個別部品を用いて形成した場
合、使用温度条件の変動等により接着材料の膨張などを
引き起こし、光結合の劣化を発生する可能性がある。こ
のような光結合の劣化は、垂直端面および斜面ミラーの
モノリシック化を図ることにより回避することができ
る。
【0016】第2の課題は、光導波路の垂直端面と斜面
ミラーの同時加工についての課題である。一般的に、斜
面領域のような深い溝加工後のウェハに対して、その溝
近傍への再加工のためにマスクを形成することは難し
い。このため、垂直端面の加工と斜面の加工とを両立し
て行うことができるような形成方法の実現が必要であ
る。
【0017】第3の課題は、光出射端面の光導波路に対
する垂直性(以下、端面垂直性とする)についての課題
である。光導波路の端面の垂直性が良くない場合には、
その端面にて出射光が屈折してしまい、光アクティブ素
子との結合トラレンス(必要な結合効率が許容される搭
載位置ずれ量)が制限される。このため端面垂直性を十
分に確保できる形成方法の実現が求められる。
【0018】第4の課題は、光導波路の垂直端面と斜面
ミラーとの間の距離(以下、端面斜面間距離とする)に
ついての課題である。端面斜面間距離が長くなると、光
出射端での屈折により斜面における光信号の到達位置の
ずれが大きくなってしまい、光アクティブ素子との結合
トラレンスが制限されることになる。このため端面斜面
間距離を短縮することのできる形成方法の実現が必要で
ある。
【0019】第5の課題は、光導波路の垂直端面および
斜面ミラーの反射面の平滑性についての課題である。垂
直端面および反射面の平滑性が低いと、各面での散乱に
よる光結合量の低下を招いてしまう。このため、十分な
平滑性を確保できる形成方法の実現が求められる。第6
の課題は、斜面ミラー領域の局所化についての課題であ
る。斜面ミラーの配置される領域を局所化することによ
り、多チャンネル光導波路における光結合のインライン
化が可能となり、光導波路パターンの設計自由度が拡大
する。
【0020】上記のような各課題に対して、上述した従
来の形成方法〜は次のような問題点を有する。従来
の形成方法は、第1の課題を満足しないという問題点
がある。すなわち、ハイブリッド斜面ミラー構造は、S
i結晶等の異方性エッチングを用い斜面ミラーを個別部
品として作成し斜面をハイブリッド集積するため、モノ
リシックな斜面ミラー構造となっていない。また、個別
部品を用いるため、量産化および低コスト化等を図るこ
とが難しい。
【0021】従来の形成方法は、第6の課題を満足し
ないという問題点がある。すなわち、斜面ダイシングに
よる形成方法は、斜面領域がチップを横断してしまうた
め、斜面領域を局所化させることができない。従来の形
成方法は、第5の課題を満足することが難しいという
問題点がある。すなわち、レーザ加工による形成方法で
は、加工面荒れ、加工面付近での熱による変形および残
留応力による光学特性劣化などにより、斜面の十分な平
滑性を確保することが困難である。
【0022】従来の形成方法は、第3の課題および第
4の課題がトレードオフの関係になるので、双方の課題
を同時に満足することが難しいという問題がある。すな
わち、ウェットエッチングは、石英などの等方性のある
材料ではエッチング面より同心円状に進行するため、エ
ッチングレートの高い物質を蒸着していない光導波路の
出射端面側は、マスク下のアンダーエッチによる同心円
の円周上にあって、端面側の形状が曲面状になる。した
がって、例えば、斜面ミラーの底辺部から光出射端面の
上面までの水平距離がクラッド層の厚さと同じ場合であ
って、コア層がクラッド層のほぼ中央に埋め込まれてい
るような場合には、光出射端面について約60°程度の
垂直性しか得られない。逆に、光出射端面の垂直性を確
保する場合には、エッチング量を増やしてエッチング半
径を大きく採る、つまり、光出射端面と斜面ミラーとの
間の距離を長くしなければならない。例えば、光出射端
面側の角度を80°以上にするためには、斜面の底辺部
と光出射端面の上面の水平距離をクラッド層の厚さの約
3倍程にする必要がある。このように、従来の形成方法
は、端面垂直性の課題と端面斜面間距離を短縮する課
題とがトレードオフの関係になり、一方の課題を満足す
ることが困難である。
【0023】従来の形成方法は、第2の課題を満足し
ないという問題点がある。すなわち、斜めRIE加工に
よる形成方法では、垂直端面用に2回目のRIEが必要
になるため、垂直端面と斜面の同時加工が困難である。
また、斜めRIE加工での1回目に形成させる溝形状
は、90°から斜面角度を引いた鋭角状エッジ(逆メ
サ)を有する。このため、深溝のある状態で2回目のR
IE加工用のマスク形成を行うことは、例えば、噴霧状
塗布を低粘度のレジストで行う場合でも、逆メサ状のエ
ッジによりレジスト切れが高確率で発生すると考えら
れ、また、一般的なスピンコーターで高粘度のレジスト
の塗布を行った場合でも、溝部での気泡が抜けないとい
った問題が発生すると考えられるので、その実現が非常
に難しい。
【0024】従来の形成方法は、第3の課題および第
5の課題がトレードオフの関係になるので、双方の課題
を同時に満足することが難しいという問題がある。すな
わち、グレースケールマスクでは、グレースケールを構
成するサブピクセルサイズでの露光強度平均で斜面の3
次元形状を近似しているので、フォトレジスト膜厚が薄
い場合には膜厚(深さ)方向に対して十分な近似とな
る。しかし、斜面形成に必要な厚膜(光導波路材料とフ
ォトマスク材のエッチング選択比で決まる)では、露光
強度と、深さ方向の感光量との線形性が悪くなり、露光
時間が増加する。これにより露光量を少なくしたい斜面
の上部では、フォトマスクの感光が深さ方向により進行
し、ピクセルサイズの凹凸を生じる可能性が高くなる。
この凹凸を平滑化するために、前述の露光現像後の熱硬
化までの加熱速度を速くすることが考えられる。なお、
この方法は、一般的なフォトマスク材料について、現像
後の加熱(ポストベーク)における加熱速度を速くした
場合に、軟化による現像パターン劣化が生じることを利
用したものである。
【0025】しかし、この加熱条件では垂直端面側のフ
ォトマスク材料にも軟化が発生し、マスクの垂直性を劣
化させることになる。一方、ポストベークの条件として
加熱速度を非常に遅くした場合には、材料によっては垂
直性を保ったまま硬化させることが可能であるが、その
場合には斜面側の平滑性を得ることができない。このよ
うにグレーマスクおよびRIEによる形成方法では、出
射端面の垂直性の課題と斜面の平滑性の課題とがトレー
ドオフの関係になり、一方の課題を満足することが困難
である。
【0026】上述のように従来の形成方法では、すべて
の課題を同時に満足するような空間反射型構造を実現す
ることが難しいという問題点があった。本発明は上記の
点に着目してなされたもので、空間反射型構造を有する
光集積回路に関し、基板上の光導波路に対して端面およ
び斜面を高い精度で効率良く形成できる製造方法を提供
することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明にかかる製造方法は、基板上に形成された光
導波路の端面に対して入射または出射される光が、その
端面に対向する斜面で反射される空間反射型構造を有す
る光集積回路の製造方法において、基板の光導波路上
に、端面の位置および形状に対応した第1マスクを形成
する工程と、基板の光導波路上に、斜面の位置および形
状に対応した第2マスクを形成する工程と、第1マス
ク、第2マスクおよび光導波路を反応性イオンエッチン
グ(RIE)法によりエッチングすることによって、端
面および斜面を同時に形成する工程とを含んでなり、さ
らに、第1マスクの材料として、第1マスクを形成する
工程完了後の物性が第2マスクの材料の物性とは異なる
ものになるマスク材料を使用し、第2マスクを形成する
工程で行われる処理の第1マスクに与える影響が、第2
マスクに与える影響に比べて相対的に小さくなるように
した方法である。
【0028】かかる製造方法によって製造可能になる空
間反射型構造は、光導波路上にモノリシックに形成さ
れ、4つの側面に囲まれた局所的な空間を有し、それら
4つの側面のうちの少なくとも1つの側面が、光導波路
の光軸方向に対して傾斜した斜面であり、その斜面に対
向する側面が、斜面の傾斜角よりも大きな傾斜角を有
し、かつ、斜面に対して任意の距離に位置することが可
能であるという特徴を有することになる。
【0029】このような空間反射型構造を有する光集積
回路は、上述したような従来の各課題を同時に満足する
と共に、ウェハ一括プロセスによる量産化も可能になる
ため、PLC型WDMデバイスの低コスト化および高機
能化を実現できるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態におけ
る空間反射型構造を有する光集積回路について、その製
造方法を工程順に示した断面図である。本実施形態にお
ける製造方法は、例えば、基板1上に形成されたコア2
Aおよびクラッド2Bからなる石英系の光導波路2に対
し、垂直端面3を形成するための第1マスク3M(以
下、垂直端面用マスク3Mとする)と、斜面4を形成す
るための第2マスク4M(以下、斜面用マスク4Mとす
る)とを特性の異なるマスク材料を用いて個別に形成
し、四フッ化炭素(CF4)等のフッ素系ガスおよび酸
素を含んだエッチングガスを用いてRIE(反応性イオ
ンエッチング)を施すことにより、モノリシックな空間
反射型構造を形成する。以下、本製造方法の一例を工程
順に詳しく説明する。
【0031】まず、本製造方法では、図1(A)に示す
ように、基板1に予め形成された透光性を有する石英系
の光導波路2上に垂直端面用マスク層が形成される。こ
の垂直端面用マスク層に用いられるマスク材料は、上記
のようなエッチングガスを用いたRIEにより垂直性の
良い光導波路2端面を形成することが可能な材料であっ
て、かつ、パターニング処理後の物性が、後述する斜面
用マスク4Mの形成工程における各種処理の影響を殆ど
受けないような材料が使用される。具体的には、例え
ば、RIEでのエッチングレートが石英系の光導波路2
に比べて非常に遅く、酸化に強いメタルマスク材料を使
用することが可能である。また、例えば、耐熱性の高い
ポリイミド等の有機系材料を使用することも可能であ
り、この場合には、十分な膜厚にて垂直性の良いマスク
パターンを形成することが可能な有機系材料を選択する
ようにする。
【0032】垂直端面用マスク層の形成が完了すると、
図1(B)に示すように、光導波路2上の垂直端面3お
よび斜面4の各形成位置に応じて、垂直端面用マスク層
のパターニング処理が行われる。このパターニング処理
は、マスク材料に対応した一般的なパターニング方法を
適用することが可能である。そして、パターニングされ
た垂直端面用マスク3Mについては、加熱等による硬化
処理が施される。
【0033】ここで、上記のような垂直端面用マスク3
Mの形成工程の具体例を挙げておく。垂直端面用マスク
材としてメタルマスク材料を使用する場合、石英系の光
導波路2に対しては、例えばチタン(Ti)等を用いる
ことができる。その場合の垂直端面用マスク3Mの形成
工程は、蒸着またはスパッタリングによりメタルマスク
をウェハ全面に形成し、フォトレジストにてパターンを
形成した後、ウェトエッチングで垂直端面用マスク3M
を形成することが可能である。なお、Tiを用いるとき
のエッチング液は、フッ酸、硝酸、水の混合液を用いる
のがよい。このようなメタルマスクを使用することによ
り、比較的薄い膜厚のマスクを用いて垂直性の良い光導
波路2の端面を形成できるようになる。
【0034】また、垂直端面用マスク材としてポリイミ
ドを使用する場合には、垂直端面用マスク3Mの形成工
程は、ウェハ全面に形成したポリイミド層を一般的な露
光・現像によりパターニング処理を行う。その後、オー
ブン等を用いて、ゆっくりとした温度上昇シーケンスに
従いポリイミドを硬化温度まで加熱する。なお、このポ
リイミドの硬化処理が、ホットプレート等を用いた急速
な温度上昇に従って行われた場合には、マスク形状の角
の鈍りを生じる可能性があるため、温度上昇シーケンス
の最適値は使用するポリイミド毎に調整するようにす
る。このようにして垂直性良くパターニングされたポリ
イミドの垂直端面用マスク3Mは、その高い耐熱性によ
って、後の斜面用マスク4Mの形成工程における熱の影
響を受け難いマスクとなる。
【0035】垂直端面用マスク3Mのパターニング処理
が完了すると、図1(C)に示すように、上面に露出し
た光導波路2および垂直端面用マスク3M上に斜面用マ
スク材が塗布される。この斜面用マスク材としては、後
述するような3次元加工が可能になるように、例えばポ
ジ型有機系感光材料などを使用することができる。な
お、有機系材料からなるマスクは、フッ素系ガスに対し
てエッチングレートが低いため、エッチングガスとして
フッ素系ガスだけを用いる場合には、膜厚の非常に薄い
マスクでの3次元的斜面形成が必要になる。そこで、本
実施形態では、エッチングガスとしてフッ素系ガスに少
量の酸素を導入し、斜面用マスク4Mの膜厚増大を可能
にして3次元的斜面形成を容易にしている。導入する酸
素の量は、酸素導入時の石英と有機系マスクのエッチン
グ選択比を基に計算される有機マスクの膜厚が所要の範
囲内となるように調整されるものとする。
【0036】そして、斜面用マスク材の塗布が完了する
と、光導波路2の垂直端面3に対向させて形成する斜面
4の位置および形状に応じて、斜面用マスク層の3次元
的なパターニング処理が行われる。この斜面用マスク層
のパターニング処理は、周知の3次元パターニング方法
を適用することが可能であり、その具体例については後
述することにする。パターニングされた斜面用マスク4
Mは、3次元的斜面の平滑化を図るためのキュア処理が
施され、さらに、RIE時の熱の影響による形状変化を
抑制するために所要の温度まで加熱されて硬化処理が施
される。
【0037】このような斜面用マスク4Mの一連の形成
処理において、先に形成された垂直端面用マスク3Mは
熱処理や感光処理等の影響を殆ど受けない物性になって
いるため、そのマスク形状が殆ど変化しない。したがっ
て、垂直端面用マスク3Mを用いてRIEにより形成さ
れる光導波路2の端面は、斜面4を同時に形成した場合
でも、十分な垂直性を確保することができるようにな
る。
【0038】斜面用マスク4Mの形成処理が完了する
と、図1(D)に示すように、RIEによる光導波路2
の垂直端面3および斜面4の形成処理が行われる。この
RIEでは、前述したようにフッ素系ガスに少量の酸素
を導入したエッチングガスが用いられるため、石英系の
光導波路2、垂直端面用マスク3Mおよび斜面用マスク
4Mのそれぞれが、RIE時間に従って均一性良く減少
して行き、垂直端面用マスク3Mの形状を転写した垂直
端面3および斜面用マスク4Mの形状を転写した斜面4
が形成される。なお、RIEのエッチングレートを制御
するためには、例えば、ヘリウム(He)やアルゴン
(Ar)などの不活性ガスを用いてエッチングガスを希
釈するとよい。
【0039】垂直端面用マスク3Mおよび斜面用マスク
4Mを用いたRIE工程が完了すると、図1(E)に示
すように、残存する垂直端面用マスク3Mおよび斜面用
マスク4Mの除去処理が行われる。この除去処理は、例
えば、各マスク3M,4Mに有機系材料を使用した場合
には、エッチングガスとして酸素を用いたRIEにより
行うことが可能である。図1(F)には、残存マスクを
除去した後の状態が示してある。
【0040】光導波路2に対する垂直端面3および斜面
4の形成が完了すると、図1(G)に示すように、斜面
4に金属膜ミラー5を形成するためのマスク5M(以
下、斜面ミラー用マスク5Mとする)が、基板1および
光導波路2上の所要の部位に形成される。この斜面ミラ
ー用マスク5Mは、例えば、基板1および光導波路2上
に塗布したフォトレジストをフォトリソグラフィにより
パターニングして形成することが可能である。なお、斜
面ミラー用マスク5Mの形成処理においては、光導波路
2上に垂直端面3および斜面4からなる溝が形成されて
いるため、一般的なスピンコート等によるフォトレジス
トの塗布では、スピンコート時の遠心力により溝の角に
てレジスト切れを発生する可能性がある。このようなレ
ジスト切れを避けるためには、例えば、液体状感光性マ
スク材料を噴霧状にして塗布するなどの措置が有効であ
る。
【0041】そして、斜面ミラー用マスク5Mが形成さ
れると、図1(H)に示すように、斜面4への金属膜ミ
ラー5の形成処理が行われる。この金属膜ミラー5の形
成処理は、例えば、チタン(Ti)、金(Au)または
チタン、ニッケル(Ni)、金などの金属の蒸着または
スパッタリングにより行うことが可能である。ここで、
前述した斜面用マスク4Mの3次元パターニング方法に
ついて具体的に説明する。ただし、本発明に適用可能な
3次元パターニング方法は以下に示す方法に限られるも
のではない。
【0042】斜面用マスク4Mの3次元パターニング方
法としては、例えば図2(A)〜(C)に示すような多
重露光による方法を適用することが可能である。この多
重露光によるパターニング方法は、斜面を形成するため
の露光領域が斜面方向に徐々に後退(または前進)する
ように設計された複数の露光マスクを用意し、それら一
連の露光マスクを順次交換して露光および現像を繰り返
すことにより、感光材料からなる斜面用マスク層を階段
状にパターニングする。形成された階段状パターンにつ
いては、ホットプレート等で急速に加熱することにより
階段面の角がなだらかになるように平滑化し、さらに、
RIE時の形状変化を抑制するために所要の温度(例え
ば300℃程度)まで加熱してマスク材料の熱硬化処理
を施す。このようにして、斜面用マスク4Mの3次元パ
ターンが多重露光により形成される。なお、階段状パタ
ーンの段数は、マスク材料および光導波路のエッチング
選択比から決定されるマスクでの角度と、加熱によって
可能な平滑化の具合(段数が少ないと完全に平滑化でき
ずに「うねり」をもった表面になる)とに応じて決定さ
れるものとする。
【0043】また、斜面用マスク4Mの他の3次元パタ
ーニング方法としては、例えば、露光強度を変化させる
方法を適用することも可能である。この方法では、露光
マスクを用いて斜面用マスク層のパターニングする際
に、露光焦点をマスク表面よりずらすことにより、斜面
用マスク層の斜面部分に対する露光量が連続的に変化す
るようになり、現像後には滑らかな斜面を有する斜面用
マスクの原型が形成される。その後、斜面用マスクの原
型は、RIE時の形状変化を抑制するため、所要の温度
(例えば300℃程度)まで加熱され、マスク材料の熱
硬化処理が施される。このようにして、斜面用マスク4
Mの3次元パターンが露光強度を変化させることにより
形成される。なお、上記のパターニング方法では、斜面
用マスク層の感光特性(膜厚が増えると露光量に対して
感光量が線形でなくなる)と露光焦点のずらしによる露
光強度の変化とが互いに線形の範囲になるようにするの
が望ましい。
【0044】上述したような各工程からなる製造方法に
より、モノリシックな空間反射型構造を高い精度で局所
的に形成した光集積回路が得られるようになる。図3
は、本製造方法により形成される空間反射型構造の要部
を示す斜視図である。また、図4は、図3の空間反射型
構造を有する光集積回路の全体構成例を示す図である。
【0045】本製造方法によって形成可能になる空間反
射型構造は、図3に示すように、光導波路2上にモノリ
シックに形成され、かつ、その形状が4つの側面に囲ま
れた局所的なものであって、それら側面のうちの少なく
とも1つが光導波路2の光軸方向に対して傾斜(ここで
は45°前後の傾斜角を有する)した斜面であり、その
斜面に対向する側面が前記斜面の傾斜角よりも大きな傾
斜角(ここでは略90°)を有するという特徴を持つ。
このような局所化された空間反射型構造は、図4に示す
ように、斜面ミラーと結合する光導波路に非対称分岐回
路10を介して接続する光導波路、または、斜面ミラー
と結合する光導波路に平行する光導波路に対して、当該
斜面ミラーの形成領域が干渉しないため、光集積回路の
多チャンネル化に有効である。また、ここでは図示しな
いがアレー状の光アクティブ素子を使用することも可能
になる。
【0046】上記のような本製造方法により得られる空
間反射型構造は、上述した従来の形成方法〜により
得られる構造における次のような外観上の特徴に対し
て、明らかに相違したものになる。すなわち、従来の形
成方法により得られる構造は、ハイブリッド集積のた
めモノリシックな空間反射型構造になっていないという
外観上の特徴を有する。また、従来の形成方法により
得られる構造は、斜面領域がチップを横断し、局所化さ
れていないという外観上の特徴を有する。
【0047】従来の形成方法により得られる構造は、
レーザ加工時の加工面荒れ、加工面付近での熱による変
形、残留応力による光学特性劣化を受ける。また、局所
的な垂直端面および斜面の両方をレーザ加工する場合、
垂直端面側では、逆メサ部を切り落とすためのレーザ走
査の痕跡が斜面の両端に残り、斜面側では、照射時間
(エッチング量)を斜面に沿って増加させるために三角
形のマスクを用いてレーザ走査を行うので、走査開始位
置または終了位置に三角形をした斜面が形成されるとい
う外観上の特徴を有する。
【0048】従来の形成方法により得られる構造は、
ウェットエッチングがエッチング面より同心円状に進行
するため、上述したように端面斜面間距離と垂直端面側
の角度との間に一定の関係が生じる。また、エッチング
の同心円状の進行により、斜面についても曲面状に形成
されるという外観上の特徴を有する。本製造方法によれ
ば、光導波路2の端面の垂直性を確保しながら端面斜面
間距離を任意に設計することが可能である。
【0049】従来の形成方法により得られる構造は、
上述したように2回のRIE加工が必要であって2回目
のマスク形成が非常に困難であるため、実際には2回目
の加工をマスクレスで行うことのできるレーザ加工に頼
らざるを得ないものと考えられる。これにより、前述し
たレーザ加工の場合と同様な外観上の特徴を有すること
になる。
【0050】従来の形成方法により得られる構造は、
上述したようにグレースケールマスクによる近似に起因
した斜面の荒れ、または、光導波路端面の垂直性の劣化
が生じるという外観上の特徴を有する。なお、上述の図
1に示した本実施形態の製造方法では、石英系の光導波
路2について空間反射型構造を形成する場合を説明した
が、本発明における光導波路はこれに限られるものでは
なく、例えば、ポリマー光導波路に対しても応用するこ
とが可能である。この場合には、エッチングガスは酸素
を使用する。また、斜面用マスクの形成工程について
は、光導波路が同じ有機系材料であってマスクとの選択
比がほぼ1であるため、斜面用マスク材をより高粘度な
ものにするか、または、マスク材の重ね塗りを行うなど
して、斜面用マスクの膜厚を確保するのが望ましい。
【0051】また、上述した実施形態の製造方法では、
光導波路2が予め形成された基板1を用いる場合の各工
程について説明したが、本発明による製造方法は、基板
上に光導波路を形成する工程を含むようにしてもよい。
具体的に、石英系の光導波路を基板上に形成する方法と
しては、例えば、CVD(Chemical Vapor Depositio
n)、FHD(Flame Hydrolysis Deposition:火炎堆積
法)、イオン交換法などが一般的である。これらの形成
方法のうちFHDおよびイオン交換法では、コア上部の
クラッドは平坦性よく形成されるが、CVD法において
は、コアを中心にクラッド層が堆積するため、例えば図
5の斜視図に示すようにコアに沿ってドーム状の凸部が
形成される。そのため、この凸部の上から斜面形成を行
うと凸部がそのまま転写されてしまい、平坦な反射面を
有する斜面ミラーを形成することが難しい。このような
場合には、例えば図6の上面図に示すように、斜面ミラ
ーの形成領域付近が平坦になるよう、斜面ミラーの幅程
度までコアパターンを拡大しておき、斜面ミラーが形成
されるクラッド表面領域を平坦にすることで、RIEに
よる平坦な反射面を有する斜面ミラーの形成が可能にな
る。
【0052】加えて、上述した本実施形態の製造方法に
よって得られる光集積回路については、例えば図7の断
面図に示すように、垂直端面3と斜面ミラー5からなる
窪みと斜面ミラー5上に実装される光アクティブ素子6
によって囲まれる領域に、透光性を有する物質7を充填
するようにしてもよい。これにより、光導波路2と空間
の屈折率のマッチングが改善し、垂直端面3での反射戻
り光の抑制が可能になると共に、垂直端面3の垂直性に
対する要求を緩和させることが可能になる。また、この
ような実装方法は、光アクティブ素子6を樹脂等で覆う
形態の封止構造において、斜面ミラー溝の空気層を埋め
ることになり、例えば溝部からの気泡が原因となる光ア
クティブ素子6の剥離などが無くなるため、光集積回路
の信頼性を向上させることが可能である。以上、本明細
書で開示した主な発明について以下にまとめる。
【0053】(付記1) 基板上に形成された光導波路
の端面に対して入射または出射される光が前記端面に対
向する斜面で反射される空間反射型構造を有する光集積
回路の製造方法において、前記基板の光導波路上に、前
記端面の位置および形状に対応した第1マスクを形成す
る工程と、前記基板の光導波路上に、前記斜面の位置お
よび形状に対応した第2マスクを形成する工程と、前記
第1マスク、前記第2マスクおよび前記光導波路を反応
性イオンエッチング法によりエッチングすることによっ
て、前記端面および前記斜面を同時に形成する工程とを
含み、前記第1マスクの材料として、前記第1マスクを
形成する工程完了後の物性が前記第2マスクの材料の物
性とは異なるものになるマスク材料を使用し、前記第2
マスクを形成する工程で行われる処理の前記第1マスク
に与える影響が、前記第2マスクに与える影響に比べて
相対的に小さくなるようにしたことを特徴とする光集積
回路の製造方法。
【0054】(付記2) 付記1に記載の製造方法であ
って、前記第2マスクを形成する工程が、前記斜面の位
置および形状に対応してパターニングした第2マスクに
ついて加熱処理を行うとき、前記第1マスクの材料は、
前記第1マスクを形成する工程完了後の耐熱性が前記第
2マスクの材料の耐熱性よりも高くなるマスク材料を使
用することを特徴とする光集積回路の製造方法。
【0055】(付記3) 付記1に記載の製造方法であ
って、前記第2マスクを形成する工程が、前記斜面の位
置および形状に対応した第2マスクのパターニングを感
光材料の露光および現像に基づいて行うとき、前記第1
マスクの材料は、前記第1マスクを形成する工程完了後
の感光性が前記第2マスクの材料の感光性よりも低くな
るマスク材料を使用することを特徴とする光集積回路の
製造方法。
【0056】(付記4) 付記1に記載の製造方法であ
って、前記第2マスクを形成する工程は、複数の露光マ
スクを用いた多重露光による方法を利用して、前記第2
マスクの3次元的なパターニングを行い、該パターニン
グした第2マスクを加熱処理して表面形状の平滑化を行
うことを特徴とする光集積回路の製造方法。
【0057】(付記5) 付記1に記載の製造方法であ
って、前記第2マスクを形成する工程は、露光焦点をマ
スク表面よりずらすことによって露光強度を変化させる
方法を利用して、前記第2マスクの3次元的なパターニ
ングを行うことを特徴とする光集積回路の製造方法。
【0058】(付記6) 付記1に記載の製造方法であ
って、前記第2マスクの材料は、ポジ型有機系感光材料
を使用することを特徴とする光集積回路の製造方法。
【0059】(付記7) 付記6に記載の製造方法であ
って、前記第1マスクは、メタルマスクを使用すること
を特徴とする光集積回路の製造方法。
【0060】(付記8) 付記6に記載の製造方法であ
って、前記第1マスクの材料は、前記第1マスクを形成
する工程完了後の耐熱性が前記第2マスクの材料の耐熱
性よりも高くなる有機系材料を使用することを特徴とす
る光集積回路の製造方法。
【0061】(付記9) 付記1に記載の製造方法であ
って、前記斜面に対して金属膜ミラーを形成する工程を
含んでなることを特徴とする光集積回路の製造方法。
【0062】(付記10) 付記1に記載の製造方法で
あって、コアおよびクラッドからなる光導波路を基板上
に形成する工程を含んでなることを特徴とする光集積回
路の製造方法。
【0063】(付記11) 付記10に記載の製造方法
であって、前記光導波路を基板上に形成する工程は、前
記斜面が形成される領域に対応する部分の光導波路につ
いて、コアの幅を前記斜面の幅よりも広くすることを特
徴とする光集積回路の製造方法。
【0064】(付記12) 付記1に記載の製造方法で
あって、前記光導波路の端面および前記斜面の間の空間
に、透光性を有する物質を充填する工程を含んでなるこ
とを特徴とする光集積回路の製造方法。
【0065】(付記13) 基板上に形成された光導波
路の端面に対して入射または出射される光が前記端面に
対向する斜面で反射される空間反射型構造を有する光集
積回路において、前記空間反射型構造は、前記光導波路
上にモノリシックに形成され、4つの側面に囲まれた局
所的な空間を有し、該4つの側面のうちの少なくとも1
つの側面が、前記光導波路の光軸方向に対して傾斜した
斜面であり、該斜面に対向する側面が、前記斜面の傾斜
角よりも大きな傾斜角を有し、かつ、前記斜面に対して
任意の距離に位置することが可能であることを特徴とす
る光集積回路。
【0066】(付記14) 付記13に記載の光集積回
路であって、前記斜面は、傾斜角が略45°であり、前
記斜面に対向する側面は、傾斜角が略90°であること
を特徴とする光集積回路。
【0067】(付記15) 付記13に記載の光集積回
路であって、前記4つの側面に囲まれた局所的な空間
は、該空間の形成される光導波路に隣り合う光導波路と
交差しない領域に形成されることを特徴とする光集積回
路。
【0068】(付記16) 付記13に記載の光集積回
路であって、前記4つの側面に囲まれた局所的な空間に
充填された透光性を有する物質を備えたことを特徴とす
る光集積回路。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる光
集積回路の製造方法によれば、垂直性の良い光導波路端
面と平滑な斜面とを有する空間反射型構造を、モノリシ
ック化および局所化された形態でウェハ一括プロセスに
て製造することが可能になる。これにより、PLC型W
DMデバイスの低コスト化および高機能化を図ることが
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における製造方法を工程順に
示した断面図である。
【図2】同上実施形態の製造方法における斜面用マスク
のパターニング方法の一例を示す断面図である。
【図3】同上実施形態の製造方法により形成される空間
反射型構造の要部を示す斜視図である。
【図4】図3の空間反射型構造を有する光集積回路の全
体構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態による製造方法に関連して、
CVD法により光導波路を形成した場合の問題点を説明
するための斜視図である。
【図6】図5の問題点に対処するための光導波路のコア
パターンの一例を示す平面図である。
【図7】本発明の実施形態による光集積回路について、
斜面ミラー溝の空気層に透光性を有する物質を充填する
ようにした場合の断面図である。
【図8】光導波路および光アクティブ素子の斜面ミラー
を用いた結合形態について、導波路端面反射型の構造を
示す断面図である。
【図9】光導波路および光アクティブ素子の斜面ミラー
を用いた結合形態について、空間反射型構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 光導波路 2A コア 2B クラッド 3 垂直端面 3M 垂直端面用マスク 4 斜面 4M 斜面用マスク 5 金属膜ミラー 5M 斜面ミラー用マスク 6 光アクティブ素子 7 透光性の物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浩二 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 延原 裕之 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中田 英彦 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 LA12 LA14 MA00 PA05 PA13 PA21 PA24 QA04 RA06 RA08 TA00 TA11 TA41 5F088 BA16 BA18 BB01 HA09 JA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された光導波路の端面に対し
    て入射または出射される光が前記端面に対向する斜面で
    反射される空間反射型構造を有する光集積回路の製造方
    法において、 前記基板の光導波路上に、前記端面の位置および形状に
    対応した第1マスクを形成する工程と、 前記基板の光導波路上に、前記斜面の位置および形状に
    対応した第2マスクを形成する工程と、 前記第1マスク、前記第2マスクおよび前記光導波路を
    反応性イオンエッチング法によりエッチングすることに
    よって、前記端面および前記斜面を同時に形成する工程
    とを含み、 前記第1マスクの材料として、前記第1マスクを形成す
    る工程完了後の物性が前記第2マスクの材料の物性とは
    異なるものになるマスク材料を使用し、前記第2マスク
    を形成する工程で行われる処理の前記第1マスクに与え
    る影響が、前記第2マスクに与える影響に比べて相対的
    に小さくなるようにしたことを特徴とする光集積回路の
    製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法であって、 前記第2マスクを形成する工程が、前記斜面の位置およ
    び形状に対応してパターニングした第2マスクについて
    加熱処理を行うとき、 前記第1マスクの材料は、前記第1マスクを形成する工
    程完了後の耐熱性が前記第2マスクの材料の耐熱性より
    も高くなるマスク材料を使用することを特徴とする光集
    積回路の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の製造方法であって、 前記第2マスクを形成する工程が、前記斜面の位置およ
    び形状に対応した第2マスクのパターニングを感光材料
    の露光および現像に基づいて行うとき、 前記第1マスクの材料は、前記第1マスクを形成する工
    程完了後の感光性が前記第2マスクの材料の感光性より
    も低くなるマスク材料を使用することを特徴とする光集
    積回路の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の製造方法であって、 前記斜面に対して金属膜ミラーを形成する工程を含んで
    なることを特徴とする光集積回路の製造方法。
  5. 【請求項5】基板上に形成された光導波路の端面に対し
    て入射または出射される光が前記端面に対向する斜面で
    反射される空間反射型構造を有する光集積回路におい
    て、 前記空間反射型構造は、前記光導波路上にモノリシック
    に形成され、4つの側面に囲まれた局所的な空間を有
    し、該4つの側面のうちの少なくとも1つの側面が、前
    記光導波路の光軸方向に対して傾斜した斜面であり、該
    斜面に対向する側面が、前記斜面の傾斜角よりも大きな
    傾斜角を有し、かつ、前記斜面に対して任意の距離に位
    置することが可能であることを特徴とする光集積回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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