JP2002317159A - 接着フィルム、その製造方法および該接着フィルムを備えた金属箔積層体 - Google Patents

接着フィルム、その製造方法および該接着フィルムを備えた金属箔積層体

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JP2002317159A
JP2002317159A JP2001123678A JP2001123678A JP2002317159A JP 2002317159 A JP2002317159 A JP 2002317159A JP 2001123678 A JP2001123678 A JP 2001123678A JP 2001123678 A JP2001123678 A JP 2001123678A JP 2002317159 A JP2002317159 A JP 2002317159A
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heat
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resistant
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JP2001123678A
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English (en)
Inventor
Shigeru Tanaka
田中  滋
Kosuke Kataoka
孝介 片岡
Hiroyuki Furuya
浩行 古谷
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着強度や耐熱性(特に、はんだ耐熱性)に
優れ、寸法安定性や強度に優れる接着フィルムを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 耐熱性フィルム、および熱可塑性ポリイ
ミドを主成分とする樹脂からなる接着層を備えた接着フ
ィルムであって、該耐熱性フィルムが1.0%未満の吸
水率を有し、かつ該耐熱性フィルムと該接着層との接着
強度が0.8kg/cm以上である、接着フィルムが提
供される。450℃〜550℃の雰囲気温度で、耐熱性
フィルムを遠赤外線処理する工程、または/および、窒
素ガスを含む雰囲気下で、耐熱性フィルムの表面をプラ
ズマ処理する工程を包含する、上記耐熱性接着フィルム
の製造方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性フィルムの
片面または両面に熱可塑性ポリイミドを主成分とする樹
脂からなる接着層を有する接着フィルムに関し、さらに
詳しくは、接着性、耐熱性(特に、半田耐熱性)、低吸
水性、機械的強度や寸法安定性などの諸特性に優れるフ
レキシブルプリント配線板に好適に用いることのできる
接着フィルム、その製造方法および該接着フィルムを備
えた金属箔積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のIT技術の急速な進歩に伴って、
携帯端末機器、コンピュータやディスプレイなどの電子
機器の高性能化、高機能化、および小型化が急速に進ん
でいる。これに伴い、電子機器に用いられる半導体素子
などの電子部品やそれらを実装する基板に対しても、よ
り高密度かつ高性能なものが求められるようになってき
た。
【0003】フレキシブルプリント配線板(以下FPC
と呼ぶ)に関しては、配線パターンの細線化や多層形成
などが行われるようになり、FPCに直接部品を搭載す
る部品実装用FPC、両面に回路を形成した両面FP
C、複数のFPCを積層して層間を配線でつないだ多層
FPCなどが出現してきた。そのため、FPCを構成す
る材料についても、薄型化および寸法安定性が一層厳し
く要求されるようになってきた。
【0004】さらに、最近では、FPCなどの実装基板
材料にはんだで電子部品を接続する際に、環境への配慮
から従来よりも溶融温度が高い鉛フリーのはんだを使用
することが提案されてきており、そのため、FPCを構
成する材料について、耐熱性への要求がより一層厳しく
なってきている。
【0005】一般的にFPCは、耐熱性フィルム(以
下、ベースフィルムという)の片面または両面に接着層
を介して銅箔を貼り合わせて銅張積層体とし、銅箔をエ
ッチングして所望の回路パターンを形成させて製造され
る。あるいは、FPCは、銅箔に直接、耐熱性フィルム
の樹脂溶液またはその前駆体溶液を塗布・乾燥(硬化)
させ、銅張積層体とし、同様に回路パターンを形成させ
て製造される。上記ベースフィルムには、耐熱性、機械
的特性やその他諸特性に優れるポリイミド樹脂からなる
フィルムが広く用いられている。また、接着剤には、絶
縁性や耐熱性に優れるエポキシ樹脂やアクリル樹脂など
が用いられていたが、耐熱性や低吸水性により優れる熱
可塑性のポリイミド樹脂を主成分とする樹脂が用いられ
るようになってきた。
【0006】しかし、鉛フリーのはんだに対する対応は
いまだ不十分である。鉛フリーのはんだの使用に耐える
耐熱性を得るために、ベースフィルムの高耐熱化や高接
着化が図られているが、優れたベースフィルムは得られ
ていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を解決するものであって、寸法安定性や強度に
優れた金属箔積層体を提供する技術を提供する。本発明
は、このような金属箔積層体を構成するベースフィルム
および接着層を高性能化、特に高接着化、高耐熱化する
技術を提供する。本発明によれば、FPCなどの実装基
板材料の高密度化、薄型化、配線パターンの微細化が達
成される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱性フィル
ム、および熱可塑性ポリイミドを主成分とする樹脂から
なる接着層を備えた接着フィルムに関し、この耐熱性フ
ィルムは、1.0%未満の吸水率を有し、かつこの耐熱
性フィルムと上記接着層とは、0.8kg/cm以上の
接着強度で接着されている。
【0009】好ましくは、上記耐熱性フィルムはポリイ
ミドフィルムである。
【0010】好ましくは、上記耐熱性フィルムは、下記
【0011】
【化3】 (ここで、Rは、フェニレン基、またはビフェニレン基
である)で表される単位構造を含む。
【0012】好ましくは、上記耐熱性フィルムは、下記
【0013】
【化4】 (ここで、X1〜X4、Y1〜Y4は、それぞれ独立し
て、水素原子、炭素数2以下のアルキル基、またはハロ
ゲン基である)で表される単位構造を含む。
【0014】本発明はまた、上記の耐熱性接着フィルム
の製造方法に関し、この方法は、450℃〜550℃の
雰囲気温度で、耐熱性フィルムを遠赤外線処理する工
程、または/および、窒素ガスを含む雰囲気下で、耐熱
性フィルムの表面をプラズマ処理する工程をに包含す
る。
【0015】本発明はまた、上記の接着フィルム、およ
び金属箔を備えた金属箔積層体に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。最初に、接着フィルムの構成について説
明する。
【0017】本発明の接着フィルムは、耐熱性フィルム
の片面または両面に接着層を有し、この耐熱性フィルム
は1.0%未満の吸水率を有し、さらには、この耐熱性
フィルムと接着層との接着強度が0.8kg/cm以上
であることを同時に満足している。
【0018】上記耐熱フィルムとしては、例えば、芳香
族ポリエステルフィルム、芳香族ポリアミドフィルムや
ポリイミドフィルムなどを使用し得、耐熱性、可撓性、
低吸水性などの諸特性の相互バランスに優れる点で、ポ
リイミドフィルムが最も好ましく用いられる。特に、吸
水率を1.0%未満にすることが可能な、下記式
【0019】
【化5】 (ここで、Rは、フェニレン基、またはビフェニレン基
である)で表される単位構造を含むポリイミドフィルム
が好ましい。
【0020】また、接着フィルムに好適な高弾性率、低
線膨張、低吸湿膨張のポリイミドフィルムとするため
に、下記式
【0021】
【化6】 (ここで、X1〜X4、Y1〜Y4は、それぞれ独立し
て水素原子、炭素数2以下のアルキル基、またはハロゲ
ン基である)で表される構造単位を含むことが好まし
い。
【0022】本発明の接着フィルムにおける接着層に用
いられる好ましい樹脂としては、絶縁性や耐熱性に優れ
る点で、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹
脂、熱可塑性ポリイミドを主成分とする樹脂などが挙げ
られるが、より耐熱性(特に、200℃以上の長期耐熱
性)に優れる熱可塑性ポリイミドを主成分とすることが
最も好ましい。
【0023】以下、耐熱性フィルムがポリイミドフィル
ムの場合を例に挙げて、より具体的に説明する。ポリイ
ミドフィルムは、公知の方法で製造することができる。
即ち、このフィルムは、ポリイミドの前駆体物質である
ポリアミド酸を含む溶液を支持体に流延あるいは塗布し
た後に、化学的にあるいは熱的にイミド化することで得
ることができる。
【0024】本発明に係るポリイミドの前駆体物質であ
るポリアミド酸は、通常、少なくとも一種の酸二無水物
と、少なくとも一種のジアミンとを出発物質とし、有機
溶媒中に両者を実質的になどモル量、溶解させた後、温
度などの反応条件を制御しながら重合が完了するまで攪
拌することによって製造することができる。
【0025】上記の酸二無水物としては、具体的には、
ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,
3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水
物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル
酸無水物)、1,1’−ビフェニルビス(トリメリット
酸モノエステル酸無水物)およびそれらの類似物(誘導
体)などが用いられる。
【0026】上記例示の酸二無水物のうち、ピロメリッ
ト酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリ
ット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−ビフェニル
ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)が特に好
ましく用いられる。これら酸二無水物は、一種のみ用い
てもよく、また二種以上を任意の割合で併用してもよ
い。
【0027】上記のジアミンとしては、具体的には、例
えば、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメ
トキシベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、1,4
−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,
3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、
4,4’−ジアミノベンズアニライド、3,4’−ジア
ミノベンズアニライドおよびそれらの類似物(誘導体)
などが用いられる。
【0028】上記例示のジアミンのうち、3,3’−ジ
メチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、
3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノベ
ンズアニライド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、p−フェニレンジアミンがより好ましく、4,4’
−ジアミノベンズアニライドが特に好ましい。これらジ
アミンは、一種のみ用いてもよく、また二種以上を任意
の割合で併用してもよい。
【0029】そして、本発明に係る接着フィルムとして
より一層好適なポリイミドフィルムを得るためには、下
記式
【0030】
【化7】 (ここで、Rは、フェニレン基、またはビフェニレン基
である)で表される構造単位を含む酸二無水物を用いる
ことが好ましく、また、下記式
【0031】
【化8】 (ここで、X1〜X4、Y1〜Y4は、それぞれ独立し
て水素原子、炭素数2以下のアルキル基、またはハロゲ
ン基である)で表される構造単位を含むジアミンを用い
ることがより好ましい。即ち一般式(1)
【0032】
【化9】 (ここで、Rは、フェニレン基、またはビフェニレン基
である)で表される酸二無水物と一般式(2)
【0033】
【化10】 (ここで、X1〜X4、Y1〜Y4は、それぞれ独立し
て水素原子、炭素数2以下のアルキル基、またはハロゲ
ン基である)で表されるジアミンとを反応させてポリア
ミド酸を得た後、このポリアミド酸をイミド化してポリ
イミドを得ることがより好ましい。
【0034】酸二無水物とジアミンとの組み合わせや、
酸二無水物を二種類以上用いる場合の各化合物のモル比
(配合比)、ジアミンを二種類以上用いる場合の各化合
物の配合比は、ポリイミドからなる耐熱性フィルムが、
吸水率を特定範囲内、弾性率、線膨張係数および吸湿膨
張係数が好ましい範囲内となるように、および/また
は、前記特定の構造単位を含むように、適宜選択・設定
すればよい。そのなかでも、吸水率を特定範囲内、弾性
率および線膨張係数を好ましい範囲内に容易に制御でき
る点で、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェ
ニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、
4,4’−ジアミノベンズアニライド、4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミンのう
ち少なくとも一つを含む組み合わせがより好ましく、さ
らに低吸水性や可撓性などの諸特性の相互バランスによ
り一層優れている点でp−フェニレンビス(トリメリッ
ト酸モノエステル酸無水物)と4,4’−ジアミノベン
ズアニライドとを含む組み合わせが特に好ましい。
【0035】酸二無水物を二種類以上用いる場合におい
ては、酸二無水物全量に占めるp−フェニレンビス(ト
リメリット酸モノエステル酸無水物)の割合は、40モ
ル%以上であることがより好ましく、ジアミンを二種類
以上用いる場合においては、ジアミン全量に占める4,
4’−ジアミノベンズアニライドの割合は、50モル%
以上であることがより好ましい。
【0036】上記酸二無水物とジアミンを適宜組み合わ
せることにより、吸水率を特定範囲内に、また弾性率、
線膨張係数および吸湿膨張係数が好ましい範囲内である
耐熱性フィルムを容易に得ることができる。耐熱性フィ
ルムの吸水率は、1%未満とする必要があり、特に0.
8%未満であることが特に好ましい。弾性率は9GPa
〜12GPaの範囲内であることが好ましく、9.5G
Pa〜11GPaの範囲内であることがより好ましい。
線膨張係数は1ppm〜10ppmの範囲内であること
が好ましく、3ppm〜8ppmの範囲内であることが
より好ましい。吸湿膨張係数は1ppm〜10ppmの
範囲内であることが好ましく、3ppm〜8ppmの範
囲内であることがより好ましい。
【0037】ポリアミド酸を得る際に用いる有機溶媒と
しては、具体的には、例えば、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)など
のアミド系溶媒が挙げられる。上記例示の有機溶媒のう
ち、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。こ
れら有機溶媒は、一種類のみ用いてもよく、また、二種
類以上を任意の割合で混合した混合溶媒であってもよ
い。有機溶媒に酸二無水物およびジアミンを溶解させた
後、重合させることにより、ポリアミド酸溶液が得られ
る。
【0038】より具体的には、例えば、有機溶媒にジア
ミンを溶解させた溶液に、該ジアミンと実質的になどモ
ル量の酸二無水物を混合して重合させる方法が挙げられ
る。酸二無水物を混合する方法としては、粉体状などの
酸二無水物をそのまま混合してもよく、有機溶媒に酸二
無水物を溶解させた溶液を混合してもよいが、有機溶媒
にジアミンを溶解させた溶液に、酸二無水物と、有機溶
媒に酸二無水物を溶解させた溶液とを混合させる方法が
より好ましい。即ち、有機溶媒にジアミンを溶解させた
溶液に、該ジアミンに対して70モル%〜98.5モル
%の酸二無水物をそのまま混合した後、残りの酸二無水
物を有機溶媒に溶解させた溶液として混合する方法がよ
り好ましい。また、酸二無水物を混合する前に有機溶媒
に全てのジアミンを溶解させる上記方法の他に、有機溶
媒にジアミンの一部(あるいは一成分)を溶解させた溶
液に酸二無水物を混合し、その後、残りの(あるいは他
の成分の)ジアミンを混合する方法、有機溶媒にジアミ
ンと酸二無水物とを逐次混合する方法を採用することも
できる。さらに、酸二無水物とジアミンの混合順序を入
れ換えた方法、つまり、有機溶媒に酸二無水物を溶解さ
せた溶液に、該酸二無水物と実質的になどモル量のジア
ミンを混合して重合させる方法を採用することもでき
る。
【0039】従って、酸二無水物とジアミンの混合順序
や混合方法は、特に限定されるものではない。酸二無水
物とジアミンを重合させる際の温度は、0℃〜80℃の
範囲内が好適である。また、該重合は、水が存在すると
阻害されるため、重合反応は、脱湿された雰囲気下で行
うことが望ましい。
【0040】ポリアミド酸溶液におけるポリアミド酸の
濃度は、固形分として10重量%〜25重量%の範囲内
であることが好ましい。ポリアミド酸の濃度が上記範囲
内となるように酸二無水物およびジアミンを用いること
により、好適な分子量を有するポリアミド酸が得られる
と共に、好適な粘度を有する溶液が得られる。
【0041】イミド化は、熱キュア法およびケミカルキ
ュア法の何れかの方法を行えばよい。熱キュア法は、脱
水閉環剤などを用いることなく、加熱だけを行ってイミ
ド化反応を進行させる方法である。ケミカルキュア法
は、ポリアミド酸溶液に、化学的転化剤と触媒とを添加
してイミド化反応を進行させる方法である。これらの方
法のうち、ケミカルキュア法がより好ましい。また、ケ
ミカルキュア法と熱キュア法とを併用してもよい。
【0042】上記の化学的転化剤としては、例えば、脂
肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N’- ジアルキル
カルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化
低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化
物、チオニルハロゲン化物などが挙げられる。これら化
学的転化剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を併用してもよい。
【0043】上記例示の化学的転化剤のうち、無水酢
酸、無水プロピオン酸、無水ラク酸などの脂肪族酸無水
物、およびこれら化合物の混合物がより好ましい。上記
の触媒としては、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級ア
ミン、複素環式第三級アミンなどが挙げられる。これら
触媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよい。上記例示の触媒のうち、イソキノリ
ン、β−ピコリン、ピリジンなどの複素環式第三級アミ
ンが特に好ましい。
【0044】イミド化の条件は、ポリアミド酸の種類、
形成するフィルムの厚さ、熱キュア法および/またはケ
ミカルキュア法の何れを採用するかなどによって、適宜
設定すれば良い。
【0045】以下に、耐熱性フィルムの製造方法とし
て、ケミカルキュア法を採用してポリアミド酸溶液から
ポリイミドフィルムを製造する方法を例に挙げて、より
具体的に説明する。
【0046】先ず、上述した方法によってポリアミド酸
溶液を得る。このポリアミド酸溶液に化学的転化剤と触
媒とを添加した後、これを適当な支持体に流延あるいは
塗布する。次に、これを例えば100℃程度の温度で緩
やかに加熱することにより、化学的転化剤と触媒とを活
性化させて、部分的に硬化(イミド化)または部分的に
乾燥したポリアミド酸フィルム(以下、ゲルフィルムと
いう)に転移させる。
【0047】このゲルフィルムは、ポリアミド酸からポ
リイミドへ至るイミド化の中間段階にあたり、自己支持
性を有している。そして、ゲルフィルムは、部分的に硬
化(イミド化)または部分的に乾燥した状態であり、ポ
リアミド酸と、これがイミド化されたポリイミドとが混
在している。次いで、テンター工程での収縮を抑制する
ため、得られたゲルフィルムの端部を、収縮抑制用のテ
ンタークリップまたピンを用いて保持する。その後、段
階的に昇温してゲルフィルムを加熱することにより乾燥
かつイミド化して、ポリイミドフィルムとする。
【0048】より具体的には、ゲルフィルムを、仕切り
板で複数の区画に分けられ、区画ごとに温度が設定され
たテンター炉内を15秒〜400秒通過させて、加熱す
る方法が好適である。上記の炉内の温度は、ゲルフィル
ムが200℃程度の温度から最終的に400℃程度の温
度まで段階的に加熱されるように設定することが好まし
い。さらに、厚さや諸特性の品質がより均一なポリイミ
ドフィルムを得るためには、ゲルフィルムを、幅方向に
温度ムラなく加熱することが好ましい。これにより、接
着フィルムにおける耐熱性フィルムとしてのポリイミド
フィルムが得られる。
【0049】ポリイミドの分子量は、特に規制されるも
のではないが、接着フィルムの強度を維持することがで
きるように、ポリイミドの前駆体物質であるポリアミド
酸の数平均分子量が10万以上であることがより好まし
い。尚、ポリイミドは不溶性であるので分子量を直接的
に測定することは困難であるが、ポリアミド酸の分子量
はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定
することができる。
【0050】次に、接着層を構成する熱可塑性ポリイミ
ドの調製方法について説明する。該熱可塑性ポリイミド
は、基本的には、前記ポリイミドフィルムの製造方法と
同様の製造方法を用いて得ることができる。熱可塑性ポ
リイミドの前駆体物質であるポリアミド酸を得るのに好
適な酸二無水物としては、具体的には、例えば、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−
ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン
二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ
タン二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)スルホン二無水物、エチレンビス(トリ
メリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールA
ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)およびそ
れらの類似物(誘導体)などが用いられる。上記例示の
酸二無水物のうち、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、エチレンビス(トリメ
リット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビ
ス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)が特に好ま
しい。これら酸無水物は、一種類のみ用いてもよく、ま
た、二種類以上を任意の割合で併用してもよい。
【0051】熱可塑性ポリイミドの前駆体物質であるポ
リアミド酸を得るのに好適なジアミンとしては、具体的
には、例えば、ジアミンは、4,4’−ジアミノジフェ
ニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシ
ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’
−ジヒドロキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフ
タレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−
ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、1,3
−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、2,
2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、
1,2−(4−アミノフェノキシエトキシ)エタンおよ
びそれらの類似物(誘導体)などが用いられる。上記例
示のジアミンのうち、3,3’−ジヒドロキシベンジジ
ン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェノキ
シフェニル)プロパン、1,2−(4−アミノフェノキ
シエトキシ)エタンが特に好ましい。これらジアミン
は、一種類のみ用いてもよく、また、二種類以上を任意
の割合で併用してもよい。
【0052】酸二無水物とジアミンとの組み合わせや、
酸二無水物を二種類以上用いる場合の各化合物のモル比
(配合比)、ジアミンを二種類以上用いる場合の各化合
物の配合比は、熱可塑性熱可塑性ポリイミドが得られる
ように適宜選択・設定すればよい。そして、熱可塑性熱
可塑性ポリイミドの前駆体物質であるポリアミド酸は、
上記少なくとも一種の酸二無水物と、少なくとも一種の
ジアミンとを出発物質とし、有機溶媒に両者を実質的に
などモル量、溶解させた後、温度などの反応条件を制御
しながら重合が完了するまで攪拌することによって得る
ことができる。
【0053】本発明では、熱可塑性ポリイミド樹脂とし
て備えるべき各種特性を損なわない範囲内において、必
要に応じて、酸二無水物およびジアミン以外の単量体、
例えばエポキシ系単量体などを出発物質の成分として用
いてもよい。
【0054】熱可塑性ポリイミドは、該ポリアミド酸を
化学的にあるいは熱的にイミド化することで得ることが
できる。そして本発明のエレクトロニクス基板材料用の
接着フィルムは、耐熱性フィルムの片面または両面に接
着層を積層することにより得ることができる。
【0055】接着層の積層方法としては、接着層が熱可
塑性ポリイミドを主成分の場合、具体的には、例えば、
熱可塑性ポリイミドを主成分とするフィルムを耐熱性フ
ィルムに熱融着する方法;熱可塑性ポリイミドのゲルフ
ィルムを耐熱性フィルムに熱融着した後、さらにイミド
化する方法;熱可塑性ポリイミドが可溶性である場合に
該熱可塑性ポリイミドを主成分とする樹脂溶液を耐熱性
フィルムに塗布したあと乾燥する方法;ポリアミド酸を
主成分とする樹脂溶液を耐熱性フィルムに塗布した後、
乾燥かつイミド化する方法;などが挙げられる。また耐
熱性フィルムがゲルフィルムである段階で該ゲルフィル
ムに熱可塑性ポリイミドを主成分とする接着層を形成し
てもよい。このうち、耐熱性フィルムと接着層との接着
性の点から鑑みてポリアミド酸を主成分とする溶液を耐
熱性フィルムに塗布した後、乾燥かつ熱的にイミド化す
ることによって積層する方法が特に好ましい。また、上
述の熱的にイミド化させる際は、遠赤外線炉を使用し
て、ポリアミド酸の80モル%以上をイミド化させるこ
とが好ましい。
【0056】いずれの方法により接着層を形成する場合
であっても、耐熱性フィルムと接着層の接着力が特定範
囲内とするためには、接着層を形成させる前に、耐熱性
フィルムを、雰囲気温度が450℃〜550℃の遠赤外
線炉を通過させる、または/および、耐熱性フィルムの
表面を、窒素ガスを含む雰囲気下でプラズマ処理するこ
とが好ましい。
【0057】熱可塑性ポリイミドの分子量は、特に制限
されるものではないが、接着層として接着力ならびに強
度を維持することができるように、数平均分子量が5万
以上であることが好ましく、8万以上であることがさら
に好ましく、10万以上であることが特に好ましい。熱
可塑性ポリイミドまたはポリアミド酸(溶液)の分子量
は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測
定することができる。
【0058】次に、耐熱性フィルムの両面あるいは片面
に接着層を形成させた接着フィルムを使用して銅箔を積
層する方法について説明する。具体的には、例えば、少
なくとも一対の加熱ロールを有する熱ロール機や一対の
加熱機構を備えたエンドレスベルトを有するダブルベル
トプレス機で金属箔と接着フィルムを加熱・圧着する方
法が好ましい。金属箔の圧着温度は、接着フィルムの接
着性が発現(ガラス転移温度以上)し、かつ加熱・圧着
後にキャリヤを剥がすことのできる条件で行えば良い。
最も好適な温度範囲は、接着層のガラス転移温度の+5
0℃〜+100℃である。金属箔の圧着時間は、圧着時
の温度によるが、5分以内であることが好ましく、3分
以内であることが特に好ましい。また、圧着圧力は、線
圧で30kg/cm以上が好ましく、50kg/cm以
上が特に好ましい。
【0059】本発明に係る接着フィルムとその製造方
法、および、金属箔積層体の実施の一形態について説明
したが、本発明は、これによって何ら限定されるもので
はなく、その趣旨を逸脱しない範囲で以って当業者の知
識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた様態で
実施し得るものである。以下、実施例により本発明をよ
り具体的に説明する。
【0060】
【実施例】以下の実施例および比較例における耐熱性フ
ィルムの吸水率は、以下に記載の方法を用いて測定し
た。さらに、以下の実施例および比較例において得られ
た銅箔積層体の接着強度(接着層と耐熱性フィルムの接
着強度)、はんだ耐熱性は、以下に方法にて測定した。
【0061】(耐熱性フィルムの吸水率の測定方法)1
50℃で20分乾燥処理後の耐熱性フィルムの重量Wi
(g)を測定する。次に、耐熱性フィルムを23℃の温
度環境下で蒸留水に24時間浸漬し、再度重量Wa
(g)を測定する。フィルムの吸水率(%)は、下記の
式を用いて算出した。
【0062】 吸水率(%)=(Wa−Wi)÷Wi×100 (接着強度の測定方法)測定は、島津製作所製のオート
グラフで行った。銅張積層体を部分的にエッチングし、
接着フィルム上に幅が5mm、長さが80mmの銅パタ
ーンを形成させ試料として用いた。銅パタ−ンの端部を
耐熱性フィルムと接着層の界面から剥がし、その引き剥
がした端部を測定用の治具に固定し、パターン対して1
80°の角度で、50mm/分の速度で引き剥がし、そ
の強度を測定した。
【0063】(はんだ耐熱性の測定方法)常態のはんだ
耐熱性として、50mm角の銅箔積層板を、24時間/
20℃/60%RHの条件下に放置した後、300℃の
はんだ浴に1分間浸漬した。浸漬後、銅箔をエッチング
し、目視で発泡、膨れの有り無しを観察した。
【0064】吸湿のはんだ耐熱性として、50mm角の
銅箔積層板を、96時間/40℃/90%RHの条件下
に放置した後、260℃のはんだ浴に10秒間浸漬し
た。浸漬後、銅箔をエッチングし、目視で発泡、膨れの
有り無しを観察した。
【0065】実施例および比較例で用いた耐熱性フィル
ムおよび接着層用樹脂溶液の製造例を以下に示す。
【0066】1.耐熱性フィルムの製造例A(実施例
1) p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無
水物)/3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物/4、4’−ジアミノベンズアニリド/
4、4’―ジアミノジフェニルエーテルを、モル比で8
/2/8/2の割合で重合させることによりポリアミド
酸を合成した。氷浴で冷却下、このポリアミド酸の15
重量%DMAc溶液 100gに対して、無水酢酸/ピ
リジンの8g/2gの混合溶液を添加・攪拌した溶液
を、得られるフィルムの厚さが25μmとなるように支
持体であるステンレス製のエンドレスベルト上に流延し
た。
【0067】このエンドレスベルト上のポリアミド酸溶
液を110℃で4分間加熱し、自己支持性を有するゲル
フィルムを得た。このゲルフィルムをエンドレスベルト
から引き剥がし、フィルム長手方向に対して並行する両
端をテンタ−ピンで固定した後、雰囲気温度が150
℃、200℃、250℃、300℃、350℃のテンタ
ー(熱風加熱炉)、続けて雰囲気温度が500℃のテン
ター(遠赤外線炉)を各炉1分間、通過させて、段階的
に加熱して長尺状の耐熱性フィルムを得た。得られた耐
熱性フィルムの吸水率を測定し、結果を以下の表1に示
した。表1に示すように、このフィルムの吸水率は0.
7%と測定されほとんど水分を吸収しないことがわかっ
た。
【0068】2.耐熱性フィルムの製造例B(比較例
1) ゲルフィルムを、雰囲気温度が150℃、200℃、2
50℃、300℃、350℃(熱風加熱炉)を各1分間
通過させて段階的に加熱した以外は、上記製造例Aと同
様の方法で長尺状の耐熱性フィルムを得た。結果を以下
の表1に示した。表1に示すように、このフィルムの吸
水率は0.7%と測定されほとんど水分を吸収しないこ
とがわかった。
【0069】3.耐熱性フィルムの製造例C(実施例
2) 3、3’、4、4’−ジフェニルエーテルテトラカルボ
ン酸二無水物/4、4’−ジアミノベンズアニリド/
4、4’―ジアミノジフェニルエーテルをモル比で4/
3/1の割合で重合させることによりポリアミド酸を合
成した。氷浴で冷却下このポリアミド酸の15重量%D
MAc溶液 100gに対して、無水酢酸/ピリジンの
8g/2gの混合溶液を添加・攪拌した溶液を、得られ
るフィルムの厚さが25μmとなるように支持体である
ステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。このエ
ンドレスベルト上のポリアミド酸溶液を110℃で4分
間加熱し自己支持性を有するゲルフィルムを得た。
【0070】次いで、このゲルフィルムをエンドレスベ
ルトから引き剥がし、フィルム長手方向に対して並行す
る両端をテンタ−ピンで固定した後、雰囲気温度が15
0℃、200℃、250℃、300℃、350℃のテン
ター(熱風加熱炉)、続けて雰囲気温度が500℃のテ
ンター(遠赤外線炉)を各炉1分間、通過させて、段階
的に加熱して長尺状の耐熱性フィルムを得た。得られた
耐熱性フィルムの吸水率を測定し、結果を以下の表1に
示した。表1に示すように、このフィルムの吸水率は
0.9%と測定されほとんど水分を吸収しないことがわ
かった。
【0071】4.接着層用樹脂溶液の製造 3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物/(2,2’−ビス[4−(4‐アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパンを、モル比で1/1の割合で重
合させることによってポリアミド酸を合成し、接着層用
樹脂溶液として23重量%N、N−ジメチルホルムアミ
ド溶液のポリアミド酸溶液を得た。
【0072】(実施例1)耐熱性フィルムの製造例Aで
得られた25μmの耐熱性フィルムの片面に、接着層の
厚みが乾燥およびイミド化後に5μmになるようにロー
ルコーターで接着層用樹脂溶液の製造例で作製した溶液
を塗布して、100℃で4分間乾燥させた。他方の面に
も同様に接着層用樹脂溶液を塗布、乾燥させて両面に半
乾燥した接着層を有するフィルムを得た。
【0073】得られたフィルムを雰囲気温度が300℃
に加熱された遠赤外線炉内を2分間通過させて、25μ
mの耐熱性フィルムの両面に5μmの接着層を有する総
厚みが35μmの接着フィルムを得た。この接着フィル
ムの両面に18μmの圧延銅箔を、ダブルベルトプレス
機で温度が290℃、圧力が線圧で70kg/cmで3
分間加熱圧着して銅張積層体を得た。得られた銅張積層
体を用いて、接着強度(耐熱性フィルムと接着層の接着
強度)とはんだ耐熱性(常態、吸湿)について評価し
た。その結果を以下の表1に示した。
【0074】表1に示すように、この銅張積層体は、
1.0kgf/cmの接着強度を有し、常態のはんだ耐
熱性および吸湿のはんだ耐熱性試験で発泡または膨れは
認められなかった。
【0075】(実施例2)耐熱性フィルムに、製造例C
で得られたフィルムを用いた以外は、実施例1と同様の
方法で、接着フィルムおよび銅張積層体を得、接着強度
(耐熱性フィルムと接着層の接着強度)とはんだ耐熱性
(常態、吸湿)について評価した。その結果を以下の表
1に示した。
【0076】表1に示すように、この銅張積層体は、
0.9kgf/cmの接着強度を有し、常態のはんだ耐
熱性および吸湿のはんだ耐熱性試験で発泡または膨れは
認められなかった。
【0077】(実施例3)耐熱性フィルムに、耐熱性フ
ィルムの製造例Bで得られたフィルムを下記のプラズマ
処理条件にて表面処理したフィルムを用いた以外は、実
施例1と同様の方法で接着フィルムおよび銅張積層体を
得、接着強度(耐熱性フィルムと接着層の接着強度)と
はんだ耐熱性(常態、吸湿)について評価した。その結
果を表1に示した。表1に示すように、この銅張積層体
は、0.9kg/cmの接着強度を有し、常態のはんだ
耐熱性および吸湿のはんだ耐熱性試験で発泡または膨れ
は認められなかった。 プラズマ処理条件 雰囲気ガス種:アルゴン/ヘリウム/窒素=10/5/
1 処理密度:1391w・min/m2 (実施例4)耐熱性フィルムに、耐熱性フィルムの製造
例Aで得られたフィルムを下記のプラズマ処理条件にて
表面処理したフィルムを用いた以外は、実施例1と同様
の方法で接着フィルムおよび銅張積層体を得、接着強度
(耐熱性フィルムと接着層の接着強度)とはんだ耐熱性
(常態、吸湿)について評価した。その結果を表1に示
した。表1に示すように、この銅張積層体は、1.1k
g/cmの接着強度を有し、常態のはんだ耐熱性および
吸湿のはんだ耐熱性試験で発泡または膨れは認められな
かった。 プラズマ処理条件 雰囲気ガス種:アルゴン/ヘリウム/窒素=10/5/
1 処理密度:1391w・min/m2 (比較例1)耐熱性フィルムに、製造例Bで得られたフ
ィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法で、接着
フィルムおよび銅張積層体を得、接着強度(耐熱性フィ
ルムと接着層の接着強度)とはんだ耐熱性(常態、吸
湿)について評価した。その結果を以下の表1に示し
た。表1に示すように、この銅張積層体の接着強度は、
0.6kgf/cmと、実施例1の銅張積層体に比べ約
半分の接着強度しか有さず、はんだ耐熱性試験において
も発泡または膨れが認められた。
【0078】製造例Bで得られたフィルムは、製造例A
で得られたフィルムとは異なり、遠赤外線炉を通過させ
ておらず、遠赤外線を通過させることで、フィルムに接
着強度およびはんだ耐性が付与されることが示された。
【0079】(比較例2)耐熱性フィルムに、宇部興産
社製のポリイミドフィルム(ユーピレックスS、25μ
m厚、吸水率1.2%)を用いた以外は、実施例1と同
様の方法で、接着フィルムおよび銅張積層体を得、接着
強度(耐熱性フィルムと接着層の接着強度)とはんだ耐
熱性(常態、吸湿)について評価した。その結果を以下
の表1に示した。表1に示すように、この銅張積層体
は、1.0kgf/cmと、接着強度に優れていたが、
はんだ耐熱性に乏しかった。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】吸水率が1.0%未満であって、そして
接着層との接着強度が0.8kg/cm以上の耐熱性フ
ィルムが提供され、そして接着性、耐熱性(特に、はん
だ耐熱性)、低吸水性、機械的強度、寸法安定性などの
諸特性に優れるフレキシブルプリント配線板を提供でき
る接着フィルムが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 670 H05K 1/03 670Z (72)発明者 片岡 孝介 滋賀県大津市坂本2−4−64 (72)発明者 古谷 浩行 大阪府高槻市上土室1−10−6−412 Fターム(参考) 4F100 AB01D AB01E AB33D AB33E AK49A AK49B AK49C BA03 BA05 BA06 BA10B BA10C BA10D BA10E CB00B CB00C EG002 EH462 EJ202 EJ432 EJ602 EJ612 EJ862 GB43 JA20A JJ03A JK01 JK06A JL04 4J004 AA11 AB03 CA06 CB03 CC02 CD08 CD10 CE01 DB01 FA05 4J040 EH031 GA07 JA09 LA06 LA07 LA08 NA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性フィルム、および熱可塑性ポリイ
    ミドを主成分とする樹脂からなる接着層を備えた接着フ
    ィルムであって、該耐熱性フィルムが1.0%未満の吸
    水率を有し、かつ該耐熱性フィルムと該接着層との接着
    強度が0.8kg/cm以上である、接着フィルム。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性フィルムがポリイミドフィル
    ムである、請求項1に記載の接着フィルム。
  3. 【請求項3】 前記耐熱性フィルムが下記式 【化1】 (ここで、Rは、フェニレン基、またはビフェニレン基
    である)で表される単位構造を含む、請求項1または請
    求項2に記載の接着フィルム。
  4. 【請求項4】 前記耐熱性フィルムが下記式 【化2】 (ここで、X1〜X4、Y1〜Y4は、それぞれ独立し
    て、水素原子、炭素数2以下のアルキル基、またはハロ
    ゲン基である)で表される単位構造を含む、請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の接着フィルム。
  5. 【請求項5】 450℃〜550℃の雰囲気温度で、耐
    熱性フィルムを遠赤外線処理する工程、または/およ
    び、窒素ガスを含む雰囲気下で、耐熱性フィルムの表面
    をプラズマ処理する工程を包含する、請求項1〜4のい
    ずれかに記載の耐熱性接着フィルムの製造方法
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の接着フ
    ィルム、および金属箔を備えた、金属箔積層体。
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