JP2002317002A - ポリマー合成方法 - Google Patents

ポリマー合成方法

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JP2002317002A JP2001121230A JP2001121230A JP2002317002A JP 2002317002 A JP2002317002 A JP 2002317002A JP 2001121230 A JP2001121230 A JP 2001121230A JP 2001121230 A JP2001121230 A JP 2001121230A JP 2002317002 A JP2002317002 A JP 2002317002A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合反応に伴って発生する発熱量を抑制する
ポリマー合成方法を提供する。 【解決手段】 この発明の方法は、所定のポリマーの設
定重合温度に対し、重合反応開始から一定時間内におい
て、数度高い温度設定を行って重合反応を促進させる。
その結果、総括伝熱係数の高い混合物の状態で重合反応
に伴って発生する発熱量のピークポイントに到達させる
ことができるので、発熱量を効率よく冷却除去できると
ももに、発熱量のピーク値を抑えることができ、ひいて
は冷却手段を簡素化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ポリマー合成方
法に係り、特に、重合温度を操作することにより重合反
応に伴い発生する発熱量を制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリマー合成方法として、所定の
ポリマーを合成する際に、ポリマーを合成する槽内の重
合温度を予め一定に保つようにしている。つまり、槽内
のモノマーに温度分布のバラツキが生じると、ポリマー
の分子量の分布にバラツキが生じ、目標とする分子量分
布をもったポリマーを合成することができないからであ
る。
【0003】そこで上述の方法を実施するために、重合
反応開始前は、予め定められた重合開始温度にするため
に、槽内に投入されたモノマーに熱を加える。このと
き、槽の外周に付設した温度調節用手段であるジャケッ
トに温度調節用流体として温水を循環させる。逆に重合
反応が開始したときは、この重合反応に伴い発生した熱
量を除去するためにジャケットに冷却水を循環して槽内
の重合温度を一定に保っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のポリマー合成方法の場合には、次のような問
題がある。
【0005】従来のポリマー合成方法は、モノマーを重
合反応させて重合温度を一定に保つように、ジャケット
に循環させる温度調節用流体の温度をコントロールして
いる。しかしながら、重合温度を一定に維持すると、ポ
リマー合成反応時に発生する発熱量のピークポイントに
到達するまでに相当の時間がかかっている。その結果、
発熱量がピークポイントに達した時点では、合成反応が
進んで粘度が高くなった混合物(モノマーとポリマーの
混合物)から、発生した熱量を除去しなければならな
い。つまり、混合物の粘度が高くなると重合反応に伴っ
て発生した発熱量が混合物内に蓄積されやすくなるの
で、この蓄積される熱量を除去するためには、ジャケッ
トのサイズを大きくするなどして冷却効率の高い装置を
設けなければならないといった問題がある。
【0006】すなわち、ポリマー製造業者にとっては、
複雑で大型な設備を配備しなければならず設備費用など
の面での不都合が生じている。
【0007】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、冷却設備を大型化することなく、重
合反応に伴い発生した発熱量を効果的に制御することが
できるポリマー合成方法を提供することを主たる目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】先ず、本発明の原理につ
いて説明する。ポリマーを合成するに際、攪拌槽に投入
されたモノマーがポリマーへと合成される過程の伝熱量
Qについては容易に知ることができる。つまり、伝熱量
Qは、物質固有の熱の伝達および放熱能力である総括伝
熱係数Uと、攪拌槽に投入されたモノマーが攪拌槽の内
壁に接触している伝熱面積A、および攪拌槽の外側と槽
内との温度差Δtの積によって求まるものであって、次
式(1)で表すことができる。 Q(W)=U(W/m2・K)×A(m2)×Δt(K) … (1)
【0009】この(1)式に基づいて、攪拌槽に投入さ
れたモノマーが重合反応に伴って発生する発熱量を十分
に冷却除去するためには、攪拌槽の外周側と内壁との温
度差Δt、または伝熱面積Aの少なくともいずれか一方
の値を大きくすることが常識とされている。つまり、攪
拌槽内は重合反応に伴って発生する発熱量によって高温
になるので、冷却効率の高いジャケットを攪拌槽に付設
したり、ジャケットおよび攪拌槽のサイズを大きくして
互いの接触面積を拡張して冷却効率を向上させたりして
いる。しかし、このような構成にすると装置構成が大き
くなり複雑化する。
【0010】そこで、本発明者は、ジャケットなどの装
置構成を変更せず、つまり温度差Δtと伝熱面積Aの値
はそのままにして、(1)式の総括伝熱係数Uについて
着目した。そして、モノマーからポリマーへと合成され
る過程の総括伝熱係数Uの変化は、図6に示すように、
攪拌槽投入時のモノマー(液状態)のときに値が大き
く、重合反応の経過とともに値が小さくなることが確認
できた。つまり、総括伝熱係数Uの値は、粘度の低いと
きに大きく、粘度の高いときに小さくなる。
【0011】すなわち、攪拌槽に投入したモノマーがポ
リマーへ合成される過程の粘度の低い時点で重合反応に
伴う発熱量をピークポイントに到達させることによっ
て、発熱量の冷却効率を上げることができる。
【0012】以上のような知見に基づいて創作されたこ
の発明は、以下のような構成をとる。
【0013】すなわち、請求項1に記載の発明は、槽内
に投入されたモノマーを反応させてポリマーを合成する
方法において、時系列の目標値としてポリマー合成反応
時の発熱量パターンまたはこれと等価な反応要素パター
ンを予め設定し、検出量としてポリマー合成反応時の発
熱量またはこれと等価な物理量を時系列に検出し、これ
ら目標値と検出量との偏差に応じて重合温度を操作する
ことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のポリマー合成方法において、前記時系列の目標
値は重合温度パターンであり、前記検出量は重合温度ま
たはこれと等価な槽内外の温度であることを特徴とする
ものである。
【0015】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載のポリマーの合成方法において、前記重合温度
パターンは、その初期値がその後の重合温度よりも高く
設定されたことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。すなわち、時系列の目標値としてポリマー合成反応
時の発熱量パターンまたはこれと等価な反応要素パター
ンを予め設定し、この設定パターンと、実測による発熱
量またはこれと等価な物理量とから求めた偏差に応じて
重合温度が操作される。つまり、重合温度を操作するこ
とによって、発熱量のピークポイント到達時点の調節が
行われる。
【0017】また、請求項2に記載の発明によれば、検
出量として重合温度またはこれと等価な槽内外の温度が
検出され、この検出された温度と時系列の目標値として
設定された重合温度パターンとが比較され、この比較に
より求められた温度偏差に基づいて重合温度の操作が行
われる。
【0018】また、請求項3に記載の発明によれば、重
合温度パターンの初期値が後の重合温度よりも高く設定
される。つまり、重合温度パターンの初期値を高く設定
することによって、重合反応が初期の段階で促進され
る。つまり、混合物の粘度の低い時点で重合反応に伴う
発熱量のピークポイントに到達させられる。さらに、混
合物の粘度が低い時点では、放熱性の高い状態で発熱量
の冷却除去が行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態について説明する。なお、この実施例のポリマ
ー合成方法では、ポリマーを合成するときの時系列の目
標値としての発熱量パターンに重合温度パターンを設定
し、検出量として攪拌槽の内外温度を検出する場合を例
にとって説明する。図1〜図3は本実施例のポリマー合
成方法と従来の方法との比較を示すものであって、図1
は設定重合温度の推移を示す図、図2は重合率の推移を
示す図、図3は発熱量の推移を示す図である。
【0020】本実施例では、攪拌槽に投入されたモノマ
ーがポリマーに合成される過程で、上述の(1)式から
総括伝熱係数Uの値が大きく、伝熱性および放熱性の高
い時点(混合物の粘度の低い時点)で重合反応に伴って
発生する発熱量のピークポイントに到達させるようにす
るものである。
【0021】先ず、ポリマー合成の開始前に時系列の目
標値としての重合温度パターンを予め設定する。ここ
で、本実施例の特徴として、重合反応開始の初期段階
と、それ以降の段階の2段階に分けて、重合温度の設定
条件を変更する。つまり、図1の実線A1に示すよう
に、初期段階T0〜T1の時間範囲では、所定のポリマ
ーに対応する重合温度に対して+(プラス)5℃以内の
範囲で高めの温度設定を行う。また、初期段階T1以降
については、実線A2に示すように、所定のポリマーに
応じた重合温度の状態に戻すようにする。なお、一点鎖
線Bおよび実線A2は、従来の方法により設定する所定
の重合温度の推移を示すものである。また、所定の重合
温度は、合成するポリマーごとに予め決められたもので
あって、通常、重合開始から終了まで一定温度に設定さ
れている。
【0022】つまり、重合反応の初期段階の温度を所定
の重合温度より高く設定して重合反応を促進させ、この
反応に伴う発熱量のピークポイントをT1時点に到達さ
せるようにする。そして、発熱量のピークポイントT1
を境にして発熱量が低下してゆくので、T1以降は所定
のポリマーの重合温度まで下げ、その重合温度を維持す
るようにする。なお、T1の時間設定は、ポリマーに応
じて予め実験により求められる。
【0023】なお、上述の実施例の方法に基づいて、重
合率が約67〜68%であるポリマーを合成する実験を
本発明者は行った。重合温度パターンとして、初期段階
T0〜T1の時間を20分に設定し、予め決められた所
定の重合温度に対して+2℃に設定した。そこで、本実
施例の方法と従来の方法により得られる結果とを比較す
るために、図2および図3において、実線Aを本実施
例、一点鎖線Bを従来の方法により得られた結果として
示す。
【0024】先ず、実験において得られた重合率の推移
は、図2に示すように、T1の時点で従来の方法Bでは
20%代であるのに対し、この実施例の方法Aでは約6
0%と高水準まで到達している。
【0025】発熱量のピークの推移は、図3に示すよう
に、実施例の方法Aでは設定目標値どおりにT1の時点
でピークに到達しているのに対し、従来の方法BではT
2の時点(重合反応開始後、約50分)で到達してい
る。また。図3から明らかなように、実施例の方法Aで
は発熱量のピークを重合反応開始の早い時点T1で到達
させると、発熱量も従来に比べて抑えられることが確認
された。
【0026】以上のように発熱量パターンとして重合温
度パターンを設定し、この重合温度パターンの初期段階
で所定のポリマーの重合温度よりも高く設定することに
よって重合反応を促進させるとともに、攪拌槽内に投入
された混合物の粘度の低い状態の時点(総括伝熱係数U
の高い時点)で発熱量のピークに到達させることができ
る。つまり、総括伝熱係数Uが高く伝熱性および放熱性
が高い状態であるので、発熱量の冷却除去を効率よく行
ことができる結果、発熱量のピークをも抑えることがで
きる。
【0027】すなわち、従来からの常識とは一転して重
合温度を操作して一定時間、所定の重合温度よりも高く
設定することによって、既存の装置構成を変更すること
なく、冷却効率の高い状態でポリマーを合成することが
できる。
【0028】なお、上述のように重合温度を操作しても
分子量の分布には影響を与えることなく、分子量の分布
が均一なポリマーを合成することができることを本発明
者の実験により確認されている。
【0029】また、上述の実施例中の実験では、初期段
階の重合温度を20分間で+2℃上げてポリマーを合成
していたが、この設定時間と設定温度に限定されるもの
ではなく、ポリマーの分子量の分布度合いなどに応じて
異なり、設定時間は10〜30分、設定温度は+5℃以
内の範囲でそれぞれ適宜に設定変更されることが好まし
い。
【0030】なお、上述の実施例中、図1の重合温度の
推移を示す重合温度パターンは、本発明の「等価な反応
要素パターン」に相当する。また、図2の重合率の推移
を示す重合率の傾きも本発明の「等価な反応要素パター
ン」の一つに相当する。
【0031】次に、図4を参照して、上述のポリマー合
成方法を好適に実施可能な攪拌装置の一実施例を用いて
具体的に説明する。なお、図4は攪拌装置の概略構成図
である。先ず、実施例装置の構成について説明する。
【0032】攪拌機1は、攪拌槽2と、攪拌槽2の中心
部の上下部に貫通した回転軸4に取り付けられた攪拌翼
6(図4では「格子翼」)とを備えるとともに、攪拌槽
2の外周側には温度調節用流体を流通されるための温度
調節用手段としてのジャケット3が付設されている。な
お、回転軸4の上部には、図示しないが回転駆動手段が
連接されている。
【0033】ジャケット3には温度調節用流体を供給・
排出循環させるための配管R1が連通接続されている。
この配管R1には、攪拌槽2内の温度を上げるために配
管R1、およびジャケット3を流通する温度調節用流体
の温度を上昇させる配管加熱部13が設けられている。
また、配管R1には、攪拌槽2を冷却するために配管R
1を循環する温水を排出するためのバルブV2が備えら
れているとともに、バルブV2を開放して温水を排出し
たときに冷却水を供給するための配管R3が連通接続さ
れている。
【0034】温度センサS1は、攪拌槽2の底部から槽
内に挿入されており、攪拌槽2内の混合物の温度を逐次
検出するようになっている。
【0035】温度センサS2は、ジャケット3の温度調
節用流体の排出側に取り付けられており、ジャケット3
を流通した温度調節用流体の温度変化を逐次検出するよ
うになっている。
【0036】なお、上述の温度センサS1で検出される
攪拌槽2内の混合物の温度と、温度センサS2で検出さ
れる温度調節用流体の温度は、本発明の「等価な物理
量」に相当する。
【0037】第1および第2温度指示調節計11、12
は、目標値となる重合温度および時間が予め設定入力さ
れるようになっている。つまり、この実施例の重合温度
の設定では、初期段階とそれ以降の2段階に分けられ、
初期段階では所定のポリマーの設定重合温度よりも高く
(+5℃以下)設定入力され、それ以降は所定のポリマ
ーの重合温度が設定入力されるようになっている。
【0038】また、第1温度指示調節計11は、温度セ
ンサS1から逐次検出される攪拌槽2内の温度が送られ
てくる。そして、予め設定入力された重合温度と検出結
果(温度)とが比較されて偏差が導出される。さらに、
この導出された偏差からジャケット3内の水温の設定値
が導出され、第2温度指示調節計12に送られる。
【0039】また、第2温度指示調節計12には、第1
温度指示調節計11で導出されたジャケット3内の水温
の設定値が送られてくるとともに、ジャケット3を流通
して配管R1に排出されてきた温水の温度が温度センサ
S2から逐次検出されて送られてくる。そして、これら
設定値と配管R1から検出された温度が比較され、配管
R1〜R3に備えられた各バルブV1〜V3の開閉がさ
れるようになっている。
【0040】配管加熱部13には、配管R1が貫通して
いる。また、その内部に蒸気が供給されるようにバルブ
V1を備えた配管R2が連通接続されている。つまり、
バルブV1を開放して配管加熱部13の内部に蒸気を供
給することによって配管R1を流通する温度調節用流体
の温度が上げられるようになっている。
【0041】次に、上述の実施例装置を用いた一巡の動
作を図5のフローチャートに基づいて説明する。 <ステップF1> ポリマー合成条件の設定および合成開
始 ポリマー合成に際し、重合温度パターンとして、初期段
階の時間と重合温度、および初期段階以降の重合温度と
が第1温度指示調節計11に予め設定入力される。設定
入力後、ポリマーの合成が開始される。
【0042】<ステップF2> 攪拌槽内への熱の伝達 ポリマーの合成の開始から重合反応が開始するまで配管
R1に温水が循環され、ジャケット3を介して槽内のモ
ノマーに熱が伝達される。つまり、バルブV1が開放さ
れて配管R2から蒸気が配管加熱部13に供給され、配
管R1を流通する温度調節用流体の温度が上げられる。
【0043】<ステップF3> 重合温度に到達したか 重合温度に到達すれば次のステップF4に進む。まだ重
合温度に到達していなければステップF2に戻り、重合
温度に到達するまでステップF2の操作が繰り返えし行
われる。なお、重合温度に到達するまでの間、攪拌槽2
内の温度と、ジャケット3を流通して配管R1に排出さ
れる温度調節用流体の温度とが各温度センサS1,S2
によりそれぞれ逐次検出されている。
【0044】<ステップF4> 初期段階の重合温度の維
持 重合温度に到達して重合反応が開始されると同時に、温
度センサS1から逐次検出される結果が、第1温度指示
調節計11に送られる。そして、予め設定入力された重
合温度と検出結果が比較され、ジャケット3内の水温の
設定値が導出される。そして、その設定値は温度センサ
S2から逐次検出される結果とともに、第2温度指示調
節計12に送られて配管R1を流通する水温が調節され
る。つまり、重合反応が開始すると反応に伴って発生す
る熱を冷却除去するために、バルブV2が開放されて配
管R1を循環する温水が排出される。同時に、バルブV
3が開放されて配管R3から配管R1に冷却水が供給さ
れて配管R1およびジャケット3内を冷却水が循環す
る。そうすることによって、所定の重合温度よりも高め
に設定された初期段階の重合温度が維持される。
【0045】<ステップF5> 初期段階の設定時間を経
過したか 初期段階の終了時間に到達すると次のステップF6に進
み、終了時間に到達していなければステップF4の操作
が繰り返し行われる。
【0046】<ステップF6> 所定の重合温度の維持 初期段階の終了時間に到達すると、その時点が重合反応
に伴って発生する発熱量のピークポイントとなり、その
時点を境に発熱量は減衰するので重合温度は所定の重合
温度に戻され、この重合温度が維持される。
【0047】<ステップF7> 重合反応は終了したか 重合反応が終了すれば、ポリマーの合成は終了する。重
合反応が終了していなければ、重合反応が終了するまで
ステップF6の操作が繰り返し行われる。
【0048】本発明は、上記実施の形態に限られること
なく、下記のように変形実施することができる。 (1)上記実施例では、回転軸両端に軸支された格子翼
を備えた攪拌機について説明したが、この形態に限定さ
れるものではなく、平板翼などであってもよいし、翼を
片持ちしたものであってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、時系列の目標値として発熱量
パターンなどの予め設定された目標値と、発熱量などの
検出量とから求めた偏差に応じて重合温度を操作するこ
とによって槽内の混合物の発熱量をコントロールするこ
とができる。すなわち、発熱量をコントロールすること
によって、冷却手段の構成を簡素化できる。
【0050】また、請求項2に記載の発明によれば、ポ
リマー合成に際して重合温度パターンを予め設定し、こ
の設定重合温度パターンと槽内外から検出される温度と
の比較により求められた温度偏差に基づいて、重合温度
を操作することができる。すなわち、請求項1の方法を
好適に実施することできる。
【0051】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
重合温度パターンの初期値を後の重合温度よりも高く設
定することにより重合反応を促進させることができるの
で、重合反応に伴って発生する発熱量のピークポイント
を総括伝熱係数の高い時点で到達させることができる。
【0052】つまり、混合物の伝熱性と放熱性の優れた
粘度の低い状態で発熱量のピークポイントに到達させる
ことができるので、冷却効率の向上を図れるとともに、
発熱量のピーク値を抑えることもできる。その結果、冷
却能力の高い特殊な冷却手段を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の方法および従来の方法による設定重合
温度の推移を示した図である。
【図2】実施例の方法および従来の方法による重合率の
推移を示した図である。
【図3】実施例の方法および従来の方法による発熱量の
推移を示した図である。
【図4】実施例装置の概略構成図である。
【図5】実施例方法の手順を示したフローチャートであ
る。
【図6】総括伝熱係数の変化を示した図である。
【符号の説明】
R1〜R3 … 配管 S1、S2 … 温度センサ V1〜V3 … バルブ 1 … 攪拌機 3 … ジャケット 4 … 回転軸 6 … 攪拌翼 11 … 第1温度指示調節計 12 … 第2温度指示調節計 13 … 配管加熱部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新家 香織 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 奥野 利昭 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J011 AA01 AB02 AB10 BA06 4J031 CA02 CA12 CA17 CG43 CG48

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 槽内に投入されたモノマーを反応させて
    ポリマーを合成する方法において、 時系列の目標値としてポリマー合成反応時の発熱量パタ
    ーンまたはこれと等価な反応要素パターンを予め設定
    し、 検出量としてポリマー合成反応時の発熱量またはこれと
    等価な物理量を時系列に検出し、 これら目標値と検出量との偏差に応じて重合温度を操作
    することを特徴とするポリマー合成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリマー合成方法にお
    いて、 前記時系列の目標値は重合温度パターンであり、前記検
    出量は重合温度またはこれと等価な槽内外の温度である
    ことを特徴とするポリマー合成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポリマーの合成方法に
    おいて、 前記重合温度パターンは、その初期値がその後の重合温
    度よりも高く設定されたことを特徴とするポリマー合成
    方法。
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