JP2002316426A - インクジェット式記録装置および同装置におけるインク励振制御方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置および同装置におけるインク励振制御方法

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JP2002316426A
JP2002316426A JP2001120514A JP2001120514A JP2002316426A JP 2002316426 A JP2002316426 A JP 2002316426A JP 2001120514 A JP2001120514 A JP 2001120514A JP 2001120514 A JP2001120514 A JP 2001120514A JP 2002316426 A JP2002316426 A JP 2002316426A
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JP
Japan
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ink
cartridge
recording apparatus
timer
ink cartridge
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JP2001120514A
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English (en)
Inventor
Keiji Matsumoto
圭次 松本
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク色素が沈降しやすい、例えば顔料イン
クを利用する場合に発生する問題点を解消することがで
きるインク励振制御方法を提供すること。 【解決手段】 キャリッジ1に配置されたカートリッジ
ホルダ21内にインクカートリッジ7が装着され、カー
トリッジホルダ21の上部開口を覆う蓋体23の裏面に
は、励振手段としてのピエゾ素子24が取り付けられて
いる。このピエゾ素子24により発生する振動は、弾性
部材25を介してインクカートリッジ7に伝達され、カ
ートリッジ内に貯留されたインクに振動を与えて攪拌さ
せることができる。この記録装置においては、記録装置
の休止時間が所定の値を超えた場合において、ピエゾ素
子24に駆動信号が供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばインク色素
が沈降しやすいインクを利用する場合に適したインクジ
ェット式記録装置および同装置におけるインク励振制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばシリアルプリンティング方式のイ
ンクジェット式記録装置は、キャリッジに搭載されて記
録用紙の幅方向に移動する記録ヘッドと、記録用紙を記
録ヘッドの移動方向に対して直交する方向に相対的に移
動させる紙送り手段が備えられ、印刷データに基づいて
記録ヘッドよりインク滴を吐出させることにより記録用
紙に対して記録が行われる。
【0003】そして、主に家庭用として用いられるこの
種の記録装置においては、装置の小型化および構成の簡
素化を図るために、記録ヘッドにインクを供給するため
のインクカートリッジが、キャリッジに形成されたカー
トリッジホルダに対して着脱可能に装着される構成が採
用されている。一方、例えばオフィス向けもしくは業務
用に提供されるこの種の記録装置においては、大量の印
刷に対応させるために、大容量のインクカートリッジを
配備する必要が生じ、このためにインクカートリッジ
は、装置本体側に配置されたカートリッジホルダに装着
する構成が採用されている。そして、本体側のカートリ
ッジホルダからインク補給チューブを介してキャリッジ
に搭載されたサブタンクにインクが補給され、サブタン
クより記録ヘッドに向けてインクが供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昨今におい
ては印刷の多様化に伴い、顔料分散系のインク(以下、
顔料インクという)が用いられる趨勢にある。この顔料
インクは、色素として顔料が用いられ、この顔料をイン
ク溶媒に分散させたものである。この顔料インクは発色
が鮮やかであるという特質を有するものの、これを放置
した場合には、顔料が溶媒中で沈降するという問題が発
生する。
【0005】このために、記録装置の休止期間が比較的
長期にわたった場合には、顔料の沈降に伴ってインクカ
ートリッジ内のインクは、カートリッジの上部側で顔料
濃度が薄く、カートリッジの下部側で顔料濃度が濃くな
るという濃度むらが発生する。このために、例えばキャ
リッジに着脱可能に装着されるオンキャリッジタイプの
インクカートリッジを用いる記録装置においては、印刷
の初期においては通常よりも濃い色の画像が記録され、
その後、インクの消費に伴い画像の色が薄くなるという
問題が生ずる。
【0006】また、インクカートリッジを記録装置の本
体側に着脱可能に装着されるオフキャリッジタイプのイ
ンクカートリッジを用いる記録装置においては、印刷の
初期においては通常よりも薄い色の画像が記録され、そ
の後、インクの消費に伴い画像の色が濃くなるという問
題が生ずる。そして、極端な場合には顔料の沈降により
顔料が凝縮して粒径が大きくなり、凝縮した顔料が記録
ヘッドに至るフィルタ部材を詰まらせたり、または記録
ヘッドに形成された複雑なインク流路に入り、当該部分
を詰まらせるという問題が発生する。これにより、記録
ヘッドからのインク滴の吐出を不能にさせるという問題
に発展する。また、前記した顔料の沈降および凝縮作用
は、例えばオフキャリッジタイプのインクカートリッジ
を用いる記録装置において、キャリッジに搭載されたサ
ブタンク内においても発生する。
【0007】特に、顔料表面に樹脂を吸着させることに
より、顔料粒子を分散させる樹脂分散インクは、凝縮が
発生してしまった場合には、顔料粒子同志の吸着層が絡
み合い、「ほぐれ」難くなるという問題が発生し、前記
したような障害の発生度合いが顕著になる。一方、別の
顔料インクの分散形態として、表面処理顔料インクの提
案もなされている。この表面処理顔料インクは、顔料粒
子を物理的あるいは化学的手段を用いて表面処理を施
し、表面の性質を変えることにより、分散性の向上を図
るようにしている。しかしながら、いずれにおいても記
録装置の比較的長期の休止期間後においては、インクに
濃度むらが発生することは免れない。
【0008】本発明は、前記した問題点に着目してなさ
れたものであり、例えば顔料インクが用いられ、長期の
休止期間経過後においてインクカートリッジ内もしくは
記録装置のインク流路内において発生する顔料の沈降作
用に基づく前記したような障害の発生を防止し得るイン
クジェット式記録装置および同装置におけるインク励振
制御方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために成された本発明にかかるインクジェット式記録装
置は、記録ヘッドに対してインクを供給するインクカー
トリッジがカートリッジホルダに着脱可能に装着できる
ように構成され、前記インクカートリッジ内に貯留され
たインク、または記録装置内に導入されたインクに振動
を与えて攪拌させることができる励振手段を具備したイ
ンクジェット式記録装置であって、記録装置の休止時間
を計測する計時手段が具備され、前記計時手段の計測値
が所定の値を超えた場合において、前記励振手段が駆動
されるように構成される。
【0010】この場合、前記計時手段として、好ましく
は前回の印刷動作終了時からの経過時間を計測するプリ
ントタイマーが用いられる。また、前記計時手段とし
て、好ましくは前回における記録ヘッドのメンテナンス
動作実行後からの経過時間を計測するメンテナンスタイ
マーがさらに具備され、前記プリントタイマーの計測値
が所定の値を超えた場合において、前記励振手段が駆動
されると共に記録ヘッドの吸引動作が実行され、前記プ
リントタイマーの計測値が所定の値に達しない場合にお
いては、前記メンテナンスタイマーの計測時間に応じ
て、フラッシング動作または記録ヘッドの吸引動作が実
行されるように構成される。
【0011】そして、前記カートリッジホルダに装着さ
れたインクカートリッジの情報を取得する情報取得手段
が具備され、前記情報取得手段によって取得された当該
インクカートリッジに貯留されたインクの種類に応じ
て、前記所定の値が変更されるように構成することが望
ましい。
【0012】また、好ましい実施の形態においては、前
記計時手段による計測値が所定の値を超えたか否かの判
定が、記録装置に動作電源が投入された時、記録装置が
印刷指令を受けた時、または記録装置がクリーニング指
令を受けた時に実行されるように構成される。
【0013】一方、本発明にかかるインク励振制御方法
は、記録ヘッドに対してインクを供給するインクカート
リッジがカートリッジホルダに着脱可能に装着できるよ
うに構成され、前記インクカートリッジ内に貯留された
インク、または記録装置内に導入されたインクに振動を
与えて攪拌させることができる励振手段を具備したイン
クジェット式記録装置におけるインク励振制御方法であ
って、記録装置の休止時間を計時手段により計測すると
共に、当該計時手段による計測値が、所定の値を超えた
か否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップに
おいて計時手段による計測値が所定の値を超えたと判定
された場合において、前記励振手段を駆動する駆動ステ
ップと、前記計時手段による計測値をリセットさせるリ
セットステップとを実行するようになされる。
【0014】この場合、前記計時手段として、好ましく
は前回の印刷動作終了時からの経過時間を計測するプリ
ントタイマーと、前回における記録ヘッドのメンテナン
ス動作実行後からの経過時間を計測するメンテナンスタ
イマーが用いられ、前記判定ステップにおいて、プリン
トタイマーの計測値が所定の値を超えたと判定された場
合には、前記励振手段が駆動されると共に記録ヘッドの
吸引動作を実行する動作モードが選択され、前記判定ス
テップにおいて、プリントタイマーの計測値が所定の値
に達していないと判定された場合においては、メンテナ
ンスタイマーの計測時間を参照し、メンテナンスタイマ
ーの計測時間に応じて、フラッシング動作または記録ヘ
ッドの吸引動作を実行する動作モードが選択されるよう
になされる。
【0015】加えて、好ましくは前記カートリッジホル
ダに装着されたインクカートリッジの情報を取得する情
報取得ステップと、前記情報取得ステップにおいて取得
されたインクカートリッジに貯留されたインクの種類に
応じて、前記所定の値を変更する変更ステップとがさら
に実行するようになされる。
【0016】前記したインク励振制御方法を採用した記
録装置によると、記録装置の休止時間を計測するプリン
トタイマーに代表される計時手段が具備され、計時手段
の計測値が所定の値を超えた場合において、前記励振手
段が駆動されるようになされる。これにより、静止状態
において顔料成分が沈降したインクは、励振手段の駆動
により攪拌される。したがって、記録装置が長期の休止
期間経過後において稼働される場合、インクカートリッ
ジ内または記録装置内において発生する顔料の沈降作用
に基づく印刷の濃度むらの発生、および顔料の凝縮によ
るインク滴の吐出障害等の発生を効果的に防止させるこ
とができる。
【0017】また、前記カートリッジホルダに装着され
たインクカートリッジの情報が情報取得手段によって取
得され、当該インクカートリッジに貯留されたインクの
種類が判別される。この判別結果に基づいて、インク色
素が沈降しやすいインクが利用される場合においては、
前記励振手段を駆動させるか否かを判定するための経過
時間の基準が短縮される。したがって、インク色素が沈
降しやすいインクが利用される場合においては、記録装
置の休止期間が比較的短期間において前記励振手段の駆
動が実行されるようになされる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるインクジェ
ット式記録装置および同装置におけるインク励振制御方
法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
まず、図1は本発明が適用され得るインクジェット式記
録装置の基本構成を斜視図によって示したものである。
図中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキ
ャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3
を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向
に往復移動されるように構成されている。また、キャリ
ッジ1の記録用紙6に対向する面(下側面)には、後述
する記録ヘッドが搭載され、またその上部にはカートリ
ッジホルダが形成され、前記記録ヘッドにインクを供給
するブラックインクカートリッジ7、およびカラーイン
クカートリッジ8が着脱可能に装着されている。
【0019】図中符号9は、非印刷領域(ホームポジシ
ョン)に配置されたキャッピング手段であって、このキ
ャッピング手段9は、記録ヘッドが直上に移動した時に
上昇して、記録ヘッドのノズル形成面を封止することが
できるように構成されている。そして、キャッピング手
段9の下方には、キャッピング手段9の内部空間に対し
て、負圧を与えるための吸引ポンプ(チューブポンプ)
10が配置されている。
【0020】前記キャッピング手段9は、記録装置の休
止期間中における記録ヘッドのノズル開口の乾燥を防止
する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係
のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラ
ッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記
吸引ポンプ10からの負圧を記録ヘッドに作用させて、
記録ヘッドの各ノズル開口よりインクを吸引し排出させ
るクリーニング手段としての機能も兼ねている。
【0021】また、前記キャッピング手段9の印字領域
側に隣接して、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部
材11が水平方向に移動できるように配置されており、
必要に応じて記録ヘッドの移動経路に進出して、例えば
キャッピング手段9によってインクを吸引した後の記録
ヘッドのノズル形成面をワイピングすることができるよ
うに構成されている。
【0022】図2は、キャリッジ1上に配置されたカー
トリッジホルダと、これに装填されたインクカートリッ
ジの構成を断面図によって示したものである。カートリ
ッジホルダ21には、上部が開放されてインクカートリ
ッジを着脱することができる開口を備えたホルダケース
22が具備されており、このホルダケース22はキャリ
ッジ1内に配置されている。
【0023】そして、キャリッジ1の一端部にヒンジ機
構1aを介してホルダケース22の上部開口を開閉する
ことができる蓋体23が具備されている。この蓋体23
の自由端側はU字状に形成されて、キャリッジ1の前端
部側に形成された係合部1bに係止されるフック部23
aが形成され、両者の係合により蓋体23はカートリッ
ジホルダを閉じた状態を維持できるように構成されてい
る。これにより、カートリッジホルダ21に装着された
インクカートリッジを保持することができる。
【0024】なお、図2に示す状態はブラックインクカ
ートリッジ7が装着される様子を示しているが、カラー
インクカートリッジ8は、例えばイエロー、マゼンタ、
シアンの各インクを貯留できる独立したインク貯留室が
並列状態に備えられている点で、ブラックインクカート
リッジ7と相違しているが、後述する各構成はほぼ同一
になされている。
【0025】そして、前記蓋体23の裏面、すなわち、
カートリッジホルダ21に装着されたインクカートリッ
ジ7に対向する位置には、励振手段としてのピエゾ素子
24が取り付けられており、このピエゾ素子24は、弾
性部材25によって覆われている。この弾性部材25
は、蓋体23が閉じられた状態においてカートリッジホ
ルダ21に装着されたインクカートリッジ7の上面に接
合して若干変形し、カートリッジ7をホルダ21の下底
部の方向に向かって押し下げるように作用する。
【0026】前記カートリッジ7内には周知のとおりイ
ンクが貯留されており、その下底部の奥側には、インク
供給口7aが形成されている。一方、ホルダケース22
の下底部には記録ヘッドへ連通する中空状に形成された
インク供給針26が直立状態に配置されており、カート
リッジ7の装着によりカートリッジの下底部に形成され
た前記インク供給口7aに配置された図示せぬ円環状の
パッキング部材を介してインク供給針26が相対的に接
合される。
【0027】これにより、インク供給針26を介してカ
ートリッジ7内のインクを導出することができる。そし
て、前記インク供給針26よりキャリッジ1の下底部に
配置された記録ヘッド13に対してインクが供給され、
記録ヘッド13に印加される印刷データに基づいてイン
ク滴が吐出される。
【0028】前記した構成の記録装置においては、カー
トリッジホルダに配置された開閉可能な蓋体23におけ
るインクカートリッジ側に対向する位置に、ピエゾ素子
24に代表される励振手段が配置され、蓋体23が閉じ
られた状態においてカートリッジ7の上面に接合する弾
性部材25を介してピエゾ素子24により生成される振
動をインクカートリッジに与えることができる。これに
より、適宜ピエゾ素子24に駆動信号を与えることによ
り、装着されたインクカートリッジに振動を与えること
ができる。
【0029】したがって、インクカートリッジ7に貯留
されたインクに振動を与えて攪拌させることができ、例
えば顔料インクを用いたインクカートリッジを利用した
場合において、インクカートリッジ内において発生する
顔料の沈降作用に基づく印刷の濃度むらの発生、および
顔料の凝縮によるインク滴の吐出障害等の発生を効果的
に防止させることができる。
【0030】図3は、本発明にかかるインクジェット式
記録装置の第2の形態を示したものである。この実施の
形態においては、インクカートリッジ7が装着されるホ
ルダケース22の下底部およびこれに直交する側壁部
に、励振手段としての第1のピエゾ素子24a、および
第2のピエゾ素子24bが配置されている。そして、図
2に示した実施の形態と同様に、それぞれのピエゾ素子
24a,24bは、弾性部材25a,25bによって覆
われている。
【0031】この構成によると、インクカートリッジ7
をカートリッジホルダに装着した場合、インクカートリ
ッジ7の下底部および側壁部は、前記弾性部材25a,
25bに当接して、それぞれの弾性部材を若干変形させ
るようにして接合される。そして、各ピエゾ素子24
a,24bに適宜駆動信号を与えることにより、装着さ
れたインクカートリッジに対して垂直および水平方向に
それぞれ振動を与えることができる。
【0032】したがって、インクカートリッジ7に貯留
されたインクに振動を与えて攪拌させることができ、例
えば顔料インクを用いたインクカートリッジを利用した
場合において、インクカートリッジ内において発生する
顔料の沈降作用に基づく印刷の濃度むらの発生、および
顔料の凝縮によるインク滴の吐出障害等の発生を効果的
に防止させることができる。
【0033】次に図4は、この発明をインクカートリッ
ジに適用した例を示している。この図4に示されたイン
クカートリッジも図2および図3に示されたインクカー
トリッジと同様のオンキャリッジタイプのものである。
このインクカートリッジ7内には、カートリッジホルダ
に装着された状態で、記録装置側から供給される駆動信
号を受けて振動し、内部に貯留されたインクに振動を与
えて攪拌させることができるピエゾ素子24が配置され
ている。
【0034】この図4に示す実施の形態においては、ピ
エゾ素子24はインクカートリッジ7内の下底部、特に
インク供給口7aに接近した位置に配置されている。そ
して、ピエゾ素子24の下底面には一対の電極28が突
出されて形成され、当該電極はインクカートリッジ7の
下底部を貫通して外部に露出するように配置されてい
る。したがって、このインクカートリッジ7をカートリ
ッジホルダに装着した場合、前記一対の電極28に接す
るように給電電極をカートリッジホルダ側に配置するこ
とにより、インクカートリッジ内に配置された前記ピエ
ゾ素子24に対して駆動信号を供給することができる。
【0035】この構成によるインクカートリッジによる
と、インクカートリッジに貯留されたインクに対して、
ピエゾ素子24により直接的に振動を与えて攪拌させる
ことができる。そして、実施の形態のように、ピエゾ素
子24をインクカートリッジ7内の下底部に配置するこ
とにより、顔料の沈降作用を効果的に解消させることが
でき、特にピエゾ素子24をインク供給口7aに接近し
た位置に配置させることにより、インクカートリッジか
ら記録ヘッドに向かって導出されるインクに対する攪拌
作用を効果的に与えることができる。
【0036】図5は、この発明にかかるインクカートリ
ッジの第2の実施の形態を示したものである。この図5
に示すインクカートリッジも、図4に示した構成と同様
にオンキャリッジタイプのものである。この実施の形態
においては、励振手段としてのピエゾ素子24が円環状
に形成されたものが使用されている。そして、この円環
状に形成されたピエゾ素子24は、前記インク導出口7
aを囲むようにして配置されている。すなわち、円環状
のピエゾ素子24における中央の開口を介してインクカ
ートリッジ内のインクがインク導出口7aに向かって送
られるように構成されている。
【0037】また、カートリッジホルダ側から給電を受
ける一対の電極28は、図4に示した形態と同様の位置
に配置されており、この一対の電極28と前記ピエゾ素
子24との間は、給電線29によって接続されている。
この構成のインクカートリッジによると、インクカート
リッジのインク供給口7a付近に沈降しようとするイン
クの顔料成分を効果的に攪拌することができ、記録ヘッ
ドに向かって導出されるインクの濃度むらの発生を抑制
させることができる。
【0038】次に図6に示す本発明にかかるインクカー
トリッジの第3の実施の形態は、オフキャリッジタイプ
のインクカートリッジを対象とした例を示している。こ
のオフキャリッジタイプのインクカートリッジは、記録
装置の本体側に配置された図示せぬインクカートリッジ
に装着され、インク供給チューブを介してキャリッジに
搭載された記録ヘッドに向けてインクが供給される。こ
の形態のインクカートリッジ31は、一般にインクが封
入された可撓性素材により形成されたインクパック32
と、当該インクパックの一端部にインク供給部33が形
成されると共に、インクパックを囲む外郭ケース34の
一部に前記インク供給部33が取り付けられた構成とさ
れている。
【0039】そして、図6は外郭ケース34の一側面を
破断した状態で示されており、励振手段としてのピエゾ
素子24は、インクパック32と外郭ケース34との間
に配置されている。この実施の形態においては、ピエゾ
素子24は、前記外郭ケース34の内面におけるほぼ中
央部に取り付けられている。そして、ピエゾ素子24に
対する駆動信号を受ける電極28が、インク供給部33
が取り付けられた外郭ケース33の端面に配置されてい
る。また、前記電極28より外郭ケース34の内側面に
沿って配置された給電線29を介してピエゾ素子24に
駆動信号が供給されるように構成されている。
【0040】この構成によるインクカートリッジによる
と、記録装置の本体側に配置されたカートリッジホルダ
に装着することにより、インク供給部33がカートリッ
ジホルダ側に配置された図示せぬインク供給針に貫通さ
れ、インクが導出されるようになされる。これと同時
に、インク供給部33が取り付けられたケース34の端
面に配置された前記電極28が、ホルダ側の給電電極に
接触して記録装置側から駆動信号を受ける態勢になされ
る。
【0041】したがって、前記電極28を介してピエゾ
素子24に適宜駆動信号を与えることにより、ピエゾ素
子24によりインクパック32の中央部に振動を与える
ことができる。これにより、インクパック32内におい
て沈降しようとするインクの顔料成分を攪拌することが
でき、記録ヘッドに向かって導出されるインクの濃度む
らの発生を効果的に抑制することができる。
【0042】次に図7は、本発明にかかるインクカート
リッジの第4の実施の形態を示したものであり、これは
同じくオフキャリッジタイプのインクカートリッジを対
象とした例を示している。このインクカートリッジ31
においては、インクパック32と外郭ケース34との間
において、複数個の励振手段24が、インク供給部33
が取り付けられたインクパックの一端部から他端部の間
に、それぞれ間隔をおいて配置されている。
【0043】この実施の形態においては、インク供給部
33が取り付けられたインクパックの一端部側に、上下
に一対のAとして示すピエゾ素子24が配置され、また
中央部に上下に一対のBとして示すピエゾ素子24が配
置され、さらに他端部側に上下に一対のCとして示すピ
エゾ素子24がそれぞれ配置されている。そして、イン
ク供給部33が取り付けられた外郭ケース34の端面に
配置された電極28への選択的な駆動信号の供給によっ
て、A,B,Cを組とする各ピエゾ素子24が独立して
駆動できるように構成されている。
【0044】この構成によると、インクパック内のイン
クの残量に応じて、例えば、A,B,Cの各組の全てを
駆動させるモード、A,Bの各組を駆動させるモード、
およびAの組のみを駆動させるモードを選択することが
できる。
【0045】次に図8は本発明にかかるインク励振制御
方法を実行することができる記録装置の制御手段を示し
たブロック図である。図8に示す符号41はホストコン
ピュータであり、このホストコンピュータ41からは、
記録装置側の印刷制御手段42に対して印刷データ等が
供給される。印刷制御手段42はホストコンピュータか
ら転送される印刷データに基づいてビットマップデータ
を生成し、このビットマップデータに基づいてヘッド駆
動手段43により駆動信号を発生させて、キャリッジ1
に搭載された記録ヘッド13からインク滴を吐出させる
機能を備えている。また、前記ヘッド駆動手段43から
は、印刷データに基づく駆動信号の他に、フラッシング
操作のためのフラッシング制御信号も記録ヘッド13に
対して出力できるように構成されている。
【0046】さらに、印刷制御手段42からはキャリッ
ジ駆動手段44に対して制御信号が送出されるようにも
構成されており、印刷動作の実行においてキャリッジモ
ータ2に駆動信号を供給することで、キャリッジ1を往
復駆動させるように作用する。また、フラッシング操作
時においては、キャリッジ1に搭載された記録ヘッドを
キャッピング手段の直上に対峙するように制御する。そ
して、前記印刷制御手段42は、プリンタメンテナンス
制御手段45との間で制御信号の授受がなされるように
構成されている。また、このプリンタメンテナンス制御
手段45はプリンタメンテナンス情報記憶手段46との
間で制御信号の授受がなされるように構成されており、
さらに、プリンタメンテナンス制御手段45にはクリー
ニング指令検知手段47からの指令信号が供給されるよ
うに構成されている。
【0047】一方、前記プリンタメンテナンス制御手段
45は、シーケンス制御手段48との間においても制御
信号の授受がなされるように構成されており、シーケン
ス制御手段48よりクリーニングシーケンス制御手段4
9およびアクチュエータ駆動手段50に対して制御信号
が供給できるように構成されている。なお、このアクチ
ュエータ駆動手段50は、その動作により前記した励振
手段を構成するピエゾ素子24に対して駆動信号を供給
し、インクカートリッジまたはインクカートリッジ内の
インクを直接的に攪拌させるようになされる。
【0048】また、クリーニングシーケンス制御手段4
9からは、前記したキャリッジ駆動手段44およびポン
プ駆動手段51に対して制御信号が供給できるように構
成されると共に、クリーニングシーケンスに応じて前記
したアクチュエータ駆動手段50に対しても制御信号が
供給できるように構成されている。さらに前記プリンタ
メンテナンス制御手段45は、カートリッジ情報記憶手
段52との間で情報信号の授受がなされるように構成さ
れている。
【0049】前記カートリッジ情報記憶手段52は、例
えばインクカートリッジに搭載されて、インクカートリ
ッジ内に貯留されたインクの種類等の情報が格納された
半導体記憶素子である。この半導体記憶素子は図2乃至
図7には示されていないが、各インクカートリッジを記
録装置のカートリッジホルダに装着させることにより、
カートリッジホルダ側に配置された電気接点を介して、
プリンタメンテナンス制御手段45との間で、情報の授
受がなされるように作用する。そして、カートリッジ情
報記憶手段52より得られたインクの種類等の情報は、
プリンタメンテナンス情報記憶手段46に格納される。
【0050】なお、前記カートリッジ情報記憶手段52
は、必ずしも半導体記憶素子である必要はなく、例えば
インクカートリッジの外郭ケースの一部に凹凸のパター
ンを付与することで、カートリッジホルダに装着された
場合において、記録装置側において当該カートリッジ内
に貯留されたインクの種類等の情報を読み出すことがで
きる構成であってもよい。
【0051】図9は図8に示す制御手段によってなされ
るフラッシング動作または記録ヘッドの吸引動作を含む
メンテナンス動作と、所定の条件下において、この吸引
動作と共に励振動作を実行させる制御形態を説明するも
のである。ここでは、記録装置の休止時間を計測する計
時手段が利用される。この計時手段としては、前回の印
刷動作終了時からの経過時間を計測するプリントタイマ
ーが用いられており、基本的には前記プリントタイマー
による計測時間(TPR)が所定の値である“X”を超え
た場合においては、メンテナンス動作Cが実行される。
【0052】このメンテナンス動作Cは、図9における
下欄に示すように前記ピエゾ素子24に対して駆動信号
が印加され、インクの励振動作が実行されると共に、記
録ヘッドの吸引動作が実行されるように制御される。こ
れにより、インクカートリッジ内に貯留されたインク、
または記録装置内の例えばサブタンク内に貯留されたイ
ンクに振動を与えて攪拌させることができ、この攪拌動
作後において記録ヘッドの吸引動作が実行される。
【0053】また、前記計時手段として、前回における
記録ヘッドのメンテナンス動作実行後からの経過時間を
計測するメンテナンスタイマーがさらに具備され、前記
プリントタイマーの計測値が所定の値“X”に達しない
場合においては、前記メンテナンスタイマーの計測時間
(TMA)に応じて、メンテナンス動作Aまたはメンテナ
ンス動作Bが実行される。前記メンテナンス動作Aは、
メンテナンスタイマーの計測値が、“Y”以下の場合に
おいて選択され、これは図9における下欄に示すように
フラッシング動作が実行される。また、前記メンテナン
ス動作Bは、メンテナンスタイマーの計測値が、“Y”
を超える場合において選択され、記録ヘッドの吸引動作
が実行される。なお、前記した計測時間(TPR)におけ
る“X”の値は一例として6ケ月に設定され、前記した
計測時間(TMA)における“Y”の値は一例として1ケ
月に設定される。
【0054】ここで、前記した計時手段としてのプリン
トタイマーによる計測時間(TPR)、およびメンテナン
スタイマーによる計測時間(TMA)は、前記したプリン
タメンテナンス制御手段45において利用され、プリン
タメンテナンス制御手段45よりシーケンス制御手段4
8に対して制御信号を送出することにより、図9に示す
制御形態が実行されるようになされる。
【0055】そして、図9に示す制御形態は、記録装置
に動作電源が投入された時、記録装置が印刷指令を受け
た時、または記録装置がクリーニング指令を受けた時に
おいてそれぞれ実行されるようになされる。以下におい
てそれぞれのケースにしたがった制御シーケンスについ
て説明する。
【0056】まず、図10は記録装置の動作電源が投入
された場合になされる制御シーケンスを示したものであ
る。すなわち、記録装置の動作電源がONされた場合に
は、ステップS11に示すように記録装置のイニシャラ
イズ動作が実行される。このイニシャライズ動作におい
ては、例えば各インクカートリッジが装着されているこ
とのチェックおよびその他の基本チェック等が実行され
る。そして、ステップS12において、前記したプリン
タメンテナンス制御手段45は、プリントタイマーによ
る計測時間(TPR)を参照する。ここで、当該計測値が
“X”を超えている(Yes)と判定した場合には、ス
テップS13に進み、メンテナンス動作Cを実行する。
【0057】このメンテナンス動作Cは、前記したとお
り励振動作が伴なわれる。この励振動作は、前記したプ
リンタメンテナンス制御手段45よりシーケンス制御手
段48に対して制御信号を送出することにより、アクチ
ュエータ駆動手段50が起動され、これによりピエゾ素
子24に駆動信号が供給されることにより実行される。
そして、記録ヘッドの吸引動作が実行される。この吸引
動作にあたっては、クリーニングシーケンス制御手段4
9が起動され、これに伴うキャリッジ制御手段44の動
作によりキャリッジ1がホームポジションに移動され、
記録ヘッド13がキャッピング手段9により封止され
る。
【0058】そして、ポンプ駆動手段51の動作により
吸引ポンプ10が吸引動作を開始することで、記録ヘッ
ドからインクを吸引排出させることができる。続いて、
ステップS14においては、前記したプリントタイマー
による計測時間(TPR)、およびメンテナンスタイマー
による計測時間(TMA)がリセットされ、待機状態とな
る。
【0059】一方、前記ステップS12において、プリ
ントタイマーによる計測時間(TPR)が“X”に達して
いない(No)と判定された場合には、ステップS15
に進み、メンテナンスタイマーによる計測時間(TMA)
が参照される。ここで、メンテナンスタイマーによる計
測時間(TMA)が“Y”を超えている(Yes)と判定
された場合には、ステップS16に進み、メンテナンス
動作Bが実行される。すなわち、この状態においては励
振動作は不要であり、記録ヘッドの吸引動作(換言すれ
ば、クリーニング動作)を実行し、記録ヘッドの印字機
能の回復を図ることで、記録装置の正常な稼働が保証さ
れることになる。
【0060】また、前記したステップS15において、
メンテナンスタイマーによる計測時間(TMA)が“Y”
に達していない(No)と判定された場合には、ステッ
プS17に進み、メンテナンス動作Aが選択され、フラ
ッシング動作が実行される。すなわち、この状態におい
ては記録ヘッドの吸引動作も不要であり、フラッシング
動作の実行により記録装置の正常な稼働が保証されるこ
とになる。そして、ステップS16またはステップS1
7の実行後においては、ステップS14に進み、前記し
たプリントタイマーによる計測時間(TPR)、およびメ
ンテナンスタイマーによる計測時間(TMA)がリセット
され、待機状態となる。
【0061】次に図11は、記録装置が印刷指令を受け
た場合になされる制御シーケンスを示したものである。
この図11に示す制御シーケンスは、前記した図10に
示した制御シーケンスと基本的には、ほぼ同一の態様に
なされている。すなわち、ステップS21,S22、お
よびステップS26〜S28は、図10に示すステップ
S12,S13、およびステップS15〜S17の制御
態様と同様である。
【0062】一方、各ステップS22,S27,S28
に続くステップS23においては、メンテナンスタイマ
ーによる計測時間(TMA)がリセットされ、ステップS
24に示す印刷動作が実行される。そして、印刷動作の
終了に伴い、ステップS25においてプリントタイマー
による計測時間(TPR)がリセットされ、待機状態とな
る。
【0063】次に図12は、記録装置がクリーニング指
令を受けた場合になされる制御シーケンスの例を示した
ものである。この図12に示す制御シーケンスにおいて
は、クリーニング動作の指令があった場合、前回のクリ
ーニング動作後の印字量に応じてメンテナンス動作が選
択されるようになされる。すなわち、この図12に示す
シーケンスにおいては、ユーザが無意識にまたは無闇に
クリーニング操作ボタンを操作したのか、またはユーザ
が印字状態を確認した上でクリーニング操作の指令を行
ったのかを識別し、これによって、それぞれの状態に応
じた最適なメンテナンス動作が実行され、また、クリー
ニング指令を受けた場合に、一律に吸引動作を実行する
ことによるインクの浪費を抑えることができるようにな
されている。
【0064】まず、クリーニング指令を受けた場合には
ステップS31において、例えば印刷制御手段42に格
納されている印字履歴が参照され、記録装置の動作電源
がオンされて以来、1パス以上の印字がなされたか否か
が判定される。このステップにおいて、1パス以上の印
字がなされていない(No)と判定されると、ステップ
S38に進み、メンテナンスAが実行されるようになさ
れる。この場合、記録装置の動作電源の投入後に、1パ
ス以上の印字がなされていない状態でクリーニング指令
を受けるということは、ユーザが無意識にまたは無闇に
クリーニング操作ボタンを操作したことが考えられる。
したがって、この場合においては吸引動作を伴わないフ
ラッシング動作のみのメンテナンス動作Aが実行され
る。
【0065】前記ステップS31において、1パス以上
の印字がなされている(Yes)と判定された場合には
ステップS32に移り、前回のクリーニング動作後から
1パス以上の印字がなされたか否かが判定される。ここ
で、1パス以上の印字がなされていない(No)と判定
されると、前記と同様にステップS38に進み、同じく
メンテナンス動作Aが実行される。このように、前回の
クリーニング動作後から1パス以上の印字がなされてい
ない状態でクリーニング指令を受けるということは、同
様にユーザが無意識にまたは無闇にクリーニング操作ボ
タンを操作したことが考えられる。したがって、インク
の浪費を避けるためにメンテナンス動作Aが実行され
る。
【0066】一方、ステップS32において前回のクリ
ーニング動作後から1パス以上の印字がなされた(Ye
s)と判定された場合には、ステップS33において前
回のクリーニング動作後からの印字量が5ページ以下で
あるか否かが判定される。ここで、前回のクリーニング
動作実行後における印字ページ数が5ページ以下である
(Yes)と判定される場合には、ユーザが印字状態が
不良であることを認識してクリーニング指令がなされた
ものと見ることができる。したがって、この場合には、
ステップS35に移り強力なメンテナンスとしてメンテ
ナンス動作Cが実行される。これにより、前記した励振
動作、および記録ヘッドからのインクの吸引動作が実行
される。
【0067】また、ステップS33において前回のクリ
ーニング動作後における印字ページ数が5ページ以下で
はない(No)と判定される場合において、再びユーザ
によりクリーニング指令が入力される場合は、先のクリ
ーニング動作で、印字状態の回復が成し遂げたものの、
新たな不具合の発生によりクリーニング動作が必要にな
ったものと判断して、ステップS34およびステップS
35の組み合わせによる判定がなされる。このステップ
S34およびステップS35は、図10に示したステッ
プS12およびステップS15の組み合わせと同様であ
る。
【0068】そして、ステップS34およびステップS
35による判定結果に応じて、ステップS36,S3
7,S38のいずれかのメンテナンス動作が実行され
る。なお、このステップS36,S37,S38は、図
10に基づいて説明したステップS13,S16,S1
7と同様のメンテナンス動作となる。そして、前記ステ
ップS36,S37,S38のいずれかのメンテナンス
動作の実行後においては、ステップS39に移り、プリ
ントタイマーによる計測時間(TPR)、およびメンテナ
ンスタイマーによる計測時間(TMA)がリセットされ、
待機状態となる。
【0069】次に図13は、記録装置に装着されたイン
クカートリッジから、インクの種類等の情報が取得され
た時になされる制御シーケンスを示したものである。す
なわち、ステップS41においては、インクカートリッ
ジから取得した情報内容が、例えば顔料インク等のよう
に色素が沈降しやすいインクであるが否かが判断され
る。ここで、沈降しやすいインクではない(No)と判
定されれば、待機状態とされる。
【0070】前記ステップS41において、沈降しやす
いインクである(Yes)と判定されれば、ステップS
42が実行される。このステップS42においては、メ
ンテナンスシーケンスの変更がなされ、図9に示された
“X”の値が“X′”に変更され、また“Y”の値が
“Y′”に変更される。ここで、“X′”の値は一例と
して3ケ月、“Y′”の値は一例として2週間である。
すなわち、それぞれのパラメータは、より短い時間に設
定される。そして、メンテナンスシーケンスの変更の後
に、ステップS43による励振動作が実行され、この励
振動作の実行後において、ステップS44においてメン
テナンスタイマーによる計測時間(TMA)がリセットさ
れ、待機状態となる。
【0071】前記したステップS42の実行により、す
でに説明した図10乃至図12に示す各制御シーケンス
においては、沈降しやすいインクが貯留されたインクカ
ートリッジの装着状態においては、より短い期間におい
て励振動作並びに記録ヘッドの吸引動作、もしくは記録
ヘッドの吸引動作が実行されるように制御形態が変更さ
れる。したがって、インク色素として顔料インクが用い
られているインクが利用された場合においては、比較的
短期間の経過後において、インクの攪拌が実行されるこ
とになり、顔料の沈降に伴う濃度むらが発生、および顔
料の凝縮に伴う印刷不良の発生を未然に防止させること
ができる。
【0072】なお、図2乃至図7に示した構成において
は、励振手段としてのピエゾ素子はいずれにおいてもイ
ンクカートリッジの外郭ケースを励振させるか、または
インクカートリッジ内に収納されてインクを攪拌させる
ようになされている。しかしながら、本発明はキャリッ
ジにサブタンクが配置された記録装置において、当該サ
ブタンク内のインクを励振手段により攪拌する構成の記
録装置にも適用することができる。
【0073】また、本発明は顔料分散系のインクを用い
た場合における問題点を解決する上で効果的であるが、
インク色素として顔料以外のものが用いられ、同じくイ
ンク色素が沈降しやすいインクを利用する場合において
も同様の作用効果が得られることは勿論のことである。
【0074】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
かかるインク励振制御方法を採用したインクジェット式
記録装置によると、記録装置の休止時間を計数する計時
手段の計数値が所定の値を超えた場合において、インク
に振動を与えて攪拌させることができる励振手段を駆動
するようになされるので、インク色素が沈降しやすいイ
ンクを利用する場合に発生する問題点を効果的に解消す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用され得るインクジェット式記録装
置の基本構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置の第1形態を示した要部断
面図である。
【図3】図1に示す記録装置の第2形態を示した要部断
面図である。
【図4】図1に示す記録装置に利用されるオンキャリッ
ジタイプのインクカートリッジの第1形態を示した要部
断面図である。
【図5】図1に示す記録装置に利用されるオンキャリッ
ジタイプのインクカートリッジの第2形態を示した要部
断面図である。
【図6】オフキャリッジタイプのインクカートリッジの
第1形態を示した要部断面図である。
【図7】オフキャリッジタイプのインクカートリッジの
第2形態を示した要部断面図である。
【図8】本発明にかかるインク励振制御方法を実行する
ことができる記録装置の制御手段を示したブロック図で
ある。
【図9】図8に示す制御手段によってなされる励振動作
の動作条件を示した説明図である。
【図10】記録装置の動作電源が投入された場合になさ
れる制御シーケンスを示したフローチャートである。
【図11】記録装置が印刷指令を受けた場合になされる
制御シーケンスを示したフローチャートである。
【図12】記録装置がクリーニング指令を受けた場合に
なされる制御シーケンスを示したフローチャートであ
る。
【図13】記録装置に装着されたインクカートリッジか
らインクの種類等の情報が取得された時になされる制御
シーケンスを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 キャリッジモータ 6 記録用紙 7 ブラックインクカートリッジ 8 カラーインクカートリッジ 13 記録ヘッド 21 カートリッジホルダ 22 ホルダケース 24,24a,24b 励振手段(ピエゾ素子) 25,25a,25b 弾性部材 31 インクカートリッジ 32 インクパック 33 インク供給口 34 外郭ケース 41 ホストコンピュータ 42 印刷制御手段 43 ヘッド駆動手段 44 キャリッジ駆動手段 45 プリンタメンテナンス制御手段 46 プリンタメンテナンス情報記憶
手段 47 クリーニング指令検知手段 48 シーケンス制御手段 49 クリーニングシーケンス制御手
段 50 アクチュエータ駆動手段 51 ポンプ駆動手段 52 カートリッジ情報記憶手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドに対してインクを供給するイ
    ンクカートリッジがカートリッジホルダに着脱可能に装
    着できるように構成され、前記インクカートリッジ内に
    貯留されたインク、または記録装置内に導入されたイン
    クに振動を与えて攪拌させることができる励振手段を具
    備したインクジェット式記録装置であって、 記録装置の休止時間を計測する計時手段が具備され、前
    記計時手段の計測値が所定の値を超えた場合において、
    前記励振手段が駆動されるように構成したインクジェッ
    ト式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記計時手段として、前回の印刷動作終
    了時からの経過時間を計測するプリントタイマーが用い
    られた請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記計時手段として、前回における記録
    ヘッドのメンテナンス動作実行後からの経過時間を計測
    するメンテナンスタイマーがさらに具備され、前記プリ
    ントタイマーの計測値が所定の値を超えた場合におい
    て、前記励振手段が駆動されると共に記録ヘッドの吸引
    動作が実行され、前記プリントタイマーの計測値が所定
    の値に達しない場合においては、前記メンテナンスタイ
    マーの計測時間に応じて、フラッシング動作または記録
    ヘッドの吸引動作が実行されるように構成した請求項2
    に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記カートリッジホルダに装着されたイ
    ンクカートリッジの情報を取得する情報取得手段が具備
    され、前記情報取得手段によって取得された当該インク
    カートリッジに貯留されたインクの種類に応じて、前記
    所定の値が変更されるように構成した請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記計時手段による計測値が所定の値を
    超えたか否かの判定が、記録装置に動作電源が投入され
    た時、記録装置が印刷指令を受けた時、または記録装置
    がクリーニング指令を受けた時に実行されるように構成
    した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジ
    ェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 記録ヘッドに対してインクを供給するイ
    ンクカートリッジがカートリッジホルダに着脱可能に装
    着できるように構成され、前記インクカートリッジ内に
    貯留されたインク、または記録装置内に導入されたイン
    クに振動を与えて攪拌させることができる励振手段を具
    備したインクジェット式記録装置におけるインク励振制
    御方法であって、 記録装置の休止時間を計時手段により計測すると共に、
    当該計時手段による計測値が、所定の値を超えたか否か
    を判定する判定ステップと、 前記判定ステップにおいて計時手段による計測値が所定
    の値を超えたと判定された場合において、前記励振手段
    を駆動する駆動ステップと、 前記計時手段による計測値をリセットさせるリセットス
    テップと、を実行するようになされたインクジェット式
    記録装置におけるインク励振制御方法。
  7. 【請求項7】 前記計時手段として、前回の印刷動作終
    了時からの経過時間を計測するプリントタイマーと、前
    回における記録ヘッドのメンテナンス動作実行後からの
    経過時間を計測するメンテナンスタイマーが用いられ、 前記判定ステップにおいて、プリントタイマーの計測値
    が所定の値を超えたと判定された場合には、前記励振手
    段が駆動されると共に記録ヘッドの吸引動作を実行する
    動作モードが選択され、前記判定ステップにおいて、プ
    リントタイマーの計測値が所定の値に達していないと判
    定された場合においては、メンテナンスタイマーの計測
    時間を参照し、メンテナンスタイマーの計測時間に応じ
    て、フラッシング動作または記録ヘッドの吸引動作を実
    行する動作モードが選択されるようになされた請求項6
    に記載のインクジェット式記録装置におけるインク励振
    制御方法。
  8. 【請求項8】 前記カートリッジホルダに装着されたイ
    ンクカートリッジの情報を取得する情報取得ステップ
    と、 前記情報取得ステップにおいて取得されたインクカート
    リッジに貯留されたインクの種類に応じて、前記所定の
    値を変更する変更ステップと、がさらに実行するように
    なされた請求項6または請求項7に記載のインクジェッ
    ト式記録装置におけるインク励振制御方法。
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