JP3555459B2 - インクジェット式記録装置および同装置における印刷動作制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷データに基づいてインク滴を記録用紙に吐出して画像を印刷するインクジェット式記録装置および同装置における印刷動作制御方法に関し、より詳細には記録装置に搭載されたインクジェット式記録ヘッドのクリーニングシーケンス並びにその後の印刷動作シーケンスの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータの発達によりグラフィック処理が比較的簡単に実行できるようになったため、例えばディスプレイに表示されるカラー画像等のハードコピーを高品質で出力できる記録装置が求められている。このような要求に応えるためにインクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置が提供されている。
【0003】
このインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、カラー印刷を中心とした多くの印刷に使用されている。
【0004】
このようなインクジェット式記録装置は、インク貯蔵手段からのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、印字信号に応じて記録ヘッドを移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドットを形成するすることで印刷記録が行われる。
【0005】
このようにインクジェット式記録装置はインクという液体を扱う関係上、インク溶媒の揮散による記録ヘッドの目詰まりを防止するために、記録ヘッドからインクを強制的に吸引排出させる処理や、印字データに関係がない駆動信号を供給して、非印字領域でヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させる操作が行われている。
【0006】
記録ヘッドの目詰まり解消のために行なうインクの強制的な排出処理は、通常クリーニング操作と呼ばれ、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合(電源オン時のタイマークリーニング)や、またユーザが印字かすれ等の印字品質不良を解消するためにクリーニングスイッチを押圧した場合に実行される。このクリーニング操作は、記録ヘッドをキャッピング手段により封止して負圧を作用させてインクを排出させ、その後にゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材によりヘッドのノズルプレートを払拭するワイピンク操作を伴う処理である。
【0007】
一方、記録ヘッドに駆動信号を印加してインク滴を吐出させる操作は、通常フラッシング操作と呼ばれ、クリーニング操作時のワイピング等でヘッドのノズル開口近傍の不揃いのメニスカスを回復させたり、また印刷中にインク滴の吐出が少ないノズル開口の目詰まりを防止する目的で一定周期ごとに実行させる操作である。
【0008】
図10は、前記した従来の記録装置においてなされるクリーニング操作と、これに続く印刷命令を受けた場合の動作シーケンスを示したものである。すなわち、図10に示すようにクリーニング処理の指令を受けると、ステップS51において、記録ヘッドを非印字領域側に移動させて、当該部分に配置されたクリーニング部材の上部を通過させることで、ワイピング動作を実行する。このステップS51におけるワイピング動作は、次に続くキャッピング装置により記録ヘッドからインクを強制的に吸引させる処理において、キャッピング装置に対する記録ヘッドの密着性を向上させるために実行される。
【0009】
続いてステップS52において、記録ヘッドはキャッピング装置上に移動し、キャッピング装置によって封止されて記録ヘッドから比較的大量のインクが吸引される。そして、ステップS53において、キャッピング装置の一部に配置された大気開放バルブが開弁され、キャッピング装置に連通する吸引ポンプが作動されることにより、キャッピング装置内に吸引されたインクは廃インクタンクに排出される。
【0010】
続いてステップS54において、再び記録ヘッドはキャッピング装置によってインクの少量吸引動作が実行される。これはヘッドのノズルから入った気泡を少ない吸引動作で泡立てないように行なうものである。そして、ステップS55において、キャッピング装置に配置された大気開放バルブが開弁され、キャッピング装置に連通する吸引ポンプが作動されることにより、キャッピング装置内に吸引されたインクは廃インクタンクに排出される。
【0011】
さらに、ステップS56において、記録ヘッドはクリーニング部材上を通過するワイピング動作を実行し、これにより記録ヘッドの表面に付着した泡はこのワイピングにより取り除かれる。続いてステップS57において、再び記録ヘッドはキャッピング装置によってインクの少量吸引動作が実行される。これは仕上げのクリーニング動作であり、記録ヘッドのノズル開口における不揃いのメニスカスを回復させるものである。
【0012】
そして同様にステップS58において、キャッピング装置に配置された大気開放バルブが開弁され、キャッピング装置に連通する吸引ポンプが作動されることにより、キャッピング装置内に吸引されたインクは廃インクタンクに排出される。続いてステップS59において、記録ヘッドがクリーニング部材上を通過して仕上げのワイピング動作が実行され、以上のテップS51乃至ステップS59において実質的なクリーニング動作が終了する。
【0013】
続いて、ステップS60において待機タイマがスタートし、ステップS61において、定められた所定の待機時間(T1)の経過を待つ。このステップS61において所定の待機時間が経過したと判断されると、印刷命令の受入れ可能なモード、すなわち印刷命令待ちとなる。
【0014】
なお、前記待機時間(T1)は、前記したクリーニング作用により記録ヘッドのノズル開口内に発生したインク気泡の自然消滅、またはインク気泡の縮小に要する時間であり、通常30秒〜60秒の放置時間を設定している。したがって、この時間内においては記録ヘッドからのインクの吐出動作を停止させようになされ、これにより印字の品質を安定させることができる。
【0015】
前記した印刷命令待ちの状態においては、ステップS62において印刷命令があるか否かを監視し、印刷命令がありと判定した場合には、ステップS63において記録ヘッドにいわゆる空吐出のための信号を印加してフラッシングを行い、印刷が開始される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した従来の印刷装置における制御シーケンスによると、クリーニング操作の実施後に待機タイマの計時を開始させて所定の待機時間(T1)を持たせた後に、印刷命令待ちのモードに移行させるように制御される。これは、前記したようにインク気泡の自然消滅またはインク気泡を縮小させて印字の品質を安定させるために必要なものであった。
【0017】
しかしながら、この待機時間は30〜60秒を要し、クリーニング動作終了を待ってすぐに印刷を開始しようとしたユーザにとって、印刷データを送っているにもかかわらず印刷を開始しないことによるいらだちを感じたり、故障であるかのような疑念を抱くこととなり好ましくない。
【0018】
そこで、前記した待機時間において、装置に無意味な動作を意図的に行わせるなどしてユーザに対するストレスの発生を抑制する工夫を持たせた印刷装置も提供されている。しかしクリーニング動作後すぐに印刷を開始しない場合、この無意味な動作はクリーニング時間を見かけ上長くするだけであるため、逆効果である。特に電源投入時に自動的に行われるタイマクリーニング等においてはこういうケースが多い。
【0019】
一方、前記した記録ヘッドに対してインクを供給するインクカートリッジは、一般に外ケースがポリプロピレンなどの材料により形成されており、内部に多孔質体が装填され、インクが保持されている。
【0020】
このインクカートリッジの出荷時においては内部が脱気されており、脱気されていることにより初期充填性(記録装置に対して最初にインクカートリッジを装填し、ヘッドへインクを充填した時の記録装置の動作の信頼性)および交換充填性(インクカートリッジを交換装填した時の記録装置の動作の信頼性)が確保できるようにされている。
【0021】
このように脱気されたインクカートリッジを記録装置に装填した後、カートリッジ内のインクは、上面に設けた開口を介して大気と連通するため、序々に空気が溶解し、やがてカートリッジ内のインクは飽和状態となる。
【0022】
ここで、インクカートリッジを交換した場合のようにインクカートリッジの脱気度が確保されている間においては、キャッピング手段によりインクを吸引した場合に、キャップ内に発生したノズル径より小さい気泡は、インクカートリッジの持つ負圧によりヘッド流路内に逆流するものの、この種の気泡は臨界半径より小さいために消滅する。新しい脱気された状態のインクの場合、気泡はインクへ溶解させることもできるために実際に気泡の消える時間はより加速される。
【0023】
しかしながら、インクカートリッジ内が飽和の状態においては、微小気泡を溶解する能力が小さいために、気泡の発生を抑えたり、発生した気泡の影響を抑えるには、その気泡が消滅するまでに前記した程度の所定の時間を要する。
【0024】
前述したように、インクカートリッジの脱気度に応じて微小気泡の発生度合いが異なるにもかかわらず、従来のインクジェット式記録装置においては、カートリッジ内が飽和の状態であることを想定した前記したような一律の待機時間(T1)を組み込んだクリーニングシケーンスを一律に実行するようにしていた。
【0025】
したがって、常に印字開始までに相当の所用時間が必要であり、スループットを向上させることができないという技術的課題を抱えている。
【0026】
本発明は、このような諸事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的とするところは、前記した待機タイマの計時開始と同時に印刷命令待ちに移行させることにより、ユーザに待ち時間を意識させることのないインクジェット式記録装置および同装置における印刷動作制御方法を提供することにある。
【0027】
また、本発明の第2の目的とするところは、インクカートリッジの脱気度に応じて前記した待機タイマの計時時間を可変させることで、スループットを向上させることができるインクジェット式記録装置および同装置における印刷動作制御方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、印刷データに対応してノズル開口から記録用紙に対してインク滴を吐出することで印刷を行なうインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドを封止すると共に吸引ポンプからの負圧を受けるキャッピング手段と、クリーニング操作の指令を受けて前記キャッピング手段により記録ヘッドからインクを吸引させるクリーニング操作を実行するクリーニング制御手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記クリーニング制御手段の動作によるクリーニング操作の実行後に、所定の待機時間を設定するための待機タイマを起動させると共に、待機タイマの起動と同時に印刷命令の受入れを許容する印刷制御手段がさらに具備される。
【0029】
この場合、前記印刷制御手段は、前記待機タイマが所定の待機時間を計時中に印刷命令を受けた場合に、所定の待機時間を計時した後に印刷動作を開始するように構成される。
【0030】
また、本発明にかかるインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法は、印刷データに対応してノズル開口から記録用紙に対してインク滴を吐出することで印刷を行なうインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドを封止すると共に吸引ポンプからの負圧を受けるキャッピング手段と、クリーニング操作の指令を受けて前記キャッピング手段により前記記録ヘッドからインクを吸引させるクリーニング操作を実行するクリーニング制御手段とを備えたインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法であって、前記クリーニング制御手段の動作によるクリーニング操作の実行後に、所定の待機時間を設定するための待機タイマを起動させるタイマ起動ステップと、前記待機タイマの起動と同時に印刷制御手段が印刷命令の受入れを許容する印刷命令受入れステップとの各制御ステップが具備される。
【0031】
この場合、前記待機タイマが所定の待機時間を計時中に印刷命令を受けた場合には、所定の待機時間を計時した後に印刷動作ステップに移行するシーケンスがさらに具備される。
【0032】
そして、前記したインクジェット式記録装置もしくは同装置における印刷動作制御方法のいずれにおいても、前記待機タイマにより設定される所定の待機時間は、前記キャッピング手段により記録ヘッドからインクを吸引した後に、記録ヘッドのノズル開口近傍に発生したインク気泡の消滅、またはインク気泡の縮小に要する時間に設定されることが望ましい。
【0033】
また好ましくは、前記待機タイマにより計時される所定の待機時間は、待機時間変更手段により変更されるようになされる。この場合、好ましくは前記待機時間変更手段は、インクカートリッジの装填後におけるインクカートリッジ内のインクの溶存ガス量が飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間に応じて、前記待機タイマによる待機時間を変更するようになされる。
【0034】
さらに好ましくは、前記したインクジェット式記録装置もしくは同装置における印刷動作制御方法のいずれにおいても、前記印刷制御手段は、前記待機タイマが所定の待機時間を計時中に印刷命令を受けた場合に、印刷命令を受けてから前記所定の待機時間に至るまで、記録ヘッドの駆動を伴わない動作を行なうようになされる。
【0035】
以上のようになされたインクジェット式記録装置によると、クリーニングシーケンス終了直後に待機タイマの計時が開始され、これと同時に印刷命令の受入れモードのシーケンスに移行する。したがって間もなく印刷命令を受け取った場合には、既に待機タイマは所定の待機時間を計時中であり、待機タイマによる所定時間の経過後に直ちに印刷動作を開始することができる。
【0036】
一般に、クリーニング操作を行なってから実際に印刷装置が印字を開始するまでには、現実としてユーザが記録用紙を用意または確認するなどの作業時間、アプリケーション、プリンタドライバがデータ処理を行なう時間等があるため、殆どの場合、この待ち時間を意識することはなく、結果としてクリーニングの動作時間を長く感じさせない。
【0037】
また前記した待機タイマは、インクカートリッジ内のインクの溶存ガス量が飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間を計時する待機時間変更手段により適宜短縮するように変更される。したがって、例えば電源立上げ後における印刷動作開始までに要する時間を短縮させることが可能であり、これによりスループットを向上させることもできる。
【0038】
そして、クリーニング動作後、所定の待機時間を経過する前に印刷を開始しようとする場合には、あえて前記したような記録ヘッドの駆動を伴わない動作を実行させることで、装置が故障であるかのような疑念を抱かせることを避けることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェット式記録装置の全体構成を示すものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はタイミングベルト2の一部に結合されてキャリッジモータ3の往復回転により駆動され、ガイド部材4に案内されてプラテン5に平行に移動するように構成されている。
【0040】
キャリッジ1の記録用紙6と対向する面には印字領域側(図1における左側)にはブラック印字用の記録ヘッド7が、また非印字領域側にはカラー印字用の記録ヘッド8が搭載され、各記録ヘッド7,8は、キャリッジ上に搭載されたブラックインクカートリッジ9、カラーインクカートリッジ10からそれぞれインクの供給を受けて記録用紙6に対してインク滴を吐出して印刷を行なうように構成されている。
【0041】
非印字領域に配置された11はキャッピンク装置であり、ブラックインク用記録ヘッド7を封止するキャップ部材12と、カラーインク用記録ヘッド8を封止するキャップ部材13を同一のキャップホルダーに搭載し、ポンプユニット16にチューブを介して接続されている。そして、キャップ部材12,13はそれぞれ記録ヘッド7,8のノズル開口面を1つの空間で封止できるサイズを備え、非印字時にはノズル開口を封止し、また吐出能力回復操作時、すなわちクリーニング操作時にはポンプユニット16から負圧の供給を受けて記録ヘッド7,8からインクを強制的に排出させることができるように構成されている。
【0042】
そして、キャップ部材12,13は、キャップ部材内に排出されたインクを効果的に排出するために、キャリッジ1の移動や、また駆動手段などにより開閉が制御される大気開放バルブV1,V2を介して大気に連通できるように構成されている。また、キャッピンク装置11の近傍には、ゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材17が配置されている。
【0043】
図2は図1に示した記録装置の動作を制御する制御装置の構成をブロック図によって示したものである。図2における制御装置において、符号20は印刷制御手段であり、ホストからの印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、このデータに基づいてヘッド駆動手段21により駆動信号を発生させて、記録ヘッド7,8からインク滴を吐出させるものである。
【0044】
符号22はクリーニング制御手段であり、電源投入時や、また吸引指令検知手段23および吸引タイマ24からの信号により、規定された吸引強度、吸引時間、吸引インターバルに基づいてポンプ駆動手段25を制御して、ポンプユニットを16を構成する各吸引ポンプ14,15を駆動制御するものである。
【0045】
符号26はフラッシング制御手段であり、印刷動作が一定時間継続して印刷制御手段20からフラッシング指令が出力された場合、およびクリーニング制御手段22からの吸引終了信号が出力された場合に、印刷制御手段20により記録ヘッド7,8をフラッシング位置、通常はキャッピング位置に移動させて、ヘッドの目詰まりの防止や、目詰まり解消のために各記録ヘッド7,8の全てのノズル開口から所定数のインク滴を吐出させるものである。
【0046】
また、符号28は待機タイマであり、前記クリーニング制御手段22によるクリーニング制御が終了した直後に計時を開始し、所定の待機時間(T1)を計時した後に直ちに印刷動作が開始できるように制御するものである。
【0047】
さらに符号27は待機時間変更手段であり、これはインクカートリッジの装填後におけるインクカートリッジ内のインクの溶存ガス量が飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間に応じて、前記待機タイマ28による待機時間を変更するように構成されている。すなわち、待機時間変更手段27はホストコンピュータから得られるインクカートリッジ交換などの信号に基づいてカートリッジ交換後の積算時間を計時し、この積算時間に応じて前記待機タイマ28による待機時間(T1)を適宜増減させるように作用する。
【0048】
なお、図中29は記録装置の図示しない制御パネル等に設けられたクリーニング指令スイッチであり、ユーザが印字かすれなどの現象を認識した場合に、このスイッチ29を操作することで、クリーニング操作が実行されるように構成されている。
【0049】
次に図3は、図1および図2に示した記録装置に装填されるインクカートリッジの構成を示したものである。なお、図3に示したインクカートリッジは、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のインクが充填されたカラーインクカートリッジ10の例を示すものであり、ブラックインクが充填されたブラックインクカートリッジ9においては、その幅方向の寸法が短縮され、インク溜りが1つである点で相違し、他の構成は以後に説明するカラーインクカートリッジ10とほぼ同一構成にされている。
【0050】
カラーインクカートリッジ10は、基本的には例えばポリプロピレンにより箱型に形成されたインクタンク31と、このインクタンク31内に収納されインクが含浸される多孔質部材よりなるフォーム32Y,32M,32Cと、インクタンク31の上面を覆う蓋体33より構成されている。
【0051】
前記インクタンク31は、31Y,31M,31Cの3つの室に分割されており、この各室には直方体状に成型された例えばポリウレタンフォーム等の多孔質部材よりなるフォーム32Y,32M,32Cが収納されている。そして、各室にはイエロー、マゼンタ、シアンのカラーインクがそれぞれ充填されている。
【0052】
インクタンク31の上部を覆う蓋体33には、外部と連通する連通孔34が各室に対してそれぞれ3個ずつ設けられている。これら連通孔34の各室ごとの少なくとも1つの連通孔34aには、開封可能な帯状の封止部材35が貼着されており、使用直前までは部材35により封止されていて使用直前に開封して通気孔34aの機能を果たすことができるように構成されている。
【0053】
特に図3に示したような帯状の封止部材35を採用することにより、その端部を引っ張り剥がすことで、各室のそれぞれの連通孔34aを一度に開封することができる。この場合、カートリッジ10の包装袋(図示せず)に帯状の封止部材35の一端を結合しておき、包装袋からカートリッジ10を取り出す時に必ず開封されるように構成されるのが望ましい。
【0054】
このようにして封止部材35を開封することにより、カートリッジ10を記録装置に装填した場合において、開封された通気孔34aよりインクの消費に対応した空気がカートリッジ内に補充される。
【0055】
なお、他の通気孔34もそれぞれ単独の封止部材36により封止されている。これらの封止部材35,36は所定以下の水蒸気透過度のものが用いられており、また少なくとも1つの封止部材は所定以上のガス透過度を保有するものが用いられている。これによりカートリッジの輸送時にインクが漏れ出すのを阻止でき、また減圧包装後にインクが再脱気されるように作用する。
【0056】
前記各室31Y,31M,31Cの下底部には、図示されていないが円筒状のインク室が形成されており、インク室の端部にはゴム等の弾性部材よりなる盲栓37が嵌め込まれ封止されている。
【0057】
このように構成されたインクカートリッジ10は、印刷装置に装填された状態で記録ヘッド8に連通する中空針(図示せず)により盲栓37が貫通され、カートリッジ10より記録ヘッド8に対してインクが導入できるように構成されている。
【0058】
また、インクタンク31の側面には、その先端部が各室31Y,31M,31C内のフォーム32Y,32M,32Cにそれぞれ接するようにインクエンド検出用の電極38が埋め込まれており、インクの漏出を防止するためのOリング39によりそれぞれ封止されている。そして、これらの電極38と前記した中空針との間での電気抵抗を測定することで、インクエンドの状態を検出することができるように構成されている。
【0059】
次に図1および図2に示したインクジェット式記録装置における記録ヘッドのクリーニング作用および印刷命令の待機モードの作用について、図4以降に示す動作フローチャート並びにキャッピング手段の動作態様に基づいて説明する。
【0060】
まず図4は、記録ヘッドのクリーニング作用および印刷命令の待機モードの作用についての第1の制御シーケンスを示したものであり、また図5乃至図8はこの時に制御されるキャッピング手段の各動作を示したものである。なお、図5乃至図8はいずれもキャップ部材12,13のうちの一方のキャップ部材12のみについて示しているが、他方のキャップ部材13の動作についても以下の説明と同様である。
【0061】
図4において、長期間の放置後において印刷装置に電源が投入された場合、またはクリーニング指令スイッチ29の操作によりクリーニング開始モードになされると、ステップS11において、記録ヘッド7を非印字領域側に移動させる。これにより、当該部分に配置されたゴムなどの弾性板からなるクリーニング部材17の上部を記録ヘッド7が通過し、記録ヘッド7のノズルプレートに付着している塵埃や紙粉などを除去するワイピング動作を実行する。
【0062】
このステップS11におけるワイピング動作は、次に続くキャッピング装置により記録ヘッドからインクを強制的に吸引させる処理において、キャッピング装置に対する記録ヘッドの密着性を向上させるために実行される。
【0063】
次いでステップS12において、キャリッジ1をキャッピング位置に移動させて記録ヘッド7からインクの大量吸引動作を開始する。すなわち、図5(イ)に示すように記録ヘッド7をキャップ部材12により封止し、図5(ロ)に示すようにキャップ部材12に連通する大気開放バルブV1を閉弁した状態で吸引ポンプ14を所定時間だけ、高速駆動させてキャップ部材12に強い負圧を蓄圧させる。
【0064】
強い負圧を蓄圧した状態で放置すると、図5(ハ)に示すように記録ヘッド7から大量のインクがキャップ部材12に排出される。このようにして所定時間が経過し、記録ヘッド7からインクが排出されることでキャップ部材12内の負圧が大気圧程度に弱まると、図5(ニ)に示すように記録ヘッド7からのインクの排出が停止する。
【0065】
大量吸引終了後、キャップ部材12内が大気圧まで復帰した段階で、ステップS13に移り、図6(イ)に示すようにキャップ部材12に連通する大気開放バルブV1を開弁し、吸引ポンプ14を再び高速駆動させる。
【0066】
大量吸引終了後にはキャップ部材12にインクが大量に停滞しているから、大気開放バルブV1の開放によりキャップ部材12内のインクは、図6(ロ)に示すように気泡を発生しながら吸引ポンプ14に吸引され、廃インクタンクに排出される。そして、図6(ハ)に示すように記録ヘッド7はキャップ部材12の封止から開放され、再び大気開放バルブV1を閉弁し、吸引ポンプ14を駆動してキャップ部材12に残留しているインクを廃インクタンクに排出させる。
【0067】
次いでステップS14においてクリーニング制御手段22は、記録ヘッド7をキャッピング位置に再び移動させて、前記した大量吸引によるノズル開口におけるメニスカス等の破損を修復するために、記録ヘッド7に対して第1回目の少量吸引の動作を実行する。すなわち、図7(イ)に示すように記録ヘッド7をキャップ部材12により封止し、図7(ロ)に示すようにキャップ部材12に連通する大気開放バルブV1を閉弁した状態で吸引ポンプ14を所定時間、低速駆動させてキャップ部材12に弱い負圧を蓄圧させる。
【0068】
キャップ部材12内に蓄圧された弱い負圧を記録ヘッド7に作用させた状態で放置すると、図7(ハ)に示すように記録ヘッド7からインクがキャップ部材12に排出される。そして、キャップ部材12の負圧が大気圧程度に弱まると、図7(ニ)に示すように記録ヘッド7からのインクの排出が停止する。
【0069】
続いてステップS15に移り、大気開放バルブV1を開弁させる。少量吸引動作後には少量のインクがキャップ部材12内に停滞しているだけであるから、図8(イ)に示すように大気開放バルブV1を開放しても気泡が発生することはない。そして図8(ロ)に示すように、この状態で吸引ポンプ14を低速駆動して記録ヘッド7を封止した状態でキャップ部材12に停滞しているインクを泡立てることなく吸引して廃タンクに排出する。
【0070】
そして、図8(ハ)に示すように記録ヘッド7はキャップ部材12の封止から開放され、吸引ポンプ14を駆動してキャップ部材12内に残留しているインクを廃インクタンクに排出させる。
【0071】
次いで、ステップS16においてクリーニング制御手段22は、記録ヘッド7をクリーニング部材17の作動位置に移動させて、記録ヘッド7のノズルプレートを低速モードでワイピングする。これによりインク吸引時に生じたインク飛沫によりノズルプレートに付着したインクの層が払拭される。
【0072】
続いてステップS17において、クリーニング制御手段22は、記録ヘッド7をキャッピング位置に再び移動させて記録ヘッド7から第2回目の少量吸引の動作を実行する。
【0073】
すなわち、図7(イ)に示すように記録ヘッド7をキャップ部材12により封止し、図7(ロ)に示すようにキャップ部材12に連通する大気開放バルブV1を閉弁した状態で吸引ポンプ14を所定時間、低速駆動させてキャップ部材12内に弱い負圧を蓄圧させる。
【0074】
これによりキャップ部材12内に蓄圧された弱い負圧により記録ヘッド7から、図7(ハ)に示すように少量のインクがキャップ部材12内に排出される。そして、キャップ部材12の負圧が大気圧程度に弱まると、図7(ニ)に示すように記録ヘッド7からのインクの排出が停止する。
【0075】
続いてステップS18において、図8(イ)に示すように大気開放バルブV1を開放し、図8(ロ)に示すように吸引ポンプ14を低速駆動してキャップ部材12内に停滞しているインクを泡立てることなく吸引して廃タンクに排出する。
そして、図8(ハ)に示すように記録ヘッド7をキャップ部材12の封止から開放し、吸引ポンプ14を駆動してキャップ部材12内に残留しているインクを廃インクタンクに排出させる。
【0076】
続いてステップS19において、キャリッジを低速モードで駆動し、記録ヘッド7のノズルプレートを低速でワイピングする仕上げワイピングが行われ、以上のシーケンスによりクリーニング操作が完了する。
【0077】
前記ステップS19に示す仕上げワイピングの終了直後のステップS20において、待機タイマ28による計時が開始され、これと同時に印刷命令の受入れを許容する印刷命令待ちとなる。
【0078】
前記印刷制御手段20は、ステップS21において印刷命令があるか否かを監視しており、印刷命令がありと判断した場合には、ステップS22において、前記待機タイマ28による所定の待機時間(T1)が経過したか否かを判定する。このステップS22において所定の待機時間が経過したと判断されると、ステップS23において記録ヘッドにいわゆる空吐出のための信号を印加してフラッシングを行い、印刷が開始される。
【0079】
以上説明した制御シーケンスによると、ステップS19による仕上げワイピングの動作直後に待機タイマ28の計時が起動され、直ちに印刷命令待ちの状態となる。したがって間もなく印刷命令を受け取った場合には、既に待機タイマ28は所定の待機時間を計時中であり、待機タイマによる所定時間(T1)の経過後に直ちに印刷動作を開始することができる。
【0080】
なお以上説明した制御シーケンスは、インクカートリッジを新たに交換してから例えば2日以上を経過し、インクカートリッジ内の脱気度が低下した場合において成される通常の制御シーケンスを示している。
【0081】
すなわち、新たなインクカートリッジに交換した後の例えば2日程度以内においては、クリーニング操作後に記録ヘッド内に逆流する微小気泡は、インクカートリッジ内のインク脱気度が比較的高いために早期に消滅し、印字品質を低下させるという不都合は発生しない。換言すれば、このようにインクカートリッジ内の脱気度が高い状態においては、前記待機タイマによる待機時間(T1)を短縮するようにしても印字品質を低下させるという問題は生じない。
【0082】
その理由は次のとおりである。すなわち、図3に示したようにインクカートリッジの外ケースがポリプロピレン等の材料の場合、カートリッジ内のインクが完全に飽和に達するのに室温下で通常約3日かかり、これ以降においてはノズル開口径と同サイズの気泡が消滅するのに、30〜60秒程度必要である。したがって、前記待機時間(T1)はこれと同程度の時間に設定する必要がある。しかしながら、脱気度が溶存空気量として飽和の75%以下であれば、待機時間がなくても速やかに溶解でき、クリーニング後の不良の発生はない。飽和の75%は、室温下でほぼ2日で達するので、2日経過以降は一律、30〜60秒程度の待機時間(T1)を設けるように制御される。
【0083】
よって、カートリッジ装填後から3日の間の時間経過を元に、その比率分で、すなわち経過時間の関数で待機時間(T1)を設定するように構成することが望ましい。
【0084】
図9は、このような特質を利用し、インクカートリッジ内のインクの溶存ガス量が飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間に応じて動作する待機時間変更手段を具備させた第2の制御シーケンスを示すものである。
【0085】
すなわち、図9に示したステップS31乃至ステップS39の一連のクリーニング制御シーケンスは、図4に示したステップS11乃至ステップS19の一連のクリーニング制御シーケンスと同一である。また、図9に示したステップS41乃至ステップS44は、図4に示したステップS20乃至ステップS23と同一である。したがってその詳細な説明は省略する。
【0086】
この図9に示したシーケンスにおける図4との相違点は、ステップS40として待機時間変更手段による待機時間(T1)の設定動作が加わるようにされている点である。
【0087】
すなわち、待機時間変更手段27はインクカートリッジ交換時からの累積時間を計時し、その経過時間に応じて前記待機タイマ28による待機時間(T1)を適宜短縮するように変更するものである。
【0088】
例えばインクカートリッジ交換時から例えば2日程度の範囲においては、前記したように待機時間(T1)を0秒から序々に比例配分的に増大させると共に、インクカートリッジ交換から例えば2日以上経過した場合には、前記待機時間(T1)を通常の時間である30〜60秒程度の一定の時間に設定されるように構成される。またインクカートリッジ交換時から所定の時間の範囲においては、待機時間(T1)を0秒と設定するようにしてもよい。
【0089】
またさらに、待機時間変更手段27によってなされる待機時間(T1)の設定は、以下のように種々の形態を採ることもできる。例えば、インク中の染料および界面活性材等の成分により、インクの種類によって泡立ちが異なることが確認されている。すなわち、ブラックインク専用のヘッドと、イエロー、マゼンタ、シアンのカラー印刷ヘッドの2個を有し、それぞれ専用のキャップを備えている場合には、ブラックインクの方が泡立ちが少なく、ノズル開口からの気泡の逆流が少ない傾向がある。そのため、同じクリーニングシーケンスでもブラックの方がクリーニングの不良の発生は少ない。したがってその分、ブラックインクカートリッジの交換時には、待機時間(T1)を短縮制御する時間をより長くとることもできる。
【0090】
また、キャップの大きさが異なる場合、大きい方のキャップ内では大量吸引の際の泡立ちが多いため、ノズル開口からの気泡の逆流が多い。これに対して小さい方のキャップは相対的に泡立ちが少ない。したがってキャッピング手段のキャップの大きさに応じて例えば前記待機時間(T1)を可変できるように構成することもできる。
【0091】
さらに、2つのヘッドおよびそれに対応したキャップを有するインクジェット記録装置の場合、ノズルの数が多い記録ヘッドでは、キャップ内で泡立った気泡がノズル開口へ逆流する頻度が高い。逆にノズル数が少ない記録ヘッドにおいては気泡の逆流が少ない。したがって、キャッピング手段によってインクを吸引する記録ヘッドのノズル数に応じて、前記待機時間(T1)の設定を可変できるように構成することで、同様にクリーニングシーケンスを最適化させることができる。
【0092】
なお、図4および図9に示した制御シーケンスにおいて、前記待機タイマによる所定時間(T1)までの待機中(S22,S43)においては、記録ヘッドからのインク吐出を伴わずに装置を動作させ、装置が正常に機能しているように見せかけることが好ましい。この装置の動作としては、キャリッジや紙送りモータなどの無意味な駆動のほか、すでに印刷情報は与えられているので給紙動作、用紙頭出し動作、キャリッジのフラッシングポジションへの移動等も行なうことができる。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、本発明にかかるインクジェット式記録装置および同装置における印刷動作制御方法によると、クリーニング操作の終了と同時に待機タイマを起動し、これと同時に印刷命令待ちのモードに移行するように作用するため、印刷命令が到来した場合には、既に所定の待機時間を経過しているか、または待機時間の計時が進んでいる状態となる。したがって、ユーザに対して不要な待ち時間を強いる確率を低減させることができる。
【0094】
また、所定の待機時間に到達する以前に印字開始命令が与えられた場合、記録ヘッドからのインク吐出を伴わない範囲で装置を動作させることによって、装置が故障であるかのような疑念を抱かせることを避けることができる。
【0095】
さらに、インクカートリッジの交換に伴って動作する待機時間変更手段を具備させることで、前記待機時間をより短縮させることができるので、例えば印刷装置に動作電源を投入して、即座に印刷を実行させようとする場合においては、そのスループットを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット式記録装置の構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置における制御回路の構成を示したブロック図である。
【図3】図1に示す記録装置に装填されるインクカートリッジの一例を示した分解斜視図である。
【図4】図2に示す制御回路によりなされるクリーニング動作およびこれに続く印刷命令を受けた場合の第1の動作シーケンスを示したフローチャートである。
【図5】大量吸引工程の前半におけるキャップ部材内の様子を示す模式図である。
【図6】大量吸引工程の後半におけるキャップ部材内の様子を示す模式図である。
【図7】小量吸引工程の前半におけるキャップ部材内の様子を示す模式図である。
【図8】小量吸引工程の後半におけるキャップ部材内の様子を示す模式図である。
【図9】図2に示す制御回路によりなされるクリーニング動作およびこれに続く印刷命令を受けた場合の第2の動作シーケンスを示したフローチャートである。
【図10】従来の記録装置においてなされるクリーニング動作およびこれに続く印刷命令を受けた場合の動作シーケンスを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 キャリッジ
4 ガイド部材
5 プラテン
6 記録用紙
7,8 記録ヘッド
9,10 インクカートリッジ
12,13 キャップ部材
14,15 吸引ポンプ
17 クリーニング部材
20 印刷制御手段
21 ヘッド駆動手段
22 クリーニング制御手段
25 ポンプ駆動手段
26 フラッシング制御手段
27 待機時間変更手段
28 待機タイマ
V1,V2 大気開放バルブ
Claims (12)
- 印刷データに対応してノズル開口から記録用紙に対してインク滴を吐出することで印刷を行なうインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドを封止すると共に吸引ポンプからの負圧を受けるキャッピング手段と、クリーニング操作の指令を受けて前記キャッピング手段により記録ヘッドからインクを吸引させるクリーニング操作を実行するクリーニング制御手段とを備え、前記クリーニング制御手段の動作によるクリーニング操作の実行後に、所定の待機時間を設定するための待機タイマを起動させ、所定の待機時間を計時した後に印刷動作を開始するように構成されたインクジェット式記録装置であって、
前記待機タイマにより計時される所定の待機時間は、前記タイマを起動させる前に待機時間変更手段により変更されるようになされたインクジェット式記録装置。 - 前記待機時間変更手段は、インクカートリッジの装填後におけるインクカートリッジ内のインクの溶存ガス量が飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間に応じて、前記待機タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項1記載のインクジェット式記録装置。
- 前記飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間は、前記インクカートリッジの交換後の積算時間である請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記記録ヘッド及びキャッピング手段をそれぞれ2つ有し、それぞれのヘッドに流入するインクの泡立ち性が異なり、前記クリーニング操作時にそれぞれのキャッピング手段内の泡立ち方に応じて、前記待機時間変更手段が前記タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記記録ヘッド及び大きさの異なるキャッピング手段をそれぞれ2つ有し、前記待機時間変更手段は、キャップの大きさに応じて前記待機タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
- ノズル数の異なる前記記録ヘッド及びキャッピング手段をそれぞれ2つ有し、前記待機時間変更手段は、ノズル数に応じて前記待機タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
- 印刷データに対応してノズル開口から記録用紙に対してインク滴を吐出することで印刷を行なうインクジェット式記録ヘッドと、前記記録ヘッドを封止すると共に吸引ポンプからの負圧を受けるキャッピング手段と、クリーニング操作の指令を受けて前記キャッピング手段により前記記録ヘッドからインクを吸引させるクリーニング操作を実行するクリーニング制御手段とを備え、前記クリーニング制御手段の動作によるクリーニング操作の実行後に、所定の待機時間を設定するための待機タイマを起動させるタイマ起動ステップと、所定の待機時間を計時した後に印刷動作ステップに移行するシーケンスを具備したインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法であって、
前記待機タイマにより計時される所定の待機時間は、前記タイマを起動させる前に待機時間変更手段により変更されるようになされたインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法。 - 前記待機時間変更手段は、インクカートリッジの装填後におけるインクカートリッジ内のインクの溶存ガス量が飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間に応じて、前記待機タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項7記載のインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法。
- 前記飽和状態、または飽和状態の近傍に達するに要する時間は、前記インクカートリッジの交換後の積算時間である請求項8に記載のインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法。
- 前記記録ヘッド及びキャッピング手段をそれぞれ2つ有し、それぞれのヘッドに流入するインクの泡立ち性が異なり、前記クリーニング操作時にそれぞれのキャッピング手段内の泡立ち方に応じて、前記待機時間変更手段が前記タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項7に記載のインクジェット式記録装置における印刷 動作制御方法。
- 前記記録ヘッド及び大きさの異なるキャッピング手段をそれぞれ2つ有し、前記待機時間変更手段は、キャップの大きさに応じて前記待機タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項7に記載のインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法。
- ノズル数の異なる前記記録ヘッド及びキャッピング手段をそれぞれ2つ有し、前記待機時間変更手段は、ノズル数に応じて前記待機タイマによる待機時間を変更するようになされた請求項7に記載のインクジェット式記録装置における印刷動作制御方法。
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