JP2002307908A - ラジアルタイヤ - Google Patents

ラジアルタイヤ

Info

Publication number
JP2002307908A
JP2002307908A JP2001116342A JP2001116342A JP2002307908A JP 2002307908 A JP2002307908 A JP 2002307908A JP 2001116342 A JP2001116342 A JP 2001116342A JP 2001116342 A JP2001116342 A JP 2001116342A JP 2002307908 A JP2002307908 A JP 2002307908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carcass
dtex
radial tire
cord
polyolefin ketone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001116342A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Koga
裕志 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2001116342A priority Critical patent/JP2002307908A/ja
Publication of JP2002307908A publication Critical patent/JP2002307908A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用中のタイヤ形状の変化(変形)を効果的
に抑制し、高荷重耐久性と操縦安定性とに優れ、かつこ
れらのバランスが良好である高性能のラジアルタイヤの
提供。 【解決手段】 ラジアルカーカスと、該カーカスの外周
に配置されるベルトとを備えるラジアルタイヤであっ
て、カーカスを構成するカーカスコードが、カルボニル
部とオレフィン部とからなる繰返し単位からなるポリオ
レフィンケトンを有してなり、該カーカスコードのコー
ド弾性率が400〜1000N/mmであるラジアル
タイヤにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジアルタイヤに
関し、更に詳しくは、高荷重耐久性と操縦安定性とに優
れた高性能のラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気入りラジアルタイヤは、カー
カスにおけるプライのコードとして、レーヨン、ナイロ
ン、ポリエステルなどの有機繊維コードを一般的に用い
ている。これらの有機繊維コードはいずれも、そのJI
S L 1017−1995(化学繊維タイヤコード試
験方法)に規定される初期引張抵抗度が高い値ではな
い。
【0003】このため、これらの有機繊維コードをカー
カスのプライに用いた空気入りタイヤは、その使用中
に、該有機繊維コードが伸び易く、伸びの量もバラツキ
易く、タイヤ形状が変化(変形)するおそれがある。そ
のため、走行性能も低下するおそれがあり、超高速等の
厳しい条件下では使用できないという問題がある。
【0004】コードを構成する繊維は、超高速用等の厳
しい条件下での使用にも耐え得る十分な耐疲労性をコー
ドに付与する観点から、撚りを与えられる。しかし、初
期引張抵抗度の値が比較的高い、アラミド、カーボン、
ガラス繊維等のいわゆる超高弾性繊維の場合、撚りの影
響で伸びが増加し初期引張抵抗度が低下してしまう。こ
のため、これらの超高弾性繊維のコードを使用した空気
入りタイヤは、使用中に操縦安定性が低下するという問
題がある。また、超高弾性繊維のコードを使用した空気
入りタイヤは、一般に高荷重耐久性に劣るという問題が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを
課題とする。即ち、本発明は、使用中のタイヤ形状の変
化(変形)を効果的に抑制し、高荷重耐久性と操縦安定
性とに優れ、かつこれらのバランスが良好である高性能
のラジアルタイヤを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、以下の発明により上記課題を解決できることを見
出した。即ち、<1> 一対のビード内部に埋設したビ
ードコア相互間にわたりトロイダル状に延びるラジアル
カーカスと、該カーカスの外周に配置されるベルトとを
備えるラジアルタイヤであって、カーカスを構成するカ
ーカスコードが下記式Iで表される繰り返し単位(式I
中、Aは二価のオレフィン残基を表し、繰り返し単位に
おいて、Aはすべて同じであっても、互いに異なってい
てもよい)からなるポリオレフィンケトンを有してな
り、該カーカスコードの0.3g/dtexと0.6g
/dtexのそれぞれの応力における伸び率差と該応力
差とを用いて表される初期引張抵抗度が400〜100
0N/mmであり、カーカスコードは、ヒートセット
・ゾーン及びノルマライジング・ゾーンにおける熱処理
時間が40〜120秒間によって得られ、ヒートセット
・ゾーンでの処理条件は、温度範囲が(Tm−13)〜
(Tm−5)℃(ここでTmはポリオレフィンケトンの
結晶融点を表す)であり処理テンションが0.4〜1.
8g/dtexであり、ノルマライジング・ゾーンでの
処理条件は、温度範囲が(Tm−13)〜(Tm−5)
℃(ここでTmはポリオレフィンケトンの結晶融点を表
す)であり処理テンションが0.2〜0.9g/dte
xであるラジアルタイヤ。
【0007】
【化2】
【0008】<2> 上記<1>において、Aがエチレ
ン単位であるのがよい。 <3> 上記<1>又は<2>において、カーカスコー
ドの0.02N/dtex応力時の伸び率が3.5%を
超えて6.0%以下であり、且つ破断伸びが11%以上
であるのがよい。
【0009】<4> 一対のビード内部に埋設したビー
ドコア相互間にわたりトロイダル状に延びるラジアルカ
ーカスと、該カーカスの外周に配置されるベルトとを備
えるラジアルタイヤであって、カーカスを構成するカー
カスコードが下記式Iで表される繰り返し単位(式I
中、Aは二価のオレフィン残基を表し、繰り返し単位に
おいて、Aはすべて同じであっても、互いに異なってい
てもよい)からなるポリオレフィンケトンを有してな
り、該カーカスコードの0.3g/dtexと0.6g
/dtexのそれぞれの応力における伸び率差と該応力
差とを用いて表される初期引張抵抗度が400〜100
0N/mmであるラジアルタイヤ。
【0010】<5> 上記<4>において、カーカスコ
ードは、ヒートセット・ゾーン及びノルマライジング・
ゾーンにおける熱処理時間が40〜120秒間によって
得られ、ヒートセット・ゾーンでの処理条件は、温度範
囲が(Tm−13)〜(Tm−5)℃(ここでTmはポ
リオレフィンケトンの結晶融点を表す)であり処理テン
ションが0.4〜1.8g/dtexであり、ノルマラ
イジング・ゾーンでの処理条件は、温度範囲が(Tm−
13)〜(Tm−5)℃(ここでTmはポリオレフィン
ケトンの結晶融点を表す)であり処理テンションが0.
2〜0.9g/dtexであるのがよい。
【0011】<6> 上記<4>又は<5>において、
Aがエチレン単位であるのがよい。 <7> 上記<4>〜<6>のいずれかにおいて、カー
カスコードの0.02N/dtex応力時の伸び率が
3.5%を超えて6.0%以下であり、且つ破断伸びが
11%以上であるのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のラジアルタイヤは、一対
のビード内部に埋設したビードコア相互間にわたりトロ
イダル状に延びるラジアルカーカスと、該カーカスの外
周に配置されるベルトとを備えるラジアルタイヤであ
る。本発明のラジアルタイヤは、このカーカス及び/又
はベルトを除く、他の構成、材質、形状、大きさ等につ
いては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができ、公知のものと同様に構成することができる。
【0013】また、本発明のラジアルタイヤとして、例
えば、その内部に空気が満たされた空気入りラジアルタ
イヤを挙げることができるが、これに限定されるもので
はない。即ち、本発明のラジアルタイヤは、その内部に
種々のガスを満たしたラジアルタイヤとすることがで
き、例えばガスとして窒素のみを満たしたものであって
もよく、ガスとして空気に種々の混合比となるように窒
素を入れたものであってもよい。
【0014】ラジアルカーカスは、カーカスコードから
なり、該カーカスコードは上記式Iで表される繰り返し
単位からなるポリオレフィンケトンを有してなる。以
下、該ポリオレフィンケトン、ポリオレフィン繊維、該
繊維を有してなる繊維コードなどについて詳細に説明す
る。
【0015】上記式Iにおいて、Aは、二価のオレフィ
ン残基を表し、オレフィン系モノマー由来の部である。
Aは、式Iを見て明らかなように、カルボニル部と結合
している。即ち、ポリオレフィンケトンは、カルボニル
部と、オレフィン系モノマー由来の部とが交互に配列さ
れた重合体である。該ポリオレフィンケトンにおいて、
オレフィン系モノマー由来の部、即ちAは、1種であっ
てもよいし、2種以上であってもよい。1種である場
合、ポリオレフィンケトンはホモポリマーであり、2種
以上である場合、ポリオレフィンケトンはコポリマーと
することができる。
【0016】コポリマーの場合を簡単に説明する。例え
ば、A1がエチレン基、A2がプロピレン基として、ポ
リオレフィンケトンがA1及びA2を含む場合、ポリオ
レフィンケトンは、−CO−A1−の第1の繰り返し単
位と−CO−A2−の第2の繰り返し単位とを含むコポ
リマーとすることができる。即ち、本発明のポリオレフ
ィンケトンがコポリマーの場合、該コポリマーとして、
ランダムコポリマー、ブロックコポリマーなどの種々の
コポリマーが含まれる。
【0017】上記に、Aとして、エチレン基及びプロピ
レン基の例を挙げたが、それ以外にも、オレフィン系モ
ノマー、即ちAとして種々のものを挙げることができ
る。例えばブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オ
クテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、メチル
アクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテー
ト、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセ
ン、N−ビニルピロリドン、およびスルニルホスホン酸
のジエチルエステルなどを挙げることができる。
【0018】これらの中でも、力学特性、耐熱性などの
点から、エチレンであるのが好ましい。即ち、本発明の
ポリオレフィンケトンとして、オレフィン系モノマー由
来の部Aがエチレン単位(−CH2 −CH2 −)である
ホモポリマー又はコポリマーであるのがよい。コポリマ
ーである場合、エチレン部(−CH2 −CH2 −)と他
のオレフィン部とのモル比(エチレン部/他のオレフィ
ン部)が、4/1以上であるのが好ましく、8/1以上
であることがより好ましい。モル比が4/1以上である
と、ポリオレフィンケトンの融点が高くなる、即ちポリ
オレフィンケトンに耐熱性が生じる傾向となる。また、
モル比が8/1以上であると、ポリオレフィンケトンの
耐熱性及び力学的性能がより優れるので好ましい。
【0019】本発明に用いられるポリオレフィンケトン
の製造法は、例えば、ヨーロッパ特許公開第12196
5号、同第213671号及び同第229408号;米
国特許第3914391号;並びに特許第298723
3号などに開示されており、これらは参照として本発明
に含まれる。
【0020】ポリオレフィンケトンの重合度は、60℃
のm−クレゾール中で測定した溶液粘度(LVN)によ
って表すことができる。該LVNが1.0〜10.0d
l/g、好ましくは1.2〜5.0dl/g、より好ま
しくは1.3〜4.0dl/gであるのがよい。溶融粘
度(LVN)が上記範囲にあると、最終的に得られるコ
ードの力学的強度、繊維化時の溶融粘度、溶液粘度及び
紡糸性が良好になる傾向が生じる。
【0021】上述のポリオレフィンケトンを繊維化し
て、ポリオレフィンケトン繊維を調製する。この調製方
法は、特に制限はなく、溶融紡糸法、溶液紡糸法などの
種々の方法を挙げることができる。
【0022】溶融紡糸法を用いる場合、例えば、特開平
1−124617号公報記載の方法を用いることができ
る。即ち、ポリオレフィンケトンを、最低(Tm+2
0)℃、好ましくは(Tm+40)℃で溶融紡糸し、次
いで最高(Tm−10)℃、好ましくは(Tm−40)
℃で、好ましくは3倍以上、より好ましくは7倍以上の
延伸比で延伸することにより、容易にポリオレフィンケ
トン繊維を製造することができる(ここで、Tmは、ポ
リオレフィンケトンの結晶融点を表す)。
【0023】溶液紡糸法による場合、例えば、特開平2
−112413号公報記載の方法を用いることができ
る。即ち、ポリオレフィンケトンを、例えばヘキサフル
オロイソプロパノール、m−クレゾール等に、0.25
〜20重量%の濃度、好ましくは0.5〜10重量%の
濃度で溶解し、紡糸ノズルより押し出して繊維化する。
次いでトルエン、エタノール、イソプロパノール、n−
ヘキサン、イソオクタン、アセトン、メチルエチルケト
ン等の非溶剤浴、好ましくはアセトン浴中で溶剤を除去
した後、洗浄して紡糸原糸を得、さらに(Tm−10
0)〜(Tm+10)℃、好ましくは(Tm−50)〜
Tm℃で延伸することにより、容易にポリオレフィンケ
トン繊維を製造することができる。
【0024】ポリオレフィンケトン繊維は、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)繊維以上に高強度、高弾性
率で、かつ寸法安定性に優れており、熱収縮もナイロン
繊維のように大きくなく、またレーヨン繊維のように耐
水分安定性が悪くなく、同時にゴムとの接着性に優れ、
ゴム中での耐アミン劣化にも優れている。
【0025】ポリオレフィンケトン繊維は、熱、酸素等
に対して十分な耐久性を付与する目的で、酸化防止剤を
含有してもよい。また、必要に応じて、艶消し剤、顔
料、帯電防止剤などの公知の添加剤を含有してもよい。
【0026】このようにして得られたポリオレフィンケ
トン繊維(ポリマーフィラメント)は、その引張強度
が、通常8.83cN/dtex以上であり、10.5
9cN/dtex以上であるのが好ましい。また、その
初期弾性率が、通常88.3cN/dtex以上、好ま
しくは105.9cN/dtex以上、より好ましくは
132.4cN/dtex以上であるのがよい。
【0027】繊維コードは、1本のポリオレフィンケト
ン繊維から形成されていても、2本以上のポリオレフィ
ンケトン繊維から形成されていてもよい。例えば、2本
以上のポリオレフィンケトン繊維から繊維コードを形成
する場合、ポリオレフィンケトン繊維に下撚りをかけ、
次いでこれを2本乃至3本合わせて、逆方向に上撚りを
施し、双撚生コードとして得ることができる。
【0028】繊維コードを双撚生コードとした場合、下
記式で表される撚り係数Rが、1600〜2800であ
ることが好ましい。
【0029】R=N×√0.9D 式中、Nはコードの撚り数(回/10cm)を表し、D
はコードの総表示dtex数を表す。撚り係数Rが上記
数値範囲内にあると、繊維コードに適度な集束性が与え
られ、耐久性を向上させる傾向を生じる。
【0030】繊維コードは、例えば平行に配列されてプ
ライとされ、カーカスが形成される。即ち、例えば双撚
生コードとして得られた繊維コードを、綿、ポリノジッ
ク等の細手の緯糸とスダレ織物に製織した後、接着剤を
付与し、乾燥加熱緊張処理し、ディップ処理反としたプ
ライを得る。そして、これをゴムマトリックス層に埋設
することにより、カーカスが形成される。
【0031】繊維コードとゴムマトリックスとの接着、
又はプライとゴムマトリックスとの接着は、以下のよう
な公知の方法により行うことができる。例えば、繊維コ
ードを、エポキシ化合物あるいはブロックドイソシアネ
ート化合物を含む第一液で処理した後、レゾルシンとホ
ルマリンと各種ラテックスと苛性ソーダ及び/又はアン
モニア水を含む第二液(RFL液)で処理する二浴型の
接着方法;トリアリルシアヌレートとレゾルシンとホル
マリンとアンモニア水とから生成する通称N3と呼称さ
れる液と、RFL液との混合液で処理する一浴型の接着
方法;p−クロルフェノールとホルマリンとから生成す
る2,6−ビス(2' ,4' −ジヒドキシフェニルメチ
ル) −4−クロルフェノールを主成分とする反応生成
物と、レゾルシンとホルマリンとアンモニア水とからな
る通称PEXULと呼称される液を、RFL液と混合し
た液で処理する一浴型の接着方法;特開昭60−729
72号等に開示されている、多価フェノールポリサルフ
ァイドと、レゾルシン及びホルマリンの縮合物とをアル
カリ下で熟成した液と、RFL液とを混合した液で処理
する一浴型の接着方法;などにより行うことができる。
【0032】プライを得る加熱緊張処理として、ヒート
セット・ゾーン及びノルマライジング・ゾーンを設ける
のがよい。該ゾーンにおける熱処理時間は、それぞれ4
0〜120秒間、好ましくは40〜100秒間、より好
ましくは40〜80秒間であるのがよい。
【0033】ヒートセット・ゾーンでの条件は、ポリオ
レフィンケトンの結晶融点をTmで表した場合、温度範
囲が(Tm−13)〜(Tm−5)℃、好ましくは(T
m−10)〜(Tm−5)℃であるのがよい。また、処
理テンションが0.4〜1.8g/dtex、好ましく
は0.6〜1.8g/dtexであるのがよい。また、
ノルマライジング・ゾーンでの条件は、温度範囲が(T
m−13)〜(Tm−5)℃、好ましくは(Tm−1
0)〜(Tm−5)℃であるのがよい。また、処理テン
ションが0.2〜0.9g/dtex、好ましくは0.
3〜0.9g/dtexであるのがよい。
【0034】得られたプライは、その初期引張抵抗度が
400〜1000N/mm、好ましくは500〜10
00N/mm、より好ましくは700〜1000N/
mm であるのがよい。ここで、初期引張抵抗度E
は、次の式Aによって表すことができる。
【0035】E=9×ρ×{(ΔF/ΔE)×10
00×100/0.9D} 式A。式Aにおいて、D:
トータル繊度(dtex)、ΔF:応力差(本発明にお
いて、特記しない限り0.3g/dtexと0.6g/
dtexとの応力差)、ρ:繊維密度(g/cm)、
ΔE:2つの応力時の伸び率の差(本発明において、
特記しない限り0.3g/dtexと0.6g/dte
xのそれぞれの応力における伸び率差)をそれぞれ表
す。
【0036】繊維コードは、次のような特性を有するの
がよい。即ち、0.02N/dtex応力時の伸び率が
3.5%を超えて6.0%以下、好ましくは3.5%を
超えて4.5%以下%であるのがよい。繊維コードの破
断伸びは、11%以上、好ましくは12〜15%である
のがよい。
【0037】このようにして得られたカーカスは、その
まま用いてもよいし、あるいは、これを適当な寸法に裁
断してから用いてもよい。カーカスは、1層あればよい
が、複数層、通常2〜3層を重ね合わせて用いてもよ
い。複数層用いる場合、そのうちの少なくとも1層(1
層の場合は該1層)は、通常、タイヤ内側から外側(軸
方向外側)にビードリングの周りに折返して係止され
る。複数層用いる場合、例えば2層によるアップダウン
構造とした際、上層(アッププライ)のビードコアのま
わりにおける折返しに対応する保護やビード部補強に慣
用のフリッパーやチェーファー配置とすることもでき
る。
【0038】本発明のラジアルタイヤは、上述の繊維コ
ードを有してなるプライ、例えば上述の繊維コードが平
行に配列されたプライを含んでなるカーカスを備える。
該カーカスは、ベルトと組み合わされて配置される。
【0039】例えば、上述の繊維コードを有してなるプ
ライを含むカーカスに組合せるベルトとして、1×5×
0.23mmφのスチールコードによるものを2枚、ト
レッドの内側に配置したものなどを挙げることができ
る。また、該ベルトの外周には、キャップ、レイヤなど
が適宜配置される。これらとして、例えば66ナイロン
の1260D/2のコードによるものなどを挙げること
ができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例によって限定されるものではな
い。
【0041】(実施例1〜3及び比較例1〜3) (カーカスコードの調製)ポリオレフィンケトン(以
下、「PK」と略記する場合がある)の原糸及びポリエ
チレンテレフタレート(以下、「PET」と略記する場
合がある)の原糸を、まず下撚りし、これを2本合わせ
て、逆方向に上撚りして、双撚生コードを得た。下記表
1に上撚り数及び下撚り数を記載する。得られた双撚生
コードに接着剤を付与し、130℃で120秒間乾燥し
た後、表1記載のヒートセット・ゾーン条件を40秒
間、及びノルマライジング・ゾーン条件を40秒間施し
て繊維コードを得た。得られた繊維コードの初期引張抵
抗度を測定したところ、表1記載の値であった。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1〜実施例3及び比較例1〜3で得
られた繊維コードを用いて、カーカスプライが1層のみ
からなるタイヤサイズ235/45 ZR17の空気入
りラジアルタイヤを構成した。いずれのタイヤにおいて
も該カーカスを、1670dtex/2にてアップダウ
ン配列で適用し、ベルトには通常のスチールコードを補
強素子とする2枚重ね(タイヤの赤道面に対する傾斜角
26°での交差積層)とし、このベルトの外周に140
0dtex/2の6.6ナイロンコードよりなる2枚の
キャップを用いた。
【0044】得られたタイヤに関して、(1)タイヤ高
荷重耐久性及び(2)タイヤ操縦安定性の評価を行っ
た。各評価について、以下に詳細に記載する。
【0045】(1)タイヤ高荷重耐久性 高荷重耐久性は、ドラム表面が平滑な鋼製でかつ直径が
1.707mであるドラム試験機を用いて行った。周辺
温度を30±3℃に制御し、リムサイズ8JJ×17、
試験内圧300kPa、荷重/1300kgの条件で、
故障が発生するまでタイヤを走行させた。この走行距離
が長いほどタイヤ耐久性が高いことを意味する。比較例
1のタイヤの故障発生までの走行距離を100として、
他のタイヤを標準化した。その値を表1に示す。
【0046】値が100よりも大きい程、良好であるこ
とを示す。なお、比較例1のタイヤは、本試験における
走行距離が1000kmを超えている。過去の実績から
考慮して、この走行距離は市場で問題となるレベルでは
ないが、故障発生までの距離が長いほど、即ち表1記載
の値が大きいほど、安全に対してのマージンが大きいこ
とがわかる。
【0047】(2) 操縦安定性 操縦安定性は、得られたタイヤを3000ccクラスの
スポーツタイプの乗用車に装着して、まず80km/h
の速度で3分間、予備走行を行った。その後、60〜2
00km/hの速度で実車フィーリングテストを実施
し、(i)直進安定性、(ii)旋回安定性、(ii
i)剛性感、(iv)ハンドリング等の項目について1
〜10点の評点をつけ、各項目を平均して操縦安定性の
評点とした。なお、操縦安定性の評価は、専門のドライ
バー2名で行い、2名の評点の平均を求め、比較例1で
得られたタイヤの結果を100として、標準化した。こ
の値を表1に示す。表1の「タイヤ操縦安定性指数」の
値は、その値が大きい程、操縦安定性を有することを示
す。
【0048】実施例1〜3の繊維コードを用いたタイヤ
は、表1から明らかなように、高荷重耐久性及び操縦安
定性の双方に関して高い値を示す。一方、比較例1〜3
のカーカスコードを用いたタイヤ、特に比較例2及び3
のタイヤは、耐久性に関して高い値を示すものの操縦安
定性が低かった。即ち、比較例は、高荷重耐久性及び操
縦安定性の双方の性能を共に満足するタイヤを提供する
ことはできなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明により、使用中のタイヤ形状の変
化(変形)を効果的に抑制し、高荷重耐久性と操縦安定
性とに優れ、かつこれらのバランスが良好である高性能
のラジアルタイヤを提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード内部に埋設したビードコア
    相互間にわたりトロイダル状に延びるラジアルカーカス
    と、該カーカスの外周に配置されるベルトとを備えるラ
    ジアルタイヤであって、前記カーカスを構成するカーカ
    スコードが下記式Iで表される繰り返し単位(式I中、
    Aは二価のオレフィン残基を表し、前記繰り返し単位に
    おいて、Aはすべて同じであっても、互いに異なってい
    てもよい)からなるポリオレフィンケトンを有してな
    り、該カーカスコードの0.3g/dtexと0.6g
    /dtexのそれぞれの応力における伸び率差と該応力
    差とを用いて表される初期引張抵抗度が400〜100
    0N/mmであり、前記カーカスコードは、ヒートセ
    ット・ゾーン及びノルマライジング・ゾーンにおける熱
    処理時間が40〜120秒間によって得られ、前記ヒー
    トセット・ゾーンでの処理条件は、温度範囲が(Tm−
    13)〜(Tm−5)℃(ここでTmはポリオレフィン
    ケトンの結晶融点を表す)であり処理テンションが0.
    4〜1.8g/dtexであり、前記ノルマライジング
    ・ゾーンでの処理条件は、温度範囲が(Tm−13)〜
    (Tm−5)℃(ここでTmはポリオレフィンケトンの
    結晶融点を表す)であり処理テンションが0.2〜0.
    9g/dtexであるラジアルタイヤ。 【化1】
  2. 【請求項2】 Aがエチレン単位である請求項1記載の
    ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記カーカスコードの0.02N/dt
    ex応力時の伸び率が3.5%を超えて6.0%以下で
    あり、且つ破断伸びが11%以上である請求項1又は請
    求項2記載のラジアルタイヤ。
JP2001116342A 2001-04-16 2001-04-16 ラジアルタイヤ Pending JP2002307908A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001116342A JP2002307908A (ja) 2001-04-16 2001-04-16 ラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001116342A JP2002307908A (ja) 2001-04-16 2001-04-16 ラジアルタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002307908A true JP2002307908A (ja) 2002-10-23

Family

ID=18967090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001116342A Pending JP2002307908A (ja) 2001-04-16 2001-04-16 ラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002307908A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004306657A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006123648A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP2006123649A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP2006183167A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム補強用コード及び該コードを用いた空気入りラジアルタイヤ
WO2006080253A1 (ja) 2005-01-31 2006-08-03 Bridgestone Corporation 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
WO2007023640A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 空気入りタイヤ
JP2007137208A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
WO2007074719A1 (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ
JP2007168717A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Bridgestone Corp オフロード用空気入りラジアルタイヤ
WO2007108510A1 (ja) * 2006-03-23 2007-09-27 Bridgestone Corporation 空気入り安全タイヤ
WO2007136055A1 (ja) 2006-05-23 2007-11-29 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000190705A (ja) * 1998-12-25 2000-07-11 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000190705A (ja) * 1998-12-25 2000-07-11 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4502589B2 (ja) * 2003-04-02 2010-07-14 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP2004306657A (ja) * 2003-04-02 2004-11-04 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2006123648A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP2006123649A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP4572657B2 (ja) * 2004-10-27 2010-11-04 横浜ゴム株式会社 空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP4569259B2 (ja) * 2004-10-27 2010-10-27 横浜ゴム株式会社 空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP2006183167A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム補強用コード及び該コードを用いた空気入りラジアルタイヤ
WO2006080253A1 (ja) 2005-01-31 2006-08-03 Bridgestone Corporation 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
JP5134948B2 (ja) * 2005-01-31 2013-01-30 株式会社ブリヂストン 乗用車用空気入りラジアルタイヤ
US7886791B2 (en) 2005-01-31 2011-02-15 Bridgestone Corporation Pneumatic radial tire for passenger car
WO2007023640A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 The Yokohama Rubber Co., Ltd. 空気入りタイヤ
JP2007137208A (ja) * 2005-11-17 2007-06-07 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP2007168717A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Bridgestone Corp オフロード用空気入りラジアルタイヤ
JP4702886B2 (ja) * 2005-12-26 2011-06-15 株式会社ブリヂストン オフロード用空気入りラジアルタイヤ
WO2007074719A1 (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ
JP2007253826A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Bridgestone Corp 空気入り安全タイヤ
WO2007108510A1 (ja) * 2006-03-23 2007-09-27 Bridgestone Corporation 空気入り安全タイヤ
JP2007313930A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
WO2007136055A1 (ja) 2006-05-23 2007-11-29 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7886791B2 (en) Pneumatic radial tire for passenger car
US20090145531A1 (en) Pneumatic tire
JP4832133B2 (ja) 空気入り安全タイヤ
JP2007168711A (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP3935277B2 (ja) ラジアルタイヤ
JP3976291B2 (ja) ランフラットタイヤ
JP4769613B2 (ja) 空気入り安全タイヤ
JP2002307908A (ja) ラジアルタイヤ
JP4441004B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4502589B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5087203B2 (ja) 航空機用空気入りラジアルタイヤ
JP4323200B2 (ja) ゴム補強用有機繊維コード及びそれを用いたタイヤ
JP4963878B2 (ja) 空気入りランフラットラジアルタイヤ
JP4966554B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4434344B2 (ja) 二輪自動車用空気入りラジアルタイヤ
JP4734027B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4966552B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4953639B2 (ja) 高性能空気入りタイヤ
JP2008024188A (ja) ランフラットタイヤ
JP2006224949A (ja) 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
JP2010143293A (ja) 空気入りタイヤ
JP2008024189A (ja) 空気入りランフラットラジアルタイヤ
JP4963874B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009067323A (ja) 空気入りタイヤ
JP2008265495A (ja) ランフラットタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101228