JP2002303646A - 車載バッテリの純抵抗測定方法及び装置 - Google Patents

車載バッテリの純抵抗測定方法及び装置

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JP2002303646A
JP2002303646A JP2001106335A JP2001106335A JP2002303646A JP 2002303646 A JP2002303646 A JP 2002303646A JP 2001106335 A JP2001106335 A JP 2001106335A JP 2001106335 A JP2001106335 A JP 2001106335A JP 2002303646 A JP2002303646 A JP 2002303646A
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Yoichi Arai
洋一 荒井
Shuji Satake
周二 佐竹
Hisashi Takemoto
寿 竹本
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Yazaki Corp
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  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両使用中でもバッテリの純抵抗を測定でき
る車載バッテリの純抵抗測定方法及び装置を提供する。 【解決手段】 駆動開始時に定常値を越えて単調増大し
た後該定常値を越えた最大値から定常値まで単調減少す
る突出電流が流れる負荷の駆動時に、バッテリの端子電
圧とバッテリから当該負荷への放電電流とを電圧・電流
測定手段23a−1が周期的に測定する。測定した放電
電流と端子電圧に基づいて、最大値から定常値まで単調
減少する期間の放電電流に対する電圧−電流特性の近似
曲線式を近似曲線式算出手段23a−2が求める。演算
手段23a−3が近似曲線式算出手段により求めた近似
曲線式上の放電電流の最大値における接線の傾きを求
め、この求めた接線の傾きをバッテリの純抵抗としてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車載負荷を駆動す
る電力を供給するため車載されたバッテリの純抵抗を測
定する車載バッテリの純抵抗測定方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、バッテリから電流が放電される
とバッテリの端子電圧に降下を生じる。その電圧降下は
バッテリの内部インピーダンス(合成抵抗)によるもの
であるが、バッテリの構造などに基因するIR損(純抵
抗、すなわち、オーミック抵抗による電圧降下)と、化
学的な反応に基因する分極成分(活性化分極、濃度分
極)による電圧降下に分けることができる。
【0003】バッテリ端子電圧と放電電流の関係を示す
電圧−電流(V−I)特性を求めた場合、この特性に含
まれるIR損による電圧降下は、バッテリの状態が同じ
であれば変化しないが、分極成分による電圧降下は電流
の大きさと電流の放電している時間によって変化する。
よって、分極成分を含んだV−I特性から、バッテリの
様々な状態を推定すると、不正確な推定結果となるの
で、分極成分を分離した純抵抗のみを測定する技術が必
要とされる。
【0004】また、バッテリは、放電電流をカバーする
充電を行うことによって、その充電容量の範囲内におい
て繰り返し使用できることになっている。しかしなが
ら、過放電や電解液不足などの不測の事態を招いた場合
は勿論のこと、これらの事態を招かなくても、長期間に
わたって使用し経年変化が起こると、放電によって負荷
に供給できる電力量である放電可能容量が急激に低下す
るようになる。このため、経年変化によって放電可能容
量の低下している状態においては、充電を上回る放電が
わずかな期間発生しても、エンジン停止後にスタータモ
ータを起動してエンジンを再始動できなくなる事態を招
きかねない。
【0005】因みに、新品と経年変化の生じているバッ
テリとを比較した場合、新品に比べて経年変化の生じて
いるバッテリでは、その純抵抗が大きくなることが知ら
れている。そのため、車両の定期点検時などに、バッテ
リ交換の目安としてバッテリの純抵抗を測定することが
考えられている。これは、純抵抗を知ることによって、
純抵抗と分極成分との割合などを考慮し、劣化度を定め
ることができるからである。また、純抵抗が分かると、
バッテリの開回路電圧を推定するためにも利用できる。
【0006】従来、バッテリの純抵抗を測定するために
一般に使用されている測定器では、バッテリに1kHz
〜100kHz程度の周波数の交流を印加して充放電を
繰り返し、充電及び放電のいずれの分極も蓄積しない状
況で、たとえば1μ秒程度の一定時間内に変化する電圧
と電流の関係から純抵抗を求める方法を採用している。
【0007】これは、図6に示すように、放電を止めた
後、電圧が急激に回復し、その後に緩やかに回復する現
象を捉え、一定時間Δt内の急激な電圧の回復が純抵抗
Rによる成分のみにより生じ、その後の緩やかな変化は
純抵抗を除く分極を含むその他の要素による成分(キャ
パシタンスおよびインダクタンス成分)により生じてい
るとみなし、1kHz〜100kHz程度の周波数の交
流の各印加サイクルの短い時間内における電圧と電流の
変化を捉えて純抵抗を測定しようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両に
搭載したバッテリを対象として用いる場合には、静的な
状態は限られた場合にしか存在せず、車両が使用状態に
あるときには適用することができない。
【0009】また、上述した例の場合、短時間内に電圧
Vおよび電流Iのデータを収集する必要から、非常に周
期の短いサンプリングを行ってA/D変換を行うことを
一定時間Δt内に行わなければならず、単独で使用する
測定器として実現できるものの、車両に搭載して使用す
ることは非常に難しい。
【0010】しかも、求めるΔV/ΔIが精度のよいも
のとなるためには、ΔV、ΔIの各々が大きな値を示さ
なければならないが、車両では限られた場合にしかこの
ようなものは測定できない。さらに、車両動作中に任意
の交流をバッテリに印加することができない。したがっ
て、上述した方法は、車両使用中のバッテリの純抵抗を
測定するために適用できないという現実がある。
【0011】よって、本発明は上述した状況に鑑み、車
両使用中でもバッテリの純抵抗を測定できる車載バッテ
リの純抵抗測定方法及び装置を提供することを課題とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項1〜3記載の本発明は車載バッテリの純
抵抗測定方法に関するものであり、請求項4〜6記載の
本発明は車載バッテリの純抵抗測定装置に関するもので
ある。
【0013】上記課題を解決するためなされた請求項1
記載の発明は、車両の負荷に電力を供給するため車両に
搭載されたバッテリの純抵抗を測定する車載バッテリの
純抵抗測定方法において、駆動のため前記バッテリから
電力を供給したとき、定常値を越えて単調増大した後該
定常値を越えた最大値から定常値まで単調減少する突出
電流の流れる負荷の駆動時に、前記バッテリの端子電圧
と放電電流とを周期的に測定し、該測定した端子電圧と
放電電流とに基づいて、前記最大値から前記定常値まで
単調減少する期間の放電電流に対する電圧−電流特性の
近似曲線式を求め、該求めた近似曲線式上の前記放電電
流の前記最大値における接線の傾きを前記バッテリの純
抵抗として測定することを特徴とする車載バッテリの純
抵抗測定方法に存する。
【0014】上述した請求項1記載の手順によれば、駆
動される負荷が、駆動のためバッテリから電力を供給し
たとき、定常値を越えて単調増大した後該定常値を越え
た最大値から定常値まで単調減少する突出電流の流れる
ものであるとき、負荷の駆動時にバッテリの端子電圧と
放電電流とを周期的に測定し、測定した端子電圧と放電
電流とに基づいて、最大値から定常値まで単調減少する
期間の放電電流に対する電圧−電流特性の近似曲線式を
求める。このようにして求めた近似曲線式上の放電電流
の最大値においては、増大する放電電流によって生じた
分極が解消し始めはしないが増加も生じないようになる
ので、この点における近似曲線に対する接線の傾きを求
め、これをバッテリの純抵抗として測定している。
【0015】したがって、車両の通常の使用状態で特定
の負荷に電力を供給し突出電流が流れたときの車載バッ
テリの端子電圧と放電電流とを測定し、この測定の結果
得られる実データを処理するだけで、車載バッテリの純
抵抗を測定することができる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車
載バッテリの純抵抗測定方法において、前記接線の傾き
を、前記近似曲線式を微分して得た微分式に前記最大値
を代入して求めることを特徴とする車載バッテリの純抵
抗測定方法に存する。
【0017】上述した請求項2記載の手順によれば、接
線の傾きを、近似曲線式を微分して得た微分式に突出電
流の最大値を代入して求めているので、簡単な演算によ
って純抵抗を測定することができる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の車載バッテリの純抵抗測定方法において、周期的に
測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流の測定値を
収集し、該収集した測定値を利用して前記最大値を決定
するとともに前記近似曲線式を求める周期的に測定した
前記バッテリの端子電圧と放電電流の測定値を収集して
記憶しておき、該記憶した測定値を利用して、前記近似
曲線式を求めるとともに前記最大値を決定することを特
徴とする車載バッテリの純抵抗測定方法に存する。
【0019】上述した請求項3記載の手順によれば、周
期的に測定したバッテリの端子電圧と放電電流の測定値
を収集し、該収集した測定値を利用して最大値を決定す
るとともに近似曲線式を求めているので、測定値が純抵
抗を測定するのに適当な突出電流のものであるかどうか
を事前に判断できる。
【0020】上記課題を解決するためなされた請求項4
記載の発明は、図1の基本構成図に示す如く、車両の負
荷に電力を供給するため車両に搭載されたバッテリの純
抵抗を測定する車載バッテリの純抵抗測定装置におい
て、駆動開始時に定常値を越えて単調増大した後該定常
値を越えた最大値から定常値まで単調減少する突出電流
が流れる負荷の駆動時に、前記バッテリの端子電圧と前
記バッテリから前記負荷への放電電流とを周期的に測定
する電圧・電流測定手段23a−1と、該測定した放電
電流と端子電圧に基づいて、前記最大値から前記定常値
まで単調減少する期間の放電電流に対する電圧−電流特
性の近似曲線式を求める近似曲線式算出手段23a−2
と、該近似曲線式算出手段により求めた近似曲線式上の
前記放電電流の前記最大値における接線の傾きを求める
演算手段23a−3とを備え、該演算手段によって求め
た前記接線の傾きを前記バッテリの純抵抗として測定す
ることを特徴とする車載バッテリの純抵抗測定装置に存
する。
【0021】上述した請求項4記載の構成によれば、駆
動開始時に定常値を越えて単調増大した後該定常値を越
えた最大値から定常値まで単調減少する突出電流が流れ
る負荷の駆動時に、バッテリの端子電圧とバッテリから
当該負荷への放電電流とを電圧・電流測定手段23a−
1が周期的に測定する。測定した放電電流と端子電圧に
基づいて、最大値から定常値まで単調減少する期間の放
電電流に対する電圧−電流特性の近似曲線式を近似曲線
式算出手段23a−2が求める。演算手段23a−3が
近似曲線式算出手段により求めた近似曲線式上の放電電
流の最大値における接線の傾きを求め、この求めた接線
の傾きをバッテリの純抵抗としている。
【0022】したがって、車両の通常の使用状態で特定
の負荷に電力を供給し突出電流が流れたときの車載バッ
テリの端子電圧と放電電流とを測定し、この測定の結果
得られる実データを処理するだけで、車載バッテリの純
抵抗を測定することができる。
【0023】請求項5記載の発明は、請求項4記載の車
載バッテリの純抵抗測定装置において、前記演算手段
は、前記接線の傾きを、前記近似曲線式を微分して得た
微分式に前記最大値を代入して求めることを特徴とする
車載バッテリの純抵抗測定装置に存する。
【0024】上述した請求項5記載の構成によれば、接
線の傾きを、演算手段が近似曲線式を微分して得た微分
式に突出電流の最大値を代入して求めているので、簡単
な演算によって純抵抗を測定することができる。
【0025】請求項6記載の発明は、請求項4又は5記
載の車載バッテリの純抵抗測定装置において、前記電圧
・電流測定手段により周期的に測定した前記バッテリの
端子電圧と放電電流の測定値を収集して記憶する記憶手
段23bを備え、前記近似曲線式算出手段が前記記憶手
段に記憶した測定値を利用して前記近似曲線式を求め、
前記演算手段が収集した測定値を利用して前記最大値を
決定することを特徴とする車載バッテリの純抵抗測定装
置に存する。
【0026】上述した請求項6記載の構成によれば、記
憶手段23bが、電圧・電流測定手段により周期的に測
定したバッテリの端子電圧と放電電流とを収集して記憶
し、この記憶した測定値を用いて近似曲線式算出手段が
近似曲線式を求め、演算手段が収集した測定値を利用し
て最大値を決定しているので、測定値が純抵抗を求める
のに適当な突出電流のものであるかどうかを事前に判断
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車載バッテリ
の純抵抗測定方法を、本発明による車載バッテリの純抵
抗測定装置と共に、図面を参照して説明するが、その前
に、バッテリそのものの特性について検討する。
【0028】因みに、12V車、42V車、EV車、H
EV車には、スタータモータ、モータジェネレータ、走
行用モータなどの大電流を必要とする負荷が搭載されて
おり、これらの負荷を駆動するためにバッテリから電力
を供給すると、負荷には、定常値を越えて単調増大した
後該定常値を越えた最大値から定常値まで単調減少する
突出電流が流れる。図3はスタータモータを駆動したと
き流れる電流の一例を示す。図示の例の場合、突出電流
の流れ始めから約520Aのピーク値に達するまでの時
間は約3ミリ秒(msec)であり、突出電流が終了し
て約200A程度の定常値に低下するまでの時間も約
0.2秒程度で、0.5秒未満となっている。
【0029】なお、突出電流については、予想されるピ
ーク値に対応する最大値と、突出電流の流れが終了して
負荷が駆動状態にあるときの電流値に対応する定常値と
は、その大きさこそ異なるものの、他の負荷の場合にも
略同様の波形の電流が流れる。突出電流はピーク値まで
短時間に急速に増大した後、定常値まで短時間で急速に
減少する性質のものであることが特徴である。
【0030】一般に、バッテリからの放電電流が増大す
ると、増加に伴ってバッテリの端子電圧は低下する。こ
の電圧低下は、バッテリの内部インピーダンスに放電電
流が流れることによって生じる電圧降下に相当するもの
であり、内部インピーダンスが純抵抗成分のみからなっ
ていれば、電流値に比例して直線的に減少するが、実際
には、バッテリ内に発生する分極による電圧成分が重畳
するため、直線的とならない。
【0031】図4は、スタータモータの駆動時に図3に
示したような波形の放電電流が流れたときのバッテリの
端子電圧の変化の様子を示し、バッテリの端子電圧と放
電電流とを周期的に測定し、測定して得た放電電流に対
応する電圧値がプロットされるとともに、二次式に近似
した2つの曲線M1及びM2として描かれている。
【0032】曲線M1は、スタータモータの駆動開始に
よってバッテリから電力が供給されたとき定常値を越え
て単調増大する放電電流の流れている期間に周期的に測
定して得たバッテリの端子電圧と放電電流に基づくV−
I特性を二次式に近似したものである。これに対し、曲
線M2は、単調増大した後最大値から所定の定常値まで
単調減少する放電電流の流れている期間に周期的に測定
して得たバッテリの端子電圧と放電電流に基づくV−I
特性を二次式に近似したものである。なお、直線Rj
は、放電電流の増加に伴ってバッテリの純抵抗成分によ
って生じる電圧降下を示すものである。
【0033】曲線M1の直線Rjに対する変化を見る
と、放電電流が増大するに従って直線Rとの差が増大し
ているが、その差の増加する割合が徐々に小さくなって
いることが分かる。これは、放電電流の増大する初期の
段階では放電電流の増大に伴う分極の発生速度が急激で
あるが、最大値に近づくに従って徐々に遅くなっている
からである。これに対し、曲線M2の直線Rjに対する
変化を見ると、放電電流が最大値から減少するに従って
直線との差が減少していることは曲線M1の場合と全く
逆であるが、その差の減少する割合が徐々に大きくなっ
ていることが分かる。これは、放電電流が減少する初期
の段階では放電電流の減少に伴う分極の解消が殆ど進ま
ないが、定常値に近づくに従って徐々に解消速度が早く
なっているからである。なお、分極の解消速度はもとも
と発生速度に比べて遅いのが一般的な現象であることに
も基因している。
【0034】以上のような現象は、放電電流の減少時の
曲線M2の最大値近傍において、放電電流の増大時の分
極を発生させようとするエネルギーが残存し、放電電流
の減少によって分極が解消に向かわない状態、すなわ
ち、分極の発生も解消も起こらない分極量が一定の状態
がバッテリ内において生じることで発生する。このよう
な分極量が一定の状態から放電電流が減少して定常値に
近づくに従って分極の解消速度が徐々に早くなっている
ときのバッテリの端子電圧に基づいて得られるV−I特
性の二次の近似曲線の場合、その放電電流の最大値にお
ける変化率、すなわち、放電電流の最大値における近似
曲線の接線は、分極による電圧変化が零であり、純抵抗
のみにより変化する直線Rjと平行な直線Rj′となる
ことが理解できる。
【0035】よって、本発明では、駆動のためバッテリ
から電力を供給したとき、定常値を越えて単調増大した
後最大値から所定の定常値まで単調減少する突出電流の
流れる負荷の駆動時に、バッテリの端子電圧と放電電流
とを周期的に測定し、この測定した端子電圧と放電電流
とに基づいて、最大値から定常値まで単調減少する期間
の放電電流に対する電圧−電流特性の近似曲線式を求
め、この求めた近似曲線式上の放電電流の最大値におけ
る接線の傾きをバッテリの純抵抗として測定するように
している。
【0036】そこで、本発明では、aI2 +bI+cな
る二次式の近似曲線式を最小二乗法によって得ることに
よって、高い相関を有する近似式を用いるようにする。
因みに、最小二乗法によって二次の近似曲線式の係数を
決定する方法には、以下のようにして行う。
【0037】求める二次近似式を y=ax2 +bx+c とすると、残差εは ε=y−(ax2 +bx+c) と表される。この残差の平方和が最小となる係数a、b
及びcを求めるには、この残差平方和Se Se=Σ〔yi−(axi2 +bxi+c)〕2 をそれぞれ係数で偏微分し、0とおいた以下の連立方程
式を解けばよい。
【0038】δSe/δa=−2Σxi2 ・yi+2cΣ
xi2 +2aΣxi4 +2bΣxi5=0 δSe/δb=−2Σxi・yi+2cΣxi+2bΣxi
2 +2aΣxi3 =0 δSe/δc=2c−2Σyi+2bΣxi+2aΣxi
2 =0 なお、式中、iは1、2……nである。
【0039】これを整理すると、 aΣxi4 +bΣxi3 +cΣxi2 =Σxi2 ・yi aΣxi3 +bΣxi2 +cΣxi =Σxi・yi aΣxi3 +bΣxi +cΣ1=Σyi となり、これを行列式で表すと、次のようになり、これ
を解くことにより残差平方和が最小となる係数が求ま
る。
【0040】
【数1】
【0041】上述したように、例えば3ミリ秒以内の極
めて短い時間内に例えば520Aの定常値を越えて最大
値まで単調増大し、その後最大値から例えば200Aの
定常値まで短時間に急激に単調減少する突出電流の流れ
る例えばスタータモータのような負荷を駆動したとき、
バッテリの端子電圧と放電電流とを周期的に測定してこ
れら端子電圧と放電電流との相関を示す実データに基づ
いて、図4のグラフ中に示すように、電流が最大に達し
その後減少方向に向かう減少する放電電流に対するV−
I特性について二次の近似曲線式M2を得る。なお、図
4中に記載の式は実データによって得られた具体的な近
似曲線式の一例である。この近似曲線式M2を以下分析
する。
【0042】放電開始時点での分極成分を基準にする
と、放電が開始し電流が増加すると、分極成分は徐々に
増加していく。その後、電流が所定値を越えて最大値に
なったところで、分極成分がピークに達し、電流の減少
に伴って分極が解消していくはずである。しかし、実際
には、電流の減少に比例して分極成分は解消するのでは
なく反応が遅れて現れるため、近似曲線式M2の場合、
増加方向M1と同じV−I特性を示さないことになる。
【0043】上述したV−I特性の二次の近似曲線式M
2を用いて、バッテリの純抵抗Rを測定する方法を以下
具体的に説明する。
【0044】ところで、二次の近似曲線式M2で表され
る近似曲線によれば、任意の放電電流の値に対する端子
電圧の値はその電流値におけるバッテリの合成抵抗の値
によって決定される。また、近似曲線上の任意の点にお
ける放電電流の単位変化ΔI当たりの端子電圧の変化Δ
Vは、その点における近似曲線式Mの変化率、すなわ
ち、その点におけるバッテリ内の分極成分の変化率と純
抵抗との合成値によって決定され、近似曲線式Mの接線
の傾きによって表される。一般に、二次曲線の任意の点
の接線は、曲線を表す二次曲線式を微分して得た一次式
によって表され、接線の傾きは、求めた一次式に代入さ
れる任意の点の分極成分の変化率と純抵抗との合成値を
反映した値となっている。
【0045】具体的には、バッテリの合成抵抗Rは、常
時一定値を保っている純抵抗成分と放電電流の大きさと
放電時間によって変化する分極抵抗成分とから成ってい
るが、純抵抗成分は接線の傾きを決定する要素の一部で
はあるが、接線の傾きを変化させる要素としては働か
ず、接線の傾きを変化させているのは専ら単位電流変化
当たりの分極(電圧降下)の変化、すなわち分極成分で
ある。ところで、バッテリの任意の点の電流値に対応す
る分極成分の変化率と純抵抗との合成値は、二次の近似
曲線式M2を微分して得た一次の直線式に任意の点の電
流値を代入することによって求められる。
【0046】更に具体的には、近似曲線式M2をaI2
+bI+cとすると、この近似曲線式M2を微分してM
2′=ΔV/ΔI=2aI+b=Rなる一次式が得られ
る。そして、任意の点における分極成分の変化率と純抵
抗との合成値は、上述のように、求めた一次の直線式に
任意の点の電流値を代入することによって求められる。
【0047】実データに基づいて得られた図4中に記載
の具体的な近似曲線式M2=0.0000026I2
0.0095216I+11.6234270の場合、
これを微分することによって、M2′=0.00000
52I−0.0095216=Rなる一次式が得られ
る。
【0048】上述のような分極を増加し電圧降下を増大
させようとするバッテリ内のエネルギーは放電電流が減
少に切り替わってもしばらく持続し、このため、放電電
流が減少しても分極の解消には向かわず、分極の増加も
減少も生じない状態となり、分極による電圧降下分の増
減のない、見かけ上、純抵抗のみによる電圧変化しか生
じない。分極成分の変化率と純抵抗との合成値として
は、純抵抗の値を呈することになる。すなわち、放電電
流が減少に転じる最大値において分極の増加も減少も生
じることがなく分極による電圧降下に変化が生じなくな
ったとき、接線の傾きは純抵抗のみの値と等しくなる。
【0049】このようなことが成立するには、放電電流
が突出電流によるものが前提で、見かけ上、定常値を越
えて単調増大した後該定常値を越えた最大値から定常値
まで単調減少する電流が負荷に流れることだけではだめ
で、放電電流の増大と減少がともに短い時間内に生じる
突出電流のようなものでなけれは、求めた近似曲線式上
の最大値における接線の傾きをバッテリの純抵抗として
測定することはできない。
【0050】さらに放電電流の減少が進み、ある値以下
に低下した後は、分極の解消の速度が徐々に速まって電
流の減少に対する電圧変化が純抵抗によるよりも大きな
り、結果として、分極成分の変化率と純抵抗との合成値
が電流が減少するに従って増大するようになる。
【0051】以上のことから明らかなように、放電電流
の最大値における減少する放電電流に対するV−I特性
の接線の傾きは純抵抗のみの傾きになる。このことから
純抵抗は二次の近似曲線式M2を微分して求めた一次式
M2′=2aI+bに放電電流の最大値Ip(=520
A)を代入して求めた値2aIp+bを純抵抗として測
定することができる。
【0052】そこで、車載バッテリの純抵抗測定方法を
先ず説明する。車両の負荷に電力を供給するため車両に
搭載された、例えばスタータモータ、モータジェネレー
タ、走行用モータなどの大電流を必要とする負荷が動作
されると、バッテリからは定常値を越えて単調増大し最
大値から定常値に単調減少する放電電流が流れる。この
ときのバッテリの端子電圧と放電電流とを、例えば10
0マイクロ秒(μsec)の周期にてサンプリングして
測定することによって、バッテリの端子電圧と放電電流
との組が多数得られる。
【0053】このようにして得られたバッテリの端子電
圧と放電電流との組を、突出電流の前後の期間をカバー
する時間分、例えばRAMなどの書換可能な記憶手段と
してのメモリに格納、記憶して収集する。メモリに格
納、記憶して収集した端子電圧と放電電流との組のう
ち、突出電流の最大値から定常値まで減少する期間のも
のを用いて、最小二乗法により、端子電圧と放電電流と
の相関を示す減少する突出電流に対する電圧−電流特性
のM2=aI2 +bI+cなる二次式で表される近似曲
線式M2を求める。
【0054】次に、近似曲線式M2によって表される電
圧−電流特性曲線上の最大値における接線を求めるた
め、近似曲線式M2を微分して一次の直線式M2′を求
める。この一次の直線式に最大の電流値を代入すること
によって、最大値の点における近似曲線式の接線の傾
き、すなわち、近似曲線式M2によって表される電圧−
電流特性曲線上の最大値の点におけるバッテリの合成抵
抗を、電流によって変化しないバッテリの合成抵抗中の
純抵抗Rとして測定することができる。
【0055】上述したようなことを可能にして本発明の
車載バッテリの純抵抗測定方法を実施する装置の具体的
な実施の形態を、図面に戻って以下説明する。
【0056】図2は本発明の車載バッテリの純抵抗測定
方法を適用した本発明の一実施形態に係る車載バッテリ
の純抵抗測定装置の概略構成を一部ブロックにて示す説
明図であり、図中符号1で示す本実施形態の車載バッテ
リの純抵抗測定装置は、エンジン3に加えてモータジェ
ネレータ5を有するハイブリッド車両に搭載されてい
る。
【0057】そして、このハイブリッド車両は、通常時
はエンジン3の出力のみをドライブシャフト7からディ
ファレンシャルケース9を介して車輪11に伝達して走
行させ、高負荷時には、バッテリ13からの電力により
モータジェネレータ5をモータとして機能させて、エン
ジン3の出力に加えてモータジェネレータ5の出力をド
ライブシャフト7から車輪11に伝達し、アシスト走行
を行わせるように構成されている。
【0058】また、このハイブリッド車両は、減速時や
制動時にモータジェネレータ5をジェネレータ(発電
機)として機能させ、運動エネルギを電気エネルギに変
換してバッテリ13を充電させるように構成されてい
る。
【0059】なお、モータジェネレータ5はさらに、図
示しないスタータスイッチのオンに伴うエンジン3の始
動時に、エンジン3のフライホイールを強制的に回転さ
せるスタータモータとして用いられるが、その場合にモ
ータジェネレータ5には、短時間に大きな電流が流され
る。スタータスイッチのオンによりモータジェネレータ
5によってエンジン3が始動されると、イグニッション
キー(図示せず。)の操作解除に伴って、スタータスイ
ッチがオフになってイグニッションスイッチやアクセサ
リスイッチのオン状態に移行し、これに伴ってバッテリ
13から流れる放電電流は、定常電流に移行する。
【0060】話を構成の説明に戻すと、本実施形態の車
載バッテリの純抵抗測定装置1は、アシスト走行用のモ
ータやスタータモータとして機能するモータジェネレー
タ5等、電装品に対するバッテリ13の放電電流Iや、
ジェネレータとして機能するモータジェネレータ5から
のバッテリ13に対する充電電流を検出する電流センサ
15と、バッテリ13に並列接続した1Mオーム程度の
抵抗値を有し、バッテリ13の端子電圧Vを検出する電
圧センサ17とを備えている。
【0061】また、本実施形態の車載バッテリの純抵抗
測定装置1は、上述した電流センサ15及び電圧センサ
17の出力がインタフェース回路(以下、「I/F」と
略記する。)21におけるA/D変換後に取り込まれる
マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記す
る。)23をさらに備えている。
【0062】そして、前記マイコン23は、CPU23
a、RAM23b、及び、ROM23cを有しており、
このうち、CPU23aには、RAM23b及びROM
23cの他、前記I/F21が接続されており、また、
上述した図示しないスタータスイッチ、イグニッション
スイッチやアクセサリスイッチ、モータジェネレータ5
以外の電装品(負荷)のスイッチ等が、さらに接続され
ている。
【0063】前記RAM23bは、各種データ記憶用の
データエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを
有しており、前記ROM23cには、CPU23aに各
種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納され
ている。
【0064】なお、上述した電流センサ15及び電圧セ
ンサ17の出力である電流値及び電圧値は、短い周期で
高速にサンプリングされてI/F21を介して、マイコ
ン23のCPU23aに取り込まれ、取り込まれた電流
値及び電圧値は前記RAM23bのデータエリア(記憶
手段に相当する)に収集され、各種の処理のために使用
される。
【0065】次に、前記ROM23cに格納された制御
プログラムに従いCPU23aが行う処理を、図5のフ
ローチャートを参照して説明する。
【0066】バッテリ13からの給電を受けてマイコン
23が起動しプログラムがスタートすると、CPU23
aは、まず初期設定を実行する(ステップS1)。
【0067】ステップS1の初期設定が済んだならば、
次に、CPU23aは、イグニッション(IG)スイッ
チがオンされたか否かを判定し(ステップS2)、判定
がYESにならないときには他の処理(ステップS3)
を行う。なお、このステップS3の処理では、500μ
secのサンプリング周期で放電電流及び端子電圧を測
定して収集することも行っており、この処理をステップ
S2の判定がYESになるまで繰り返す。そして、IG
スイッチのオンが検出されたときには(ステップS2の
YES)、急激に変化するスタータモータの駆動時の急
激に変化する突出電流を測定することができるように、
サンプリング周期を500μsecから100μsec
に短くする(ステップS4)。
【0068】その後、電流センサ15の検出したバッテ
リ13の放電電流Iと電圧センサ17の検出したバッテ
リ13の端子電圧VとのA/D変換値を対にしてI/F
21を介して読み込み、読み込んだ実データをRAM2
3bのデータエリアに格納、記憶して収集する実データ
収集処理を実行する(ステップS5)。
【0069】このステップS5において実データ収集処
理を行っている過程で、収集した前後の実データの大小
関係を比較することによって突出電流の最大値を検出す
る(ステップS6)。最大値が検出されたとき(ステッ
プS6のYES)には、最大値検出からのの時間を計時
し、所定時間が経過するまで実データの収集を継続し、
所定時間経過した時点(ステップS7のYES)で、最
大値の前後の所定時間分の実データを保持する(ステッ
プS8)とともに、最大値を検出してから所定時間後に
サンプリング周期を元の500μsecに戻す(ステッ
プS9)。
【0070】そして、収集保持した所定時間分の実デー
タが分析され、最小二乗法を適用して、電圧−電流特性
の二次の近似曲線式を求めるのに適当なものであるかど
うかが判定される。すなわち、バッテリから最大値から
所定定常値まで単調減少する放電電流が流れているかど
うかを分析する分析処理を行う(ステップS10)。
【0071】ステップS10における分析の結果、電圧
−電流特性の2次の近似曲線式を求めるのに適当なもの
が収集されているとき(ステップS11のYES)、減
少する放電電流に対する電圧−電流特性のaI2 +bI
+cなる二次式で表される近似曲線式M2を求める近似
曲線式算出処理を実行する(ステップS12)。
【0072】ステップS12の近似曲線式算出処理によ
って、近似曲線式M2が求まった後、次に、バッテリの
純抵抗を求めるための演算処理を実行する(ステップS
13)。ステップS13における演算処理では、減少す
る放電電流に対する電圧−電流特性の例えばaI2 +b
I+cなる二次式で表される近似曲線式M2を微分して
一次の直線式を求める。
【0073】ステップS13における演算処理では、さ
らに、近似曲線式M2を微分して求めた一次の直線式に
最大値を代入して最大値における接線の傾きを求め、こ
の値をバッテリの純抵抗とし、この測定した純抵抗は種
々の目的で使用するため、RAM23bのデータエリア
に格納されて記憶される(ステップS14)。ステップ
S13の測定処理が終了したら、次にステップS2の判
定がYESとなるのを待つ。
【0074】また、本実施形態の車載バッテリの純抵抗
測定装置1ではフローチャートにおけるステップS5が
請求項中の電圧・電流測定手段に対する処理となってお
り、ステップS11が請求項中の近似曲線算出手段に対
応する処理となっており、ステップS13が請求項中の
演算手段に対応する処理となっている。
【0075】次に、上述のように構成された本実施形態
の車載バッテリの純抵抗測定装置1の動作(作用)につ
いて説明する。
【0076】まず、スタータモータの駆動開始に伴いバ
ッテリ13が放電を行っている状態で、スタータモータ
に定常値を越えて単調増大し最大値から定常値に単調減
少する突出電流が流れたときのバッテリの端子電圧と放
電電流とが周期的に測定される。
【0077】また、本実施形態の車載バッテリの純抵抗
測定装置1では、周期的に測定された最大値の前後の所
定時間分の実データを、RAM23bのデータエリアに
格納、記憶して収集され、収集された放電電流Iと端子
電圧Vとの所定時間分の実データは分析され、最小二乗
法を適用して、電圧−電流特性の2次の近似曲線式を求
めるのに適当なものであるかどうかが判定される。すな
わち、バッテリから所定値を越えて単調増大し最大値か
ら所定値以下に単調減少する放電電流が流れているかど
うかが分析される。
【0078】このため、電圧−電流特性の2次の近似曲
線式を求めるのに適当なものが収集されるまで、近似曲
線式算出処理が行われることがなく、近似曲線式算出処
理も、既に収集した所定時間分の実データを用いて行わ
れればよいので、端子電圧と放電電流との周期的な測定
に同期して処理を行わなくてもよく、早い処理速度が必
要としない。
【0079】なお、上述した実施の形態では、スタータ
モータが駆動開始されるときの放電電流に含まれる突出
電流についてのみ注目して本発明を実施しているが、大
きさこそ異なるもののスタータモータと同様に駆動開始
時に突出電流の流れるスタータモータ以外の負荷にも等
しく適用することができる。ただし、この場合には、I
Gスイッチの代わりに、負荷駆動開始時点を負荷スイッ
チのオン操作を捕らえて、ステップS4の処理を行うこ
とになり、それ以外の処理は図5のフローチャートと実
質的に同じ処理を行うことでよい。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は4記
載の発明によれば、車両の通常の使用状態で特定の負荷
に電力を供給し突出電流が流れたときの車載バッテリの
端子電圧と放電電流とを測定し、この測定の結果得られ
る実データを処理するだけで、車載バッテリの純抵抗を
測定しているので、バッテリを通常状態で使用している
際、すなわち、車両使用中でも車載バッテリの純抵抗を
測定できる車載バッテリの純抵抗測定方法及び装置を提
供することができる。
【0081】上述した請求項2又は5記載の発明によれ
ば、近似曲線式を微分して得た微分式に突出電流の最大
値を代入して接線の傾きを求めることで純抵抗の測定を
行っているので、簡単な演算によって測定することがで
きる車載バッテリの純抵抗測定方法及び装置を提供する
ことができる。
【0082】上述した請求項3又は6記載の発明によれ
ば、周期的に測定したバッテリの端子電圧と放電電流と
を収集して記憶し、この記憶した測定値を用いて、近似
曲線式を求めるとともに最大値を決定し、測定値が純抵
抗を測定するのに適当な突出電流のものであるかどうか
を事前に判断できるので、無駄な処理を省くとともに、
リアルタイムな高速処理を行うことなく純抵抗を測定す
ることのできる車載バッテリの純抵抗測定方法及び装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載バッテリの純抵抗測定装置の基本
構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の車載バッテリの純抵抗測定方法を適用
した本発明の一実施形態に係る車載バッテリの純抵抗測
定装置の概略構成を一部ブロックにて示す説明図であ
る。
【図3】スタータモータ駆動開始時の突出電流を伴う放
電電流の一例を示すグラフである。
【図4】二次の近似曲線式で表したV−I特性の一例を
示すグラフである。
【図5】図2中のマイコンが純抵抗測定のため予め定め
たプログラムに従って行う処理を示すフローチャートで
ある。
【図6】従来のバッテリの純抵抗の測定の仕方を説明す
るためのグラフである。
【符号の説明】
23a−1 電圧・電流測定手段(CPU) 23a−2 近似曲線式算出手段(CPU) 23a−3 演算手段(CPU) 23b 記憶手段(RAM)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹本 寿 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 Fターム(参考) 2G016 CA03 CB06 CB23 CC01 CC27 2G028 BE04 CG02 GL13 GL20 5H030 AA04 AS08 FF42 FF44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の負荷に電力を供給するため車両に
    搭載されたバッテリの純抵抗を測定する車載バッテリの
    純抵抗測定方法において、 駆動のため前記バッテリから電力を供給したとき、定常
    値を越えて単調増大した後該定常値を越えた最大値から
    定常値まで単調減少する突出電流の流れる負荷の駆動時
    に、前記バッテリの端子電圧と放電電流とを周期的に測
    定し、 該測定した端子電圧と放電電流とに基づいて、前記最大
    値から前記定常値まで単調減少する期間の放電電流に対
    する電圧−電流特性の近似曲線式を求め、 該求めた近似曲線式上の前記放電電流の前記最大値にお
    ける接線の傾きを前記バッテリの純抵抗として測定する
    ことを特徴とする車載バッテリの純抵抗測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車載バッテリの純抵抗測
    定方法において、 前記接線の傾きを、前記近似曲線式を微分して得た微分
    式に前記最大値を代入して求めることを特徴とする車載
    バッテリの純抵抗測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の車載バッテリの純
    抵抗測定方法において、 周期的に測定した前記バッテリの端子電圧と放電電流の
    測定値を収集し、該収集した測定値を利用して前記最大
    値を決定するとともに前記近似曲線式を求めることを特
    徴とする車載バッテリの純抵抗測定方法。
  4. 【請求項4】 車両の負荷に電力を供給するため車両に
    搭載されたバッテリの純抵抗を測定する車載バッテリの
    純抵抗測定装置において、 駆動開始時に定常値を越えて単調増大した後該定常値を
    越えた最大値から定常値まで単調減少する突出電流が流
    れる負荷の駆動時に、前記バッテリの端子電圧と前記バ
    ッテリから前記負荷への放電電流とを周期的に測定する
    電圧・電流測定手段と、 該測定した放電電流と端子電圧に基づいて、前記最大値
    から前記定常値まで単調減少する期間の放電電流に対す
    る電圧−電流特性の近似曲線式を求める近似曲線式算出
    手段と、 該近似曲線式算出手段により求めた近似二次曲線式上の
    前記放電電流の前記最大値における接線の傾きを求める
    演算手段とを備え、 該演算手段によって求めた前記接線の傾きを前記バッテ
    リの純抵抗として測定することを特徴とする車載バッテ
    リの純抵抗測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車載バッテリの純抵抗測
    定装置において、 前記演算手段は、前記接線の傾きを、前記近似曲線式を
    微分して得た微分式に前記最大値を代入して求めること
    を特徴とする車載バッテリの純抵抗測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載の車載バッテリの純
    抵抗測定装置において、 前記電圧・電流測定手段により周期的に測定した前記バ
    ッテリの端子電圧と放電電流の測定値を収集して記憶す
    る記憶手段を備え、 前記近似曲線式算出手段が前記記憶手段に記憶した測定
    値を利用して前記近似曲線式を求め、 前記演算手段が収集した測定値を利用して前記最大値を
    決定することを特徴とする車載バッテリの純抵抗測定装
    置。
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